JP5776196B2 - 液体噴射装置に装着される液体収容容器 - Google Patents
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Description
する液体収容容器に関する。
置)が広く使用されている。このインクジェットプリンターでは、噴射ヘッドが設けられ
たキャリッジを印刷媒体上で往復動させながら、噴射ヘッドからインクを噴射することに
よって画像を印刷する。また、噴射されるインクは、インクカートリッジと呼ばれる専用
の収容容器に収容されて、キャリッジに搭載されている。
など)が含まれる場合、こうしたインク成分は時間の経過とともに重力によって沈降する
。そこで、キャリッジが往復動する動きに伴って揺動する板状の撹拌部材を、インクカー
トリッジのインク収容室内に設けておくことによって、インク成分の沈降を防止する技術
が提案されている(特許文献1)。
い場合が多いという問題があった。これは次のような理由によるものである。先ず、内部
に撹拌部材を設けたことでインクカートリッジが製造し難くなることを回避する要請から
、インクカートリッジ内の撹拌部材は、上端を軸支するのではなく、撹拌部材が動き得る
ようにガタのある状態で、上端付近を簡単に留めただけの構造となっている。また、イン
クカートリッジ内にはインクを導くためのインク通路が形成されており、インク収容室内
には、このインク通路を形成するための外壁が、撹拌部材に向かって突出した状態で設け
られていることがある。従って、インク収容室内で撹拌部材が揺動するとインク通路の外
壁に衝突する。すると、撹拌部材は上端付近がガタのある状態で簡単に留められただけな
ので、この部分がずれるように移動して、撹拌部材がひねるような動きとなる。そして、
このように撹拌部材がひねるような動きをするようになると、インクを効率よく撹拌する
ことができなくなり、その結果、インク成分の沈降を十分に防止することが困難となる。
れたものであり、インクカートリッジ内の撹拌部材にひねるような動きが生じることを抑
制することによって、インク成分の沈降を十分に防止することが可能な技術の提供を目的
とする。
噴射ヘッドが設けられたキャリッジを往復動させながら液体を噴射する液体噴射装置の該キャリッジに装着されて、該噴射ヘッドに液体を供給する液体収容容器であって、
前記液体収容容器は第1面と第2面とを有し、前記液体収容容器は、前記キャリッジの往復動に伴い前記第1面から前記第2面に向かう第1方向と、前記第2面から前記第1面に向かう第2方向に移動するよう、前記キャリッジに装着されるものであり、
前記液体を内部に収容する液体収容室と、
前記液体収容室内に設けられ、前記第1面から前記第1方向に突出する第1突部と、
前記液体収容室内に設けられ、前記第1面から前記第1方向に突出する第2突部と、
前記液体収容室内に設けられ、前記第1面から前記第1方向に突設された被衝突部と、
前記液体収容室内に設けられ、前記キャリッジの往復動によって揺動する板状の撹拌部材と、
を備え、
前記撹拌部材には第1貫通孔と第2貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔に前記第1突部が通り、前記第2貫通孔に前記第2突部が通ることで、前記撹拌部材が支持されるものであり、
前記第1貫通孔と前記第1突部とが係合する箇所である第1支持点と、前記第2貫通孔と前記第2突部とが係合する箇所である第2支持点と、前記液体収容室内で揺動する該撹拌部材が前記被衝突部に当接する箇所と、によって形成される三角形が、該撹拌部材の重心点を包含するような位置になるよう、前記撹拌部材が設けられていることを要旨とする。
切欠部あるいは錘部の少なくとも一方を撹拌部材に設けることとしてもよい。
元の位置(切欠部を設けない場合の位置)に対して切欠部とは反対側に移動する。一方、
錘部を設けることによって、撹拌部材の重心点の位置は、元の位置(錘部を設けない場合
の位置)に対して錘部の側に移動する。このように切欠部あるいは錘部によって撹拌部材
の重心点の位置を調整することにより、撹拌部材を支持する二ヶ所の支持点の配置に何ら
かの制約がある場合でも、当接部と二ヶ所の支持点とで形成される三角形の内側に撹拌部
材の重心点を包含させることができる。その結果、撹拌部材を液体収容室内で安定して揺
動させることが可能となる。
例を説明する。
A.インクジェットプリンターの構成:
