JP5783981B2 - 半導体モジュール装置の放熱特性測定方法 - Google Patents

半導体モジュール装置の放熱特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、パワー素子などを含む半導体モジュールと、この半導体モジュールを冷却するための冷却器とを備えた半導体モジュール装置の放熱特性測定方法に関する。
例えば、電気自動車やハイブリッド自動車の搭載された駆動モータへ供給する電力を制御するインバータには、パワー素子やダイオードを含む半導体モジュールとしてのインバータが用いられている。
この半導体モジュールは、通電時の発熱量が大きいので半導体等が損傷しないようにしなければならない。このため、通常、半導体モジュールには、空気や冷却水を利用した冷却器を追加して、半導体モジュール装置を構成して使用するようにしている。
この場合、冷却器における放熱フィンの製作ミスや、半導体モジュールと放熱板との間の接触不良等といった不具合があると、十分な放熱性能が得られず、半導体等が損傷してしまうことになる。
そこで、半導体モジュール装置の使用前等に、半導体モジュール装置の放熱特性を測定し、この半導体モジュール装置の冷却性能に異常がないか否かを判定するようにしている。
このような従来の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法では、半導体モジュールの水冷式放熱部に接する空間を外界から隔離して、この隔離した空間内に測定用の気体を封入して、半導体・モジュールに使用時と同様の条件で通電して検査する。この検査においては、封入された測定用の気体の通電前後の圧力変化および/または体積変化を測定して、半導体モジュール装置の放熱特性を測定する。
この場合、放熱特性を直接に示す気体の温度上昇幅を示す指標が測定されるため、半導体モジュール装置の冷却の異常を看過するのを防ぐことができるようにしている。
特開2002−195967号公報
しかしながら、上記従来の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法には、以下に説明するような問題がある。
すなわち、半導体モジュールには、使用時に流す電流の値に近い値の電流を流す必要があり、また、その際に実際に上昇する気体の温度を測定しなければならず、その結果、電流使用量が大きくなる上、測定時間も長くなるので、コスト高になる。
また、電流計の他に、測定用の気体の圧力や温度を検出するため、圧力センサや温度センサが必要となって、さらにコスト高になる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、半導体モジュール装置を実際の温度まで上昇させる必要がなく、より短時間で、かつより安価に半導体モジュール装置の放熱特性を測定できるようにした、半導体モジュール装置の放熱特性測定方法を提供することにある。
この目的のため、請求項1に記載の本発明による半導体モジュール装置の放熱特性測定方法は、
半導体を有する半導体モジュールとこの半導体モジュールを冷却する冷却器とを備え、半導体と冷却器との間に絶縁層を介在させた半導体モジュール装置の放熱特性測定方法であって、
半導体の電極と冷却器との間に所定の直流電圧を印加し、
この電圧印加の際に半導体の電極と冷却器との間を流れる直流電流を測定して、
この直流電流を時間積分した積分値が絶縁層の厚さにより定められる第1所定値より低い場合には熱抵抗が過大であると判断し、積分値が第1所定値以上である場合には熱抵抗が適正範囲内にあると判断する、
ことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法は、
請求項に記載の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法において、
分値が第1所定値より大きい第3所定値以上のときは、絶縁抵抗不良であると判断する、
ことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法は、
請求項1または2に記載の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法において、
