JP5785662B2 - 保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステム - Google Patents

保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステムに関する。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許第4593055号公報(特許文献1)、特開2005−173979号公報(特許文献2)、特許第4884214号公報(特許文献3)がある。
上記特許文献1には、「市場で稼働している油圧ショベルのエンジン、フロント、旋回体、走行体のそれぞれの稼働時間を計測し、そのデータをコントローラのメモリに格納した後、衛星通信、FD等を介して基地局コンピュータに転送し、データベースに格納する。基地局コンピュータでは、油圧ショベル毎に部品の修理交換の都度、稼働データを用いてその部品が係わる部位毎の稼働時間ベースでその部品の交換時間間隔を計算し、格納、蓄積すると共に、油圧ショベル毎にそのデータを読み出し、部品毎に交換時間間隔をほぼ同じとする部品の交換率を求め、最大交換率に対応する交換時間間隔に基づき、その部品の目標交換時間間隔を計算する。これにより適切な目標交換時間間隔を設定し、稼働時間の異なる部位に係わる部品であっても、適切な交換予定時期を決めることができる。」などの技術が記載されている。
また、上記特許文献2には、「建設機械から発信されたエラー情報、警告情報をサーバで取得する。サーバの交換可否判別手段では、位置情報データベースに記憶された位置情報から、建設機械の稼働地域を判定し、稼働環境負荷データベースから稼働地域における部品にかかる負荷(稼働地域における部品の寿命)を読み出す。そして、エラー情報又は警告情報を発信した部品が、稼働地域における寿命に達しており、建設機械の積算稼働時間が所定稼働時間以上となり、また、エラー情報の発信回数が所定回数以上又は警告情報の発信継続時間が所定時間以上となった場合には、交換可否判別手段において、エラー情報又は警告情報を発信した部品が補給部品との交換対象となると判別する。」などの技術が記載されている。
また、上記特許文献3には、「本発明は、部品の保守計画を精度よく立案可能な建設機械のメンテナンス支援システムを提供する。このシステムでは、生産稼働条件に基づいて建設機械の運転・作業状況を運行シミュレーション手段でシミュレーションした後に、運転・作業状況に応じた部品毎の累積負荷を負荷算出手段で算出し、累積負荷に基づいて各部品の寿命を寿命算出手段で予測する。このため、従来のように、単なる稼働時間に基づいてどの部品を保守するかを決定するのに比し、より精度のよい保守計画を立てることができる。従って、予定された寿命よりも早い段階で突発的な部品異常が発生する可能性を低減できる。」などの技術が記載されている。
特許第4593055号公報 特開2005−173979号公報 特許第4884214号公報
ところで、上記特許文献1〜3を含む従来の保守部品の交換時間間隔管理技術に関して、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
例えば、磨耗などによって経時劣化する保守部品を構成要素に備えた機械に対しては、定期的に保守部品の交換を行う。機械製造会社では、機械運用会社に遅滞なく保守部品を供給するために、定期交換の時間間隔に基づいて需要予測を行い、適切な在庫を管理する必要がある。一般に、機械運用会社の実施している保守部品交換の時間間隔を、機械製造会社からは知ることができないため、上記特許文献1に記載のように、機械の稼働時間を監視して設計寿命に基づく保守部品交換時間間隔の推定を行い、需要予測を行っている。また、上記特許文献2に記載のようにセンサ警報情報を監視したり、上記特許文献3に記載のように累積負荷を監視して、保守部品の各個体の交換時間間隔の推定精度を向上する試みも成されている。
しかし、保守部品の経時劣化の速度は機械の使用環境あるいは使用方法に依存して変化するため、機械運用会社では独自の交換時間間隔を設定して管理している。そのため、設計寿命に基づく保守部品交換時間間隔の推定では需要予測に誤差が発生し、遅滞なく保守部品を供給するための安全在庫コストが増大するという問題があった。また、保守部品の各個体に係わるセンサ警報情報や累積負荷を監視しても、機械運用会社の独自の定期交換の時間間隔の管理値とは必ずしも一致しないため、需要予測への応用では精度が不足するという問題があった。
以上により、従来の保守部品の交換時間間隔管理技術に対しては、精度の高い保守部品の需要予測を行うために、機械運用会社の保守部品交換時間間隔を推定することが課題である。
そこで、本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その代表的な目的は、機械製造会社側において、機械運用会社の保守部品の交換時間間隔を推定することができ、その推定値に基づいて精度の高い保守部品の需要予測を行うことが可能な保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステムを提供することである。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的な保守部品の交換時間間隔管理方法は、計算機による管理システムにより、経時劣化により定期的に交換する保守部品を構成要素に含む機械の保守部品の需要を予測する保守部品の交換時間間隔管理方法であって、以下の特徴を有するものである。
前記保守部品の交換時間間隔管理方法は、機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して機械稼働時間情報記憶部に記憶する機械稼働時間情報収集ステップと、前記対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して保守部品供給履歴情報記憶部に記憶する保守部品供給履歴情報収集ステップと、予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と前記機械稼働時間情報記憶部に記憶された稼働時間とから前記対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する需要予測シミュレーションステップと、前記需要予測シミュレーションステップで出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する保守部品需要供給乖離計算ステップと、前記保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、前記保守部品需要供給乖離計算ステップで出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する保守部品交換時間間隔更新ステップと、を有する。そして、前記保守部品交換時間間隔更新ステップで出力された保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測する、ことを特徴とする。
また、代表的な保守部品の交換時間間隔管理システムは、計算機による管理システムにより、経時劣化により定期的に交換する保守部品を構成要素に含む機械の保守部品の需要を予測する保守部品の交換時間間隔管理システムであって、以下の特徴を有するものである。
