JP5781305B2 - 距離を測定する装置及び方法並びに適当な反射部材 - Google Patents

距離を測定する装置及び方法並びに適当な反射部材 Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の前提部に記載された距離測定装置並びに距離を測定する方法及び適当な反射部材に関する。
とりわけ、例えば流体直線往復運動型駆動装置、空気圧シリンダ及び油圧シリンダのピストン位置を測定するために従来型距離測定装置が用いられている。シリンダに関するピストン位置の検出は、不連続に、即ちとびとびの時点で実施されると共に連続的に、即ち作動中に常時実施される場合がある。
一般に、ピストン運動の実施又は終わりをシーケンス制御システム(例えば、SPS)にフィードバックし、かくして例えば次のシーケンスステップを開始させるために、不連続ピストン位置測定が必要である。
この目的のために、主として、磁界に敏感なセンサ又はセンサ装置が用いられ、かかるセンサ又はセンサ装置は、シリンダピストンに取り付けられた永久磁石の磁界を検出する。この場合に用いられるセンサは、ピストンシリンダのシリンダ管の外部に装着される。ピストンがこの種のセンサの検出範囲内に動いた場合、センサは、シリンダ管中のシリンダピストンの存在を認識する。このため、主として、非鉄系材料の使用が必要であり、従って、駆動装置の構造的特性及び用途が制約される。
しかしながら、ピストンの別の位置を検出した場合、センサは、それに対応して機械的に調整されなければならない。その結果、各位置を検出するためには、更に別のセンサを装着しなければならず、これには、関連の追加の材料、取り付け具、調整費及び設置費が伴う。これは、一般に、顧客の構内で行われる。この場合、シリンダは、接近が困難な機械の中に既に組み込まれている場合が多く、外部に装着された磁気スイッチを機械的に動かすことにより切り替え距離を調整することは、もはや可能ではない。
さらに、これら外部装着型センサの場合、追加の設置空間が必要である。センサの接近性及び堅牢性を保証できるよう追加の構造的複雑さが必要な場合が多い。
これらの形式のセンサは、主として、磁界に敏感なセンサの形態をしており、リードスイッチ、磁気抵抗(MR)スイッチ、大型磁気抵抗(GMR)スイッチ、ホールスイッチ又は磁気誘導近接スイッチとして知られている。
磁石をセンサ装置に複雑に協調させることが磁界の検出に必要である。さらに、この測定原理では、静的及び動的磁界(EMV、近くのシリンダの磁界)並びにセンサの温度特性が妨害されることにより利用可能性が制限される。
ピストン位置の連続測定のため、一般に、LVDT(Linear Variable Differential Transformer:線形可変差動変圧器)原理に従って又は超音波原理に従って電位差方式又は磁気ひずみ方式で機能する測定システムが用いられている。これらのシステムでは、ピストン位置は、連続的に且つ主としてアナログ電圧信号として出力される。LVDT原理に基づくセンサは、オンに切り替えられると基準経路を常に必要とする。磁気ひずみセンサは、シリンダの外部か中空ピストンロッドの内部かのいずれかに取り付けられる。両方の取り付け手段は、複雑さが実質的に増大するということを意味し、かかる取り付け手段は、中空ピストンロッドの場合、駆動装置の安定性を妨げ又は弱めがちである。超音波センサは、空気圧シリンダ及び油圧シリンダでは経路測定について限定された度合いまで適しているに過ぎない。というのは、測定精度は、シリンダ圧力で変化するからである。漸増経路測定法は、これらシステムの補完手段としても知られている。これらシステムは、例えば、ピストンロッドのコード化によって具体化され、従って、相対経路測定に使用できるに過ぎない。
連続ピストン位置測定方式も不連続ピストン位置測定方式もシリンダに組み込むことができず、或いは、これら測定方式を組み込むには、必ず相当な構造的複雑さ及び関連の高いコストが生じる。相当な構造的複雑さは、上述した確立されたセンサ原理の全てを対応のシリンダ長さに合わせなければならないということに起因している。というのは、これらセンサ原理の検出範囲は、短すぎるからである。
空気圧及び油圧シリンダ内のピストン位置を求める理想的な経路測定システムは、次の特性、即ち、
‐ピストンを位置決めするための精度が100μmの連続絶対経路測定、
‐シリンダのカバー内への分析エレクトロニクスを備えたセンサの完全組み込み、
‐切り替え距離が電子インタフェース(教示(ティーチイング)機能)により外部から調節可能であるべきこと、
