JP5775846B2 - セルロースアシレートフィルム、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、活性エネルギー線硬化層が積層され、長期間光が照射されても、該活性エネルギー線硬化層との密着性が十分に維持されるセルロースアシレートフィルムを提供することである。また、セルロースアシレートフィルム上に活性エネルギー線硬化層を有する光学フィルムであって、長期間光が照射されても、活性エネルギー線硬化層とセルロースアシレートフィルムとの間の密着が十分維持され、偏光板保護フィルムとして偏光板に組み込んで高温高湿下で長期間使用されても良好な偏光性能を維持できる光学フィルムを提供することである。また、更に、本発明は、該光学フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置の提供を目的とするものである。
この新規課題に対して、本発明者らは、片側の表面近傍にヒンダーアミン系化合物を偏在させたセルロースアシレートフィルムを、ヒンダードアミン系化合物の濃度が高い側を活性エネルギー線硬化層側、ヒンダードアミン系化合物の濃度が低い側を偏光子側、の配置で偏光板保護フィルムとして使用することにより、活性エネルギー線硬化層とセルロースアシレートフィルムとの間の密着が良好となり、かつ高温高湿環境下で長期間使用した場合の偏光子性能の劣化が小さくなることを見出した。
<1>
セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上含有するセルロースアシレートフィルムであって、
前記セルロースアシレートフィルムの全体の厚みが6μmを超え、
一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C1が、もう一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C2の2倍以上であるセルロースアシレートフィルム。
<2>
前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、
前記スキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有する<1>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<3>
セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上とを含有するセルロースアシレートフィルムと、
前記セルロースアシレートフィルム上に積層された活性エネルギー線硬化層と、
を有する光学フィルムであって、
前記セルロースアシレートフィルムの全体の厚みが6μmを超え、
前記セルロースアシレートフィルムにおいて、前記セルロースアシレートフィルムと前記活性エネルギー線硬化層との界面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Caが、前記活性エネルギー線硬化層との界面とは反対側の前記セルロースアシレートフィルムのフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Cbの2倍以上である光学フィルム。
<4>
前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、前記スキン層の少なくとも1層が前記活性エネルギー線硬化層に隣接し、
該活性エネルギー線硬化層に隣接するスキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有する<3>に記載の光学フィルム。
<5>
偏光子と少なくとも1枚の偏光板保護フィルムとを有し、
前記偏光板保護フィルムが<3>又は<4>に記載の光学フィルムであり、該光学フィルムのセルロースアシレートフィルムに対して活性エネルギー硬化層を有する側とは反対側の面が前記偏光子側となるように、前記光学フィルムと前記偏光子とが貼り合わされた偏光板。
<6>
<3>又は<4>に記載の光学フィルム又は<5>に記載の偏光板を少なくとも1つ有する液晶表示装置。
本発明は上記<1>〜<6>に関するものであるが、参考のためその他の事項(たとえば下記[1]〜[8]に記載した事項)についても記載した。
[1]
セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上含有するセルロースアシレートフィルムであって、
一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C1が、もう一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C2よりも高いセルロースアシレートフィルム。
[2]
前記C1が前記C2の2倍以上である上記[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3]
前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、
前記スキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有する上記[1]又は[2]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[4]
セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上とを含有するセルロースアシレートフィルムと、
前記セルロースアシレートフィルム上に積層された活性エネルギー線硬化層と、
を有する光学フィルムであって、
前記セルロースアシレートフィルムにおいて、前記セルロースアシレートフィルムと前記活性エネルギー線硬化層との界面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Caが、前記活性エネルギー線硬化層との界面とは反対側の前記セルロースアシレートフィルムのフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Cbより高い光学フィルム。
[5]
前記Caが前記Cbの2倍以上である上記[4]に記載の光学フィルム。
[6]
前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、前記スキン層の少なくとも1層が前記活性エネルギー線硬化層に隣接し、
該活性エネルギー線硬化層に隣接するスキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有する上記[4]又は[5]に記載の光学フィルム。
[7]
偏光子と少なくとも1枚の偏光板保護フィルムとを有し、
前記偏光板保護フィルムが上記[4]〜[6]のいずれか一項に記載の光学フィルムであり、該光学フィルムのセルロースアシレートフィルムに対して活性エネルギー硬化層を有する側とは反対側の面が前記偏光子側となるように、前記光学フィルムと前記偏光子とが貼り合わされた偏光板。
[8]
上記[4]〜[6]のいずれか一項に記載の光学フィルム又は上記[7]に記載の偏光板を少なくとも1つ有する液晶表示装置。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上含有するセルロースアシレートフィルムであって、一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C1が、もう一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C2よりも高い。