前記保守部品の交換時間間隔管理システムは、機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して機械稼働時間情報記憶部に記憶する機械稼働時間情報収集部と、前記対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して保守部品供給履歴情報記憶部に記憶する保守部品供給履歴情報収集部と、予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と前記機械稼働時間情報記憶部に記憶された稼働時間とから前記対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する需要予測シミュレータ部と、前記需要予測シミュレータ部から出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する保守部品需要供給乖離計算部と、前記保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、前記保守部品需要供給乖離計算部から出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する保守部品交換時間間隔更新部と、を有する。そして、前記保守部品交換時間間隔更新部から出力された保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測する、ことを特徴とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、代表的な効果は、機械製造会社側において、機械運用会社の保守部品の交換時間間隔を推定することができ、その推定値に基づいて精度の高い保守部品の需要予測を行うことが可能な保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステムを提供することができる。
本発明の実施の形態1の保守部品交換時間間隔管理システムを含む保守部品供給網の一例を示す構成図である。 図1に示す保守部品交換時間間隔管理システムの一例を示す構成図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムの処理手順の一例を示すフロー図である。 図3に示す保守部品交換時間間隔管理システムの処理手順において、需要予測シミュレーションの一例を示す詳細フロー図である。 図3に示す保守部品交換時間間隔管理システムの処理手順において、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの一例を示す説明図である。 図5に続く、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの一例を示す説明図である。 図6に続く、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの一例を示す説明図である。 図7に続く、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの一例を示す説明図である。 図8に続く、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、機械製造会社運用センタにおける計算機システムの一例を示す構成図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、保守部品供給履歴情報の一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、機械稼働時間情報の一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、地域名リストの一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、部品リストの一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、機械リストの一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、交換時間間隔リストの一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、画面インターフェースのバッチ計算画面の一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、画面インターフェースの結果表示画面の一例を示す説明図である。 図2に示す保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、画面インターフェースの需要予測画面の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2の保守部品交換時間間隔管理システムの処理手順の一例を示すフロー図である。 図20に示す保守部品交換時間間隔管理システムの処理手順において、需要予測シミュレーションの一例を示す詳細フロー図である。 本発明の実施の形態2の保守部品交換時間間隔管理システムにおいて、交換時間間隔リストの一例を示す説明図である。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数の実施の形態またはセクションに分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[本発明の実施の形態の概要]
本発明の実施の形態の保守部品の交換時間間隔管理方法は、計算機による管理システムにより、経時劣化により定期的に交換する保守部品を構成要素に含む機械の保守部品の需要を予測する保守部品の交換時間間隔管理方法であって、以下の特徴を有するものである(一例として、()内に対応する構成要素の符号などを付記)。
前記保守部品の交換時間間隔管理方法は、機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して機械稼働時間情報記憶部に記憶する機械稼働時間情報収集ステップ(305)と、前記対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して保守部品供給履歴情報記憶部に記憶する保守部品供給履歴情報収集ステップ(206)と、予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と前記機械稼働時間情報記憶部に記憶された稼働時間とから前記対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する需要予測シミュレーションステップ(300)と、前記需要予測シミュレーションステップで出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する保守部品需要供給乖離計算ステップ(207)と、前記保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、前記保守部品需要供給乖離計算ステップで出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する保守部品交換時間間隔更新ステップ(208)と、を有する。そして、前記保守部品交換時間間隔更新ステップで出力された保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測する、ことを特徴とする。
本発明の実施の形態の保守部品の交換時間間隔管理システムは、計算機による管理システムにより、経時劣化により定期的に交換する保守部品を構成要素に含む機械の保守部品の需要を予測する保守部品の交換時間間隔管理システムであって、以下の特徴を有するものである(一例として、()内に対応する構成要素の符号などを付記)。
前記保守部品の交換時間間隔管理システムは、機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して機械稼働時間情報記憶部に記憶する機械稼働時間情報収集部(107)と、前記対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して保守部品供給履歴情報記憶部に記憶する保守部品供給履歴情報収集部(109)と、予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と前記機械稼働時間情報記憶部に記憶された稼働時間とから前記対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する需要予測シミュレータ部(102、103)と、前記需要予測シミュレータ部から出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する保守部品需要供給乖離計算部(104)と、前記保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、前記保守部品需要供給乖離計算部から出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する保守部品交換時間間隔更新部(105)と、を有する。そして、前記保守部品交換時間間隔更新部から出力された保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測する、ことを特徴とする。
