JP5783340B2 - ダイオード装置およびその製造方法 - Google Patents

ダイオード装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5783340B2
JP5783340B2 JP2014559022A JP2014559022A JP5783340B2 JP 5783340 B2 JP5783340 B2 JP 5783340B2 JP 2014559022 A JP2014559022 A JP 2014559022A JP 2014559022 A JP2014559022 A JP 2014559022A JP 5783340 B2 JP5783340 B2 JP 5783340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
diode
semiconductor
thin film
type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014559022A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015025754A1 (ja
Inventor
雅信 野村
雅信 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2014559022A priority Critical patent/JP5783340B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5783340B2 publication Critical patent/JP5783340B2/ja
Publication of JPWO2015025754A1 publication Critical patent/JPWO2015025754A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/86Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable only by variation of the electric current supplied, or only the electric potential applied, to one or more of the electrodes carrying the current to be rectified, amplified, oscillated or switched
    • H01L29/861Diodes
    • H01L29/866Zener diodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/02Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having at least one potential-jump barrier or surface barrier; including integrated passive circuit elements with at least one potential-jump barrier or surface barrier
    • H01L27/04Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having at least one potential-jump barrier or surface barrier; including integrated passive circuit elements with at least one potential-jump barrier or surface barrier the substrate being a semiconductor body
    • H01L27/08Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having at least one potential-jump barrier or surface barrier; including integrated passive circuit elements with at least one potential-jump barrier or surface barrier the substrate being a semiconductor body including only semiconductor components of a single kind
    • H01L27/0814Diodes only
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66007Multistep manufacturing processes
    • H01L29/66969Multistep manufacturing processes of devices having semiconductor bodies not comprising group 14 or group 13/15 materials

Description

本発明は、薄膜ダイオードを備えるダイオード装置およびその製造方法に関する。
図5に示す薄膜ダイオード500は、ガラス基板501上に積層されたn型半導体層502と、n型半導体層502上に積層されたp型半導体層503とを備えている。なお、図5は従来のダイオード装置を示す断面図である。
n型半導体層502は、高周波スパッタ法を用いて室温で成膜されたIn−Ga−Zn−Oアモルファス酸化物薄膜により形成されている。p型半導体層503は、高周波スパッタ法を用いて室温で成膜されたZn−Rh−Oアモルファス酸化物薄膜により形成されている。
また、電子ビーム蒸着法を用いて、n型半導体層502の上面にTi層およびAu層が順に成膜されることにより、Ti密着層504と、カソード電極であるAu電極505とが形成されている。また、電子ビーム蒸着法を用いて、p型半導体層503の上面にAu層が成膜されることにより、アノード電極であるAu電極506が形成されている。
このように構成された薄膜ダイオード500のI(電流)−V(電圧)特性は、順方向バイアス電圧が印加されたときに電流が流れ、逆方向バイアス電圧が印加されたときに電流が遮断される、一般的な整流特性を備えている。
特開2007−73702号公報(段落0043〜0048、図6〜図8など)
ところで、図5に示すように、n型半導体層502およびp型半導体層503のpn接合界面の端縁が露出していたり、水分が浸透する一般的なモールド用の樹脂層(膜)等で被覆されていると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、薄膜ダイオード500が高湿度環境下で使用された場合などに、pn接合界面の端縁付近に水分が浸入するおそれがある。
