次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
[第1実施例]
図1は本発明のパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
本実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲に配置されたセンター役物50と、センター役物50の下側に配置され遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、センター役物50の左部に形成され遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ44a(図3参照)を有する大入賞口44と、遊技領域31の左下部に配置され一般入賞口スイッチ45a(図3参照)を有する一般入賞口45と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口46と、を備える。センター役物50の上部中央には、装飾モータ93b(図8参照)の駆動によって作動する月の形を模した第1可動役物51(月役物)が設けられ、センター役物50の上部左側には、装飾モータ93c(図8参照)の駆動によって作動する刀の形を模した第2可動役物52(左刀役物)が設けられ、センター役物50の上部右側には、装飾モータ93d(図8参照)の駆動によって作動する刀の形を模した第3可動役物53(右刀役物)が設けられている。また、遊技盤30には、この他に、遊技領域を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする風車48や図示しない多数の釘が設けられている。
第2始動口38は、普通電動役物として設けられる可変式の入球口であり、翼片部38cと、翼片部38cを作動させる第2始動口ソレノイド38b(図3参照)と、を備える。この第2始動口38は、翼片部38cが直立しているときには遊技球の入球の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部38cが左側に開いているときには遊技球の入球の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部38cが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
大入賞口44は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、開閉板44cと、開閉板44cを作動させる大入賞口ソレノイド44b(図3参照)と、を備える。この大入賞口44は、通常は開閉板44cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、大入賞口ソレノイド44b(図3参照)によって開閉板44cが作動して手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態)となる。大入賞口44には、遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ44a(図3参照)が取り付けられている。本実施例では、大当り遊技の処理として、大入賞口スイッチ44aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒)が経過するまでを1ラウンドとして大入賞口44を開放し、規定ラウンドまで大入賞口44の開放動作を繰り返す。なお、各ラウンドの間には、所定時間(例えば、2秒間)だけ大入賞口44を閉状態とする。
図柄表示装置40は、図4の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示部(普通図柄表示装置)41と、特別図柄(識別情報)の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示部(特別図柄表示装置)42と、大当り遊技の規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す図柄を表示するラウンド表示部(ラウンド表示装置)43と、を備える。普通図柄表示部41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。図5に、普通図柄表示部41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示部41は、図示するように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示部41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第2始動口38を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。
特別図柄表示部42は、図4に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示部42は、第1始動口36か第2始動口38のいずれかの入球が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄,特定態様)である場合に、大当りとなって大当り遊技(特定遊技)が行われる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる表示部となっており、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる表示部となっている。以下、特に、第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄(特図1)とも呼び、第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄(特図2)とも呼ぶ。図6に、大当り時における特別図柄表示部42の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の通常大当りとなる特別図柄(第1の通常大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける右上,右下,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける中段の横棒セグメントと右上および左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様とがある(上から1段目参照)。また、第1の確変大当りとなる特別図柄(第1の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段の横棒セグメントと左上および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(上から2段目参照)。また、第2の確変大当りとなる特別図柄(第2の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段および下段の横棒セグメントと左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(上から3段目参照)。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36に入球したときには、第1特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、遊技球が第2始動口38に入球したときには、第2特別図柄の変動表示を最大4回まで保留する。そして、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。
ここで、第1の通常大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、8ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率(特図当り確率)が低確率(通常確率)となる低確率状態と、第1の所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)が低確率(通常確率)よりも高くなり且つ普通図柄が当りで停止表示されたときに第2始動口38の開放時間が延長される電サポあり状態を設定する大当り態様(大当り遊技後に低確率電サポあり状態を設定する大当り態様)である。なお、大当り遊技の終了後に第1の所定回数の特別図柄の変動表示が行われると、電サポあり状態が終了し、低確率電サポなし状態となる。また、第1の確変大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、8ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、第2の所定回数(例えば、120回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特図当り確率が低確率(通常確率)よりも高くなる高確率状態を設定すると共に、第1の所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、電サポあり状態を設定する大当り態様(大当り遊技後に高確率電サポあり状態を設定する大当り態様)である。また、第2の確変大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数よりも少ないラウンド数(例えば、4ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、第1の確変大当りと同様に、高確率電サポあり状態を設定する大当り態様である。以下、特図当り確率が低確率状態にある遊技状態を特図低確率状態とも呼び、特図当り確率が高確率状態にある遊技状態を特図高確率状態とも呼ぶ。また、普図当り確率が低確率状態にある遊技状態を普図低確率状態とも呼び、普図当り確率が高確率状態にある遊技状態を普図高確率状態とも呼ぶ。さらに、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態を時短状態とも呼び、第2始動口38の開放時間が延長される遊技状態を開放延長状態とも呼ぶ。なお、本実施例では、電サポあり状態は、普図高確率状態と時短状態と開放延長状態の3つの状態が全て発生した状態としたが、3つの状態のうちいずれか1つまたは2つが発生した状態としてもよい。なお、電サポあり状態とは、第1の態様(閉状態)と第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)とに変化可能な第2始動口38(可変式始動口)が、遊技球の入球頻度が所定の頻度(所定状態)よりも高い高頻度状態となっている状態をいう。すなわち、電サポあり状態では、第2始動口38が、単位時間当りに第2の態様になっている割合が電サポなし状態よりも高い状態である。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図7に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口36に入球した場合と、遊技球が第2始動口38に入球した場合に、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる。また、この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示部42により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と対応する。
また、演出表示装置34は、本実施例では、表示画面内に第1保留図柄35aと第2保留図柄35bも表示されている。第1保留図柄35aは、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に第1始動口36に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。第2保留図柄35bも、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に第2始動口38に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。
こうして構成された実施例のパチンコ機10では、第1始動口36が演出表示装置34(センター役物50)の下側に配置されており、大当り遊技でない通常遊技のときに、遊技者は遊技球を遊技領域31の左側(演出表示装置34の左側領域)に流下させるように発射ハンドル18の回転操作(所謂左打ち)を行うことにより、遊技球を第1始動口36に入球させることができる。また、普通図柄作動ゲート32および第2始動口38が演出表示装置34の左側に配置されており、遊技者は左打ちを行うことにより、遊技球を普通図柄作動ゲート32に通過させることができ、普通図柄が当りとなって第2始動口38が開放すると、遊技者は左打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口38に入球させることができる。さらに、大入賞口44が遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちを行うことにより、遊技球を遊技領域31の右側(演出表示装置34の右側領域)に流下させて、開状態となった大入賞口44に入球させることができる。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70(主制御部)と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90(サブ制御部)と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,各種制御に必要な時間を計るタイマ(システムタイマ),周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図8に示す。なお、本実施例ではサブ制御基板90をサブ制御部としたが、主制御部を除く制御部、例えば払出制御基板80や発射制御基板100等の他の制御部をサブ制御部ということもできる。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ36aからの入球信号や第2始動口スイッチ38aからの入球信号が直接に入力されると共にゲートスイッチ32aからの通過信号や大入賞口スイッチ44aからの入球信号,一般入賞口スイッチ45aからの入球信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第2始動口ソレノイド38bへの駆動信号,大入賞口ソレノイド44bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。また、主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。