‐シリンダ長さとは無関係に広く利用可能なセンサ、
‐シリンダ内の圧力、油及び湿度とは無関係な測定結果、
‐空気圧シリンダでは例えば最高10バールの圧力及び6m/秒ピストン速度までの信頼性のある測定結果を有する。
別の先行技術が、独国特許出願公開第10205904.7号明細書に記載されている。
独国特許出願公開第10205904.7号明細書
事実、この独国特許出願公開明細書に記載されている測定システムには、大きな直径(50mmを超える直径)を有するシリンダに関して以下の問題がある。即ち、
‐ピストン停止部及びアンテナ保持部のためのプラスチック製リングが非常に大きい。これらプラスチック部品は、既製の物品として最大直径が60mmまでに利用できるに過ぎない。これよりも大きな直径の場合、高価な特注のモデルが必要である。さらに、プラスチックは、経時的に水を吸収し又は使用条件に応じて水を放出し、このようにして、測定条件を変化させる。この場合、測定結果は、不正確になり、もはや仕様に一致しない ‐例えば空気圧ピストンの伝統的な端位置減衰(end position damping)は、測定精度を犠牲にしてプラスチックで作られた可動ブレーキリングによってしか達成することができない。
独国特許出願公開第10205904.7号明細書に記載された測定システムの別の欠点は、次の通りである。即ち、
‐空気圧シリンダ内の従来型ピストンは、比較的薄く、一般に、リードスイッチが外部に装着された状態で作動を可能にするためには中央に磁気リングを有するということである。これらピストンは、電磁波のための理想的な反射部材とはならない。電磁波の一部は、ピストンに沿ってこの背後に位置しているシリンダの機能空間内に入り、時間が遅延した状態で戻り、有用な信号を妨害する。これにより、測定精度が実質的に悪化する。さらに、全体がプラスチックで作られたピストンが存在する。これらピストンは、電磁波のための反射部材を全く構成しない。上述の独国特許出願公開明細書に記載された方法は、全く役に立たない。
‐さらに、プラスチックで作られたカバーに設けられているピストン停止部の欠点は、プラスチックが頻繁なピストン衝撃によって固まり、従ってカバーの機能空間の物理的条件が、高周波センサについて変化するということにある。さらに、測定精度が悪化する。
‐加うるに、小径のシリンダでは、別々のエレクトロニクスをシリンダカバー内に一体化することは、非常に困難である。この場合、エレクトロニクスの一部は、例えばシリンダ壁の外部に複雑な仕方で設けられなければならない。
したがって、本発明の目的は、上述した欠点を解決し、連続した且つかくして離散的な距離測定、単純な取り扱い及び広い使用可能性を実現することができる距離測定装置、反射部材及び距離測定方法を提供することにある。
この目的は、請求項1及び請求項39の特徴を有する装置並びに請求項30の特徴を有する方法によって達成される。
本発明によれば、反射部材の幾何学的設計により、反射部材の撓み時に結合プローブが接触しないで反射部材の内部に、特にカラー内に突入することが可能になる。結合プローブの位置の変位は、阻止され、測定精度が保持される。カラーが設けられているので、反射部材の減速プロセスをプラスチック製リングが距離測定に悪影響を及ぼさない状態で実施することが可能である。というのは、プラスチック製リングは、反射部材内に配置されていないからである。
さらに、本発明によれば、線構造体は、誘電体拘束システムにより導波路を介してHFトランシーバを結合プローブに接続する供給領域を備えた供給ブロックを有する。本発明のこの構成では、シリンダのカバー内への分析エレクトロニクスを備えたセンサの完全組み込みが可能である。したがって、追加の部品を外部に装着する必要はない。対応の切り替え距離は、好ましくは、電子インタフェースにより分析エレクトロニクスを介して外部で調節できる。本発明の距離測定装置は、基本的に、シリンダ長さとは無関係に広く利用できる。さらに、測定結果は、シリンダ内の圧力、油及び空気湿度とは無関係に高信頼度で正確であることが判明した。