pn接合界面の端縁付近に水分が浸入すると、pn接合界面の端縁付近において、薄膜ダイオード500に電圧が印加されたときにpn接合界面に生じる電界により水の電気分解が生じて水素が発生するおそれがある。pn接合界面の端縁付近で水素が発生すると、pn接合を形成する酸化物半導体材料が還元されることによりpn接合が解消されて短絡し、薄膜ダイオード500の特性が劣化したり、薄膜ダイオード500が機能不全に陥るおそれがある。
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、高湿度環境下で使用されたときに薄膜ダイオードのpn接合界面の端縁付近で水の電気分解が生じるのを防止することができる信頼性の高いダイオード装置を提供すると共に、その製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のダイオード装置は、p型半導体およびn型半導体のいずれか一方の第1の半導体層および前記第1の半導体層上に積層されたp型半導体およびn型半導体のいずれか他方の第2の半導体層を有するpn接合型の薄膜ダイオードと、前記pn接合界面の端縁を被覆する耐湿保護膜とを備え、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のそれぞれが、酸化物半導体材料または酸窒化物半導体材料により形成され、前記耐湿保護膜が、アモルファス酸化物絶縁体材料またはアモルファス酸窒化物絶縁体材料により形成されていることを特徴としている。
このように構成された発明では、ダイオード装置が備えるpn接合型の薄膜ダイオードが有する第1の半導体層および第2の半導体層のpn接合界面の端縁が、アモルファス酸化物絶縁体材料またはアモルファス酸窒化物絶縁体材料により形成された耐湿保護膜により被覆されている。アモルファス材料により耐湿保護膜が形成されることにより、耐湿保護膜に結晶粒界が生じるのを抑制することができるので、耐湿効果の高い耐湿保護膜を形成することができる。そのため、ダイオード装置が高湿度環境下で使用される場合でも、pn接合界面の端縁付近に水分が浸入するのを防止することができる。
したがって、ダイオード装置が高湿度環境下で使用されたときに、薄膜ダイオードに電圧が印加されたときに生じる電界により薄膜ダイオードのpn接合界面の端縁付近で水の電気分解が生じて水素が発生するのを防止することができる。そして、第1の半導体層および第2の半導体層のそれぞれを形成する酸化物半導体材料や酸窒化物半導体材料が水素が発生することにより還元されることによって、薄膜ダイオードの特性が劣化したり、薄膜ダイオードが機能不全に陥るのを防止することができる。したがって、信頼性の高いダイオード装置を提供することができる。
また、耐湿保護膜がpn接合界面の端縁を被覆して形成されるときに、還元雰囲気で耐湿保護膜が形成されると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、pn接合を構成する第1の半導体層および第2の半導体層のそれぞれを形成する酸化物半導体材料や酸窒化物半導体材料が還元されて、薄膜ダイオードが機能不全に陥ったり、薄膜ダイオードの特性が劣化するおそれがある。しかしながら、耐湿保護膜が酸化物絶縁体材料や酸窒化物絶縁体材料により酸素含有雰囲気中で形成されることにより、第1の半導体層および第2の半導体層を形成する半導体材料を還元する還元雰囲気となりにくいので、薄膜ダイオードの特性が良好で信頼性の高いダイオード装置を提供することができる。
前記第2の半導体層は、アモルファス材料により形成されているとよい。
p型およびn型の半導体層が積層される場合に、先に形成された一方の導電型の半導体層が結晶質であり、この結晶質の半導体層上に形成されて積層される他方の導電型の半導体層も結晶質であると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、後に形成される半導体層の初期成長時は先に形成された半導体層の結晶格子の影響を受けるので、後に形成される半導体層の初期成長層は結晶質に形成されにくい。したがって、先に形成された半導体層に後から形成されて積層される半導体層の初期成長層において、薄膜ダイオードの特性を劣化させたり、薄膜ダイオードを機能不全にする結晶構造の乱れた異相が生じやすい。
しかしながら、第1の半導体層に積層されて形成される第2の半導体層がアモルファス材料により形成されることによって、第2の半導体層の初期成長層において薄膜ダイオードの特性を劣化させる異相が形成されるのを抑制することができる。したがって、さらに特性が良好で信頼性が高い薄膜ダイオードを備えるダイオード装置を提供することができる。
また、前記第1の半導体層が、アモルファス材料により形成されているとよい。
このように構成すると、第1、第2の半導体層および耐湿保護膜のそれぞれがアモルファス材料により形成されることによって、pn接合界面およびその端縁を被覆する耐湿保護膜がいずれもアモルファス材料により形成される。したがって、原子構造レベルでの材料の整合性がよく、さらに特性が良好で信頼性が高い薄膜ダイオードを備えるダイオード装置を提供することができる。
また、前記薄膜ダイオードが薄膜ツェナーダイオードであるとよい。
ツェナーダイオードは、逆方向バイアス電圧が印加された場合であっても、逆方向バイアス電圧の大きさが降伏電圧以上の大きさであれば、pn接合部分が高電界状態となって電子なだれが生じることにより電流が流れる性質を備えている(降伏挙動)。したがって、ツェナーダイオードが降伏挙動領域において動作している場合には、pn接合界面が高電界状態にあるので、pn接合界面の端縁付近において非常に水の電気分解が生じやすく水素が発生しやすい。
しかしながら、第1の半導体層および第2の半導体層それぞれのキャリア濃度が制御されることにより薄膜ツェナーダイオードが構成されている場合であっても、薄膜ツェナーダイオードのpn接合界面の端縁付近に水分が浸入するのが耐湿保護膜により防止されているので、次のような効果を奏することができる。すなわち、薄膜ツェナーダイオードが降伏挙動領域において動作しており、pn接合界面が高電界状態であっても、水分の浸入が防止されているので、pn接合界面の端縁付近において水の電気分解が生じて水素が発生するのを防止することができる。したがって、pn接合を形成する酸化物または酸窒化物による半導体材料が還元されることにより、薄膜ツェナーダイオードの特性が劣化したり、薄膜ツェナーダイオードが機能不全に陥るのを防止することができる。
また、2個の前記薄膜ツェナーダイオードを備え、前記両薄膜ツェナーダイオードは、互いの前記第2の半導体層が側に配置されて側面が対向するように並設され、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のうちのいずれかが互いに接続電極により接続されることによって逆方向に直列接続されてもよい。