上記のようにヒンダードアミン系化合物が一方の表面側に偏ったセルロースアシレートフィルムは、ヒンダードアミン系化合物の濃度が高い表面側に活性エネルギー線硬化層を形成することで、長時間光照射しても該活性エネルギー線硬化層がセルロースアシレートフィルムから剥がれにくくすることができる。
セルロースアシレートフィルムにおいて、セルロースアシレートフィルムと活性エネルギー線硬化層との界面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Caが、活性エネルギー線硬化層との界面とは反対側の前記セルロースアシレートフィルムのフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Cbより高い。
上記光学フィルムでは、セルロースアシレートフィルム中でのヒンダードアミン系化合物の濃度が活性エネルギー線硬化層との界面側ではその反対側の表面側より高いので、長時間光照射しても該活性エネルギー線硬化層がセルロースアシレートフィルムから剥がれにくい。更に、偏光板保護フィルムとして、ヒンダードアミン系化合物の濃度が低い表面側を偏光子と貼り合わせることにより、高温高湿下で保存した際の偏光子性能劣化を抑制することができる。
以下、まず、本発明のセルロースアシレートフィルム、及び本発明の光学フィルムが有するセルロースアシレートフィルムについて説明する。
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上含有する。
前記セルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
ヒンダードアミン系化合物(以下、「HALS」ともいう)は、酸化防止剤として機能し、N原子近傍にかさ高い有機基(例えば、かさ高い分岐アルキル基)を有する構造である。これは既知の化合物であり、例えば、米国特許第4,619,956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4,839,405号明細書の第3〜5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、又はそれらの酸付加塩若しくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。このような化合物には、以下の一般式(2)のものが含まれる。
ヒンダードアミンの具体例には、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−t−ブチル−2−ブテニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−エチル−4−サリチロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルマレイネート(maleinate)、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジペート、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−フタレート、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、トリメリト酸−トリ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジブチル−マロン酸−ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジベンジル−マロン酸−ジ−(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジメチル−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)−シラン,トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフィット、トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフェート,N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアミン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド、1−アセチル−4−(N−シクロヘキシルアセトアミド)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、4−ベンジルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジブチル−アジパミド、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジシクロヘキシル−(2−ヒドロキシプロピレン)、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシリレン−ジアミン、4−(ビス−2−ヒドロキシエチル)−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、α−シアノ−β−メチル−β−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−アミノ−アクリル酸メチルエステルが挙げられる。
前記ヒンダードアミン系化合物は、数平均分子量が300〜100000であることが好ましく、700〜50000であることがより好ましく、2000〜40000であることが特に好ましい。
なお、前記ケトン系溶媒の好ましい態様については、活性エネルギー線硬化層の説明において後述する。
ヒンダードアミン系化合物の含有量がセルロースアシレートフィルムに対して0.001質量%未満の場合には、活性エネルギー線硬化性機能層と前記セルロースアシレートフィルムとの間の密着が十分確保できない。なお、15質量%以下の場合には、ヒンダードアミン系化合物のブリードアウトが生じにくくなり、偏光板の偏光性能の改善の観点から好ましい。
前記セルロースアシレートフィルム中には、重縮合ポリマー、フタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;マット剤などの添加剤を加えることもできる。
前記セルロースアシレートフィルムは、重縮合ポリマーを含むことが、ヘイズ低減の観点から好ましい。
以下、本発明に用いられる重縮合ポリマーである高分子量添加剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明するが、重縮合ポリマーである高分子量添加剤がこれらのものに限定されるわけでないことは言うまでもない。
また、前記重縮合ポリマーは、非リン酸エステル系のエステル系化合物であることが好ましい。
本発明では、前記ポリエステル添加剤の両末端がカルボン酸やOH基とならないように、モノアルコール残基やモノカルボン酸残基で保護することが好ましい。
この場合、モノアルコールとしては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等がある。これらの中でも好ましい芳香族ジカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、である。
本発明に用いられる可塑剤としては、セルロースアシレートの可塑剤として知られる多くの化合物も有用に使用することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