本発明によれば、距離測定装置及び距離測定方法が利用可能であり、センサ装置は、電磁波を放射したり受け取ったりすることにより例えば線構造体(線構造体は、例えば、空気圧シリンダの内部、即ち、円形中空導体である)内の特定の距離を測定するのに役立つ高周波供給システムを有し、供給システムは、例えば線構造体中に組み込まれる。供給システムのこの組み込みに基づいて、距離測定装置は、小型の構造を有することができ、しかも、構造的改変又は改造を事実上不要にすることができ又は必要な構造的改変又は改造をほんの僅かにすることができる。したがって、本発明の距離測定装置の全体的構造は、外部センサ装置の取り付けの可能性を行わなくて済むのできれいで流麗な設計を有することができ、外観に悪影響を及ぼすことがない。本発明の距離測定装置では、設置上の節約が達成される。というのは、あらかじめ製作されたシリンダは、制御及びデータ収集のための1本の接続ケーブルしか備えていないからである。本発明の方法では、線構造体の長さは、短絡部(例えば、空気圧及び油圧シリンダでは反射部材としてのピストン)に一致し、この短絡部も又、可動である。本発明の方法に従って提供される送信信号は、線構造体中に送り込まれ、好ましくは、短絡部(即ち、シリンダピストン)によって反射される。このようにして、結合プローブにより定められた供給箇所と線構造体の短絡部との間の距離の測定が実施される。この場合測定されるべき距離は、送信信号と受信信号との位相差を測定することにより求められる。
より具体的に説明すると、本構成は、次の通りである。
RF供給システムは、同軸モノポール刺激システムを有する。横電磁波(TEM波)を同軸入口領域(3)内に供給することにより、固有のE場型のE01波による円形中空導体波は、モノポールシステムにより刺激される。この波は、動作中のシリンダ内で軸方向に伝搬する。この波が反射部材(空気圧及び油圧シリンダ内のピストン)に当たった場合、波は、反射されて変換され、そして刺激部分(モノポール)を介して同軸線システム中に送り込まれる。モノポール供給手段は、位置決め及び圧力安定化のために好ましくはPPS Gf40材料で作られた誘電体拘束システム(1)を有する三段同軸変換段(2)を有する。
大きな直径を備えたシリンダでは、誘電体拘束システムは、部分的に誘電体支持体の形態で具体化できるに過ぎない。ピストン端停止部は、アルミニウムで作られていて、端部品としてピストンに装着されるカップ状部品(3)を形成するカラーが取り付けられたベースプレートによって形成される。この場合、カップは、衝撃時にアンテナが接触することなくカップ内に突入するよう形成されている。プラスチック製プレート(4)は、軽い衝撃を可能にするためにカップの前面に設けられる。このカップは、更に、送信電磁波のための反射部材としての役目を果たす。理想的な反射条件を達成するために、反射部材の周囲に沿って所謂「ひだ」(5)が設けられる。これらは、電磁波の短絡部を構成するフライス加工された溝である。したがって、溝の数に応じて、ほぼ完全な短絡部を作ることができる。実際には、2つの溝で十分である。溝の深さは、用いられる電磁波の送信周波数の波長の1/4に相当している。反射部材の更に有利な実施形態は、端位置減衰の機能を実行するために設計可能な反射部材から成る。端位置減衰が行われない場合、ピストンは、減速することなくカバーに衝突することになる。これにより、痙攣のような動きが生じると共に駆動システムの損傷が生じる場合がある。伝統的な端位置減衰は、ピストンがセンサに向かってピストンを越えて突き出ること及び円錐形状に延びるプラスチック製アタッチメントを備えることにより達成される。端カバーに設けられた対応物は、プラスチック製リングを形成し、その内径は、ピストンロッドが円錐形状に延びるプラスチック製アタッチメントと共に突入することができるようなサイズのものである。プラスチック製リングの内径が円錐形ピストンロッドアタッチメントの外径に一致している場合、ピストンは、減速される。シリンダが減速プロセスに続き滑らかに始動することができるようにするために、プラスチック製リングは、これが例えば数ミリメートル軸方向に動くことができるようカバーに設けられる。ピストンが減速プロセスに続き再び始動する場合、ピストンは、プラスチック製リングをその停止部まで同伴する。この場合にピストンの有する運動エネルギーにより、穏やかな揺れ(振動)が生じ、プラスチック製リングは、ピストンロッドの円錐形プラスチックアタッチメントから解除される。減速プロセスは、カバーとねじにより調節可能なシリンダ空間との間の空気交換によって支援される。HF経路測定システムの欠点は、カバー空間内のプラスチック製リングの運動により、センサにとっての物理的状況が変化し、その結果、測定精度が実質的に悪化するということにある。基本的に、伝統的な端位置減衰は、本発明により提案された構成でも実施できる。プラスチック製リングは、カバー内に着座し、ピストンロッドの円錐形延長部は、反射部材に設けられる。この解決策の利点は、プラスチック製リングの運動が今や、カップによって隠され、即ち、アンテナがプラスチック製リングの運動に起因してカップ内に突入することによりセンサ信号をもはや妨害することができないということにある。同様に有利な実施形態は、動作方式を逆にした場合に達成される。この場合、可動プラスチック製リングは、カップの外面に装着され、カバー突入面は、円錐形状に形成され、プラスチックで被覆される。反射部材上でこれに沿うリングの運動は、電磁波に悪影響を及ぼさない。というのは、プラスチック製リングは、もはや、アンテナの付近に配置されていないからである。同様に、空気圧補償は、カバー内に有利に達成される。モノポールアンテナのすぐ隣りのプラスチック製部品の全ては、水吸収率が低い、例えば、PPS Gf40のプラスチック材料で作られなければならない。