このように構成すると、2個の薄膜ツェナーダイオードが逆方向に直列接続されて形成された回路(以下「双方向ツェナーダイオード」と称する)を備えるダイオード装置を提供することができる。双方向ツェナーダイオードでは、一方の薄膜ツェナーダイオードが例えば静電気等に起因する過電圧により降伏した場合には、当該過電圧は他方のツェナーダイオードに対して必ず順方向に印加される。そのため、一方の薄膜ツェナーダイオードが降伏した場合には、双方向ツェナーダイオードに必ず電流パスが形成される。
したがって、双方向ツェナーダイオードを用いて、薄膜キャパシタ等の静電気耐性の低い部品を静電気等に起因する過電圧から保護するための信頼性の高い保護回路を安価に構成することができる。すなわち、双方向ツェナーダイオードを用いて形成された保護回路を保護対象の部品に例えば並列接続することにより、プラス・マイナス両極性の過電圧に対して保護回路に電流パスが形成される。したがって、電流パスが形成された保護回路により過電圧が保護対象の部品に印加されるのが防止されるので、薄膜キャパシタ等の静電気耐性の低い部品を、静電気等に起因するプラス・マイナス両極性の過電圧から確実に保護することができる。
また、前記薄膜ツェナーダイオードは、前記第2の半導体層上に積層され、酸化物半導体材料または酸窒化物半導体材料により形成された前記一方の導電型の第3の半導体層をさらに備えていてもよい。
このようにすると、一方の導電型の半導体により形成された第1の半導体層および第3の半導体層の間に、他方の導電型の半導体により形成された第2の半導体層が配置されることにより、双方向ツェナーダイオードと等価な回路を構成することができる。また、双方向ツェナーダイオードが、各半導体層が積層方向に配置されることにより形成されるので、ダイオード装置の小面積化を図ることができる。
また、樹脂基板と、前記樹脂基板上に形成された平板状の金属電極とをさらに備え、前記薄膜ツェナーダイオードおよび前記耐湿保護膜が、平面視において前記金属電極の形成領域内に配置されるようにしてもよい。
このように構成すると、各種の使用環境下で樹脂基板に歪みが生じた場合でも、薄膜ツェナーダイオードおよび耐湿保護膜が、平面視において、補強材として機能する平板状の金属電極の形成領域内に配置されている。したがって、各半導体層および耐湿保護膜にクラック等の欠陥が生じるのを防止することができるので、信頼性の高い薄膜ツェナーダイオードを備えるダイオード装置を提供することができる。
また、(p型の前記第1の半導体層のキャリア濃度)<(n型の前記第2の半導体層のキャリア濃度)となるように設定され、p型の前記第1の半導体層のキャリア濃度が調整されることにより、前記薄膜ツェナーダイオードの降伏電圧が40Vよりも小さいように制御されているとよい。
このようにすると、薄膜ツェナーダイオードを備えるダイオード装置を、一般用途の民生機器のESD(静電気放電:Electro-Static Discharge)保護回路を形成するのに使用することができる。
また、本発明のダイオード装置の製造方法は、請求項4ないし8のいずれかに記載のダイオード装置を製造する製造方法において、前記各半導体層が形成される雰囲気の酸素分圧または窒素分圧を制御することでキャリア濃度を調整して、前記薄膜ツェナーダイオードの降伏電圧を制御することを特徴としている。
このようにすると、ダイオード装置が備える薄膜ツェナーダイオードの降伏電圧を容易に調整することができる。
また、前記耐湿保護膜は、スパッタ法または真空蒸着法により形成され、前記各半導体層および前記耐湿保護膜が形成される雰囲気の酸素分圧がほぼ等しくなるようにするとよい。
このようにすると、酸化物半導体材料または酸窒化物半導体材料により形成されるpn接合界面において酸素量の整合性が良い。また、pn接合界面の端縁を被覆する耐湿保護膜が形成される雰囲気の酸素分圧も同じであるため、pn接合界面の特性に劣化が生じにくく、さらに信頼性が高い薄膜ツェナーダイオードを備えるダイオード装置を提供することができる。
本発明によれば、耐湿保護膜によりpn接合界面の端縁付近に水分が浸入するのを防止することができるので、薄膜ダイオードに電圧が印加されたときに生じる電界により薄膜ダイオードのpn接合界面の端縁付近で水の電気分解が生じて水素が発生するのを防止することができる。したがって、第1の半導体層および第2の半導体層のそれぞれを形成する酸化物半導体材料や酸窒化物半導体材料が還元されることにより薄膜ダイオードの特性が劣化したり、薄膜ダイオードが機能不全に陥るのを防止することができるので、信頼性の高いダイオード装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかるダイオード装置を示す図であって、(a)は断面図、(b)は等価回路を示す図である。 ダイオード装置の製造方法の一例を示す図であって、(a)〜(d)はそれぞれ異なる状態を示す。 本発明の第2実施形態にかかるダイオード装置を示す図であって、(a)は断面図、(b)は等価回路を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかるダイオード装置を示す断面図である。 従来のダイオード装置を示す断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1および図2を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかるダイオード装置を示す図であって、(a)は断面図、(b)は等価回路を示す図、図2はダイオード装置の製造方法の一例を示す図であって、(a)〜(d)はそれぞれ異なる状態を示す。
(構成)
ダイオード装置100の概略構成について説明する。
ダイオード装置100は、この実施形態では、ガラス基板により形成される基板1上に形成されたPt/Ti接続電極2を介して基板1上に設けられたpn接合型の薄膜ツェナーダイオードD1を備えている。薄膜ツェナーダイオードD1は、p型の第1の半導体層3と、第1の半導体層3上に積層されたn型の第2の半導体層4とを備えている。
第1の半導体層3は、接続電極2上にアモルファス酸化物半導体材料であるp型アモルファスCu−Al−O系半導体(p型半導体)により形成されている。第2の半導体層4は、第1の半導体層3上にアモルファス酸化物半導体材料であるn型アモルファスTi−O系半導体(n型半導体)により形成されている。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間の接合界面Sにおいてpn接合が形成されている。
また、ダイオード装置100は、薄膜ツェナーダイオードD1が有する第1の半導体層3および第2の半導体層4のpn接合界面Sの端縁と、接続電極2を被覆して基板1上に設けられた絶縁層5(本発明の「耐湿保護膜」に相当)とを備えている。絶縁層5は、アモルファス酸化物絶縁体材料であるアモルファスSiOにより形成されている。