本発明においてはセルロースアシレートフィルムに公知の酸化防止剤、例えば、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4、4'−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1、1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2、2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2、5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤を添加することができる。更に、トリス(4−メトキシ−3、5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤をすることが好ましい。酸化防止剤の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.05〜5.0質量部を添加することが好ましい。
本発明においてはセルロースアシレートフィルムに、偏光板又は液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物の例としては、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2、2−メチレンビス(4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、(2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらの紫外線防止剤の添加量は、セルロースアシレートフィルム中に質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、フィルムすべり性、および安定製造の観点からマット剤を加えてもよい。前記マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
前記無機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。前記二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。前記酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
前記有機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120及びトスパール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
(フィルム中のヒンダードアミン系化合物の濃度分布)
前述の通り、本発明のセルロースアシレートフィルムは、一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C1が、もう一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C2よりも高い。また、セルロースアシレートフィルム上に活性エネルギー線硬化層を設けた本発明の光学フィルムの場合、セルロースアシレートフィルムにおいて、セルロースアシレートフィルムと前記活性エネルギー線硬化層との界面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Caが、前記活性エネルギー線硬化層との界面とは反対側の前記セルロースアシレートフィルムのフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Cbより高い。
C1とC2の比C1/C2及びCaとCbとの比Ca/Cbは、2以上がより好ましく、3以上が特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムのC1及びC2並びにCa及びCbは、フィルムをフィルム面に対して1°の角度で斜めに切削し、生成したフィルム断面を飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)でマッピング測定した際の、特異的に検出されるフラグメントイオンのピーク強度比から算出することができる。
前記比C1/C2及びCa/Cbが高いと、ヒンダードアミン系化合物の濃度が高い表面側に活性エネルギー線硬化層を塗布形成することにより、長時間光照射しても該活性エネルギー線硬化層がセルロースアシレートフィルムから剥がれにくくなる。更に、ヒンダードアミン系化合物の濃度が低い表面側を偏光子と貼り合わせることにより、高温高湿下で保存した際の偏光子性能劣化を抑制することができる。
セルロースアシレートフィルムにおいて、ヒンダードアミン系化合物の上記濃度分布を実現する方法は、特に限定されないが、セルロースアシレートフィルムを2層以上の積層体として層毎にヒンダードアミン系化合物の濃度を変化させる方法などが挙げられる。
前記セルロースアシレートフィルムは、単層であっても、2層以上の積層体であってもよい。
前記セルロースアシレートフィルムが2層以上の積層体である場合は、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に少なくとも1層以上のスキン層が積層された積層体であることが好ましい。該積層体は、2層構造又は3層構造であることがより好ましく、3層構造であることが好ましい。3層構造の場合は、本発明のセルロースアシレートフィルムを溶液製膜で製造する際に前記金属支持体と接する層(以下、支持体面や、スキンB層とも言う)と、前記金属支持体とは逆側の空気界面の層(以下、空気面や、スキンA層とも言う)と、その間に挟まれた1層のコア層を有することが好ましい。すなわち、本発明のフィルムはスキンB層/コア層/スキンA層の3層構造であることが好ましい。
また、前記セルロースアシレートフィルムが2層以上の積層体である場合、前記スキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含むことが好ましい。
本発明の光学フィルムでは、前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、前記スキン層の少なくとも1層が活性エネルギー線硬化層に隣接し、該活性エネルギー線硬化層に隣接するスキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有することがより好ましい。このような構成とすることにより、本発明の密着性改善効果をより奏し易くなり、かつ、偏光板保護フィルムとして用いた際も高温高湿下で保存した際の偏光板の偏光性能劣化を抑制することができる。
前記セルロースアシレートフィルムは、ヘイズが0.20%未満であることが好ましく、0.15%未満であることがより好ましく、0.10%未満であることが特に好ましい。ヘイズを0.2%未満とすることにより、液晶表示装置に組み込んだ際のコントラスト比を改善することができる。また、フィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点もある。
前記セルロースアシレートフィルムは平均膜厚が10〜100μmであることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましく、20〜70μmであることが更に好ましい。10μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすい。