ピストンロッドと後方カバーとの間の空気圧シリンダ全体は、導入されたプロセスの実施中、例えば円形中空導体として観察される。センサの送信周波数は、電磁波(例えば、E01モードの電磁波)のモノモーダル伝搬が可能であるようにシリンダの幾何学的寸法に従って選択される。低い次数の中空導体モードの刺激は、供給手段の幾何学的形状によって阻止される。シリンダ内における電磁波の刺激は、上述した仕方で例えばモノポール(即ち、アンテナ)により実施される。反射率計の原理によれば、波は、円形中空導体(即ち、空気圧シリンダ)内で伝搬し、ピストン(即ち、短絡部)で反射される。ピストンとセンサとの間の距離を連続的に測定することができるようにするためには、送信信号を調整しなければならない。これは、周波数変調の形態で実施でき又は多くの周波数を有する送信信号と受信信号との間の位相差を分析することにより実施できる。送信周波数は、一般に、100MHz〜25GHzである。
本発明の別の有利な実施形態は、従属形式の請求項の内容である。
誘電体補助リングを使用することは、可動反射部材のための停止安全装置として役立ち、供給システムの電磁設計で考慮に入れられる。
線構造体が円形中空導体、好ましくは反射部材としてのピストンを備えたシリンダであれば、特に有利であることが判明した。この種の円形中空導体は、例えば、空気圧シリンダ又は油圧シリンダであるのが良い。したがって、今日まで経験した欠点は、特に、これらの用途の場合解決される。
拘束システム、結合プローブ及び同軸供給領域を挿入することができるボアホールが供給ブロックに設けられていることにより、単純な取り付けが保証され、距離測定装置全体を既存の線構造体中にほぼ任意の仕方で組み込むことができる。
請求項15によれば、結合プローブが、モノポール刺激システムとして設計され、電磁波の供給が、同軸状に具体化されて多段同軸変換ステップによって円形中空導体波をモノポールに送り込むと共にモノポールに変換することができるようにすれば有利であることが判明した。導電性シリンダが中央に設けられると共に導電性ピンが同軸供給手段の内部導体として取り付けられるレベルベース領域を有するのが良い多段同軸変換段によって、供給手段全体を単純に具体化することが可能である。
拘束システムは、誘電体、例えばレキサンから成り、シリンダ内における結合プローブの位置決めのために用いられる。さらに、かかる拘束システムは、圧力(例えば、空気圧シリンダ内で10バール)を受けると、所要の機械的安定性をもたらす。連続生産中、モノポール刺激システムをシリンダカバー中に挿入し、誘電体拘束システムがプラスチック射出成形法によりモノポール刺激システムをシリンダカバーに連結することにより供給ブロックを特に使用効果良く製造することができる。
請求項19によれば、電磁波は、100MHz〜25GHzの高い周波数範囲で送られる。線構造体として用いられるシリンダの寸法及び測定並びに波モードに応じて、用いられる波モードの周波数の下限よりも高い適当な周波数が選択される。
有利な別の実施形態は、別の従属形式の請求項の内容である。
次に説明する図面により、本発明の距離測定装置の実施形態が記載されている。
一体形線構造体中の距離測定装置の略図である。 本発明の距離測定装置(左側)及び組み立て状態にある本発明の距離測定装置(右側)の分解組立て斜視図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントの略図である。 高周波チップのブロック図である。 先行技術による従来型線構造体を示す図である。 先行技術による従来型線構造体を示す図である。 反射部材の端位置のところでの反射部材のシーケンスを示す図である。 反射部材の端位置のところでの反射部材のシーケンスを示す図である。 反射部材の端位置のところでの反射部材のシーケンスを示す図である。 反射部材の端位置のところでの反射部材のシーケンスを示す図である。