また、絶縁層5の上面には、絶縁層5に形成された透孔を介してn型の第2の半導体層4に接続されることにより、ダイオード装置100の外部電極を成すAu/Ti引出電極6が形成されている。また、絶縁層5の上面には、絶縁層5に形成された透孔を介して接続電極2に接続されることによりp型の第1の半導体層3に接続されることによって、ダイオード装置100の外部電極を成すAu/Ti引出電極7が形成されている。
以上のように、この実施形態では、p型半導体が本発明の「一方の導電型の半導体」に相当し、n型半導体が本発明の「他方の導電型の半導体」に相当する。
(製造方法)
ダイオード装置100の製造方法の一例について説明する。
まず、図2(a)に示すように、基板1上に、リフトオフ法を用いて、約50nmの厚みのTi膜が成膜され、さらに、約300nmの厚みのPt膜が成膜されることにより、接続電極2が形成される。
次に、RFスパッタ法を用いて、ターゲット:CuAlO、圧力=0.6Pa、Ar/O比=84/16、RF電力=300W、基板温度=室温、の条件で、p型アモルファスCu−Al−O系半導体材料によるp型半導体膜が約300nmの厚みで成膜される。続いて、DC反応性スパッタ法を用いて、ターゲット:Ti、圧力=0.6Pa、Ar/O比=84/16、DC電力=950W、基板温度=室温、の条件で、n型アモルファスTi−O系半導体材料によるn型半導体膜が約500nmの厚みで成膜される。
続いて、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィおよびイオンミリング法を用いてp型半導体膜およびn型半導体膜が加工されて、接続電極2上に第1の半導体層3および第2の半導体層4が積層された状態で形成されることにより薄膜ツェナーダイオードD1が形成される。なお、後に続く工程で形成される絶縁層5との密着性、および、絶縁層5による被覆性を向上するために、第1の半導体層3および第2の半導体層4は、その側面が傾斜化された形状に加工される。具体的には、フォトリソグラフィ条件が制御されることによりフォトレジスト形状が傾斜化された後に、イオンミリング法を用いてp型半導体膜およびn型半導体膜が加工される。そして、フォトレジストが酸素アッシングにより除去される。
次に、RFスパッタ法を用いて、ターゲット:SiO、圧力=0.6Pa、Ar/O比=84/16、RF電力=600W、基板温度=室温、の条件で、アモルファスSiOによる絶縁層5が約1000nmの厚みで、少なくともpn接合界面Sの端縁を被覆するように形成される。そして、図2(c)に示すように、フォトリソグラフィおよびイオンミリング法を用いて、絶縁層5が所定形状に加工される。そして、フォトレジストが酸素アッシングにより除去される。
続いて、図2(d)に示すように、リフトオフ法を用いて、約50nmの厚みのTi膜が成膜され、さらに、約300nmの厚みのAu膜が成膜されることにより、引出電極6,7が形成されることにより、ダイオード装置100が完成する。
なお、この実施形態では、薄膜ツェナーダイオードD1を構成するp型の第1の半導体層3およびn型の第2の半導体層4それぞれのキャリア濃度が、
(第1の半導体層3のキャリア濃度)<(第2の半導体層4のキャリア濃度)
となるように設定されている。また、薄膜ツェナーダイオードD1の降伏電圧はp型の第1の半導体層3のキャリア濃度が調整されることにより制御される。
すなわち、この実施形態では、第1の半導体層3が形成されるときの雰囲気の酸素分圧が制御されることで第1の半導体層3のキャリア濃度が調整されることにより、薄膜ツェナーダイオードD1の降伏電圧が制御されている。具体的には、p型アモルファスCu−Al−O系半導体材料により第1の半導体層3が形成されるときの雰囲気が、圧力=0.6Pa、Ar/O比=84/16、に制御されることにより、薄膜ツェナーダイオードD1の降伏電圧が約12Vに制御されている。
このように構成されたダイオード装置100は、他の配線基板等にはんだ等を用いて実装されることにより、例えば、静電気等に起因する過電圧から各種の部品を保護するための保護回路を形成するのに使用される。
以上のように、この実施形態では、ダイオード装置100が備えるpn接合型の薄膜ツェナーダイオードD1が有する第1の半導体層3および第2の半導体層4のpn接合界面Sの端縁が、アモルファス酸化物絶縁体材料により形成され耐湿保護膜としての機能を有する絶縁層5により被覆されている。アモルファス材料により絶縁層5が形成されることにより、絶縁層5に結晶粒界が生じるのを抑制することができるので、耐湿効果の高い絶縁層5を形成することができる。そのため、ダイオード装置100が高湿度環境下で使用される場合でも、pn接合界面Sの端縁付近に水分が浸入するのを防止することができる。
したがって、ダイオード装置100が高湿度環境下で使用されたときに、薄膜ツェナーダイオードD1に電圧が印加されたときに生じる電界により薄膜ツェナーダイオードのpn接合界面Sの端縁付近で水の電気分解が生じて水素が発生するのを防止することができる。そして、第1の半導体層3および第2の半導体層4のそれぞれを形成する酸化物半導体材料が水素が発生することにより還元されることによって、薄膜ツェナーダイオードD1の特性が劣化したり、薄膜ツェナーダイオードD1が機能不全に陥るのを防止することができる。したがって、信頼性の高いダイオード装置100を提供することができる。
また、絶縁層5がpn接合界面Sの端縁を被覆して形成されるときに、還元雰囲気で絶縁層5が形成されると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、pn接合を構成する第1の半導体層3および第2の半導体層4のそれぞれを形成する酸化物半導体材料が還元されて、薄膜ツェナーダイオードD1が機能不全に陥ったり、薄膜ツェナーダイオードD1の特性が劣化するおそれがある。しかしながら、絶縁層5が酸化物絶縁体材料により酸素含有雰囲気中で形成されることにより、第1の半導体層3および第2の半導体層4を形成する酸化物半導体材料を還元する還元雰囲気となりにくいので、薄膜ツェナーダイオードD1の特性が良好で信頼性の高いダイオード装置100を提供することができる。
また、ダイオード装置100は、第1の半導体層3および第2の半導体層4それぞれのキャリア濃度が制御されることにより構成された薄膜ツェナーダイオードD1を備えている。薄膜ツェナーダイオードD1は、逆方向バイアス電圧が印加された場合であっても、逆方向バイアス電圧の大きさが降伏電圧以上の大きさであれば、pn接合部分が高電界状態となって電子なだれが生じることにより電流が流れる性質を備えている(降伏挙動)。したがって、薄膜ツェナーダイオードD1が降伏挙動領域において動作している場合には、pn接合界面Sが高電界状態にあるので、pn接合界面Sの端縁付近において非常に水の電気分解が生じやすく水素が発生しやすい。
しかしながら、絶縁層5により、薄膜ツェナーダイオードD1のpn接合界面Sの端縁付近への水分の浸入が絶縁層5により防止されているので、次のような効果を奏することができる。すなわち、薄膜ツェナーダイオードD1が降伏挙動領域において動作しており、pn接合界面Sが高電界状態であっても、絶縁層5により水分の浸入が防止されているので、pn接合界面Sの端縁付近において水の電気分解が生じて水素が発生するのを防止することができる。したがって、pn接合を形成する酸化物による半導体材料が還元されることにより、薄膜ツェナーダイオードD1の特性が劣化したり、薄膜ツェナーダイオードD1が機能不全に陥るのを防止することができる。
