JP5777173B2 - ドラム缶収容物の詰め替え方法および装置 - Google Patents
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このような固体を収容したドラム缶は、セメントを使用する場合における構成材料の比重差により発生する未水和の余剰水(ブリージング水)の影響により、腐食が発生することがあり、このような場合には、収容物をドラム缶から取り出して、新しいドラム缶に詰め替える必要がある。
(1) ドラム缶を傾斜させ、収容物を落下させるもの。
(2) ドラム缶に吸引ノズルを挿入して、収容物を抜き出すもの(例えば特許文献1参照)。
(3) ドラム缶の天蓋を開封し、圧力を掛けて収容物を押し出すもの(例えば特許文献2〜4参照)。
(4) 膨張剤を用いて、収容物を粉砕させるもの。
(1) 外周面に輪帯を有するドラム缶内に収容され、かつ外周面に、前記ドラム缶の輪帯内に充填された環状突条が形成されている固体の収容物を、前記ドラム缶から取り出して、新ドラム缶に詰め替えるドラム缶収容物の詰め替え方法において、前記ドラム缶を、内部に収容した収容物を取り出せる程度に切断し、切断した前記ドラム缶から取り出した前記収容物を、その軸線回りに回転させつつ、前記収容物の外周面における環状突条に、ビシャンを振動させつつ押し当てることにより、環状突条を削り取った後、前記収容物を新ドラム缶内に挿入し、前記ビシャンは、収容物の軸線と直交する軸線回りに自由回転可能、かつ該軸線方向に振動可能として支持し、前記ビシャンを振動させつつ収容物の外周面における環状突条に押し当てた際に、ビシャンが環状突条またはその削り残し部分に片当たりすることにより、ビシャンが自由回転するようにする。
すなわち、再充填するドラム缶の本数の増加や、容積の大きいドラム缶の使用はドラム缶収容領域を拡大しなければならなくなるので、詰め替え後のドラム缶の容量を大きくしないことが望まれており、本発明によると、その要望を充足することができ、有意義である。
また、粉塵の発生等を最小限に抑えることができるので、作業員の健康維持と作業環境の向上を図ることができる。
さらに、大型の高価な装置を用いる必要がない。
すなわち、回転不能としたビシャンをもって、収容物の外周面における環状突条をビシャン加工すると、どうしても削り残しが収容物の外周面に筋状に残るが、ビシャンを、支持軸回りに自由回転しうるようにして、収容物の外周面における環状突条をビシャン加工すると、ビシャン刃の一部が環状突条や削り残し部に片当たりすることにより、ビシャンが支持軸回りに自由に回転し、それによって削り残しが生じることなく、均一に環状突条を削り取ることができる。
しかも、ビシャンの往復振動を妨げることなく、ビシャンが支持軸から脱落するのを確実に防止することができる。
図1は、本発明の方法の一実施要領における第1の行程の実施状況を示す正面図、図2は、その第1の行程において使用するたがねの一例の斜視図である。
この収容物4をドラム缶5から取り出す際、胴板6の輪帯6aは、図1に2点鎖線で示すように、放射状に開いているので、輪帯6aによって収容物4の取り出しが妨げられることはない。
ビシャン加工装置14は、図3および図4に示すように、ベース15上に立設した前後1対の軸受板16、16をもって枢支され、ドラム缶5から取り出した収容物4を、その軸線回りに回転させつつ支持する、前後方向を向く左右1対の支持ローラ17、17と、ベース15上に設けられ、かつ歯車伝動機構(またはベルト伝動機構)18を介して、少なくとも一方の支持ローラ17を回転させる、回転手段である電動モータ19と、支持ローラ17、17上に支持された収容物4を囲むように、ベース15上に立設した4本の支柱20の上端部同士を連結する左右方向を向く前後1対の横杆21、21に前後の端部が固着された、前後方向を向く左右1対のガイドロッド22、22と、前後方向に移動可能として両ガイドロッド22、22に装架されたスライダ23と、本体24に対してハンマー軸25(図5および図6参照)が、軸線方向に往復振動させるようになっており、かつハンマー軸25が、両支持ローラ17、17上に支持された収容物4の軸線と直交する軸線方向、すなわちこの実施形態においては真下を向くようにしてスライダ23に支持されたハンマー装置26と、ハンマー装置26の本体24に、ハンマー軸25の軸線回りに自由回転可能、かつハンマー軸25とともにその軸線方向に移動可能として装着され、収容物4の環状突条4aをビシャン刃27aをもって叩くことにより削り取るようにしたビシャン27と、スライダ23を、両支持ローラ17、17上に支持された収容物4の外周面に沿って、収容物4の軸線方向、すなわちこの実施形態においては前後方向に相対的に移動させる送り手段28とを備えている。
