JP5790270B2 - 構造解析システム,構造解析プログラムおよび構造解析方法 - Google Patents

構造解析システム,構造解析プログラムおよび構造解析方法 Download PDF

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Description

本発明は,複数の計算機による並列計算で構造解析を行う構造解析システム,構造解析プログラムおよび構造解析方法に関するものである。
近年,構造設計の分野では,構造解析を用いて設計検証を行うことが一般化している。特に,構造解析ソフトウェアの技術向上により,複数の計算機で並列計算を行うことで,大規模な構造解析対象モデルを短時間で計算することが可能となっている。ここでの複数の計算機による並列計算には,例えばコンピュータクラスタなどの複数のコンピュータによる並列計算のほか,マルチプロセッサやマルチコアプロセッサなどのコンピュータによる並列計算も含む。
並列計算を前提とするような大規模な構造解析対象モデルの解析では,構造解析対象モデルをあらかじめ複数の計算領域に分割して,並列計算を行う各計算機に割り当てる方法を用いるのが一般的である。分割された計算領域を複数の計算機で並列処理することで,大規模な計算を短時間で実行することが可能となる。近年では,並列計算の実用化によって,解析対象の装置全体をモデル化した大規模で複雑な解析による設計検証が実施可能になっている。
なお,モーフィングによってメッシュモデルの各セルの節点を移動させた際に,節点移動後の要素のアスペクト比が設定移動前と等しくなるように節点を調整する技術が知られている。また,シミュレーション対象物の形状の変更に伴う,要素データを構成する各節点の移動ベクトルを有限要素法を用いて解き,変更前の要素データを移動ベクトルの分だけ移動させることにより,変更後の要素データを形成する技術が知られている。また,有限要素法を用いた並列計算処理において,メッシュモデルの各節点を距離が最も近い角点を中心にグループ化し,グループ数をCPU(Central Processing Unit )数に一致させる処理を行う技術が知られている。
特開2009−223358号公報 特開平9−128436号公報 特開平8−006907号公報
分割された計算領域ごとの計算処理については,複数の計算機で並列処理することで,その処理負荷を軽減することが可能である。しかし,計算領域ごとの構造解析の計算処理の前処理である領域分割の処理については,複数の計算機で実行することは困難であるため,その処理負荷を軽減することは難しい。
構造設計では,初期設計による構造解析結果が設計要件を満たせなかった場合に,部分的に構造解析対象モデルの部品寸法を変更しながら,設計要件を満たすまで,構造解析を繰り返しながら設計を進めることが多い。しかし,このような一部部品の部分的な寸法変更だけを行う場合であっても,領域分割の処理負荷が高いために,計算の並列規模が大きくなるほど,計算領域ごとの構造解析の計算処理時間に比較して前処理時間の割合が増大するという問題がある。
一側面では,本発明は,複数の計算機による構造解析の並列計算において,領域分割の処理負荷を削減した効率的な構造解析の再計算が可能となる技術を提供することを目的とする。
1態様では,複数の制御部で構造解析の並列計算を行う構造解析システムは,構造解析対象物のCADモデルから生成されたメッシュモデルを記憶するメッシュデータ記憶部と,メッシュモデルを複数に分割した構造解析の計算領域ごとの剛性マトリクスを記憶する剛性マトリクス記憶部と,構造解析対象物のCADモデルの形状変更に応じて,メッシュデータ記憶部に記憶されたメッシュモデルの形状を変更するメッシュ形状変更部と,メッシュモデルの形状変更により,メッシュモデルの節点のトポロジが変化した場合に,メッシュモデルにおける変化した節点の要素を含む計算領域について,剛性マトリクス記憶部に記憶された該計算領域の剛性マトリクスを更新する剛性マトリクス更新部とを備える。
1態様では,複数の計算機による構造解析の並列計算において,領域分割の処理負荷を削減した効率的な構造解析の再計算が可能となる。
本実施の形態1による構造解析システムの構成例を示す図である。 本実施の形態による構造解析システムを実現するコンピュータのハードウェア構成例である。 本実施の形態1の構造解析システムによる領域分割データ生成処理フローチャートである。 本実施の形態1の構造解析システムによる領域分割データ更新処理フローチャートである。 本実施の形態1の構造解析システムによる領域分割データ更新処理フローチャートである。 本実施の形態の剛性マトリクス更新部による領域別データ更新処理フローチャートである。 本実施の形態2による構造解析システムの構成例を示す図である。 本実施の形態2の構造解析システムによる領域分割データ生成処理フローチャートである。 本実施の形態2の構造解析システムによる領域分割データ生成処理フローチャートである。 本実施の形態2の構造解析システムによる領域分割データ更新処理フローチャートである。 本実施の形態2の構造解析システムによる領域分割データ更新処理フローチャートである。 本実施例による構造解析対象モデルの例を示す図である。 本実施例によるメッシュモデルの例を示す図である。 本実施例による節点座標対応情報の例を示す図である。 本実施例による要素節点対応情報の例を示す図である。 本実施例による領域情報の例を示す図である。 本実施例による要素剛性マトリクスの例を示す図である。 本実施例による全体剛性マトリクスの例を示す図である。 本実施例による形状変更後のメッシュモデルの例を示す図である。 本実施例によるメッシュモデル形状変更後の節点座標対応情報の例を示す図である。 本実施例によるメッシュモデル形状変更後の要素剛性マトリクスの例を示す図である。 本実施例によるメッシュモデル形状変更で更新された全体剛性マトリクスの例を示す図である。
以下,本実施の形態について,図を用いて説明する。
〔実施の形態1〕
図1は,本実施の形態1による構造解析システムの構成例を示す図である。
