JP5778260B2 - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像レンズおよび撮像装置に関し、より詳しくは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いた車載用カメラ、携帯端末用カメラ、監視カメラ等に使用されるのに好適な撮像レンズ、および該撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
CCDやCMOS等の撮像素子は近年非常に小型化および高画素化が進んでいる。それとともに、これら撮像素子を備えた撮像機器本体も小型化が進み、それに搭載される撮像レンズにも良好な光学性能に加え、小型化が求められている。一方、車載用カメラや監視カメラ等の用途では、小型化とともに、安価に構成可能で、広角で高性能であることが求められている。
上記分野において従来知られている比較的レンズ枚数の少ない撮像レンズとしては、例えば下記特許文献1〜3に記載のものがある。特許文献1〜3には、非球面レンズを含む4枚構成の撮像レンズが記載されている。
特開2006−259704号公報 特開2011−65132号公報 台湾実用新案登録第390459号
ところで、車載用カメラや監視カメラ等に搭載される撮像レンズに対する要求は年々厳しくなっており、さらなる小型化、低コスト化、広角化および高性能化が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑み、小型化、低コスト化、広角化および高性能化が実現可能であり、さらには使用する撮像素子に制限のない撮像レンズ、および該撮像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の撮像レンズは、物体側から順に、負の第1レンズと、負の第2レンズと、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズと、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズとを備え、
下記条件式(3)を満足することを特徴とするものである。
1.0<|f2/f|<2.6 … (3)
ただし、
f:全系の焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
本発明の第2の撮像レンズは、物体側から順に、負の第1レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の第2レンズと、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズと、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズとを備え、
下記条件式(3−1)を満足することを特徴とするものである。
1.0<|f2/f|<2.7 … (3−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
本発明の第3の撮像レンズは、物体側から順に、負の第1レンズと、両凹形状の負の第2レンズと、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズと、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズとを備え、
下記条件式(10)を満足することを特徴とするものである。
1.5<(D4+D5)/f<3.3 … (10)
ただし、
D4:前記第2レンズと前記第3レンズとの光軸上の空気間隔
D5:前記第3レンズの中心厚
f:全系の焦点距離
また、上記本発明の第1〜第3の撮像レンズにおいては、下記条件式(1)〜(2)、(4)〜(9)、(11)〜(20)、(4−1)〜(7−1)、(11−1)、(12−1)、(12−2)を満足することが好ましい。なお、好ましい態様としては、下記条件式(1)〜(2)、(4)〜(9)、(11)〜(20)、(4−1)〜(7−1)、(11−1)、(12−1)、(12−2)のいずれか1つの構成を有するものでもよく、あるいは任意の2つ以上を組合せた構成を有するものでもよい。
2.25<νd2/νd3 … (1)
0.09<Nd3−Nd2 … (2)
1.0<D2/f<2.5 … (4)
1.0<D2/f<2.8 … (4−1)
1.5<f3/f<3.0 … (5)
1.5<f3/f<4.6 … (5−1)
0.75≦(R8−R9)/(R8+R9)≦1.0 … (6)
0.60≦(R8−R9)/(R8+R9)≦1.0 … (6−1)
6.2<|R8/f| … (7)
4.5<|R8/f| … (7−1)
8.0<L/f< 13.9 … (8)
1.0<Bf/f<3.0 … (9)
3.1<R4/f … (11)
R4/f<1.3 … (11−1)
−160<(R3−R4)/(R3+R4)<0.85 … (12)
−160<(R3−R4)/(R3+R4)<−1.0 … (12−1)
0.2<(R3−R4)/(R3+R4)<0.85 … (12−2)
8<R1/f<50 … (13)
2<R6/f … (14)
0.5<D3/f<5.0 … (15)
0.1≦(R1−R2)/(R1+R2)≦1.0 … (16)
0.2<R1/L<3.0 … (17)
−1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.1 … (18)
−0.8<f/f123<0.8 … (19)
1≦f34/f≦10 … (20)
ただし、
f:全系の焦点距離
f3:第3レンズの焦点距離
R1:第1レンズ物体側の面の曲率半径
R2:第1レンズ像側の面の曲率半径
R3:第2レンズ物体側の面の曲率半径
R4:第2レンズ像側の面の曲率半径
R5:第3レンズ物体側の面の曲率半径
R6:第3レンズ像側の面の曲率半径
R8:第4レンズ物体側の面の曲率半径
R9:第4レンズ像側の面の曲率半径
D2:第1レンズと第2レンズとの光軸上の間隔
D3:第2レンズの中心厚
f123:第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズの合成焦点距離
f34:第3レンズおよび第4レンズの合成焦点距離
L:第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離(バックフォーカス分は空気換算長)
Bf:最も像側のレンズの像側の面頂点から像面までの距離(空気換算長)
νd2:第2レンズの材質のd線に対するアッベ数
νd3:第3レンズの材質のd線に対するアッベ数
Nd2:第2レンズの材質のd線に対する屈折率
Nd3:第3レンズの材質のd線に対する屈折率
なお、本発明においては、凸面、凹面、平面、両凹、メニスカス、両凸、平凸および平凹等といったレンズの面形状、正のレンズおよび負のレンズといったレンズの屈折力の符号は、非球面が含まれているものについてはとくに断りのない限り近軸領域で考えるものとする。また、本発明においては、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負とすることにする。
また、本発明の第1から第3の撮像レンズにおいては、第3レンズを構成する材質がポリカーボネイトであることが好ましい。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の第1から第3の撮像レンズの少なくともいずれか1つを備えたことを特徴とするものである。
本発明の第1の撮像レンズによれば、最少4枚のレンズ系において、全系におけるパワー配置、第3レンズおよび第4レンズの面形状等を好適に設定し、条件式(3)を満足するようにしているため、小型化、低コスト化および広角化を達成できるとともに、像面湾曲、球面収差、コマ収差およびディストーションを良好に補正して結像領域周辺部まで良好な像を得ることができる高い光学性能を有する撮像レンズを実現することができる。
本発明の第2の撮像レンズによれば、最少4枚のレンズ系において、全系におけるパワー配置、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズの面形状等を好適に設定し、条件式(3−1)を満足するようにしているため、小型化、低コスト化および広角化を達成できるとともに、像面湾曲、球面収差、コマ収差およびディストーションを良好に補正して結像領域周辺部まで良好な像を得ることができる高い光学性能を有する撮像レンズを実現することができる。
本発明の第3の撮像レンズによれば、最少4枚のレンズ系において、全系におけるパワー配置、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズの面形状等を好適に設定し、条件式(10)を満足するようにしているため、小型化、低コスト化および広角化を達成できるとともに、バックフォーカス長を長くとることができ、像面湾曲、球面収差、コマ収差およびディストーションを良好に補正して結像領域周辺部まで良好な像を得ることができる高い光学性能を有する撮像レンズを実現することができる。
本発明の撮像装置によれば、本発明の撮像レンズを備えているため、小型で安価に構成でき、十分広い画角を有し、撮像素子を用いて解像度の高い良好な像を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る撮像レンズの構成と光路を示す図 本発明の他の実施形態に係る撮像レンズの構成と光路を示す図 第2レンズの面形状等を説明するための図 本発明の実施例1の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例2の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例3の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例4の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例5の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例6の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例7の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例8の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例9の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例10の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例11の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例12の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例13の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例14の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例15の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例16の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例17の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例18の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例19の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例20の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例21の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例22の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例23の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例24の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例25の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例26の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例27の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例28の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図 図32(A)〜図32(D)は本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図 図33(A)〜図33(D)は本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図 図34(A)〜図34(D)は本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図 図35(A)〜図35(D)は本発明の実施例4の撮像レンズの各収差図 図36(A)〜図36(D)は本発明の実施例5の撮像レンズの各収差図 図37(A)〜図37(D)は本発明の実施例6の撮像レンズの各収差図 図38(A)〜図38(D)は本発明の実施例7の撮像レンズの各収差図 図39(A)〜図39(D)は本発明の実施例8の撮像レンズの各収差図 図40(A)〜図40(D)は本発明の実施例9の撮像レンズの各収差図 図41(A)〜図41(D)は本発明の実施例10の撮像レンズの各収差図 図42(A)〜図42(D)は本発明の実施例11の撮像レンズの各収差図 図43(A)〜図43(D)は本発明の実施例12の撮像レンズの各収差図 図44(A)〜図44(D)は本発明の実施例13の撮像レンズの各収差図 図45(A)〜図45(D)は本発明の実施例14の撮像レンズの各収差図 図46(A)〜図46(D)は本発明の実施例15の撮像レンズの各収差図 図47(A)〜図47(D)は本発明の実施例16の撮像レンズの各収差図 図48(A)〜図48(D)は本発明の実施例17の撮像レンズの各収差図 図49(A)〜図49(D)は本発明の実施例18の撮像レンズの各収差図 図50(A)〜図50(D)は本発明の実施例19の撮像レンズの各収差図 図51(A)〜図51(D)は本発明の実施例20の撮像レンズの各収差図 図52(A)〜図52(D)は本発明の実施例21の撮像レンズの各収差図 図53(A)〜図53(D)は本発明の実施例22の撮像レンズの各収差図 図54(A)〜図54(D)は本発明の実施例23の撮像レンズの各収差図 図55(A)〜図55(D)は本発明の実施例24の撮像レンズの各収差図 図56(A)〜図56(D)は本発明の実施例25の撮像レンズの各収差図 図57(A)〜図57(D)は本発明の実施例26の撮像レンズの各収差図 図58(A)〜図58(D)は本発明の実施例27の撮像レンズの各収差図 図59(A)〜図59(D)は本発明の実施例28の撮像レンズの各収差図 本発明の実施形態に係る車載用の撮像装置の配置を説明するための図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔撮像レンズの実施形態〕
