図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示す図である。この装置は、
放射ビームB(例えばUV放射またはDUV放射)を調整するよう構成されている照明系(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構成され、いくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするよう構成されている第1の位置決め装置PMに接続されている支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
例えば1つまたは複数のセンサを支持するセンサテーブルなどの支持テーブルまたは基板(例えばレジストで被覆された基板)Wを保持するよう構成された基板テーブルWT(これらは、特定のパラメータに従ってテーブルの表面、例えば基板Wの表面を正確に位置決めするよう構成された第2の位置決め装置PWに接続されている)と、
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイからなる)目標部分Cに投影するよう構成されている投影系(例えば屈折投影レンズ系)PSと、を備える。
照明系ILは、放射の方向や形状の調整またはその他の制御のために、各種の光学素子例えば屈折光学素子、反射光学素子、反射屈折光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子または他の各種光学部品を含んでもよく、あるいはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの向きやリソグラフィ装置の設計、あるいはパターニングデバイスMAが真空環境下で保持されるか否かなどの他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスMAを保持するその他の固定技術を用いてもよい。支持構造MTは例えばフレームまたはテーブルであってよく、必要に応じて固定されていてもよいし移動可能であってもよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影系PSに対して所望の位置にあることを保証してもよい。本明細書では「レチクル」または「マスク」という用語を用いた場合には、より一般的な用語である「パターニングデバイス」に同義であるとみなされるものとする。
本明細書では「パターニングデバイス」という用語は、基板の目標部分にパターンを形成すべく放射ビームの断面にパターンを付与するために使用され得るいかなるデバイスをも指し示すよう広く解釈されるべきである。放射ビームに与えられるパターンは、基板の目標部分に所望されるパターンと厳密に対応していなくてもよい。このような場合には例えば、放射ビームのパターンが位相シフトフィーチャあるいはいわゆるアシストフィーチャを含む場合がある。一般には、放射ビームに付与されるパターンは、目標部分に形成される集積回路などのデバイスにおける特定の機能層に対応する。
パターニングデバイスMAは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスクやプログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるというものがある。これらの傾斜ミラーにより、マトリックス状ミラーで反射された放射ビームにパターンが付与されることになる。
本明細書では「投影系」という用語は、使用される露光光あるいは液浸や真空の利用などの他の要因に関して適切とされるいかなる投影系をも包含するよう広く解釈されるべきである。投影系には屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気的光学系、電磁気的光学系、静電的光学系、またはこれらの任意の組み合わせなどが含まれる。以下では「投影レンズ」という用語は、より一般的な用語である「投影系」と同義に用いられ得る。
ここに図示されるのは、(例えば透過型マスクを用いる)透過型のリソグラフィ装置である。これに代えて、(例えば上述のようなプログラマブルミラーアレイまたは反射型マスクを用いる)反射型のリソグラフィ装置を用いることもできる。
リソグラフィ装置は、2つ以上のテーブル(またはステージまたはサポート)、例えば2つ以上の基板テーブル、または1つ以上の基板テーブルと1つ以上の洗浄テーブル、センサテーブルまたは測定テーブルとの組合せを有するタイプのものであってもよい。例えば、一実施形態では、リソグラフィ装置は、投影系の露光側に位置する2つ以上のテーブルを備える多重ステージ装置である。各テーブルは、1つ以上の物体を備えるおよび/または保持する。一実施形態では、1つ以上のテーブルは、放射感受性基板を保持してもよい。一実施形態では、1つ以上のテーブルは、投影系からの放射を測定するセンサを保持してもよい。一実施形態では、多重ステージ装置は、放射感受性基板を保持するよう構成された第1テーブル(例えば基板テーブル)と、放射感受性基板を保持するよう構成されていない第2テーブル(以下においては通常、限定することなく、測定テーブル、センサテーブルおよび/または洗浄テーブルとして称される)とを備える。第2テーブルは、1つ以上の放射感受性基板以外の物体を備えてもよいおよび/または保持してもよい。このような1つ以上の物体は、以下から選択された1つ以上を含んでもよい:投影系からの放射を測定するセンサ、1つ以上のアライメントマーク、および/または洗浄装置(例えば液体閉じ込め構造を洗浄する)。
このような「多重ステージ」(または「マルチステージ」)型の装置においては、複数のテーブルが並行して使用されてもよく、あるいは1以上のテーブルが露光に使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されてもよい。リソグラフィ装置は2つ以上のパターニングデバイステーブル(またはステージまたはサポート)を有してもよく、それらのパターニングデバイステーブルは、基板テーブル、洗浄テーブル、センサテーブルおよび/または測定テーブルと同様に、並行して使用されてもよい。
一実施形態では、リソグラフィ装置は、装置の構成要素の位置、速度などを測定するためにエンコーダシステムを備えてもよい。一実施形態では、該構成要素は基板テーブルを含む。一実施形態では、該構成要素は、測定テーブルおよび/またはセンサテーブルおよび/または洗浄テーブルを含む。エンコーダシステムは、本明細書においてテーブル用とされる干渉計システムに加えられてもよいし、干渉計システムに代わるものであってもよい。エンコーダシステムは、スケールまたはグリッドと関係する例えばペアのセンサ、トランスデューサまたは読取ヘッド(リードヘッド)を備える。一実施形態では、可動の構成要素(例えば、基板テーブルおよび/または測定および/またはセンサおよび/または洗浄テーブル)は、1つ以上のスケールまたはグリッドを有し、リソグラフィ装置のフレーム(これに対して構成要素が移動する)は、1つ以上のセンサ、トランスデューサまたは読取ヘッドを有する。1つ以上のセンサ、トランスデューサまたは読取ヘッドは、スケールまたはグリッドと協働して構成要素の位置、速度などを測定する。一実施形態では、リソグラフィ装置のフレーム(これに対して構成要素が移動する)は、1つ以上のスケールまたはグリッドを有し、可動の構成要素(例えば、基板テーブルおよび/または測定および/またはセンサおよび/または洗浄テーブル)は、1つ以上のセンサ、トランスデューサまたは読取ヘッドを有する。これらは、スケールまたはグリッドと協働して、構成要素の位置、速度などを測定する。
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置とは別体であってもよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされなく、放射ビームは放射源SOからイルミネータILへとビーム搬送系BDを介して受け渡される。ビーム搬送系BDは例えば適当な方向変更用のミラー及び/またはビームエキスパンダを備える。あるいは放射源SOが例えば水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置に一体に構成されていてもよい。放射源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと総称される。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタADを備えてもよい。一般には、イルミネータILの瞳面における照度分布の少なくとも外径及び/または内径(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ−outer)」、「シグマ−インナ(σ−inner)」と呼ばれる)が調整される。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の要素を備えてもよい。イルミネータILはビーム断面における所望の均一性及び照度分布を得るべく放射ビームを調整するために使用されてもよい。放射源SOと同様に、イルミネータILはリソグラフィ装置の一部を構成するとみなされてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置に一体の部分であってもよいし、リソグラフィ装置とは別体であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置はイルミネータILを搭載可能に構成されていてもよい。任意で、イルミネータILは取り外し可能とされ、(例えば、リソグラフィ装置の製造業者によって、またはその他の供給業者によって)別々に提供されてもよい。
放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射して、パターニングデバイスMAによりパターンが付与される。パターニングデバイスMAを通過した放射ビームBは投影系PSに進入する。投影系PSはビームを基板Wの目標部分Cに合焦する。第2の位置決め装置PWと位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)により基板テーブルWTを正確に移動させることができる。そうして基板テーブルWTは例えば放射ビームBの経路に異なる目標部分Cを順次位置決めするように移動される。同様に、第1の位置決め装置PMと他の位置センサ(図1には明示せず)とにより放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。この位置決めは例えばマスクライブラリからのマスクの機械的交換後や走査中に行われる。一般に支持構造MTの移動は、第1の位置決め装置PMの一部を構成するロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現される。同様に基板テーブルWTの移動は、第2の位置決め装置PWの一部を構成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールにより実現される。ステッパでは(スキャナとは異なり)、支持構造MTはショートストロークのアクチュエータにのみ接続されているか、あるいは(少なくとも露光の間に)固定されていてもよい。パターニングデバイスMAと基板Wとは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。図においては基板アライメントマークが専用の目標部分を占拠しているが、アライメントマークは目標部分間のスペースに配置されてもよい(これはスクライブライン・アライメントマークとして公知である)。同様に、パターニングデバイスMAに複数のダイがある場合にはパターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
図示の装置は例えば次のうちの少なくとも1つのモードで使用され得る。