図1に示す構造解析システム10は,CAD(computer aided design )で設計されたモデルを用いた構造解析対象物の構造解析を,複数の制御部100,110a〜110nによる並列計算で実行するシステムである。複数の制御部100,110a〜110nは,複数の計算機,ここでは複数のCPU(Central Processing Unit )とソフトウェアプログラムとで実現される。
構造解析システム10は,メッシュ生成部101,領域分割部102,剛性マトリクス生成部103,再分割判定部104,メッシュ形状変更部105,剛性マトリクス更新部106,構造解析部111a〜nを備える。また,構造解析システム10は,CADデータ記憶部121,メッシュデータ記憶部122,領域情報記憶部123,剛性マトリクス記憶部124a〜nを備える。
メッシュ生成部101は,CADデータ記憶部121に記憶された構造解析対象物のCADモデルをメッシュ分割してメッシュモデルを生成する。CADデータ記憶部121は,構造解析対象物のCADモデルのデータを記憶する記憶部である。本実施の形態1によるCADデータ記憶部121は,例えばCADモデルが設計変更された際の更新前のCADモデルのデータや,CADモデルの更新履歴の情報なども記憶している。
メッシュ生成部101により生成されたメッシュモデルのデータは,メッシュデータ記憶部122に記憶される。メッシュデータ記憶部122は,構造解析対象物のCADモデルから生成されたメッシュモデルのデータを記憶する記憶部である。メッシュモデルのデータとしては,例えば,メッシュモデルにおける各節点の座標データや,メッシュモデルにおける各要素を構成する節点を示すデータなどがある。
領域分割部102は,構造解析対象物のメッシュモデルを,構造解析を複数の制御部110a〜110nで並列計算するための複数の構造解析の計算領域に分割する。メッシュモデルの分割では,ロードバランス等が考慮された複数の計算領域への分割が行われる。メッシュモデルを複数の計算領域に分割した情報は,領域情報記憶部123に記憶される。領域情報記憶部123は,メッシュモデルを分割して得られた複数の計算領域の情報を記憶する記憶部である。計算領域の情報については,例えば,実際に計算領域ごとに分割されたメッシュモデルのデータなどであってもよいし,各計算領域に属する要素を示すデータなどであってもよい。
剛性マトリクス生成部103は,メッシュモデルを複数に分割した構造解析の計算領域ごとの剛性マトリクスを生成する。具体的には,剛性マトリクス生成部103は,メッシュモデルのデータ,解析条件データ,物性データから,メッシュモデルにおける各要素ごとに,要素剛性マトリクスを生成する。メッシュモデルのデータは,各節点の座標データや,各要素を構成する節点のデータなどである。解析条件データは,接触条件や,拘束条件などの設定データである。物性データは,ヤング率やポアソン比などの物性値のデータである。なお,解析条件データや物性データは,図1では図示されていない記憶部に記憶されている。剛性マトリクス生成部103は,計算領域ごとに,属する全要素の要素剛性マトリクスを加算して,計算領域ごとの全体剛性マトリクスを生成する。
剛性マトリクス生成部103により生成された計算領域ごとの剛性マトリクスは,それぞれ該当計算領域に応じた剛性マトリクス記憶部124a〜nに記憶される。剛性マトリクス記憶部124a〜nは,メッシュモデルを複数に分割した構造解析の計算領域ごとの剛性マトリクスをそれぞれ記憶する記憶部である。剛性マトリクス記憶部124a〜nには,計算領域ごとの全要素の要素剛性マトリクスを記憶してもよいし,計算領域ごとの全体剛性マトリクスを記憶してもよい。本実施の形態では,剛性マトリクス記憶部124a〜nには,計算領域ごとの全体剛性マトリクスが記憶される。
構造解析部111a〜nは,それぞれ,対応する計算領域の剛性マトリクス記憶部124a〜nに記憶された剛性マトリクスを用いて,計算領域ごとの構造解析の計算処理を行う。
再分割判定部104は,CADモデルの形状変更が行われたときに,CADモデルの形状変更に合わせて既存のメッシュモデルを形状変更するか,更新されたCADモデルをメッシュ分割して新たなメッシュモデルを生成するかを判定する。既存のメッシュモデルを形状変更すると判定された場合には,メッシュ形状変更部105による更新前のCADモデルから生成されたメッシュモデルの形状変更が行われる。新たなメッシュモデルを生成すると判定された場合には,メッシュ生成部101による更新されたCADモデルからのメッシュモデルの生成が行われる。
例えば,再分割判定部104は,CADモデルを構成する一部部品の形状が変更された際に,形状変更された部品の形状のトポロジが変わっていれば,新たなメッシュモデルを生成すると判定する。例えば,再分割判定部104は,形状変更の前と後とで部品の面の数が変わっている場合や,部品のサーフェスの名称が変わっている場合などに,部品の形状のトポロジが変わっていると判断する。
また,例えば,再分割判定部104は,変更された部品の形状に応じて,形状変更前の部品から生成されたメッシュモデルが形状変更された際に,メッシュモデルの要素品質が許容できる以上に悪化していれば,新たなメッシュモデルを生成すると判定する。メッシュモデルの要素品質の評価指標としては,例えばアスペクト比やヤコビアンなどがある。アスペクト比は,要素の最大辺と最小辺との比である。例えば,要素のアスペクト比が許容値より大きい場合,その要素品質は悪いと判定できる。ヤコビアンは,変数変換による面積や体積の変化の比率を符号付きで表したものである。ヤコビアンを要素マトリクスに適用すると,要素の歪みを評価することができる。例えば,要素品質が良い要素ほどヤコビアンが大きな正値となり,要素品質が悪くなるに従ってヤコビアンが小さくなり,さらに要素品質が不良な要素のヤコビアンは,負値となる。
メッシュ形状変更部105は,構造解析対象物のCADモデルの形状変更に応じて,メッシュデータ記憶部122にデータが記憶された,形状変更前のCADモデルから生成されたメッシュモデルの形状を変更する。例えば,メッシュ形状変更部105は,モーフィングによりメッシュモデルの形状変更を行う。メッシュ形状変更部105によるメッシュモデルの形状変更では,メッシュモデルにおける一部またはすべての節点の座標は変更されるが,メッシュモデルにおける要素の数や要素同士のつながりは変更されない。