サブ制御基板90は、図8に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90には、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、枠ランプ(LEDランプ)93aを発光したりセンター役物50内の第1〜第3可動役物51,52,53をそれぞれ動作させるための装飾モータ93b,93c,93dを駆動したりする装飾駆動基板93、演出ボタン26に設けられ演出ボタン26の操作を検知する操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図9は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、遊技開始処理(S110)と、普通図柄遊技処理(S120)と、普通図柄当り遊技処理(S130)と、特別図柄遊技処理(S140)と、大当り遊技処理(S150)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S110〜S150の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[遊技開始処理]
S110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種判定用情報(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,リーチ用乱数,変動パターン決定用乱数、普通図柄当否判定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ36aや第2始動口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。遊技開始処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS120の普通図柄遊技処理に進む。
[普通図柄遊技処理]
S120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図5参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過することに基づき取得される普通図柄当否判定用乱数と、普通図柄当り判定テーブルを用いて行われるもので、電サポなし状態にあるときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、電サポあり状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、電サポなし状態にあるときには長時間(例えば、30秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第2始動口38の開放時間を設定し、第2始動口38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口38の開放時間は、電サポなし状態にあるときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第2始動口38の開放は、上述したように、第2始動口ソレノイド38bを駆動制御することによって、翼片部38cを左に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の普通図柄当り遊技処理に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S130の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、第2始動口38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口38に入球しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口38に入球してもいないと判定すると、第2始動口38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口38に入球していると判定すると、第2始動口ソレノイド38bの駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS140の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
S140の特別図柄遊技処理は、図10〜図12に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。ここで、S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定(特別図柄の当否判定)の際に用いられる大当り判定用乱数(当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当り(特定結果)のときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄(大当りの種類)を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。なお、大当り判定は、特別図柄の当否判定に相当するものである。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄35aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2始動口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口38に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S216)、第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S218)。ここで、S216で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定(特別図柄の当否判定)の際に用いられる大当り判定用乱数(当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当り(特定結果)のときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄(大当りの種類)を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。また、第2特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄35bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S210で第2始動口38に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S220)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S222)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S224)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S226)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S228)、第2特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S230)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S232)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S234)、第1特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S236)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S226〜S236では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図13のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS232で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図14に示す。なお、図14(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図14(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜99のうち値60のときに大当りとし(1/100の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜99のうち値60,61のときに大当りとする(1/50の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルが用いられる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定したときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図15に例示する第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図16に例示する第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルでは、図15に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜51のときに図6の左側1段目の図柄が選択されて8ラウンドの「第1の通常大当り」となり(約20%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値52〜204のときに図6の左側2段目の図柄が選択されて8ラウンドの「第1の確変大当り」となり(約60%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値205〜255のときに図6の左側3段目の図柄が選択されて4ラウンドの「第2の確変大当り」となる(約20%の出現確率)。また、第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルでは、図16に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜51のときに図6の右側1段目の図柄が選択されて「第1の通常大当り」となり(約20%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値52〜229のときに図6の右側2段目の図柄が選択されて「第1の確変大当り」となり(約70%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値230〜255のときに図6の右側3段目の図柄が選択されて「第2の確変大当り」となる(約10%の出現確率)。このように、第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルは、第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルに比べて、8ラウンドの「第1の確変大当り」の出現確率が高く、4ラウンドの「第2の確変大当り」の出現確率が低くなっている。このため、第2特別図柄に係る遊技(当否判定)の方が、第1特別図柄に係る遊技よりも、大当り遊技で獲得可能な賞球の期待値が大きく、遊技者に有利な大当り遊技が行われる可能性が高いものといえるから、遊技者に有利に遊技(当否判定)が進行することになる。
また、S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れであるから、外れ図柄を決定する(S312)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
こうして停止図柄を設定すると、変動パターンテーブルを設定する(S314)。ここで、変動パターンテーブルの設定は、図17の変動パターンテーブル設定処理を実行することにより行われる。図17の変動パターンテーブル設定処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、S302,S304の大当り判定の結果が大当りであるか否か(S350)、特別モードフラグがオフであるか否か(S352,S354)をそれぞれ判定する。ここで、特別モードは、大当り発生の可能性(信頼度)を示すための予告演出を通常モード(電サポなし低確率状態)とは異なる特別態様で実行するモードである。本実施例の特別モードは、大当り遊技の終了後に発生し(特別モードフラグがオンとなり)、大当り遊技が終了してから特別図柄の変動表示が所定回数実行されると終了する(特別モードフラグがオフとなる)。また、特別モードは、予告演出を決定(実行)する態様(予告演出決定テーブル)がそれぞれ異なる3つの期間X,期間Y,期間Zを有し、各期間は、特別図柄の変動表示の実行回数(識別情報の変動回数,図柄変動回数)によって切り替わるようになっている。
S350,S352で大当り判定の結果が大当りで且つ特別モードフラグがオフであると判定すると、図18(a)に示す通常モード用大当り変動パターンテーブルを設定する(S356)。また、大当り判定の結果が大当りで且つ特別モードフラグがオンであると判定すると、図18(b)に示す特別モード用大当り変動パターンテーブルを設定する(S358)。一方、S350,S354で大当り判定の結果が外れで且つ特別モードフラグがオフであると判定すると、図19に示す通常モード用外れ変動パターンテーブルを設定する(S360)。また、大当り判定の結果が外れで且つ特別モードフラグがオンであると判定すると、さらに、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S362)、変動短縮フラグがオンであれば、図20(a)に示す特別モード用電サポあり時変動パターンテーブルを設定し(S364)、変動短縮フラグがオフであれば、図20(b)に示す特別モード用電サポなし時外れ変動パターンテーブルを設定する(S366)。