まず、図1および図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る撮像レンズについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る撮像レンズ1の構成と光路を示す図である。なお、図1に示す撮像レンズ1は後述する本発明の実施例3に係る撮像レンズに対応するものである。図1に示す撮像レンズ1は、以下に述べる本発明の第1および第2の実施形態の構成を備えている。
図2は、本発明の他の実施形態に係る撮像レンズ1′の構成と光路を示す図である。なお、図2に示す撮像レンズ1′は後述する本発明の実施例17に係る撮像レンズに対応するものである。図2に示す撮像レンズ1′は、以下に述べる本発明の第1および第3の実施形態の構成を備えている。
図1および図2では、図の左側が物体側、右側が像側であり、無限遠の距離にある物点からの軸上光束2、全画角2ωでの軸外光束3、4も併せて示してある。図1および図2では、撮像レンズ1が撮像装置に適用される場合を考慮して、撮像レンズ1,1′の像点Pimを含む像面Simに配置された撮像素子5も図示している。撮像素子5は、撮像レンズ1,1′により形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等を用いることができる。
なお、撮像レンズ1,1′を撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、カバーガラスや、ローパスフィルタまたは赤外線カットフィルタ等を設けることが好ましく、図1および図2では、これらを想定した平行平板状の光学部材PPを最も像側のレンズと撮像素子5(像面Sim)との間に配置した例を示している。
まず、本発明の第1の実施形態の構成について説明する。本発明の第1の実施形態に係る撮像レンズは、物体側から順に、負の第1レンズL1と、負の第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズL3と、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズL4とを備える。図1に示す例では、第3レンズL3と第4レンズL4の間に開口絞りStが配置されている。なお、図1における開口絞りStは、形状や大きさを表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
この撮像レンズは、4枚という少ないレンズ枚数で構成することで、低コスト化とともに光軸方向の全長の小型化を図ることができる。また、物体側に配置された2枚のレンズである第1レンズL1と第2レンズL2とをともに負のレンズとすることで、レンズ系全体を広角化することが容易となる。また、負のレンズを2枚にすることで、負のレンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、効果的に補正することができる。同様に、像側の正のレンズも第3レンズL3と第4レンズL4との2枚とすることで、像面で像を結ぶための収束作用および正のレンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、効果的に補正することができる。
また、第3レンズL3と第4レンズL4とをともに正のレンズとすることで、像面湾曲および球面収差を良好に補正することが可能となる。また、第3レンズL3を物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状とし、第4レンズL4を像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状とすることで、像面湾曲およびコマ収差を良好に補正することが可能となる。
また、本発明の第1の実施形態に係る撮像レンズは、下記条件式(3)を満足するように構成されている。
1.0<|f2/f|<2.6 … (3)
ただし、
f:全系の焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
条件式(3)の上限を満足することで、第2レンズL2のパワーを強くすることが容易となり、広角化が容易となるとともに、レンズ系を小型化することが容易となる。条件式(3)の下限を下回ると、第2レンズL2のパワーが強くなりすぎてしまい、光線が第2レンズL2で急激に曲げられてしまうため、ディストーションの補正が困難となるか、または像面湾曲の補正が困難となる。
次に、本発明の第2の実施形態の構成について説明する。本発明の第2の実施形態に係る撮像レンズは、物体側から順に、負の第1レンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズL3と、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズL4とを備える。
この撮像レンズは、4枚という少ないレンズ枚数で構成することで、低コスト化とともに光軸方向の全長の小型化を図ることができる。また、物体側に配置された2枚のレンズである第1レンズL1と第2レンズL2とをともに負のレンズとすることで、レンズ系全体を広角化することが容易となる。また、負のレンズを2枚にすることで、負のレンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、効果的に補正することができる。同様に、像側の正のレンズも第3レンズL3と第4レンズL4との2枚とすることで、像面で像を結ぶための収束作用および正のレンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、効果的に補正することができる。
また、第2レンズL2を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、広角でありながらレンズの径方向の小型化が容易となる。なお、第2レンズL2は平凹形状としてもよい。
また、第3レンズL3と第4レンズL4とをともに正のレンズとすることで、像面湾曲および球面収差を良好に補正することが可能となる。また、第3レンズL3を物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状とし、第4レンズL4を像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状とすることで、像面湾曲およびコマ収差を良好に補正することが可能となる。
また、本発明の第2の実施形態に係る撮像レンズは、下記条件式(3−1)を満足するように構成されている。
1.0<|f2/f|<2.7 … (3−1)
f:全系の焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
第2レンズL2を物体側に凸面を向けた負メニスカス形状とすることで、レンズ系の径方向の小型化が容易となるため、上限を2.7としても、レンズ系の径方向のサイズを小型化することが容易となる。条件式(3−1)の下限を下回ると、第2レンズL2のパワーが強くなりすぎてしまい、光線が第2レンズL2で急激に曲げられてしまうため、ディストーションの補正が困難となるか、像面湾曲の補正が困難となる。
次に、本発明の第3の実施形態の構成について説明する。本発明の第3の実施形態に係る撮像レンズは、物体側から順に、負の第1レンズL1と、両凹形状の負の第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズL3と、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズL4とを備える。
この撮像レンズは、4枚という少ないレンズ枚数で構成することで、低コスト化とともに光軸方向の全長の小型化を図ることができる。また、物体側に配置された2枚のレンズである第1レンズL1と第2レンズL2とをともに負のレンズとすることで、レンズ系全体を広角化することが容易となる。また、負のレンズを2枚にすることで、負のレンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、効果的に補正することができる。同様に、像側の正のレンズも第3レンズL3と第4レンズL4との2枚とすることで、像面で像を結ぶための収束作用および正のレンズに求められる各収差の補正をこれらの2枚のレンズで分担することができ、効果的に補正することができる。
また、第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。なお、第2レンズL2は平凹形状としてもよい。
また、第3レンズL3と第4レンズL4とをともに正のレンズとすることで、像面湾曲および球面収差を良好に補正することが可能となる。また、第3レンズL3を物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状とし、第4レンズL4を像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状とすることで、像面湾曲およびコマ収差を良好に補正することが可能となる。
また、本発明の第3の実施形態に係る撮像レンズは、下記条件式(10)を満足するように構成されている。
1.5<(D4+D5)/f<3.3 … (10)
ただし、
D4:第2レンズL2と第3レンズL3との光軸上の空気間隔
D5:第3レンズL3の中心厚
f:全系の焦点距離
条件式(10)を満足することで、球面収差、ディストーション、コマ収差が良好に補正され、さらにバックフォーカスが長くとれ、画角を大きくすることができ、十分な性能が得られる。条件式(10)の上限を満足することで、最も物体側の負レンズの径を小さくすることが容易となり、かつレンズ全長を短くすることが容易となるため、小型化が容易となる。条件式(10)の下限を満足することで、球面収差およびコマ収差の補正が容易となり、F値が小さなレンズを得るのが容易となる。
上記第1から第3の実施形態に係る撮像レンズは、他の実施形態の構成の少なくとも1つ、または他の実施形態における好ましい構成の少なくとも1つを有するものであってもよい。例えば、第1の実施形態にかかる撮像レンズが、第2の実施形態の構成を有するものであってもよく、第2の実施形態に係る撮像レンズが第1の実施形態の構成において述べた好ましい構成を有するものであってもよい。
次に、本発明の上記第1から第3の実施形態に係る撮像レンズが有することが好ましい構成を挙げて、その作用効果について述べる。なお、好ましい態様としては、以下のいずれか1つの構成を有するものでもよく、あるいは任意の2つ以上を組み合わせた構成を有するものでもよい。
下記条件式(1)を満足することが好ましい。
2.25<νd2/νd3 … (1)
ただし、
νd2:第2レンズL2の材質のd線に対するアッベ数
νd3:第3レンズL3の材質のd線に対するアッベ数
条件式(1)の下限を満足することで、倍率色収差の補正が容易となる。
下記条件式(2)を満足することが好ましい。
0.09<Nd3−Nd2 … (2)
ただし、
Nd2:第2レンズL2の材質のd線に対する屈折率
Nd3:第3レンズL3の材質のd線に対する屈折率
条件式(2)の下限を満足することで、第3レンズL3の屈折率を大きくすることができ、第3レンズL3のパワーを強くすることが容易となり、倍率色収差および像面湾曲の補正が容易となる。または、第2レンズL2の屈折率が大きくなりすぎるのを抑えることができ、材質のアッベ数が小さくなりすぎるのを防ぐことができ、色収差の補正が容易となる。
下記条件式(4)を満足することが好ましい。
1.0<D2/f<2.5 … (4)
ただし、
f:全系の焦点距離
D2:第1レンズL1と第2レンズL2との光軸上の間隔
条件式(4)の上限を満足することで、レンズ系を小型化することが可能となる。条件式(4)の下限を下回ると、第1レンズL1と第2レンズL2との間隔が小さくなってしまい、第2レンズL2の物体側の面の面形状が制限され、像面湾曲およびディストーションの補正が困難となる。
第2レンズL2を両凹形状とした場合には、下記条件式(4−1)を満足することが好ましい。
1.0<D2/f<2.8 … (4−1)
第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに、像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。また、第2レンズL2を両凹形状とした場合には、物体側に凸面を向けたメニスカス形状とした場合より、第2レンズL2の物体側の面の有効径端の点がより物体側に位置しやすくなる。このため、上限を2.8としても、レンズ系の大型化を防止しつつ、像面湾曲を補正することが容易となる。条件式(4−1)の下限を下回ると、第1レンズL1と第2レンズL2との間隔が小さくなってしまい、第2レンズ物体側の面の面形状が制限され、像面湾曲およびディストーションの補正が困難となる。なお、第2レンズL2を平凹形状としてもよい。
下記条件式(5)を満足することが好ましい。
1.5<f3/f<3.0 … (5)
ただし、
f:全系の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
条件式(5)の上限を満足することで、第3レンズL3のパワーが弱くなりすぎることを防止でき、像面湾曲および倍率色収差の補正が容易となる。条件式(5)の下限を下回ると、第3レンズL3のパワーが強くなりすぎてしまい、バックフォーカスが短くなりすぎてしまう。もしくは第3レンズL3のパワーが強くなりすぎてしまって偏心の製造誤差の許容量が少なくなりすぎてしまい、製造が困難となる。
第2レンズL2を両凹形状とした場合には、下記条件式(5−1)を満足することが好ましい。
1.5<f3/f<4.6 … (5−1)
第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに、像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。また、第2レンズL2を両凹形状とすることで、像面湾曲の補正が容易となるため、上限を4.6としても、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。条件式(5−1)の下限を下回ると、第3レンズL3のパワーが強くなりすぎてしまい、バックフォーカスが短くなりすぎてしまう。もしくは第3レンズL3のパワーが強くなりすぎてしまって偏心の製造誤差の許容量が少なくなりすぎてしまい、製造が困難となる。なお、第2レンズL2を平凹形状としてもよい。