所定の直流電圧を印加する装置には、半導体モジュール装置に直流電圧を印加して半導体モジュール装置の絶縁耐圧を検査する絶縁耐圧検査装置を用いて行う、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の本発明の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法にあっては半導体モジュール装置を実際の温度まで上昇させる必要がなく、したがって、温度変化を待つ時間やそれを検出する温度センサが不要となって、より短時間で、かつより安価に半導体モジュール装置の放熱特性を測定できる。また、測定にあって高電圧を使用しなくて済むので、検査対象である半導体モジュールに与える負担を減少させることができる。
請求項に記載の本発明の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法にあっては、絶縁耐圧の良し悪しとともに絶縁抵抗の良し悪しをも、測定装置を変えることなく、判断することができる。
請求項に記載の本発明の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法にあっては、測定対象の熱抵抗と絶縁耐圧とを同じ装置を用いて行うことができるので、検査時間・検査費用をより少なくすることが可能となる。
本発明の実施例1の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法を実行するための放熱特性測定装置とその検査対象である半導体モジュール装置とを示した図である。 図1の半導体モジュール装置の一部を電気回路図で表し、放熱特性測定装置との接合関係を示した図である。 図1におけるIII−III線に沿って切断してみた半導体モジュール装置の断面図である。 半導体モジュールを下方からみた図である。 半導体モジュール装置の組み付け過程および放熱特性の検査過程の流れを示すフロー・チャートを示す図であり、(a)は従来の方法、(b)は実施例1の方法をそれぞれ示した図である。 半導体モジュール装置の絶縁層の厚さとリーク電流、熱抵抗との関係を示した図である。 本発明の実施例2の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法であって、直流電圧を印加して検査を行った場合の印加電圧とそのとき流れる電流との時間的経過を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
なお、各実施例間で同じ部品/部分については同じ番号を付し、それらの説明は省略する。
まず、実施例1の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法を行なうための放熱特性測定装置とその検査対象との全体構成を説明する。
実施例1の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法では、図1および図2に示すように、放熱特性測定を行う検査対象となる半導体モジュール装置1に絶縁耐圧検査装置3を接続して、後述するように、電圧を印加してその時流れる電流を測定することで、絶縁耐圧検査と絶縁抵抗検査の双方を実行する。
半導体モジュール装置1は、本実施例では、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動モータに供給する電力を制御するインバータの一部を構成する部品であり、パワー・モジュール2と冷却器4とで構成され、その他図示しない部品(基板や平滑コンデンサ等)を組み付けてインバータとなる。
パワー・モジュール2は、図2に示すように、パワー素子(またスイッチング素子)としての絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)5、6およびフリー・ホイーリング・ダイオード7、8を有する。
IGBT5とダイオード7とは並列接続されて上アームを構成し、またIGBT6とダイオード8とは並列接続されて下アームを構成する。
なお、図2では、これらの回路は、便宜上、冷却器4から離して描いてあるが、図1や図3に示すように、これらは組み付けられ、この状態で放熱特性の検査が行われる。
ここで、パワー・モジュール2の断面構造を、図3に示す。
緩衝板2aの上面には、IGBT5、6やダイオード7、8等からなる半導体2bがはんだ2cで固着される一方、緩衝板2aの下面にはバス・バー2dがはんだ2eで固着されている。これらは、樹脂ケース12で囲まれ、この内側の空間内にシリコーン・ゲル13が充填されて封じ込まれる。
樹脂ケース12は、冷却器4の上面である放熱面4aに図示しないねじで固定される。
図4に、パワー・モジュール2を下方からみた図を示す。樹脂ケース12は、バス−・バー2dの側面およびその底面の周囲部分を囲んでいる。なお、バス・バー2dはIGBT5、6のコレクタC1、C2の裏面と同電位となる。