図18〜図20に示すように、各変動パターンテーブル(「変動パターン決定テーブル」ともいう)には、保留数および変動パターン決定用乱数の値0〜255に対応付けて各種の変動パターン(これに基づいて変動時間等が決まる)が設けられており、特別図柄を変動表示させる際には、これらの変動パターンテーブルを用いて一の変動パターンが選択される。また、変動パターンテーブル(変動パターン決定テーブル)を用いて決定された変動パターンには、特別図柄(識別情報)の変動時間の情報が設定されており、何れの変動パターンが選択されるかによって、特別図柄の変動時間が決定されることになる。また特別図柄の変動表示に連動して変動表示する演出図柄の変動時間も、これに基づいて決定される。また、この変動パターン情報(コマンド)又はこの変動パターンに基づいて取得した情報(コマンド)に基づいて、サブ制御部によって、演出表示装置(演出表示部)で実行される遊技演出の表示態様(リーチ態様、予告演出態様)が決定される。なお、各変動パターンテーブルは、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。各変動パターンのうち、変動パターンP01,P02,P11,P12にはリーチ演出を伴わずに演出図柄を変動表示させる通常変動A〜Dがそれぞれ対応付けられている。また、変動パターンP03にはリーチ演出を伴って演出図柄を変動表示させるノーマルリーチが対応付けられ、変動パターンP04にはノーマルリーチよりも当りの期待感が高まるような演出を伴って演出図柄を変動表示させるスーパーリーチが対応付けられ、変動パターンP13には、特別モード専用のリーチ演出を行う特別モード用リーチが対応付けられている。本実施例では、特別図柄(演出図柄)の変動演出中に(図柄の停止表示前に)、大当り発生の可能性を予告する予告演出を実行可能となっている。予告演出は、演出表示装置に表示される所定のキャラクタや、背景絵柄や、背景色や、所定の遊技演出(リーチ演出等)によって構成されたり、スピーカから出力される音声の態様によって構成されたり、遊技盤や枠に設けられた表示部(LED)の表示態様で構成されたり、可動部材の動作態様によって構成されたりするものである。また、本実施例では、特にリーチ演出発生前やリーチ演出中に予告演出を実行可能となっている。なお、大当り判定の結果が外れの場合、電サポあり状態(図20(a)の特別モード用電サポあり時変動パターンテーブル)では電サポなし状態(図19の通常モード用外れ変動パターンテーブルや図20(b)の特別モード用電サポなし時変動パターンテーブル)に比べて平均変動時間が短くなるように、変動パターンP01,P02,P11,P12の変動時間の設定や変動パターン決定用乱数の割り当て(各変動パターンとの対応付け)がなされている。また、図18(b)に示す特別モード用大当り変動パターンテーブルでは、変動パターン決定用乱数の値0〜255の全てに特別モード用リーチを行う変動パターンP13が対応付けられている。一方、図20(a)に示す特別モード特別モード用電サポあり時変動パターンテーブルや図20(b)に示す特別モード用電サポなし時変動パターンテーブルでは、変動パターン決定用乱数の値0〜255のうち値0〜値223に通常変動を行う変動パターンが対応付けられ、値224〜255(全体の1/8)に特別モード用リーチを行う変動パターンP13が対応付けられている。
ここで、大当り遊技後の変動回数と演出カウンタと特別モード中の各期間と電サポ有無との関係を図21に示す。図示するように、特別モードは、大当り遊技終了後の図柄変動回数が1回(0回)から70回まで(演出カウンタが値120から値51まで)を期間Xとし、71回から100回まで(演出カウンタが値50から値21まで)を期間Yとし、101回から120回まで(演出カウンタが値20から値1まで)を期間Zとする。前述したように、大当り遊技終了後は、確変大当り後と通常大当り後のいずれも図柄変動回数が100回になるまでは電サポあり状態であるから、期間X,Yは電サポあり状態中の期間となり、期間Zは電サポなし状態中の期間となる。このため、大当り判定の結果が外れの場合、期間X,Yでは特別モード用電サポあり時外れ変動パターンテーブルが共通に用いられ、期間Zでは特別モード用電サポなし時外れ変動パターンテーブルが用いられることになる。電サポあり時では、電サポなし時に比べて平均変動時間を短くするから、期間X,Yは、期間Zよりも、特別図柄の平均変動時間が短いものとなる。なお、図示は省略するが、確変大当りの終了後であれば、図柄変動回数が120回になるまでは高確率状態であるから、期間X〜期間Zはいずれも高確率状態となり、通常大当りの終了後であれば、図柄変動回数に拘わらず期間X〜期間Zはいずれも低確率状態となる。これらのことから、通常大当り後に発生する特別モードでは、期間X,Yが低確率電サポあり状態中の期間となり、期間Zが低確率電サポなし状態の期間となる。また、確変大当り後に発生する特別モードでは、期間X,Yが高確率電サポあり状態中の期間となり、期間Zが高確率電サポなし状態の期間となる。
こうして変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数と設定した変動パターンテーブルとを用いて変動パターンを設定する(S318)。そして、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S320)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし(S322)、保留消化時コマンドと図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(S324)、変動表示関連処理を終了する。S320〜S324の処理は、現在の変動表示関連処理の対象が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第1特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。一方、現在の変動表示関連処理の対象が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第2特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。また、S324で送信する図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれ、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれている。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。なお、特別図柄の変動表示が開始されると、その変動表示に係る判定用情報(保留情報)が判定用情報記憶領域からクリアされる。
図10〜図12の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S222で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S238)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S240)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S242)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S244)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S246)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S224で停止表示時間中と判定するため、再びS246で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、演出カウンタが値1以上であるか否かを判定し(S248)、演出カウンタが値1以上であると判定すると、演出カウンタ更新処理を実行し(S250)、演出カウンタが値1以上でないと判定すると、S250をスキップする。なお、演出カウンタは、大当り遊技終了後の図柄変動回数をカウントするものであり、演出カウンタ更新処理の詳細は、後述する。S248,S250の処理(演出カウンタ更新処理)は、特別図柄が停止表示されたタイミングで実行するものに限られず、特別図柄の変動表示が開始されたタイミング(図13のS320の後)で実行するものとしてもよい。
次に、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定し(S252)、停止表示している特別図柄が大当り図柄であると判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S254)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S256)。これにより、後述する大当り遊技処理によって大当り遊技が開始されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や時短機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S258,S260)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S262〜S266)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。
一方、S252で大当り図柄でないと判定すると、確変フラグがオンか否かを判定し(S268)、確変フラグがオンでないと判定すると、次のS278の処理に進む。確変フラグがオンであると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S270)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S272)。ここで、確変カウンタは、高確率状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。確変カウンタが値0でないと判定すると、高確率状態を維持したまま次のS278の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変フラグをオフとすると共に(S274)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S276)、次のS278の処理に進む。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、高確率状態から低確率状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す確変フラグの設定状況などが含まれる。
次に、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S278)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S280)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S282)。ここで、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能(特別図柄および普通図柄の変動短縮)の作動状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際して大当り態様に応じた値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、電サポあり状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、電サポあり状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S284)、開放延長フラグをオフとし(S286)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S288)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、電サポあり状態から電サポなし状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。
[大当り遊技処理]
S150の大当り遊技処理は、図21に示すフローチャートに従って実行される。図21の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、大入賞口44が開放中であるか否かを判定し(S402)、大入賞口44が閉鎖中である(開放中でない)と判定すると、大入賞口44の開放タイミングであるか否かを判定する(S404)。この判定は、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定することにより行われる。大入賞口44の開放タイミングであると判定すると、大入賞口44が開放されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御して(S406)、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、S404で大入賞口44の開放タイミングでないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。
一方、S402で大入賞口44が開放中であると判定すると、大入賞口44の閉鎖タイミングか否かを判定する(S408)。この判定は、規定の開放時間(本実施例では、25秒)が経過したか、大入賞口44に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したかのいずれかの成立を判定することにより行われる。大入賞口44の閉鎖タイミングでないと判定すると、大入賞口44の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口44の閉鎖タイミングであると判定すると、大入賞口44が閉鎖されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S410)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S412)。この判定は、大入賞口44が規定ラウンド数通りに開放されたか否かを判定することにより行われる。なお、規定ラウンド数は、第1の通常大当りや第1の確変大当りでは8ラウンドとなり、第2の確変大当りでは4ラウンドとなる。S412で大当り遊技の終了条件が成立していないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大当り遊技の終了条件が成立したと判定すると、図22に例示する大当り遊技終了時処理を実行して(S414)、大当り遊技処理を終了する。
図21の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S450)、演出カウンタを120回に設定して特別モードフラグをオンとする(S452,S454)。これにより、大当り遊技終了後、特別図柄の変動回数が120回になるまで、特別モードが継続することになる。次に、今回の大当りが確変大当り(第1の確変大当りまたは第2の確変大当り)であるか否かを判定する(S456)。今回の大当りが確変大当りであると判定すると、確変カウンタを120回に設定して確変フラグをオンとすると共に(S458,S460)、変動短縮カウンタを100回に設定し(S462)、今回の大当りが確変大当りでなく通常大当りであると判定すると、確変フラグはオフのまま維持して、変動短縮カウンタを100回に設定する(S462)。こうして変動短縮カウンタをセットすると、変動短縮フラグと開放延長フラグとをオンとし(S464,S466)、大当り遊技終了指定コマンドと特別モード期間X指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S468)、大当り遊技終了時処理を終了する。また、遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面を特別モード専用の背景に設定する処理等を行う。特別モード専用の背景は、図示は省略するが、期間X,Yでは第1の背景が用いられ、期間Zでは第2の背景が用いられるものとする。
[演出カウンタ更新処理]