1.ステップモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンの全体が1回の照射(すなわち単一静的露光)で目標部分Cに投影される間、支持構造MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる。そして基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なる目標部分Cが露光される。ステップモードでは露光フィールドの最大サイズが単一静的露光で転写される目標部分Cのサイズを制限することになる。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間(すなわち単一動的露光の間)、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期して走査される。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影系PSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められる。スキャンモードでは露光フィールドの最大サイズが単一動的露光での目標部分Cの(非走査方向の)幅を制限し、走査移動距離が目標部分Cの(走査方向の)高さを決定する。走査方向のスリットのサイズが、目標部分Cの(走査方向の)高さを部分的に決定してもよい。
3.別のモードにおいては、支持構造MTがプログラム可能パターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、放射ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影される間、基板テーブルWTが移動または走査される。このモードではパルス放射源が通常用いられ、プログラム可能パターニングデバイスは、基板テーブルWTの毎回の移動後、または走査中の連続放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のプログラマブルミラーアレイ等のプログラム可能パターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
上記で記載したモードを組み合わせて動作させてもよいし、各モードに変更を加えて動作させてもよいし、さらに全く別のモードでリソグラフィ装置を使用してもよい。
IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について本文書において特に言及をしてきたが、本明細書で述べたリソグラフィ装置は、他の応用形態も有していることを理解すべきである。例えば、集積された光学システム、磁気領域メモリ用の誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造といったマイクロスケール又はさらにナノスケールの部品の製造への応用である。
投影系PSの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、3種類に大きく分類することができる。これらは、浴槽型の構成、いわゆる局所液浸システム、およびオールウェット(all wet)液浸システムである。浴槽型の構成では、基板Wの実質的に全体と任意的に基板テーブルWTの一部とが液槽に浸される。
局所液浸システムは、基板の局所域にのみ液体を供給する液体供給システムを使用する。液体で満たされる空間は平面図にて基板上面よりも小さく、液体で満たされた領域は基板Wがその領域の下を移動しているとき投影系PSに対し実質的に静止状態にある。図2乃至図6は、このようなシステムで用いることのできる異なる供給装置を示す。液体を局所域にシールするためにシール機能がある。これを構成するよう提案されている一つの方法が国際特許出願公開第99/49504に開示されている。
オールウェット型の構成では、液体が閉じこめられない。基板上面全体と基板テーブルの全体または一部が液浸液で覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは浅い。液体は、基板上の液体のフィルム、例えば液体の薄フィルムであってよい。液浸液は、投影系の領域および投影系に対向する接面(このような接面は基板および/または基板テーブルの表面であってよい)に供給される。図2乃至図6の液体供給装置のいずれもまた、こうしたシステムに使用可能である。しかしながら、シール機能をなくすか、動作させないか、通常ほどは効果的でないようにするか、あるいはその他の手法で、局所域のみに液体をシールする効果がないようにする。
図2及び図3に示されるように、液体が少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の移動方向に沿って供給される。液体は、投影系の下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。基板が−X方向に最終要素の下を走査されると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて除去される。図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で除去される構成を概略的に示したものである。図2では液体が最終要素に対する基板の移動方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲に規則的なパターンで設けられる。図2および図3では、液体の流れの方向が矢印で示されていることに留意されたい。
局所液体供給システムをもつ液浸リソグラフィの更なる解決法が、図4に示されている。液体は、投影系PSの両側にある2つの溝入口によって供給され、入口の半径方向外側に配置された複数の分離された出口によって除去される。入口は、投影ビームを通す穴を中心に有するプレートに設けることができる。液体は、投影系PSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影系PSの他方側にある複数の分離された出口によって除去され、これによって投影系PSと基板Wとの間に液体の薄膜の流れが生じる。入口と出口のどちらの組合せを使用するかの選択は、基板Wの移動方向によって決まる(他方の組合せの入口及び出口は作動させない)。図4では、液体の流れの方向と基板の方向が矢印で示されていることに留意されたい。
提案されている別の構成は、液体閉じ込め構造をもつ液体供給システムを設けることである。この液体閉じ込め構造は、投影系の最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。こうした構成を図5に示す。
一実施形態では、リソグラフィ装置は、メッシュまたは類似の多孔性物質で覆われた入口を有する液体除去装置を有する液体閉じ込め構造を備える。メッシュまたは類似の多孔性物質は、投影系の最終要素と可動テーブル(例えば基板テーブル)との間の空間の液浸液に接触する二次元孔アレイを提供する。一実施形態では、メッシュまたは類似の多孔性物質は、ハニカムまたは別の多角形メッシュを備える。一実施形態では、メッシュまたは類似の多孔性物質は、金属メッシュを備える。一実施形態では、メッシュまたは類似の多孔性物質は、リソグラフィ装置の投影系の像フィールドを一周延在している。一実施形態では、メッシュまたは類似の多孔性物質は、液体閉じ込め構造の底面に位置し、テーブルに対向する面を有する。一実施形態では、メッシュまたは類似の多孔性物質は、テーブルの上面と概して平行なその底面の少なくとも一部を有する。
図5は、局所液体供給システムまたは流体ハンドリング構造12を概略的に示す図である。これは、投影系の最終要素と基板テーブルWTまたは基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の記載においては、明示的に別段の定めをした場合を除き、基板Wの表面について言及した場合、追加的にまたは選択的に基板テーブルの表面にもついても言及していることを留意されたい。)流体ハンドリング構造12は、投影系に対してXY面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)では多少の相対運動があってよい。一実施形態においては、流体ハンドリング構造12と基板Wの表面との間にシールが形成され、このシールはガスシール(ガスシールを備えたこのようなシステムは欧州特許出願公開第EP−A−1,420,298号に開示されている)または液体シールなどの非接触シールであってもよい。
流体ハンドリング構造12は、投影系PSの最終要素と基板Wとの間の空間11の少なくとも一部に液体を収容する。基板Wに対する非接触シールが投影系PSの像フィールドの周囲に形成され、基板Wの表面と投影系PSの最終要素との間の空間に液体が閉じ込められてもよい。この空間11は少なくとも一部が流体ハンドリング構造12により形成される。流体ハンドリング構造12は投影系PSの最終要素の下方に配置され、当該最終要素を囲む。液体が、投影系PSの下方且つ流体ハンドリング構造12内部の空間に、液体入口13によって供給される。液体出口13によって液体が除去されてもよい。流体ハンドリング構造12は、投影系の最終要素の少し上方まで延在していてもよい。液位が最終要素の上まで上昇することで、液体のバッファが提供される。一実施形態においては、流体ハンドリング構造12は、上端において内周が投影系またはその最終要素の形状に近似し、例えば円形であってもよい。下端において内周が像フィールドの形状に近似し、例えば長方形であってもよいが、これは必須ではない。
液体は、流体ハンドリング構造12の底部と基板Wの表面との間に使用中に形成されるガスシール16によって空間11に収容されてもよい。ガスシールは、気体によって形成される。ガスシールの気体は、圧力の作用で入口15を介して流体ハンドリング構造12と基板Wとの隙間に提供される。気体は出口14から抜き取られる。気体入口15での過剰圧力、出口14の真空レベル、及び隙間の幾何学的形状は、液体を閉じ込める内側への高速のガスフロー16が存在するように構成される。流体ハンドリング構造12と基板Wとの間の液体に作用する気体の力が空間11に液体を収容する。入口/出口は、空間11を取り巻く環状溝であってもよい。環状溝は、連続していてもよいし不連続であってもよい。ガスフロー16は、空間11に液体を収容する効果がある。こうしたシステムは、米国特許出願公開第2004−0207824号明細書に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、流体ハンドリング構造12はガスシールを有しない。
図6は、液体供給システムの一部である流体ハンドリング構造12を示す。流体ハンドリング構造12は、投影系PSの最終要素の周辺(例えば外周)に延在している。
一部において空間11を規定する面における複数の開口部20は、液体を空間11に供給する。液体は、空間11に入る前に、個別のチャンバ24,26を通ってそれぞれ側壁28,22の開口部29,20を通過する。
流体ハンドリング構造12の底面と、例えば基板Wまたは基板テーブルWTまたはその両方などの接面との間に、シールが与えられる。図6では、シール装置は、非接触シールを提供するよう構成されており、いくつかの構成要素で構成されている。投影系PSの光軸から半径方向外側に、空間11中に延在する流れ制御プレート51が設けられている。流れ制御プレート51は、それを通して液体の流れを許容する開口部55を有してもよい。開口部55は、流れ制御プレート51をZ方向に(例えば、投影系PSの光軸と平行に)移動する場合に有益である。例えば基板Wなどの接面に面する(例えば対向する)流体ハンドリング構造12の底面上における流れ制御プレート51の半径方向外側に、開口部180があってもよい。開口部180は、接面に向かう方向に液体を供給可能である。これは、結像の間に、基板Wと基板テーブルWTとの間の隙間を液体で満たすことにより、液浸液中の気泡形成を防止するのに役立つ。