剛性マトリクス更新部106は,メッシュモデルの形状変更により節点座標が変更された要素を含む計算領域について,該当計算領域の剛性マトリクス記憶部124に記憶された,該当計算領域の剛性マトリクスを更新する。
例えば,剛性マトリクス更新部106は,座標が変更された節点を持つ要素の節点座標変更前の要素剛性マトリクスを生成し,当該要素を含む計算領域の全体剛性マトリクスから,生成された要素剛性マトリクスを差し引く。節点座標変更前の要素剛性マトリクスは,メッシュデータ記憶部122に記憶された形状変更前のメッシュモデルのデータから生成することができる。
次に,剛性マトリクス更新部106は,座標が変更された節点を持つ要素の節点座標変更後の要素剛性マトリクスを生成し,当該要素を含む計算領域の全体剛性マトリクスに,生成された要素剛性マトリクスを加算する。節点座標変更後の要素剛性マトリクスは,メッシュ形状変更部105により形状変更されたメッシュモデルのデータから生成することができる。
既存のメッシュモデルをモーフィングなどによって形状変更した場合には,全体剛性マトリクスのそれぞれの項の配列が維持されるため,節点移動が発生した要素の要素剛性マトリクスのみを再計算して,全体剛性マトリクスを更新することができる。また,CADモデルの更新がCADモデルを構成する一部部品の寸法変更などであった場合,その変更の影響を受ける計算領域が限られるケースも発生する。このような場合に,変更が必要な計算領域に限定したデータ更新が可能となるので,データ更新の効率化が図れる。
図1に示す構造解析システム10では,メッシュ生成部101,領域分割部102,剛性マトリクス生成部103,再分割判定部104,メッシュ形状変更部105,剛性マトリクス更新部106は,構造解析全体の制御管理用の制御部100で動作する。図1に示す例では,構造解析全体の制御管理用の制御部100は,マルチプロセッサにおけるCPU#0で実現される。また,図1に示す構造解析システム10では,構造解析部111a〜nは,それぞれ制御部110a〜n,すなわちマルチプロセッサにおける個々のCPU#1〜#nで動作する。また,図1に示す構造解析システム10では,CADデータ記憶部121,メッシュデータ記憶部122,領域情報記憶部123,剛性マトリクス記憶部124a〜nは,メモリやディスク等の記憶部120で実現される。
図1に示す本実施の形態1による構造解析システム10では,CADモデルの部分的な形状変更に応じて既存のメッシュモデルの形状変更を行い,節点座標が変更された要素のみについて,当該要素を含む計算領域の剛性マトリクスを更新する。これにより,CADモデルの一部を設計変更して構造解析の再計算を行うごとに,毎回,計算領域の分割処理を行わなくてもよくなるので,計算領域分割の処理負荷を削減した効率的な構造解析の再計算が可能となる。
図2は,本実施の形態による構造解析システムを実現するコンピュータのハードウェア構成例である。
図2に示すように,図1に示す本実施の形態1による構造解析システム10を実現するコンピュータ1は,例えば,複数のCPU2,主記憶となるメモリ3,記憶装置4,通信装置5,媒体読取・書込装置6,入力装置7,出力装置8等を備える。例えば,図1に示す制御部100,110a〜nを実現するCPU#0〜#nは,図2に示す複数のCPU2である。記憶装置4は,例えばHDD(Hard Disk Drive )などである。媒体読取・書込装置6は,例えばCD−R(Compact Disc Recordable )ドライブやDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable )ドライブなどである。入力装置7は,例えばキーボード・マウスなどである。出力装置8は,例えばディスプレイ等の表示装置などである。
図1に示す構造解析システム10または構造解析システム10が備える各機能部は,コンピュータ1が備える複数のCPU2,メモリ3等のハードウェアと,ソフトウェアプログラムとによって実現することが可能である。コンピュータ1が実行可能なプログラムは,記憶装置4に記憶され,その実行時にメモリ3に読み出され,各CPU2により実行される。
コンピュータ1は,可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り,そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また,コンピュータ1は,サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに,逐次,受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。さらに,このプログラムは,コンピュータ1で読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
図2に示すコンピュータ1は,複数のCPU2を有するマルチプロセッサシステムのコンピュータ1の一例であるが,本実施の形態1による構造解析システム10は,マルチコアプロセッサなどのコンピュータで実現してもよい。また,本実施の形態1による構造解析システム10を,複数のコンピュータを用いたコンピュータクラスタなどで実現してもよい。
図3は,本実施の形態1の構造解析システムによる領域分割データ生成処理フローチャートである。
図3に示す領域分割データ生成処理は,図1に示す構造解析システム10のCPU#0すなわち制御部100のメッシュ生成部101,領域分割部102,剛性マトリクス生成部103による,CADモデルから計算領域ごとの全体剛性マトリクスを生成する処理の例である。
メッシュ生成部101は,CADデータ記憶部121から,設計された構造解析対象物のCADモデルを読み込む(ステップS10)。メッシュ生成部101は,読み込まれたCADモデルをメッシュ分割したメッシュモデルを生成する(ステップS11)。生成されたメッシュモデルのデータは,メッシュデータ記憶部122に記憶される。
領域分割部102は,メッシュ生成部101により生成されたメッシュモデルを,複数の計算領域に分割する(ステップS12)。メッシュモデルを複数の計算領域に分割した情報は,領域情報記憶部123に記憶される。
