JP5777735B2 - 地図描画装置、ナビゲーション装置および地図描画方法 - Google Patents

地図描画装置、ナビゲーション装置および地図描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、地図データの描画技術に関する。
ナビゲーション装置等の地図描画装置では、描画ライブラリ(「グラフィックスライブラリ」とも称する)を利用して、画面に表示させる地図データの描画処理が実行される。具体的には、地図描画装置は、描画対象の図形(描画対象図形)の各頂点の座標情報、描画対象図形の輪郭の線種、および描画対象図形の塗りつぶしの色等の図形情報を描画データとして取得する。そして、地図描画装置は、描画ライブラリを利用して当該描画データに基づいて地図データを描画し、当該地図データを用いた画面表示を行う。
描画処理を実行させる描画ライブラリとしては、例えば、OpenGL(Open Graphics Library)が存在し、OpenGLは、複数の描画手法を有している。
複数の描画手法のうち、いずれの描画手法を採用して地図データを描画するかに関して、特許文献1では、描画データを分析して複数の描画手法の中から1の描画手法を選択する手法が提案されている。
特開2010−072808号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、描画データの分析に時間を要し、描画処理を高速に行うことが出来ない場合があった。
そこで、本発明は、描画処理を高速に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る地図描画装置は、地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ、および前記オブジェクトの地物属性を示す地物属性情報を取得する取得手段と、前記線状の図形を描画するための複数の描画手法を有する描画手段と、描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性情報に基づいて、前記複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の1つの描画手法を選択する選択手段とを備え、前記描画手段は、前記選択手段によって選択された描画手法を用いて、前記線状の描画対象図形を描画し、前記複数の描画手法は、前記線状の描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定することによって、前記線状の描画対象図形を描画する三角形分割描画手法と、複数の点を並べて前記線状の図形を描く連続点描画手法と、有限直線を用いて線状の図形を描く連続線描画手法とのうちの少なくとも2つの描画手法を含む
また、本発明に係るナビゲーション装置は、地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ、および前記オブジェクトの地物属性を示す地物属性情報を取得する取得手段と、前記線状の図形を描画するための複数の描画手法を有する描画手段と、描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性情報に基づいて、前記複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の1つの描画手法を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された描画手法を用いて描画された線状の図形を含む地図画像を表示部に出力する表示制御手段とを備え、前記複数の描画手法は、前記線状の描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定することによって、前記線状の描画対象図形を描画する三角形分割描画手法と、複数の点を並べて前記線状の図形を描く連続点描画手法と、有限直線を用いて線状の図形を描く連続線描画手法とのうちの少なくとも2つの描画手法を含む
また、本発明に係る地図描画方法は、a)地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ、および前記オブジェクトの地物属性を示す地物属性情報を取得する工程と、b)描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性情報に基づいて、複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の1つの描画手法を選択する工程と、c)前記b)工程において選択された描画手法を用いて、前記線状の描画対象図形を描画する工程とを備え、前記複数の描画手法は、前記線状の描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定することによって、前記線状の描画対象図形を描画する三角形分割描画手法と、複数の点を並べて前記線状の図形を描く連続点描画手法と、有限直線を用いて線状の図形を描く連続線描画手法とのうちの少なくとも2つの描画手法を含む
