JP5786570B2 - 無線機 - Google Patents
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Description
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側通信機と、各車両に搭載される無線通信装置である複数の車載通信機とによって構成される。
上記TDMAによるマルチアクセス方式において、送信用タイムスロットは、通常、各通信機それぞれに対して周期的に設定される。このため、各路側通信機は、周期的に設定された自機の送信用タイムスロットを用いて送信を行い、それ以外の時間は、他の路側機又は車載通信機からの送信信号の受信を行う。
図1は、本発明の一実施形態に係る高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、道路構造の一例として、南北方向と東西方向の複数の道路が互いに交差した碁盤目構造を想定している。
図1に示すように、本実施形態の高度道路交通システムは、交通信号機1、路側通信機(無線機)2、車載通信機(無線機)3(図3参照)、中央装置4、車載通信機3を搭載した車両5、及び、車両感知器や監視カメラ等よりなる路側センサ6を含む。
中央装置4は、自身が管轄するエリアに含まれる各交差点Jiの交通信号機1及び路側通信機2とLAN(Local Area Network)を構成している。従って、中央装置4は、各交通信号機1及び各路側通信機2との間で双方向通信が可能である。なお、中央装置4は、交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
なお、図1では、図示を簡略化するために、各交差点Jiに信号灯器が1つだけ描写されているが、実際の各交差点Jiには、互いに交差する道路の上り下り用として少なくとも4つの信号灯器が設置されている。
高度道路交通システムにおいて、無線通信システムを構成する、複数の交差点それぞれに設置された複数の路側通信機(無線機)2は、その周囲を走行する車両の車載通信機3との間で無線通信(路車(車路)間通信)が可能である。また、各路側通信機2は、自己の送信波が到達する所定範囲内に位置する他の路側通信機2とも無線通信(路路間通信)が可能である。
また、同じく無線通信システムを構成する車載通信機(無線機)3は、路側通信機2との間で無線通信を行うとともに、キャリアセンス方式で他の車載通信機3と無線通信(車車間通信)が可能である。
路側通信機2及び車載通信機3は、同一周波数帯を通信に用いるが、上記のように路側通信機2と車載通信機3の送信時間帯が区別されていることで、路側通信機2による送信信号と、車載通信機3による送信信号との衝突を回避できる。
図2は、本実施形態における路車間通信のタイムスロットの一例を示す概念図である。図2に示すように、路車間通信においては、時間軸方向に並べて配置される無線フレームが用いられている。
この無線フレームは、その時間軸方向の長さが100ミリ秒に設定されており、第一スロットSL1と、第二スロットSL2とを含んで構成されている。
第一スロットSL1は、路側通信機2に割り当てられるタイムスロットであり、この時間帯においては、路側通信機2による無線送信が許容される。一方、第2スロットSL2は、車載通信機3用のタイムスロットであり、この時間帯は車載通信機3による無線送信用として開放するため、路側通信機2は第2スロットSL2では無線送信を行わない。
第一スロットSL1には、それぞれスロット番号i(図2では、i=1〜10)が付されている。このスロット番号iは、無線フレーム内でインクリメント又はデクリメントされる。
路側通信機2には、無線フレームに含まれる複数の第一スロットSL1の内の一つが割り当てられる。路側通信機2はスロット番号iによっていずれのスロットが自機に割り当てられるかを認識することができる。
無線フレームは、上述のように時間軸方向に複数並べて配置されているので、いずれかの路側通信機2に割り当てられる、各スロット番号ごとの第一スロットSL1は、それぞれ、無線フレーム長さを1周期、つまり100ミリ秒を1周期として周期的に配置されている。従って、路側通信機2は、第一スロットSL1を用いた送信を100ミリ秒ごとに行う。
本実施形態のように、路側通信機2同士の位置関係が距離的に近い場合には、互いに異なるスロットが割り当てられる。互いの送信信号によって干渉を生じさせるのを防止するためである。
図3は、路側通信機2と車載通信機3の内部構成を示すブロック図である。
路側通信機2は、無線通信のためのアンテナ20が接続された無線通信部(送受信部)21と、通信制御などの処理を行う制御部22と、GPS(GSNN)受信機23と、を備えている。
車載通信機3は、無線通信のためのアンテナ30が接続された無線通信部31と、通信制御などの処理を行う制御部32と、通信のために必要な情報を記憶する記憶部33と、を備えている。
したがって、2つの路側通信機2それぞれのタイマ22b間では、1PPS信号を得られる直前において、最大40μsの差が生じることになる。
つまり、複数の路側通信機2において、それぞれのタイマ22に最大40μsもの差が生じると、タイマ22によって決定される無線フレームのタイミング(送信タイミング)も最大で40μsもの差が生じ、複数の路側通信機2間の同期誤差が、最大許容同期誤差(16μs)を超えてしまう。
しかし、発振器25から出力されるクロック信号を高精度化すると大幅なコストアップを招く。
つまり、タイマ誤差は、基準信号である1PPS信号に基づいて、検出することができる。
なお、補正すべき誤差量として過去複数回分の平均をとることで、より適切な誤差量(誤差レベル)が得られる。