また、各半導体2bの電極等一部を除いては、図示しない端子にワイヤ・ボンディングで接続されている。
図1および図4に示すように、IGBT5、6およびダイオード7、8の端子は、一部を除いては、図2中に○で表した部位が、シリコーン・ゲル13から外部にそれぞれ突出される。
なお、図1および図2中、Cはコレクタ、Eはエミッタ、Gはゲートを、またこれらの添え字1、2は上アーム、下アームのものであることをそれぞれ示す。
上記端子は、図1および図2に示すように、プラス側コレクタC1の端子、プラス側のエミッタE1およびマイナス側のコレクタC2に接続された出力端子、マイナス側のエミッタE2を短絡した状態で、これらを絶縁耐圧検査装置3のプラス側端子に接続する。
絶縁耐圧検査装置3のマイナス側端子は、接地した冷却器4に接続する。
絶縁耐圧検査装置3は、図示しないが電圧計および電流計を備えており、本実施例では表示部3aにそれぞれ表示可能とされている。
また、図3に示すように、パワー・モジュール2と冷却器4との間には、放熱絶縁シート9がこの上面および下面側の放熱グリス10、11をそれぞれ介して配置されている。
なお、半導体2bから冷却器4の間にあるもの、すなわち放熱絶縁シート9および放熱グリス10、11等は、本発明の絶縁層に相当する。
冷却器4は、たとえばアルミニウム製の一体押し出し成形品であり、内部に並行配列した冷却水路4bが形成されて、その一端側から他端側へ冷却水Wが流され、半導体2b等が発熱した熱を吸収して、パワー・モジュール2を冷却するようにしてある。
次に、上記のように構成した実施例1の半導体モジュール装置およびその放熱特性測定装置による測定検査方法について、以下に説明する。
ここでは、従来実行されていた絶縁耐圧検査・熱性能検査と本実施例による熱抵抗・絶縁耐厚検査とを比較して、それぞれ説明する。
図5(a)は、上記従来の検査方法を採用した半導体モジュール装置の組付・検査方法の工程を示す。
この従来の検査方法を用いる場合、同図に示すように、まずステップS1にて、冷却器4の放熱面4aである上面に放熱グリス11を塗布する。
次いで、ステップS2へ進む。
ステップS2では、上記放熱グリス11の上面に放熱絶縁シート9を設置する。
次いで、ステップS3へ進む。
ステップS3では、放熱絶縁シート9の上面に放熱グリス10を塗布する。
次いで、ステップS4へ進む。
ステップS4では、パワー・モジュール2を、この下面が放熱グリス10に接触するようにして、放熱グリス10、放熱絶縁シート9、放熱グリス11を介して冷却器4の放熱面4a上に組み付ける。
次いで、ステップS5に進む。
ステップS5では、パワー・モジュール2のバス・バー2d以外の各種バス・バーを図示しないパワー・モジュール2に組み付ける。
次いで、ステップS6に進む。
ステップS6では、上記パワー・モジュール2の上方にパワー・モジュール2を駆動する基板を載置し、はんだ付けにより樹脂ケース12に組み付ける。
次いで、ステップS7に進む。
ステップS7では、図示しない平滑コンデンサを基板に組み付ける。
次いで、ステップS8へ進む。
ステップS8では、図示しないハーネス類を基板の端子等に組み付け、インバータを得る。
次いで、ステップS9へ進む。
ステップS9では、絶縁耐圧検査装置3に半導体モジュール装置1を有するインバータを接続して絶縁耐圧検査を実行する。
この絶縁耐圧検査は、絶縁破壊があるものや絶縁破壊を起こす可能性のある不良品を見つけ出すのを目的としてなされる。この検査では、所定の値の交流電圧を所定時間印加し、電流増加が測定されず絶縁破壊を生じなかった場合には、その検査対象が十分な絶縁耐力を有すると判断するようにしている。言い換えると、測定した交流電流が第1所定値より大きい第2所定値以上となった場合には、絶縁耐圧不良と判断することになる。
次いで、ステップS10へ進む。
ステップS10では、熱性能検査を実行する。インバータを絶縁耐圧検査装置から外して、別の熱性能検査装置に移してから実施する必要がある。
ここでは、上述の測定用の気体を用いた従来の検査方法を行うことになる。この検査により、放熱特性に異常があるか否かを判断して、インバータのうちの半導体モジュール装置1の冷却能力を検査する。
次いで、ステップS11へ進む。
ステップS11では、上記検査をパスしたインバータのみを梱包して次工程へ送り、発生した不良品は、品質上リワークできない部分もあるため、廃棄することになる。
各部品の熱損失や熱抵抗の測定は、インバータを組み立てる前の部品ごとに実行することが可能である。