下記条件式(6)を満足することが好ましい。
0.75≦(R8−R9)/(R8+R9)≦1.0 … (6)
ただし、
R8:第4レンズL4の物体側の面の曲率半径
R9:第4レンズL4の像側の面の曲率半径
条件式(6)の上限および下限を満足することで、第4レンズL4を像側に凸面を向けた平凸形状もしくは像側に凸面を向けたメニスカス形状にすることができ、像面湾曲と球面収差を良好に補正することが可能となる。条件式(6)の上限を満足することで、第4レンズL4の物体側の面を平面または凹面とすることができ、第4レンズL4のパワーが強くなりすぎるのを抑えることができ、バックフォーカスを長くすることが容易となる。条件式(6)の下限を満足することで、第4レンズL4の像側の面の曲率半径が小さくなりすぎてしまうのを防ぐことができ、第4レンズL4のパワーが弱くなりすぎるのを防止することができ、撮像素子周辺部で光線がセンサに入射する角度を抑えることが容易となるか、または物体側の面の曲率半径が大きくなりすぎてしまうのを防ぐことができ、球面収差の補正が容易となる。
第2レンズL2を両凹形状とした場合には、下記条件式(6−1)を満足することが好ましい。
0.60≦(R8−R9)/(R8+R9)≦1.0 … (6−1)
第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに、像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。また、第2レンズL2を両凹形状とすることで、第2レンズL2のパワーを強くすることが容易となり、レンズで光線を大きく曲げることができるため、第4レンズL4に入射する光線の角度を小さくすることができる。このため下限を0.60としても、周辺での光線がセンサに入射する角度を抑えることが可能となる。条件式(6−1)の上限および下限を満足することで、第4レンズL4を像側に凸面を向けた平凸形状もしくは像側に凸面を向けたメニスカス形状にすることができ、像面湾曲と球面収差を良好に補正することが可能となる。条件式(6−1)の上限を満足することで、第4レンズL4の物体側の面を平面または凹面とすることができ、第4レンズのパワーが強くなりすぎるのを抑えることができ、バックフォーカスを長くすることが容易となる。なお、第2レンズL2を平凹形状としてもよい。
下記条件式(7)を満足することが好ましい。
6.2<|R8/f| … (7)
ただし、
R8:第4レンズL4の物体側の面の曲率半径
f:全系の焦点距離
条件式(7)の下限を満足することで、球面収差の補正が容易となる。
第2レンズL2を両凹形状とした場合には、下記条件式(7−1)を満足することが好ましい。
4.5<|R8/f| … (7−1)
第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに、像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。また、第2レンズL2を両凹形状とすることで、球面収差の補正が容易となり、下限を4.5とした場合でも、良好な解像性能を得ることが可能となる。なお、第2レンズL2を平凹形状としてもよい。
下記条件式(8)を満足することが好ましい。
8.0<L/f< 13.9 … (8)
ただし、
L:第1レンズL1の物体側の面頂点から像面までの距離
f:全系の焦点距離
条件式(8)の上限を満足することで、レンズ系の小型化が容易となる。条件式(8)の下限を下回ると、焦点距離が長くなりすぎてしまい、広角化を達成することが困難となるか、広角化のためにディストーションが大きくなりすぎてしまい、周辺の画像が小さく結像されてしまう。またはレンズ系が小型になりすぎてしまい、その結果、各レンズの厚さおよび間隔が小さくなることから、製造が困難となるとともに、コストアップの原因となる。
第2レンズL2を両凹形状とした場合には、下記条件式(9)を満足することが好ましい。
1.0<Bf/f<3.0 … (9)
ただし、
Bf:最も像側のレンズの像側の面頂点から像面までの距離(空気換算長)
f:全系の焦点距離
条件式(9)の上限を上回ると、レンズ系が大型化してしまう。条件式(9)の下限を下回ると、レンズ系と撮像素子との間隔が小さくなりすぎてしまい、レンズ系と撮像素子との間に各種フィルタやカバーガラス等を挿入することが困難となったり、使用する撮像素子に制限ができたりしてしまう。なお、第2レンズL2を平凹形状としてもよい。
第2レンズL2を両凹形状とした場合には、下記条件式(11)を満足することが好ましい。
3.1<R4/f … (11)
ただし、
R4:第2レンズL2の像側の面の曲率半径
f:全系の焦点距離
第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに、像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。また、第2レンズL2が両凹形状でありながら、条件式(11)の下限を満足することで、第2レンズL2の像側の面の曲率半径が小さくなるのを抑えることができ、像面湾曲および球面収差の補正が容易となる。または、第2レンズL2のパワーを抑えることができ、このレンズで光線が急激に曲げられるのを抑えることができ、ディストーションの補正が容易となる。
第2レンズL2を物体側に凸面を向けたメニスカスレンズ形状とした場合、下記条件式(11−1)を満足することが好ましい。
R4/f<1.3 … (11−1)
第2レンズL2を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、広角でありながらレンズ系の径方向を小型化することが可能となる。また、第2レンズL2が物体側に凸面を向けたメニスカス形状でありながら、条件式(11−1)の上限を上回ると、第2レンズL2のパワーが弱くなりすぎてしまい、広角化、ディストーションの補正が困難となる。なお、第2レンズL2は平凹レンズとしてもよい。
下記条件式(12)を満足することが好ましい。
−160<(R3−R4)/(R3+R4)<0.85 … (12)
ただし、
R3:第2レンズL2の物体側の面の曲率半径
R4:第2レンズL2の像側の面の曲率半径
条件式(12)の上限を満足することで、物体側に凸面を向けたメニスカス形状で物体側の面の曲率半径を小さくすることが容易となり、レンズ系の小型化が容易となる。条件式(12)の下限を満足することで、両凹レンズにおいて、第2レンズL2の物体側の面の曲率半径絶対値を第2レンズL2の像側の面の曲率半径絶対値と比べて小さくすることが容易となり、像面湾曲、コマ収差および球面収差の補正が容易となる。
第2レンズL2が両凹形状の場合には、下記条件式(12−1)を満足することが好ましい。
−160<(R3−R4)/(R3+R4)<−1.0 … (12−1)
上限を−1.0とすると、第2レンズL2を物体側の面の曲率半径絶対値が像側の面の曲率半径の絶対値より小さい両凹レンズとすることができ、像面湾曲およびディストーションの補正が容易となる。条件式(12−1)の下限を満足することで、両凹レンズにおいて、第2レンズL2の物体側の面の曲率半径絶対値を第2レンズL2の像側の面の曲率半径絶対値と比べて小さくすることが容易となり、像面湾曲、コマ収差および球面収差の補正が容易となる。
第2レンズL2が物体側に凸面を向けたメニスカス形状の場合には、下記条件式(12−2)を満足することが好ましい。
0.2<(R3−R4)/(R3+R4)<0.85 … (12−2)
第2レンズL2が物体側に凸面を向けたメニスカス形状でありながら下限を0.2とすると、第2レンズL2のパワーを強くすることが容易となり、像面湾曲およびディストーションの補正が容易となる。条件式(12−2)の上限を満足することで、物体側に凸面を向けたメニスカス形状で物体側の面の曲率半径を小さくすることが容易となり、レンズ系の小型化が容易となる。
下記条件式(13)を満足することが好ましい。
8<R1/f<50 … (13)
ただし、
R1:第1レンズL1の物体側の面の曲率半径
f:全系の焦点距離
条件式(13)の上限を上回ると、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径が大きくなり、この面で光線が急激に曲げられてしまうため、ディストーションの補正が困難となる。条件式(13)の下限を下回ると、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径が小さくなりすぎてしまい、広角化が困難となる。
下記条件式(14)を満足することが好ましい。
2<R6/f … (14)
ただし、
R6:第3レンズL3の像側の面の曲率半径
f:全系の焦点距離
条件式(14)の下限を下回ると、第3レンズL3のパワーが弱くなり、像面湾曲、球面収差および倍率色収差の補正が困難となる。
下記条件式(15)を満足することが好ましい。
0.5<D3/f<5.0 … (15)
ただし、
D3:第2レンズL2の中心厚
f:全系の焦点距離
条件式(15)の上限を上回るとレンズ系が大型化してしまう。条件式(15)の下限を下回ると、第2レンズL2の中心厚が小さくなってしまい、第2レンズL2の周辺部と中心部との肉厚比が大きくなり、成形が困難となる。
下記条件式(16)を満足することが好ましい。
0.1≦(R1−R2)/(R1+R2)≦1.0 … (16)
ただし、
R1:第1レンズL1の物体側の面の曲率半径
R2:第1レンズL1の像側の面の曲率半径
条件式(16)の上限を上回ると、第1レンズL1の物体側の面が凹面となってしまい、この面で光線が急激に曲げられてしまうため、ディストーションの補正が困難となる。または、周辺の光線がレンズ面に入射する角度が大きくなり、反射損失が大きくなるため周辺が暗くなってしまう。条件式(16)の下限を下回ると、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径と像側の面の曲率半径とが近くなり、第1レンズL1のパワーが弱くなるため広角化が困難となる。
下記条件式(17)を満足することが好ましい。
0.2<R1/L<3.0 … (17)
ただし、
R1:第1レンズL1の物体側の面の曲率半径
L:第1レンズL1の物体側の面頂点から像面までの距離
条件式(17)の上限を上回ると、第1レンズL1の物体側の面の曲率半径が大きくなりすぎてしまい、この面で光線が急激に曲げられてしまうためディストーションの補正が困難となる。条件式(17)の下限を下回ると、全長が長くなりすぎてしまい小型化が困難となるか、または第1レンズL1の物体側の面の曲率半径が小さくなりすぎてしまい広角化が困難となる。
下記条件式(18)を満足することが好ましい。
−1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.1 … (18)
ただし、
R5:第3レンズL3の物体側の面の曲率半径
R6:第3レンズL3の像側の面の曲率半径
条件式(18)の上限を上回ると、物体側の面と像側の面との曲率半径の絶対値が近くなり、第3レンズL3のパワーが弱くなるため、倍率色収差、球面収差の補正が困難となる。条件式(18)の下限を満足することで、第3レンズL3を物体側に凸面を向けた平凸形状もしくは物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが可能となり、像面湾曲およびコマ収差の補正が容易となる。
下記条件式(19)を満足することが好ましい。
−0.8<f/f123<0.8 … (19)
ただし、
f:全系の焦点距離
f123:第1レンズL1、第2レンズL2および第3レンズL3の合成焦点距離
条件式(19)の上限を上回ると、第1レンズL1、第2レンズL2および、第3レンズL3の合成パワーが強い正のパワーとなりすぎる。すなわち、第3レンズL3の正のパワーが強くなりすぎてバックフォーカスが短くなってしまうか、または第1レンズL1および第2レンズL2の負のパワーが弱くなり、広角化が困難となるか、レンズが大型化してしまう。条件式(19)の下限を下回ると、第1レンズL1および第2レンズL2の負のパワーが強くなりすぎて像面湾曲補正が困難となるか、または第3レンズL3の正のパワーが弱くなりすぎて像面湾曲および倍率色収差の補正が困難となる。
下記条件式(20)を満足することが好ましい。
1≦f34/f≦10 … (20)
ただし、
f34:第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離
f:全系の焦点距離
条件式(20)の上限を越えると、第3レンズL3と第4レンズL4との合成パワーが弱くなり、像面湾曲および倍率色収差の補正が困難となるとともに、撮像素子への光線の入射角度を抑えることが困難となる。条件式(20)の下限を下回ると、第3レンズL3と第4レンズL4との合成パワーが強くなりすぎてしまい、バックフォーカスの確保が困難となる。
なお、上記の各条件式については、さらに以下のように上限を追加したり、下限または上限を変更したりしたものを満足することが好ましい。また、好ましい態様としては、以下に述べる下限の変更値と上限の変更値を組み合わせて構成される条件式を満足するものでもよい。下記に例として好ましい条件式変更例を述べるが、条件式変更例は下記に式として記載されたものに限定されず、記載された変更値を組み合わせたものとしてもよい。
条件式(1)の下限の変更値としては、2.3が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.35がより好ましい。条件式(1)の上限を設定することが好ましく、上限の値としては2.8が好ましい。上限を満足することで、第2レンズL2のアッベ数が大きくなりすぎないようにすることができ、第2レンズL2の屈折率を高くすることが容易となるため、広角化とともにディストーションの補正が容易となるか、または第3レンズL3のアッベ数が小さくなりすぎないようにすることで材料のコストを抑えることが可能となる。さらに広角化、ディストーションの補正、材料コストを抑えるためには、上限値として2.7がより好ましく、2.6がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(1−2)〜(1−6)を満足することがより好ましい。
2.3<νd2/νd3 … (1−2)
2.35<νd2/νd3 … (1−3)
2.25<νd2/νd3<2.8 … (1−4)
2.3 <νd2/νd3<2.7 … (1−5)
2.35<νd2/νd3<2.6 … (1−6)
条件式(2)の下限は、0.10以上とすることが好ましい。これにより、色収差および像面湾曲の補正がさらに容易となる。条件式(2)の上限を設定することが好ましく、上限の値としては0.16が好ましく、これにより、第2レンズL2の屈折率を高くすることが容易となるため、広角化とともにディストーションの補正が容易となる。もしくは、第3レンズL3の屈折率が高くなるのを抑えることができ、第3レンズL3の材料のコストを抑えることが容易となる。さらに広角化、ディストーションの補正およびコスト抑制を容易とするためには、条件式(2)の上限値として0.14がより好ましく、0.11がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(2−1)〜(2−4)を満足することがより好ましい。