また、複数の半導体層が積層される場合に、先に形成された半導体層が結晶質であり、後に形成されてこの結晶質の半導体層に積層される半導体層も結晶質であると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、後に形成される半導体層の初期成長時は先に形成された半導体層の結晶格子の影響を受けるので、後に形成される半導体層の初期成長層は結晶質に形成されにくい。したがって、後に形成された半導体層の初期成長層において、薄膜ダイオード(薄膜ツェナーダイオード)の特性を劣化させたり、薄膜ダイオードを機能不全にする結晶構造の乱れた異相が生じやすい。
しかしながら、この実施形態の薄膜ツェナーダイオードD1では、第1の半導体層3に積層されて形成される第2の半導体層4がアモルファス材料により形成されている。したがって、第2の半導体層4の初期成長層において薄膜ツェナーダイオードD1の特性を劣化させる異相が形成されるのを抑制することができる。したがって、さらに特性が良好で信頼性が高い薄膜ツェナーダイオードD1を備えるダイオード装置100を提供することができる。
さらに、この実施形態の薄膜ツェナーダイオードD1では、第1、第2の半導体層3,4および絶縁層5のそれぞれがアモルファス材料により形成されている。したがって、pn接合界面Sおよびその端縁を被覆する絶縁層5のいずれもがアモルファス材料により形成されているので、原子構造レベルでの材料の整合性がよく、さらに特性が良好で信頼性が高い薄膜ツェナーダイオードD1を備えるダイオード装置100を提供することができる。
また、この実施形態では、第1、第2の半導体層3,4が形成される雰囲気の酸素分圧が制御されることでキャリア濃度が調整されて、薄膜ツェナーダイオードD1の降伏電圧が制御されている。したがって、ダイオード装置100が備える薄膜ツェナーダイオードD1の降伏電圧を、第1、第2の半導体層3,4が形成される雰囲気の酸素分圧を制御するだけで容易に調整することができる。
また、この実施形態では、第1、第2の半導体層3,4および絶縁層5は、スパッタ法により形成されるが、第1、第2の半導体層3,4および絶縁層5が形成される雰囲気の酸素分圧がほぼ等しくなるように条件設定されている。したがって、酸化物半導体材料により形成された第1、第2の半導体層3,4のpn接合界面Sにおいて酸素量の整合性が良い。また、pn接合界面Sの端縁を被覆する絶縁層5が形成される雰囲気の酸素分圧も、第1、第2の半導体層3,4が形成される雰囲気の酸素分圧と同じであるため、pn接合界面Sの特性に劣化が生じにくく、さらに信頼性が高い薄膜ツェナーダイオードD1を備えるダイオード装置100を提供することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について図3を参照して説明する。図3は本発明の第2実施形態にかかるダイオード装置を示す図であって、(a)は断面図、(b)は等価回路を示す図である。
この実施形態のダイオード装置100aが、上記した第1実施形態のダイオード装置100と異なるのは、図3(a),(b)に示すように、2個の薄膜ツェナーダイオードD1,D2が逆方向に直列接続されて形成された回路(双方向ツェナーダイオード)を備えている点である。以下の説明では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明し、その他の構成は上記した第1実施形態と同様であるため、同一符号を付すことによりその構成の説明は省略する。
ダイオード装置100aは、この実施形態では、樹脂基板により形成された基板1上に形成されたPt/Ti接続電極2を介して基板1上に設けられたpn接合型の2個の薄膜ツェナーダイオードD1,D2を備えている。なお、この実施形態では、基板1上に平板状の接続電極2が形成されている。
また、薄膜ツェナーダイオードD1は、p型の第1の半導体層3と、第1の半導体層3上に積層されたn型の第2の半導体層4とを備えている。また、薄膜ツェナーダイオードD2は、p型の第1の半導体層8と、第1の半導体層8上に積層されたn型の第2の半導体層9とを備えている。
第1の半導体層3,8は、接続電極2上にアモルファス酸窒化物半導体材料であるp型アモルファスCu−Al−O−N系半導体(p型半導体)により形成されている。第2の半導体層4,9は、第1の半導体層3,8上にアモルファス酸窒化物半導体材料であるn型アモルファスTi−O−N系半導体(n型半導体)により形成されている。なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間の接合界面Sおよび第1の半導体層8と第2の半導体層9との間の接合界面Sにおいてpn接合が形成されている。
以上のように、図3(a)に示すように、各薄膜ツェナーダイオードD1,D2は、互いの第1の半導体層3,8および第2の半導体層4,9が同側に配置されて対向するように並設されている。そして、各薄膜ツェナーダイオードD1,D2それぞれのp型の第1の半導体層3,8が互いに接続電極2により接続されている。したがって、図3(b)の等価回路に示すように、2個のツェナーダイオードD1,D2は逆方向に直列接続されている。
また、ダイオード装置100aは、薄膜ツェナーダイオードD1が有する第1の半導体層3および第2の半導体層4のpn接合界面Sの端縁と、薄膜ツェナーダイオードD2が有する第1の半導体層8および第2の半導体層9のpn接合界面Sの端縁とを被覆して接続電極2上に設けられた絶縁層5とを備えている。絶縁層5は、アモルファス酸窒化物絶縁体材料であるアモルファスSiONにより形成されている。
なお、この実施形態では、図3(a)に示すように、各薄膜ツェナーダイオードD1,D2および絶縁層5は、平面視において接続電極2の形成領域内に配置されている。
また、絶縁層5の上面には、絶縁層5に形成された透孔を介して薄膜ツェナーダイオードD1のn型の第2の半導体層4に接続されることにより、ダイオード装置100aの外部電極を成すAu/Ti引出電極6が形成されている。また、絶縁層5の上面には、絶縁層5に形成された透孔を介して薄膜ツェナーダイオードD2のn型の第2の半導体層9に接続されることにより、ダイオード装置100aの外部電極を成すAu/Ti引出電極7が形成されている。
以上のように、この実施形態では、p型半導体が本発明の「一方の導電型の半導体」に相当し、n型半導体が本発明の「他方の導電型の半導体」に相当する。
なお、この実施形態のダイオード装置100aは、基板1が樹脂基板により形成されており、図1(a)に示すダイオード装置100と一部の構成が異なるが、図2を参照して説明したダイオード装置100の製造方法と同様の製造方法によりこの実施形態のダイオード装置100aを製造することができる。