しかしながら、上記従来の組付・検査方法では、インバータに実際に流すのと同様の大電流をパワー・モジュール2に流して行うので、半導体モジュール装置1にこれを駆動する基板を組み付けた状態で、検査を行わなければならない。
しかも、半導体モジュール装置1と駆動基板とは、はんだ付けして組み付けられるので、製品としての保証を行うためには、はんだ付けをした状態で検査を行う必要がある。
さらに、パワー・モジュール2と冷却器4との間については、放熱絶縁シート9との間にそれぞれ放熱グリス10、11が塗布されるため、このグリスの広がり方や厚みについては直接検査することができない状況にある。
これらの結果、検査で放熱グリス10、11に異常があった場合には、組み付けたインバータは、廃棄せざるを得ず、コスト高となる。
また、この異常判定にあっては、上記従来の検査方法では、インバータ組み立て後の熱抵抗が悪いのか、あるいは損失がある否かについて切り分けることができない。
そこで、実施例1の半導体モジュール装置1の熱抵抗検査方法およびその装置にあっては、図5(b)に示す組付・検査方法で行う。
すなわち、従来技術の組付・検査方法における、絶縁耐圧検査を行うステップS9と、熱性能検査を行うステップS10とを、やり方内容を変更する(特に後者)とともに、これらの検査をパワー・モジュール2と冷却装置4とのみを組み付けた段階で、したがって半導体モジュール装置1を含むインバータを組み付ける前の段階で行うように順序を変更した。
なお、検査のやり方は一部異なるが、従来の検査方法と本実施例での検査方法間における検査ステップの順序変更の関係を、図5(a)、(b)間に、一点鎖線で示した。
すなわち、図5(b)に示すように、そのステップS21〜S24は従来の組付・検査方法であるステップS1〜S4とそれぞれまったく同じである。
次いで、ステップS25へ進む。
ステップS25では、パワー・モジュール2と冷却装置4とのみを組み付けた状態で、これらを上述したように絶縁耐圧検査装置3に接続して、熱抵抗・絶縁耐圧検査の双方の検査を行う。この検査の内容については後で詳しく説明する。
次いで、ステップS26〜S30へとこれらの順に進む。
ステップS26〜S30では、従来の検査方法のステップS5〜S8、S11と同じ内容を実行してインバータを組み立てることになる。
ただし、これらのステップへ進むことができるのは上記ステップS25で異常なしと判断されたものだけであり、異常ありと判断されたものはそれ以上のステップには進ませないようにしている。
ここで、上記ステップS25で行う熱抵抗・絶縁耐圧検査について、以下に説明する。
まずは、交流電圧を印加して行う検査方法について、説明する。
放熱絶縁シート9と上下の放熱グリス10、11とを合わせた厚みd[μm]と、その静電容量C[F]との間には、以下の関係がある。
Figure 0005783981
ここで、εは放熱グリス10、11と放熱絶縁シート9の誘電率であり、Sはバス・バー2dの底面の面積である。
一方、リーク電流Ileakは、上記静電容量Cと印加する交流電圧Vとこの周波数fとで以下のように定義される。
Figure 0005783981
放熱絶縁シート9と放熱グリス10、11との分(絶縁層)の熱抵抗Rth(c-f)[℃/W]と、放熱絶縁シート9と放熱グリス10、11との厚みd[μm]との間には、次式の比例関係が成り立つ。
Figure 0005783981
ここで、Aは比例係数である。
上記の関係から、バス・バー2dの底面面積Sが一定であるとすれば、絶縁耐圧検査装置3から交流電圧を印加してそのときのリーク電流Ileakを測定すれば、容量Cが算出でき、この容量Cから絶縁層の厚さdが算出できる。そして、この厚さdから絶縁層(放熱絶縁シート9と放熱グリス10、11と実質同等)の熱抵抗Rth(c-f)[℃/W]が分かる。
ここで、上記式を導くにあたって、本実施例の半導体モジュール装置1において放熱絶縁シート9および放熱グリス10、11の厚さdは均一とみなすことができる。
すなわち、絶縁層の厚さ方向の端部は、その上側のバス・バー2dの面とその下側の冷却器4の放熱面4aとの位置で決まるが、バス・バー2dも冷却器4もいずれも剛体であって平面度が高いことから、それらの面には凸凹はないものと考えてよいとの理由に基づく。
したがって、厚さdを直接測定できなくとも、リーク電流Ileakの大きさを測定すれば、熱抵抗Rth(c-f)が大きすぎるか否かを判断することができる。
なお、上記のように、静電容量から絶縁層の厚みを算出する方法は、周知であり、たとえば特開昭61―181196号公報に記載されている。