0.10≦Nd3−Nd2 … (2−1)
0.09<Nd3−Nd2<0.16 … (2−2)
0.10≦Nd3−Nd2<0.14 … (2−3)
0.10≦Nd3−Nd2<0.11 … (2−4)
条件式(3)および条件式(3−1)の下限の変更値としては、1.2が好ましく、これにより、上記の作用効果を高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、1.5がより好ましく1.7がさらに好ましく、1.8がさらにより好ましく、1.9がさらによりいっそう好ましい。条件式(3)および条件式(3−1)の上限の変更値としては、2.4が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.2がより好ましく、2.19がさらに好ましく、2.18がさらにより好ましく、2.15がさらによりいっそう好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(3−2)〜(3−8)を満足することがより好ましい。
1.2<|f2/f|<2.7 … (3−2)
1.2<|f2/f|<2.6 … (3−3)
1.5<|f2/f|<2.4 … (3−4)
1.7<|f2/f|<2.2 … (3−5)
1.8<|f2/f|<2.19 … (3−6)
1.9<|f2/f|<2.18 … (3−7)
1.9<|f2/f|<2.6 … (3−8)
条件式(4)の下限の変更値としては、1.5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2がより好ましく、2.04がさらに好ましい。条件式(4)の上限の変更値としては、2.4が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.2がより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(4−2)〜(4−4)を満足することがより好ましい。
1.5<D2/f<2.5 … (4−2)
2<D2/f<2.4 … (4−3)
2.04<D2/f<2.2 … (4−4)
条件式(4−1)の下限の変更値としては、1.5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2がより好ましく、2.04がさらに好ましい。条件式(4−1)の上限の変更値としては、2.7が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.5がより好ましく、2.3がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(4−5)〜(4−8)を満足することがより好ましい。
1.5<D2/f<2.8 … (4−5)
1.5<D2/f<2.7 … (4−6)
1.5<D2/f<2.5 … (4−7)
2<D2/f<2.3 … (4−8)
条件式(5)の下限の変更値としては、2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.2がより好ましく、2.5がさらに好ましい。条件式(5)の上限の変更値としては、2.95が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.9がより好ましく、2.88がさらに好ましく、2.8がさらにより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(5−6)〜(5−8)を満足することがより好ましい。
2.0<f3/f<2.95 … (5−6)
2.2<f3/f<2.9 … (5−7)
2.5<f3/f<2.88 … (5−8)
条件式(5−1)の下限の変更値としては、2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.2がより好ましく、2.5がさらに好ましい。条件式(5−1)の上限の変更値としては、4.4が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、4.2がより好ましく、3.5がさらに好ましく、3.2がさらにより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(5−2)〜(5−5)を満足することがより好ましい。
1.5<f3/f<4.4 … (5−2)
1.5<f3/f<4.2 … (5−3)
1.5<f3/f<3.5 … (5−4)
2.2<f3/f<3.2 … (5−5)
条件式(6)の下限の変更値としては、0.78が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.81がより好ましい。条件式(6)の上限の変更値としては、0.99が好ましく、これにより、バックフォーカスを長くすることがさらに容易となる。さらにバックフォーカスを長くするためには、0.95がより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(6−2)、(6−3)を満足することがより好ましい。
0.78≦(R8−R9)/(R8+R9)≦0.99 … (6−2)
0.81≦(R8−R9)/(R8+R9)≦0.95 … (6−3)
条件式(6−1)の下限の変更値としては、0.65が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.7がより好ましい。条件式(6−1)の上限の変更値としては、0.99が好ましく、これにより、バックフォーカスを長くすることがさらに容易となる。さらにバックフォーカスを長くするためには、0.95がより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(6−4)〜(6−6)を満足することがより好ましい。
0.65≦(R8−R9)/(R8+R9)≦1.0 … (6−4)
0.7 ≦(R8−R9)/(R8+R9)≦1.0 … (6−5)
0.65≦(R8−R9)/(R8+R9)≦0.99 … (6−6)
条件式(7)の下限の変更値としては、7が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、10がより好ましく、15がさらに好ましく、20がさらにより好ましい。条件式(7)の上限を設定することが好ましく、条件式(7)の上限値としては、10000が好ましく、これを満足することで、像面湾曲およびコマ収差の補正が容易となる。さらに像面湾曲およびコマ収差の補正を容易とするためには、上限値は1000とすることがより好ましく、500がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(7−2)〜(7−5)を満足することがより好ましい。
7.0<|R8/f| … (7−2)
7.0<|R8/f|<10000 … (7−3)
10<|R8/f|<1000 … (7−4)
15<|R8/f|<500 … (7−5)
条件式(7−1)の下限の変更値としては、5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、6がより好ましく、6.5がさらに好ましい。条件式(7−1)の上限を設定することが好ましく、条件式(7−1)の上限値としては、10000が好ましく、これにより、像面湾曲およびコマ収差の補正が容易となる。さらに像面湾曲およびコマ収差の補正を容易とするためには、1000がより好ましく、500がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(7−6)〜(7−9)を満足することがより好ましい。
5<|R8/f| … (7−6)
5<|R8/f|<10000 … (7−7)
6<|R8/f|<1000 … (7−8)
6.5<|R8/f|<500 … (7−9)
条件式(8)の下限の変更値としては、9が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、10がより好ましく、10.5がさらに好ましい。条件式(8)の上限の変更値としては、13.8が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、13.5がより好ましく、13がさらに好ましく、12がさらにより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(8−1)〜(8−4)を満足することがより好ましい。
9.0<L/f<13.8 … (8−1)
9.0<L/f<13.5 … (8−2)
10 <L/f<13 … (8−3)
10.5<L/f<12 … (8−4)
条件式(9)の下限の変更値としては、1.5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、1.7がより好ましい。条件式(9)の上限の変更値としては、2.8が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.5がより好ましく、2.35がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(9−1)〜(9−3)を満足することがより好ましい。
1.5<Bf/f<2.8 … (9−1)
1.5<Bf/f<2.5 … (9−2)
1.7<Bf/f<2.3 … (9−3)
条件式(10)の下限の変更値としては、2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2.3がより好ましく、2.5がさらに好ましい。条件式(10)の上限の変更値としては、3.2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、3がより好ましく、2.9がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(10−1)〜(10−3)を満足することがより好ましい。
2.0<(D4+D5)/f<3.2 … (10−1)
2.3<(D4+D5)/f<3 … (10−2)
2.5<(D4+D5)/f<2.9 … (10−3)
条件式(11)の下限の変更値としては、3.2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、3.3がより好ましく、3.5がさらに好ましく、3.8がさらにより好ましい。条件式(11)に上限値を設定することが好ましく、上限の値としては、50が好ましく、これにより、第2レンズL2の像側の面の曲率半径が大きくなりすぎるのを防ぐことができ、ディストーションの補正が容易となる。さらにディストーションの補正を容易とするためには、上限値としては、20.0がより好ましく、10.0がさらにより好ましく、8がより好ましく、6がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(11−2)〜(11−6)を満足することがより好ましい。
3.1<R4/f<50.0 … (11−2)
3.2<R4/f<20.0 … (11−3)
3.3<R4/f<10.0 … (11−4)
3.5<R4/f<8.0 … (11−5)
3.8<R4/f<6.0 … (11−6)
条件式(11−1)に下限値を設定することが好ましく、下限値としては、0.1が好ましく、これにより、像面湾曲の補正が容易となる。さらに像面湾曲の補正を容易とするためには、0.5がより好ましく、0.7がより好ましく、0.8がさらに好ましい。条件式(11−1)の上限の変更値としては、1.2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、1.1がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(11−7)〜(11−10)を満足することがより好ましい。
0.1<R4/f<1.3 … (11−7)
0.5<R4/f<1.2 … (11−8)
0.7<R4/f<1.1 … (11−9)
0.8<R4/f<1 … (11−10)
条件式(12)の下限の変更値としては、−30が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、−20がより好ましく、−10がさらに好ましく、−8がさらにより好ましい。条件式(12)の上限の変更値としては、0.82が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.8がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(12−3)〜(12−6)を満足することがより好ましい。
−30<(R3−R4)/(R3+R4)<0.85 … (12−3)
−20<(R3−R4)/(R3+R4)<0.82 … (12−4)
−10<(R3−R4)/(R3+R4)<0.8 … (12−5)
−8<(R3−R4)/(R3+R4)<1 … (12−6)
条件式(12−1)の上限の変更値としては、−1.1が好ましく、これにより、像側の面の曲率半径が大きくなりすぎたり、物体側の面の曲率半径が小さくなりすぎるのを抑えることが容易となり、像面湾曲およびディストーションの補正が容易となる。さらに作用効果を高めるためには、−1.5がより好ましく、−2.0がさらに好ましい。条件式(12−1)の下限の変更値は、条件式(12)と同様に考えることができる。
上記の理由から、例えば、下記条件式(12−7)〜(12−8)を満足することがより好ましい。
−160<(R3−R4)/(R3+R4)<−1.1 … (12−7)
−30<(R3−R4)/(R3+R4)<−1.5 … (12−8)
条件式(12−2)の下限の変更値としては、0.3が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.5がより好ましく、0.7がさらに好ましい。条件式(12−2)の上限の変更値は、条件式(12)と同様に考えることができる。
上記の理由から、例えば、下記条件式(12−9)〜(12−10)を満足することがより好ましい。
0.3<(R3−R4)/(R3+R4)<0.85 … (12−9)
0.5<(R3−R4)/(R3+R4)<0.82 … (12−10)
条件式(13)の下限の変更値としては、10が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、12がより好ましく、13がさらに好ましい。条件式(13)の上限の変更値としては、35が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、30がより好ましく、26がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(13−1)〜(13−3)を満足することがより好ましい。
10<R1/f<35 … (13−1)