B.インクカートリッジの構造:
C.撹拌板の撹拌動作:
D.変形例:
図1は、インクカートリッジが搭載されるインクジェットプリンターを例に液体噴射装
置の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリン
ター10は、主走査方向に往復動しながら印刷媒体としての印刷用紙2上にインクドット
を形成するキャリッジ20と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷用紙
2の紙送りを行うためのプラテンローラー40と、正常に印刷可能なようにメンテナンス
を行うメンテナンス機構50などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収
容したインクカートリッジ100や、インクカートリッジ100が装着されるキャリッジ
ケース22や、キャリッジケース22の底面側(印刷用紙2に向いた側)に搭載された噴
射ヘッド24などが設けられている。この噴射ヘッド24にはインクを噴射する複数の噴
射ノズルが形成されており、インクカートリッジ100内のインクを噴射ヘッド24に供
給して、噴射ノズルから印刷用紙2に向かって正確な分量だけインクを噴射することによ
って、画像等が印刷されるようになっている。
色、黒色の4種類のインクを用いてカラー画像を印刷することが可能であり、このことと
対応して、キャリッジ20に搭載された噴射ヘッド24には、インクの種類毎に噴射ノズ
ルが設けられている。また、インクカートリッジ100もインクの種類毎に設けられてお
り、それぞれの噴射ノズルに対して、対応する色のインクカートリッジ100からインク
が供給されるようになっている。加えて、インクカートリッジ100は、キャリッジケー
ス22に対して着脱可能に構成されており、インクカートリッジ100内のインクがなく
なると、新しいインクカートリッジ100に交換するようになっている。尚、本実施例の
インクカートリッジ100は、本発明の「液体収容容器」に相当している。
38と、内側に複数の歯形が形成されたタイミングベルト32と、タイミングベルト32
の歯形と噛み合う駆動プーリ34と、駆動プーリ34を駆動するためのステップモーター
36などから構成されている。タイミングベルト32の一部はキャリッジケース22に固
定されており、タイミングベルト32を駆動することによって、ガイドレール38に沿っ
てキャリッジケース22を移動させることができる。
構によって駆動されて、印刷用紙2を副走査方向に所定量ずつ紙送りすることが可能であ
る。
られており、キャップ52や、キャップ52の下方の位置に設けられた吸引ポンプ54な
どから構成されている。キャップ52は、図示しない昇降機構によって上下方向に移動可
能となっており、インクジェットプリンター10が画像等を印刷していない間は、キャリ
ッジ20をホームポジションに移動させて、キャップ52を上昇させる。すると、キャッ
プ52が噴射ヘッド24の底面側に押し当てられて噴射ノズルを覆うように閉空間が形成
されるので、噴射ヘッド24内のインクが乾燥することを防止可能となっている。また、
キャップ52には、図示しない吸引チューブを介して吸引ポンプ54が接続されており、
噴射ヘッド24の底面側にキャップ52を押し当てた状態で吸引ポンプ54を作動させる
ことで、噴射ヘッド24内の劣化したインク(乾燥して増粘したインクなど)を吸い出す
こと(いわゆるクリーニング)も可能となっている。
全体の動作を制御する制御部60が搭載されている。キャリッジ20を往復動させる動作
や、印刷用紙2を紙送りする動作や、噴射ノズルからインクを噴射する動作や、メンテナ
ンス機構50を駆動する動作などは、全て制御部60によって制御されている。
図2は、インクカートリッジ100の構造を示した分解斜視図である。図示されている
ように、インクカートリッジ100は、大まかには硬質の樹脂材料で形成された本体ケー
ス102と、本体ケース102の一方の側面を覆う第1フィルム150と、本体ケース1
02の他方の側面を覆う第2フィルム152とから構成されている。尚、本明細書では、
第1フィルム150で覆われる側の側面を「表面」と呼び、第2フィルム152で覆われ
る側の側面を「裏面」と呼ぶこととする。
縦横に設けられた複数のリブ102rによって、複数の領域に区切られている。そして、
本体ケース102の表面に第1フィルム150を貼り付けて凹部102cを封止すること