剛性マトリクス生成部103は,構造解析の計算領域を順に1つ選択する(ステップS13)。
剛性マトリクス生成部103は,選択された計算領域に属する要素を1つ選択する(ステップS14)。剛性マトリクス生成部103は,選択された要素の要素剛性マトリクスを計算する(ステップS15)。
剛性マトリクス生成部103は,選択された計算領域に属するすべての要素について処理が終了したかを判定する(ステップS16)。まだすべての要素について処理が終了していなければ(ステップS16のNO),剛性マトリクス生成部103は,ステップS14の処理に戻って,次の要素の処理に移る。
すべての要素について処理が終了していれば(ステップS16のYES),剛性マトリクス生成部103は,選択された計算領域に属するすべての要素の要素剛性マトリクスを加算して,選択された計算領域の全体剛性マトリクスを計算する(ステップS17)。求められた全体剛性マトリクスは,該当する計算領域に割り当てられた剛性マトリクス記憶部124に記憶される。
剛性マトリクス生成部103は,すべての計算領域について処理が終了したかを判定する(ステップS18)。まだすべての計算領域について処理が終了していなければ(ステップS18のNO),剛性マトリクス生成部103は,ステップS13の処理に戻って,次の計算領域の処理に移る。すべての計算領域について処理が終了していれば(ステップS18のYES),制御部100は,領域分割データ生成処理を終了する。
図4,図5は,本実施の形態1の構造解析システムによる領域分割データ更新処理フローチャートである。
図4,図5に示す領域分割データ更新処理は,図1に示す構造解析システム10のCPU#0すなわち制御部100の再分割判定部104,メッシュ形状変更部105,剛性マトリクス更新部106による,CADモデルの変更に応じて計算領域ごとの全体剛性マトリクスを更新する処理の例である。
制御部100は,CADモデルを構成する部品を1つ選択する(ステップS20)。制御部100は,選択された部品に形状変更があるかを判定する(ステップS21)。形状変更がなければ(ステップS21のNO),制御部100は,ステップS28の処理に進む。
形状変更があれば(ステップS21のYES),再分割判定部104は,選択された部品の形状のトポロジが形状変更前と変わったかを判定する(ステップS22)。トポロジが変わっていれば(ステップS22のYES),制御部100は,図3に示す領域分割データ生成処理を実行し(ステップS23),領域分割データ更新処理を終了する。再分割判定部104は,部品の形状のトポロジが変わっている場合,メッシュの再分割が必要であると判定する。
トポロジが変わっていなければ(ステップS22のNO),メッシュ形状変更部105は,メッシュデータ記憶部122に記憶された選択された部品の形状変更前のメッシュモデルを,部品の形状変更に応じて,モーフィングによって形状変更する(ステップS24)。このとき形状変更されたメッシュモデルは,形状変更前のメッシュモデルとは別に一時保存される。
再分割判定部104は,形状変更されたメッシュモデルの各要素のアスペクト比が,所定の許容値,例えば5.0を超えているかを判定する(ステップS25)。各要素のアスペクト比がすべて5.0を超えていなければ(ステップS25のNO),制御部100は,ステップS28の処理に進む。
アスペクト比が5.0を超えている要素があれば(ステップS25のYES),メッシュ形状変更部105は,メッシュのスムージングを行う(ステップS26)。メッシュのスムージングでは,メッシュモデルの形状を変更せずに節点を移動する処理が行われる。メッシュのスムージングにより,要素品質を良化させることができる。
再分割判定部104は,スムージング後のメッシュモデルの各要素のアスペクト比が所定の許容値,例えば5.0を超えているかを再度判定する(ステップS27)。各要素のアスペクト比がすべて5.0を超えていなければ(ステップS27のNO),制御部100は,ステップS28の処理に進む。
アスペクト比が5.0を超えている要素があれば(ステップS27のYES),制御部100は,図3に示す領域分割データ生成処理を実行し(ステップS23),領域分割データ更新処理を終了する。再分割判定部104は,形状変更によりメッシュモデルの要素品質が悪くなってしまった場合,メッシュの再分割が必要であると判定する。ここでは,形状変更後のメッシュモデルの要素のアスペクト比で,形状変更後のメッシュモデルの要素品質が評価されている。
制御部100は,構造解析対象物のCADモデルを構成するすべての部品について処理が終了したかを判定する(ステップS28)。まだすべての部品について処理が終了していなければ(ステップS28のNO),制御部100は,ステップS20の処理に戻って,次の部品の処理に進む。
すべての部品について処理が終了していれば(ステップS28のYES),制御部100は,ステップS29の処理に進む。このとき,一時保存されたメッシュモデルの形状変更が確定される。なお,再分割判定部104により,メッシュの再分割が必要と判断された場合には,一時保存された形状変更後のメッシュモデルは破棄される。
剛性マトリクス更新部106は,計算領域を順に1つ選択する(ステップS29)。剛性マトリクス更新部106は,領域別データ更新処理を実行する(ステップS30)。領域別データ更新処理は,メッシュモデルの形状変更に応じて,計算領域単位で全体剛性マトリクスを更新する処理である。領域別データ更新処理の詳細については,後述する。
剛性マトリクス更新部106は,すべての計算領域について処理が終了したかを判定する(ステップS31)。まだすべての計算領域について処理が終了していなければ(ステップS31のNO),剛性マトリクス更新部106は,ステップS29の処理に戻って,次の計算領域の処理に移る。すべての計算領域について処理が終了していれば(ステップS31のYES),制御部100は,領域分割データ更新処理を終了する。
図6は,本実施の形態の剛性マトリクス更新部による領域別データ更新処理フローチャートである。