12<R1/f<30 … (13−2)
13<R1/f<26 … (13−3)
条件式(14)の下限の変更値としては、6が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、20がより好ましく、30がさらに好ましく、35がさらにより好ましい。条件式(14)に上限を設定することが好ましく、上限の値としては、5000が好ましく、これにより、像面湾曲およびコマ収差の補正が容易となる。さらに像面湾曲およびコマ収差を良好に補正するためには、上限値として1000がより好ましく、100がさらに好ましく、70がさらによりいっそう好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(14−1)〜(14−5)を満足することがより好ましい。
2<R6/f<5000 … (14−1)
6<R6/f<5000 … (14−2)
20<R6/f<1000 … (14−3)
30<R6/f<100 … (14−4)
35<R6/f<70 … (14−5)
条件式(15)の下限の変更値としては、0.7が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.8がより好ましく、0.9がさらに好ましい。条件式(15)の上限の変更値としては、2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、1.8がより好ましく、1.5がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(15−1)〜(15−3)を満足することがより好ましい。
0.7<D3/f<2.0 … (15−1)
0.8<D3/f<1.8 … (15−2)
0.9<D3/f<1.5 … (15−3)
条件式(16)の下限の変更値としては、0.4が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.5がより好ましく、0.55がさらに好ましい。条件式(16)の上限の変更値としては、0.7が好ましく、これにより、ディストーションの補正がさらに容易となる。さらにディストーションの補正を容易とするためには、0.68がより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(16−1)〜(16−3)を満足することがより好ましい。
0.4≦(R1−R2)/(R1+R2)≦1.0 … (16−1)
0.5≦(R1−R2)/(R1+R2)≦0.7 … (16−2)
0.55≦(R1−R2)/(R1+R2)≦0.68 … (16−3)
条件式(17)の下限の変更値としては、0.5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、1がより好ましく、1.1がさらに好ましく、1.2がさらにより好ましい。条件式(17)の上限の変更値としては、2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、1.7がより好ましく、1.5がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(17−1)〜(17−4)を満足することがより好ましい。
0.5<R1/L<3.0 … (17−1)
1.0<R1/L<2.0 … (17−2)
1.1<R1/L<1.7 … (17−3)
1.2<R1/L<1.5 … (17−4)
条件式(18)の上限の変更値としては、−0.2が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、−0.4がより好ましく、−0.6がさらに好ましく、−0.7がさらにより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(18−1)〜(18−4)を満足することがより好ましい。
−1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.2 … (18−1)
−1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.4 … (18−2)
−1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.6 … (18−3)
−1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.7 … (18−4)
条件式(19)の下限の変更値としては、−0.6が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、−0.5がより好ましく、−0.3がさらにより好ましい。条件式(19)の上限の変更値としては、0.5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、0.3がより好ましく、0.1がさらに好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(19−1)〜(19−3)を満足することがより好ましい。
−0.6<f/f123<0.5 … (19−1)
−0.5<f/f123<0.3 … (19−2)
−0.3<f/f123<0.1 … (19−3)
条件式(20)の下限の変更値としては、1.5が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、2がより好ましい。条件式(20)の上限の変更値としては、8が好ましく、これにより、上記の作用効果をより高めることが可能となる。さらに作用効果を高めるためには、6.5がより好ましい。
上記の理由から、例えば、下記条件式(20−1)、(20−2)を満足することがより好ましい。
1.5≦f34/f≦8 … (20−1)
2.0≦f34/f≦6.5 … (20−2)
開口絞りは第3レンズL3と第4レンズL4との間に配置されていることが好ましい。開口絞りを第3レンズL3と第4レンズL4との間に配置することで系全体を小型化することが可能となる。
第1レンズL1、第2レンズL2および第4レンズL4の材質のd線に対するアッベ数を40以上とすることが好ましく、これにより、色収差の発生を抑え、良好な解像性能を得ることが可能となる。
第3レンズL3の材質のd線に対するアッベ数を40以下とすることが好ましく、これにより、倍率色収差を良好に補正することが可能となる。また、30以下とすることがより好ましく、28以下とすることがさらに好ましく、25以下とすることがさらにより好ましい。
第1レンズL1の材質のd線に対するアッベ数をνd1、第2レンズL2の材質のd線に対するアッベ数をνd2としたとき、νd1/νd2は0.7以上であることが好ましく、これにより、色収差の発生を抑え、良好な解像性能を得ることができる。さらに、0.8以上であることがより好ましい。
第1レンズL1の材質のd線に対するアッベ数をνd1、第3レンズL3の材質のd線に対するアッベ数をνd3としたとき、νd1/νd3は1.95以上であることが好ましく、これにより、軸上の色収差および倍率色収差を良好に補正することができる。さらに軸上の色収差および倍率色収差を良好に補正するためには、2.00以上であることがより好ましく、2.05以上であることがさらに好ましい。
第1レンズL1の材質のd線に対するアッベ数をνd1、第3レンズL3の材質のd線に対するアッベ数をνd3としたとき、νd1/νd3は2.5以下であることが好ましく、これにより、第3レンズL3のアッベ数が小さくなりすぎてしまうのを防ぐことができ、第3レンズL3の材質を安価とすることが容易となるか、または第1レンズL1のアッベ数を抑えることができるため、第1レンズL1の屈折率を大きくして、第1レンズL1のパワーを強くすることが容易となり、レンズ系の小型化およびディストーションの補正が容易となる。さらに系の小型化とディストーションを補正を容易とするためには、2.40以下であることがより好ましく、2.20以下であることがさらに好ましい。
第3レンズL3の材質のd線に対するアッベ数をνd3、第4レンズL4の材質のd線に対するアッベ数をνd4としたとき、νd4/νd3は2.1以上であることが好ましく、これにより、軸上の色収差および倍率色収差を良好に補正することが可能となる。さらに軸上の色収差および倍率色収差を良好に補正するためには、2.2以上であることがより好ましく、2.30以上であることがさらに好ましく、2.35以上であることがさらにより好ましい。
第2レンズL2の材質のd線に対するアッベ数をνd2、第4レンズL4の材質のd線に対するアッベ数をνd4としたとき、νd2/νd4は0.8以上1.2以下であることが好ましい。この条件を満足することで、色収差の発生を抑え、良好な解像性能を得ることができる。
第1レンズL1の材質のd線に対する屈折率を1.88以下とすることが好ましく、これにより、第1レンズL1の材質を安価にすることが容易となる。さらに、屈折率の低い材質とすることで、アッベ数の大きい材質を選択することが可能となり、色収差の補正が容易となり、良好な解像性能を得ることが容易となる。さらに色収差を良好に補正するためには、1.85以下とすることがより好ましく、1.80以下とすることがさらに好ましい。
第1レンズL1の材質のd線に対する屈折率を1.60以上とすることが好ましく、これにより、第1レンズL1のパワーを強くすることが容易となり、広角化および加工が容易となるとともに、ディストーションの補正が容易となる。さらに広角化、加工およびディストーションの補正を容易とするには1.65以上とすることがより好ましく、1.70以上とすることがさらに好ましい。
第2レンズL2の材質のd線に対する屈折率を1.70以下とすることが好ましく、これにより、第2レンズL2の材質を安価にすることが可能となる。さらに、屈折率の高い材質ではアッベ数が小さくなってしまうため、色収差が大きくなってしまい、良好な解像性能を得ることが困難となる。第2レンズL2の材質を安価にするためには、1.65以下とすることがより好ましく、1.60以下とすることがさらに好ましい。
第2レンズL2の材質のd線に対する屈折率を1.50以上とすることが好ましく、これにより、第2レンズL2のパワーを強くすることが容易となり、ディストーションの補正が容易となる。また、第2レンズL2のパワーを強くすることが容易となるため、レンズ系を小型化することが容易となる。
第3レンズL3の材質のd線に対する屈折率を1.75以下とすることが好ましく、これにより、第3レンズL3の材質を安価にすることが可能となる。第3レンズL3の材質を安価にするためには、1.70以下とすることがより好ましく、1.68以下とすることがさらに好ましく、1.65以下とすることがさらにより好ましい。
第3レンズL3の材質のd線に対する屈折率を1.50以上とすることが好ましく、これにより、第3レンズL3の材質の屈折率を高くし、第3レンズL3のパワーを強くすることが容易となり、倍率色収差および像面湾曲の補正が容易となる。1.55以上とすることがより好ましく、1.60以上とすることがさらに好ましく、1.63以上とすることがさらにより好ましい。
第4レンズの材質のd線に対する屈折率を1.70以下とすることが好ましく、これにより、第4レンズL4の材質を安価にすることが可能となる。さらに、屈折率の高い材質ではアッベ数が小さくなってしまうため、色収差が大きくなってしまい、良好な解像性能を得ることが困難となる。材料コストの抑制および色収差の補正をさらに容易とするためには、第4レンズL4の材質のd線に対する屈折率を1.65以下とすることがより好ましく、1.60以下とすることがさらに好ましい。
第4レンズL4の材質のd線に対する屈折率を1.50以上とすることが好ましく、これにより、第4レンズL4の材質の屈折率を高くし、第4レンズL4のパワーを強くすることが容易となる。第4レンズL4のパワーを強くすることで、第4レンズL4で球面収差の補正が容易となるとともに、第4レンズL4で光線を大きく曲げることが容易となるため周辺光線が撮像素子へ入射する角度を抑えることが容易となり、シェーディングを抑えることが容易となる。
第1レンズL1の材質のd線に対する屈折率をNd1、第2レンズL2の材質のd線に対する屈折率をNd2としたとき、Nd1/Nd2は0.95以上1.3以下であることが好ましい。この条件の下限を越えると、第1レンズL1と第2レンズL2とに負のパワーをバランス良く割り振ることが困難となり、ディストーションの補正が困難となるか、またはNd2が大きくなりすぎてしまい、第2レンズL2のアッベ数が小さくなり倍率色収差の補正が困難となる。この条件の上限を上回ると、第1レンズL1と第2レンズL2とに負のパワーをバランス良く割り振ることが困難となり、ディストーションの補正が困難となる。なお、下限の変更値は1.0が好ましく、1.05がより好ましい。上限の変更値は1.2が好ましく、1.15がより好ましい。なお、下限の変更値と上限の変更値を組み合わせて構成される条件を満足するものでもよい。
第2レンズL2の材質のd線に対する屈折率をNd2、第3レンズL3の材質のd線に対する屈折率をNd3、としたとき、Nd3/Nd2は1.0以上1.2以下であることが好ましい。この条件の下限を満足することで、第3レンズL3の材質の屈折率が低くなりすぎるのを抑えることができ、第3レンズL3のパワーが弱くなり像面湾曲、倍率色収差の補正が容易となる。この条件の上限を満足することで、第3レンズL3の材質の屈折率が高くなり、第3レンズL3が高価になってしまうのを防ぐことが容易となる。もしくは、第2レンズL2の材質の屈折率が低くなり、第2レンズL2のパワーが弱くなるのを抑えることができ、第1レンズL1および第2レンズL2の負のパワーのバランスを適切に保つことが容易となり、ディストーションの補正が容易となるか、レンズ系の小型化が容易となる。
第1レンズL1の材質のd線に対する屈折率をNd1、第4レンズL4の材質のd線に対する屈折率をNd4としたとき、Nd1/Nd4は0.95以上1.3以下であることが好ましい。この条件の下限を満足することで、Nd1が小さくなり、第1レンズL1のパワーが弱くなるのを防ぐことができ、広角化が容易となるか、レンズ系の小型化が容易となる。もしくは、第4レンズL4の材質の屈折率が大きくなり、第4レンズL4の材質のアッベ数が小さくなることを抑えることができ、色収差の補正が容易となる。この条件の上限を満足することで、第1レンズL1のパワーが強くなりすぎるのを抑えることができ、ディストーションの補正が容易となるか、または第4レンズL4のパワーが弱くなりすぎるのを抑えることができ、球面収差の補正が容易となるか、または第4レンズL4で光線を大きく曲げることが容易となるため周辺光線が撮像素子へ入射する角度を抑えることが容易となり、シェーディングを抑えることが容易となる。この条件の下限の変更値は1.0が好ましい。
第2レンズL2の物体側の面は非球面とすることが好ましく、これによりレンズ系を小型化および広角化することが容易となる。もしくは、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが容易となる。