以上説明した本発明の実施の形態の概要に基づいた各実施の形態を、以下において図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
実施の形態1の保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステムについて、図1〜図19を用いて説明する。
本発明は、経時磨耗あるいは経時劣化する部品を含む機械装置一般に適用可能な保守部品の交換時間間隔の管理方法およびシステムに関する。本実施の形態では、電子機器の製造装置、半導体の製造装置、医療機器、発電機、電動機、電車、機関車、自動車、建設機械等の対象機械を限定せずに、機械として説明する。
また、本実施の形態においては、機械稼働条件が類似する対象地域として、類似の環境で区分した対象地域を例に説明するが、これに限定されるものではなく、類似の使用目的で区分した対象地域、または、機械運用会社で区分した対象地域などについても適用可能である。
<保守部品交換時間間隔管理システムを含む保守部品供給網の構成>
図1は、本実施の形態の保守部品交換時間間隔管理システムを含む保守部品供給網の一例を示す構成図である。図1において、実線は保守部品に関する情報の送信/受信を示し、破線は保守部品の移動を示す。
図1に示すように、保守部品供給網は、機械製造会社側の各システムと、複数の機械運用会社20a,20b,20c(単に20と記載する場合あり)側の各システムとから構成されている。機械製造会社側には、部品製造ライン11、部品倉庫12、保守部品勘定システム13、保守部品交換時間間隔管理システム100が設けられている。保守部品交換時間間隔管理システム100には、部品リスト記憶部30、地域名リスト記憶部31、機械リスト記憶部32が接続されている。
機械運用会社20a,20b,20c側において、例えば機械運用会社20a側では、機械21aを保有し、この機械21aの保守部品22aの交換を管理するための保守管理システム23aが設けられている。また、機械21aには、通信部24aが備えられている。他の機械運用会社20b,20c側でも、図示しないが同様に、通信部(24b,24c)を備えた各機械(21b,21c)を保有し、各機械の保守部品の交換を管理するための各保守管理システム(23b,23c)が設けられている。機械運用会社20a,20b,20c側の各システムは、ネットワーク14を介して、機械製造会社の保守部品交換時間間隔管理システム100に接続されている。
以上のように構成される保守部品供給網において、例えば、保守部品22aの供給は、機械製造会社の部品製造ライン11から機械製造会社の部品倉庫12への入庫、部品倉庫12から機械運用会社20aへの発送という順番で行われる。
保守部品22aの供給に係わる情報は、機械運用会社20aから機械製造会社の保守部品勘定システム13への保守部品発注、保守部品勘定システム13から部品倉庫12への部品発送指示、部品倉庫12から保守部品勘定システム13への部品発送完了報告の流れで行われる。保守部品勘定システム13の管理する保守部品供給履歴情報は、機械製造会社の保守部品交換時間間隔管理システム100に送られる。
機械運用会社20aが保有する機械21aに対する保守部品22aの交換は、機械運用会社の保守管理システム23aの指示によって行われ、交換日時等の実績情報も保守管理システム23aに記録される。機械運用会社の保守管理システム23aは、機械製造会社の保守部品勘定システム13あるいは保守部品交換時間間隔管理システム100とは接続していない。
一方、機械21aは通信部24aを備え、ネットワーク14を介して、機械21aの稼働時間情報を機械製造会社の保守部品交換時間間隔管理システム100に送る。
保守部品交換時間間隔管理システム100は、上記の保守部品供給履歴情報および機械稼働時間情報、および部品リスト記憶部30の部品リスト情報、および地域名リスト記憶部31の地域名リスト情報に基づいて、将来の保守部品の需要予測を行い、過不足の無い部品生産を部品製造ライン11に指示する。
<保守部品交換時間間隔管理システムの構成>
図2は、図1に示した保守部品交換時間間隔管理システム100の一例を示す構成図である。
図2に示すように、保守部品交換時間間隔管理システム100は、カレンダ制御部101、機械単位需要予測部102a,102b,102c(単に102と記載する場合あり)、地域単位需要予測部103、需要供給乖離計算部104、交換時間間隔更新部105、交換時間間隔記憶部106、機械稼働時間情報収集部107、機械稼働時間情報記憶部108、保守部品供給履歴情報収集部109、保守部品供給履歴情報記憶部110、地域単位供給集計部111から構成される。各機能などの詳細は、全体的な動作の説明において後述するが、主に以下のような機能を有する。
機械稼働時間情報収集部107は、機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して、機械稼働時間情報記憶部108に記憶する機能部である。
保守部品供給履歴情報収集部109は、対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して、保守部品供給履歴情報記憶部110に記憶する機能部である。
機械単位需要予測部102a,102b,102cと地域単位需要予測部103は、需要予測シミュレータ部を構成し、予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と、機械稼働時間情報記憶部108に記憶された稼働時間とから、対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する機能部である。
需要供給乖離計算部104は、需要予測シミュレータ部から出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、保守部品供給履歴情報記憶部110に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する機能部である。
交換時間間隔更新部105は、保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、需要供給乖離計算部104から出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して、交換時間間隔記憶部106に出力する機能部である。
以上の保守部品交換時間間隔管理システム100の構成において、カレンダ制御部101、機械単位需要予測部102a,102b,102c、地域単位需要予測部103、需要供給乖離計算部104、交換時間間隔更新部105、機械稼働時間情報収集部107、保守部品供給履歴情報収集部109、地域単位供給集計部111は、ソフトウェアによって実現される機能部である。
また、保守部品交換時間間隔管理システム100を構成する、交換時間間隔記憶部106、機械稼働時間情報記憶部108、保守部品供給履歴情報記憶部110の他、部品リスト記憶部30、地域名リスト記憶部31、機械リスト記憶部32は、データベースなどを含む記憶装置に割り付けられる。
<保守部品交換時間間隔管理システムの処理手順>
図3は、図2に示した保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順の一例を示すフロー図である。