本発明によれば、描画処理を高速に行うことが可能になる。
第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。 地図上に描かれる描画図形と、描画図形を描くために用いる描画データと、描画図形が表す地物の属性との関係を示す図である。 地図描画装置の描画動作を示すフローチャートである。 三角形分割描画処理を行う際の地図描画装置の動作を示すフローチャートである。 三角形分割描画処理の具体例を説明するための図である。 ステンシル描画処理を行う際の地図描画装置の動作を示すフローチャートである。 ステンシル描画処理の具体例を説明するための図である。 第2実施形態に係る地図描画装置において実行される描画動作のフローチャートである。 縮尺の大きさに応じた境界線の表示態様を例示する図である。
以下、各実施形態について図面を参照して説明する。
<1.第1実施形態>
[1−1.構成]
図1は、第1実施形態に係るナビゲーション装置1の構成を示す図である。図2は、地図上に描かれる描画図形と、描画図形を描く際に用いる描画データと、描画図形が表す地物の属性(地物属性)との関係を示す図である。本明細書で詳述されるナビゲーション装置1としては、例えば、車両に搭載されるカーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、或いは携帯電話が想定される。
図1に示されるように、ナビゲーション装置1は、地図データを描画する地図描画装置10Aと、I/Oインタフェース13と、記憶装置14と、表示部15とを備えている。地図描画装置10Aは、I/Oインタフェース13を介して記憶装置14および表示部15と電気的に接続されている。
記憶装置14は、DVD−ROM等の光ディスクを記憶媒体とした光学ドライブ装置、不揮発性メモリ(例えばSSD、フラッシュ等)、リムーバブルメディア(SDカード等)またはハードディスク装置等で構成されている。記憶装置14には、地図を構成する各構成物(オブジェクト)の情報(「オブジェクトデータ」とも称する)140が記憶されている。
地図(ここでは地図画像)を構成するオブジェクトには、例えば、道路、建物、川、鉄道等の地物に対応したオブジェクトがあり、オブジェクトデータ140は、各オブジェクトを表す図形の描画データ141と、各オブジェクトに対応する各地物の地物属性値142とを含んでいる。また、地図を構成するオブジェクトには、地物に対応したオブジェクト以外に、地物に対応しないオブジェクトも存在し、オブジェクトデータ140は、これらの地物に対応しないオブジェクトについても、図形の描画データ141と地物属性値142とを含んでいる。地物に対応しないオブジェクトとしては、県および市区町村の境界を示す境界線、国および州の境界を示す境界線、飛行機または船舶等の航路線、或いは等高線等を例示することができる。
地図描画装置10Aは、このようなオブジェクトデータ140を記憶装置14から読み出し、オブジェクトデータ140に基づいて地図データを生成する。
ここで、描画データ141および地物属性値142について詳述する。描画データ141は、オブジェクトを表す図形の形状に関する情報であり、オブジェクトを表す図形を描画する際に用いられる。描画データ141は、描画対象となる図形の各頂点の座標情報(頂点データ)、描画図形の輪郭の線種、および描画図形の塗りつぶしの色等の情報を含んでいる。一方、地物属性値142は、描画図形によって表されるオブジェクトに対応する地物の属性を示す情報(地物属性情報)である。
例えば、図2に示されるように、描画図形の形状が「塗りつぶされた三角形」であった場合、当該描画図形BF1に対応する描画データBD1には、描画図形BF1の3つの頂点の各座標情報、描画図形BF1の輪郭の線種、描画図形BF1の塗りつぶしの色、および描画図形BF1がポリゴン(多角形)であることを示す情報が含まれる。また、描画図形BF1によって表されるオブジェクトの地物属性は「自車位置(または建物)」であるため、地物属性が「自車位置(建物)」であることを示す値が描画図形BF1に関する地物属性値142となる。
また、描画図形の形状が「凸多角形」であった場合、当該描画図形BF2に対応する描画データBD2には、描画図形BF2の頂点の各座標情報、描画図形BF2の輪郭の線種、描画図形BF2の塗りつぶしの色、および描画図形BF2がポリゴン(多角形)であることを示す情報が含まれる。また、描画図形BF2によって表されるオブジェクトの地物属性は「区画」であるため、地物属性が「区画」であることを示す値が描画図形BF2に関する地物属性値142となる。