開口部180の半径方向外側に、流体ハンドリング構造12と接面との間から液体を抽出する抽出器アセンブリ70があってもよい。抽出器アセンブリ70は、単相抽出器として動作してもよいし、二相抽出器として動作してもよい。抽出器アセンブリ70は、液体のメニスカス320のメニスカス固定機構として機能する。
抽出器アセンブリの半径方向外側には、ガスナイフ90があってもよい。抽出器アセンブリおよびガスナイフの配置は、米国特許出願公開第2006/0158627号明細書に詳細に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
単相抽出器としての抽出器アセンブリ70は、液体除去装置、抽出器または入口(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006−0038968号明細書に開示されたものなど)を備えてもよい。一実施形態では、液体除去装置70は、多孔性物質111で覆われた入口120を備える。多孔性物質111は、気体から液体を分離して、単一の液相の液体抽出を可能とするために用いられる。多孔性物質111の孔に形成されるメニスカスが、雰囲気ガスが液体除去装置70のチャンバ121中に吸い込まれるのを防ぐよう、チャンバ121の負圧(underpressure)が選択される。しかしながら、多孔性物質111の表面が液体と接触するとき、流れを制限するメニスカスは存在せず、液体は液体除去装置70のチャンバ121中に自由に流入できる。
多孔性物質111は、それぞれが例えば5から50マイクロメータの範囲の幅(直径など)といった寸法の多数の小孔を有する。多孔性物質111は、液体が除去される接面などの面(例えば基板Wの表面)の上側に50から300マイクロメータの範囲の高さに維持されてもよい。一実施形態では、多孔性物質111は少なくとも若干の親液性(liquidphilic)を有する。すなわち、例えば水などの液浸液に対して、90°未満、望ましくは85°未満または望ましくは80°未満の動的接触角を有する。
ガスナイフ90の半径方向外側には、ガスナイフ90からの気体および/またはガスナイフ90を通り過ぎて漏れた液体を除去するために、1つ以上の出口210が設けられてもよい。1つ以上の出口210は、ガスナイフ90の1つ以上の出口の間に位置付けられてもよい。出口210への流体(気体および/または液体)のチャネリングを促進するために、凹部220が液体閉じ込め構造12に設けられてもよい。この凹部220は、ガスナイフ90の出口からおよび/またはガスナイフ90の出口間から出口210に向けられる。
図6には明示的に示されていないが、液体供給システムは、液体レベルの変動を処理するための構成を有する。これは、投影系PSと液体閉じ込め構造12との間に蓄積する(そしてメニスカス400を形成する)液体を処理して漏れないようにするためである。この液体を処理する1つの方法は、疎液性(例えば疎水性)コーティングを設けることである。コーティングは、開口部を取り囲む流体ハンドリング構造12の最上部の周囲におよび/または投影系PSの最終光学素子の周囲にバンドを形成してもよい。コーティングは、投影系PSの光軸の半径方向外側にあってもよい。疎液性(例えば疎水性)コーティングは、液浸液を空間11に保つのに役立つ。加えてまたは代えて、構造12に対して一定の高さに到達した液体を除去するために、1つ以上の出口201が設けられてもよい。
別の局所域構成は、気体抵抗原理(gas drag principle)を利用した流体ハンドリング構造である。いわゆる気体抵抗原理は、例えば米国特許出願公開第2008−0212046号明細書、第2009−0279060号明細書、第2009−0279062号明細書に説明されている。そのシステムでは、抽出孔が、望ましくは角を有する形状に配置されている。角は、ステップ方向またはスキャン方向などの好ましい移動方向に位置合わせされていてもよい。これにより、その好ましい移動方向の所与の速度において流体ハンドリング構造表面の2つの開口部間のメニスカスに生じる力が、仮にそれら2つの出口がその好ましい移動方向に垂直に位置合わせされている場合に比べて、小さくなる。しかしながら、本発明の一実施形態は、平面図でいかなる形状を有する流体ハンドリングシステム、又はいかなる形状で配列された例えば抽出開口部等の構成要素を有する流体ハンドリングシステムに適用されてもよい。こうした形状は、円等の楕円、長方形(例えば正方形)等の方形、菱形等の平行四辺形、又は、4より多い角をもつ角付き形状(例えば4以上の角をもつ星形)であってもよく、これらに限定されない。
US2008/0212046A1のシステムの一変形例においては、これは本発明の一実施形態に関連しうるが、複数の開口が配列された角付き形状の幾何は、とがった角(約60°から90°、望ましくは75°から90°、より望ましくは75°から85°)がスキャン方向とステップ方向の両方に位置合わせされた角に対して存在することを許容している。これにより、それぞれの位置合わせされた角の方向において速度を高めることが可能となる。これは、例えば走査方向で臨界速度を超えた際の不安定なメニスカスによる液滴の生成が低減されるからである。スキャン方向とステップ方向の両方に角が位置合わせされていれば、これら両方向に大きな速度を実現しうる。望ましくは、スキャン方向とステップ方向の移動速度が実質的に等しくてもよい。
上述したように、基板Wの表面からの液浸液の蒸発は、基板Wの冷却および変形を引き起こす可能性がある。この変形は、冷却を補償することにより抑制することができる。冷却は、例えば基板Wを加熱することにより補償されうる。例えば、基板Wは、基板Wの真下の基板テーブルWTを加熱することにより加熱されてもよい。基板テーブルWTは、基板テーブルWT内に形成された流路に加熱流体を流すことにより加熱されてもよい。基板Wの平坦性を提供するために、基板Wが基板テーブルWT上に搭載されるときには、基板Wと基板テーブルWTとの間の接触部位は制限される。一実施形態では、接触部位は、基板Wを基板テーブルWT上のバール(burl)上に搭載することにより制限される。一実施形態では、接触部位は1〜3%の範囲内である。基板Wとの接触部位を限定することにより、基板テーブルWTと基板Wとの間に汚染物質がたどり着く範囲が、基板テーブルWTと基板Wとの接触点に減少する。しかしながら、基板Wとの接触部分を制限することにより、基板テーブルWTと基板Wとの熱結合性が低下する。この熱結合性の低下は、基板テーブルWTと基板Wとの間に熱が伝達される効率を低下させる。基板Wの冷却を補償するために例えば基板テーブルWTの加熱を用いた効率は、このようにして低下する。
基板テーブルWTの温度が基板Wの温度変化を補償するよう意図的に(例えばアクティブに)制御されていないときでさえ、基板テーブルWTの存在により、温度変化が減る傾向がある。これは、基板テーブルWTの熱容量は通常、基板Wの熱容量よりもはるかに大きいためである。基板Wと基板テーブルWTとの間にいくらかの熱結合がある場合、基板Wにかかる熱負荷は、基板Wと基板テーブルWTとの間である程度は分担されるであろう。従って、基板Wと基板テーブルWTとの熱結合は、基板Wの温度変化の大きさを減らす傾向がある。この効果は、「パッシブ補償」とも称される。基板Wと基板テーブルWTとの熱結合を改善することは、このパッシブ補償の効率を向上するのに役立つ。
一実施形態では、高熱伝導率ガスが基板Wと基板テーブルWTとの間の領域に供給される。一実施形態では、基板Wと基板テーブルWTとの間の領域の体積は、およそ高さ、形状および基板Wが支持されるバール(burl)の間隔により規定される。一実施形態では、気体は、298K(室温)で100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。100mW/(m.K)は、100ミリワットパーメーターケルビン、すなわち0.1ワットパーメーターケルビンを意味する。このような気体は、以下において「高熱伝導率ガス」と称される。一実施形態では、高熱伝導性気体は、室温で157mW/(m.K)の熱伝導率を有するHe(ヘリウム)、室温で187mW/(m.K)の熱伝導率を有するH2(水素)、またはHeとH2の混合物(およびオプションで1つ以上の他のガス)を含む。高熱伝導率ガスは、基板テーブルWTと基板Wとの熱結合を向上させる。熱結合が向上されることにより、上述したパッシブ補償に起因する基板Wの温度勾配を低下させることができる。一実施形態では、基板テーブルの温度は、測定されたおよび/または予測された基板Wの冷却をアクティブに補償するよう制御される。このような実施形態では、熱結合が向上されることにより、アクティブ補償(能動的補償)が実行される効率が改善される。例えば、補償は、より高い精度および/またはより短い応答時間で実行されうる。一実施形態では、以下のガスのうち1つ以上が基板と基板テーブルWTとの間の領域に供給されてよい:空気、アルゴン、および/または窒素。一実施形態では、空気、アルゴンおよび/または窒素のうち1つ以上が上述した高熱伝導率ガスの1つ以上と共に供給される。一実施形態では、上述したガスまたは混合ガスのいずれかに加えて水蒸気が提供される。
図7は、基板テーブルWTと基板テーブルWT上に搭載された基板Wとの間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステム30を備える一実施形態を示す。ガスハンドリングシステム30により供給されたガスは、298Kで100mW/(m.K)以上、望ましくは298Kで150mW/(m.K)より大きい熱伝導率を有する。一実施形態では、ガスは、供給ライン32により基板テーブルWTに供給され、抽出ライン34を介して回収される。一実施形態では、供給ライン32は、抽出ライン34がガスを抽出する領域の横方向(例えば基板Wおよび/または基板テーブルWTの中心に対して半径方向)内側に位置する。基板Wと基板テーブルWTとの間の領域の一部にガスを供給する。該領域の一部は、あるいは又は加えて、供給ライン32は、抽出ライン34がガスを抽出する領域の横方向外側に位置する基板Wと基板テーブルWTとの間の領域の一部に、ガスを供給してもよい。一般的にガスは、任意の方向に流れるようアレンジされてよい。しかしながら、特定の実施形態では、流れのほとんどが横方向内側となるようアレンジされる。別の実施形態では、流れのほとんどが横方向外側となるようアレンジされる。
図8から図13は、図7の構成の基板テーブル部分の拡大図である。明瞭にするために、基板Wを支持するバールは図示されていないが、バールまたはその等価物が存在することを理解されたい。
図8は、基板テーブルWTがガスハンドリングシステム30から基板Wと基板テーブルWTとの間の領域40にガスを供給する1つ以上の供給ポート38を備える実施形態を示す。また、領域40から流体を抽出する1つ以上の抽出ポート42が設けられている。1つ以上の供給ポート38は、1つ以上の供給ポート38と供給ライン32との間に位置する中間供給キャビティ39に接続されてもよい。一実施形態では、中間供給キャビティ39は、それぞれが複数の供給ポート38の1つ以上に対応する複数の出力を有する。中間供給キャビティ39は、供給ライン32に対して1つだけの出口を有していてもよい。しかしながら、一実施形態では、中間供給キャビティ39は、供給ライン32に対して2つ以上の出口を有している。一実施形態では、複数の供給ライン32が設けられており、それぞれが1つの中間供給キャビティまたは異なる中間供給キャビティに対して別々の接続を有する。中間供給キャビティ39は、限られた数の供給ライン32(例えば1つの供給ライン32)を用いて流体を供給ライン32の数よりも多くの供給ポート38に供給するのに都合のよい構造を提供する。一実施形態では、1つ以上の供給ライン32は、中間供給キャビティ39なしで、直接1つ以上の供給ポート38に接続されている。