次に、特別図柄が停止表示されたときに図12の特別図柄遊技処理のS250で実行される演出カウンタ更新処理について説明する。図24は、主制御基板70のCPU70aにより実行される演出カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。演出カウンタ更新処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、演出カウンタを値1だけデクリメントして(S470)、演出カウンタが値0となったか否かを判定する(S472)。演出カウンタが値0でないと判定すると、次に、現在の特別モードが期間X中であるか否か(S474)、期間Y中であるか否か(S476)をそれぞれ判定する。なお、主制御基板70のCPU70aは、大当り遊技終了時処理のS468で特別モード期間X指定コマンドを送信してから後述する処理で特別モード期間Y指定コマンドを送信するまでは期間X中と判定し、特別モード期間Y指定コマンドを送信してから後述する処理で特別モード期間Z指定コマンドを送信するまでは期間Y中と判定し、特別モード期間Z指定コマンドを送信してから後述する処理で特別モードフラグをオフするまでは期間Z中と判定する。また、他の態様として、主制御基板70のCPU70aは、演出カウンタの値(カウント値)に基づいて(カウント値が値120〜値51、値50〜値21、値20〜値1のいずれの範囲にあるかによって)、何れの期間かを判定してもよい(何れの期間にあるかを判定する期間判定手段を備えることができる)。
S474で現在の特別モードが期間X中であると判定すると、演出カウンタが値50以下であるか否かを判定し(S478)、値50以下であれば特別モード期間Y指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S480)、演出カウンタ更新処理を終了する。なお、演出カウンタが値50以下でないと判定すると、そのまま演出カウンタ更新処理を終了する。特別モード期間Y指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、期間Xから期間Yに切り替わったことを記憶するが、期間X,期間Yで背景を共通とする(第1の背景を用いる)から、演出表示制御基板91への演出コマンドの送信は行わない。一方、S476で現在の特別モードが期間Y中であると判定すると、演出カウンタが値20以下であるか否かを判定し(S482)、値20以下であれば特別モード期間Z指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S484)、演出カウンタ更新処理を終了する。なお、S476で期間Y中でないと判定したり、S482で演出カウンタが値20以下でないと判定したりすると、そのまま演出カウンタ更新処理を終了する。特別モード期間Z指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、演出表示制御基板91に特別モードの期間の切り替えを示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面を期間X,Y用の第1の背景から期間Z用の第2の背景に設定する処理等を行う。
また、S472で演出カウンタが値0であると判定すると、特別モードを終了させるために、特別モードフラグをオフとし(S486)、通常モード指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S488)、演出カウンタ更新処理を終了する。通常モード指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に通常モード用の演出コマンドを送信して演出表示装置34の画面を特別モード用の背景(期間Z用の第2の背景)から通常モード用の背景に変更する処理等を行う。
次に、サブ制御基板90により実行される演出処理について説明する。サブ制御基板90では、遊技球が第1始動口36または第2始動口38へ入球した際や特別図柄の変動表示が開始された際に演出表示装置34に表示させる保留図柄(第1保留図柄35aまたは第2保留図柄35b)の表示を更新する演出を行う保留表示演出処理や、特別図柄の変動表示に合わせて演出図柄を変動表示させる図柄変動演出処理、大当り遊技が発生した際の大当り遊技演出(ファンファーレ演出やラウンド中演出、ラウンド間演出、エンディング演出など)を行う大当り遊技演出処理などが実行される。以下、図柄変動演出処理の詳細について説明する。
[図柄変動演出処理]
図柄変動演出処理は、図25に例示するフローチャートに従って実行される。図25の図柄変動演出処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図13の変動表示関連処理のS324の処理で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S500)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定すると、その受信したコマンドに基づいて今回の大当り判定の結果が大当りか否かを判定する(S502)。大当り判定の結果が大当りと判定すると、停止図柄に大当り図柄を設定し(S504)、大当り判定の結果が大当りではなく外れと判定すると、停止図柄に外れ図柄を設定する(S506)。前述したように、図柄変動開始時コマンドには、停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)が含まれているから、図柄の選択は、ROM90bに予め記憶されている図柄のうち、受信した特別図柄停止情報指定コマンドに対応する停止図柄を読み出すことにより行うことができる。
次に、特別モード中であるか否かを判定する(S508)。この判定は、図22の大当り遊技終了時処理のS468で主制御基板70により送信される特別モード期間X指定コマンドを受信してから図23の演出カウンタ更新処理のS488で主制御基板70により送信される通常モード指定コマンドを受信するまでの期間にあるか否かに基づいて行うことができる。S508で特別モード中でないと判定すると、演出パターンに通常モード中の通常演出パターンを設定して(S510)、次のS518の処理に進む。一方、特別モード中であると判定すると、演出パターンに特別モード中の特別演出パターンを設定する(S512)。前述したように、図柄変動開始時コマンドには、変動パターン(変動パターン指定コマンド)が含まれているから、特別演出パターンや通常演出パターンの選択は、ROM90bに予め記憶されている演出パターンのうち、受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンを読み出すことにより行うことができる。前述したように、特別モードにおいて変動パターンP13が選択されている場合には、特別モード用リーチが行われる特別モード用リーチ演出パターンを設定する。なお、図18(b)の特別モード用大当り変動パターンテーブルでは、変動パターンP13のみが選択されるから、大当り判定の結果が大当りの場合には、特別モード用リーチ演出パターンが毎回選択されることになる。また、図20(a),(b)の特別モード用外れ変動パターンテーブルでは、いずれも1/8の確率で変動パターンP13が選択されるから、大当り判定の結果が外れの場合には、1/8の確率で特別モード用リーチ演出パターンが選択されることになる。
S512で特別モード中の特別演出パターンを設定すると、設定した演出パターンが特別モード用リーチ演出パターンであるか否かを判定し(S514)、特別モード用リーチ演出パターンであると判定すると、後述する特別モード中予告演出実行処理を実行して(S516)、次のS518の処理に進む。また、特別モード用リーチ演出パターンでないと判定すると、S516の処理をスキップして、次のS518の処理に進む。
停止図柄と通常演出パターンとを決定したり、停止図柄と特別演出パターンとを決定したり、特別モード中予告演出設定処理を実行したりすると、図柄変動演出を開始する(S518)。この処理は、S504またはS506で設定された停止図柄とS510またはS512で設定された演出パターンとに基づいて図柄変動演出の開始を指示する演出コマンド(図柄変動演出開始コマンド)を演出表示制御基板91に送信することにより行う。図柄変動演出開始コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34の表示画面上で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始されるよう表示制御を行う。
S518で図柄変動演出を開始した後やS500で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定すると、図11の特別図柄遊技処理のS242で主制御基板70により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定し(S520)、図柄停止コマンドを受信していないときにはこれで図柄変動演出処理を終了し、図柄停止コマンドを受信しているときには図柄変動演出を終了して(S522)、図柄変動演出処理を終了する。なお、S522の処理は、図柄変動演出の終了を指示する演出コマンド(図柄変動演出終了コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行う。その演出コマンドを受信した演出表示制御基板91の表示制御により、演出表示装置34では図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が終了して、S504またはS506で設定された演出図柄の停止図柄が停止表示される。なお、S520で図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、S522の処理をスキップして図柄変動演出処理を終了する。
[特別モード中予告演出設定処理]
S516の特別モード中予告演出設定処理は、図26のフローチャートに従って実行される。特別モード中予告演出設定処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図25の図柄変動演出処理のS500で受信した図柄変動開始時コマンドに基づいて今回の大当り判定の結果が大当りか否かを判定する(S550)。大当り判定の結果が大当りでなく外れと判定すると、予告演出を実行するか否かを抽選により決定する予告演出抽選処理を実行して(S552)、抽選に当選したか否かを判定する(S554)。抽選に当選してないと判定すると、特別モード中予告演出設定処理を終了し、抽選に当選したと判定すると、S556以降の予告演出決定テーブルの設定を行う。また、S550で大当り判定の結果が大当りと判定すると、S552,S554の処理をスキップして、S556以降の予告演出決定テーブルの設定を行う。即ち、本実施例では、特別モード中において、大当り判定の結果が大当りであれば毎回予告演出を実行し、大当り判定の結果が外れであれば予告演出抽選処理に当選すると予告演出を実行するのである。
ここで、S552の予告演出抽選処理における当選確率は、現在の確率状態が大当り確率を1/100(外れ確率を99/100)とする低確率状態であれば、8/99とし、現在の確率状態が大当り確率を1/50(外れ確率を49/50)とする高確率状態であれば、8/49とする。また、特別モード中は、大当り判定の結果が外れの場合には1/8の確率で特別モード用リーチ演出パターンが設定される。このため、特別モード中において、大当り判定の結果が大当りとなり特別モード用リーチ演出パターンが設定されて予告演出が実行される確率と、大当り判定の結果が外れとなり特別モード用リーチ演出パターンが設定されて予告演出が実行される確率とは、いずれも、低確率状態では1/100となり、高確率状態では1/50となる。
次に、現在の特別モードが、期間X中であるか否か(S556)、期間Y中であるか否か(S558)をそれぞれ判定する。これらの判定は、図23の大当り遊技終了時処理のS468で主制御基板70により送信される特別モード期間X指定コマンドや図24の演出カウンタ更新処理のS480,S484で主制御基板70により送信される特別モード期間Y指定コマンドや特別モード期間Z指定コマンドに基づいて行うことができる。S556で期間X中であると判定すると、図27に示す期間X用予告演出決定テーブルを設定し(S560)、S558で期間Y中であると判定すると、図28に示す期間Y用予告演出決定テーブルを設定し(S562)、S556,S558で期間X中でも期間Y中でもなく期間Z中であると判定すると、図29に示す期間Z用予告演出決定テーブルを設定する。こうして予告演出決定テーブルを設定すると、予告演出決定用乱数を読み出し(S566)、読み出した予告演出決定用乱数と設定した予告演出決定テーブルとを用いて予告演出を設定する(S568)。なお、S568で設定される各予告演出には、予め実行時期(後述する予告種Aの各予告演出の実行時期と、予告種Bの各予告演出の実行時期(ステップアップする各演出の実行時期)と、予告種Cの各予告演出の実行時期)が定められているものとする。このため、特別モード中の予告演出の実行は、特別モード用リーチ演出パターンでの図柄変動演出が開始されてからの経過時間が、S568で設定された予告演出に対応する実行時期に達したか否かを判定し、実行時期に達したと判定した予告演出を実行することにより行うことができる。以下、各予告演出決定テーブルについて説明する。
図27の期間X用予告演出決定テーブルでは、セリフや特定の文字など表示する文言によって大当り発生の可能性を予告する予告種Aの各予告演出(8つの予告演出A1〜A8)が予告演出決定用乱数に対応付けられている。大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0のときに「そろそろ・・・」の文言を表示する予告演出A1が選択され、予告演出決定用乱数が値1のときに「何かが・・・」の文言を表示する予告演出A2が選択され、予告演出決定用乱数が値2,3のときに「何か起こるかも」の文言を表示する予告演出A3が選択され、予告演出決定用乱数が値4〜6のときに「チャンスだよ」の文言を表示する予告演出A4が選択され、予告演出決定用乱数が値7〜10のときに「ビッグチャンス」の文言を表示する予告演出A5が選択され、予告演出決定用乱数が値11〜15のときに「アツイ!」の文言を表示する予告演出A6が選択され、予告演出決定用乱数が値16〜20のときに「激アツ!」の文言を表示する予告演出A7が選択され、予告演出決定用乱数が値21〜29のときに「激アツ!」の文言を赤文字で表示する予告演出A8が選択される。大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜7のときに予告演出A1が選択され、予告演出決定用乱数が値8〜13のときに予告演出A2が選択され、予告演出決定用乱数が値14〜18のときに予告演出A3が選択され、予告演出決定用乱数が値19〜22のときに予告演出A4が選択され、予告演出決定用乱数が値23〜25のときに予告演出A5が選択され、予告演出決定用乱数が値26,27のときに予告演出A6が選択され、予告演出決定用乱数が値28のときに予告演出A7が選択され、予告演出決定用乱数が値29のときに予告演出A8が選択される。本実施例では、便宜上、大当り判定の結果が大当りとなって予告演出が実行される確率と、外れとなって予告演出が実行される確率とを揃えたから、各予告演出の信頼度は、各予告演出に対応付けられた予告演出決定用乱数の個数に基づいて定まることになる(以下の各予告演出決定テーブルでも同様)。このため、各予告演出の信頼度は、予告演出A1で約10%(11.1%)、予告演出A2で約15%(14.3%)、予告演出A3で約30%(28.5%)、予告演出A4で約45%(42.9%)、予告演出A5で約55%(57.1%)、予告演出A6で約70%(71.4%)、予告演出A7で約85%(83.3%)、予告演出A8で90%となる。なお、かっこ内は正確な信頼度を示す。このように、予告種Aは、8個の予告演出を実行可能であるため、予告演出のバリエーションが増えるものの、予告演出毎の信頼度の違いが約5%〜15%程度と小さくなるため信頼度の違いが分かり難い場合がある。つまり、遊技者が、予告演出間の信頼度の相違を体感し難い。特に、遊技期間が短いと全ての予告演出を出現させること自体困難であり、当該予告演出からの当り外れを通して、体感的に、予告演出間の信頼度を認識するのは困難である。また、遊技店にある冊子やホームページ等によって、予告演出と信頼度との関係を示した(掲載した)としても、数が多いと、把握するのが困難であるし、例えば10%と15%との信頼度の期待感の違いを感じるのは困難である。一方、予告演出のバリエーションは多様化されるため、この点では遊技興趣を高めることができる。