また、描画図形の形状が「模様線」であった場合、当該描画図形BF3に対応する描画データBD3には、描画図形BF3の頂点の各座標情報、描画図形BF3の輪郭の線種、および描画図形BF3の塗りつぶしの色が含まれる。また、描画図形BF3によって表されるオブジェクトの地物属性は「鉄道線」であるため、地物属性が「鉄道線」であることを示す値が描画図形BF3に関する地物属性値142となる。
また、描画図形の形状が「ポリライン」であった場合、当該描画図形BF4に対応する描画データBD4には、描画図形BF4の頂点の各座標情報、描画図形BF4の輪郭の線種が含まれる。また、描画図形BF4によって表されるオブジェクトの地物属性は「道路線」であるため、地物属性が「道路線」であることを示す値が描画図形BF4に関する地物属性値142となる。なお、ポリラインとは、一続きの線分または曲線で構成されるオブジェクトである。
ナビゲーション装置1の構成説明(図1)に戻って、表示部15は、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイを用いて構成され、地図描画装置10Aにおいて描画された地図データに基づく地図画像を画面上に表示する。
地図描画装置10Aは、オブジェクトデータ140に基づいてオブジェクトの描画処理を行い、地図データを生成する描画処理部11と、記憶部12とを備えている。
描画処理部11は、CPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)のうち少なくとも1つで構成されている。描画処理部11は、記憶部12に記憶されたプログラム121を読み出して、当該プログラム121を実行することにより、各種機能部を実現する。
具体的には、描画処理部11は、描画手法決定部111と、三角形分割部112と、ステンシル処理部113と、線描画部114と、標準線描画部115と、マスク作成部116と、多角形描画部117と、表示制御部118とを機能的に実現する。各機能部は、CPUおよびGPUどちらでも実現可能であるが、ここでは、各機能部のうち、描画手法決定部111、三角形分割部112、および標準線描画部115がCPUで実現され、ステンシル処理部113、線描画部114、マスク作成部116、および多角形描画部117がGPUで実現されるものとする。なお、表示制御部118は、表示制御用のハードウェアで実現される。
描画手法決定部111は、描画対象となる描画対象オブジェクトを表す図形(描画対象図形)を描く際の描画手法を決定する。具体的には、描画手法決定部111は、記憶装置14からオブジェクトデータ140を取得する。そして、描画手法決定部111は、描画対象図形ごとに、描画対象図形によって表される描画対象オブジェクトの地物属性値142に基づいて描画手法を決定する。
地図描画装置10Aは、描画手法として、OpenGLを用いた三角形分割描画手法、ステンシル描画手法および線描画手法、並びに、OpenGLを用いた線描画手法以外の他の標準的な線描画手法(標準線描画手法)を有している。描画手法決定部111は、描画対象図形の描画手法をこれらの描画手法の中から選択する選択手段として機能することになる。なお、各描画手法の詳細は、後述する。
三角形分割部112は、OpenGLを利用するソフトウェア部位にて実現される機能部である。三角形分割部112は、描画対象図形における1つの頂点(注目点)から、スタックされた他の頂点に向けて対角線を引く処理を、頂点を変更しつつ繰り返すことによって、描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定する。描画対象領域を示すデータは、多角形描画部117に出力される。なお、三角形分割部112からは、分割された各三角形に関するデータが描画対象領域を示すデータとして多角形描画部117に出力されることになる。
ステンシル処理部113は、OpenGLを用いて実現される機能部である。ステンシル処理部113は、描画対象図形における或る頂点から他の各頂点に対して線分を引くことによって三角形を形成し、形成された各三角形の重なり回数に応じて描画対象領域を特定する。描画対象領域を示すデータは、ステンシルデータとしてマスク作成部116に出力される。
線描画部114は、OpenGLを用いて実現される機能部であり、描画対象図形としての線状の図形を、VRAM等のフレームメモリ(不図示)に描画する機能を有している。