具体的には、第1の半導体層3,8、第2の半導体層4,9および絶縁層5がスパッタ法により形成されるときの条件を、例えば、
圧力=0.7Pa、Ar/O/N比=10/4/86
のように設定すればよい。
また、この実施形態では、第1の半導体層3、8および第2の半導体層4,9が形成されるときの雰囲気の酸素分圧および窒素分圧が制御されることで第1の半導体層3,8および第2の半導体層4,9のキャリア濃度が調整されることにより、薄膜ツェナーダイオードD1,D2の降伏電圧が制御されている。
以上のように、この実施形態では上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、2個の薄膜ツェナーダイオードD1,D2が逆方向に直列接続されて形成された信頼性の高い双方向ツェナーダイオードを備えるダイオード装置100aを安価に提供することができる。双方向ツェナーダイオードでは、一方の薄膜ツェナーダイオードが例えば静電気等に起因する過電圧により降伏した場合には、当該過電圧は他方のツェナーダイオードに対して必ず順方向に印加される。そのため、一方の薄膜ツェナーダイオードが降伏した場合には、双方向ツェナーダイオードに必ず電流パスが形成される。
したがって、双方向ツェナーダイオードを備えるダイオード装置100aを用いて、薄膜キャパシタ等の静電気耐性の低い部品を静電気等に起因する過電圧から保護するための信頼性の高い保護回路を安価に構成することができる。すなわち、ダイオード装置100aを用いて形成された保護回路を保護対象の部品に例えば並列接続することにより、プラス・マイナス両極性の過電圧に対して保護回路に電流パスが形成される。したがって、電流パスが形成された保護回路により過電圧が保護対象の部品に印加されるのが防止されるので、薄膜キャパシタ等の静電気耐性の低い部品を、静電気等に起因するプラス・マイナス両極性の過電圧から確実に保護することができる。
また、この実施形態では、薄膜ツェナーダイオードD1,D2および絶縁層5が樹脂基板により形成された基板1上に設けられている。しかしながら、各種の使用環境下で基板1に歪みが生じた場合でも、薄膜ツェナーダイオードD1,D2および絶縁層5が、平面視において、補強材として機能する平板状の接続電極2の形成領域内に配置されている。
したがって、各半導体層3,4,8,9および絶縁層5にクラック等の欠陥が生じるのを防止することができるので、信頼性の高い薄膜ツェナーダイオードD1,D2を備えるダイオード装置100aを提供することができる。以上のように、接続電極2が本発明の「金属電極」として機能している。
なお、この実施形態では、各ツェナーダイオードD1,D2の第1の半導体層3,8が接続電極2により接続されることによって、各ツェナーダイオードD1,D2が逆方向に直列接続されている。しかしながら、各ツェナーダイオードD1,D2の第2の半導体層4,9が、例えば、各第2の半導体層4,9上に積層された接続電極により接続されることによって、各ツェナーダイオードD1,D2が逆方向に直列接続されるようにしてもよい。
この場合には、各第1の半導体層3,8それぞれに接続される引出電極を基板1上に個別に2個設け、引出電極6が、第1の半導体層3に接続された引出電極に接続されることにより第1の半導体層3に接続され、引出電極7が、第1の半導体層8に接続された引出電極に接続されることにより第1の半導体層8に接続されるようにするとよい。
また、この実施形態では、樹脂基板により形成される基板1が採用されているが、上記した第1実施形態と同様のガラス基板や、セラミック基板やSi基板により基板1が形成されていてもよい。ガラス基板やセラミック基板やSi基板により基板1が形成されている場合に、基板1上に形成された樹脂層上に平板状の接続電極2が設けられ、平面視において、接続電極2の形成領域内に配置されるように、薄膜ツェナーダイオードD1,D2および絶縁層5が接続電極2上に設けられていてもよい。このようにしても、補強材として機能する接続電極2により、各半導体層3,4,8,9および絶縁層5にクラック等の欠陥が生じるのを防止することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について図4を参照して説明する。図4は本発明の第3実施形態にかかるダイオード装置を示す断面図である。
この実施形態のダイオード装置100bが、上記した第1実施形態のダイオード装置100と異なるのは、図4に示すように、第2の半導体層4上に第1の半導体層3と同一の導電型(p型)の第3の半導体層10が積層されることにより、2個の薄膜ツェナーダイオードD1,D2が逆方向に直列接続されて形成された回路(双方向ツェナーダイオード)とほぼ等価な機能を備える薄膜双方向ツェナーダイオードD3(薄膜ダイオード)が形成されている点である。以下の説明では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明し、その他の構成は上記した第1実施形態と同様であるため、同一符号を付すことによりその構成の説明は省略する。
ダイオード装置100bは、この実施形態では、ガラス基板により形成された基板1上に形成されたPt/Ti接続電極2を介して基板1上に設けられたpn接合型の薄膜双方向ツェナーダイオードD3を備えている。
薄膜双方向ツェナーダイオードD3は、p型の第1の半導体層3と、第1の半導体層3上に積層されたn型の第2の半導体層4と、第2の半導体層4上に積層されたp型の第3の半導体層10とを備えている。第1の半導体層3は、接続電極2上にアモルファス酸化物半導体材料であるp型アモルファスCu−Al−O系半導体(p型半導体)により形成されている。第2の半導体層4は、第1の半導体層3上にアモルファス酸化物半導体材料であるn型アモルファスTi−O系半導体(n型半導体)により形成されている。第3の半導体層10は、第2の半導体層4上にアモルファス酸化物半導体材料であるp型アモルファスCu−Al−O系半導体材料により形成されている。
なお、第1の半導体層3と第2の半導体層4との間の接合界面Sおよび第2の半導体層4と第3の半導体層10との間の接合界面Sにおいてpn接合が形成されている。また、第1、第2、第3の半導体層3,4,10が、上記し第2実施形態と同様に酸窒化物半導体材料により形成されていてもよい。
また、ダイオード装置100bは、第1の半導体層3および第2の半導体層4のpn接合界面Sの端縁と、第2の半導体層4および第3の半導体層10のpn接合界面Sの端縁とを被覆して基板1上に設けられた絶縁層5を備えている。絶縁層5は、アモルファス酸化物絶縁体材料であるアモルファスSiOにより形成されている。なお、第1、第2、第3の半導体層3,4,10が酸窒化物半導体材料により形成されている場合には、上記した第2実施形態と同様に、酸窒化物絶縁体材料により絶縁層5が形成されるとよい。
また、絶縁層5の上面には、絶縁層5に形成された透孔を介して薄膜双方向ツェナーダイオードD3のp型の第3の半導体層10に接続されることにより、ダイオード装置100bの外部電極を成すAu/Ti引出電極6が形成されている。また、絶縁層5の上面には、絶縁層5に形成された透孔を介して接続電極2に接続されることにより薄膜双方向ツェナーダイオードD3のp型の第1の半導体層3に接続されることによって、ダイオード装置100bの外部電極を成すAu/Ti引出電極7が形成されている。