図1には、線構造体1及び供給領域2を備えた供給ブロックを有する本発明の距離測定装置が示されており、供給領域は、導波路7を備えた誘電体拘束システム5を介して結合プローブ3を有している。加うるに、誘電体補助リング9が示されており、この誘電体補助リングは、一方において、機械的停止安全装置として役立つと共に補助調整及び放射システムとして設計されている。
本発明の距離測定装置の個々のコンポーネントが、図2により明確に示されており、必要不可欠なコンポーネント、例えば供給領域2を備えた供給ブロックが、分解組立て図に再現されている。また、誘電体拘束システムが同軸導波路内に収容可能なピンを含むモノポール(単極子)又はモノポール刺激システムの形態をした結合プローブ3を保持していることが明確に理解できる。加うるに、誘電体補助リング9が示されている。同様に、カップ状要素を形成するカラーが取り付けられた反射部材が示されており、この反射部材のベースプレートは、有利には溝構造を有する。
良好な理解を得るために、本発明の距離測定装置及び距離測定方法の動作モードを明確に説明する。
供給システムは、同軸モノポール刺激システムを有する。横電磁波、即ちTEM波を同軸供給及び入力領域3内に送ることにより、固有のE場型のE01波による円形中空導体波は、モノポールシステムにより刺激される。この波は、動作中のシリンダ内で軸方向に伝搬する。この波が反射部材(空気圧及び油圧シリンダ内のピストン)に当たった場合、波は、反射されて変換され、そして刺激部分(モノポール)を介して同軸線システム中に送り込まれ、HFトランシーバ(送受信ユニット)上に運ばれる。モノポール供給手段は、位置決め及び圧力安定化のために好ましくはPPS Gf40材料で作られた誘電体拘束システム5を備えた結合プローブ3として多段同軸変換段を有する。大きな直径を備えたシリンダでは、誘電体拘束システムは、部分的に誘電体支持体の形態で具体化できるに過ぎない。ピストン端停止部は、例えばアルミニウムで作られていて、端部品としてピストンに装着されるカップ状部品6によって構成される。この場合、カップは、衝撃時にアンテナが接触することなくカップ内に突入するよう形成されている。プラスチック製プレート7は、衝撃を軽くすることができるようにするためにカップの前面に設けられる。このカップは、更に、送信電磁波のための反射部材としての役目を果たす。理想的な反射条件を達成するために、反射部材の周囲に沿って所謂「ひだ」8が設けられる。これらは、電磁波の短絡部を構成するフライス加工された溝である。したがって、溝の数に応じて、ほぼ完全な短絡部を作ることができる。実際には、2つの溝で十分である。溝の深さは、空気を溝の中に入れた場合に用いられる電磁波の送信周波数の波長の1/4に相当している。溝に誘電体、例えばテフロン(登録商標)を詰め込むと、溝の深さを実質的に短くすることができる。実際には、誘電体リングが挿入される。反射部材の更に有利な実施形態は、端位置減衰の機能を実行するために設計可能な反射部材から成る。端位置減衰が行われない場合、ピストンは、減速することなくカバーに衝突することになる。これにより、痙攣のような動きが生じると共に駆動システムの損傷が生じる場合がある。伝統的な端位置減衰は、ピストンがセンサに向かってピストンを越えてセンサに向かって突き出ること及び円錐形状に延びるプラスチック製アタッチメントを備えることにより達成される。端カバーに設けられた対応物は、合成リングを形成し、その内径は、ピストンロッドが円錐形状に延びるプラスチック製アタッチメントと共に突入することができるようなサイズのものである。プラスチック製リングの内径が円錐形ピストンロッドアタッチメントの外径に一致している場合、ピストンは、減速される。シリンダが減速プロセスに続き滑らかに始動することができるようにするために、プラスチック製リングは、これが例えば数ミリメートル軸方向に動くことができるようカバーに設けられる。ピストンが減速プロセスに続き再び始動する場合、ピストンは、プラスチック製リングをその停止部まで同伴する。この場合にピストンの有する運動エネルギーによって、穏やかな揺れ(振動)が生じ、プラスチック製リングは、ピストンロッドの円錐形プラスチックアタッチメントから解除される。減速プロセスは、カバーとねじにより調節可能なシリンダ空間との間の空気交換によって支援される。HF経路測定システムの欠点は、カバー空間内のプラスチック製リングの運動により、センサにとっての物理的状況が変化し、その結果、測定精度が実質的に悪化するということにある。伝統的な端位置減衰は、本発明により提案された構成でも実施できる。