標準線描画部115は、OpenGL以外の標準的な描画ソフトウェアをCPU(またはGPU)で実行することによって実現される機能部、或いは、地図描画装置10Aに搭載される描画チップにおいて実現される処理部である。標準線描画部115では、標準的な線描画手法によって、線状の描画対象図形がフレームメモリに描画される。当該標準的な線描画手法によれば、線描画部114において実現されるOpenGLを用いた線描画手法に比べて、少ない演算量で線状の描画対象図形を描くことができる。
マスク作成部116は、ステンシル処理部113から入力されるステンシルデータに基づいて、マスクパターンを作成し、当該マスクパターンをステンシルバッファ119に格納する。
ここでマスクパターンとは、図形の描画箇所を特定部分に制限するものである。このマスクパターンにより、図形全体の塗りつぶしを行ったとしても描画対象箇所のみを描画することができる。
多角形描画部117は、フレームメモリに描画対象図形を描いて、地図データを生成する。より詳細には、多角形描画部117は、三角形分割部112から入力された描画対象領域を示すデータに基づいて、フレームメモリに、描画対象図形の輪郭を描くとともに、描画データ141に基づいて描画対象図形内の塗りつぶしを行う。また、多角形描画部117は、ステンシルバッファ119に格納されたマスクパターンおよび描画データ141を用いて、フレームメモリ上に描画対象図形を描く。
表示制御部118は、表示部15における表示内容を制御する。具体的には、表示制御部118は、フレームメモリにおいて形成される地図データを用いて、地図画像の表示処理を行う。
[1−2.動作]
次に、地図描画装置10Aにおいて実行される描画動作について説明する。図3は、地図描画装置10Aの描画動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、鉄道線、道路線、県境等の境界線を表す線状の図形を描画する際の描画動作について説明する。
図3に示されるように、まず、ステップSP1では、描画処理部11は、地図表示に必要なオブジェクトデータ140を記憶装置14から読み出して取得する。
次のステップSP2では、描画手法決定部111は、描画対象オブジェクトの地物属性値142に基づいて、当該描画対象オブジェクトを表す図形(ここでは、線状の図形)を描く際の描画手法を決定する。
具体的には、描画手法決定部111は、地物属性値142に基づいて、描画対象の図形が、複数の多角形の組み合わせで構成された線状の特定図形であるか否かを判断する。そして、描画対象図形が線状の特定図形であった場合、描画手法決定部111は、当該図形を描くときの描画手法を三角形分割描画手法に決定し、動作工程をステップSP3に移行させる。
ステップSP3では、三角形分割描画手法を用いて、当該線状の特定図形に関する描画処理が行われる。ステップSP3で実行される処理は、三角形分割部112および多角形描画部117において実行される処理である。
一方、描画対象図形が線状の特定図形でなかった場合、描画手法決定部111は、当該描画対象オブジェクトを描くときの描画手法を線描画手法に決定し、動作工程をステップSP4に移行させる。
ステップSP4では、OpenGLを用いた線描画手法或いは標準的な線描画手法を用いて、線状の図形に関する描画処理が行われる。ステップSP4で実行される処理は、線描画部114および多角形描画部117、或いは標準線描画部114および多角形描画部117において実行される処理である。
複数の多角形の組み合わせで構成された線状の特定図形としては、例えば、鉄道線を示す図形を挙げることができる。鉄道線を示す図形は、複数の多角形を組み合わせて、線状に構成されるため、三角形分割描画手法を用いて描画することによれば、描画対象図形の形状に応じた適切な描画手法で描画処理を行うことができる。
ステップSP3或いはステップSP4において描画処理が終了すると、動作工程は、ステップSP5に移行する。
ステップSP5では、描画されていない未描画のオブジェクトがあるか否かが判定される。
未描画のオブジェクトが存在しない場合、描画動作は終了する。
一方、未描画のオブジェクトが存在する場合、動作工程は、ステップSP1に移行され、未描画のオブジェクトを描画対象オブジェクトとしてステップSP1からステップSP5の各工程が再度実行される。ステップSP5の判定処理によって、未描画のオブジェクトがなくなるまで、ステップSP1からステップSP5の各工程が繰り返し実行されることになる。
[1−3.描画手法について]
ここで、本実施形態の地図描画装置10Aが備える三角形分割描画手法について説明する。図4は、三角形分割描画手法で描画処理(三角形分割描画処理)を行う際の地図描画装置10Aの動作を示すフローチャートである。図5は、三角形分割描画処理の具体例を説明するための図である。なお、図5では、描画対象図形として多角形が示されている。