以上のように、この実施形態では、p型半導体が本発明の「一方の導電型の半導体」に相当し、n型半導体が本発明の「他方の導電型の半導体」に相当する。
なお、この実施形態のダイオード装置100bは、図1(a)に示すダイオード装置100と一部の構成が異なるが、図2を参照して説明したダイオード装置100の製造方法と同様の製造方法によりこの実施形態のダイオード装置100aを製造することができる。
以上のように、この実施形態では上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、p型の第1の半導体層3およびp型の第3の半導体層10の間に、n型の第2の半導体層4が配置されることにより、上記した第2実施形態で説明した双方向ツェナーダイオードとほぼ等価な機能を有する薄膜双方向ツェナーダイオードD3を簡単に構成することができる。また、薄膜双方向ツェナーダイオードD3が、各半導体層3,4,10が積層方向に配置されることにより形成されるので、ダイオード装置100bの小面積化を図ることができる。
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。例えば、p型半導体およびn型半導体の積層順は上記した実施形態に例示されたものに限定されるものではなく、n型半導体が本発明の「一方の導電型の半導体」に相当し、p型半導体が本発明の「他方の導電型の半導体」に相当していてもよい。
また、上記した実施形態では、各半導体層はアモルファス材料により形成されているが、各半導体層が結晶質に形成されていてもよい。なお、特に低温で複数の半導体層が積層されて薄膜ダイオードが形成される場合には、少なくとも、後に形成される半導体層をアモルファス材料により形成するとよい。このようにすると、上記した効果を特に顕著に奏することができる。
また、上記した実施形態では、本発明の薄膜ダイオードとして、薄膜ツェナーダイオードD1,D2および薄膜双方向ツェナーダイオードD3が形成される例を挙げて説明したが、通常の一般的な整流特性を備える薄膜ダイオードが形成されてもよい。
また、ダイオード装置が、薄膜ツェナーダイオードD1,D2および薄膜双方向ツェナーダイオードD3を備える場合には、ダイオード装置を、一般用途の民生機器のESD(静電気放電:Electro-Static Discharge)保護回路を形成するのに使用することができる。この場合には、ダイオード装置を用いて形成されたESD保護回路が、静電気耐性の低い薄膜キャパシタ等の部品が備える基板等に搭載されるようにするとよい。このようにすると、ESD保護機能を備えるESD保護機能付部品を簡単に提供することができる。
また、ダイオード装置がESD保護回路を形成するのに使用される場合には、薄膜ツェナーダイオードD1,D2および薄膜双方向ツェナーダイオードD3の降伏電圧を、ESD保護回路が搭載される薄膜キャパシタ等の部品が通常使用される定格電圧よりも大きく設定すると共に、約40Vよりも小さくなるように設定するとよい。
また、ダイオード装置が基板を備える場合には、ガラス基板やセラミック基板、樹脂基板、Si基板など、ダイオード装置の使用目的に応じて適宜基板の種類を選択すればよい。
また、各半導体層を形成する半導体材料や耐湿保護膜を形成する絶縁体材料は上記した例に限定されるものではない。例えば、n型半導体材料としては、In−Zn−O系半導体薄膜で形成されてもよく、p型半導体材料としてはSr−Cu−O系半導体薄膜で形成されてもよい。例えば、耐湿保護膜が、アモルファスSiN(シリコンナイトライド)やアモルファスアルミナにより形成されていてもよい。
そして、薄膜ダイオードを備えるダイオード装置およびその製造方法に本発明を広く適用することができる。
1 基板(樹脂基板)
2 接続電極(金属電極)
3,8 第1の半導体層
4,9 第2の半導体層
5 絶縁層(耐湿保護膜)
100,100a,100b ダイオード装置
D1,D2 薄膜ツェナーダイオード(薄膜ダイオード)
D3 薄膜双方向ツェナーダイオード(薄膜ダイオード)
S 接合界面

Claims (10)

  1. p型半導体およびn型半導体のいずれか一方の第1の半導体層および前記第1の半導体層上に積層されたp型半導体およびn型半導体のいずれか他方の第2の半導体層を有するpn接合型の薄膜ダイオードと、
    前記pn接合界面の端縁を被覆する耐湿保護膜とを備え、
    前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のそれぞれが、酸化物半導体材料または酸窒化物半導体材料により形成され、
    前記耐湿保護膜が、アモルファス酸化物絶縁体材料またはアモルファス酸窒化物絶縁体材料により形成されている
    ことを特徴とするダイオード装置。
  2. 前記第2の半導体層は、アモルファス材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイオード装置。
  3. 前記第1の半導体層が、アモルファス材料により形成されていることを特徴とする請求項2に記載のダイオード装置。
  4. 前記薄膜ダイオードが薄膜ツェナーダイオードであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のダイオード装置。
  5. 2個の前記薄膜ツェナーダイオードを備え、
    前記両薄膜ツェナーダイオードは、
    互いの前記第2の半導体層が側に配置されて側面が対向するように並設され、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層のうちのいずれかが互いに接続電極により接続されることによって逆方向に直列接続されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のダイオード装置。
  6. 前記薄膜ツェナーダイオードは、前記第2の半導体層上に積層され、酸化物半導体材料または酸窒化物半導体材料により形成された前記一方の導電型の第3の半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のダイオード装置。
  7. 樹脂基板と、
    前記樹脂基板上に形成された平板状の金属電極とをさらに備え、
    前記薄膜ツェナーダイオードおよび前記耐湿保護膜が、平面視において前記金属電極の形成領域内に配置される
    ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のダイオード装置。
  8. (p型の前記第1の半導体層のキャリア濃度)<(n型の前記第2の半導体層のキャリア濃度)