同じように、1つ以上の抽出ポート42と1つ以上の抽出ライン34との間に、中間抽出キャビティ43が設けられてもよい。一実施形態では、中間抽出キャビティ43は、対応する複数の抽出ポート42につながる複数の出口と、抽出ライン34につながる1つの出口を有する。一実施形態では、中間抽出キャビティ43は、基板にサイズおよび形が似た閉ループを形成する。例えば、中間抽出キャビティ43は、基板テーブルWTの領域を通り抜けて基板Wの周辺端部47に極めて接近するよう構成されてもよい。例えば、中間抽出キャビティ43の軸は、円形であってよい。
図8に示す構成では、供給ポート38および抽出ポート42は、雰囲気ガス(例えば空気)、基板Wの周辺47に隣接する領域45から、液浸流体または両方の横方向内側への流れ(矢印41)が提供されるよう位置付けられている。雰囲気ガスおよび/または液浸流体は、いくつかの実施形態において基板Wの周辺47と搭載基板Wを取り囲む構成要素(例えば、基板テーブルWTを搭載する、または基板テーブルWT自体の一部であるマウントブロックまたは「エンコーダブロック」)の上面との間に形成された小さな隙間49を通って入る。供給ポート38および抽出ポート42は、抽出ポート42(搭載基板Wの周辺47に極めて近接するよう位置しているので、本実施形態では「周辺抽出ポート」とも称される)に直接隣接する(例えば、横方向内側方向に直接隣接する)領域において、高伝導率ガスの横方向外側への流れ(矢印57は流れ方向を示し、ハッチング領域は高伝導率ガスで満たされている部分を概略的に示す)を提供するよう構成されている。
一実施形態では、雰囲気ガス、液浸流体または両方の内側への流れ(矢印41)は、従って、周辺抽出ポート42の領域において高熱伝導率ガスの横方向外側への流れ(矢印57)と合流する。この混合体の全て(クロスハッチング部分)は、それ故、好都合なことに同じ抽出ポート42を用いて除去され、その結果追加の抽出ポートの必要性が低減される。さらに、雰囲気ガス、液浸流体または両方の内側への流れにより、高熱伝導率ガスが基板Wの周辺47に隣接する隙間49を通って漏れる可能性を減らすことができる。基板Wの上側の領域が高熱伝導率ガスにより汚染される危険性または程度は、従って低減される。その結果、基板Wの上側の領域での雰囲気ガスの組成の変化により引き起こされる計測装置(例えば干渉計測システム)の破壊の危険性または程度が低減される。
一実施形態では、基板Wの周辺47に隣接する領域45から雰囲気ガス、液浸流体または両方を吸い込む周辺抽出ポート42を設けることにより、基板Wの上側の領域において気泡が液浸流体に入り込む危険性を効果的に低減できる。あるいは又は加えて、周辺抽出ポート42は、液浸流体が基板W真下の領域40の中心部分に向かって進む範囲を効果的に制限する。それ故、周辺抽出ポート42を設けることは、高熱伝導率ガスを基板W真下の領域40に供給するガスハンドリングシステム30がない場合でさえ、望ましい機能性を提供する。このような周辺抽出ポートと共に効果的に機能するよう高熱伝導率ガスの領域40への供給方法を適合することにより、最低限の追加のハードウェアで望ましい特性を達成することが可能となる。
一実施形態では、基板テーブルWTには、周辺流れ制限構造50A、50Bが設けられている。周辺流れ制限構造50A、50Bは、基板Wと基板テーブルWTとの間の領域40における横方向内側部分と横方向外側部分との間の流体の流れを制限する。一実施形態では、周辺流れ制限構造の組50が設けられている。組50は、内側周辺流れ制限構造50Bと、内側構造50Bの半径方向外側に位置し、該内側構造50Bを完全に取り囲む外側周辺流れ制限構造50Aとを含む。内側周辺流れ制限構造50Bに対し、横方向内側部分は、構造50Bの右側部分であり、横方向外側部分は構造50Bの左側部分である。外側周辺流れ制限構造50Aに対し、横方向内側部分は構造50Aの右側部分であり、横方向外側部分は構造50Aの左側部分である。図示の構成では、抽出ポート42は内側周辺流れ制限構造50Aと外側周辺流れ制限構造50Bとの間に位置する。一実施形態では、1つ以上の周辺流れ制限構造は、実質的に基板Wの大部分の半径方向外側に位置する円形状を有する(オプションで、基板Wの中心に中心を置かれる)。1つ以上の流れ制限構造50A,50Bは、基板Wの手前数ミクロンの所まで延在する部分を備えてもよい。該部分と基板との間の制限された隙間は流れ抵抗を増加させ、その結果、流れ制限構造50A、50Bを横切る流れを制限する。流れ制限構造50Aおよび50Bは、内側流れ制限構造50Bの横方向内側領域の不完全真空(partial vacuum)の維持を容易とする。一実施形態では、不完全真空は、基板テーブルWTに基板Wをクランプするために用いられる。内側流れ制限構造50Aと外側流れ制限構造50Bとの間に1つ以上の抽出ポート42を設けることにより、高熱伝導率ガスが基板Wの上側の領域に漏れる危険性または程度がさらに低下する。加えて、流れ制限構造50A,50Bは、隙間49を通って入る雰囲気ガス、液浸流体、または両者により領域40に位置する高熱伝導率ガスが汚染される危険性または程度を低減する。一実施形態では、1つだけの周辺流れ制限構造が設けられている。別の実施形態では、2以上の周辺流れ制限構造が設けられる。
一実施形態では、1つ以上の周辺抽出ポート42は、内側周辺流れ制限構造50Aと外側周辺流れ制限構造50Bとの間の領域を、内側構造50Bの横方向内側領域に維持される真空度よりも高い真空度に維持してもよい。一実施形態では、外側周辺流れ制限構造50Aは、高熱伝導率ガスが隙間49を通って基板Wの測定システム側に漏れるのを防止するのに役立つ。
図8に示す構成では、2つの周辺流れ制限構造50A,50Bが設けられており、1つ以上の周辺抽出ポート42が2つの構造50A,50Bの間に設けられている。しかしながら、一実施形態では、1つ以上の周辺流れ制限構造は、間に周辺抽出ポート42を持っていようがいまいが設けられてよい。一実施形態では、2つの周辺流れ制限構造50は、それらの間に周辺抽出ポート42を持たずに設けられてよい。一実施形態では、1つ以上の周辺抽出ポート42は、周辺流れ制限構造50なしで設けられてもよい。一実施形態では、周辺抽出ポート42は、(基板Wの平面に対して垂直に見たときに)例えば基板Wの真下の領域40の大部分を取り囲む閉路に構成されてもよい。
図9は、内側周辺流れ制限構造50B、中間周辺流れ制限構造50C、および外側周辺流れ制限構造50Aという3つの流れ制限構造が設けられた一実施形態を示す基板の周辺領域の拡大図である。中間周辺流れ制限構造50Cは、構造50Bの横方向外側(例えば完全に囲んでいる)にあるが、構造50Aの横方向内側(例えば構造50Aにより囲まれている)にある。この実施形態の3つの構造50A、50B、50Cは、1)構造50Bの内側領域、2)構造50Bと構造50Cの間の領域、3)構造50Cと構造50Aの間の領域、4)構造50Aの外側領域という4つの異なる領域における異なる圧力(例えば、異なる真空レベル)の維持を容易にする。一実施形態では、1つ以上の周辺抽出ポート42が構造50Bと50Cの間に設けられてもよい。一実施形態では、1つ以上の流れ抽出ポート42が構造50Cと50Aの間に設けられてもよい。図示された実施形態では、1つ以上の流れ制限ポート42が構造50Bと50Cの間と、構造50Cと50Aの間の両方に設けられている。この構成に対する流れパターンの一例(これに限定されない)が矢印63,69,71および73により概略的に図示されている。この構成では、構造50Cと50Aの間の周辺抽出ポート42は、隙間49を通って入る雰囲気ガスおよび/または液浸流体の大部分を抽出する。構造50Cと50Bの間の周辺抽出ポート42は、それ故、図8に示すタイプの実施形態の場合と比べて受け取る雰囲気ガスおよび/または液浸流体は少なくなる。従って、構造50Cと50Bの間の周辺抽出ポート42により抽出されたガス中の高熱伝導率ガスの割合はより高くなり、これにより、このガスの再利用が容易となる。例えば、構造50Cと50Bの間の周辺抽出ポート42により抽出されたガスを直接的に(抽出したガスを最初に浄化するステップを取ることなく)再利用することが可能となる。あるいは又は加えて、抽出したガスは、高始動純度(higher starting purity)のため、より容易に再処理されうる。一実施形態では、2段階の流体抽出(すなわち、構造50Aと50Cの間と、構造50Cと50Bの間の抽出)を設けることにより、雰囲気ガスおよび/または液浸流体が最内の構造50Bの内側領域に到達する可能性、および/または高熱伝導率ガスが隙間49を通って基板Wの測定側に漏れる可能性をさらに減らすことができる。
図10は、基板Wの真下に位置する基板テーブルWTの一部が1つ以上のスルーホール52を備える一実施形態の一例を概略的に示す(図10では1つのスルーホール52のみが図示されている)。これらのスルーホール52は、例えば基板テーブルWTに基板Wを搭載する、および/または基板テーブルWTから基板Wを取り外すのを容易にするために設けられている。例えば、スルーホール52は、基板Wを押して基板テーブルWTから離間させる、および/または基板Wを基板テーブルWT上に制御して下降させることを可能とするピン(例えば「エレベーションピン」と称される)を収容するよう構成されてもよい。あるいは又は加えて、スルーホール52は、基板テーブルWTをエンコーダブロック又はマウントブロックなどの基板テーブルWTの真下の構造に整列させる1つ以上のアライメントピンを収容するよう構成されてもよい。例えば、アライメントピンは、基板テーブルWTの真下の構造に形成された対応する溝または孔にぴったりとはまるよう構成されてもよい。
スルーホール52は、基板テーブルWTと基板Wの間の領域40中への開口部54を備える。従って、スルーホール52は、雰囲気ガスが領域40に入って高熱伝導率ガスを汚染するルートを提供することが可能となるかもしれない。このような汚染は、熱伝導率ガスを低減する可能性がある。それ故、汚染は、基板テーブルWTと基板Wとの熱結合の有効性を低下させる可能性がある。
図10の実施形態では、スルーホール52からの雰囲気ガスによる汚染の危険性または程度は、開口部54を囲むスルーホール流れ制限構造(外側スルーホール流れ制限構造60Aと内側スルーホール流れ制限構造60B)の組60をスルーホール52に設けることにより低減される。例えば、外側スルーホール流れ制限構造60Aは、スルーホールに対し、内側スルーホール流れ制限構造60Bの半径方向外側にあってよい(例えば、外側構造60Aは、内側構造60Bを閉ループになるよう完全に取り囲んでもよい)。オプションで、1つ以上のスルーホール抽出ポート62が外側構造60Aと内側構造60Bの間に設けられてもよい。一実施形態では、スルーホール抽出ポート62は、中間スルーホール抽出キャビティ64を備える。中間スルーホール抽出キャビティ64は、オプションで、スルーホール52を取り囲む閉リング(例えば、円形、多角形、またはでこぼこな形の閉路)に形成されてもよい。一実施形態では、開口部54を取り囲む閉路をたどる複数のスルーホール抽出ポート62がスルーホール52に設けられている。一実施形態では、所与のスルーホール52を取り囲むスルーホール抽出ポート62の全ては、1つの中間スルーホール抽出キャビティ64に接続されている。一実施形態では、中間スルーホール抽出キャビティ64とガスハンドリングシステム30との接続の数は、1つの中間スルーホール抽出キャビティ64から始まるスルーホール抽出ポート62の数よりも少ない。例えば、ガスハンドリングシステム30と中間スルーホール抽出キャビティ64の間の接続は1つのみであってもよい。
一実施形態では、図9に示す構成から類推して、1つ以上のスルーホールのそれぞれを取り囲む3つ以上の流れ制限構造が設けられてもよい。中間流れ制限構造60Cを有する構成例が図11に示されている。図11は、スルーホール52に隣接する領域の拡大図である。隣り合うスルーホール流れ制限構造間の少なくとも2つの領域に、1つ以上のスルーホール抽出ポート62が設けられてよい。図示の実施例では、構造60Bと60Cの間、および構造60Cと60Aの間の領域に、1つ以上のスルーホール抽出ポート62が設けられている。最外の構造(図示の実施形態では構造60A)と、(スルーホールに対して)横方向内側に直接隣接した流れ制限構造(図示の実施形態では構造60C)との間のスルーホール抽出ポート62により抽出されたガスの純度が高くなるので、抽出したガスの再利用が容易となる。