プラスチック製リングは、カバー内に着座し、ピストンロッドの円錐形延長部は、反射部材に設けられる。この解決策の利点は、プラスチック製リングの運動が今や、カップによって隠され、即ち、アンテナがプラスチック製リングの運動に起因してカップ内に突入することによりセンサ信号をもはや妨害することができないということにある。同様に有利な実施形態は、動作方式を逆にした場合に達成される。この場合、可動プラスチック製リングは、カップの外面に装着され、カバー突入面は、プラスチック製リングの装着により円錐形状に形成される。反射部材上でこれに沿うリングの運動は、電磁波に悪影響を及ぼさない。というのは、プラスチック製リングは、もはや、アンテナの付近に配置されていないからである。
モノポールアンテナのすぐ隣りのプラスチック製部品の全ては、水吸収率が低い、例えば、PPS Gf40のプラスチック材料で作られなければならない。
次に、空気圧シリンダによって本発明の方法の構成を説明する。この場合、ピストンロッドと後方カバーとの間の空気圧シリンダ全体は、導入されたプロセスの実施中、例えば円形中空導体として考慮される。センサの送信周波数は、電磁波(例えば、E01モードの電磁波)のモノモーダル伝搬が可能であり且つ高い次数の中空導体モードの刺激が、供給手段の幾何学的形状によって阻止されるようシリンダの幾何学的寸法に従って選択される。低い次数の中空導体モードの刺激は、供給手段の幾何学的形状によって阻止される。シリンダ内における電磁波の刺激は、上述した仕方で例えばモノポールにより実施される。反射率計の原理によれば、波は、円形中空導体(即ち、空気圧シリンダ)内で伝搬し、ピストン(即ち、短絡部)で反射される。ピストンとセンサとの間の距離を連続的に測定することができるようにするためには、送信信号を調整しなければならない。これは、周波数変調の形態で実施できる。しかしながら、この場合、高い距離分解能を達成するためには、大幅な周波数シフトが必要である。実際には、送信信号と受信信号との位相差の次の分析により明確な距離範囲を結合プローブとピストンとの間の距離に関する非常に正確な測定値として達成するために、例えば3つの互いに異なる周波数(例えば、5.8GHz、6.0GHz、6.2GHz)を有するCW信号の送信がより有利である。用いられる周波数の数及び周波数の位置は、先ず最初に、測定されるべき最大距離及び位相角度測定に関連した所要の誤差許容度に依存する。一般に、2つの測定周波数相互間の周波数の差が僅かであれば、測定可能な最大距離は長いが、2つの連続した期間相互間の差には、周波数の差が大きい場合よりも位相角測定の高い精度を必要とする。したがって、耐干渉性は、個々の測定周波数相互間の差が大きい場合高い。
十分な耐干渉性を備えた広い測定範囲が測定される場合、適当な周波数位置を備えた多くの測定周波数が必要である。この理由で、この場合、送信周波数の差が僅かである(測定範囲が広い)と共に周波数差(耐干渉性)が大きい周波数対が必要である。
位置の精度は、実質的に測定周波数が最も高い場合に位相角測定の精度によって決まる。というのは、この場合、波長が最も短いからである。以下の公式が適用される。
経路変化=位相角変化×波長/180°
マイクロ波によるピストン位置測定は、次の原理に基づいている。即ち、適当な周波数の電磁波をシリンダ内に結合する。シリンダそれ自体は、電磁波のための線構造体として働く。電磁波は、シリンダ内を反射部材としてのピストンまで進む。電磁波は、主として、ピストンで反射される。というのは、ピストンは、電気的に短絡部と同様に挙動するからである。反射した電磁波は、シリンダに戻り、これ又結合を行う手段としての同一の構造体によりシリンダから再び切り離される。結合信号と反射信号との間の位相角を測定する。ピストンがその位置を変化させると、電磁波がシリンダ内で進む経路も又、変化する。経路の変化は又、信号持続時間に変化を生じさせ、従って、到来する電磁波と反射された電磁波との間の別の位相角に変化を生じさせる。したがって、到来信号と戻り信号との間の位相差をピストン位置の尺度として用いることができる。ピストン位置と位相角φとの間の以下の相関関係が結果として得られる。
上式において、φ0は、主として供給及び結合により定められる位相ずれである。これは、一定であり、従って、実際の位置測定に影響を及ぼさない。上述の方程式は又、あらかじめ特定された位置測定精度を達成することができるようにするために所要の位相測定精度を与える。