図28の期間Y用予告演出決定テーブルでは、魚を釣り上げる様子を段階的に示す(ステップアップさせる)ことで大当り発生の可能性を予告する予告種Bの各予告演出(4つの予告演出B1〜B4)が予告演出決定用乱数に対応付けられている。大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0,1のときに一段階目(SU1)の「水面に浮きが浮かぶ様子」までを示す予告演出B1が選択され、予告演出決定用乱数が値2〜7のときに二段階目(SU2)の「魚がかかった様子」までを示す予告演出B2が選択され、予告演出決定用乱数が値8〜16のときに三段階目(SU3)の「小さな魚を釣り上げた様子」までを示す予告演出B3が選択され、予告演出決定用乱数が値17〜29のときに四段階目(SU4)の「大きな魚を釣り上げた様子」までを示す予告演出B4が選択される。大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜14のときに予告演出B1が選択され、予告演出決定用乱数が値15〜23のときに予告演出B2が選択され、予告演出決定用乱数が値24〜28のときに予告演出B3が選択され、予告演出決定用乱数が値29のときに予告演出B4が選択される。このため、各予告演出の信頼度は、予告演出B1で約10%(11.8%)となり、予告演出B2で40%となり、予告演出B3で約65%(64.2%)となり、予告演出B4で約95%(92.8%)となる。このように、予告種Bは、実行可能な演出数が予告種Aよりも少ないため、予告演出のバリエーションは若干減るものの、予告演出毎の信頼度の違いが約25%〜30%と大きくなり、予告種Aよりも信頼度の違いを遊技者に分かり易くすることができる。このため、出現した予告演出によって、大当り遊技が実行される可能性が高いか低いかを判断しやすい。
図29の期間Z用予告演出決定テーブルでは、第1可動役物51(月役物)や第2,第3可動役物(刀役物)52,53を作動させることで大当り発生の可能性を予告する予告種Cの各予告演出(2つの予告演出C1,C2)が予告演出決定用乱数に対応付けられている。大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜4のときに「第1可動役物51(月役物)のみを作動させる」予告演出C1が選択され、予告演出決定用乱数が値5〜29のときに「第1可動役物51(月役物)と第2,第3可動役物(刀役物)52,53とを同時に作動させる」予告演出C2が選択される。大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜27のときに予告演出C1が選択され、予告演出決定用乱数が値28,29のときに予告演出C2が選択される。このため、各予告演出の信頼度は、予告演出C1で約15%(15.2%)となり、予告演出C2で約95%(92.6%)となる。このように、予告種Cでは、信頼度の高い予告演出C2か信頼度の低い予告演出C1のいずれかを選択可能であるから、予告演出のバリエーションは乏しいものの、予告種A〜Cのうち予告演出の数が最も少なく、予告演出毎の信頼度の違いが最も大きくなり、予告演出の信頼度を遊技者に最も分かり易いものとすることができる。
これらのことから、特別図柄(演出図柄)の一回の変動表示中(一変動中)に予告演出を実行する場合、図30に示すように、期間Xでは8つの予告演出A1〜A8(予告種A)のうちのいずれかの予告演出を実行し、期間Yでは4つの予告演出B1〜B4(予告種B)のうちのいずれかの予告演出を実行し、期間Zでは2つの予告演出C1,C2(予告種C)のうちのいずれかの予告演出を実行することになるため、各期間における予告演出の演出態様を変化させることができる。また、実行可能な予告演出の数が最も多い期間Xでは、他の期間よりも予告演出のバリエーションを増やすことができ、実行可能な予告演出の数が最も少ない期間Zでは、他の期間よりも遊技者に信頼度(大当り遊技が実行される可能性)を分かり易く示すことができる。なお、通常モード中の予告演出について詳細な説明は省略するが、通常モード中も、予告種A,B,Cの各予告演出の出現率が信頼度に応じて設定された予告演出決定テーブルに基づいて予告演出を設定して実行することができる。また、通常モードでは、例えば、大当り発生の可能性が高いほど(スーパーリーチを行う変動パターンP04での変動演出中など)、予告種A,B,Cの各予告演出を組み合わせた(複合させた)予告演出が行われるものなどとしてもよい。
以上説明した第1実施例のパチンコ機10によれば、大当り遊技終了後に演出カウンタ(大当り遊技後の図柄変動回数)に基づいて期間X,Y,Zが順に切り替わる特別モードを設定し、数が異なる予告種A,B,Cから設定した予告演出を各期間X,Y,Zでそれぞれ実行するから、実行される予告演出の種類と数を各期間X,Y,Zによって変化させることができる。このため、数が少ない予告種の予告演出が実行される期間(期間Z)では遊技者に信頼度を分かり易く示すことができ、数が多い予告種の予告演出が実行される期間(期間X)では予告演出のバリエーションを増やして演出効果を高めることができる。この結果、特別モード中の期間を、予告演出により演出効果を高める期間と信頼度を分かり易く示す期間とにメリハリをつけることができる。また、後の期間になるほど(期間Xよりは期間Y、期間Yよりは期間Z)、予告演出の数が少ない予告種から設定した予告演出が行われるようにしたから、先の期間では予告演出による演出効果を高めることができ、後の期間では遊技者に信頼度を分かり易く示すことができる。
また、第1実施例のパチンコ機10では、期間Xから期間Y、期間Zへと遷移するにつれて、数の少ない予告種の予告演出が実行されるものとした。特別モードの最初の期間Xは、電サポあり状態の残り期間が十分ある(確変大当りの場合は高確率状態の残り期間も十分ある)状態であり、遊技者が大当り発生を求める気持ちに焦りが少なく演出を楽しむ余裕がある場合が多い。このため、実行可能な予告演出数を増やして演出効果を高めることで、遊技興趣を向上させるのである。一方、特別モードの後半である期間Yや期間Zは、電サポあり状態の残り期間が少なくなっていたり(確変大当りの場合は高確率状態の残り期間が少なくなっていたり)、既に電サポなし状態となっていたりするから、遊技者が大当り発生を求める気持ちに焦りが生じて、過剰な演出を好まない場合がある。このため、実行可能な予告演出数を減らして遊技者に信頼度を分かり易く示すことで、過剰な演出を省いたシンプルな遊技を提供するのである。従って、第1実施例では、期間Xでは予告種A、期間Yでは予告種B、期間Zでは予告種Cを実行するものとしたが、他の態様として、期間Xでは予告種A,B,Cの中から選択される1又は複数の予告演出を実行可能とし、期間Yでは予告種B,Cから選択される1又は複数の予告演出を実行可能とし、期間Zでは予告種Cから選択される1の予告演出を実行可能としてもよい。これによっても、期間Xでは予告演出のバリエーションを増やして演出効果を高めると共に、期間Zでは大当り遊技の発生可能性(信頼度)を分かり易く示すことができるという第1実施例の効果を奏することができる。
ここで、第1実施例のパチンコ機10では、前述したように、電サポあり状態である期間X,Yと電サポなし状態である期間Zとは、図柄の平均変動時間が異なり演出図柄の変動表示中の背景も異なる期間である。即ち、期間X,Yでは、図柄の平均変動時間が短く第1の背景が用いられ(第1の変動態様とされ)、期間Zでは、図柄の平均変動時間が長く第2の背景が用いられる(第2の変動態様とされる)。すなわち、期間X乃至Zは、変動態様(表示態様や変動時間)を選択する変動態様選択手段が、異なる条件(第1条件、第2条件、第3条件等)に基づいて変動態様を選択する期間である。このため、図柄の変動態様が異なる期間X,Yと期間Zとで、実行される予告演出の種類と数を変化させて、信頼度を分かり易く示す期間と演出効果を高める期間とのメリハリをつけるものということもできる。また、図柄の変動時間が比較的短い期間X(Y)を、数が多い予告種の予告演出が実行される期間としたから、演出効果の高まりとスピーディーな遊技の進行とが相まって、遊技興趣をより一層向上させることができる。なお、期間Xと期間Yとに着目すれば、両期間は同じ変動パターンテーブルを用いるために平均変動時間が同じで、演出図柄の変動表示中の背景も同じであるから、図柄の変動表示態様が共通であり、図柄の変動回数(演出カウンタ)のみによって切り替わる期間ともいえる。なお、変動態様を選択する条件が異なる期間として、異なる変動パターン決定テーブルに基づいて変動態様を決定する期間を例示することができる。これにより、表示上の演出態様が異なる期間としたり、識別情報の変動時間(平均変動時間)が異なる期間としたりすることができる。
第1実施例のパチンコ機10では、後の期間になるほど、予告演出の数が少ない予告種から設定した予告演出が行われるようにしたが、これに限られず、後の期間になるほど、予告演出の数が多い予告種から設定した予告演出が行われるようにしてもよい。この場合、期間Xでは予告種C、期間Yでは予告種B、期間Zでは予告種Aを行うものとしてもよい。後の期間になるほど予告演出のバリエーションを増やして演出効果を高めることで、特別モードの終了間際において、大当りの可能性が高まっているのではないかと遊技者に思わせることができ、特別モード終了後(電サポあり状態終了後、高確率状態終了後)も遊技の継続を促すことができる。
第1実施例のパチンコ機10では、予告演出の数が最も少ない予告種(予告種C)の演出数を2つとしたが、これに限られず、1つとしてもよい。その場合、その1つの予告演出を信頼度の高いもの(例えば、予告演出C2のように信頼度が約95%など)とすればよい。このようにすれば、期間Zでは、予告演出が実行されれば大当りの可能性が高いことを示すことができるから、信頼度を一層分かり易いものとすることができる。具体的に、他の態様として、第1実施例の可動役物の作動態様からC1を排除し、C2のみとしてもよい。これにより、期間Zでは、可動役物が動作しさえすれば、大当りへの期待感を高めることができ、とにかく予告演出の発生に期待して、遊技を行うといった遊技性を提供することができ、遊技興趣を高めることができる。
[第2実施例]
第2実施例のパチンコ機10は、第1実施例のパチンコ機10と予告演出決定テーブルの内容が一部異なるものである。第2実施例のパチンコ機10では、特別モードの期間Xでは、第1実施例のパチンコ機10と同じ図27の期間X用予告演出決定テーブルを用い、期間Yでは図31の第2実施例の期間Y用予告演出決定テーブルを用い、期間Zでは図32の第2実施例の期間Z用予告演出決定テーブルを用いる。
図31の第2実施例の期間Y用予告演出決定テーブルでは、図27の期間X用予告演出決定テーブルと同様に割り振られた予告演出決定用乱数のうち、予告演出A2,A4,A6,A8に対応付けられた予告演出決定用乱数が有効とされ、それ以外の予告演出決定用乱数(予告演出A1,A3,A5,A7に対応付けられた予告演出決定用乱数)が無効とされている。このため、図26の特別モード中予告演出設定処理のS566で、予告演出A2,A4,A6,A8に対応付けられた予告演出決定用乱数以外の予告演出決定用乱数が読み出された場合、いずれの予告演出も設定されず、予告演出が実行されないことになる。また、図32の第2実施例の期間Z用予告演出決定テーブルでも、図27の期間X用予告演出決定テーブルと同様に割り振られた予告演出決定用乱数のうち、予告演出A2,A8に対応付けられた予告演出決定用乱数が有効とされ、それ以外の予告演出決定用乱数(予告演出A1,A3〜A7に対応付けられた予告演出決定用乱数)が無効とされている。このため、図26の特別モード中予告演出設定処理のS566で、予告演出A2,A8に対応付けられた予告演出決定用乱数以外の予告演出決定用乱数が読み出された場合、いずれの予告演出も設定されず、予告演出が実行されないことになる。
これらのことから、第2実施例では、一変動中に予告演出を実行する場合、図33に示すように、期間Xでは予告種A(特定予告種)の8つの予告演出A1〜A8のうちのいずれかの予告演出を実行し、期間Yでは予告種Aの4つの予告演出A2,A4,A6,A8のうちのいずれかの予告演出を実行し、期間Zでは予告種Aの2つの予告演出A2,A8のうちのいずれかの予告演出を実行することになる。即ち、第1実施例と異なり、各期間で同じ予告種の予告演出を実行するが、各期間で設定可能(実行可能)な予告演出の数が異なる(少なくなる)のである。なお、本実施例では、実行可能な予告演出の数が減少すれば足りるので、実行可能な予告演出が減少していく態様に限られない。すなわち、期間Xでは予告演出A1〜A8を実行可能とし、期間Yでは予告演出A2,A4,A6,A8を実行可能とし、期間Zでは予告演出A3,A7を実行可能としてもよい。
また、特定予告種を可動物の動作に係る予告演出とした場合において、可動物の動作態様として、第1動作態様〜第6動作態様(6種類)を備えており(記憶されており)、期間X(第1期間)では、動作態様1乃至5の何れか(又は複数の態様を組合せて)実行可能とし、期間Y(第2期間)では、動作態様1,3,5の何れか(又は複数の態様を組合せて)を実行可能とし、期間Z(第3期間)では、動作態様6を実行可能とすることもできる。すなわち、特定予告種において、期間によって異なる予告演出を実行する態様や、特定の期間専用の予告演出を実行する態様としてもよい。
以上説明した第2実施例のパチンコ機10によれば、大当り遊技終了後に演出カウンタ(大当り遊技後の図柄変動回数)に基づいて期間X,Y,Zが順に切り替わる特別モードを設定し、各期間X,Y,Zにおいて同じ予告種A(特定予告種)のうち実行可能な予告演出の数を異なるものとするから、予告種Aのうち実行される予告演出の数を各期間X,Y,Zによって変化させることができる。このため、実行可能な演出数が少ない期間(期間Z)では遊技者に信頼度を分かり易く示すことができ、実行可能な演出数が多い期間(期間X)では予告演出のバリエーションを増やして演出効果を高めることができる。この結果、特別モード中の期間を、予告演出により演出効果を高める期間と信頼度を分かり易く示す期間とに分けてメリハリをつけることができる。また、前述したように、期間XおよびYは第1の変動態様とされる期間であり、期間Zは第2の変動態様とされる期間であるから、信頼度を分かり易く示す期間と演出効果を高める期間とを図柄の変動態様に基づいて分けることもできる。また、後の期間になるほど(期間Xよりは期間Y、期間Yよりは期間Z)、予告種Aのうち実行可能な演出数を少なくしたから、第1実施例と同様に、遊技者が演出を楽しむ余裕がある先の期間では予告演出による演出効果を高めることができ、遊技者が過剰な演出を好まない場合がある後の期間では遊技者に信頼度を分かり易く示してシンプルな遊技を提供することができる。また、第2実施例では、期間Y,Zで実行可能な予告演出は、期間X,Y,Zの中で最も長い期間に設定される期間Xにおいて実行可能な予告演出の一部で構成されている。すなわち、第1実施例と異なり、期間Y又は期間Z用に設定される異なる予告演出ではないため、予告演出を出現させる機会が多くなり、数が減少したことと相まって、体感的にも、期間Z(又はY)において出現する予告演出の信頼度を認識しやすい。