によって、インクカートリッジ100内に複数の小部屋が形成される。また、本体ケース
102の裏面には、複数の溝が設けられており、本体ケース102の裏面に第2フィルム
152を貼り付けることによって、表面側の複数の小部屋同士を接続する通路が形成され
る。尚、インクカートリッジ100の内部構造の詳細については、後ほど別図を用いて説
明する。
クを供給するためのインク供給口104が設けられている。インクカートリッジ100が
装着されるキャリッジケース22には、図示しないインク取込針がインクカートリッジ1
00毎に立設されており、インクカートリッジ100をキャリッジケース22に装着する
と、インク取込針がインク供給口104に挿入されてインクカートリッジ100内のイン
クをインク取込針に取り込むことが可能となる。また、同じく本体ケース102の底面に
は、インクカートリッジ100内のインクの消費に伴ってインクカートリッジ100の内
部に空気を導入するための大気開放孔106が設けられている。
図示されているように、インクカートリッジ100の表面側は、リブ102rによって、
大きくは5つの小部屋に区切られている。先ず、インクカートリッジ100の内部で図中
の右側には、インクを収容する第1インク室110が設けられており、その左側の上方に
は、同じくインクを収容する第2インク室114が設けられている。これら第1インク室
110および第2インク室114は、インクカートリッジ100の裏面側に形成された第
1連絡通路112によって接続されている。また、第2インク室114の左下方には、セ
ンサー室118が設けられており、第2インク室114とセンサー室118とは、裏面側
に形成された第2連絡通路116によって接続されている。このセンサー室118には、
インクカートリッジ100内のインクの有無を検出する図示しないセンサーが設けられて
いる。尚、本実施例の第1インク室110および第2インク室114は、本発明の「液体
収容室」に相当している。また、本実施例の第1連絡通路112および第2連絡通路11
6は、本発明の「液体通路」に相当している。
図示しない連結通路によって接続されており、更に、バッファー室120は、インクカー
トリッジ100の裏面側に形成された圧力調整室122と接続されている。圧力調整室1
22は、図示しない膜弁やバネなどを内蔵しており、インク供給口104から供給するイ
ンクの圧力を調整する機能を有している。
ンクは、第2インク室114、センサー室118、バッファー室120を経由して、圧力
調整室122で圧力を調整された後、インク供給口104からキャリッジ20の噴射ヘッ
ド24に供給されるようになっている。
とともに沈降するインク成分を含んだインク(以下、顔料インクという)であることから
、第1インク室110および第2インク室114の内部に、インクを撹拌するためのステ
ンレス製の撹拌板(130,132)がそれぞれ設けられている。これら撹拌板130,
132によるインクの撹拌動作の詳細については後述する。また、本実施例の撹拌板(1
30,132)は、本発明の「撹拌部材」に相当している。
いる。空気室108は、前述した大気開放孔106と、インクカートリッジ100の裏面
側に形成された図示しない空気通路を介して接続されている。また、空気室108は、図
示しない連絡通路によって第1インク室110と接続されており、インク供給口104か
らキャリッジ20の噴射ヘッド24にインクが供給されるのに伴って、大気開放孔106
から空気室108を経由して第1インク室110に空気が導入される。このような空気室
108は、周囲の温度変化によってインクカートリッジ100内の空気が膨張したり、イ
ンクカートリッジ100の姿勢が変化したりするなどして、第1インク室110から大気
開放孔106に向けてインクが逆流した場合に、空気室108の内部にインクをトラップ
してインクが外部に漏れ出ることを防止している。
図4は、本実施例のインクカートリッジ100のインク室の内部に設けられた撹拌板が
インクを撹拌する動作を示した説明図である。図4では、図3中のA−Aの位置でインク
カートリッジ100の断面を取ることによって、第2インク室114の内部の様子を示し
ている。尚、前述したように、本実施例のインクカートリッジ100には、第1インク室
110および第2インク室114のそれぞれに撹拌板(130,132)が設けられてい
るが、何れのインク室においても撹拌板の撹拌動作は同様であるため、ここでは第2イン