また、前記セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、前記コア層の膜厚は5〜70μmであることが好ましく、5〜60μmであることがより好ましく、10〜50μmであることが特に好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、フィルム両面の表面層(スキンA層及びスキンB層)の膜厚がともに0.5〜20μmであることがより好ましく、0.5〜10μmであることが更に好ましく、0.5〜3μmであることが特に好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、フィルム幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1400〜2500mmであることが特に好ましい。
以下、本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムの製造方法について詳細に説明する。
本発明では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することが好ましい。主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
また、スキン層ドープのアルコール比率はコア層ドープのアルコール比率よりも高いことが特に好ましい。
塩素系のハロゲン化炭化水素とアルコールの比率を前記範囲に設定することで、支持体からの剥ぎ取り性が良好で、かつ活性エネルギー線硬化層との密着性に優れたセルロースアシレートフィルムを得ることができる。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
前記セルロースアシレートフィルムの形成においては共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でも良い)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。
図1に、共流延ギーサ3を用い、流延用支持体4の上にスキン層(表層)用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示す。
また、前記金属支持体の材質については特に制限はないが、SUS製(例えば、SUS 316)であることがより好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。前述の通り、本発明の光学補償フィルムは波長分散特性も改善されていることが好ましいが、延伸処理によってこのような光学性能を付与することが可能となり、更に前記セルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。前記セルロースアシレートフィルムの延伸方向はフィルム搬送方向と搬送方向に直交する方向(巾方向)のいずれでも好ましいが、フィルム搬送方向に直交する方向(幅方向)であることが、後に続く該フィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法では、前記セルロースアシレートフィルムを乾燥する工程と、乾燥後の本発明の樹脂フィルムをTg−10℃以上の温度で延伸する工程とを含むことが、レターデーション発現性の観点から好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法は、前記ドープ膜を前記金属支持体から剥ぎ取る工程を含むことが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムの製造方法における剥離の方法については特に制限はなく、公知の方法を用いた場合に剥離性を改善することができる。
本発明の光学フィルムは、前記セルロースアシレートフィルム上に積層された活性エネルギー線硬化層を有する。本明細書中、活性エネルギー線硬化層とは、活性エネルギー線によって硬化され得る樹脂を含み、該樹脂が活性エネルギー線によって硬化された層のことを言う。
以下、前記活性エネルギー線硬化層について説明する。
本発明の光学フィルムは、前記ヒンダードアミン系化合物が、前記活性エネルギー線硬化層中にも含まれていても、いなくてもよい。その中でも、前記ヒンダードアミン系化合物が、前記活性エネルギー線硬化層中にも含まれていることが好ましい。但し、その場合も本発明の光学フィルムを製造するときに直接前記活性エネルギー線硬化層中に前記ヒンダードアミン系化合物を加えなくてもよく、前記セルロースアシレートフィルム中に添加した前記ヒンダードアミン系化合物が前記活性エネルギー線硬化層へ移動した結果、含まれている程度で十分である。
具体的には、前記ヒンダードアミン系化合物が、前記活性エネルギー線硬化層を構成する樹脂に対して、0.001〜1質量%含まれていることが好ましく、0.005〜0.5質量%含まれていることがより好ましく、0.01〜0.1質量%含まれていることが特に好ましい。
本発明の光学フィルムにおける前記活性エネルギー線硬化層は、前方散乱、アンチグレア(防眩)、ガスバリア、滑り、帯電防止、下塗り、ハードコート、反射防止、保護等の機能を有することが好ましい。すなわち、前記活性エネルギー線硬化層は、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層、ハードコート層、反射防止層または保護層等の機能層であることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化層は、反射防止層又はハードコート層であることがより好ましく、ハードコート層であることが特に好ましい。
また、これらの機能層は、活性エネルギー線硬化層以外の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいはその他の視野角補償フィルムにおける光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。
これらの活性エネルギー線硬化層は、本発明の光学フィルムにおいて少なくとも一方の表面に設けられていることが好ましい。また、本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして偏光子と組み合わせて偏光板を構成するときには、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、もしくは両面に設けて使用できる。
なお、本発明の光学フィルムは少なくとも一層の活性エネルギー線硬化層を前記セルロースアシレートフィルム上に有していることを特徴とする。本発明の光学フィルムは、活性エネルギー線硬化性である後述の各機能層を有し、更にその他の活性エネルギー線硬化性ではない後述の各機能層を有していてもよい。また、本発明の光学フィルムにおいて、活性エネルギー線硬化層は1層のみ設けられていても、複数層設けられていてもよい。また、複数の各活性エネルギー線硬化層は同一であっても、異なっていてもよい。
本発明の光学フィルムは耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を活性エネルギー線硬化層として前記セルロースアシレートフィルムの表面に設けることが好ましい。
ハードコート層の膜厚は、0.2〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることがより好ましく、1〜20μmであることが特に好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。又、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