剛性マトリクス更新部106は,メッシュモデルにおける該当計算領域に属する要素を順に1つ選択する(ステップS40)。剛性マトリクス更新部106は,選択された要素の節点座標に変更があるかを判定する(ステップS41)。ここでは,剛性マトリクス更新部106は,形状変更前のメッシュモデルと,形状変更後のメッシュモデルとの節点座標を比較して,節点座標の変更を判定する。節点座標に変更がなければ(ステップS41のNO),剛性マトリクス更新部106は,ステップS46の処理に進む。
節点座標に変更があれば(ステップS41のYES),剛性マトリクス更新部106は,形状変更前のメッシュモデルのデータから,選択された要素の形状変更前の要素剛性マトリクスを生成する(ステップS42)。剛性マトリクス更新部106は,該当計算領域の剛性マトリクス記憶部124に記憶された全体剛性マトリクスから,形状変更前の要素剛性マトリクスを差し引く(ステップS43)。
剛性マトリクス更新部106は,形状変更後のメッシュモデルのデータから,選択された要素の形状変更後の要素剛性マトリクスを生成する(ステップS44)。剛性マトリクス更新部106は,該当計算領域の剛性マトリクス記憶部124に記憶された全体剛性マトリクスに,形状変更後の要素剛性マトリクスを加算する(ステップS45)。
剛性マトリクス更新部106は,該当計算領域に属するすべての要素について処理が終了したかを判定する(ステップS46)。まだすべての要素について処理が終了していなければ(ステップS46のNO),剛性マトリクス更新部106は,ステップS40の処理に戻って,次の要素の処理に移る。すべての要素について処理が終了していれば(ステップS46のYES),剛性マトリクス更新部106は,領域別データ更新処理を終了する。
なお,図6に示す領域別データ更新処理の例では,形状変更された要素ごとに,全体剛性マトリクスから形状変更前の要素剛性マトリクスを差し引き,形状変更後の要素剛性マトリクスを加算する処理を行っている。該当計算領域のすべての要素が形状変更されている場合には,例えば,全体剛性マトリクスの生成時と同様に,該当計算領域のすべての要素の要素剛性マトリクスを生成して加算することで,該当計算領域の全体剛性マトリクスを更新するようにしてもよい。
〔実施の形態2〕
図7は,本実施の形態2による構造解析システムの構成例を示す図である。
図1に示す実施の形態1による構造解析システム10では,構造解析全体の制御管理用の制御部100が,計算領域ごとの剛性マトリクスの生成や更新を行っていた。本実施の形態2による構造解析システム20では,それぞれ割り当てられた計算領域ごとの構造解析の計算処理を行う制御部210a〜nが,自身に割り当てられた計算領域の剛性マトリクスの生成や更新を並列処理で行う。
図7に示す構造解析システム20は,メッシュ生成部201,領域分割部202,再分割判定部203,メッシュ形状変更部204を備える。図7に示す構造解析システム20では,メッシュ生成部201,領域分割部202,再分割判定部203,メッシュ形状変更部204は,構造解析全体の制御管理用の制御部200で動作する。図7に示す例では,構造解析全体の制御管理用の制御部200は,マルチプロセッサにおけるCPU#0で実現される。メッシュ生成部201,領域分割部202,再分割判定部203,メッシュ形状変更部204については,それぞれ図1に示すメッシュ生成部101,領域分割部102,再分割判定部104,メッシュ形状変更部105と同様であるので,ここでは説明を省略する。
また,構造解析システム20は,CADデータ記憶部221,メッシュデータ記憶部222,領域情報記憶部223,剛性マトリクス記憶部224a〜nを備える。図7に示す構造解析システム20では,CADデータ記憶部221,メッシュデータ記憶部222,領域情報記憶部223,剛性マトリクス記憶部224a〜nは,メモリやディスク等の記憶部220で実現される。CADデータ記憶部221,メッシュデータ記憶部222,領域情報記憶部223,剛性マトリクス記憶部224a〜nについては,それぞれ図1に示すCADデータ記憶部121,メッシュデータ記憶部122,領域情報記憶部123,剛性マトリクス記憶部124a〜nと同様であるので,ここでは説明を省略する。
また,構造解析システム20は,剛性マトリクス生成部211a〜n,剛性マトリクス更新部212a〜n,構造解析部213a〜nを備える。図7に示す構造解析システム20では,剛性マトリクス生成部211a〜n,剛性マトリクス更新部212a〜n,構造解析部213a〜nは,それぞれ制御部210a〜n,すなわちマルチプロセッサにおける個々のCPU#1〜#nで動作する。なお,構造解析部213a〜nについては,図1に示す構造解析部111a〜nと同様であるので,ここでは説明を省略する。
剛性マトリクス生成部211a〜nは,図1に示す実施の形態1による剛性マトリクス生成部103に相当する処理を行う。ただし,本実施の形態2の剛性マトリクス生成部211a〜nは,それぞれ,対応する計算領域の剛性マトリクスの生成のみを行う。すなわち,各制御部210が備える各剛性マトリクス生成部211は,それぞれ,自制御部210に割り当てられた計算領域のメッシュモデルのデータから,該当計算領域の全体剛性マトリクスを生成する。計算領域に応じた全体剛性マトリクスの具体的な生成手法については,図1に示す剛性マトリクス生成部103で説明した手法と同様であるので,ここでは説明を省略する。各制御部210が備える剛性マトリクス生成部211は,生成した全体剛性マトリクスを,それぞれの計算領域に応じた剛性マトリクス記憶部224に記憶する。
剛性マトリクス更新部212a〜nは,図1に示す実施の形態1による剛性マトリクス更新部106に相当する処理を行う。ただし,本実施の形態2の剛性マトリクス更新部212a〜nは,それぞれ,対応する計算領域の剛性マトリクスの更新のみを行う。各制御部210が備える剛性マトリクス更新部212は,それぞれ,自制御部210による構造解析の計算領域に含まれる要素の節点の座標が変更された場合に,自制御部210の計算領域に応じた剛性マトリクス記憶部224に記憶された剛性マトリクスを更新する。計算領域に応じた全体剛性マトリクスの具体的な更新手法については,図1に示す剛性マトリクス更新部106で説明した手法と同様であるので,ここでは説明を省略する。