図3に示すように、保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順は、需要予測処理の開始(ステップ200)、地域名リストから地域名の取得(ステップ201)、地域名取得の終了?(ステップ202)、部品リストから部品番号の取得(ステップ203)、部品番号取得の終了?(ステップ204)、過去のカレンダ年月日の設定(ステップ205)、部品供給数の取得と集計(ステップ206)、需要予測シミュレーション(ステップ300)、需要供給乖離の計算(ステップ207)、乖離値最小?(ステップ208)、交換時間間隔の現在値を更新(ステップ209)、未来のカレンダ年月日の設定(ステップ210)、需要予測シミュレーション(ステップ211)、需要予測処理の終了(ステップ212)から構成される。各動作などの詳細は、全体的な動作の説明において後述する。
<需要予測シミュレーションの詳細>
図4は、図3に示した保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順において、需要予測シミュレーション(ステップ300)の一例を示す詳細フロー図である。
図4に示すように、需要予測シミュレーション(ステップ300)の詳細は、需要予測シミュレーションの開始(ステップ301)、機械リストから機械番号の取得(ステップ302)、機械番号取得の終了?(ステップ304)、機械稼働時間の取得(ステップ305)、交換時間間隔の現在値の取得(ステップ306)、機械単位の需要予測結果の集計(ステップ308)、需要予測シミュレーションの終了(ステップ309)から構成される。各動作などの詳細は、全体的な動作の説明において後述する。
<機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーション>
図5〜図9は、図3に示した保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順において、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの一例を示す説明図である。
図5において、(a)は機械21aの稼働開始日と部品交換イベントのチャート401、(b)は機械21bの稼働開始日と部品交換イベントのチャート402、(c)は機械21cの稼働開始日と部品交換イベントのチャート403をそれぞれ表す。図5(a),(b),(c)において、横軸はカレンダ時間tを示し、縦軸は機械毎mの保守部品pの需要数を示す。
図6は、図5に示した需要数を累積して表したもので、(a)は機械21aのチャート411(矩形線411d)、(b)は機械21bのチャート412(矩形線412d)、(c)は機械21cのチャート413(矩形線413d)をそれぞれ表す。図6(a),(b),(c)において、横軸はカレンダ時間tを示し、縦軸は機械毎mの保守部品pの需要累計数D (t)を示す。
図7は、図6に示した需要累計数を集計したチャート420(矩形線420d)を表したもので、横軸はカレンダ時間tを示し、縦軸は全ての機械の保守部品pの需要累計数D(t)を示す。
図8は、図7に示した全ての機械の保守部品pの需要累計数D(t)と、供給累計数S(t)とのチャート420(需要累計数D(t)の矩形線420d、供給累計数S(t)の矩形線420s)を表したもので、横軸はカレンダ時間tを示し、縦軸は全ての機械の保守部品pの需要累計数D(t)、供給累計数S(t)を示す。
図9は、図5〜図8に対して、交換時間間隔が当初の値の3分の2になった時のチャート501,502,503、チャート511((矩形線511d),512(矩形線512d),513(矩形線513d)、チャート520(需要累計数D(t)の矩形線520d、供給累計数S(t)の矩形線420s)を表したものである。
これらの図5〜図9で表した、機械単位の保守部品の交換イベントのシミュレーションの詳細は、全体的な動作の説明において後述する。
<機械製造会社運用センタにおける計算機システムの構成>
図10は、本実施の形態において、機械製造会社運用センタにおける計算機システムの一例を示す構成図である。
図10に示すように、機械製造会社運用センタ600は、保守部品交換時間管理用計算機601と、データベース(DB)管理用計算機602とから構成される。保守部品交換時間管理用計算機601は、演算処理装置610と、記憶装置620とを備える。記憶装置620は、保守部品供給履歴情報記憶部110、機械稼働時間情報記憶部108、交換時間間隔記憶部106を備える。データベース管理用計算機602は、入出力装置640と、記憶装置630とを備える。記憶装置630は、地域名リスト記憶部31、部品リスト記憶部30、機械リスト記憶部32を備える。
以下に説明する処理は全て、図10に示した保守部品交換時間管理用計算機601とデータベース管理用計算機602とのハードウェアによって処理され、図2に示した保守部品交換時間間隔管理システム100の各機能部を構築するソフトウェアによって実現される。
<保守部品交換時間間隔管理システムを含む保守部品供給網の全体的な動作>
前述した図1〜図10を用い、さらに図11〜図19を用いて、本実施の形態の保守部品交換時間間隔管理システムを含む保守部品供給網の全体的な動作について説明する。
(情報収集記憶)
機械稼働時間情報収集部107は、図1で説明した機械稼働時間情報を、月次あるいは日次等の所定のサイクルで収集して、機械稼働時間情報記憶部108に記憶する。保守部品供給履歴情報収集部109は、図1で説明した保守部品供給履歴情報を、月次あるいは日次等の所定のサイクルで収集して、保守部品供給履歴情報記憶部110に記憶する。
以下、図2を基本に他の図を参照しながら、保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順を説明する。
(需要予測処理開始)
保守部品交換時間間隔管理システム100は、所定のサイクルあるいは外部の処理開始トリガー信号によって需要予測処理を開始し、図3の処理手順に従って処理を実施する(図3のステップ200)。
(繰り返し制御)
保守部品交換時間間隔管理システム100は、地域名リスト記憶部31からリストの順に地域名を取得する(図3のステップ201)。地域名リストの一例を、図13に示す。地域名リスト31dのレコード構成は、少なくとも、「地域名」(例えば、R−A、R−B、R−C、・・・、R−X)のカラムを含む。図13の例では、「地域名」“R−A”から順番に取得する。
地域名の取得が終了するまで、以下の手順を繰り返し(図3のステップ202の“no”の場合)、地域名の取得が終了したら、需要予測処理を終了する(図3のステップ212)(図3のステップ202の“yes”の場合)。
保守部品交換時間間隔管理システム100は、部品リスト記憶部30からリストの順に部品番号を取得し(図3のステップ203)、部品番号の取得が終了するまで、以下の手順を繰り返す(図3のステップ204の“no”の場合)。部品リストの一例を、図14に示す。部品リスト30dのレコード構成は、少なくとも、「部品番号」(例えば、P001、P002、P003、・・・、P00N)のカラムを含む。「部品名」(例えば、Motor、Gear、Bolt、・・・、Nut)のカラムは、画面インターフェースの表示を行う際に必要になる。図14の例では、「部品番号」“P001”の“Motor”から順番に取得する。
部品番号の取得が終了したら、地域名の取得(図3のステップ201)に戻る(図3のステップ204の“yes”の場合)。
(カレンダ制御)
カレンダ制御部101は、過去の所定の期間の年月日データを、機械単位需要予測部102a,102b,102c、および地域単位供給集計部111に設定する(図3のステップ205)。
(地域単位供給集計)
地域単位供給集計部111は、地域名に基づき該当する地域向けに供給された該当する部品の保守部品供給数を保守部品供給履歴情報収集部109から設定された年月日の期間について取得し、時系列の順に供給累計数を集計する(図3のステップ206)。
保守部品供給履歴情報の一例を、図11に示す。保守部品供給履歴情報110dのレコード構成は、少なくとも、「部品番号」(例えば、P001、P002、P001、・・・、P002)、「受注年月日」(例えば、2011年1月1日、2011年1月1日、2011年1月2日、・・・、2011年1月31日)、あるいは「指定納期」(例えば、2011年4月1日、2011年4月1日、2011年4月4日、・・・、2011年5月1日)、「受注数」(例えば、1、4、1、・・・、3)、「地域名」(例えば、R−A、R−A、R−A、・・・、R−C)のカラムを含む。