ハンマー装置26における本体24の下端部には、ハンマー軸25と同心をなす倒立截頭円錐形をなす筒状ホルダ24aが設けられている。
ビシャン軸27cの上部の外周面には、環状溝27dが設けられている。
環状溝27dの上下方向の長さは、ハンマー軸25の上下振動によって、ビシャン刃27aをもって収容物4の外周面を叩く際のビシャン27の上下方向の振動を許容しうるように定められている。すなわち、環状溝27dの上下方向の長さは、ハンマー軸25の上下振動のストロークと抜け止めピン33の直径との和より大としてある。
これによって、ビシャン軸27cにおける環状溝27dの上下の端面が、抜け止めピン33に当接したときに、雄ねじ部33aのねじ山が圧壊されて、抜け止めピン33が嵌合孔34から脱離不能となるのを防止することができる。
なお、抜け止めピン33における雄ねじ部33aと、それに螺合する雌ねじ孔34aとを、ボルトの頭部33b寄りに設け、それから先の部分を小径のピンおよびそれが嵌合される嵌合孔として、そのピンの部分が環状溝27dを接線方向に挿通するようにしてもよい(図示略)。
自閉性のスリット39とは、ビシャン軸27cが挿通する部分のみが開き、他は自らの弾性で閉じるようにしたものであり、ビシャン軸27cが前後方向に移動するのに伴って、開口部もそれに伴って移動し、他部は常に閉じるようになっている。
その後においても、ビシャン27が環状突条4aまたはその削り残し部分に片当たりすることにより、回転偶力が発生し、ビシャン27が不規則に自由回転させられる。
その停止しているか、または著しく減速されている間に、収容物4の外周面における環状突条4aが確実に除去されるようにしておき、上記の予め定めておいた時間が経過した後、電動モータ32を、上記の初期の作動と同様に作動させる。
その後の適宜の時期に、電動モータ32を逆転させて、スライダ23を元位置に復帰させる。
このようにすると、収容物4の外周面全体をスリム化し、次の第3の行程における新ドラム缶41への挿入作業を楽に行うことができる。
その場合には、収容物4の環状突条4aの削り具合を、目視により確認しつつ、スライダ23の送り量を調整することができる利点がある。
第3の行程においては、図3に示すように、左右1対の支持ローラ17、17の後方に配設した架台40上に、天蓋(図示略)を外した新ドラム缶41を、前方に水平に倒した状態で載置し、左右の支持ローラ17、17の前方に配設した油圧シリンダ42より後方に延出するピストンロッド43の後端に設けたプッシャ44により、第2の行程における作業が終了した収容物4を、左右の支持ローラ17、17に沿わせて後方に押動し、新ドラム缶41内に挿入させる。
このとき、削り屑を、モルタル等の固化材と混練して、空隙に充填してもよい。
そうすることによって、再充填後の固化体の強度が保たれるとともに、削り屑が新ドラム缶内において遊動したり、振動したりするのを防止することができる。
また、大型の高価な装置を用いる必要がない。
(1) 第1の行程において、ドラム缶5の胴板6を、チゼル11に振動を与えつつ、螺旋状に切断し、切断した部分を外側方に開いて、収容物4を取り出す。
チゼル11によるドラム缶5の切断要領は、どのようものでもよく、要は、内部に収容した収容物4を取り出せる程度に、ドラム缶5を切断すればよい。
(2) 切断したドラム缶5から取り出した収容物4の外周面に形成されている環状突条4aを、回転砥石により研削して、削り取る。
この場合、粉塵が発生するので、ビシャン加工により環状突条4aを削り取る方が好ましい。
(3) 架台40を、ビシャン加工装置14から完全に切り離し、ビシャン加工装置14において、ビシャン加工が終了した収容物4を、搬送手段(図示略)により架台40の手前まで運んで、架台40に載置した新ドラム缶41に挿入したり、開口が上方を向くように支持した新ドラム缶41に、収容物4を垂直として上方より挿入する。
(4) チゼル11に代えて、他の種類のたがねを使用する。
(5) 送り手段28に代えて、ハンマー装置26を、数値制御可能のロボットアーム式のマニュピレーター、もしくはバランサーロボットにより支持して移動させるか、その他の支持手段により支持して作業する。
2 昇降テーブル
3 ターンテーブル
4 収容物
4a環状突条
5 ドラム缶
6 胴板