図7に示す本実施の形態2による構造解析システム20では,計算領域ごとにそれぞれ対応する制御部210が剛性マトリクスの更新を並列処理で行うことが可能となるので,計算領域ごとの剛性マトリクス更新の効率化が図れる。
図8,図9は,本実施の形態2の構造解析システムによる領域分割データ生成処理フローチャートである。
図8に示す処理は,図7に示す構造解析システム20のCPU#0すなわち制御部200のメッシュ生成部201,領域分割部202による処理の例である。図9に示す処理は,図7に示す構造解析システム20のCPU#1〜#nすなわち各制御部210a〜nの各剛性マトリクス生成部211a〜nによる処理の例である。なお,図9の説明では,特にCPU#1による処理について説明しているが,他のCPU#2〜#nによる処理についても同様である。
CPU#0は,設計された構造解析対象物のCADモデルを読み込む(ステップS50)。CPU#0は,読み込まれたCADモデルをメッシュ分割したメッシュモデルを生成する(ステップS51)。CPU#0は,生成したメッシュモデルを複数の計算領域に分割する(ステップS52)。CPU#0は,各CPU#1〜#nに対して,それぞれ対応する計算領域の剛性マトリクスの生成要求を通知する(ステップS53)。
CPU#1は,CPU#0から剛性マトリクスの生成要求の通知を受ける(ステップS60)。
CPU#1は,自身が構造解析の計算処理を行う計算領域に属する要素を順に1つ選択する(ステップS61)。CPU#1は,選択された要素の要素剛性マトリクスを計算する(ステップS62)。
CPU#1は,自身が構造解析の計算処理を行う計算領域に属するすべての要素について処理が終了したかを判定する(ステップS63)。まだすべての要素について処理が終了していなければ(ステップS63のNO),CPU#1は,ステップS61の処理に戻って,次の要素の処理に移る。
すべての要素について処理が終了していれば(ステップS63のYES),CPU#1は,自身が構造解析の計算処理を行う計算領域に属するすべての要素の要素剛性マトリクスを加算して,該計算領域の全体剛性マトリクスを計算する(ステップS64)。
図10,図11は,本実施の形態2の構造解析システムによる領域分割データ更新処理フローチャートである。
図10に示す処理は,図7に示す構造解析システム20のCPU#0すなわち制御部200の再分割判定部203,メッシュ形状変更部204による処理の例である。図11に示す処理は,図7に示す構造解析システム20のCPU#1〜#nすなわち各制御部210a〜nの各剛性マトリクス更新部212a〜nによる処理の例である。なお,図11の説明では,特にCPU#1による処理について説明しているが,他のCPU#2〜#nによる処理についても同様である。
CPU#0は,CADモデルを構成する部品を1つ選択する(ステップS70)。CPU#0は,選択された部品に形状変更があるかを判定する(ステップS71)。形状変更がなければ(ステップS71のNO),CPU#0は,ステップS78の処理に進む。
形状変更があれば(ステップS71のYES),CPU#0は,選択された部品の形状のトポロジが形状変更前と変わったかを判定する(ステップS72)。トポロジが変わっていれば(ステップS72のYES),CPU#0は,図8に示す領域分割データ生成処理を実行する(ステップS73)。
トポロジが変わっていなければ(ステップS72のNO),CPU#0は,選択された部品の形状変更前のメッシュモデルを,部品の形状変更に応じて,モーフィングによって形状変更する(ステップS74)。CPU#0は,形状変更されたメッシュモデルの各要素のアスペクト比が,所定の許容値,例えば5.0を超えているかを判定する(ステップS75)。各要素のアスペクト比がすべて5.0を超えていなければ(ステップS75のNO),CPU#0は,ステップS78の処理に進む。
アスペクト比が5.0を超えている要素があれば(ステップS75のYES),CPU#0は,メッシュのスムージングを行う(ステップS76)。CPU#0は,スムージング後のメッシュモデルの各要素のアスペクト比が所定の許容値5.0を超えているかを再度判定する(ステップS77)。各要素のアスペクト比がすべて5.0を超えていなければ(ステップS77のNO),CPU#0は,ステップS78の処理に進む。
アスペクト比が5.0を超えている要素があれば(ステップS77のYES),CPU#0は,図8に示す領域分割データ生成処理を実行する(ステップS73)。
CPU#0は,構造解析対象物のCADモデルを構成するすべての部品について処理が終了したかを判定する(ステップS78)。まだすべての部品について処理が終了していなければ(ステップS78のNO),CPU#0は,ステップS70の処理に戻って,次の部品の処理に進む。
すべての部品について処理が終了していれば(ステップS78のYES),CPU#0は,各CPU#1〜#nに対して,それぞれ対応する計算領域の剛性マトリクスの更新要求を通知する(ステップS79)。
CPU#1は,CPU#0から剛性マトリクスの生成要求の通知を受ける(ステップS80)。CPU#1は,自身が構造解析の計算処理を行う計算領域について,図6に示す領域別データ更新処理を行う(ステップS81)。
〔実施例〕
以下,簡単な例を用いた具体的な実施例を説明する。ここでは,例えば上述の実施の形態2による構造解析システム20によって,処理が行われるものとする。本実施例において,構造解析システム20は,構造解析全体の制御管理用のCPU#0のほかに,構造解析の並列計算を行う4つのCPU#1〜#4を備えるものとする。
図12は,本実施例による構造解析対象モデルの例を示す図である。
図12に示す構造解析対象モデル300は,構造解析対象物である方持ち梁のCADモデルであり,左端が固定されている。ここでは,構造解析対象モデル300に対する構造解析により,方持ち梁全体に重力が加わったときの変形量を求めるものとする。
図13は,本実施例によるメッシュモデルの例を示す図である。
図13に示すメッシュモデル310は,構造解析対象モデル300をメッシュ分割して生成されたメッシュモデルの一例である。ここでは,構造解析対象モデル300は,8つの要素を持つメッシュモデル310にメッシュ分割されたものとする。メッシュモデル310は,10個の節点を持つ。図13において,E01〜E08は各要素を識別する要素IDを示し,N01〜N10は各節点を識別する節点IDを示す。