(需要予測シミュレーションの開始)
保守部品交換時間間隔管理システム100は、需要予測シミュレーション(図3のステップ300)を、以下の詳細手順で開始する(図4のステップ301)。
(機械番号の取得)
機械単位需要予測部102aは、地域名に基づき該当する地域で稼働している機械運用会社(例えば図1の20a)の機械(例えば21a)の機械番号を機械リスト記憶部32から取得する(図4のステップ302)。
機械リストの一例を、図15に示す。機械リスト32dのレコード構成は、少なくとも、「機械番号」(例えば、M21a、M21b、M21c、・・・、M21x)と、「地域名」(例えば、R−A、R−A、R−A、・・・、R−B)のカラムを含む。
機械稼働時間の取得が終了するまで、以下の手順を繰り返す(図4のステップ304“no”の場合)。
(機械稼働時間取得)
機械単位需要予測部102aは、機械番号に基づき、その機械の時系列の稼働時間を機械稼働時間情報記憶部108から設定された年月日の期間について取得する(図4のステップ305)。
機械稼働時間情報の一例を、図12に示す。機械稼働時間情報108dのレコード構成は、少なくとも、「機械番号」(例えば、M21a、M21b、M21c、・・・、M21x)、「移動開始年月日」(例えば、2001年1月1日、2006年1月16日、2001年1月1日、・・・、2000年1月31日)、あるいは「調査年月日」(例えば、2001年4月1日、2006年4月18日、2001年4月1日、・・・、2000年5月1日)、「稼働時間」(例えば、15000、7000、30000、・・・、20000)、「地域名」(例えば、R−A、R−A、R−A、・・・、R−C)のカラムを含む。
(交換時間間隔現在値取得)
機械単位需要予測部(例えば102a,102b,102c)は、保守部品の交換時間間隔記憶部106から、該当する地域の該当する部品の交換時間間隔現在値を取得する(図4のステップ306)。交換時間間隔現在値の初期値は、例えば、標準仕様環境に対する設計寿命を設定すれば良い。
保守部品の交換時間間隔記憶部106に記憶する交換時間間隔リストの一例を、図16に示す。交換時間間隔リスト106dのレコード構成は、少なくとも、「地域名」(例えば、R−A、R−A、R−B、・・・、R−X)と、「部品番号」(例えば、P001、P002、P001、・・・、P002)と、「交換時間間隔」(例えば、30、200、25、・・・、350)のカラムを含む。例えば、地域名“R−A”における部品番号“P001”の交換時間間隔現在値として“30”を取得する。
(機械単位需要予測シミュレーション)
機械単位需要予測部(例えば102a,102b,102c)は、機械単位に保守部品の需要予測シミュレーション行い、時系列の需要予測データを生成する(図4のステップ307)。具体的には、数1の式に基づいて、年月日tにおける機械mの保守部品pの需要累計数を生成する。
Figure 0005785662
以上の処理が終了したら、機械単位需要予測部102aは、機械稼働時間の取得(図4のステップ302)に戻る。機械稼働時間の取得が終了したら、以下に進む(図4のステップ304“yes”の場合)。
図5に、3台の機械についての機械単位の保守部品の交換イベントの発生シミュレーションの一例として、チャート401,402,403を示す。横軸はカレンダ時間(年月日)t、縦軸は機械毎mの保守部品pの需要数を示す。(a)機械21aと(c)機械21cの稼働開始日はt=0であるが、(b)機械21bの稼働開始日は遅れてt=15である。3台の機械は同様の環境で使用されており、部品pの交換時間間隔は同じである。ただし、一日あたりの稼働時間が異なる。機械21aは一日あたりの稼働時間が最も小さく、交換イベント間隔はt=10である。機械21bは一日あたりの稼働時間が最も大きく、交換イベント間隔はt=3である。機械21cは一日あたりの稼働時間が両者の間にあり、交換イベント間隔はt=8である。交換イベント毎の必要部品数は1個としているが任意の個数でも問題ない。
図6に、3台の機械についての機械単位の保守部品の需要累計数のシミュレーションの一例として、チャート411,412,413を示す。図5の時系列の交換イベント毎の部品数を累積することで、需要累計数の矩形線411d,412d,413dが得られる。
(地域単位需要予測)
地域単位需要予測部103は、数2の式に基づいて、該当地域の全ての機械mの保守部品pの需要累計数を集計して生成する(図4のステップ308)。
Figure 0005785662
図7に、保守部品の需要累計数を集計したチャート420を示す。同一使用条件で稼働した図6の3台の機械についての機械単位の保守部品pの需要累計数の矩形線411d,412d,413dを集計することにより、全ての機械の保守部品pの需要累計数の矩形線420dを得る。
保守部品交換時間間隔管理システム100は、需要予測シミュレーション(図3のステップ300)を終了する(図4のステップ309)。
(需要供給乖離計算)
需要供給乖離計算部104は、数3の式に基づいて、地域単位供給集計部111からの時系列の保守部品供給累計数と、地域単位需要予測部103からの時系列の保守部品需要累計数との差分を、需要供給乖離累計数として計算する(図3のステップ207)。
Figure 0005785662
需要供給乖離計算部104は、さらに数4の式に基づいて、需要供給乖離累計数を時間軸方向に集計して需要供給乖離値を計算する。需要供給乖離値が最小値に収束したかどうかを判定し、収束したと判断しない場合は以下の交換時間間隔更新に処理を進め(図3のステップ208“no”の場合)、収束したと判断する場合は後述の未来需要予測に処理を進める(図3のステップ208“yes”の場合)。
Figure 0005785662
図8に、図7の該当地域の全ての機械の保守部品pの需要累計数の矩形線420dに、該当地域への保守部品pの供給累計数の矩形線420sを加えたチャート420を示す。供給累計数の矩形線420sと需要累計数の矩形線420dの差分が、需要供給乖離累計数の矩形線(図示せず)になる。この需要供給乖離累計数の矩形線(図示せず)の面積から需要供給乖離値が得られる。図示するまでもなく明らかに、図8の需要供給乖離値は正の値になる。
(交換時間間隔更新)
交換時間間隔更新部105は、需要供給乖離計算部104からの需要供給乖離値が小さくなるように、交換時間間隔の現在値を更新し(図3のステップ209)、交換時間間隔記憶部106に格納する。
例えば、需要供給乖離値が正の場合は、保守部品の供給数実績値が需要数シミュレーション推定値より大きいため、需要数シミュレーション推定値を大きくするために交換時間間隔の現在値を小さくする。逆に、需要供給乖離値が負の場合は、保守部品の供給数実績値が需要数シミュレーション推定値より小さいため、需要数シミュレーション推定値を小さくするために交換時間間隔の現在値を大きくする。
更新幅を十分小さくすれば、需要数シミュレーション(図3のステップ300)から交換時間間隔の現在値の更新(図3のステップ209)までの繰り返しにより、需要供給乖離値は最小値に収束する。また、計算時間を短縮するためには、更新幅を大きい幅から小さい幅に逐次可変にすることもできる。
図8の需要供給乖離値は正の値であるため、交換時間間隔の現在値を小さくする。これを繰り返し、交換時間間隔が当初の値“30”に対して3分の2の値“20”になった時のチャートを図9に示す。
図9の保守部品の交換イベントの発生シミュレーションのチャート501,502,503は、交換時間間隔の短縮の結果、交換イベントの発生間隔が図5に比較して3分の2に縮まっている。
この結果、図9の機械単位の保守部品の需要累計数のシミュレーション結果のチャート511,512,513では、図6と比べて、需要累計数の矩形線511d,512d,513dの積上げ速度が大きくなっている。
これらの機械単位の需要累計数の矩形線511d,512d,513dを集計したチャート520の矩形線520dは、供給累計数の矩形線420sに近づき、需要供給乖離値は正負が打ち消しあいゼロあるいは最小値になる。これより交換時間間隔を短縮すると、需要供給乖離値は符号を反転して負の値となる。よって、この時の交換時間間隔推定値が機械運用会社での保守部品交換間隔の最適推定値になる。