図4に示されるように、まず、ステップSP11では、描画対象図形における各頂点がY軸座標の降順でソートされる。例えば、図5では、描画対象となる多角形の各頂点が、頂点C,C,C,C,C,C,Cの順に並び換えられる。
ステップSP12では、ソートされた各頂点の先頭から2頂点分の頂点がスタックされる。図5では、頂点Cおよび頂点Cがスタックされることになる。
ステップSP13では、ソートされた各頂点において、先頭から3番目の頂点が注目点Pに設定される。図5では、頂点Cが注目点Pに設定されることになる。
ステップSP14では、注目点Pnから、スタックされた頂点に対角線が引かれる。例えば、図5では、注目点P(頂点C)からスタックされている頂点Cに対角線が引かれることになる。
次のステップSP15では、描画対象図形内を全て三角形に分割したか否かが判定される。描画対象図形内が全て三角形に分割されていると判定された場合は、三角形分割描画処理は、終了する。一方、描画対象図形内が全て三角形に分割されていないと判定された場合は、動作工程は、ステップSP16に移行される。例えば、図5の例では、全て三角形に分割できていない多角形Cが存在するため、動作工程は、ステップSP16に移行されることになる。
ステップSP16では、三角形に分割されなかった頂点がスタックされる。図5では、頂点C4,C5,C6,C7がスタックされることになる。
ステップSP17では、注目点Pが1つずらされる。図5では、注目点Cを1つずらしてCに設定されることになる。
そして、再度実行されるステップSP14では、新たな注目点Cから新たにスタックされた頂点C,C,Cに向けて描画対象図形の内側に形成することができる対角線が引かれることになる。
ステップSP15では、描画対象図形内を全て三角形に分割したか否かが再度判定される。図5の例では、全て三角形に分割できていない多角形Cが存在するため、動作工程は、再度ステップSP16に移行される。
ステップSP16では、三角形に分割されなかった頂点C,Cがスタックされる。
ステップSP17では、注目点Pが1つずらされる。図5では、注目点Cを1つずらしてCに設定される。
ステップSP14では、新たな注目点Cから新たにスタックされた頂点C,Cに向けて多角形の内側に形成することができる対角線が引かれる。
ステップSP15では、描画対象図形内を全て三角形に分割したか否かが再度判定され、図5の例では描画対象図形を全て三角形に分割できているため、三角形分割描画処理は、終了する。
このように三角形分割描画処理では、描画対象図形内を全て三角形に分割することによって、描画対象領域を特定する。
次に、地図描画装置10Aが備えるステンシル描画手法について説明する。図6は、ステンシル描画手法で描画処理(ステンシル描画処理)を行う際の地図描画装置10Aの動作を示すフローチャートである。図7は、ステンシル描画処理の具体例を説明するための図である。なお、図7では、描画対象図形として星形の多角形RF(RF1〜RF6)が示されている。図7中の6つの多角形RF1〜RF6は、ステンシル描画処理の進捗状況に応じた説明を行うためのものであり、これらの多角形RF1〜RF6は、同一の多角形RFである。
図6に示されるように、まず、ステップSP21では、描画対象図形の各頂点のうち先頭の頂点が開始点Pfとして登録される。例えば、図7では、多角形RFの各頂点のうち先頭の頂点Dが開始点Pfとして登録される。
ステップSP22では、ステップSP21において登録された開始点Pfからその他の各頂点に対して線分を引くことによって、三角形が形成される。図7では、開始点Dからその他の各頂点D〜D10に対して線分が引かれる。これにより、多角形RFでは、三角形「D」(多角形RF1参照)、三角形「D」(多角形RF2参照)、三角形「D」(多角形RF3参照)、三角形「D」(多角形RF4参照)、三角形「D」(多角形RF5参照)、および三角形「D10」(多角形RF6参照)が形成されることになる。
ステップSP23では、ステップSP22において形成された三角形が、奇数回重なった部分を描画対象領域として設定する。図7では、ステップSP22において形成された三角形が奇数回重なった部分、即ち三角形が偶数回重なった三角形「D」および「D10」である描画不可能領域を除いたその他全ての三角形が、描画対象領域として設定される。
このようにステンシル描画処理では、ステップSP21からステップSP23の各工程を実行することにより、多角形RF6に示す星型の描画領域を得ることができる。