6a輪帯
6b切断片
7 天蓋
8 地板
9 巻締縁
10 作業孔
11 パネルカッターチゼル(たがね)
11aガイド片
11b切刃
12、13 切断線
14 ビシャン加工装置
15 ベース
16 軸受板
17 支持ローラ
18 歯車伝動機構
19 電動モータ(回転手段)
20 支柱
21 横杆
22 ガイドロッド
23 スライダ
24 本体
24a筒状ホルダ
25 ハンマー軸
26 ハンマー装置
27 ビシャン
27aビシャン刃
27b刃面
27cビシャン軸
27d環状溝
28 送り手段
29 ねじ孔
30 ねじ杆
31 歯車伝動機構
32 電動モータ
33 抜け止めピン
33a雄ねじ部
33b頭部
34 嵌合孔
34a雌ねじ孔
35 受皿
36 飛散防止板
37 飛散防止カバー
38 吊り紐
39 スリット
40 架台
41 新ドラム缶
42 油圧シリンダ
43 ピストンロッド
44 プッシャ
Claims (8)
- 外周面に輪帯を有するドラム缶内に収容され、かつ外周面に、前記ドラム缶の輪帯内に充填された環状突条が形成されている固体の収容物を、前記ドラム缶から取り出して、新ドラム缶に詰め替えるドラム缶収容物の詰め替え方法において、
前記ドラム缶を、内部に収容した収容物を取り出せる程度に切断し、切断した前記ドラム缶から取り出した前記収容物を、その軸線回りに回転させつつ、前記収容物の外周面における環状突条に、ビシャンを振動させつつ押し当てることにより、環状突条を削り取った後、前記収容物を新ドラム缶内に挿入し、前記ビシャンは、収容物の軸線と直交する軸線回りに自由回転可能、かつ該軸線方向に振動可能として支持し、前記ビシャンを振動させつつ収容物の外周面における環状突条に押し当てた際に、ビシャンが環状突条またはその削り残し部分に片当たりすることにより、ビシャンが自由回転するようにしたことを特徴とするドラム缶収容物の詰め替え方法。 - 収容物の外周面を、環状突条とともに浅く削り取り、スリム化した上で、前記収容物を新ドラム缶内に挿入することを特徴とする請求項1記載のドラム缶収容物の詰め替え方法。
- 環状突条を削り取った削り屑を、新ドラム缶の内周面または新ドラム缶に装着される天蓋の裏面と、その中に収容した収容物との間に形成される空隙に充填することを特徴とする請求項1または2記載のドラム缶収容物の詰め替え方法。
- 削り屑を、固化材と混練して、空隙に充填することを特徴とする請求項3記載のドラム缶収容物の詰め替え方法。
- ドラム缶の外周面を、たがねにより、円周方向と軸線方向とに切断した後、外周面の切断片を放射状に開いて、内部の収容物を取り出すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドラム缶収容物の詰め替え方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のドラム缶収容物の詰め替え方法の実施に直接使用する装置であって、
ドラム缶から取り出した収容物を、その軸線回りに回転させつつ支持する1対の支持ローラと、
前記支持ローラの少なくとも一方を回転させる回転手段と、
本体に対して軸線方向に往復振動させるようにしたハンマー軸が、前記1対の支持ローラ上に支持された収容物の軸線と直交する軸線方向を向くようにして支持されたハンマー装置と、
前記ハンマー装置の本体に、前記ハンマー軸の軸線回りに自由回転可能、かつ前記ハンマー軸とともにその軸線方向に移動可能として装着され、前記収容物の環状突条をビシャン刃をもって叩くことにより削り取るようにしたビシャン
とを備えることを特徴とするドラム缶収容物の詰め替え装置。 - ハンマー装置を、1対の支持ローラ上に支持された収容物の外周面に沿って、収容物の軸線方向に相対的に移動させる送り手段を設けたことを特徴とする請求項6記載のドラム缶収容物の詰め替え装置。
- ビシャンの刃面に対して直交するビシャン軸の外周に環状溝を設け、前記ビシャン軸を、ハンマー装置の本体に設けた筒状ホルダ内に、ハンマー軸の軸線回りに回転可能、かつその軸線方向に摺動可能として嵌合し、前記筒状ホルダに、中間部が前記ビシャン軸の環状溝の一部を接線方向に挿通することにより、前記ビシャン軸を筒状ホルダから抜け止めするようにした抜け止めピンを設け、前記環状溝の長さを、前記ビシャン軸の軸線方向の振動を許容しうるように定めたことを特徴とする請求項6または7記載のドラム缶収容物の詰め替え装置。
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