交換時間間隔更新部105が更新した交換時間間隔リストの一例を、図16の交換時間間隔リスト106d2に示す。この例では、地域名“R−A”における部品番号“P001”の交換時間間隔の現在値“30”を“20”に更新している。
(未来需要予測)
需要供給乖離計算部104が、上記の需要供給乖離値が最小値に収束したと判断した場合は、カレンダ制御部101は所定の未来のカレンダを機械単位需要予測部(例えば102a,102b,102c)に設定する(図3のステップ210)。
保守部品交換時間間隔管理システム100は、需要予測シミュレーション(図3のステップ211)を、上記で説明した図4の手順で未来カレンダに対して最新の交換時間間隔現在値を用いて需要予測シミュレーションを行う。
その後、保守部品交換時間間隔管理システム100は、部品番号の取得(図3のステップ203)に戻る。
そして、保守部品交換時間間隔管理システム100は、需要予測処理が終了(図3のステップ212)した後、保守部品需要予測結果を機械製造会社部品製造ライン(図1の11)に送る。
(画面インターフェース)
保守部品交換時間間隔管理システム100の画面インターフェースを、図17〜図19に示す。それぞれ、図17はバッチ計算画面の一例、図18は結果表示画面の一例、図19は需要予測画面の一例を示す。
(画面インターフェース:バッチ計算画面)
以上に説明した保守部品交換時間間隔の推定から需要予測までの処理は、全ての地域と全ての部品について、図10に示した保守部品交換時間管理用計算機601と、データベース(DB)管理用計算機602とが自動的に処理可能であるが、保守部品交換時間管理用計算機601が制御する図17のバッチ計算画面700は選択的に処理することも可能にする。
バッチ計算画面700は上部に、バッチ計算画面切換えボタン701、結果表示画面切換えボタン711、需要予測画面切換えボタン721を備え、図17、図18、図19の画面を切り換え可能にする。
バッチ計算画面700は、地域名選択テキストエントリ702を備え、保守部品交換時間間隔の推定から需要予測までの処理を行う対象地域を選択可能にする。プルダウンボタン702sにより、図13の地域名リスト31dの内容を表示して、地域名を選択することを可能にする。地域名プルダウンリストの中に「全て」(ALL)という選択項目を含ませ、これを選択した場合は全ての地域について処理を行うことを可能にする。
バッチ計算画面700は、部品番号選択テキストエントリ703を備え、保守部品交換時間間隔の推定から需要予測までの処理を行う対象部品を選択可能にする。プルダウンボタン703sにより、図14の部品リスト30dの内容を表示して、部品番号を選択することを可能にする。選択した部品番号に対応した部品名を部品名テキストボックス704に表示する。部品プルダウンリストの中に「全て」(ALL)という選択項目を含ませ、これを選択した場合は全ての部品について処理を行うことを可能にする。
バッチ計算画面700は、バッチ投入ボタン705を備え、このボタンのクリックにより、選択した地域名(全ての地域名選択を含む)の選択した部品(全ての部品選択を含む)の保守部品交換時間間隔の推定から需要予測までの自動処理を、図10に示した保守部品交換時間管理用計算機601と、データベース(DB)管理用計算機602とが実行する。
(画面インターフェース:結果表示画面)
保守部品交換時間管理用計算機601が制御する図18の結果表示画面710は、バッチ計算画面700の実行で得られる部品交換時間間隔を選択的に表示することを可能にする。
結果表示画面710は、上部に、バッチ計算画面切換えボタン701、結果表示画面切換えボタン711、需要予測画面切換えボタン721を備え、図17、図18、図19の画面を切り換え可能にする。
結果表示画面710は、地域名選択テキストエントリ712を備え、保守部品交換時間間隔の結果を表示する対象地域を選択可能にする。プルダウンボタン712sにより、図13の地域名リスト31dの内容を表示して、地域名を選択することを可能にする。
結果表示画面710は、部品番号選択テキストエントリ713を備え、保守部品交換時間間隔の結果を表示する対象部品を選択可能にする。プルダウンボタン713sにより、図14の部品リスト30dの内容を表示して、部品番号を選択することを可能にする。選択した部品番号に対応した部品名を部品名テキストボックス714に表示する。
結果表示画面710は、現行の部品交換時間間隔テキストボックス715aと、今回推定した部品交換時間間隔テキストボックス717aを備え、保守部品交換時間管理用計算機601が値を表示する。また、現行の部品交換時間間隔による需給誤差テキストボックス715eと、今回推定した部品交換時間間隔による需給誤差テキストボックス717eを備え、保守部品交換時間管理用計算機601が値を表示する。また、現行の部品交換時間間隔による需要累計数と供給累計数のチャート716と、今回推定した部品交換時間間隔による需要累計数と供給累計数のチャート718を、保守部品交換時間管理用計算機601が値を表示する。
(画面インターフェース:需要予測画面)
保守部品交換時間管理用計算機601が制御する図19の需要予測画面720は、バッチ計算画面700の実行で得られた部品交換時間間隔を用いて指定期間の需要予測を実行することを可能にする。
需要予測画面720は、上部に、バッチ計算画面切換えボタン701、結果表示画面切換えボタン711、需要予測画面切換えボタン721を備え、図17、図18、図19の画面を切り換え可能にする。
需要予測画面720は、地域名選択テキストエントリ722を備え、需要予測を行う対象地域を選択可能にする。プルダウンボタン722sにより、図13の地域名リスト31dの内容を表示して、地域名を選択することを可能にする。地域名プルダウンリストの中に「全て」(ALL)という選択項目を含ませ、これを選択した場合は全ての地域について処理を行うことを可能にする。
需要予測画面720は、部品番号選択テキストエントリ723を備え、需要予測を行う対象部品を選択可能にする。プルダウンボタン723sにより、図14の部品リスト30dの内容を表示して、部品番号を選択することを可能にする。選択した部品番号に対応した部品名を部品名テキストボックス724に表示する。部品プルダウンリストの中に「全て」(ALL)という選択項目を含ませ、これを選択した場合は全ての部品について処理を行うことを可能にする。
需要予測画面720は、需要予測に用いる今回推定した部品交換時間間隔テキストボックス725を備え、保守部品交換時間管理用計算機601が値を表示する。
需要予測画面720は、予測年月日テキストエントリ726,727,728を備え、保守部品交換時間管理用計算機601が実行する需要予測の終了年月日を指定する。それぞれ、プルダウンボタン726s,727s,728sを備え、カレンダから指定可能にしている。
需要予測画面720は、予測計算投入ボタン729を備え、このボタンのクリックにより、選択した地域名(全ての地域名選択を含む)の選択した部品(全ての部品選択を含む)の推定した保守部品交換時間間隔に基づく需要予測の自動処理を、図10に示した保守部品交換時間管理用計算機601と、データベース(DB)管理用計算機602とが実行する。
<実施の形態1の効果>
以上に説明したように、本実施の形態1の保守部品交換時間間隔管理方法およびシステムによれば、機械稼働時間情報収集部107、保守部品供給履歴情報収集部109、機械単位需要予測部102、地域単位需要予測部103、需要供給乖離計算部104、交換時間間隔更新部105などを有することで、機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集し、対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集し、予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と稼働時間とから対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計する需要予測シミュレーションを行い、時系列の保守部品交換需要累計数と保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算し、保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算し、この保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測することで、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施の形態1の保守部品交換時間間隔管理方法およびシステムによる効果として、機械製造会社側において、機械運用会社が自社の機械毎の使用環境に合わせて実施している保守部品の交換時間間隔を推定することができ、その推定値に基づいて過不足のない精度の高い保守部品の需要予測を行うことができる。これによって、機械製造会社は、必要な時期に必要なだけの保守部品の所要量を準備すれば良いため、在庫管理費用を削減することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2の保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステムについて、図20〜図22を用いて説明する。