図13に示すように,メッシュモデル310は,4つのCPU#1〜#4で構造解析の並列処理を行うために,4つの計算領域に分割される。図13において,D01〜D04は,計算領域を識別する領域IDを示す。本実施例では,説明を簡単にするために,1つの部品で構成される単純な構造解析対象物を例としているので,メッシュモデル310を複数の計算領域に分割する処理負荷は高くない。しかし,実際に複数の制御部で並列処理を行うほどの大規模で複雑な構造解析対象物のメッシュモデルを複数の計算領域に分割する場合には,その処理負荷は非常に高くなる。
ここまでのメッシュモデルの生成から,計算領域の分割までの処理は,構造解析全体の制御管理用のCPU#0によって行われる。
図14は,本実施例による節点座標対応情報の例を示す図である。
図14に示す節点座標対応情報320は,図13に示すメッシュモデル310における節点と,その座標との対応を管理するデータの一例である。図14に示す節点座標対応情報320には,節点を識別する節点IDと,節点の座標との対応が示されている。なお,座標は,左側が水平方向の座標を示し,右側が垂直方向の座標を示す。
図15は,本実施例による要素節点対応情報の例を示す図である。
図15に示す要素節点対応情報330は,図13に示すメッシュモデル310における要素と,その要素が持つ節点との対応を管理するデータの一例である。図15に示す要素節点対応情報330には,要素を識別する要素IDと,節点を識別する節点IDとの対応が示されている。
図16は,本実施例による領域情報の例を示す図である。
図16に示す領域情報340は,図13に示すメッシュモデル310を分割した計算領域と,その計算領域に属する要素との対応を管理するデータの一例である。図16に示す領域情報340には,計算領域を識別する領域IDと,要素を識別する要素IDとの対応が示されている。
本実施例では,D01の計算領域の処理をCPU#1が,D02の計算領域の処理をCPU#2が,D03の計算領域の処理をCPU#3が,D04の計算領域の処理をCPU#4がそれぞれ担当するものとする。各CPU#1〜#4は,図14〜図16に示すメッシュモデル310のデータや領域分割のデータ,さらには解析条件データや物性データから,自身が処理を担当する計算領域に属する要素の要素剛性マトリクスを生成する。
図17は,本実施例による要素剛性マトリクスの例を示す図である。
図17に示す各要素剛性マトリクス350a〜hは,各CPU#1〜#4によって作成された,図13に示すメッシュモデル310を構成する要素ごとの剛性マトリクスの例である。なお,図17に示す各要素剛性マトリクス350a〜hでは,0の値が連続する一部領域が省略されている。
図17(A)に示す要素剛性マトリクス350aは,D01の計算領域に属するE01の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。図17(B)に示す要素剛性マトリクス350bは,D01の計算領域に属するE02の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。これらの要素剛性マトリクス350a,bは,CPU#1により生成される。
図17(C)に示す要素剛性マトリクス350cは,D02の計算領域に属するE03の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。図17(D)に示す要素剛性マトリクス350dは,D02の計算領域に属するE04の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。これらの要素剛性マトリクス350c,dは,CPU#2により生成される。
図17(E)に示す要素剛性マトリクス350eは,D03の計算領域に属するE05の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。図17(F)に示す要素剛性マトリクス350fは,D03の計算領域に属するE06の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。これらの要素剛性マトリクス350e,fは,CPU#3により生成される。
図17(G)に示す要素剛性マトリクス350gは,D04の計算領域に属するE07の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。図17(H)に示す要素剛性マトリクス350hは,D04の計算領域に属するE08の要素についての要素剛性マトリクス350の一例である。これらの要素剛性マトリクス350g,hは,CPU#4により生成される。
各CPU#1〜#4は,それぞれ,自身が担当する計算領域の要素剛性マトリクス350から,自身が担当する計算領域の全体剛性マトリクスを生成する。
図18は,本実施例による全体剛性マトリクスの例を示す図である。
図18に示す全体剛性マトリクス360は,CPU#3が,D03の計算領域について生成した全体剛性マトリクスの一例である。図18に示す全体剛性マトリクス360では,0の値が連続する一部領域が省略されている。
このような手順で生成された全体剛性マトリクスを用いて,各CPU#1〜#4は,自身が担当する計算領域についての構造解析の計算処理を行う。
その後,構造解析対象モデル300の設計変更が行われたものとする。CPU#0は,構造解析対象モデル300の設計変更に合わせて,図13に示すメッシュモデル310の形状変更を行う。
図19は,本実施例による形状変更後のメッシュモデルの例を示す図である。
図19に示すメッシュモデル310’は,図13に示すメッシュモデル310の形状変更により得られたものである。ここでは,図19に示すように,形状変更によって,D04の計算領域の部分全体が0.1だけ水平方向右側に変位したものとする。すなわち,節点N01〜N04がそれぞれ水平方向右側に0.1だけ移動した状態となる。この節点N01〜N04の移動により,要素E05と要素E06の形状は,変更されている。
図20は,本実施例によるメッシュモデル形状変更後の節点座標対応情報の例を示す図である。