前記エチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい例としては、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールのポリアクリレート類;ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類;ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を好ましい化合物として挙げることができる。
また、前記エチレン性不飽和基を含む化合物の市販化合物としては、PET−30(日本化薬(株)製)、ビスコート360(大阪有機化学工業(株)製)、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220、TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)等が挙げられる。
さらに、加水分解性官能基含有の有機金属化合物をさらに用いてもよい。前記加水分解性官能基含有の有機金属化合物としては有機アルコキシシリル化合物が好ましい。
その他、ハードコート層には、重合開始剤、レベリング剤を添加してもよく、いずれも公知の物を採用することができる。
ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、WO2000/46617号公報等記載のものを好ましく使用することができる。
本発明の光学フィルムは、反射防止層を活性エネルギー線硬化層として前記セルロースアシレートフィルムの表面に設けてもよい。
前記反射防止層は、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度の層、もしくは薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下の層のいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、及び低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報, vol.38, No.1, may, 2000, 26頁〜28頁や特開2002−301783号などに記載された反射防止層も好ましく使用できる。
各層の屈折率は以下の関係を満足する。
反射防止フィルムに用いる透明支持体は、前述の偏光子の保護フィルムに使用する透明ポリマーフィルムを好ましく使用することができる。
含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104等)、特定の分散剤併用する(例、特開平11−153703号公報、特許番号US6210858B1、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、前方散乱層を活性エネルギー線硬化層として前記セルロースアシレートフィルムの表面に設けてもよい。
前方散乱層は、本発明の偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明の偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
本発明の光学フィルムは、アンチグレア層を活性エネルギー線硬化層として前記セルロースアシレートフィルムの表面に設けてもよい。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有するフィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることが更に好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
前記活性エネルギー線硬化層の形成方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。その中でも、前記活性エネルギー線硬化層を形成する材料を有機溶媒に溶解させたものを、前記セルロースアシレートフィルム上に塗設して形成することが好ましい。
前記有機溶媒としては、公知の有機溶媒を単独または複数を混合して用いることができる。その中でも、本発明では、ケトン系溶媒、酢酸エステル系溶媒、炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。
前記溶媒としては、例えば、MiBK(メチルイソブチルケトン)、MEK(メチルエチルケトン)、酢酸エチル、トルエンなどを挙げることができる。
前記活性エネルギー線硬化層は、活性エネルギー線の中でも放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を用いることがより好ましく、安全性、生産性を考えると電子線、紫外線を用いることが特に好ましい。熱で硬化させる場合は、プラスチック自身の耐熱性を考えて、加熱温度は140℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下である。
活性エネルギー線を照射するときは、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら行うことが好ましい。活性エネルギー線の強度等についても特に制限はないが、例えば紫外線を照射する場合は、照度10〜1000 mW/cm2、照射量50〜5000mJ/cm2の紫外線を照射することが好ましい。
また、本発明は、本発明の光学フィルムを少なくとも一枚用いることを特徴とする偏光板にも関する。
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の片面に本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして有することが好ましい。ここで、本発明の光学フィルムのセルロースアシレートフィルムに対して活性エネルギー硬化層を有する側とは反対側の面が偏光子側となるように、光学フィルムと偏光子とが貼り合わされていることが好ましい。本発明の偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、上記した通り、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。
本発明の偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
本明細書において、偏光板の直交透過率CTは、UV3100PC(島津製作所社製)を用いて測定した。測定では、410nmで測定し、10回測定の平均値を用いた。
偏光板耐久性試験は偏光板を、偏光板のセルロースアシレートフィルムがガラス側となるように(活性エネルギー硬化層がガラスと反対側となるように)、ガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のように行うことができる。ガラスの上に偏光板を貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作成する。単板直交透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を本発明の偏光板の直交透過率とする。
本発明の偏光板は、偏光板耐久性試験ではその変化量はより小さいほうが好ましい。
本発明は、本発明のセルローアシレートフィルム、光学フィルム又は本発明の偏光板を有する液晶表示装置にも関する。