本実施の形態では、指定した地域の全域で稼働している全ての機械の保守部品の交換時間間隔を1つだけ推定するのではなく、各機械の保守部品の交換時間間隔を個別に予測することも行える保守部品交換時間間隔管理方法およびシステムの例を説明する。
<保守部品交換時間間隔管理システムを含む保守部品供給網の全体的な動作>
図20は、本実施の形態の保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順の一例を示すフロー図である。図20は、図3と比較して、交換時間間隔の現在値を更新(ステップ209)が、機械毎の交換時間間隔の現在値を更新(ステップ239)に変更になっている。
図21は、図20に示した保守部品交換時間間隔管理システム100の処理手順において、需要予測シミュレーション(ステップ300)の一例を示す詳細フロー図である。図21は、図4と比較して、交換時間間隔の現在値の取得(ステップ306)が、当該機械の交換時間間隔の現在値の取得(ステップ336)に変更になっている。
図22は、本実施の形態の保守部品交換時間間隔管理システム100において、保守部品の交換時間間隔記憶部106に記憶する交換時間間隔リストの一例を示す説明図である。図22の交換時間間隔リスト106d3は、図16と比較して、「地域名」が「機械番号」(例えば、M21a、M21a、M21b、・・・、M21c)に変更になっている。
既に、前記実施の形態1において説明した図に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
保守部品交換時間間隔管理システム100は、図21の需要予測シミュレーションにおいて、当該地域の全ての機械に共通の部品交換時間間隔の現在値を取得するのではなく、当該地域の当該機械に固有の部品交換時間間隔の現在値を取得する(図21のステップ336)。具体的には、例えば図22の交換時間間隔リスト106d3から、機械番号“M21a”の部品番号“P001”の部品交換時間間隔の現在値“30”を取得する。すなわち、機械毎に異なる部品交換時間間隔を用いて、機械単位の需要予測シミュレーション(図21のステップ307)を実行する。続いて、当該地域の全ての機械の需要予測の集計(図21のステップ308)を実行する。
個別の機械に対する保守部品の供給量は、機械製造会社では分からないため、当該地域に対する保守部品の供給量と当該地域の全ての機械の需要予測の集計値の乖離を計算する(図20のステップ207)。
乖離値の大きさを判定(図20のステップ208)して、乖離値が最小値に収束していない場合は、機械毎の交換時間間隔の現在値の更新(図20のステップ239)を実行する。需要予測シミュレーション(図20のステップ300)から機械毎の交換時間間隔の現在値を更新(図20のステップ239)のループで、機械1台毎に交換時間間隔を更新しても良いし、全ての機械の交換時間間隔を更新しても良い。
更新方法としては、交換時間間隔のパラメータ空間における全域探索、あるいはヒューリスティック探索(山登り法、遺伝的アルゴリズム、焼きなまし法、タブー探索、粒子群最適化など)、あるいはMCMC(Markov Chain Monte Carlo)法を、パラメータの数や許容される探索時間に応じて使い分ける。
<実施の形態2の効果>
以上に説明したように、本実施の形態2の保守部品交換時間間隔管理方法およびシステムによれば、前記実施の形態1と異なる処理として、保守部品交換時間間隔を機械個体毎の個別の値とし、機械個体別の部品交換時間間隔を用いて機械個体毎の過去の部品交換時期を計算して、対象地域内の機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計し、対象地域内の保守部品交換需要累計数と対象地域に向けて供給した保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算し、この保守部品需要供給乖離値を最小にする機械個体別の保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算し、この保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測することで、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施の形態2の保守部品交換時間間隔管理方法およびシステムによる効果として、機械製造会社側において、機械運用会社が自社の機械毎の使用方法に合わせて実施している保守部品の交換時間間隔を推定することができ、その推定値に基づいて過不足のない精度の高い保守部品の需要予測を行うことができる。これによって、機械製造会社は、必要な時期に必要なだけの保守部品の所要量を準備すれば良いため、在庫管理費用を削減することができる。
また、本実施の形態2の保守部品交換時間間隔管理方法およびシステムを用いれば、保守部品交換時間間隔推定値を設計基準と照合することによって、故障リスクの高い機械の使用方法を取っている機械運用会社に対して適切な使用方法と保守部品交換を連絡することができ、機械の不稼働時間発生のリスクを低減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもなく、様々な変形例が含まれる。
例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、本発明の対象機械は、特定の機械に限定されるものではなく、磨耗などによって経時劣化する保守部品を構成要素に備えた様々な機械が含まれる。例えば、エンジン発電機、タービン発電機、電動機、移動機械、建設機械、医療機器、昇降機、コンピュータサーバ機器、コンピュータストレージ機器、製造装置が含まれる。
また、本発明の、機械稼働条件が類似する対象地域としては、類似の環境で区分した対象地域に限定されるものではなく、類似の使用目的で区分した対象地域、または、機械運用会社で区分した対象地域などについても適用可能である。
本発明の保守部品の交換時間間隔管理方法およびシステムは、磨耗などによって経時劣化する保守部品を構成要素に備えた様々な機械に利用可能である。
11 機械製造会社の部品製造ライン
12 機械製造会社の部品倉庫
13 機械製造会社の保守部品勘定システム
14 ネットワーク
20a,20b,20c 機械運用会社
21a 機械
22a 保守部品
23a 保守管理システム
24a 通信部
30 部品リスト記憶部
31 地域名リスト記憶部
32 機械リスト記憶部
100 機械製造会社の保守部品交換時間間隔管理システム
101 カレンダ制御部
102a,102b,102c 機械単位需要予測部
103 地域単位需要予測部
104 需要供給乖離計算部
105 交換時間間隔更新部
106 交換時間間隔記憶部
107 機械稼働時間情報収集部
108 機械稼働時間情報記憶部
109 保守部品供給履歴情報収集部
110 保守部品供給履歴情報記憶部
111 地域単位供給集計部
600 機械製造会社運用センタ
601 保守部品交換時間管理用計算機
602 データベース(DB)管理用計算機
610 演算処理装置
620 記憶装置
630 記憶装置