第2実施例のパチンコ機10では、後の期間になるほど実行可能な予告演出の数が少なくなるようにしたが、これに限られず、後の期間になるほど実行可能な予告演出の数が多くなるようにしてもよい。この場合、一変動中に、期間Xでは2つの予告演出A2,A8のうちのいずれかの予告演出を実行し、期間Yでは4つの予告演出A2,A4,A6,A8のうちのいずれかの予告演出を実行し、期間Zでは8つの予告演出A1〜A8のうちのいずれかの予告演出を実行するものなどとしてもよい。後の期間になるほど予告演出のバリエーションを増やして演出効果を高めることで、特別モード終了後(電サポあり状態終了後、高確率状態終了後)も遊技の継続を促すことができる。また、第2実施例では、予告種Aを例示して説明したが、これに限られず、他の予告種(予告種B,C又はそれら以外の予告種)で、各期間毎に実行可能な予告演出の数(例えば予告種Bの場合には実行可能なステップ数)を異なるものとしてもよい。また、実行可能な予告演出の数が、後の期間程、減少する(又は増加する)予告種(第1予告種)に加えて、逆に、実行可能な予告演出の数が、後の期間程、増加する(又は減少する)他の予告種(第2予告種)を備えていてもよい。これにより、実行される予告種によって、期間に応じて、異なる変化をしていくので、予告演出の多様化を図ることができる。また、これに加えて、期間によって、実行可能な予告演出の数が変わらない他の予告種を備えていてもよい(第3予告種)。
第2実施例のパチンコ機10では、図31の期間Y用予告演出決定テーブルや図32の期間Z用予告演出決定テーブルにおいて無効となる予告演出決定用乱数を含むものとしたが、これに限られず、無効となる予告演出決定用乱数を含まないものとしてもよい。例えば、図31の期間Y用予告演出決定テーブルにおいて、予告演出A2,A4,A6,A8に値0〜29までの予告演出決定用乱数を有効に設定するものとし、その場合の予告演出決定用乱数の設定を図28の期間Y用予告演出決定テーブルと同様に行うものなどとすればよい(予告演出B1,B2,B3,B4に設定された予告演出決定用乱数を、それぞれ予告演出A2,A4,A6,A8に設定する)。また、図32の期間Z用予告演出決定テーブルにおいて、予告演出A2,A8に値0〜29までの予告演出決定用乱数を有効に設定するものとし、その場合の予告演出決定用乱数の設定を図29の期間Z用予告演出決定テーブルと同様に行うものなどとすればよい(予告演出C1,C2に設定された予告演出決定用乱数を、それぞれ予告演出A2,A8に設定する)。また、この場合、同じ予告演出に対する信頼度は、同じ値(又は近い値)に設定することが望ましい(例えば±3%程度)が、設計上困難な場合もあるため、多少異なる信頼度としても構わない(例えば±10%程度)、但し、予告演出同士の信頼度が入れ替わると、遊技者を混乱させるため、避ける必要がある。
第2実施例のパチンコ機10では、予告演出の実行可能な数が最も少ない期間(期間Z)で実行可能な演出数を2つとしたが、これに限られず、実行可能な演出数を1つとしてもよい。その場合、その1つの予告演出を信頼度の高いもの(例えば、予告演出A8のように信頼度が90%など)とすればよい。このようにすれば、期間Zでは、予告演出が実行されれば大当りの可能性が高いことを示すことができるから、信頼度を一層分かり易いものとすることができる。
[第3実施例]
第3実施例のパチンコ機10は、第1実施例のパチンコ機10と予告演出決定テーブルの内容が異なるものである。第3実施例のパチンコ機10では、特別モードの期間Xでは、図34の期間X用予告演出決定テーブルを用い、期間Yでは図35の期間Y用予告演出決定テーブルを用い、期間Zでは図36の期間Z用予告演出決定テーブルを用いる。
図34の第3実施例の期間X用予告演出決定テーブルでは、予告種Aの複数の予告演出(4つの予告演出A1,A2,A3,A4)に予告演出決定用乱数が対応付けられている。大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0,1のときに予告演出A1が選択され、予告演出決定用乱数が値2〜7のときに予告演出A2が選択され、予告演出決定用乱数が値8〜16のときに予告演出A3が選択され、予告演出決定用乱数が値17〜29のときに予告演出A4が選択される。大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜14のときに予告演出A1が選択され、予告演出決定用乱数が値15〜23のときに予告演出A2が選択され、予告演出決定用乱数が値24〜28のときに予告演出A3が選択され、予告演出決定用乱数が値29のときに予告演出A4が選択される。このため、各予告演出の信頼度は、予告演出A1で約10%(11.8%)となり、予告演出A2で40%となり、予告演出A3で約65%(64.2%)となり、予告演出A4で約95%(92.8%)となる。このように、予告種Aから選択した4通りの予告演出を実行可能であり、各予告演出の信頼度の違いが約20〜30%と遊技者に分かり易いものの、予告演出のバリエーションは若干乏しいものとなる。
図35の第3実施例の期間Y用予告演出決定テーブルでは、予告種A,Bを組み合わせた(複合させた)複数の予告演出に予告演出決定用乱数が対応付けられている。大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0のときに予告演出B1が選択され、予告演出決定用乱数が値1,2のときに予告演出B2が選択され、予告演出決定用乱数が値3〜6のときに予告演出A2,B1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値7〜12のときに予告演出A3,B2の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値13〜20のときに予告演出A4,B3の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値21〜29のときに予告演出A4,B4の組み合わせが選択される。大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜7のときに予告演出B1が選択され、予告演出決定用乱数が値8〜14のときに予告演出B2が選択され、予告演出決定用乱数が値15〜20のときに予告演出A2,B1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値21〜25のときに予告演出A3,B2の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値26〜28のときに予告演出A4,B3の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値29のときに予告演出A4,B4の組み合わせが選択される。このため、各予告演出の信頼度は、予告演出B1のみで約10%(11.1%)となり、予告演出B2のみで約20%(22.2%)となり、予告演出A2,B1の組み合わせで40%となり、予告演出A3,B2の組み合わせで約55%(54.5%)となり、予告演出A4,B3の組み合わせで約75%(72.7%)となり、予告演出A4,B4の組み合わせで90%となる。このように、予告種A,Bから選択した6通りの予告演出が実行可能であるから、予告演出のバリエーションを増やすことができる。ただし、各予告演出の信頼度の違いが約10〜20%であり、信頼度の違いが遊技者に若干分かり難い場合がある。
図36の第3実施例の期間Z用予告演出決定テーブルでは、予告種A,B,Cを組み合わせた(複合させた)複数の予告演出に予告演出決定用乱数が対応付けられている。大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0のときに予告演出C1が選択され、予告演出決定用乱数が値1のときに予告演出A1,B1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値2,3のときに予告演出A2,B1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値4〜6のときに予告演出A2,B2,C1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値7〜10のときに予告演出A3,B2,C1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値11〜15のときに予告演出A3,B3,C2の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値16〜20のときに予告演出A4,B4,C1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値21〜29のときに予告演出A4,B4,C2の組み合わせが選択される。大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜7のときに予告演出C1が選択され、予告演出決定用乱数が値8〜13のときに予告演出A1,B1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値14〜18のときに予告演出A2,B1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値19〜22のときに予告演出A2,B2,C1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値23〜25のときに予告演出A3,B2,C1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値26,27のときに予告演出A3,B3,C2の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値28のときに予告演出A4,B4,C1の組み合わせが選択され、予告演出決定用乱数が値29のときに予告演出A4,B4,C2の組み合わせが選択される。このため、各予告演出の信頼度は、予告演出C1のみで約10%(11.1%)となり、予告演出A1,B1の組み合わせで約15%(14.3%)となり、予告演出A2,B1の組み合わせで約30%(28.5%)となり、予告演出A2,B2,C1の組み合わせで約45%(42.9%)となり、予告演出A3,B2,C1の組み合わせで約55%(57.1%)となり、予告演出A3,B3,C2の組み合わせで約70%(71.4%)となり、予告演出A4,B4,C1の組み合わせで約85%(83.3%)となり、予告演出A4,B4,C2の組み合わせで90%となる。このように、予告種A,B,Cから選択した8通りの予告演出が実行可能であるから、予告演出のバリエーションを増やすことができる。ただし、各予告演出の信頼度の違いが約5〜15%であり、信頼度の違いが遊技者に分かり難い場合がある。
これらのことから、第3実施例では、一変動中に予告演出を実行する場合、図37に示すように、期間Xでは予告種Aから選択した4通りの予告演出のいずれかを実行し、期間Yでは予告種A,Bから選択した(組み合わせた)6通りの予告演出のいずれかを実行し、期間Zでは予告種A,B,Cから選択した(組み合わせた)8通りの予告演出のいずれかを実行することになる。このため、各期間における予告演出の演出態様を変化させて、予告演出による遊技興趣の向上を図ることができる。また、期間Xから期間Y、期間Zへと遷移するにつれて、組み合わせることが可能な(一変動中に実行可能な)予告種および組み合わせることが可能な予告演出数を多くするから、予告演出による大当り発生への期待感を高めることができる。また、後の期間程、予告演出の複合率を向上(上昇)させている。また、後の期間程、多い数の予告演出が複合する可能性を高くしている。また、後の期間程、多い数の予告演出が複合可能なようにしている。また、所定の期間において(予告演出が複合可能な何れの期間においても)、複合数が少ないより多い方が、大当り遊技が実行される信頼度高くなるように設定しているため、後の期間において、予告演出を多様化しつつも、大当り遊技発生の推測も容易にすることができる。
以上説明した第3実施例のパチンコ機10によれば、大当り遊技終了後に演出カウンタ(大当り遊技後の図柄変動回数)に基づいて期間X,Y,Zが順に切り替わる特別モードを設定し、各期間X,Y,Zにおいて異なる予告種から選択した予告演出の組み合わせ数を変化させて予告演出を実行するから、一変動中に実行される予告種の数および予告演出の組み合わせ数を各期間X,Y,Zによって変化させることができる。このため、実行される予告種の数および予告演出の組み合わせ数の少ない期間(期間X)では遊技者に信頼度を分かり易く示すことができ、実行される予告種の数および予告演出の組み合わせ数の多い期間(期間Z)では予告演出のバリエーションを増やして演出効果を高めることができる。この結果、特別モード中の期間を、予告演出により演出効果を高める期間と信頼度を分かり易く示す期間とに分けてメリハリをつけることができる。期間XおよびYは第1の変動態様とされる期間であり、期間Zは第2の変動態様とされる期間であるから、予告演出の組み合わせ数を図柄の変動態様に基づいて分けて、信頼度を分かり易く示す期間と演出効果を高める期間とにメリハリをつけることもできる。また、後の期間になるほど(期間Xよりは期間Y、期間Yよりは期間Z)、実行可能な予告種の数が多くなるようにしたから、後の期間ほど予告演出による演出効果を高めることができる。このため、特別モードの終了間際において、大当りの可能性が高まっているのではないかと遊技者に思わせることができ、特別モード終了後も遊技の継続を促すことができる。
また、第3実施例の態様として、
所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、当該識別情報が特定態様で表示されることに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技を実行可能な遊技機であって、
識別情報の変動表示回数を計数する変動回数計数手段と、
特定遊技の実行可能性を示す予告演出を実行する予告演出実行手段と、
を備え、
変動回数計数手段の計数値に基づいて設定される第1期間と、変動回数計数手段の計数値に基づいて設定される第2期間とを有し、
予告演出には、少なくとも、複数の予告演出で構成される第1予告種の予告演出と、第1予告種と異なる予告演出で構成される第2予告種の予告演出とがあり、
予告演出実行手段は、
少なくとも第2期間においては、複数の予告種から選択した複数の予告演出を識別情報の一回の変動表示中に実行可能であり、