位相測定では、たった1つの周波数だけを用いた場合、基本的に位相角φとφ+n×360°を互いに識別することができないので、最大ピストン行程がλ/2未満までのシリンダを測定することができる。しかしながら、2つ又は3つ以上の周波数を用いた場合、実質的に長い距離のピストンを測定することが可能である。2つの周波数では、2つの波長は、大幅に違わなければならないということはない。長さlのシリンダの場合、以下の不等式が波長について適用される。
反射信号の位相角を直接的には測定できず、従って、ミキサ出口で測定された電圧は、ピストン位置に正比例していないので、位置探索のための適当なアルゴリズムが必要である。出力信号は、周期的に繰り返されるので、とりわけ、位置探索が明確に実行されることが保証されなければならず、即ち、ピストンの位置する周期を明確に求めることができなければならない。位置を求めるための1つの考えられる手段は、1つの周波数スイープ中、多くの測定値を記録することである。次に、これら測定値をFFT又はDFTによって周波数範囲に変換する。すると、生じたスペクトルの最大の位置からピストンの位置を求めることができる。測定値を記録する際に二段抽出法の実施が可能でなければ、本発明の方法により、曖昧さと関連した問題は生じることがない。この方法により、位置表を記録しないで、ピストン位置に関する値も又既に得られている。欠点は、一方において、比較的多量の測定点を記録しなければならないこと及び計算に必要な時間が比較的長いことである。
もう1つの考えられる手段は、ほんの僅かな周波数を用いて測定を行い、位置表によってピストン位置を求めることである。かくして、測定値を位置表の位置の値と比較することは容易である。この場合、求められた位置は、測定値に最も近い表値に対応している。この方法では、曖昧さが生じるということが欠点である。直接的な位相測定は実施されないので、上述の条件を観察することによっては明確さを保証することができない。より正確な研究の示すところによれば、ちょうど2つの測定周波数を用いた場合、シリンダがλ/2よりも長い場合、測定値が同一の箇所が常時存在する。実際には、これは殆どの場合なので、少なくとも3つの周波数を用いて実施されるべきである。3つの測定周波数が広く選択された場合、3つ全ての測定値が同一である位置は存在しない。しかしながら、実際には、測定値は、或る特定の測定誤差がある場合でも明確さを保証することができるようにするために2つのピストン位置には最小量だけ互いに異ならなければならない。したがって、特にシリンダの長さが長い場合、4つ以上の周波数の使用が有利な場合がある。さらに、このようにすると、測定精度も又向上する。というのは、周波数が1つの場合にのみ生じるノイズ又は測定誤差が抑制されるからである。
送信信号及び受信信号を対応のHFエレクトロニクスで発生させる。この目的のため、同軸導体(即ち、モノポールのピン)は、HFエレクトロニクスを備えたはんだ接合部、プラグ又は結合連結部により導体ボードに接続される。HFエレクトロニクスは、例えばシリコンゲルマニウムで作られた単一のチップ基板の形態をしている。この場合に設けられるコンポーネントの1つであるHFチップがブロック図に示されている。オシレータ(VCO=電圧制御オシレータ)が、高い周波数の信号、例えば24GHzの信号を発生させる。オシレータ周波数は、制御ループによって安定化される。この目的のため、オシレータ出力信号は、例えばファクタ16により周波数に分割され、PLLによって水晶精度で調整する。この場合、送信ブランチには、切り換え可能な分割器が設けられ、この切り換え可能な分割器は、分割比によって最終送信周波数を定める。オシレータ周波数が24GHzの場合、これは、12GHz、6GHz、3GHz、等であって良い。周波数に対応した関連の電力増幅器は、選択された分割比に従って外部回路によって起動される。次に、信号をモノポールアンテナにより放射する。電磁波は、反射部材で反射した後、モノポールアンテナを介して受信され、そして2つの方向性結合器により受信器に送られる。受信器は、IQレシーバの形態をしている。設定された周波数に応じて、受信器の中間周波数(IFアウト)は、アナログ/ディジタル変換を受け、FPGA(フリープログラマブルゲートアレイ)で分析される。その結果、センサとピストンとの間の距離の値が得られる。後者は、アナログで、例えば0〜20mA又は0〜10Vインタフェースかディジタルで、例えばCANバスかのいずれかでSPSに送られる。機能がDSP(ディジタル信号プロセッサ)を妨害するFPGAには、インタフェースの部品、メモリ及びPLL制御装置の部品が設けられる。
基本的には、端位置減衰の原理は、運動学的逆転の意味において逆に実施することができ、即ち、可動プラスチック製リングがカバー内に設けられ、円錐形状に延びるプラスチック製ピンがカップの外面上に設けられるということが強調されるべきである。