640 入出力装置


Claims (8)

  1. 計算機による管理システムにより、経時劣化により定期的に交換する保守部品を構成要素に含む機械の保守部品の需要を予測する保守部品の交換時間間隔管理方法であって、
    機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して機械稼働時間情報記憶部に記憶する機械稼働時間情報収集ステップと、
    前記対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して保守部品供給履歴情報記憶部に記憶する保守部品供給履歴情報収集ステップと、
    予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と前記機械稼働時間情報記憶部に記憶された稼働時間とから前記対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する需要予測シミュレーションステップと、
    前記需要予測シミュレーションステップで出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する保守部品需要供給乖離計算ステップと、
    前記保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、前記保守部品需要供給乖離計算ステップで出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する保守部品交換時間間隔更新ステップと、を有し、
    前記保守部品交換時間間隔更新ステップで出力された保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測する、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理方法。
  2. 請求項1記載の保守部品の交換時間間隔管理方法において、
    前記保守部品交換時間間隔を機械個体毎の個別の値とし、
    前記需要予測シミュレーションステップでは、前記機械個体別の部品交換時間間隔を用いて機械個体毎の過去の部品交換時期を計算して、前記対象地域内の機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力し、
    前記保守部品需要供給乖離計算ステップでは、前記需要予測シミュレーションステップで出力された前記対象地域内の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された前記対象地域に向けて供給した保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力し、
    前記保守部品交換時間間隔更新ステップでは、前記保守部品需要供給乖離計算ステップで出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする前記機械個体別の保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理方法。
  3. 請求項2記載の保守部品の交換時間間隔管理方法において、
    前記保守部品交換時間間隔更新ステップでは、前記保守部品需要供給乖離計算ステップで出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする前記機械個体別の保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算する際に、前記保守部品需要供給乖離値の時系列の各時点での値の正負が打ち消しあうことによって時系列集計値がゼロあるいは最小になる保守部品交換間隔の最適推定値を計算する、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理方法。
  4. 請求項1記載の保守部品の交換時間間隔管理方法において、
    前記機械稼働条件が類似する対象地域は、類似の環境で区分した対象地域、類似の使用目的で区分した対象地域、または、機械運用会社で区分した対象地域である、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理方法。
  5. 計算機による管理システムにより、経時劣化により定期的に交換する保守部品を構成要素に含む機械の保守部品の需要を予測する保守部品の交換時間間隔管理システムであって、
    機械稼働条件が類似する対象地域で稼働している複数の機械についての各個体の稼働時間を収集して機械稼働時間情報記憶部に記憶する機械稼働時間情報収集部と、
    前記対象地域に向けた保守部品の実績の保守部品供給累計数を収集して保守部品供給履歴情報記憶部に記憶する保守部品供給履歴情報収集部と、
    予め仮説の値を定めた保守部品交換時間間隔と前記機械稼働時間情報記憶部に記憶された稼働時間とから前記対象地域内の機械の各個体の過去の部品交換時期を計算して、機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力する需要予測シミュレータ部と、
    前記需要予測シミュレータ部から出力された時系列の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力する保守部品需要供給乖離計算部と、
    前記保守部品交換時間間隔の仮説値を変更しながら、前記保守部品需要供給乖離計算部から出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する保守部品交換時間間隔更新部と、を有し、
    前記保守部品交換時間間隔更新部から出力された保守部品交換時間間隔の最適推定値を用いて将来の保守部品の需要を予測する、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理システム。
  6. 請求項5記載の保守部品の交換時間間隔管理システムにおいて、
    前記保守部品交換時間間隔を機械個体毎の個別の値とし、
    前記需要予測シミュレータ部は、前記機械個体別の部品交換時間間隔を用いて機械個体毎の過去の部品交換時期を計算して、前記対象地域内の機械の全個体の過去の保守部品交換需要累計数を時系列に集計して出力し、
    前記保守部品需要供給乖離計算部は、前記需要予測シミュレータ部から出力された前記対象地域内の保守部品交換需要累計数と、前記保守部品供給履歴情報記憶部に記憶された前記対象地域に向けて供給した保守部品供給累計数との差分である保守部品需要供給乖離値を計算して出力し、
    前記保守部品交換時間間隔更新部は、前記保守部品需要供給乖離計算部から出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする前記機械個体別の保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算して出力する、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理システム。
  7. 請求項6記載の保守部品の交換時間間隔管理システムにおいて、
    前記保守部品交換時間間隔更新部は、前記保守部品需要供給乖離計算部から出力された保守部品需要供給乖離値を最小にする前記機械個体別の保守部品交換時間間隔の最適推定値を計算する際に、前記保守部品需要供給乖離値の時系列の各時点での値の正負が打ち消しあうことによって時系列集計値がゼロあるいは最小になる保守部品交換間隔の最適推定値を計算する、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理システム。
  8. 請求項5記載の保守部品の交換時間間隔管理システムにおいて、
    前記機械稼働条件が類似する対象地域は、類似の環境で区分した対象地域、類似の使用目的で区分した対象地域、または、機械運用会社で区分した対象地域である、ことを特徴とする保守部品の交換時間間隔管理システム。


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