ク室114を例に説明する。
とを回避する要請から、第2インク室114の撹拌板132は、以下のように取り付けら
れている。先ず、図4に示すように撹拌板132には、上部に貫通孔132hが設けられ
ており、また、第2インク室114の第1フィルム150と向き合う内壁には、撹拌板1
32の貫通孔132hと対応する位置に突部134が設けられている。そして、撹拌板1
32の貫通孔132hに第2インク室114の突部134を通して突部134の先端を潰
すことにより、撹拌板132が動き得るガタのある状態で抜け留めされる。このような貫
通孔132hおよび突部134は2組設けられており(図3を参照)、その2ヶ所の支持
点で撹拌板132は第2インク室114内に支持されている。
2に装着すると、キャリッジ20の往復動に伴って撹拌板132が揺動することによって
、第2インク室114内のインクが撹拌される。すなわち、撹拌板132はインクよりも
比重の大きい材料(本実施例ではステンレス材料)で形成されているとともに、インクカ
ートリッジ100をキャリッジケース22に装着した状態では、撹拌板132はキャリッ
ジ20の往復動方向に対してほぼ垂直に設けられている。また、キャリッジ20が往復動
すると、インクカートリッジ100はインクカートリッジ100の表面方向、または裏面
方向に向かって移動する(図1を参照)。この際、インクカートリッジ100が裏面方向
に移動している状態から、移動する方向が表面方向に切り替わると、慣性力によって撹拌
板132が裏面側に移動しようとする。一方、インクカートリッジ100が表面方向に移
動している状態から表面方向に移動方向が切り替わると、慣性力によって撹拌板132が
表面側に移動しようとする。従って、キャリッジ20の往復動に伴って、図4中に破線で
示したように撹拌板132を、前述した2ヶ所の支持点を支点としてインクカートリッジ
100の表面側と裏面側との間で揺動させることができる。その結果、第2インク室11
4内のインクを撹拌することが可能となる。
各種通路が形成されており、これら通路はインクカートリッジ100の限られたスペース
の中で取り回される。そのため、第2インク室114内には、第2連絡通路116の外壁
が飛び出した状態で設けられている部分がある(図3および図4を参照)。そして、第2
インク室114内で揺動する撹拌板132が、この第2連絡通路116の飛び出た部分に
衝突することによって、撹拌板132の動きが、前述した2ヶ所の支持点を支点として揺
動する正常な動きではなく、異常な動きとなることがある。
との衝突によって、異常な動きとなる様子を示した説明図である。前述したように撹拌板
132は、第2インク室114に設けられた突部134と、撹拌板132の貫通孔132
hとの係合による2ヶ所の支持点で支持されている。また、第2インク室114からセン
サー室118へとインクを導く第2連絡通路116の取入口116aは、第2インク室1
14に残ってしまうインクの量を少なくする観点から、第2インク室114の下方の位置
に設けられており、この部分が第2インク室114内に飛び出した状態となっている。そ
のため、キャリッジ20の往復動に伴って撹拌板132が大きく揺動すると、撹拌板13
2の図中の左下の一部が第2連絡通路116に衝突する。
下、衝突部という)と、2ヶ所の支持点のうち衝突部から遠い側の支持点とを結ぶ直線を
軸に、撹拌板132の衝突部とは反対側の下端(図中の右下の角)がインクカートリッジ
100の裏面方向(図中の奥側)に回転する力のモーメントが生じることがある。すると
、前述したように突部134と貫通孔132hとの係合による支持点はガタのある状態で
留められているので、衝突部に近い側の支持点では、貫通孔132hの位置が突部134
に沿ってインクカートリッジ100の表面方向(図中の手前側)にずれるように移動して
、撹拌板132はひねりを加えたような動きとなる。そして、撹拌板132がこのような
異常な動きをするようになると、前述した正常な動きに比べて撹拌板132の揺動の振り
幅が減少したり、第2インク室114内にインクを循環させるような適切な流れが作られ
なかったりするので、インクを効率よく撹拌することができなくなり、その結果、顔料な
どのインク成分の沈降を十分に防止することが困難となる。こうした点に鑑み、本実施例
のインクカートリッジ100では、撹拌板132の2ヶ所の支持点の配置は、次のような
位置を選択して設定されている。