以上のように、本実施形態の地図描画装置10Aは、地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ141、およびオブジェクトの地物属性を示す地物属性値142を取得する取得手段と、線状の図形を描画するための複数の描画手法を有する描画手段と、描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性値142に基づいて、複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の描画手法を選択する描画手法決定部111とを備えている。そして、地図描画装置10Aは、描画手法決定部111によって選択された描画手法を用いて、線状の描画対象図形を描画する。
このような地図描画装置10Aによれば、地物属性値142に基づいて描画手法を選択することができるので、描画手法の選択に要する時間を短縮することが可能になり、ひいては描画処理の高速化を図ることができる。また、線状の描画対象図形の形状に応じた適切な描画手法を選択することができるので、描画に要する時間を短縮することが可能になり、描画処理の高速化を図ることができる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る地図描画装置10Bは、線状の図形を描画する際の動作態様が異なる点以外は、第1実施形態の地図描画装置10Aとほぼ同様の構造および機能を有しており、共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
地図描画装置10Bの描画手法決定部111は、描画対象オブジェクトの地物属性値142および地図の縮尺に基づいて、線状の描画対象図形を描画する際の描画手法を決定する。
OpenGLを用いた線描画手法には、有限直線(線分)を用いて線状の図形を描く手法(「連続線描画手法」とも称する)と、複数の点を並べて線状の図形を描く手法(OpenGLで連続点を描画する手法、および、OpenGLを利用するソフトウェア部位から連続して点を与える手法の双方を、ここでは、「連続点描画手法」とも称する)とがある。描画手法決定部111は、線状の描画対象図形を、連続点描画手法を用いて描画するか、連続線描画手法を用いて描画するかを地物属性値142および地図の縮尺に基づいて選択する。
ここで、地図描画装置10Bにおいて実行される、線状の図形を描画する際の描画動作について説明する。図8は、第2実施形態に係る地図描画装置10Bにおいて実行される描画動作のフローチャートである。
図8に示されるように、ステップSP31では、上述のステップSP1と同様、描画処理部11は、地図表示に必要なオブジェクトデータ140を記憶装置14から読み出して取得する。
次のステップSP32では、描画手法決定部111は、描画対象オブジェクトの地物属性値142に基づいて、当該描画対象オブジェクトを表す図形(ここでは、線状の図形)を描く際の描画手法を決定する。
具体的には、描画手法決定部111は、地物属性値142に基づいて、描画対象図形が単一の線種で表される図形であるか否かを判定する。単一の線種で表される図形とは、換言すれば、1種類の線で表される描画対象図形である。描画手法決定部111は、描画対象図形が単一の線種で表される図形でないと判定した場合、描画手法決定部111は、動作工程をステップSP36に移行させる。
ステップSP36では、OpenGLを用いた線描画手法を用いて、線状の図形に関する描画処理が行われる。ステップSP36で実行される処理は、線描画部114および多角形描画部117において実行される処理である。
一方、描画手法決定部111は、描画対象図形が単一の線種で表される図形であると判定した場合、動作工程をステップSP33に移行させる。
ステップSP33では、描画手法決定部111は、表示部15において表示されている地図の縮尺が所定の閾値以下であるか否かを判定する。地図の縮尺が所定の閾値以下であると判定した場合、当該描画対象図形を描くときの描画手法を連続線描画手法に決定し、動作工程をステップSP33に移行させる。
ステップSP33では、連続線描画手法を用いて、線状の描画対象図形に関する描画処理が行われる。ステップSP33で実行される処理は、線描画部114および多角形描画部117において実行される処理である。
一方、描画手法決定部111は、地図の縮尺が所定の閾値より大きいと判定した場合、線状の描画対象図形を描くときの描画手法を連続点描画手法に決定し、動作工程をステップSP35に移行させる。
ステップSP35では、連続点描画手法を用いて、線状の描画対象図形に関する描画処理が行われる。ステップSP33で実行される処理は、線描画部114および多角形描画部117において実行される処理である。
ステップSP34、ステップSP35、或いはステップSP36において描画処理が終了すると、動作工程は、ステップSP37に移行される。
ステップSP37では、描画されていない未描画のオブジェクトがあるか否かが判定される。
未描画のオブジェクトが存在しない場合、描画動作は終了する。