測定は、絶縁耐圧検査装置3から交流電圧を、パワー・モジュール2の端子と冷却器4間とに印加して行うが、この印加する交流電圧を絶縁耐圧仕様の値に合わせることで、絶縁耐圧検査も兼ねることが可能となる。
この絶縁耐圧検査は、従来の検査方法と同様に、所定の交流電圧を所定時間印加し、この場合、電流増加が測定されず絶縁破壊を生じなかった場合には、その検査対象が十分な絶縁耐力を有すると判断するようにしている。
図6に、絶縁層(放熱絶縁シート9および放熱グリス10、11)の厚さdとリーク電流Ileak、熱抵抗Rth(c-f)との関係の例を示す。
同図中、一点鎖線Mは、絶縁層の厚さdと熱抵抗Rth(c-f) との関係を示し、同図中では右上がりとなる。一方、実線Nは、絶縁層の厚さdとリーク電流Ileakとの関係を示し同図中では右下がりとなる。
ここで、パワー・モジュール装置1の冷却能力を確保するには、熱抵抗の線Mが熱抵抗上限より下方にならなければならない。したがって、このとき、厚さdは、限界厚さdo以下でなければならない。
すなわち、絶縁層の厚さdが限界厚さdo以下の範囲にあれば、冷却能力は十分と判断できるOK範囲にあり、限界厚さdoより大きければ冷却能力は不十分と判断するNG範囲にあることになる。
厚さdは直接測定できないので、上記で説明した関係式をもとにリーク電流Ileakの線Nが、限界厚さdo以下のOK範囲にあれば、冷却能力は十分と判断できるOK範囲にあり、限界厚さdoより大きいNG範囲にあれば冷却能力は不十分と判断するNG範囲にあるということになる。
したがって、リーク電流Ileakを測定し、これがリーク電流下限値(リーク電流の線Nと限界厚さdoの交点で決まる)以上であれば、その製品は問題がなく、それより小さければその製品には放熱能力に異常があると判断できる。
なお、リーク電流下限値は、本発明の第1所定値に相当する。
以上説明したように、実施例1の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法にあっては、パワー・モジュール2と冷却器3とを備えたパワー・モジュール装置1に絶縁耐圧検査装置3から交流電圧を印加し、そのとき流れるリーク電流Ileakを測定して、この測定値がリーク電流下限値に達しない場合に、その測定対象の熱抵抗が大きすぎ放熱能力不足であると判断するようにした。
この交流電圧は、実際の使用電流の大きさにする必要もなく、また実際の温度変化を測定する必要もないので、従来技術の場合に比べて、より短時間、かつより安価に熱抵抗を測定して放熱特性の正常・異常を判断することができる。
また、同じ絶縁耐圧検査装置3を用いて、大きな電圧を印加することで、パワー・モジュール装置1の絶縁耐圧検査、すなわち絶縁層の熱抵抗の上限に異常がないか否かを同じ装置を用いて安価に測定・判断することが可能となる。
また、印加電圧を交流電圧として電流を交流電流としたので、連続して電流が流れるので、測定が容易となる。
次に、本発明の実施例2に係る半導体モジュール装置の放熱特性測定方法について、以下に説明する。
実施例2の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法では、実施例1と同様の構成のものを用いるが、半導体モジュール装置に印加する電圧が、実施例1では交流電圧であったのに対し、実施例2では直流電圧である点が異なる。
すなわち、実施例1での上記検査方法に代えて、熱抵抗検査における静電容量の算出を行うことで絶縁抵抗検査を行う。
電流の測定にて、静電容量C[F]は次式で表される。
Figure 0005783981
ここで、Vは直流の印加電圧(DC500V)、i(t)は電流、Tは積分時間、Qは電荷[C]である。
このように、静電容量Cは、印加電圧Vと電流i(t)と積分時間Tとから算出することができる。
容量Cが算出できたら、これを用いて絶縁層の厚さdを算出することができる。厚さdがわかったら、上記式から熱抵抗を求めることができる。
すなわち、直流電流の積分値から容量値を算出し、この容量値に基づいて絶縁層の厚さdを算出することができる。次いで、この厚さdから絶縁層の熱抵抗を推定することができ、この熱抵抗の大きさに応じて絶縁層の熱抵抗が正常か異常かを判断することが可能となる。
この場合にも、厚さdを直接測定できないので、測定した直流電流の積分値(容量値に比例)が第1所定値(交流電圧印加時とは値が異なる)より低い場合には、熱抵抗が過大であると判断し、第1所定値以下の場合には、熱抵抗が適正範囲内にあると判断する。