第2レンズL2の像側の面は非球面とすることが好ましく、これにより像面湾曲およびディストーションを良好に補正することができる。
第3レンズL3の像側の面は非球面とすることが好ましく、これにより像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の物体側の面は非球面とすることが好ましく、これにより球面収差および像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の像側の面は非球面とすることが好ましく、これにより球面収差、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが可能となる。
第2レンズL2の物体側の面は非球面とすることが好ましい。第2レンズL2の物体側の面は、中心で正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状、もしくは中心で正のパワーを持ち、有効径端では負のパワーを持つ形状とすることが好ましい。第2レンズL2をこのような形状とすることで、レンズ系を小型化、広角化すると同時に像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
なお、「面の有効径」とは、結像に寄与する全光線とレンズ面との交わる点を考えたとき、径方向における最も外側の点(最も光軸から離れた点)からなる円の直径を意味し、「有効径端」とは、この最も外側の点を意味するものとする。なお、光軸に対して回転対称の系においては、上記の最も外側の点からなる図形は円となるが、回転対称ではない系においては円とならない場合があり、そのような場合は、等価の円形を考えてその円の直径を有効径としてもよい。
また、非球面の形状に関して、第iレンズ面上のある点をXiとして、その点での法線と光軸との交点をPiとするとき、Xi−Piの長さ(|Xi−Pi|)をXi点での曲率半径の絶対値|RXi|とし、Piをその点Xiでの曲率中心と定義する。また、第iレンズ面と光軸の交点をQiとする。このとき点Xiでのパワーは点Piが点Qiを基準として物体側、像側のいずれの側にあるかで定義する。物体側の面においては点Piが点Qiより像側にある場合を正のパワー、点Piが点Qiより物体側にある場合を負のパワーと定義し、像側の面においては点Piが点Qiより物体側にある場合を正のパワー、点Piが点Qiより像側にある場合を負のパワーと定義する。
ここで、図3を参照しながら、上記の第2レンズL2の物体側の面の形状について説明する。図3は図1で示した撮像レンズ1の光路図である。図3において、点Q3は、第2レンズL2の物体側の面の中心であり、第2レンズL2の物体側の面と光軸Zとの交点である。図3の点X3は、第2レンズL2の物体側の面の有効径端の点であり、軸外光束3に含まれる最も外側の光線6と第2レンズL2の物体側の面との交点である。
このとき、点X3でのレンズ面の法線と光軸Zとの交点を図3に示すように点P3とし、点X3と点P3を結ぶ線分X3−P3を点X3での曲率半径RX3と定義し、線分X3−P3の長さ|X3−P3|を曲率半径RX3の絶対値|RX3|と定義する。すなわち、|X3−P3|=|RX3|である。また、点Q3での曲率半径、すなわち、第2レンズL2の物体側の面の中心の曲率半径をR3とし、その絶対値を|R3|とする(図3では不図示)。
上記の第2レンズL2の物体側の面の「中心で正のパワーを持ち」とは、点Q3を含む近軸領域が凸形状であることを意味する。また、上記の第2レンズL2の物体側の面の「有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状」とは、点P3が点Q3より像側にあり、点X3での曲率半径の絶対値|RX3|が点Q3での曲率半径の絶対値|R3|よりも大きい形状を意味する。
図3では理解を助けるために、半径|R3|で点Q3を通り、光軸上の点を中心とする円CQ3を二点鎖線で描き、半径|RX3|で点X3を通り、光軸上の点を中心とする円CX3の一部を破線で描いている。円CX3の方が円CQ3よりも大きな円となっており、|R3|<|RX3|であることが明示されている。
また、上記の第2のレンズL2の物体側の面の「有効径端では負のパワーを持つ形状」とは、点P3が点Q3より物体側にある形状を意味する。
第2レンズL2の物体側の面は、中心で負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状、もしくは中心で負のパワーを持ち、有効径端では正のパワーを持つ形状としてもよい。第2レンズL2の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが可能となる。
上記の第2レンズL2の物体側の面形状は、図3を用いて説明した上記のものと同様にして、以下のように考えることができる。「中心で負のパワーを持ち」とは、点Q3を含む近軸領域が凹形状であることを意味する。また、上記の第2レンズL2の物体側の面の「有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状」とは、点P3が点Q3より物体側にあり、点X3での曲率半径の絶対値|RX3|が点Q3での曲率半径の絶対値|R3|よりも大きい形状を意味する。また、上記の第2のレンズL2の物体側の面の「有効径端では正のパワーを持つ形状」とは、点P3が点Q3より像側にある形状を意味する。
第2レンズL2の像側の面は非球面とすることが好ましい。第2レンズL2の像側の面は、中心で負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状とすることが好ましい。第2レンズL2をこのような形状とすることで、ディストーションおよび像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第2レンズL2の像側の面の上記形状は、図3を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第2レンズL2の像側の面の有効径端を点X4として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P4とするとき、点X4と点P4とを結ぶ線分X4−P4を点X4での曲率半径とし、点X4と点P4とを結ぶ線分の長さ|X4−P4|を点X4での曲率半径の絶対値|RX4|とする。よって、|X4−P4|=|RX4|となる。また、第2レンズL2の像側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第2レンズL2の像側の面の中心を点Q4とする。そして、点Q4での曲率半径の絶対値を|R4|とする。
第2レンズL2の像側の面の「中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状」とは、点Q4を含む近軸領域で凹形状であり、点P4が点Q4より像側にあり、かつ点X4での曲率半径の絶対値|RX4|が点Q4での曲率半径の絶対値|R4|よりも大きい形状を意味する。
第2レンズL2の像側の面は、中心で負のパワーを持ち、有効径の5割の点では中心と比較して負のパワーが強い形状としてもよい。第2レンズL2の像側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することができる。なお、「有効径の5割の点」とは、レンズ面の径方向の座標(光軸と垂直方向の座標)が、レンズの中心からレンズの有効径の5割となる距離にあるレンズ面上の点を意味する。
上記の第2レンズL2の像側の面の「中心が負のパワーを持ち、有効径の5割の点では中心と比較して負のパワーが強い形状」とは、レンズ断面図において、第2レンズL2の像側の面の有効径の5割の点を点X4′、その点での法線と光軸Zとの交点を点P4′とすると、点Q4を含む近軸領域で凹形状であり、点P4′が点Q4より像側にあり、かつ、点X4′での曲率半径の絶対値|RX4′|が点Q4での曲率半径の絶対値|R4|よりも小さい形状を意味する。
また、第2レンズL2の像側の面においては、有効径の5割の点と比較して有効径端の位置のパワーが弱い形状としてもよい。第2レンズL2の像側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが可能となる。
「有効径の5割の点と比較して有効径端の位置のパワーが弱い形状」とは、上記点X4での曲率半径の絶対値|RX4|が上記点X4′での曲率半径の絶対値|RX4′|よりも大きい形状を意味する。
また、第2レンズL2の像側の面においては、有効径の5割の点と有効径端とがともに負のパワーを持ち、有効径の5割の点と比較して有効径端では、負のパワーが弱い形状としてもよい。第2レンズL2の像側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが可能となる。
「有効径の5割の点と有効径端とがともに負のパワーを持ち、有効径の5割の点と比較して有効径端の負のパワーが弱い形状」とは、上記点X4と点X4′の曲率中心点P4、点P4′がともに点Q4より像側にあり、上記点X4での曲率半径の絶対値|RX4|が上記点X4′での曲率半径の絶対値|RX4′|よりも大きい形状を意味する。
第2レンズL2は物体側に凸面を向けたメニスカス形状としてもよく、これにより、レンズ系を小型化しながら像面湾曲の補正が容易となる。また、第2レンズL2を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とした場合には、第2レンズ物体側の面は中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状、もしくは有効径端では負のパワーを持つ形状とすることが好ましい。これにより、レンズ系を小型化、広角化すると同時に像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第2レンズL2は両凹形状としてもよく、これにより、レンズ系を小型化、広角化しながら、像面湾曲およびディストーションの補正が容易となる。また、第2レンズL2を両凹形状とした場合には、第2レンズL2の物体側の面は、中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが弱い形状であることが好ましい。これにより、広角化と同時に像面湾曲とディストーションを良好に補正することが可能となる。第2レンズL2を両凹形状とした場合には、第2レンズL2の物体側の面は、中心が負のパワーを持ち、有効径端では正のパワーを持つ形状としてもよい。これにより、広角化と同時に像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の物体側の面は非球面とすることが好ましい。第3レンズL3の物体側の面は、中心が正のパワーを持ち、有効径の5割の点では中心と比較して正のパワーが強い形状とすることが好ましい。第3レンズL3の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲および倍率色収差を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の物体側の面の上記形状は、図3を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第3レンズL3の物体側の面の有効径の5割の点を点X5′として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P5′とするとき、点X5′と点P5′とを結ぶ線分X5′−P5′を点X5′での曲率半径とし、点X5′と点P5′とを結ぶ線分の長さ|X5′−P5′|を点X5′での曲率半径の絶対値|RX5′|とする。よって、|X5′−P5′|=|RX5′|となる。また、第3レンズL3の物体側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第3レンズL3の物体側の面の中心を点Q5とする。そして、点Q5での曲率半径の絶対値を|R5|とする。
第3レンズL3の物体側の面の「中心が正のパワーを持ち、有効径の5割の点では中心と比較して正のパワーが強い形状」とは、点Q5を含む近軸領域で凸形状であり、点P5′が点Q5より像側にあり、かつ、点X5′での曲率半径の絶対値|RX5′|が点Q5での曲率半径の絶対値|R5|よりも小さい形状を意味する。
また、第3レンズL3の物体側の面は、有効径の5割の点と比較して有効径端の点のパワーが弱い形状としてもよい。第3レンズL3の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲および倍率色収差を良好に補正することが可能となる。
レンズ断面図において、第3レンズL3の物体側の面の有効径端の点を点X5として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P5とするとき、点X5と点P5とを結ぶ線分X5−P5を点X5での曲率半径とし、点X5と点P5とを結ぶ線分の長さ|X5−P5|を点X5での曲率半径の絶対値|RX5|とする。
「有効径の5割の点と比較して有効径端の点のパワーが弱い形状」とは、上記点X5での曲率半径の絶対値|RX5|が上記点X5′での曲率半径の絶対値|RX5′|よりも大きい形状を意味する。
また、第3レンズL3の物体側の面は、有効径の5割の点と有効径端の点とはともに正のパワーを持つ形状としてもよい。第3レンズL3の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲および倍率色収差を良好に補正することが可能となる。
「有効径の5割の点と有効径端の点とがともに正のパワーを持つ形状」とは、点P5および点P5′がともに点Q5より像側にあることを意味する。
第3レンズL3の物体側の面は、中心が正のパワーを持ち、中心と有効径端との間に中心と比較して正のパワーが強くなっている点を含む形状としてもよい。第3レンズL3の物体側の面をこのような形状とすることで、像面湾曲と倍率色収差を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の物体側の面の上記形状は、図3を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第3レンズL3の物体側の面の中心と有効径端との間のある点を点X5″として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P5″とするとき、点X5″と点P5″とを結ぶ線分X5″−P5″を点X5″での曲率半径とし、点X5″と点P5″とを結ぶ線分の長さ|X5″−P5″|を点X5″での曲率半径の絶対値|RX5″|とする。
「中心が正のパワーを持ち、中心と有効径端との間に中心と比較して正のパワーが強くなっている点を含む形状」とは、上記点Q5を含む近軸領域で凸形状であり、点P5″が点Q5より像側にあり、かつ、点X5″での曲率半径の絶対値|RX5″|が点Q5での曲率半径の絶対値|R5|よりも小さい形状となる点X5″が存在することを意味する。