上述した流れ制限構造(例えば、内側、中間、外側、周辺、またはスルーホール構造)のいずれも、閉路(閉じたパス)を形成してよい。これらのパスは、任意の閉じた平面図形またはループの形状をとることができることを理解されたい。例えば、パスは円形、例えば六角形などの多角形、でこぼこな形状であってよい。
図10に示す構成では、スルーホール52は、スルーホール流れ制限構造60A、60Bと、1つ以上のスルーホール抽出ポート62との両方により取り囲まれている。しかしながら、一実施形態では、スルーホール52は、(スルーホール抽出ポートなしで)スルーホール流れ制限構造のみにより取り囲まれてもよい。一実施形態では、スルーホール52は、(スルーホール流れ制限構造なしで)スルーホール抽出ポートのリングのみにより取り囲まれてもよい。図10に概略的に見ることができるように、領域40内のハッチング部分と、スルーホール52への開口部54の近くのハッチングされていない部分との間の境界を参照することにより、雰囲気ガスがスルーホール流れ制限構造60A、および/またはスルーホール52への開口部54の領域の方向に向かうスルーホール抽出ポート62により制限される。従って、領域40の高伝導率ガスの汚染は制限される。それ故、基板テーブルWTと基板Wの熱結合の崩壊もまた制限される。
図12は、基板テーブルWTにスルーホール供給ポート66が設けられた構成を示す。このスルーホール供給ポート66は、スルーホール52の少なくとも一部において、スルーホール供給ポート66を介して導入されたガスを基板Wから離れる流れるように、高伝導率ガスをスルーホール52に供給する。図示の実施形態では、基板から離れる流れは、スルーホール供給ポート66の下方である(矢印65)。図12に示す構成では、スルーホール供給ポート66は、スルーホール52内に側方に開口するように設けられている。スルーホール供給ポート66に対して、キャビティ39と類似のキャビティ68が設けられている。基板Wから離れる高伝導率ガスの流れを与えることにより、雰囲気ガスがスルーホール52を通って基板Wに向かって進むことがさらに困難となる。従って、雰囲気ガスによる領域40の汚染の危険性または程度が低減される。図12の構成は、図10の構成と組み合わせて用いることができる。例えば、図12の構成が1つ以上の選択されたスルーホールに用いられ、図10の構成が他のスルーホールに対して用いられる。
一実施形態では、開口部54を取り囲む流れ制限構造59がスルーホール52に設けられてもよい。流れ制限構造59は、確実に基板W下の圧力が十分な不完全真空レベルに維持され、一方で開口部54の圧力が高く、例えばおおよそ周囲圧力となるようにするのに役立つ。流れ制限構造59は、基板Wから離れる高熱伝導率ガスの流れ(矢印65)を促進し、従って、雰囲気ガスが基板W真下の領域40の低熱伝導率ガスを汚染する危険性を低減する。
図13は、基板Wの周辺47と周囲の部品との間の隙間49をシールするエッジシール72が設けられた構成を示す。エッジシール72は、例えば薄い環状部品を含んでもよい。エッジシール72は、例えば金属またはプラスチックから形成されてもよい。エッジシール72は、堅くてもよいし、柔軟であってもよい。エッジシール72は、例えば自動接着性であってもよい。エッジシール72は、隙間49上の雰囲気ガスの汚染を有利に防いでもよい。一実施形態では、エッジシール72は、基板がエッジシール72を縦方向に通過可能な開状態と閉状態の間で作動されてもよい(このような構造では、エッジシール72は「機械的エッジシール」と称される)。
エッジシール72を有する一実施形態では、雰囲気ガスまたは液浸流体は隙間49を通って基板Wの真下の領域40に入ることはできない(または少なくともこれが可能な範囲が大幅に減少する)。それ故、このタイプの構成では、雰囲気ガスおよび/または液浸流体による領域40の汚染を防ぐまたは制限するメカニズムを設けるもはや必要はない(または少ない)。図13では、1つ以上の周辺供給ポート74が基板Wの周辺47に隣接する領域に設けられている。周辺供給ポート74は、領域40の内側部分に向かう高伝導率ガスの横方向内側への流れを提供するよう構成されている。横方向内側への流れは、例えば基板搭載処理の間に周辺部分をクランプする前に基板Wの中心部分を真空クランプすることが望まれるような場合に、横方向外側への流れよりも都合がよい。中心領域には抽出ポート76が設けられている。1つ以上の周辺供給ポート74に対して横方向内側の位置に、流れ制限構造78が設けられてもよい。流れ制限構造78は、領域40の中心部分を隔離するのに役立ち、ひいては、基板Wをクランプするためにこの領域において不完全真空状態を確立することを容易とする。一実施形態では、流れ制限構造78は流れ制限リングを備える。
図14は、大気圧よりも高い圧力で、例えば大気圧の1.5倍以上またはさらに高い高伝導率ガスを蓄えるフラッシングリザーバ82を備える一実施形態の例を示す。基板Wと基板テーブルWTの間の領域40にリザーバ82を接続するための接続システム84が設けられている。接続システム84は、例えばリザーバ82と領域40との間に比較的低い流れ抵抗のパスを提供するよう構成されうる。低い流れ抵抗のパスを設けることにより、高熱伝導率ガスが領域40に急速に流れる。この急速な流れは、「フラッシングフロー」とも称される。フラッシングフローは、領域40から雰囲気ガスの大部分を実質的に取り除く(「フラッシュアウェイ(洗い流す)」)のに有効である。領域40への接続よりも前に、フラッシングリザーバ82内に比較的高い圧力(例えば大気圧よりも高い、例えば大気圧の1.5倍以上またはさらに高い)を維持することもまた、領域40内への急速なガスの流れを確保するのに役立つ。一実施形態では、領域40の圧力がフラッシングリザーバ82の圧力におよそ等しくなるまで、この流れが続くことが許容される。基板を搭載する時間を低減するために、領域40の急速な注入を提供することが望ましい。基板の搭載時間を低減することにより、スループットを向上できる。一実施形態では、接続システム84は、フラッシングフローが完了したときに(または、例えばフラッシングリザーバ82の圧力が一定レベル以下に降下するので、ある程度まで完了したときに)、フラッシングリザーバ82と連続流源80との接続を切り替えるよう構成されている。例えば、接続システム84は、連続流源80への接続75を開いたままにする間に、あるいはそれが既に開いていない場合には連続流源80への接続75を開く間に、フラッシングリザーバ82を接続システム84につなぐ接続79を閉鎖するよう構成されてもよい。このような構成では、連続流源80の圧力は逆流を防ぐであろう。加えてまたは代えて、連続流源80と接続システム84の間にチェックバルブ77が配置されてもよい。一実施形態では、領域40がフラッシングリザーバ82と連続流源80の両方に開かれている間に、フラッシングフローが実行される(フラッシングフローの大部分に関し、流れの大部分がフラッシングリザーバ82から来る)。この場合の接続システム84により実行される「切替」は、連続流源80とフラッシングリザーバ82の両方が領域40に接続されている状態と連続流源80のみが領域40に接続されている状態との切替に相当する。接続システム84は、領域40にガスを供給するために用いられた後に、フラッシングリザーバ82の圧力を始動圧力に戻すために、連続流源80からフラッシングリザーバ82にガスの流れ(ガスフロー)を提供するよう構成されてもよい。領域40に入るガスの量は、フラッシングリザーバ82の容量と、フラッシングフローが開始される前にそこでガスが維持される圧力とによって決定される。この自己制御式の動作は、過剰な量のガスを供給するのを避けるための複雑な制御システムを用いることなく、急速なガスフローを提供できることを意味する。
一実施形態では、フラッシングリザーバ82は以下のように用いられる。第1段階では、基板Wが基板テーブルWT上に配置される。基板W下方の中心領域の圧力は、その後、中心領域から雰囲気ガスをくみ出すことにより低下される。第2段階では、基板W下方の周辺領域の圧力もまた、大気圧未満、例えばおおよそ0.5気圧に低下される。第3段階では、基板W下方の中心領域がフラッシングリザーバ82に接続され、高熱伝導率ガスが基板W下方の中心領域に短時間で入る。これにより、基板Wの中心部分の下方の圧力が急速に上昇する。中心領域の圧力は、この段階の間に、おおよそ1気圧まで上昇する可能性がある。第4段階では、高熱伝導率ガスの流れが連続流に切り替えられる。連続流は、基板W下方の圧力が大気圧未満の圧力で安定するよう制御され、その結果、基板Wが基板テーブルWTにしっかりと取り付けられる。例えば、この段階の圧力は、約0.5気圧で一定に保たれてもよい。
上述の基板搭載方法は、フラッシングリザーバを用いずに実施されてもよい。例えば、第3段階において、所望の流速が達成されるようアクティブまたはパッシブにガスの流れを制御する連続供給システムを用いて高熱伝導率ガスが供給されてもよい。
一実施形態では、基板Wと基板テーブルWTの間の領域40から流体を取り除くのを助けるために吸引リザーバ83が設けられてもよい。吸引リザーバ83は、不完全真空状態、例えば0.1気圧またはそれ未満に保持された容積(ボリューム)を備えてよい。吸引リザーバ83を基板W下方の領域40に接続する(例えばバルブ81を開くことで)ことにより、領域40から吸引リザーバ83に急速に流体が流れる。この流れは、領域40と吸引リザーバ83の圧力が等しくなったとき、または吸引リザーバ83への接続が閉じられたときに停止する。一実施形態では、抽出可能なガスの量は、吸引リザーバ83の容積と
吸引リザーバ83内の初期の分圧に依存する。従って、ポンプ作用が必要以上にならないようにするセンサ装置または制御装置を設ける必要はない。吸引リザーバ83は、例えば基板搭載工程の間に、基板W下方の領域から雰囲気ガスを抽出するために用いられてよい。吸引リザーバ83は、従って、基板搭載工程の速度を上げるのに役立つ。あるいは又は加えて、吸引リザーバ83は、例えば基板取り外し工程の間に、高熱伝導率ガスを抽出するために用いられてよい。吸引リザーバ83は、従って、基板取り外し工程の速度を上げるのに役立つ。吸引リザーバ83内の不完全真空が使用後に回復できるよう、真空ライン(例えばポンプ)85が吸引リザーバ83に接続されてもよい。
図15は、基板Wと基板テーブルWTの間の領域40を通過した流体から高熱伝導率を有するガスを抽出する再処理システム86を示す。再処理システム86は、入口87を介して処理すべき流体を受け取り、抽出されたガスを出口89を介して再利用のために出力する。一実施形態では、再処理システム86は、入力された流体から、流体中の平均ガス濃度よりも低い濃度を有するガスを抽出する分離システムを備える。一般的に、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスは、雰囲気ガスまたは液浸流体よりも大幅に濃度が低い。高熱伝導率ガスは、従って、雰囲気ガス、液浸流体および高熱伝導率ガスの混合物を含む容器の最上部に上昇する傾向にある。分離システムは、従って、下方部分に廃棄物出口96を有し、上方部分に低濃度ガス出口95を有する分離タンク90を備えてもよい。分離システムにより抽出されたガス(例えば低濃度ガス出口95を介して分離タンク90から出たガス)の純度は、純度センサ92を用いて測定されてよい。純度センサ92は、例えば、熱伝導率センサ、濃度センサ、またはそれら両方を備えてよい。一実施形態では、純度センサ92からの出力は、純度センサ92からの出力に基づいて、分離タンク90から外に出た低濃度ガスの流速を制御する制御システム93に入力される。例えば、制御システム93は、分離タンク90から出たガスの純度が特定の閾値を超えたことを純度センサ92が示したときに(または熱伝導率が特定の閾値を超えたとき及び/又は濃度が特定の閾値を下回ったとき)、出口89に対してバルブ94を開くよう構成されてもよい。ガスが未だ許容可能な品質ではないことを純度センサが示しているとき、制御システム93は、バルブ94を閉じて分離タンク90から外にでる流れを停止または制限する。このような流れの停止または制限は、分離タンク内で進む分離プロセスの時間を増加させる。ガスが所望の品質であることを純度センサ92が示しているとき、またはバルブ94が閉じられてから一定時間が経過後、制御システム93は、バルブ94を開き、出口89を介して再処理ガスの供給を再開する。