その後、所定の直流電圧を所定時間印加して絶縁抵抗の測定を行う。この場合も、測定した直流電流を積分して、この積分値が第1所定値より大きい第3所定値以上の場合には、絶縁抵抗不良と判断し、第3所定値より小さいときは適正範囲内にあると判断する。
この検査方法を実施した例のタイム・チャートの例を図7に示す。
同図中、横軸には時間とり、縦軸には印加電圧Vと電流i(t)をとる。
同図に示すように、まず短時間の積分時間Tの分だけ500Vの直流電圧を半導体モジュール装置1の上記電極端子に印加すると、電流i(t)は充電電流が短時間流れた直後に放電電流が短時間流れる。
この流れた電流を時間積分して、この値が第1所定値より低い場合には、熱抵抗が過大であると判断し、そうでない場合には適正であると判断する。すなわち、放熱グリス10、11の塗布が適正であったか否かを判定することができる。
続いて、直流電圧を積分時間Tよりさらに長い時間印加して絶縁抵抗を測定する。そうすると、印加当初は直流の充電電流が急激に立ち上がった後、すぐ微少の充電電流となってそのまま維持される。印加を終えると、急激に放電電流が立ち上がって後、すぐ0となる。この間の電流を積分した値が第3所定値以上となった場合には、絶縁抵抗不良と判断し、そうでない場合には適正範囲内にあると判断する。このように積分方式とすることで、対ノイズ性を高めることができる。
以上説明したように、実施例2の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法にあっては、実施例1と同様に、実際の使用電流の大きさにする必要もなく、また実際の温度変化を測定する必要もないので、同じ絶縁耐圧検査装置3を用いることができ、さらに従来技術の場合に比べて、より短時間、かつより安価に熱抵抗を測定して放熱特性の正常・異常を判断することができる。
また、高い電圧をかける必要もないので、検査対象にかかる負担を減少することができる。
なお、上記各実施例にあっては、絶縁層の放熱グリス10、11に気泡が入っていないとして測定している。しかしながら、気泡が入った場合には、熱抵抗が増加し、好ましくない状態になることがある。しかしながら、この場合には、静電容量が減少し、リーク電流が減少するので、絶縁層がみかけ上厚くなったのと同じように判断され、その検査対象は熱抵抗が異常範囲にあるとして判断されることとなり、問題にはならない。
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
たとえば、本実施例では、半導体モジュール装置1は、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載した駆動モータへ供給する電力を制御するインバータに用いたが、これに限られない。
1 半導体モジュール装置
2 パワー・モジュール
2a 緩衝板
2b 半導体
2c、2e はんだ
2d 緩衝板
3 絶縁耐圧検査装置
4 冷却器
4a 放熱面
5、6 IGBT
7、8 フリー・ホイ-リング・ダイオード
9 放熱絶縁シート
10、11 放熱グリス
12 樹脂ケース
13 シリコーン・ゲル

Claims (3)

  1. 半導体を有する半導体モジュールと該半導体モジュールを冷却する冷却器とを備え、前記半導体と前記冷却器との間に絶縁層を介在させた半導体モジュール装置の放熱特性測定方法であって、
    前記半導体の電極と前記冷却器との間に所定の直流電圧を印加し、
    この電圧印加の際に前記半導体の電極と前記冷却器との間を流れる直流電流を測定して、
    この直流電流を時間積分した積分値が絶縁層の厚さにより定まる第1所定値より低い場合には熱抵抗が過大であると判断し、前記積分値が前記第1所定値以上である場合には熱抵抗が適正範囲内にあると判断する、
    ことを特徴とする半導体モジュール装置の放熱特性測定方法。
  2. 請求項1に記載の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法において、
    前記積分値が前記第1所定値より大きい第3所定値以上のときは、絶縁抵抗不良であると判断する、
    ことを特徴とする半導体モジュール装置の放熱特性測定方法。
  3. 請求項1または2に記載の半導体モジュール装置の放熱特性測定方法において、
    前記所定の直流電圧を印加する装置には、前記半導体モジュール装置に前記直流電圧を印加して前記半導体モジュール装置の絶縁耐圧を検査する絶縁耐圧検査装置を用いて行う、
    ことを特徴とする半導体モジュール装置の放熱特性測定方法。
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