一方、未描画のオブジェクトが存在する場合、動作工程は、ステップSP31に移行され、未描画のオブジェクトを描画対象オブジェクトとしてステップSP31からステップSP37の各工程が再度実行される。ステップSP37の判定処理によって、未描画のオブジェクトがなくなるまで、ステップSP31からステップSP37の各工程が繰り返し実行されることになる。
以上のように、地物属性値142に基づいて、描画対象図形の線種を判定し、判定結果を用いて描画手法を選択することによれば、描画手法の選択に要する時間を短縮することが可能になり、ひいては描画処理の高速化を図ることができる。また、線状の描画対象図形の線種に応じた適切な描画手法を選択することができるので、描画に要する時間を短縮することが可能になり、描画処理の高速化を図ることができる。
また、線状の描画対象図形が2つの領域間の境界を表す境界線である場合、上記のステップSP33において、現在の地図の縮尺と比較するために用いる所定の閾値を、境界線によって区別される領域の種類に応じて複数個設けるようにしてもよい。
例えば、国域を示す境界線、県域を示す境界線、市域を示す境界線それぞれについて異なる閾値を設け、国域、県域、市域の順に各閾値が小さくなるように設定する。すなわち、国域を示す境界線についての閾値(第1閾値)を最大とし、市域を示す境界線についての閾値を最小とする。
この場合、線状の図形を図8に示す動作に従って描画し、ステップSP33において、地物属性値142に基づいて、描画対象オブジェクトが国域を示す境界線であるのか、県域を示す境界線であるのか、或いは市域を示す境界線であるのかを判別し、判別結果に基づいて閾値を選択して描画手法を決定すれば、各境界線は図9に示すように描画されることになる。図9は、縮尺の大きさに応じた境界線の表示態様を例示する図であり、比較的小さい縮尺で広域の地図を表示する際には、国域を示す境界線を線で、県域および市域を示す境界線を点で表示することになる。また、比較的大きい縮尺で狭域の地図を表示する際には、国域を示す境界線を線で、県域を示す境界線を線または点で、市域を示す境界線を点で表示することになる。
これによれば、境界線を描画する際の描画手法の選択に要する時間を短縮することが可能になり、ひいては描画処理の高速化を図ることができる。また、境界線の種類に応じた適切な描画手法を選択することができるので、描画に要する時間を短縮することが可能になり、描画処理の高速化を図ることができる。
<3.変形例>
以上、実施の形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、描画手法として三角形分割描画手法を有する地図描画装置10A,10Bを例示していたが、各実施形態の地図描画装置10A,10Bは、三角形分割描画手法に代えて、台形分割描画手法を有する態様にしてもよい。
台形分割描画手法では、描画対象図形における1つの頂点(注目点)から、スタックされた他の頂点に向けて対角線を引く処理を、頂点を変更しつつ繰り返すことによって、描画対象図形を複数の台形に分割して描画対象領域が特定される。
また、上記第2実施形態では、OpenGLを用いた線描画手法に、連続点描画手法と連続線描画手法とが含まれる場合を例示したが、OpenGLを用いた線描画手法以外の標準線描画手法にも、連続点描画手法と連続線描画手法とが含まれる態様であってもよい。
この場合、ステップSP34〜ステップSP36において実行される描画処理は、標準線描画手法を用いた処理となる。
なお、OpenGLを用いた線描画手法を用いて描画処理を行うか、或いは標準線描画手法を用いて描画処理を行うかを、演算処理部の負荷に応じて決定するようにしてもよい。すなわち、演算処理部の負荷が小さいときは、OpenGLを用いた線描画手法を用いて描画処理を行い、演算処理部の負荷が小さいときは、標準線描画手法を用いて描画処理を行うようにしてもよい。
本発明はその発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、或いは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 ナビゲーション装置、10A,10B 地図描画装置、11 描画処理部、12 記憶部、14 記憶装置、15 表示部、111 描画手法決定部、112 三角形分割部、114 線描画部、117 多角形描画部、118 表示制御部、140 オブジェクトデータ、141 描画データ、142 地物属性値

Claims (10)

  1. 地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ、および前記オブジェクトの地物属性を示す地物属性情報を取得する取得手段と、
    前記線状の図形を描画するための複数の描画手法を有する描画手段と、