一実施形態では、基板テーブルから基板を取り外すための以下の方法において、1つ以上の上述した基板テーブルアセンブリが用いられてよい。第1段階では、ガスハンドリングシステム30は、高熱伝導率ガスを基板Wの真下の領域40に提供するよう構成される。第1段階の終わりは、例えば露光段階の終わりに対応する。第2段階では、ガスハンドリングシステムは、高熱伝導率ガスに代えてフラッシングガス(例えば雰囲気ガス及び/又は空気)が基板Wの真下の領域40に提供されるモードに切り替える。このプロセスは、高熱伝導率ガスが基板Wの真下の領域40から実質的に洗い流されるまで続けられてよい。最終段階では、望ましくは高熱伝導率ガスの濃度が特定の閾値未満に下降した後に、基板Wが基板テーブルWTから取り除かれる。一実施形態では、フラッシングガスを基板Wの真下の領域40に供給するプロセスは、確実に高熱伝導率ガスの濃度が閾値未満に降下するように一定時間続けられてもよい。あるいは又は加えて、基板Wの真下の領域40の高熱伝導率ガスの濃度を検出するためにセンサが設けられてもよい。例えば、高熱伝導率ガスの濃度は、領域40のガスの熱伝導率を測定することにより推定されてもよい。一実施形態では、領域40中への雰囲気ガスの流れは、測定された熱伝導率が特定の閾値レベル未満に降下するまで続けられる。これらの手順は、基板が取り外されたときに高熱伝導率ガスの放出により基板Wの上側の領域が汚染される危険性を低減する。
上記から分かるように、高熱伝導率ガスが基板と基板テーブルとの間の領域に供給される場合、および基板がこの領域の不完全真空を用いて基板テーブルにクランプされる場合、高熱伝導率ガスは、不完全真空が維持されるように供給される。例えば、この領域中への流速、この領域から出る流速、またはその両方は、少なくともこの領域の一部の圧力が確実に1気圧未満、例えば約0.5気圧のままとなるのを助けるよう制御されてよい。
一実施形態では、基板テーブルから基板に熱が伝達される効率は、液体の蒸発潜熱/凝縮潜熱の利用により増大できる。一実施形態では、これは、湿ったガス(例えば湿った空気)を領域40中に供給することにより達成される。基板テーブルが基板より温かいとき、基板テーブル表面からの液体(例えば水)の正味の蒸発と、基板表面への液体の正味の凝縮とが存在する。蒸発プロセスは、蒸発潜熱によって基板テーブルから熱を効率的に抽出する。凝縮プロセスは、凝縮潜熱によって基板に熱を効率的に伝達する。蒸発潜熱は、凝縮潜熱と同じ規模を有する。
湿ったガスは、外部源から供給されてもよい(すなわち、蒸気を発生させるプロセスが領域40の外側で行われる)。しかしながら、このアプローチは、領域40の圧力(「クランプ圧力」)の変動があるときに、基板温度の変動を引き起こす傾向がある。
図19は、クランプ圧力の関数として、領域40において水蒸気分圧(partial water pressure)と飽和温度がどのように変化するかを表すグラフである。標準的な水蒸気分圧は約26.4mbarと期待される。縦軸112は、飽和温度を摂氏温度で表す。横軸114は、クランプ圧力をmbarで表す。ライン116は、クランプ圧力に伴う飽和温度の変化を表す。ライン118は、クランプ圧力に伴う水蒸気分圧の変化を表す。図に示すように、比較的小さいクランプ圧力のたった20mbarの増加(または減少)は、比較的大きな飽和温度の約0.6℃の増加(または減少)につながることが期待される。飽和温度の変化は、基板温度に対応する影響を及ぼす。外部源からの湿ったガスを用いるシステムの性能は、従って、クランプ圧力の変化により妨げられる可能性がある。
一実施形態では、上述した1つ以上の問題(例えば外部の湿ったガス源の使用に関する問題など)は、使用中に基板Wに向かい合う基板テーブルWTの部分の20%またはそれ以上にわたって液体の被膜を設けることにより解決される。液体蒸気(例えば水蒸気)は、その後、局所的な蒸発により領域40に提供される。液体蒸気分圧(例えば水蒸気分圧)は、基板テーブルWTの温度にのみ依存し、これは正確に制御することができる。飽和温度は、クランプ温度に伴って大幅には変わらないはずである。
上述したように、液体は、基板Wに向かい合う基板テーブルWTの表面部分の少なくとも20%を覆ってよい。望ましくは少なくとも30%が覆われ、より望ましくは少なくとも40%が覆われ、さらに望ましくは少なくとも50%が覆われる。
基板を事前に湿らせることは必要とされないが、これはオプションで与えられてもよい。
図16は、領域40に液体を供給する液体ハンドリングシステムの一実施例を示す。リザーバ104から領域40に液体を運ぶために連結要素102が設けられている。連結要素102は、例えばパイプ及び/又はウィッキング(wicking)構造を備えてもよい。連結要素102は、リザーバ104から領域40に毛細管現象を用いて液体を抜き取るよう構成されてもよい。あるいは又は加えて、液体106は、リザーバ104から領域40に異なるメカニズムを用いて運ばれてもよい。例えば、連結要素102のリザーバ端の圧力が領域40の圧力より高くなるよう構成し、液体が差圧により領域40に向かって押し出されるようにしてもよい。
一実施形態では、連結要素102は、使用中に基板Wに直接向かい合う基板テーブルWTの表面部分の少なくとも20%を覆うウィッキング構造に接続される、またはウィッキング構造の一部である。ウィッキング構造は、表面領域にわたる薄層に液体を広げるよう構成されてもよい。液体を広げることは、例えば毛細管現象によりなされてもよい。一実施形態では、ウィッキング構造は、浸液性(例えば親水性)であってもよい。ウィッキング構造の表面は、例えば30度未満の液体(例えば水)との接触角を有してもよい。一実施形態では、ウィッキング構造は、毛細管現象を用いて液体を運ぶ1つ以上の溝構造を備えてもよい。一実施形態では、ウィッキング構造は、多孔性構造を備えてもよい。一実施形態では、ウィッキング構造は多孔性のSiCから形成される。
図17は、どのように連結要素102がウィッキング構造104につながるかを概略的に示す上面図である。この実施形態では、ウィッキング構造105は円形状を有する。しかしながら、ウィッキング構造105は任意の他の形状を有してもよい。
液体蒸気が比較的熱い基板テーブルから比較的冷たい基板に進む速度は、原則としてガスを介して領域40に拡散する必要があることにより阻害される。しかしながら、基板テーブルと基板の分離はとても小さいので、この影響は無視してよいと期待される。
基板テーブルWT上の液体層の深さは、最小で数100nmのオーダであってよい(約0.1mLの容積に相当)。典型的なアプリケーションでは、深さは数ミクロンのオーダであってよい。最小深さは、液体層が表面にわたって均一に広がることができない場合、例えば液体層がウィック構造の細孔に設けられる場合(例えば数ミクロンの細孔サイズを有するウィック構造)、最小深さは大きくなるであろう。
基板が取り外されるとき、基板は短時間濡れたままになる可能性がある。しかしながら、液体層は、比較的薄く、素早く蒸発する。蒸発プロセスは、基板上に乾燥したガス(例えば空気)を吹き付けることにより加速することができる。この段階の液体の蒸発は、基板の冷却(約0.3℃)を引き起こす可能性がある。しかしながら、この冷却の間にリソグラフィが起こらなければ、この冷却に起因するエラーは発生しない。
一実施形態では、基板Wが基板テーブルWTに搭載される前に、基板テーブルWTに液体が供給される。これは、様々な方法でなされる。図18は、噴霧器108を用いて液体を塗布する様子を示す。一実施形態では、噴霧器108は、液体をきれいに分布させるよう構成される。これは、基板テーブルWT状に薄い液層を急速に形成するのに役立つ。薄い液層の急速形成することは、スループットを高くするのに役立つ。噴霧器108は、ガス(例えば空気)中に分散した液体(例えば水)ミストのスプレーを提供するよう構成されてもよい。あるいは又は加えて、電気スプレーを用いて液体が与えられてもよい。電気スプレーは、液体を運ぶのにガスを使用しないので、スプレーの間に与える熱負荷が小さい(冷却が少ない)。
抽出ポート42(例えば図8、図10および図12参照)及び・又は周辺流れ制限構造50A,50Bを設けることは、高熱伝導率ガスの基板の上側の領域への漏れを許容レベルまで低下させる、または防止するのに十分ではない可能性がある。例えばHeを用いた場合、このような漏れはエンコーダなどの測定システムの測定精度を低下させる可能性がある。H2を用いた場合、爆発の起こり得る危険性のために、安全性の懸念がある。
一実施形態では、高熱伝導率ガスが漏れる危険性または程度は、バッファガスを基板テーブルWTと基板Wの間の領域に供給することによりさらに低減される。一実施形態では、高熱伝導率ガス(例えば、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガス、これは「第1ガス」とも称される)は、バッファガス(「第2ガス」とも称される)と異なる組成を有する。一実施形態では、バッファガスは、高熱伝導率ガスに対する障壁としての機能を果たす。一実施形態では、バッファガス供給ポートは、高熱伝導率ガスを円周方向に取り囲むバッファガスの「カーテン」を提供する。一実施形態では、このカーテンは、閉ループを形成し、任意で円形であり、任意で基板端部近傍に位置する。一実施形態では、バッファガスは、基板テーブルWTと基板Wとの間の領域において半径方向内側に、任意で高熱伝導率ガスの流れに対して反対方向に流れるよう構成される。一実施形態では、バッファガスは、周囲空気よりも高い熱伝導率を有するガスから成る。一実施形態では、バッファガスは、99%を超えるN2から成る。一実施形態では、バッファガスは、99%を超えるN2から成り、高熱伝導率ガスは99%を超えるHeから成る。図20,図21および図22は、バッファガスを用いるよう構成された実施形態の例を示す。
図20は、図8を参照して上述したタイプの一実施形態がバッファガスを用いるためにどのように構成されるかを示す。図示の実施形態では、基板Wの真下の領域にバッファガスを供給するために、バッファガス供給ポート120が設けられてよい。図示の構成では、バッファガスが外部環境に漏れるのを制限するために、バッファガス流れ制限構造122がさらに設けられてよい。一実施形態では、上述した周辺流れ制限構造50A,50Bの代わりに、バッファガス流れ制限構造が実装されてもよい。周辺流れ制限構造50A,50Bもまた設けられている図20に示すような一実施形態では、バッファガス流れ制限構造は、周辺流れ制限構造50A,50Bの半径方向外側に設けられてもよい。バッファガス流れ制限構造は、任意で周辺流れ制限構造50A,50Bを円周方向に取り囲んでもよい。図示の実施形態では、バッファガスは半径方向内側(矢印124)に流れるように構成されている。一実施形態では、半径方向内側の流れ124は、高熱伝導率ガスの半径方向外側の流れ57の方向と反対である。図示の実施形態では、バッファガスの半径方向内側の流れ124は、高熱伝導率ガスとバッファガスの混合物を抽出するよう構成された抽出ポート42により動かされる。いくつかの他の実施形態では、バッファガス流れ制限構造122は省略されている。例えば、バッファガス流れ制限構造122は、バッファガスの組成が基板の上側の領域で起こるプロセス(例えば測定プロセス)を著しく妨げないような場合には省略されてもよい。
図20に示す実施形態の変形例では、最も外側の周辺流れ制限構造50Aが省略される。図20に示す実施形態のさらなる変形例では、最も外側の周辺流れ制限構造50Aとバッファガス流れ制限構造122が省略される。さらなる変形例では、内側の周辺流れ制限構造50Bもまた省略される。