拌板132の2ヶ所の支持点の配置を示した説明図である。図示されているように、第2
インク室114に設けられた突部134と、撹拌板132の貫通孔132hとの係合によ
る2ヶ所の支持点は、撹拌板132が第2連絡通路116と衝突する部分(衝突部)と、
2ヶ所の支持点とで囲まれた範囲(三角形)の内側に撹拌板132の重心点132cが包
含される位置を選択して配置されている。このように撹拌板132の2ヶ所の支持点の配
置を設定しておけば、キャリッジ20の往復動に伴って揺動する撹拌板132が第2連絡
通路116と衝突した際に、撹拌板132は衝突部および2ヶ所の支持点の3点で支えら
れて慣性力が受け止められるので、図5を用いて前述した撹拌板132にひねりを加える
ような力のモーメントが生じることはなく、2ヶ所の支持点を支点とする正常な動きで撹
拌板132を揺動させることができる。その結果、第2インク室114内のインクを効率
よく撹拌することが可能となる。
拌板130の2ヶ所の支持点の配置を示した説明図である。前述した第2インク室114
の撹拌板132と同様に、第1インク室110の撹拌板130も、第1インク室110に
設けられた突部136と、撹拌板130の貫通孔130hとの係合による2ヶ所の支持点
で支持されている。また、第1インク室110内には、第1インク室110と第2インク
室114とを下部で連通させる第1連絡通路112の外壁が飛び出した状態で設けられて
いる部分があり、キャリッジ20の往復動に伴って撹拌板130が大きく揺動すると、撹
拌板130の図中の左下の一部が第1連絡通路112と衝突する。
14の撹拌板130と同様に、撹拌板130が第1連絡通路112と衝突する部分(衝突
部)と、2ヶ所の支持点とで形成される三角形の内側に撹拌板130の重心点130cが
包含される位置を選択して配置されている。そのため、キャリッジ20の往復動に伴って
揺動する撹拌板130が第1連絡通路112に衝突した際には、撹拌板130を衝突部お
よび2ヶ所の支持点の3点で支えて、撹拌板130にひねりを加えたような動きが生じる
ことを抑制するので、第1インク室110内のインクを効率よく撹拌することができる。
ンク室110および第2インク室114)内には、撹拌板(130,132)が上部の2
ヶ所の支持点でガタのある状態で支持されている。この2ヶ所の支持点の配置は、キャリ
ッジ20の往復動に伴って揺動する撹拌板が、インク室内に突設された連絡通路(第1連
絡通路112あるいは第2連絡通路116)と衝突する部分(衝突部)と、2ヶ所の支持
点とで囲まれた範囲(三角形)の内側に撹拌板の重心点が包含される位置を選択して設定
されている。これにより、インク室内で揺動する撹拌板が連絡通路に衝突した際には、撹
拌板に働く慣性力を衝突部および2ヶ所の支持点の3点で受けて、撹拌板にひねりを加え
たような動きが生じることを抑制するので、2ヶ所の支持点を支点として撹拌板をインク
室内で安定して揺動させることができる。その結果、インク室内のインクを効率よく撹拌
して、顔料などのインク成分の沈降を十分に防止することが可能となる。
以上に説明した実施例では、撹拌板を支持する2ヶ所の支持点の配置が、衝突部および
2ヶ所の支持点で形成される三角形の内側に撹拌板の重心点が包含される位置を選択して
設定されていた。しかし、撹拌板の重心点が三角形の内側に包含されるように重心点の位
置を調整することとしてもよく、例えば、撹拌板に切欠部を設けることによって重心点の
位置を調整してもよい。
心点132cの位置を調整した撹拌板132を示した説明図である。図示されているよう
に、変形例のインクカートリッジ100に設けられた第2インク室114の撹拌板132
には、図中の右辺の中央よりやや下方の位置に切欠部138が設けられている。また、図
中の破線の丸印は、切欠部138を設けていない場合の撹拌板132の重心点132cの
位置を表しており、切欠部138を設けることによって、その箇所が軽量化されるので、
重心点132cの位置を元の位置に対して切欠部138とは反対側に移動させることがで
きる。これにより、撹拌板132の重心点132cは、衝突部および2ヶ所の支持点で形
成される三角形の内側に包含される。
とにより、たとえ撹拌板132の2ヶ所の支持点の配置に何らかの制約がある場合でも、
衝突部および2ヶ所に支持点で形成される三角形の内側に重心点132cを包含させるこ
とができるので、前述したように第2インク室114内で撹拌板132を安定して揺動さ