第3レンズL3の像側の面は非球面とすることが好ましい。第3レンズL3の像側の面は、中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが強い形状、または中心が平面であり、有効径端では負のパワーを持つ形状とすることが好ましい。第3レンズL3をこのような形状とすることで、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3の像側の面の上記形状は、図3を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第3レンズL3の像側の面の有効径端を点X6として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P6とするとき、点X6と点P6とを結ぶ線分X6−P6を点X6での曲率半径とし、点X6と点P6とを結ぶ線分の長さ|X6−P6|を点X6での曲率半径の絶対値|RX6|とする。よって、|X6−P6|=|RX6|となる。また、第3レンズL3の像側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第3レンズL3の像側の面の中心を点Q6とする。そして、点Q6での曲率半径の絶対値を|R6|とする。
第3レンズL3の像側の面の「中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが強い形状」とは、点Q6を含む近軸領域で凹形状であり、点P6が点Q6より像側にあり、かつ、点X6での曲率半径の絶対値|RX6|が点Q6での曲率半径の絶対値|R6|よりも小さい形状を意味する。
また、「中心が平面であり、有効径端では負のパワーを持つ形状」とは、点Q6を含む近軸領域で平面であり、点P6が点Q6より像側にある形状を意味する。
第4レンズL4の物体側の面は非球面とすることが好ましい。第4レンズL4の物体側の面は、中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが強い形状、または中心が平面であり、有効径端では負のパワーを持つ形状とすることが好ましい。第4のレンズL4をこのような形状とすることで、球面収差および像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の物体側の面の上記形状は、図3を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第4レンズL4の物体側の面の有効径端を点X8として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P8とするとき、点X8と点P8とを結ぶ線分X8−P8を点X8での曲率半径とし、点X8と点P8とを結ぶ線分の長さ|X8−P8|を点X8での曲率半径の絶対値|RX8|とする。よって、|X8−P8|=|RX8|となる。また、第4レンズL4の物体側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第4レンズL4の物体側の面の中心を点Q8とする。そして、点Q8での曲率半径の絶対値を|R8|とする。
第4レンズL4の物体側の面の「中心が負のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して負のパワーが強い形状」とは、点Q8を含む近軸領域で凹形状であり、点P8が点Q8より物体側にあり、かつ、点X8での曲率半径の絶対値|RX8|が点Q8での曲率半径の絶対値|R8|よりも小さい形状を意味する。
また、「中心が平面であり、有効径端では負のパワーを持つ形状」とは、点Q8を含む近軸領域で平面であり、点P8が点Q8より物体側にある形状を意味する。
第4レンズL4の像側の面は非球面とすることが好ましい。第4レンズL4の像側の面は、中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状とすることが好ましい。第4レンズL4をこのような形状とすることで、球面収差、像面湾曲およびディストーションを良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の像側の面の上記形状は、図3を用いて説明した第2レンズL2の物体側の面の形状と同様にして以下のように考えることができる。レンズ断面図において、第4レンズL4の像側の面の有効径端を点X9として、その点での法線と光軸Zとの交点を点P9とするとき、点X9と点P9とを結ぶ線分X9−P9を点X9での曲率半径とし、点X9と点P9とを結ぶ線分の長さ|X9−P9|を点X9での曲率半径の絶対値|RX9|とする。よって、|X9−P9|=|RX9|となる。また、第4レンズL4の像側の面と光軸Zとの交点、すなわち、第4レンズL4の像側の面の中心を点Q9とする。そして、点Q9での曲率半径の絶対値を|R9|とする。
第4レンズL4の像側の面の「中心が正のパワーを持ち、有効径端では中心と比較して正のパワーが弱い形状」とは、点Q9を含む近軸領域で凸形状であり、点P9が点Q9より物体側にあり、かつ、点X9での曲率半径の絶対値|RX9|が点Q9での曲率半径の絶対値|R9|よりも大きい形状を意味する。
第2レンズL2の物体側の面から第4レンズL4の像側の面までの各面を上記のような非球面形状とすることで、球面収差、像面湾曲およびコマ収差に加えてディストーションまで良好に補正することが可能となる。
第1レンズL1は、正メニスカス形状であることが好ましく、これにより、例えば180度を超えるような広角のレンズを作製することが可能となる。第1レンズL1が両凹レンズとなると、第1レンズL1のパワーを強くすることが容易となるため広角化は容易となるが、第1レンズL1で急激に光線が曲げられてしまうため、ディストーションの補正が困難となる。また、物体側の面を凹面とすると、周辺光線がレンズ面に入射する際の入射角が大きくなり、面への入射時の反射損失が大きくなるため周辺部が暗くなってしまう。また、入射角が180度を超える光線は入射することができなくなってしまう。そのため、広角でありながらディストーションの補正が容易とするためには、第1レンズL1は物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとすることが好ましい。
第2レンズL2を両凹形状とすることが好ましい。第2レンズL2を両凹形状とすることで、広角化が容易となるとともに、像面湾曲、ディストーションおよび球面収差の補正が容易となる。第2レンズL2を両凹形状とした場合には、物体側の面の曲率半径絶対値が、像側の面の曲率半径絶対値より小さくしてもよい。物体側の面の曲率半径絶対値を、像側の面の曲率半径絶対値より小さくすることで、像面湾曲およびコマ収差、球面収差を良好に補正することが容易となる。
第2レンズL2を物体側に凸面を向けたメニスカス形状としても良い。第2レンズL2を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、広角でありながらレンズ系の径方向を小型化することが容易となる。
第2レンズL2を物体側に平面を向けた平凹形状としてもよく、これにより、像面湾曲を良好に補正しながらレンズ径を小型化することが容易となる。
第3レンズL3を物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが好ましく、これにより、像面湾曲、コマ収差を良好に補正することが可能となる。
第3レンズL3を近軸領域で物体側に凸面を向けた平凸形状としてもよく、これにより、像面湾曲、コマ収差を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4を像側に凸面を向けたメニスカス形状とすることが好ましく、これにより、球面収差、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4を像側に凸面を向けた平凸形状としてもよく、これにより、球面収差、像面湾曲を良好に補正することが可能となる。
第1レンズL1の材質はガラスであることが好ましい。撮像レンズが例えば車載用カメラや監視カメラ用等の厳しい環境において使用される場合には、最も物体側に配置される第1レンズL1は、風雨による表面劣化、直射日光による温度変化に強く、さらには油脂・洗剤等の化学薬品に強い材質、すなわち耐水性、耐候性、耐酸性および耐薬品性等が高い材質を用いることが要望され、また、堅く、割れにくい材質を用いることが要望されることがある。材質をガラスとすることで、これらの要望を満たすことが可能となる。また、第1レンズL1の材質として、透明なセラミックスを用いてもよい。
第1レンズL1の片側の面もしくは両側の面を非球面としてもよい。第1レンズL1をガラス非球面レンズとすることで、諸収差をさらに良好に補正することが可能となる。
なお、第1レンズL1の物体側の面に、強度、耐キズ性および耐薬品性を高めるための保護手段を施してもよく、その場合には、第1レンズL1の材質をプラスチックとしてもよい。このような保護手段は、ハードコートであってもよく、撥水コートであってもよい。
第2レンズL2、第3レンズL3および第4レンズL4のいずれか、あるいはこれらのうちの任意の複数の組み合わせにおいて、その材質をプラスチックとすることが好ましい。材質をプラスチックとすることで、レンズ系を安価で軽量に構成することが可能となるとともに、非球面を設けた場合には、非球面形状を正確に作製することができるため、良好な性能のレンズを作製することが可能となる。
第2レンズL2の材質はポリオレフィンであることが好ましい。ポリオレフィンは吸水率が低く、透明度が高く、複屈折が小さく、アッベ数の大きい材質を作成することが可能となる。第2レンズL2の材質をポリオレフィンとすることで、吸水による形状変更が小さく、透過率が高く、複屈折の小さいレンズを作成することが可能となる。さらにアッベ数が大きい材質とすることができるため、軸上の色収差、倍率色収差の発生を抑えることができ、耐環境性の高い良好な解像性能のレンズを作成することが可能となる。
第3レンズL3の材質はポリカーボネイトであることが好ましい。ポリカーボネイトはアッベ数が小さいという特徴がある。第3レンズL3にポリカーボネイトを使用することで、倍率色収差を良好に補正することが可能となる。
第4レンズL4の材質はポリオレフィンであることが好ましい。ポリオレフィンは吸水率が低く、透明度が高く、複屈折が小さく、アッベ数の大きい材質を作成することが可能となる。第4レンズL4の材質をポリオレフィンとすることで、吸水による形状変更が小さく、透過率が高く、複屈折の小さいレンズを作成することが可能となる。さらにアッベ数が大きい材質とすることができるため、軸上の色収差、倍率色収差の発生を抑えることができ、耐環境性の高い良好な解像性能のレンズを作成することが可能となる。
第2レンズL2および第4レンズL4の材質をアクリルとしてもよい。アクリルは安価であるためアクリルを用いることで、レンズ系を安価にすることが可能となる。
第2レンズL2、第3レンズL3および第4レンズL4の少なくともいずれか1つにプラスチック材質を用いた場合は、その材質として、プラスチックに光の波長より小さな粒子を混合させたいわゆるナノコンポジット材料を用いてもよい。
第2レンズL2、第3レンズL3および第4レンズL4のいずれか、あるいはこれらのうちの任意の複数の組み合わせにおいて、その材質をガラスとしてもよい。材質をガラスとすることで、温度変化による性能劣化を抑制することが可能となる。
第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4の少なくともいずれか1つは、その材質のガラス転移温度(Tg)が145℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは、150℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が150℃以上の材質を使用することで、耐熱性のよいレンズを作成することが可能となる。
なお、撮像レンズ1の用途に応じて、レンズ系と撮像素子5との間に紫外光から青色光をカットするようなフィルタ、または赤外光をカットするようなIR(InfraRed)カットフィルタを挿入してもよい。上記フィルタと同様の特性を持つコートをレンズ面に塗布してもよい。またはいずれかのレンズの材質として紫外光や青色光、赤外光などを吸収する材質を用いてもよい。
図1では、レンズ系と撮像素子5との間に各種フィルタ等を想定した光学部材PPを配置した例を示しているが、この代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよい。あるいは、撮像レンズが有するいずれかのレンズのレンズ面に、各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
なお、各レンズ間の有効径外を通過する光束は、迷光となって像面に達し、ゴーストとなるおそれがあるため、必要に応じて、この迷光を遮光する遮光手段を設けることが好ましい。この遮光手段としては、例えばレンズの有効径外の部分に不透明な塗料を施したり、不透明な板材を設けたりしてもよい。または、迷光となる光束の光路に不透明な板材を設けて遮光手段としてもよい。あるいは、最も物体側のレンズのさらに物体側に迷光を遮断するフードのようなものを配置してもよい。一例として、図1では、第1レンズL1および第2レンズL2それぞれの像側の面の有効径外に遮光手段11,12を設けた例を示している。なお、遮光手段を設ける箇所は図1に示す例に限定されず、他のレンズや、レンズ間に配置してもよい。
さらに、各レンズの間に周辺光量比が実用上問題の無い範囲で周辺光線を遮断する絞り等の部材を配置してもよい。周辺光線とは、光軸Z外の物点からの光線のうち、光学系の入射瞳の周辺部分を通る光線のことである。このように周辺光線を遮断する部材を配置することにより、結像領域周辺部の画質を向上させることができる。また、この部材でゴーストを発生させる光を遮断することにより、ゴーストを低減することが可能となる。
また、第1から第3の実施形態に係る撮像レンズにおいては、レンズ系が、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3および第4レンズL4の4枚のみからなるように構成することが好ましい。レンズ系を4枚のレンズのみで構成することで、レンズ系を安価にすることが可能となる。
本実施形態に係る撮像装置は、本実施形態に係る撮像レンズを備えているため、小型で安価に構成でき、十分広い画角を有し、撮像素子を用いて解像度の高い良好な像を得ることができる。
なお、上記第1から第3の実施形態に係る撮像レンズは、他の実施形態の構成の少なくとも1つ、または他の実施形態における好ましい構成の少なくとも1つを有するものであってもよい。例えば、第1の実施形態に係る撮像レンズが、第2の実施形態の構成を有するものであってもよく、第2の実施形態に係る撮像レンズが第1の実施形態の構成において述べた好ましい構成を有するものであってもよい。
〔撮像レンズの数値実施例〕