    となるように設定され、p型の前記第1の半導体層のキャリア濃度が調整されることにより、前記薄膜ツェナーダイオードの降伏電圧が40Vよりも小さいように制御されていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のダイオード装置。
  9. 請求項4ないし8のいずれかに記載のダイオード装置を製造する製造方法において、
    前記各半導体層が形成される雰囲気の酸素分圧または窒素分圧を制御することでキャリア濃度を調整して、前記薄膜ツェナーダイオードの降伏電圧を制御することを特徴とするダイオード装置の製造方法。
  10. 前記耐湿保護膜は、スパッタ法または真空蒸着法により形成され、前記各半導体層および前記耐湿保護膜が形成される雰囲気の酸素分圧がほぼ等しいことを特徴とする請求項9に記載のダイオード装置の製造方法。
JP2014559022A 2013-08-19 2014-08-11 ダイオード装置およびその製造方法 Active JP5783340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014559022A JP5783340B2 (ja) 2013-08-19 2014-08-11 ダイオード装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013169453 2013-08-19
JP2013169453 2013-08-19
PCT/JP2014/071154 WO2015025754A1 (ja) 2013-08-19 2014-08-11 ダイオード装置およびその製造方法
JP2014559022A JP5783340B2 (ja) 2013-08-19 2014-08-11 ダイオード装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5783340B2 true JP5783340B2 (ja) 2015-09-24
JPWO2015025754A1 JPWO2015025754A1 (ja) 2017-03-02

Family

ID=52483531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014559022A Active JP5783340B2 (ja) 2013-08-19 2014-08-11 ダイオード装置およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5783340B2 (ja)
WO (1) WO2015025754A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110634959B (zh) * 2019-09-20 2021-01-08 山东大学 一种基于igzo肖特基二极管动态调控超材料的方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4568197B2 (ja) * 2005-09-15 2010-10-27 三洋電機株式会社 酸化物半導体素子
JP5261923B2 (ja) * 2006-10-17 2013-08-14 サンケン電気株式会社 化合物半導体素子
JP2008187060A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd メサ型半導体素子とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015025754A1 (ja) 2015-02-26
JPWO2015025754A1 (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7411221B2 (en) Light emitting device having protection element and method of manufacturing the light emitting device
US6911676B2 (en) Semiconductor LED device and method for manufacturing the same
US6593597B2 (en) Group III-V element-based LED having ESD protection capacity
KR102531224B1 (ko) 적층체
KR102382656B1 (ko) 적층체
KR101438811B1 (ko) 반도체 발광소자 및 그 제조방법
US7772669B2 (en) Semiconductor device having an improved structure for high withstand voltage
KR102413244B1 (ko) 구조물, 그 제조 방법, 반도체 소자 및 전자 회로
TW200805715A (en) High-efficiency, overvoltage-protected, light-emitting semiconductor device
US8237192B2 (en) Light emitting diode chip with overvoltage protection
KR100609968B1 (ko) 정전기 보호 기능을 갖는 발광 다이오드 및 그 제조 방법
JP6262856B2 (ja) オプトエレクトロニクス半導体チップ
JP5520073B2 (ja) 半導体装置
KR100905884B1 (ko) 보호 소자를 갖춘 발광소자
WO2016024387A1 (ja) 半導体装置
JP5783340B2 (ja) ダイオード装置およびその製造方法
US20120256288A1 (en) Schottky Diode and Method for Making It
US20120003762A1 (en) Method to Protect Compound Semiconductor from Electrostatic Discharge Damage
KR20070016898A (ko) 보호 소자를 갖춘 발광소자 및 그 제조방법
JP2010205891A (ja) 半導体装置
KR101457207B1 (ko) 정전기 방전 보호소자가 구비된 발광 다이오드
US9721915B2 (en) Semiconductor device
US11239226B2 (en) Semiconductor apparatus
US9865748B2 (en) Semiconductor structure and method for manufacturing the same

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150623

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5783340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150