図13a〜図13dによれば、供給ブロックを備えた反射部材の端位置のところでの反射部材のシーケンスが示されている。この場合、主として、一体形マイクロ波センサを用いた場合の空気圧端位置減衰の実施について、特に、マイクロ波アンテナ又は送信信号を送る結合プローブがここに載るために不可能な先に公開されている中央減衰方式の実施と対照して説明する。しかしながら、この時点において、マイクロ波センサシステムを用いないで、この種の減衰も又、シリンダに利用できる。
基本構造は、中央に位置決めされた結合プローブと、ベースプレート及び取り付けカラーを備えたカップ形ピストンの形態をした反射部材と、供給ブロックに凹部として設けられたシリンダフロアのカップ形ピストン用の突入又はプランジ領域を特徴的に示している。
図13aは、カップ形ピストンがシリンダフロアにどのように近づくかを機能的に示している。図13bでは、ピストンは、シリンダフロアのプランジ領域内に嵌まり込み、密封リングによって凹部の空気シールを閉鎖し、ピストンのそれ以上の運動の際に、過剰圧力が供給ブロックの凹部内に生じるようにする。図13cでは、ピストンを凹部のプランジ領域内に移動させたスナップショットが示されており、結合プローブ周りにおけるプランジ領域内の過剰圧力は、この場合にも設けられているバイパスボアホールによってゆくりと減少する。図13dには、圧力をシリンダフロアに加えることにより、カップ形ピストンをどのように出して空気シールが開くかが示されている。空気シール周りの圧縮空気は、シリンダ内に流入し、力をピストン領域全体に及ぼすことができる。

Claims (7)

  1. ピストンに送信信号を送り込む少なくとも1つの結合プローブを有するセンサ装置と、
    前記送信信号を反射する材料からなるベースプレート、および当該ベースプレートに取り付けられてカップ状要素を形成するカラーを含み、前記ピストンに取り付けられるピストン付属物と、
    前記ベースプレートによって反射された信号に基づいて、前記結合プローブと前記ピストンとの間の距離を分析するための分析エレクトロニクスと、
    シリンダに横電磁波を送るための供給ブロックであって、前記シリンダに接続されるとともに前記カラーが突入する凹部を備えた供給ブロックとを備え、
    前記カラーと気密性を生じさせる密封リングが前記凹部内に設けられ、
    前記カラーが前記凹部に突入する前記ベースプレートの端位置において、前記結合プローブは前記カップ状要素内に突入し
    前記ベースプレートは、その面に、円周方向に延びる溝構造体を有する、距離測定装置。
  2. 前記溝構造体は、少なくとも2つの溝を有する、請求項1記載の距離測定装置。
  3. 前記溝は、誘電体で満たされている、請求項2記載の距離測定装置。
  4. 端位置減衰を行うために、前記カラーの前記端位置に環状要素が設けられている、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の距離測定装置。
  5. 端位置減衰を行うために、前記カラーの外面に取り付けられた環状要素が設けられ、前記環状要素は、前記カラーの前記外面に対応した表面を有するとともに円錐状に延びている、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の距離測定装置。
  6. 前記シリンダは、前記結合プローブを備えた誘電体拘束システムにHFトランシーバを導波路により接続する供給領域を備えた供給ブロックを有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の距離測定装置。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一に記載の距離測定装置を用いて距離を測定する方法であって、
    結合プローブを備えた誘電体拘束システムに導波路によりHFトランシーバを接続する供給領域を備えた供給ブロックを有するピストン及びシリンダを用意するステップと、
    前記ピストン付属物を前記ピストンに取り付けるステップと、
    前記結合プローブにより定められた供給箇所と前記ベースプレートとの間の距離を測定するステップを有し、少なくとも2つの送信信号が、互いに異なる周波数を有する電磁波として、前記結合プローブを介して結合される、方法。
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