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。実施例1〜実施例28の撮像レンズのレンズ断面図をそれぞれ図4〜図31に示す。図4〜図31において、図の左側が物体側、右側が像側であり、図1および図2と同様、開口絞りSt、光学部材PP、像面Simに配置された撮像素子5も併せて図示している。各図の開口絞りStは形状や大きさを表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。各実施例において、レンズ断面図の符号Ri、Di(i=1、2、3、…)は以下に説明するレンズデータのRi、Diと対応している。
表1〜表28にそれぞれ実施例1〜実施例28の撮像レンズのレンズデータを示す。各表の(A)には基本レンズデータを、(B)には各種データを、(C)には非球面データを示している。
基本レンズデータにおいて、Siの欄は最も物体側の構成要素の物体側の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄はi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄はi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示している。なお、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。また、Ndjの欄は最も物体側のレンズを1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νdjの欄はj番目の光学要素のd線に対するアッベ数を示している。なお、基本レンズデータには、開口絞りStおよび光学部材PPも含めて示しており、開口絞りStに相当する面の面番号の欄には、(St)という語句を併せて記載している。
基本レンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸曲率半径(中心の曲率半径)の数値を示している。非球面データには、非球面の面番号と、各非球面に関する非球面係数を示す。非球面データの数値の「E−n」(n:整数)は「×10−n」を意味し、「E+n」は「×10n」を意味する。なお、非球面係数は、以下の式で表される非球面式における各係数KA、RBm(m=3、4、5、…20)の値である。
Figure 0005778260
Zd:非球面深さ(高さYの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
Y:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
KA、RBm:非球面係数(m=3、4、5、…20)
各種データにおいて、Fno.はFナンバー、Bf(in Air)は最も像側のレンズの像側の面から像面Simまでの光軸Z上の距離(バックフォーカスに相当、空気換算長)、L(in Air)は第1レンズL1の物体側の面から像面Simまでの光軸Z上の距離(バックフォーカス分は空気換算長)、fは全系の焦点距離、f1は第1レンズL1の焦点距離、f2は第2レンズL2の焦点距離、f3は第3レンズL3の焦点距離、f34は第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離、f123は第1レンズL1と第2レンズL2と第3レンズL3との合成焦点距離であるである。
また、表29,30に各実施例の条件式(1)〜(20)に対応する値を一括して示す。
各数値の単位として、長さについては「mm」を用いているが、これは一例であり、光学系は比例拡大または比例縮小しても使用可能なため、他の適当な単位を用いることもできる。
Figure 0005778260
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上記実施例1〜28の撮像レンズでは全て、第1レンズL1はガラス球面レンズであり、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4はプラスチック非球面レンズである。
上記実施例1〜28に係る撮像レンズの各収差図をそれぞれ、図32(A)〜図32(D)、図33(A)〜図33(D)、図34(A)〜図34(D)、図35(A)〜図35(D)、図36(A)〜図36(D)、図37(A)〜図37(D)、図38(A)〜図38(D)、図39(A)〜図39(D)、図40(A)〜図40(D)、図41(A)〜図41(D)、図42(A)〜図42(D)、図43(A)〜図43(D)、図44(A)〜図44(D)、図45(A)〜図45(D)、図46(A)〜図46(D)、図47(A)〜図47(D)、図48(A)〜図48(D)、図49(A)〜図49(D)、図50(A)〜図50(D)、図51(A)〜図51(D)、図52(A)〜図52(D)、図53(A)〜図53(D)、図54(A)〜図54(D)、図55(A)〜図55(D)、図56(A)〜図56(D)、図57(A)〜図57(D)、図58(A)〜図58(D)および図59(A)〜図59(D)に示す。
ここでは、実施例1の収差図を例にとり説明するが、他の実施例の収差図についても同様である。図32(A)、図32(B)、図32(C)および図32(D)はそれぞれ、実施例1に係る撮像レンズの球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)および倍率色収差(倍率の色収差)の収差図を示す。球面収差図のFはF値を意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。ディストーションの図は、全系の焦点距離f、画角φ(変数扱い、0≦φ≦ω)を用いて、理想像高を2f×tan(φ/2)とし、それからのずれ量を示す。各収差図には、d線(587.56nm)を基準波長とした収差を示すが、球面収差図には、F線(波長486.13nm)、C線(波長656.27nm)、正弦条件違反量(SNCと表記)についての収差も示し、倍率色収差図にはF線、C線についての収差を示す。倍率色収差図の線種は球面収差図のものと同じであるため、その表記を省略している。
以上のデータからわかるように、実施例1〜28の撮像レンズは、4枚という少ないレンズ枚数で構成され、小型で安価に作製可能である上、全画角が約150〜200度と非常に広い画角を達成し、Fナンバーが2.0〜2.6と小さく、各収差が良好に補正されて良好な光学性能を有する。これらの撮像レンズは、監視カメラや、自動車の前方、側方、後方などの映像を撮影するための車載用カメラ等に好適に使用可能である。
〔撮像装置の実施形態〕
図60に使用例として、自動車100に本実施形態の撮像レンズを備えた撮像装置を搭載した様子を示す。図60において、自動車100は、その助手席側の側面の死角範囲を撮像するための車外カメラ101と、自動車100の後側の死角範囲を撮像するための車外カメラ102と、ルームミラーの背面に取り付けられ、ドライバーと同じ視野範囲を撮影するための車内カメラ103とを備えている。車外カメラ101と車外カメラ102と車内カメラ103とは、本発明の実施形態に係る撮像装置であり、本発明の実施例の撮像レンズと、該撮像レンズにより形成される光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備えている。
本発明の実施例に係る撮像レンズは、上述した長所を有するものであるから、車外カメラ101、102および車内カメラ103も小型で安価に構成でき、広い画角を有し、結像領域周辺部まで良好な映像を得ることができる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率およびアッベ数の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
なお、上記した実施例では全てのレンズを均質な材料により構成しているが、屈折率分布型のレンズを用いてもよい。また、上記した実施例では第2レンズL2〜第4レンズL4を非球面が施された屈折型レンズにより構成しているが、1つの面もしくは複数の面に回折光学素子を形成してもよい。
また、撮像装置の実施形態では、本発明を車載用カメラに適用した例について図を示して説明したが、本発明はこの用途に限定されるものではなく、例えば、携帯端末用カメラや監視カメラ等にも適用可能である。

Claims (20)

  1. 物体側から順に、負の第1レンズと、負の第2レンズと、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズと、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズとからなり
    下記条件式(3)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    1.0<|f2/f|<2.6 … (3)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f2:第2レンズの焦点距離
  2. 物体側から順に、負の第1レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の第2レンズと、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズと、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズとからなり
    下記条件式(3−1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    1.0<|f2/f|<2.7 … (3−1)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f2:第2レンズの焦点距離
  3. 下記条件式(3−3)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
    1.2<|f2/f|<2.6 … (3−3)
  4. 下記条件式(3−4)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
    1.5<|f2/f|<2.4 … (3−4)
  5. 下記条件式(3−5)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
    1.7<|f2/f|<2.2 … (3−5)
  6. 下記条件式(3−8)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の撮像レンズ。
    1.9<|f2/f|<2.6 … (3−8)
  7. 物体側から順に、負の第1レンズと、両凹形状の負の第2レンズと、物体側に凸面を向けた平凸形状または物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズと、像側に凸面を向けた平凸形状または像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第4レンズとからなり
    下記条件式(10)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    1.5<(D4+D5)/f<3.3 … (10)
    ただし、
    D4:前記第2レンズと前記第3レンズとの光軸上の空気間隔
    D5:前記第3レンズの中心厚
    f:全系の焦点距離
  8. 下記条件式(10−1)を満足することを特徴とする請求項7記載の撮像レンズ。
    2.0<(D4+D5)/f<3.2 … (10−1)
  9. 下記条件式(10−2)を満足することを特徴とする請求項7記載の撮像レンズ。
    2.3<(D4+D5)/f<3 … (10−2)
  10. 下記条件式(10−3)を満足することを特徴とする請求項7記載の撮像レンズ。
    2.5<(D4+D5)/f<2.9 … (10−3)
  11. 下記条件式(13)を満足することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    8<R1/f<50 … (13)
    ただし、
    R1:前記第1レンズの物体側の面の曲率半径
    f:全系の焦点距離
  12. 下記条件式(14)を満足することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    2<R6/f … (14)
    ただし、
    R6:前記第3レンズの像側の面の曲率半径
    f:全系の焦点距離
  13. 下記条件式(15)を満足することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.5<D3/f<5.0 … (15)
    ただし、
    D3:前記第2レンズの中心厚
    f:全系の焦点距離
  14. 下記条件式(16)を満足することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.1≦(R1−R2)/(R1+R2)≦1.0 … (16)
    ただし、
    R1:前記第1レンズの物体側の面の曲率半径
    R2:前記第1レンズの像側の面の曲率半径
  15. 下記条件式(17)を満足することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.2<R1/L<3.0 … (17)
    ただし、
    R1:前記第1レンズの物体側の面の曲率半径
    L:前記第1レンズの物体側の面頂点から像面までの距離
  16. 下記条件式(18)を満足することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −1.0≦(R5−R6)/(R5+R6)≦−0.1 … (18)
    ただし、
    R5:前記第3レンズ物体側の面の曲率半径
    R6:前記第3レンズ像側の面の曲率半径
  17. 下記条件式(19)を満足することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −0.8<f/f123<0.8 … (19)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    f123:前記第1レンズ、前記第2レンズおよび前記第3レンズの合成焦点距離
  18. 下記条件式(20)を満足することを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    1≦f34/f≦10 … (20)
    ただし、
    f34:前記第3レンズおよび前記第4レンズの合成焦点距離
    f:全系の焦点距離
  19. 前記第3レンズを構成する材質がポリカーボネイトであることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  20. 請求項1から19のいずれか1項記載の撮像レンズを搭載した撮像装置。
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