図21は、図10を参照して上述したタイプの一実施形態がバッファガスを用いるためにどのように構成されるかを示す。図20に示す実施例では、バッファガス供給ポート120と、選択的なバッファガス流れ制限構造122が設けられている。バッファガスの内側方向への流れ124は、抽出ポート42からの吸引により動かされる。図20を参照して上述した変形例の全てが図21の実施形態にも適用されうる。加えてまたは代えて、バッファガスの流れ126がスルーホール52に与えられてもよい。スルーホール52を通ったバッファガスの流れ126は、高熱伝導率ガスと周囲空気との接触または混合の可能性を低減する。高熱伝導率ガスがH2を含む場合、バッファガスはそれによりスルーホール52の領域における爆発の危険性を低減できる。
図22は、図12を参照して上述したタイプの実施形態がバッファガスを用いるためにどのように構成されるかを示す。図20および図21に示す実施例と同様に、バッファガス供給ポート120および選択的なバッファガス流れ制限構造122が設けられている。バッファガスの内側方向への流れ124は、抽出ポート42からの吸引により動かされる。図20を参照して上述した変形例の全てが図22の実施形態にも適用されうる。
上述の特徴のどれでも他の任意の特徴とともに用いることができ、本出願で保護されるのは、明示的に記載されたそれらの組み合わせだけではないことを理解されたい。例えば、本発明の一実施形態は、図2から図6の実施形態にも適用可能である。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、H2を含む。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基盤テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。基板テーブルは、ガスハンドリングシステムから基板と基板テーブルとの間の領域にガスを供給する供給ポートと、該領域から流体を抽出する抽出ポートとを備える。抽出ポートは、基板周辺の隣接領域から雰囲気ガス、液浸流体、または両方の横方向内側への流れを提供するよう構成された周辺抽出ポートを備える。
一実施形態では、供給ポートおよび抽出ポートは、周辺抽出ポートに直接隣接する領域においてガスハンドリングシステムにより供給されるガスの横方向外側への流れを提供するよう構成される。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、基板および/または基板テーブルの中心と比較して、基板と基板テーブルとの間の領域の横方向内側部分と横方向外側部分の間の流体の流れを制限する閉路形状の周辺流れ制限構造をさらに備える。
一実施形態では、周辺流れ制限構造は、内側周辺流れ制限構造と、外側周辺流れ制限構造とを備える。内側周辺流れ制限構造は、外側周辺流れ制限構造により取り囲まれている。
一実施形態では、周辺抽出ポートは、内側周辺流れ制限構造と外側周辺流れ制限構造の間に位置している。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、内側周辺流れ制限構造と外側周辺流れ制限構造との間に、中間周辺流れ制限構造をさらに備える。
一実施形態では、周辺抽出ポートは、隣接する周辺流れ制限構造間の少なくとも2つの領域内に位置する。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域に第1のガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。ガスハンドリングシステムにより供給される第1のガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。ガスハンドリングシステムはさらに、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域に、第2のガスとしてバッファガスを供給するよう構成されている。バッファガスは、第1のガスとは異なる組成を有する。
一実施形態では、第1のガス/298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスは、99%を超えるHeを含む。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にバッファガスを供給するためのバッファガス供給ポートをさらに備える。
一実施形態では、バッファガス供給ポートは、バッファガスの横方向外側への流れを提供するよう構成される。
一実施形態では、バッファガス供給ポートは、第1のガス/298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを円周方向に取り囲むバッファガスの障壁を提供するよう構成される。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、バッファガスの横方向外側への流れを制限するバッファガス流れ制限構造をさらに備える。
一実施形態では、基板テーブルは、第1のガス/298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスとは異なる組成を有するバッファガスをバッファガス供給ポートに供給するよう構成される。
一実施形態では、バッファガスは、空気よりも高い熱伝導率を有する。
一実施形態では、バッファガスは99%を超えるN2を含む。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。基板テーブルは、基板と基板テーブルとの間の領域中への開口部を有するスルーホールを備える。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、スルーホールの開口部を取り囲むスルーホール流れ制限構造をさらに備える。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、スルーホールの開口部に隣接する領域から流体を抽出するスルーホール抽出ポートをさらに備える。
一実施形態では、スルーホール流れ制限構造は、内側スルーホール流れ制限構造と外側スルーホール流れ制限構造とを備える。両者は、スルーホールの開口部を取り囲んでおり、スルーホール抽出ポートが内側スルーホール流れ制限構造と外側スルーホール流れ制限構造との間に位置する。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、内側スルーホール流れ制限構造と外側スルーホール流れ制限構造との間に中間スルーホール流れ制限構造をさらに備える。
一実施形態では、隣接するスルーホール流れ制限構造間の少なくとも2つの領域内に、スルーホール抽出ポートが位置する。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリはさらに、スルーホールを通って基板に向けてバッファガスの流れを提供する構成されている。
一実施形態では、基板テーブルは、少なくともスルーホールの一部に基板から離れるガスの流れが確立されるよう、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスをスルーホールに供給するスルーホール供給ポートを備える。
一実施形態では、スルーホール供給ポートは、スルーホール中に側方に開口している。
一実施形態では、スルーホールは、基板を基板テーブルに搭載または基板テーブルから取り外す間に用いるピン、または基板テーブル用のマウンティングブロックに対する基板テーブルのアライメント用のピンにアクセスできるよう構成されている。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステム(ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する)と、基板の外側周辺端部において、基板上側の領域と、基板と基板テーブル間の領域との間をシールするエッジシールとを備える。このアセンブリは、基板の周辺に隣接する領域から、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスの横方向内側への流れを提供するよう構成されている。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。ガスハンドリングシステムは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを大気圧を超える圧力で蓄えるフラッシングリザーバ(洗浄リザーバ)を備える。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する一定量のガスのフラッシングフロー(洗浄流)を該領域中に提供するために、フラッシングリザーバを基板テーブル上に搭載された基板と基板テーブルとの間の領域につなぐ接続システムをさらに備える。
一実施形態では、ガスハンドリングシステムは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスの連続流(連続フロー)を大気圧よりも低い実質的に一定の圧力で提供する連続流システムを備える。
一実施形態では、接続システムは、フラッシングフローと連続流とを切替可能に構成される。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。ガスハンドリングシステムは、基板と基板テーブルとの間の領域を通過した流体から、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを抽出する再処理システムを備える。
一実施形態では、再処理システムは、流体中の平均ガス濃度よりも低い濃度を有するガスを流体から抽出する分離システムを備える。
一実施形態では、分離システムは分離タンクを備える。分離タンクは、分離タンクのタンクの下方部分の廃棄物出口と、分離タンクの上方部分の低濃度ガス出口とを備える。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、分離システムから出力された低濃度ガスの純度を測定する純度センサをさらに備える。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、純度センサからの出力に基づいて、分離システムから外に出た低濃度ガスの流速を制御するよう構成された制御システムをさらに備える。
一実施形態では、純度センサは、熱伝導率センサ、濃度センサ、またはそれら両方を備える。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステム(ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する)と、不完全真空に保持されており、基板と基板テーブルの間の領域に選択的に接続可能に構成された吸引リザーバとを備える。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、使用中に基板に直接向かい合う基板テーブルの表面部分の少なくとも20%を液体で覆うよう、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域に液体を供給する液体ハンドリングシステムとを備える。
一実施形態では、液体は水からなる。
一実施形態では、液体ハンドリングシステムは、基板テーブルの表面を液体リザーバにつなぐ連結要素を備える。
一実施形態では、連結要素は、毛細管現象により液体リザーバから基板テーブルの表面に液体を抜き取るよう構成されている。
一実施形態では、基板テーブルは、毛細管現象により表面領域にわたって液体を広げるよう構成されたウィッキング構造を備える。
一実施形態では、ウィッキング構造は、多孔性SiC、溝構造、および/または親水性の組成物から選択された1つ以上を備える。
一実施形態では、基板テーブルアセンブリは、基板テーブルと該基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムを備え、ガスハンドリングシステムにより供給されるガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。