せることができる。その結果、第2インク室114内のインクを効率よく撹拌して、顔料
などのインク成分の沈降を十分に防止することが可能となる。
cの位置を調整してもよい。すなわち、図9に示すように、撹拌板132の図中の左上方
の位置に錘部140を設けておいてもよい。尚、この錘部140は、インクよりも比重の
大きい材料(例えば、ステンレス材料)で形成された部材を撹拌板132に固着したり、
あるいは、撹拌板132を製造する際に厚みを一部厚くしたりするなどによって設けるこ
とができる。こうすれば、錘部140が設けられた箇所に重さを付加することができるの
で、撹拌板132の重心点132cの位置を、図中に破線の丸印で示した元の位置(錘部
140のない場合の位置)に対して錘部140の側に移動させて、衝突部および2ヶ所の
支持点で形成される三角形の内側に包含されるように調整することが可能となる。もちろ
ん、切欠部138および錘部140の両方を設けて撹拌板132の重心点132cの位置
を調整してもよい。
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
インク室114とが下部で連通されていた。しかし、第1連絡通路112の第2インク室
114側の開口は、第2インク室114の上方の位置に設けられていてもよい。このよう
にすれば、インクカートリッジ100がキャリッジ20に装着された状態で周囲の温度変
化などによって第2インク室114内の空気が膨張した場合でも、第2インク室114内
のインクが第1インク室110に逆流することを回避することが可能となる。尚、第1イ
ンク室110内に残ってしまうインクの量を少なくする観点から、第1連絡通路112の
第1インク室110側の開口は、第1インク室110の下方の位置に設けておくことが望
ましい。
22…キャリッジケース、 24…噴射ヘッド、 30…駆動機構、
60…制御部、 100…インクカートリッジ、 102…本体ケース、
104…インク供給口、 106…大気開放孔、 108…空気室、
110…第1インク室、 112…第1連絡通路、 114…第2インク室、
116…第2連絡通路、 118…センサー室、 120…バッファー室、
122…圧力調整室、 130,132…撹拌板、 150…第1フィルム、
152…第2フィルム
Claims (3)
- 噴射ヘッドが設けられたキャリッジを往復動させながら液体を噴射する液体噴射装置の該キャリッジに装着されて、該噴射ヘッドに液体を供給する液体収容容器であって、
前記液体収容容器は第1面と第2面とを有し、前記液体収容容器は、前記キャリッジの往復動に伴い前記第1面から前記第2面に向かう第1方向と、前記第2面から前記第1面に向かう第2方向に移動するよう、前記キャリッジに装着されるものであり、
前記液体を内部に収容する液体収容室と、
前記液体収容室内に設けられ、前記第1面から前記第1方向に突出する第1突部と、
前記液体収容室内に設けられ、前記第1面から前記第1方向に突出する第2突部と、
前記液体収容室内に設けられ、前記第1面から前記第1方向に突設された被衝突部と、
前記液体収容室内に設けられ、前記キャリッジの往復動によって揺動する板状の撹拌部材と、
を備え、
前記撹拌部材には第1貫通孔と第2貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔に前記第1突部が通り、前記第2貫通孔に前記第2突部が通ることで、前記撹拌部材が支持されるものであり、
前記第1貫通孔と前記第1突部とが係合する箇所である第1支持点と、前記第2貫通孔と前記第2突部とが係合する箇所である第2支持点と、前記液体収容室内で揺動する該撹拌部材が前記被衝突部に当接する箇所と、によって形成される三角形が、該撹拌部材の重心点を包含するような位置になるよう、前記撹拌部材が設けられている液体収容容器。 - 請求項1に記載の液体収容容器であって、
複数の前記液体収容室を備え、
前記被衝突部は、前記複数の液体収容室を連通させる通路である液体収容容器。 - 請求項1または請求項2に記載の液体収容容器であって、
前記撹拌部材は、該撹拌部材の重心点の位置を調整するための切欠部あるいは錘部の少なくも一方を備える液体収容容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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