図20に示す節点座標対応情報320’は,図19に示す形状変更後のメッシュモデル310’における節点と,その座標との対応を管理するデータの一例である。図14に示す形状変更前のメッシュモデル310における節点座標対応情報320から,節点N01〜N04の水平後方の座標のみが,それぞれ0.1だけ変更されている。
各CPU#1〜#4は,それぞれ,形状変更されたメッシュモデル310’に応じて,自身が担当する計算領域の剛性マトリクスを更新する。
計算領域D01,D02については,節点座標の変更がないため,それぞれ全体剛性マトリクスの更新は不要である。また,計算領域D04については,節点座標の変更はあるが,要素E07,E08の形状に変更はなく,計算領域全体が平行移動するだけであるので,全体剛性マトリクスは変更されない。
計算領域D03については,節点N03,N04の座標変更により,要素E05,E06の形状が変わったため,計算領域D03を担当するCPU#3は,要素E05,E06についての要素剛性マトリクス350を計算し,計算領域D03の全体剛性マトリクスを更新する。
図21は,本実施例によるメッシュモデル形状変更後の要素剛性マトリクスの例を示す図である。
図21(A)は,形状変更後の要素E05の要素剛性マトリクス350e’を示す。図21(B)は,形状変更後の要素E06の要素剛性マトリクス350f’を示す。
図22は,本実施例によるメッシュモデル形状変更で更新された全体剛性マトリクスの例を示す図である。
CPU#3は,図21に示す形状変更後の要素E05の要素剛性マトリクス350e’と要素E06の要素剛性マトリクス350f’で,図18に示す全体剛性マトリクス360を更新する。更新後,計算領域D03の全体剛性マトリクスは,図22に示す全体剛性マトリクス360’となる。
このように,上述の実施の形態による構造解析システム10,20の技術によって,構造解析対象物のCADモデルの一部設計変更に応じて,メッシュの再分割や計算領域の再分割なしに,計算領域ごとの剛性マトリクスを更新することが可能となる。
以上,本実施の形態について説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
10,20 構造解析システム
100,200 制御部(CPU#0)
101,201 メッシュ生成部
102,202 領域分割部
103,211 剛性マトリクス生成部
104,203 再分割判定部
105,204 メッシュ形状変更部
106,212 剛性マトリクス更新部
110,210 制御部(CPU#1〜#n)
111,213 構造解析部
120,220 記憶部
121,221 CADデータ記憶部
122,222 メッシュデータ記憶部
123,223 領域情報記憶部
124,224 剛性マトリクス記憶部

Claims (6)

  1. 複数の制御部で構造解析の並列計算を行う構造解析システムであって,
    構造解析対象物のCADモデルから生成されたメッシュモデルを記憶するメッシュデータ記憶部と,
    前記メッシュモデルを複数に分割した構造解析の計算領域ごとの剛性マトリクスを記憶する剛性マトリクス記憶部と,
    前記構造解析対象物のCADモデルの形状変更に応じて,前記メッシュデータ記憶部に記憶された前記メッシュモデルの形状を変更するメッシュ形状変更部と,
    前記メッシュモデルの形状変更により,前記メッシュモデルの節点のトポロジが変化した場合に,前記メッシュモデルにおける前記変化した節点の要素を含む計算領域について,前記剛性マトリクス記憶部に記憶された該計算領域の剛性マトリクスを更新する剛性マトリクス更新部とを備える
    ことを特徴とする構造解析システム。
  2. 前記剛性マトリクス更新部は,前記複数の制御部のそれぞれに備えられ,
    前記複数の制御部がそれぞれ備える剛性マトリクス更新部は,自制御部による構造解析の計算領域に含まれる節点のトポロジが変化した場合に,前記剛性マトリクス記憶部に記憶された自制御部による構造解析の計算領域の剛性マトリクスを更新する
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造解析システム。
  3. 複数の制御部で構造解析の並列計算を行うコンピュータに,
    構造解析対象物のCADモデルの形状変更に応じて,記憶部に記憶された,形状変更前の該構造解析対象物のCADモデルから生成されたメッシュモデルの形状を変更し,
    前記メッシュモデルの形状変更により,前記メッシュモデルの節点のトポロジが変化した場合に,記憶部に記憶された,前記メッシュモデルを複数に分割した構造解析の計算領域ごとの剛性マトリクスのうち,前記変化した節点の要素を含む計算領域の剛性マトリクスを更新する
    処理を実行させるための構造解析プログラム。
  4. 前記剛性マトリクスを更新する処理では,前記制御部が,自制御部による構造解析の計算領域に含まれる節点のトポロジが変化した場合に,記憶部に記憶された自制御部による構造解析の計算領域の剛性マトリクスを更新する
    ことを特徴とする請求項3に記載の構造解析プログラム。
  5. 複数の制御部で構造解析の並列計算を行うコンピュータが,
    構造解析対象物のCADモデルの形状変更に応じて,記憶部に記憶された,形状変更前の該構造解析対象物のCADモデルから生成されたメッシュモデルの形状を変更し,
    前記メッシュモデルの形状変更により,前記メッシュモデルの節点のトポロジが変化した場合に,記憶部に記憶された,前記メッシュモデルを複数に分割した構造解析の計算領域ごとの剛性マトリクスのうち,前記変化した節点の要素を含む計算領域の剛性マトリクスを更新する過程を実行する
    ことを特徴とする構造解析方法。
  6. 前記剛性マトリクスを更新する過程では,前記制御部が,自制御部による構造解析の計算領域に含まれる節点のトポロジが変化した場合に,記憶部に記憶された自制御部による構造解析の計算領域の剛性マトリクスを更新する
    ことを特徴とする請求項5に記載の構造解析方法。
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