一態様では、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルアセンブリが提供される。基板テーブルアセンブリは、基板を支持する基板テーブルと、基板テーブルと基板テーブル上に搭載された基板との間の領域にガスを供給するガスハンドリングシステムとを備える。基板テーブルは、基板と基板テーブルとの間の領域中への開口部を有するスルーホールを備える。該アセンブリは、スルーホールの開口部を取り囲むスルーホール流れ制限構造を備える。該スルーホール流れ制限構造は、開口部の周囲に閉路を形成する。
一態様では、上述した基板テーブルアセンブリを備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
一態様では、上述した基板テーブルアセンブリにおいて基板テーブルから基板を取り外す方法が提供される。この方法は、以下のステップを順番に備える。ガスハンドリングシステムを用いて、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを基板と基板テーブルとの間の領域に供給すること、ガスハンドリングシステムを用いて、フラッシングガスを基板と基板テーブルとの間の領域に供給して、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを洗い流すこと、および298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスの濃度が一定の閾値レベル未満に下降したとき、基板テーブルから基板を取り外すこと。
一態様では、上述した基板テーブルアセンブリにおいて基板テーブル上に基板を搭載する方法が提供される。この方法は、以下のステップを順番に備える。基板テーブル上に基板を置くこと、基板と基板テーブルとの間の領域の中心部分に、大気圧よりも低い圧力を確立すること、基板と基板テーブルとの間の領域に、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを導入すること、および大気圧未満の実質的に一定の圧力で基板と基板テーブルとの間の領域を通る一定のガスの流れを確立すること。
一実施形態では、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを導入することは、基板と基板テーブルとの間の領域を、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するかなりの量のガスを大気圧を超える圧力で備えるフラッシングリザーバに連結することにより行われる。
一実施形態では、基板と基板テーブルとの間の領域において、大気圧よりも低い中心部分の圧力はまた基板の周辺端部近傍の圧力よりも低く、本方法は、周辺端部の圧力を中心部分の圧力と実質的に等しいレベルまで低下させる後続のステップをさらに備える。
一態様では、上述した基板テーブルアセンブリにおいて基板テーブル上に基板を搭載する方法が提供される。この方法は、基板テーブルの表面に液体を塗布すること、および基板テーブル上に基板を置くことというステップを順番に備え、液体は、基板に直接向き合う基板テーブルの表面部分の少なくとも20%を覆う。
一実施形態では、液体は、噴霧器または電気スプレーを用いて塗布される。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域にガスを供給することを備える。ガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有し、ガスはH2を含む。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域に298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを供給することと、基板周辺に隣接する領域から、雰囲気ガス、液浸流体、または両方の横方向内側への流れを提供することを備える。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域に298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する第1のガスを供給することと、基板と基板テーブルとの間の領域に、第2のガスとしてバッファガスを供給することを備える。バッファガスは、第1のガスとは異なる組成を有する。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域にガスを供給することを備える。ガスは、298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有する。基板テーブルは、基板と基板テーブルとの間の領域中への開口部を有するスルーホールを備える。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域に298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを供給することと、基板の上側領域と、基板と基板テーブル間の領域との間を基板の外側周辺端部においてシールすることと、基板周辺に隣接する領域から298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスの横方向内側への流れを提供することを備える。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域に298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを供給することと、抽出されたガスを再利用するために、基板と基板テーブルとの間の領域を通過した流体から298Kで100mW/(m.K)以上の熱伝導率を有するガスを抽出することを備える。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と該基板を支持する基板テーブルとの間の領域に、基板に直接向き合う基板部分の表面積の少なくとも20%を覆うように、液体を供給することを備える。
一態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、投影系と基板との間の空間に閉じ込められた液浸液を介してパターンを付与された放射ビームを投影することと、基板と基板テーブルとの間の領域にガスを供給することを備える。基板テーブルは、基板と基板テーブルとの間の領域中への開口部を有するスルーホールを備える。スルーホール流れ制限構造は、スルーホールの開口部を取り囲んでおり、スルーホール流れ制限構造は開口部の周囲に閉路を形成する。
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を例として説明しているが、リソグラフィ装置は、集積光学システム、磁区メモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドの製造など、他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。当業者であればこれらの他の適用に際して、本明細書における「ウェハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。基板は露光前または露光後においてトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は既に処理されている1つまたは多数の処理層を含む基板をも意味する。
本明細書において「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば約365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長を有する)を含むあらゆる種類の電磁放射を示す。「レンズ」という用語は、文脈が許す限り、屈折光学素子及び反射光学素子を含む1つの光学素子またはこれら各種の光学素子の組み合わせを指し示すものであってもよい。
本発明の特定の実施形態が上述されたが、説明したもの以外の態様で本発明が実施されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、上述の方法を記述する機械で読み取り可能な命令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形式をとってもよいし、そのコンピュータプログラムを記録したデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気ディスク、または光ディスク)であってもよい。機械で読み取り可能な命令は2以上のコンピュータプログラムにより実現されてもよい。それら2以上のコンピュータプログラムは1つまたは複数の異なるメモリ及び/またはデータ記録媒体に記録されていてもよい。
本明細書に記載の任意のコントローラ(制御部)は各々がまたは組み合わされて、リソグラフィ装置の少なくとも1つの構成要素内部に設けられた1つまたは複数のコンピュータプロセッサによって1つまたは複数のコンピュータプログラムが読み取られたときに動作可能であってもよい。コントローラは信号を受信し処理し送信するのに適切ないかなる構成であってもよい。1つまたは複数のプロセッサは少なくとも1つのコントローラに通信可能に構成されていてもよい。例えば、複数のコントローラの各々が上述の方法のための機械読み取り可能命令を含むコンピュータプログラムを実行するための1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。各コントローラはコンピュータプログラムを記録する記録媒体及び/またはそのような媒体を受けるハードウェアを含んでもよい。コントローラは1つまたは複数のコンピュータプログラムの機械読み取り可能命令に従って動作してもよい。
本発明の1つまたは複数の実施形態はいかなる液浸リソグラフィ装置に適用されてもよい。上述の形式のものを含むがこれらに限られない。液浸液が浴槽形式で提供されてもよいし、基板の局所領域のみに提供されてもよいし、非閉じ込め型であってもよい。非閉じ込め型においては、液浸液が基板及び/または基板テーブルの表面から外部に流れ出ることで、基板テーブル及び/または基板の覆われていない実質的に全ての表面が濡れ状態であってもよい。非閉じ込め液浸システムにおいては、液体供給システムは液浸流体を閉じ込めなくてもよいし、液浸液の一部が閉じ込められるが完全には閉じ込めないようにしてもよい。
本明細書に述べた液体供給システムは広く解釈されるべきである。ある実施形態においては投影系と基板及び/または基板テーブルとの間の空間に液体を提供する機構または構造体の組合せであってもよい。1つまたは複数の構造体、及び1つまたは複数の流体開口の組合せを含んでもよい。流体開口は、1つまたは複数の液体開口、1つまたは複数の気体開口、1つまたは複数の二相流のための開口を含む。開口のそれぞれは、液浸空間への入口(または流体ハンドリング構造からの出口)または液浸空間からの出口(または流体ハンドリング構造への入口)であってもよい。一実施形態においては、液浸空間の表面は基板及び/または基板テーブルの一部であってもよい。あるいは液浸空間の表面は基板及び/または基板テーブルの表面を完全に含んでもよいし、液浸空間が基板及び/または基板テーブルを包含してもよい。液体供給システムは、液体の位置、量、性質、形状、流速、またはその他の性状を制御するための1つまたは複数の要素をさらに含んでもよいが、それは必須ではない。
上述の説明は例示であり、限定を意図しない。よって、後述の請求項の範囲から逸脱することなく既述の本発明に変更を加えることができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。