    描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性情報に基づいて、前記複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の1つの描画手法を選択する選択手段と、
    を備え、
    前記描画手段は、前記選択手段によって選択された描画手法を用いて、前記線状の描画対象図形を描画し、
    前記複数の描画手法は、
    前記線状の描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定することによって、前記線状の描画対象図形を描画する三角形分割描画手法と、複数の点を並べて前記線状の図形を描く連続点描画手法と、有限直線を用いて線状の図形を描く連続線描画手法とのうちの少なくとも2つの描画手法を含む地図描画装置。
  2. 前記複数の描画手法のうちの1つは、前記三角形分割描画手法である請求項1に記載の地図描画装置。
  3. 前記選択手段は、前記地物属性情報に基づいて、前記線状の描画対象図形が複数の多角形の組み合わせで構成される特定の図形であると判断した場合、前記三角形分割描画手法を当該線状の描画対象図形を描画する際の描画手法として選択する請求項2に記載の地図描画装置。
  4. 前記選択手段は、前記地物属性情報に基づいて、前記線状の描画対象図形が単一の線種で表される図形であると判断した場合であって、前記地図画像として表示される地図の縮尺が閾値以下のとき、前記連続点描画手法を当該線状の描画対象図形を描画する際の描画手法として選択する請求項1に記載の地図描画装置。
  5. 前記選択手段は、前記地物属性情報に基づいて、前記線状の描画対象図形が単一の線種で表される図形であると判断した場合であって、前記地図画像として表示される地図の縮尺が閾値より大きいとき、前記連続線描画手法を当該線状の描画対象図形を描画する際の描画手法として選択する請求項1に記載の地図描画装置。
  6. 前記特定の図形としては、鉄道線を示す図形が含まれる請求項1に記載の地図描画装置。
  7. 前記単一の線種で表される描画対象図形とは、地図上の2つの領域間の境界を表す境界線を示す図形、または鉄道線を示す図形である請求項4に記載の地図描画装置。
  8. 前記単一の線種で表される描画対象図形とは、地図上の2つの領域間の境界を表す境界線を示す図形、または鉄道線を示す図形である請求項5に記載の地図描画装置。
  9. 地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ、および前記オブジェクトの地物属性を示す地物属性情報を取得する取得手段と、
    前記線状の図形を描画するための複数の描画手法を有する描画手段と、
    描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性情報に基づいて、前記複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の1つの描画手法を選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された描画手法を用いて描画された線状の図形を含む地図画像を表示部に出力する表示制御手段と、
    を備え、
    前記複数の描画手法は、
    前記線状の描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定することによって、前記線状の描画対象図形を描画する三角形分割描画手法と、複数の点を並べて前記線状の図形を描く連続点描画手法と、有限直線を用いて線状の図形を描く連続線描画手法とのうちの少なくとも2つの描画手法を含むナビゲーション装置。
  10. a)地図画像上のオブジェクトを表す線状の図形を描画する際に用いる描画データ、および前記オブジェクトの地物属性を示す地物属性情報を取得する工程と、
    b)描画対象となる描画対象オブジェクトの地物属性情報に基づいて、複数の描画手法の中から、当該描画対象オブジェクトを表す線状の描画対象図形を描画する際の1つの描画手法を選択する工程と、
    c)前記b)工程において選択された描画手法を用いて、前記線状の描画対象図形を描画する工程と、
    を備え、
    前記複数の描画手法は、
    前記線状の描画対象図形を複数の三角形に分割して描画対象領域を特定することによって、前記線状の描画対象図形を描画する三角形分割描画手法と、複数の点を並べて前記線状の図形を描く連続点描画手法と、有限直線を用いて線状の図形を描く連続線描画手法とのうちの少なくとも2つの描画手法を含む地図描画方法。
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