また、補正すべき誤差量が、2μs分(タイマ22bの2カウント分)の進みである場合には、図6に示すように、次の1PPS信号のパルス立ち上がりまでの1秒間の間において、2回、カウントアップ(インクリメント)すべきときにカウントアップ(インクリメント)しないことで補正すればよい。
なお、補正タイミングは、次の1PPS信号までの間において、ほぼ等間隔であるのが好ましい。
そして、タイマ補正部22は、補正テーブル22から取得したタイミングと補正量に従い、リセットから100ms後、300ms後、500ms後、700ms後、900ms後それぞれのカウントアップ時に、通常のカウントアップ量の1に、補正量の「1」を加えた2カウントアップ(ダブルインクリメント)を行う。また、リセット200ms後、400ms後、600ms後、800ms後それぞれのカウントアップ時においては、通常のカウントアップ量である1カウントアップを行う。
例えば、タイマ22bに3μsの遅れがある場合に、1,000,000/999,997の割り算を行って、1カウントあたりの誤差を求めて、1カウント毎に誤差を補正しようとした場合、割り算のために浮動小数演算(実数演算)が必要となったり、タイマ22bの値を整数ではなく、浮動小数(実数)にして、浮動小数の誤差を補正する場合には、浮動小数を扱うため、回路規模が大きくなりやすい。しかし、補正テーブル22eを設ければ、浮動小数演算は不要であり、補正テーブル22e分の記憶領域を確保すれば足りるため、回路規模の増大を抑えることができる。
また、1回の補正量は、タイマの通常のカウントアップ時(1μs毎のタイミング)において、カウントアップ量の調整で行うため、補正のためのハードウェアの追加が少なく済む。したがって、僅かなコストアップで高精度化が可能である。
また、補正テーブル22bには、補正タイミングの時刻を規定しておく必要はなく、複数の補正タイミング(第1補正タイミング〜第9補正タイミング)に対応する補正量だけを規定しておいてもよい。この場合、補正タイミングの時刻(100ms、200ms)は、別途、テーブル22b外に記憶しておいてもよいし、タイミングを適応的に制御してもよい。
スロット情報に含まれる時刻情報は、路側通信機2と車載通信機3との間で共有される時刻である。スロット情報には、時刻情報以外に、路側通信機2が使用する第一スロットSL1を特定する情報が含まれている。車載通信機3は、路側通信機2との間で時刻を共有することで時刻同期がとれているため、スロット情報に基づいて、路側通信機2が使用する第一スロットSL1の送信タイミングを把握することができる。
3 車載通信機
22 制御部
22a 通信制御部
22b タイマ
22c 誤差検出部
22d タイマ補正部
22e 補正テーブル
23 GPS受信機
25 クロック発振器
Claims (9)
- 外部から信号を受信する受信機を備えるとともに、無線送信を行う無線機であって、
クロック発振器から出力されるクロック信号に基づいてタイマ値がカウントされるとともに、前記受信機が外部から受信した信号に基づいて出力した基準信号によって前記タイマ値が周期的にリセットされるタイマと、
無線送信のタイミングを、前記タイマが示す前記タイマ値に基づいて決定する通信制御部と、
前記基準信号によってリセットされる直前の前記タイマの実際のタイマ値と、前記基準信号によってリセットされる直前の前記タイマの理論値と、の差に基づいて、前記タイマ値の誤差を検出する誤差検出部と、
前記基準信号によってリセットされてから次のリセットまでの間において、前記クロック信号に基づいてカウントされる前記タイマ値を、前記誤差検出部によって検出された誤差に基づいて、補正するタイマ補正部と、
を備える無線機。 - 複数の補正タイミングにおける補正量を、誤差レベル毎に規定した補正テーブルを備え、
前記タイマ補正部は、
前記誤差検出部によって検出された誤差に基づいて、誤差レベルを決定し、
決定された誤差レベルに基づいて前記補正テーブルを参照して、各補正タイミングにおける補正量を取得し、
各補正タイミングにおいて、取得した補正量分の補正を前記タイマに対して行う
請求項1記載の無線機。 - 前記タイマ補正部は、前記タイマ値を補正する際の1回の補正量は、前記タイマ値の最大許容誤差の半分以下の値である
請求項1又は2記載の無線機。 - 前記タイマ補正部は、前記誤差検出部によって検出された複数回分の誤差に基づいて、前記タイマ値を補正する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線機。 - 前記受信機は、GNSS受信機である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線機。 - 前記クロック発振器は、前記基準信号によってリセットされてから次のリセットまでの間に、前記タイマ値の最大許容誤差を超える誤差を前記タイマに生じさせ得る程度に低いクロック精度を有している
請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線機。 - 前記通信制御部は、前記タイマ値に基づく時刻情報を送信信号に含めて送信させる
請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線機。 - 前記理論値は、前記クロック信号に誤差がないとしたときに、リセット直前に前記タイマがとるべきタイマ値である請求項1〜7のいずれか1項に記載の無線機。
- 前記理論値は、前記タイマがリセットされる周期と、前記クロック信号に誤差がない場合における前記タイマ値の1カウントの時間と、から求まるタイマ値である
請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線機。
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