第2期間においては、第1期間においてよりも、識別情報の一回の変動表示中において、異なる予告種から選択した多い数の予告演出を実行することが多いものとすることができる。
ここで、「異なる予告種から選択した多い数の予告演出を実行することが多い」とは、例えば、第1期間では第1予告種のみから選択した予告演出を実行可能し、第2期間では第1予告種と第2予告種(これらの予告種を含む複数の予告種)から夫々選択した複数の予告演出を一回の変動表示中に実行可能とする態様が挙げられる。すなわち、第2期間の方が予告演出の複合数が多い態様が挙げられる。また、他の態様として、第1期間と第2期間とのいずれも第1予告種と第2予告種(これらの予告種を含む複数の予告種)から夫々選択した複数の予告演出を一回の変動表示中に実行可能であるが、第1期間よりも第2期間の方が、予告演出を実行する場合に、当該予告演出を複合して実行する場合が多いものとしてもよい。例えば、第2期間では、第1予告種と第2予告種との両方から予告演出を選択する比率が、第1予告種または第2予告種の一方から予告演出を選択する比率よりも高いものとしてもよい。
また、「複数の予告種から選択した複数の予告演出を識別情報の一回の変動表示中に実行可能」とは、識別情報の変動表示中に、複数の予告種の予告演出が実行されることを意味するが、これは、複数の予告演出が、同時に表示される(予告1と予告2とが同時に表示されるタイミングを有する)態様と、別々の時に表示される(予告1が表示され、予告1の表示終了後に予告2が表示される)態様と、の両方を含む。
また、第3実施例の更に他の態様として、
所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、当該識別情報が特定態様で表示されることに基づいて遊技者にとって有利な特定遊技を実行可能な遊技機であって、
前記識別情報の変動表示回数を計数する変動回数計数手段と、
前記特定遊技の実行可能性を示す予告演出を実行する予告演出実行手段と、
を備え、
前記変動回数計数手段の計数値に基づいて設定される第1期間と、前記変動回数計数手段の計数値に基づいて設定される第2期間とを有し、
前記予告演出には、少なくとも、複数の予告演出で構成される第1予告種の予告演出と、前記第1予告種と異なる予告演出で構成される第2予告種の予告演出とがあり、
前記予告演出実行手段は、
少なくとも第2期間においては、前記複数の予告種から選択した複数の予告演出を前記識別情報の一回の変動表示中に実行可能であり、
前記第2期間においては、前記第1期間においてよりも、前記識別情報の一回の変動表示中において、複数の予告演出を実行することが多い
ことを要旨とする。
この本発明の遊技機では、変動回数計数手段の計数値に基づいて設定される第1期間と第2期間とを有し、複数の予告演出で構成される第1予告種と、第1予告種と異なる予告演出で構成される第2予告種とを含む複数の予告種を有し、第2期間において識別情報の一回の変動表示中に予告演出を実行する場合は、第1期間において識別情報の一回の変動表示中に予告演出を実行する場合よりも、複数の予告演出を実行することが多い(なお、複数の予告種から選択した複数の予告演出を実行することが多いものとしてもよい)。すなわち、第2期間においては、第1期間においてよりも、予告演出が、複合して実行される場合が多いものとされる(予告演出の複合率が高い)。
第3実施例のパチンコ機10では、後の期間になる程、予告演出の複合率を上昇させたり、複合可能な予告演出の数を増加したりしたが、これに限られず、後の期間になるほど予告演出の複合率を低下させたり、複合可能な予告演出の数を減少したりしてもよい。後の期間になるほど、予告演出の複合率を低下させる又複合可能な予告演出の数を減少することで、先の期間ほど演出のバリエーションを多様化し、特別モードに突入した際の遊技者の特別モードへの特別感を感じさせると共に、期待感を高めることができる。一方、後の期間程、予告演出の数が少ないので、遊技者に大当り遊技の発生可能性を分かり易く示し、シンプルな遊技を提供することができる。
第3実施例のパチンコ機10では、予告種A,B,Cから選択した種類の異なる予告演出を組み合わせるものとしたが、これに限られず、同じ予告種の予告演出を組み合わせるものとしてもよい。この場合、一変動中において同じ予告種から選択した予告演出の組み合わせ数を変化させるものとしてもよい。さらに、複数の予告種からそれぞれ選択した複数の予告演出を組み合わせるものとしてもよく、例えば、予告種Aから3つの予告演出A1,A2,A4を選択すると共に予告種Cから予告演出C1,C2を選択して組み合わせたものを実行するものなどとしてもよい。
第3実施例のパチンコ機10では、期間Xでは一つの予告種Aから選択した予告演出を実行して予告種B,Cから予告演出を選択しないものとし、期間Yでは二つの予告種A,Bから選択した予告演出を実行して予告種Cから予告演出を選択しないものとし、期間Zでは三つの予告種A,B,C(全ての予告種)から選択した予告演出を実行するものとしたが、これに限られず、各期間X,Y,Zにおいて三つの予告種A,B,C(全ての予告種)から予告演出を選択して実行可能としておくものとしてもよい。その場合、予告種A,B,Cからそれぞれ予告演出を選択可能な割合が異なるものとすることで、期間毎に複合して実行される予告種の数および予告演出の組み合わせ数を変化させるものなどとしてもよい。すなわち、期間によって予告演出の複合率を異ならせることができる。この場合の変形例の期間X,Y用と期間Z用の予告演出決定テーブルを図38に示す。
図38の変形例の予告演出決定テーブルでは、三つの予告種A,B,Cから、一つを選択した予告演出(A1,A2,B1,B2,C1)と、二つ選択して組み合わせた予告演出(A1+B1,A2+B1,B3+C2)と、三つ選択して組み合わせた予告演出(A2+B2+C1,A3+B2+C1,A3+B3+C2,A4+B4+C1,A4+B4+C2)とを、期間X〜Zのいずれにおいても実行可能となっている。なお、便宜上、期間X,Yの予告演出決定用乱数と予告演出との対応付け(振り分け)は共通とした。また、予告演出決定用乱数と予告演出との対応付けは、期間X,Yの大当り時と期間Zの大当り時とで同じであり、期間X,Yの外れ時と期間Zの外れ時とで異なっている。予告演出決定用乱数と予告演出との対応付けの詳細な説明は省略するが、期間Zの外れ時では、期間X,Yの外れ時に比べて、三つの予告種A,B,Cから一つを選択した予告演出への予告演出決定用乱数の振り分けを少なくし、予告種A,B,Cから二つ選択して組み合わせた予告演出や三つ選択して組み合わせた予告演出への予告演出決定用乱数の振り分けを多くしている。このため、期間Zでは、期間X,Yに比べて、三つの予告種A,B,Cの全て(あるいは、そのうちの二つの予告種)から予告演出を選択可能な比率(割合)が、いずれか一つの予告種から予告演出を選択可能な比率よりも高いものとなる。このため、第3実施例と同様に、後の期間になるほど(期間X,Yよりは期間Z)、実行可能な予告種の数が多くなるようにすることができる。なお、この例では、大当り時における予告演出決定用乱数と予告演出との対応付けを同じとして、外れ時における予告演出決定用乱数と予告演出との対応付けを変化させるから、期間Zでは期間X,Yに比べて、予告種A,B,Cから一つを選択した予告演出の信頼度が若干上がり、予告種A,B,Cから二つ選択して組み合わせた予告演出や三つ選択して組み合わせた予告演出の信頼度が若干下がるものとなる。このように信頼度は若干下がるものの、予告種A,B,Cから複数(二つや三つ)選択して組み合わせた予告演出が実行される機会が増えるため、演出効果を高めることができる。また、期間Xで単独で実行される予告種Aは、期間Yでは、単独では実行されず、予告種(予告演出)が複合するときにのみ実行され、期間Zでは、期間X及び期間Yにおいて単独で実行される予告種A及びBは、予告種(予告演出)が複合するときにのみ実行される例を示した。これにより、前の期間において単独で実行された予告演出は、後の期間においては、複合した際にのみ実行されるので、特に後の期間において、前の期間に単独で実行される予告演出が出現したときの、遊技者の期待感を高めることができる。また、この様な態様に限らず、期間Yにおいて、予告種A及びBを単独で(非複合で)実行可能とし、期間Zにおいて、予告種A乃至Cを単独で実行可能としてもよい。もちろん、期間Xにおいても、予告種A乃至Cを単独で実行可能としてもよいし、期間Y及び期間Zにおける複合率よりも複合する可能性が低い程度に(また、複合する予告種の数が少ないように)、予告種が複合するように設定してもよい。
第1〜第3実施例のパチンコ機10では、実行中の図柄変動演出(特別モード用リーチ演出)の結果を予告する予告演出の実行態様を各期間で異なるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、保留が発生したときに(変動表示を開始する前に)大当り判定や変動パターン判定を行い(事前判定)、発生した保留に対する大当り発生の期待度やリーチ演出実行の期待度などを、その保留に係る図柄変動演出を実行する前に予告する演出(いわゆる保留予告(先読み)演出)を行うパチンコ機において、その保留予告演出の実行態様を各期間で異なるものとしてもよい。この変形例の保留予告演出決定テーブルの一例を図39に示す。なお、保留予告演出としては、例えば、演出表示装置34に表示させる保留図柄(第1保留図柄35aまたは第2保留図柄35b)の表示態様を通常とは異なる色や大きさ、形状とすることができ、この変形例では、保留図柄の色(表示色)を通常(例えば白色)とは異なる色にするものとして説明する。また、この変形例では、特別モード中の期間Xと期間Yとで保留予告演出を実行し、その実行態様が期間Xと期間Yとで異なるものとするが、3つの期間X,Y,Zで異なるものとしてもよいのは勿論である。
図39(a)に示すように、期間X用保留予告演出決定テーブルでは、大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜2のときに保留図柄の色に「灰色」が選択され、予告演出決定用乱数が値3〜6のときに「青色」が選択され、予告演出決定用乱数が値7〜12のときに「黄色」が選択され、予告演出決定用乱数が値13〜20のときに「赤色」が選択され、予告演出決定用乱数が値21〜29のときに「虹色」が選択される。また、大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜14のときに「灰色」が選択され、予告演出決定用乱数が値15〜20のときに「青色」が選択され、予告演出決定用乱数が値21〜25のときに「黄色」が選択され、予告演出決定用乱数が値26〜28のときに「赤色」が選択され、予告演出決定用乱数が値29のときに「虹色」が選択される。このため、「灰色」の信頼度は約15%(16.6%)となり、「青色」の信頼度は40%となり、「黄色」の信頼度は約55%(54.5%)となり、「赤色」の信頼度は約75%(72.7%)となり、「虹色」の信頼度は90%となる。
図38(b)に示すように、期間Y用保留予告演出決定テーブルでは、大当り判定の結果が大当りの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0のときに保留図柄の色に「黒色」が選択され、予告演出決定用乱数が値1〜29のときに「金色」が選択される。また、大当り判定の結果が外れの場合には、予告演出決定用乱数が値0〜29のうち値0〜27で保留図柄の色に「黒色」が選択され、予告演出決定用乱数が値28,29のときに「金色」が選択される。このため、「黒色」の信頼度は約5%(3.4%)となり、「金色」の信頼度は約95%(93.5%)となる。
これらのことから、変形例では、期間X中は、保留図柄の色を5色のうちのいずれかとして信頼度を示すことで保留予告演出による演出効果を高めることができ、期間Y中は、保留図柄の色を2色のいずれかとして信頼度を示すことで保留予告演出の信頼度を遊技者に分かり易いものとすることができる。
第1〜第3実施例のパチンコ機10では、特別モード中の期間として期間X,Y,Zの3つの期間を例示したが、これに限られず、少なくとも第1期間と第2期間との2つの期間を有するものであればよい。例えば、電サポあり状態中の2つの期間(期間Xと期間Y)としてもよいし、電サポあり状態中の期間(期間X,Yをまとめた期間)と電サポなし状態中の期間(期間Z)の2つの期間としてもよい。例えば、電サポあり状態中の期間で予告演出のバリエーションを増やせば、演出効果の高まりとスピーディーな遊技の進行とが相まって、遊技興趣をより一層向上させることができる。また、電サポなし状態中の期間で予告演出のバリエーションを増やせば、比較的長い変動中でも予告演出による当りへの関心を高めて遊技者を飽きさせないものとすることができる。また、特別モードを、確変大当りに係る大当り遊技後にのみ設定し、第1期間と第2期間とを高確率電サポあり状態中の期間としたり、高確率電サポあり状態と高確率電サポなし状態の期間としたりしてもよいし、通常大当りに係る大当り遊技後にのみ設定し、第1期間と第2期間とを低確率電サポあり状態中の期間としてもよい。あるいは、電サポあり状態中の期間として設定するものに限られず、電サポなし状態中の期間として設定してもよく、高確率状態中の期間と低確率状態中の期間との2つの期間としてもよい。例えば、高確率状態中の期間で予告演出のバリエーションを増やせば、演出効果の高まりと高確率による当りへの期待感の高まりとが相まって、遊技興趣をより一層向上させることができる。また、低確率状態中の期間で予告演出のバリエーションを増やせば、低確率状態中であっても予告演出により当りへの関心を高めて遊技者の当りへの期待感を煽ることができる。
第1〜第3実施例のパチンコ機10では、便宜上、予告演出抽選処理の当選確率を、大当り判定の結果が大当りとなって予告演出が実行される確率と、大当り判定の結果が外れとなって予告演出が実行される確率とが同じとなるように設定したが、これに限られるものではない。即ち、予告演出抽選処理の当選確率を、大当り判定の結果が大当りとなって予告演出が実行される確率と、大当り判定の結果が外れとなって予告演出が実行される確率とが異なるように設定してもよい。この場合に当選確率を高くしておけば、予告演出が実行される頻度を高くすることができる。例えば、予告演出抽選処理における当選確率を、現在の確率状態が大当り確率を1/100(外れ確率を99/100)とする低確率状態であれば、48/99などとし、現在の確率状態が大当り確率を1/50(外れ確率を49/50)とする高確率状態であれば、24/49などとすれば、特別モード用リーチ演出パターンが実行される場合に、約1/2の確率で予告演出が実行されるものとすることができる。また、この場合、実施例では大当り判定の結果が外れの場合には1/8の確率で特別モード用リーチ演出パターンが設定されるから、特別モード中において大当り判定の結果が外れとなり特別モード用リーチ演出パターンが設定されて予告演出が実行される確率は、低確率状態では3/50(6/100)となり、高確率状態では3/25(6/50)となる。あるいは、大当り判定の結果が外れの場合に予告演出抽選処理を行うものとしたが、これを省略して、外れの場合も特別モード用リーチ演出が実行されれば毎回予告演出を行うものなどとしてもよい。なお、これらの場合、大当り判定の結果が外れのときに実行される予告演出が増える分、各予告演出の信頼度は低下することになる。
