JP5777420B2 - ガスタービン排気設備 - Google Patents
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Description
コンバインドサイクルプラントでは、排熱回収ボイラ(HRSG:heat recovery steam generator)を備えている。この排熱回収ボイラは、ガスタービンから排出された高温の排ガスにより蒸気を発生する。
一方、シンプルサイクルプラントでは、排熱回収ボイラを含む排熱回収設備を備えておらず、ガスタービンから排出された排ガスを、排ガス煙道から煙突を通して大気に放出している。
また、ガスタービンを用いた発電プラントの最終形態として、シンプルサイクルプラントを採用する場合もある。
更に、発生した低周波音が、排ガス煙道及び煙突からなる排気通路で定在波となることで、即ち、排気通路の音響固有値で規定される周波数で共振して共鳴することで、発生した低周波音が増幅されていた。
このようにして発生し増幅した低周波音(10〜30Hzの音)が煙突出口から放出されると、低周波音公害が発生してしまう。
同心状に拡張筒(拡張型サイレンサ)を配置し、煙突には拡張筒(拡張型サイレンサ)の内部空間に連通する開口部を形成していた。
つまり、曲がり部で発生する音はそもそも低周波であり、しかもガスタービンから排出される排ガスは高温であり音速が早いことから騒音音波の波長が長くなり、拡張型サイレンサのサイズが非常に大きくなるのである。
例えば、拡張筒の直径及び長さは、煙突の直径の2倍程度になる。
ガスタービンから排出された排ガスを、水平方向に配置された断面における縦寸法と横寸法が等しい矩形のダクト管である排ガス煙道に通した後、この排ガス煙道に連通して鉛直方向に配置された断面における縦寸法と横寸法が等しい矩形のダクト管である煙突を通って大気に排出するガスタービン排気設備において、
前記排ガス煙道の内部空間及び前記煙突の内部空間からなる排気通路に、排ガスの流通方向に対して対面する状態で2枚の多孔板を設置したことを特徴とする。
前記多孔板の一枚は、前記排ガス煙道の内部空間に設置されており、
前記排ガス煙道と前記煙突とが接続する接続部のうち前記排ガス煙道の上面の位置を基準位置としたときに、当該基準位置と、この基準位置から前記排ガス煙道に沿い前記排ガス煙道の縦寸法の0.75倍離れた位置との間の領域に、前記多孔板の一枚が設置されていることを特徴とする。
前記多孔板の他の一枚は、前記煙突の内部空間に設置されており、
前記排ガス煙道と前記煙突とが接続する接続部のうち前記排ガス煙道の上面の位置を基準位置としたときに、当該基準位置と、この基準位置から前記煙突に沿い前記煙突の縦寸法の0.75倍離れた位置との間の領域に、前記多孔板の他の一枚が設置されていることを特徴とする。
前記2枚の多孔板の開口率は、20〜70%であることを特徴とする。
本例では、排ガス煙道21も煙突22も、断面における縦寸法と横寸法が等しい矩形のダクト管により構成されている。
また、排ガス煙道21の内部空間及び煙突22の内部空間からなる排気通路に、多孔板31,32を設置したことにより、排気通路の音場においてダンピング作用が発揮されて、低周波音の共振現象の発生を抑制することができる。
図1に示すように、矩形のダクト管である排ガス煙道21と煙突22とが接続されている接続部のうち、排ガス煙道21の上面の位置を基準位置Pとする。また、断面における縦寸法と横寸法が等しい矩形のダクト管である排ガス煙道21及び煙突22の前記縦寸法(又は前記横寸法)をLとする。
また、煙突22において、基準位置Pと、この基準位置Pから煙突22の出口側に向かって0.75L離れた位置P2との間を領域Bとした場合、この領域Bに多孔板32を配置すると、低周波音の発生及び共振を効果的に抑制することができる。
なお、図2において、横軸はガスタービン出口(排気ガス煙道の始端部)から煙突先端部までの排気通路を直線的に示したものであり、縦軸は音圧レベル(dB)を示している。
多孔板31,32の開口率は、20〜70%、より好ましくは25〜55%、最も好適には35〜45%が好ましい。
図3において横軸は、多孔板の開口率(%)であり、縦軸は多孔板効果(圧損と低周波音レベルを組み合わせた評価関数値)である。
図3から分るように、多孔板31,32の開口率は、20〜70%、より好ましくは25〜55%、最も好適には35〜45%が好ましい。
結局、排ガス煙道21の内部空間及び煙突22の内部空間からなる排気通路に、少なくとも1枚の多孔板を配置すれば、低周波音の発生及び共振を効果的に抑制することができる。
多孔板の配置枚数は、1枚、2枚、更には3枚以上とすることができる。
11 ガスタービン
12 圧縮器
13 燃焼器
14 排ガス
20 ガスタービン排気設備
21 排ガス煙道
22 煙突
23 曲がり部
31,32 多孔板
P 基準位置
P1,P2 位置
A,B 領域
Claims (4)
- ガスタービンから排出された排ガスを、水平方向に配置された断面における縦寸法と横寸法が等しい矩形のダクト管である排ガス煙道に通した後、この排ガス煙道に連通して鉛直方向に配置された断面における縦寸法と横寸法が等しい矩形のダクト管である煙突を通って大気に排出するガスタービン排気設備において、
前記排ガス煙道の内部空間及び前記煙突の内部空間からなる排気通路に、排ガスの流通方向に対して対面する状態で2枚の多孔板を設置したことを特徴とするガスタービン排気設備。 - 前記多孔板の一枚は、前記排ガス煙道の内部空間に設置されており、
前記排ガス煙道と前記煙突とが接続する接続部のうち前記排ガス煙道の上面の位置を基準位置としたときに、当該基準位置と、この基準位置から前記排ガス煙道に沿い前記排ガス煙道の縦寸法の0.75倍離れた位置との間の領域に、前記多孔板の一枚が設置されていることを特徴とする請求項1のガスタービンの排気設備。 - 前記多孔板の他の一枚は、前記煙突の内部空間に設置されており、
前記排ガス煙道と前記煙突とが接続する接続部のうち前記排ガス煙道の上面の位置を基準位置としたときに、当該基準位置と、この基準位置から前記煙突に沿い前記煙突の縦寸法の0.75倍離れた位置との間の領域に、前記多孔板の他の一枚が設置されていることを特徴とする請求項1のガスタービンの排気設備。 - 前記2枚の多孔板の開口率は、20〜70%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項のガスタービンの排気設備。
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