第1〜第3実施例のパチンコ機10では、特別モード中の期間X,Yと期間Zとが電サポ有無の違いにより図柄変動時間の長短と変動表示する演出図柄の背景とがいずれも異なるものとしたが、これに限られず、図柄変動時間の長短だけが異なるものでもよいし、背景だけが異なるものでもよいし、他の変動表示態様が異なるものでもよい。他の変動表示態様としては、例えば、変動表示する演出図柄の絵柄を異なるものとすることができる。その場合、期間X,Yと期間Zとのうち一方の期間では、図7に示すような数字だけを示す演出図柄を変動表示させ、他方の期間では、図示は省略するが数字とキャラクタとを組み合わせた演出図柄を変動表示させるものなどとしてもよい。また、特別モード中の各期間におけるリーチ演出としては、特別モード用リーチ演出のみとしたが、これに限られず、期間X,Yと期間Zとのうち一方の期間で実行されるリーチ演出と、他方の期間で実行されるリーチ演出とを異なるものなどとしてもよい。また、期間Xと期間Yとで、変動時間決定テーブルを共通化することで、平均変動時間が同じとなるように設定したが、期間X用の変動時間決定テーブルと、期間Y用の変動時間決定テーブルとを設けてもよい。この場合、変動時間の平均値を、期間Xの方が期間Yよりも短くなるように設定し、期間Yは期間Zよりも短くなるように設定することができる。これにより、期間XからZにむけて、平均変動時間が長くなっていくものとすることができる。また、期間Yの方が期間Xよりも短くなるように設定し、期間Xは期間Zよりも短くなるように設定することもできる。また、通常状態の変動時間決定テーブルは、少なくとも、平均変動時間が期間X及びYよりは長くなるように設定されており、期間Zよりも長くなるように設定されてもよいし期間Zよりは短くなるように設定されてもよい。いずれにしても、通常状態における変動時間決定テーブルとして、期間X乃至Zとは異なるテーブル(平均変動時間が異なるテーブル)を備えるものとすることができる。
また、期間Xと期間Yとで、又は期間Yと期間Zとで、又は期間Xと期間Yと期間Zとで、小当り発生頻度の異なる遊技状態とし、これらの期間によって、予告演出決定テーブルを異ならせてもよい。小当り発生頻度が異なる状態とは、例えば、小当りの変動時間(平均変動時間)を遊技状態によって異ならせることによって、構成される。例えば、所定の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の当否判定において、小当りが1/10で発生するものとされ、期間Xでは、当該小当りの変動時間が10秒とされ、期間Yでは、当該小当りの変動時間が120秒とされ、期間Zでは、小当りの変動時間が240秒とされる。ことで、期間X乃至Zにおける小当り遊技(大入賞口を短時間(1秒程度)開状態とする遊技)の発生頻度が異なるものとされる。本例では、発生頻度の高い方から、期間X、期間Y、期間Zとなる。第2特別図柄に係る始動口を開閉式始動口とし、開放延長機能の作動により、当該開閉式始動口を入球容易状態とすることにより、小当りの発生頻度を高めることができる。これにより、開放延長機能の作動中においても、小当りの発生頻度の異なる遊技状態(期間Xと期間Y)を設けることができる。
また、期間Xを特定遊技終了後の、特図1保留上限数の期間(特定遊技終了後、4変動)としたり、特図2保留上限数の期間(特定遊技終了後、4変動)としたり、特図1保留と特図2保留とを加算した保留上限数(特定遊技終了後、8変動)としたりすることができる。期間Xの終了後、期間Yが開始するものとする。
また、期間Xの開始を、特定遊技終了後の、特図1保留上限数の期間(特定遊技終了後、4変動)経過後としたり、特図2保留上限数の期間(特定遊技終了後、4変動)経過後としたり、特図1保留と特図2保留とを加算した保留上限数(特定遊技終了後、8変動)経過後としたりすることができる。期間Xの終了後、期間Yが開始するものとする。
これにより、例えば、特図1が特図2に比べて不利な設定とされ、入賞順変動や、特図1優先変動とされることにより、特定遊技終了後の特図1保留上限まで、不利な当否判定が実行される可能性がある。この様な場合の特別モードを、当該不利な期間を期間X(第1期間)とし、有利な期間(が確定してからの期間)を期間Y(第2期間)とすることができる。また、このような(不利になり得る)期間が無事に経過した後の期間から、期間X、即ち、特別モードを開始するものとしてもよい。
第1〜第3実施例のパチンコ機10では、セリフや特定の文字などの文言を表示する予告種Aと、演出が変化する様子(魚を釣り上げる様子)を段階的に示す(ステップアップさせる)予告種Bと、可動役物(第1可動役物51(月役物)や第2,第3可動役物(刀役物)52,53)を作動させる予告種Cとを例示したが、これらの予告演出に限られるものではない。例えば、予告種Aではさらに多くの文言を表示したり、文言の表示態様を変化させることで(模様を追加したり、太文字とするなど)、信頼度をさらに細かく示してもよい。予告種Bでは、4段階までステップアップさせたが、さらに多くの段階までステップアップさせて、信頼度をさらに細かく示してもよい。また、予告種Cでは、2種類の可動役物を作動させたが、さらに多くの役物を作動させてもよいし、単に作動の有無だけでなく可動役物に設けたLEDなどのランプの発光態様(点灯有無、点滅有無、点滅速度など)を異ならせて作動させることで信頼度を示してもよい。また、演出ボタン26のボタン操作と絡めて、演出ボタン26(遊技者の入力を検知可能な入力検知手段)の操作時に可動役物が作動するか否かが異なる演出としたり、演出ボタン26の操作に基づいて演出表示装置上に所定の遊技演出(キャラクタ等)が表示されるか否かなどとしてもよい。他にも、特定のキャラクタを出現(カットイン)させる予告演出としてもよく、そのキャラクタの種類や色、動作、姿勢、服装、数などを異ならせることで信頼度を示してもよいし、背景画面を変化させる予告演出としてもよく、その背景画面に表示される画像の違いや色の違いなどで信頼度を示してもよい。また、特別図柄の1回の変動表示中に演出図柄を仮停止させ再度変動表示させることで複数回変動表示しているように見せる、いわゆる疑似連演出を予告演出としてもよく、疑似連演出の回数(仮停止の回数、再変動の回数)で信頼度を示す(例えば回数が多いほど信頼度が高い)ものとしてもよい。具体的に、期間Xでは、一変動中における再変動表示の回数が3回の疑似4演出(第1演出)と、再変動回数が2回の疑似3演出(第2演出)と、再変動回数が1回の疑似2演出(第3演出)と、を実行可能とし、期間Yでは、第1演出と第3演出とを実行可能とし、期間Zでは、第1演出を実行可能とすることができる。また、前述した変形例のように、保留図柄の変化で予告演出を行うものとしてもよい。
第1〜第3実施例のパチンコ機10では、大当り遊技終了後に特別モードを発生させたが、これに限られず、他の条件に基づいて特別モードを発生させてもよい。例えば、当り(大当り)判定テーブルに小当りを含ませておき、小当り発生を契機として(小当り遊技終了後に)、特別モードを発生させてもよい。あるいは、通常モード中に抽選を行い、その抽選に当選すると特別モードを発生させてもよい。その抽選を行う契機としては、遊技開始時(電源投入時)からの経過時間や大当り遊技終了後からの経過時間などが所定時間に到達したこととしてもよいし、遊技開始時(電源投入時)からの図柄変動回数や大当り遊技終了後からの図柄変動回数が所定回数に到達したこととしてもよい。
また、期間X乃至Zの実行中において、何らかの原因で、電源遮断(停電)が発生する可能性がある。この様な場合には、次の様な構成とすることで、誤って遊技者の期待感をあおってしまい、かえって遊技者の遊技興趣を低下させることがないようにすることができる。具体的に、期間X乃至Zにおいては、夫々、予告演出決定テーブルとして、期間X用、Y用、Z用のテーブルを用いて実行する予告演出を決定すると共に、遊技者が何れの期間(モード)に滞在しているかを認識容易なように、異なる演出モードに設定するものとされている(例えば、期間X乃至Zに対応して、モードX乃至Z)。この演出モードは、演出表示装置34の表示部の表示態様により、区別することができる。例えば、背景色や背景絵柄が異なっていたり、出現するキャラクタが異なっていたり、異なる演出モード明を表示して(明示して)、何れの演出モードに滞在しているかを示したりすることができる。また、低確率電サポなしの所謂通常遊技状態(通常モード)においても、当該遊技状態と認識可能な表示態様とされている。
そして、モードX乃至Z、又は通常モードの何れかのモードのときに、電断が発生し、電断復帰後に(電断復帰処理において)、誤って、電断時と異なるモード(モードX乃至Z)に設定してしまうおそれがある。これを防止するため、電断復帰後には、電断時が何れのモードであっても、必ず通常モードに復帰させる処理とすることができる。そして、その後(次回の変動表示が実行される際に)、主制御部(主制御基板70)から何れのモードに滞在していたか(何れのモードに滞在しているか)を示す情報が送信されたときに、初めて当該モードを示す表示態様に変更するものとすることができる。これにより、誤った遊技モードに係る表示態様が表示されるのを防止すると共に、電源復帰処理に、不必要に多くの情報を主制御部から(演出表示装置34の表示制御を行う)サブ制御部(サブ制御基板90)に送信するのをやめ、迅速な復帰処理を達成することができる。
また、他の態様として、モードX乃至Zの何れかのときに電源遮断が発生した場合には、再度モードX(第1期間)の初めから開始するものとしてもよい。これにより、遊技者は、特別モードを長期間に亘って楽しむことができる。
また、第1〜第3実施例のパチンコ機10では、特図1に係る変動表示か、特図2に係る変動表示かに拘わらず、期間Xであれば期間X用の予告演出決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定し、期間Yであれば期間X用の予告演出決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定し、期間Zであれば期間X用の予告演出決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定し、通常遊技状態であれば通常遊技状態用の予告演出決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定するものとしたが、これに限られるものではない。他の態様として、遊技状態によって、何れの特別図柄が主体となる遊技状態かを設定し、当該主体となる特別図柄の変動表示においては、滞在する期間用の(例えば、期間Xであれば期間X用の)予告演出決定テーブルを用いて予告演出を決定し、主体でない特別図柄が変動表示される場合には、異なる予告演出決定テーブルを用いて予告演出を決定するようにしてもよい。例えば、主体でない特別図柄が変動表示される場合には、当否判定結果が外れであると、予告演出を実行しないように設定し、当りであると、所定の予告演出を実行するように設定してもよい。また、主体でない特別図柄が変動表示される場合には、期間の違いによらず、共通の(非主体用)予告演出決定テーブルを用いて、予告演出を実行するかどうか、又、実行するのであれば何れの予告演出を実行するのか、を決定することができる。例えば、電サポありの遊技状態においては、可変式始動口に係る特図2の変動表示(当否判定)が主体とされる。また、電サポなしの遊技状態においては、非可変式の始動口に係る特図1の変動表示(当否判定)が主体とされる。
また、予告演出が示す対象として、特定遊技の実行可能性であることを例示したが、これに限られない。例えば、予告演出(遊技演出)の表示態様によって、当否判定確率を報知しない非報知期間において、高確率状態である可能性を示すものとしてもよい。そして、期間によって、予告演出の実行パターンを変化させることで、遊技興趣を高めたり、遊技者が遊技をやめ難くしたりする(遊技機の稼動を向上させる)ことができる。
また、実行前の変動表示に係る特定遊技の実行可能性を示す先読み演出や、先読み演出を複数の変動表示に亘って連続して実行する連続演出を実行する場合において、先の期間(期間X、第1期間)において予告演出(先読み予告演出)を行うが、当該予告演出は、後の期間(期間Y、第2期間)において実行される変動表示において特定遊技が実行されるかどうかを示す演出である場合がある。すなわち、複数の期間に跨って、予告演出が実行される場合がある。この様な場合には、先の期間(期間X)の予告演出決定テーブルを用いて、先読み演出に係る変動表示が行われるまでの予告演出を決定する。すなわち、変動表示の回数が69回目から72回目の変動表示に亘って、先読み演出に係る連続演出(72回目の変動表示における特定遊技実行可能性を示す)を実行する場合には、72回目の変動表示において実行される予告演出までを、期間X用の予告演出決定テーブルを用いて決定するものとすることができる。これにより、簡便な予告決定制御で、期間を跨るような場合にも、先読み演出に係る予告演出を実行することができる。また、他の態様として、当該先読み演出が特定遊技の実行可能性を示す変動表示が何れの期間に実行されるものかを判定し、先の期間(期間X)であっても後の期間(期間Y)用の予告演出決定テーブルを用いて決定するものとしてもよい。これにより、より正確な予告演出の実行態様を実現することができる。
また、期間X乃至Zにおいて、夫々異なる予告決定テーブルを備えることによって、実行される予告演出や、実行頻度や、予告種の複合率等を変化させる例を示したが、これに限らず、本実施例の態様に加えて、又は替えて、サブ制御部(サブ制御基板90)が特定の変動パターン(1又は複数あってもよい)を主制御部(主制御基板70)から受け取った場合に、予告演出を実行可能とされており、主制御部において、特定の変動パターンが選択される可能性、すなわち特定変動パターンの出現率を異ならせることによっても、予告演出の実行態様を異ならせてもよい。期間によって、予告演出を実行可能な特定変動パターンの選択頻度を変化させると共に、期間によって、予告演出決定テーブルを変化させることで、予告演出の実行態様の多様化を図ることができる。
また、実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、図12の特別図柄遊技処理のS248,S250の処理(図24の演出カウンタ更新処理)を実行する主制御基板70のCPU70aが「変動回数計数手段」に相当し、第2実施例において図27,図31,図32の予告演出決定テーブルを用いて図26の特別モード中予告演出設定処理を行って予告演出を実行するサブ制御基板90のCPU90aと演出表示制御基板91と演出表示装置34とが「予告演出実行手段」に相当する。また、期間Xが「第1期間」に相当するとした場合、期間Yあるいは期間Zが「第2期間」に相当し、期間Yが「第1期間」に相当するとした場合、期間Zが「第2期間」に相当する。また、予告種Aが「特定予告種」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
なお、本発明において、
識別情報の変動態様を選択する変動態様選択手段、を備え、
変動態様選択手段が第1条件に基づいて変動態様を選択する第1期間と、前記変動態様選択手段が第2条件に基づいて変動態様を選択する第2期間と、を有するものとすることができる。
この場合、図13の変動表示関連処理のS314〜S318の処理(図17の変動パターンテーブル設定処理)を実行して図18〜図20の変動パターン決定テーブルから変動パターンを決定する主制御基板70のCPU70aが「変動態様選択手段」に相当する。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。