本発明の液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板であることを特徴とするIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、セルロースに、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
(セルロースアシレート溶液1の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液1を調製した。
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セルロースアシレート溶液1の組成
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アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
可塑剤1(トリフェニルフォスフェート) 8.0質量部
可塑剤2(ビフェニルジフェニルフォスフェート) 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
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マット剤溶液2の組成
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平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
前記セルロースアシレート溶液1 0.9質量部
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下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ヒンダードアミン系化合物溶液3を調製した。
ヒンダードアミン系化合物溶液3の組成
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酸化防止剤(CHIMASSORB 2020FDL(BASF社製))
10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 61.0質量部
メタノール(第2溶媒) 15.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.8質量部
前記セルロースアシレート溶液1 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、コア層用ドープ101を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
コア層用ドープ101の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
可塑剤1(トリフェニルフォスフェート) 8.0質量部
可塑剤2(ビフェニルジフェニルフォスフェート) 4.0質量部
下記紫外線吸収剤C 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
支持側スキン層用ドープ101液において作製した、マット剤溶液2の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液1の99.3質量部とをインラインミキサーを用いて混合し、空気側スキン層用溶液101を調製した。
ドラム流延装置を用い、前記調製した基層用ドープ(コア層用ドープ)と、その両側に表層用ドープ(空気側スキン層用ドープ及び支持体側スキン層用ドープ)とを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、実施例101のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは60μm(空気側スキン層3μm、コア層54μm、支持体側スキン層3μm)、幅は1480mmであった。
<ハードコート層用塗布液(HC−1)の調製>
各成分を下記に示す組成で作製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液HC−1を調製した。
ハードコート層用塗布液HC−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
PET−30(バインダー) 22.9質量部
ビスコート360(バインダー) 22.9質量部
イルガキュア127(重合開始剤) 1.5質量部
8μm架橋アクリル・スチレン微粒子30%MiBK分散液(光拡散性粒子)
1質量部
MiBK(溶剤) 19.2質量部
MEK(溶剤) 25質量部
FP−13(レベリング剤) 0.1質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製];
・ビスコート360:トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート[大阪有機化学工業(株)社製];
・8μm架橋アクリル・スチレン微粒子30%MiBK分散液(光拡散性粒子):平均粒径8.0μm[積水化学(株)製]をポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散したMiBK分散液);
・イルガキュア127:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製];
・FP−13:特開2009−063983号公報[0341]に記載のフッ素系表面改質剤(MEKの10質量%溶液として溶解した後に使用)
なお、上記において、MiBKはメチルイソブチルケトンを表し、MEKはメチルエチルケトンを表し、いずれもケトン系溶媒である。
上記にて製膜したセルロースアシレートフィルムの製膜時に支持体に接していた面(支持体側スキン層の表面)上に、ハードコート層用塗布液(HC−1)を、マイクログラビア塗工方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布した。60℃で150秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層(厚み6μm)を形成した。
得られたハードコート層つき偏光板保護フィルムを、実施例101の偏光板保護フィルムとした。
〔偏光板保護フィルムの鹸化処理〕
作製した実施例101の偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例101の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理した実施例101の偏光板保護フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。ここで、偏光板保護フィルムのハードコート層を設けていない側の面、即ち、セルロースアシレートフィルムの空気側スキン層の表面に偏光子を貼り合せた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した実施例101の偏光板保護フィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と作成した実施例101の偏光板保護フィルムの遅相軸とは直交するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして実施例101の偏光板を作製した。
〔実施例102〜114および比較例201〜202の偏光板保護フィルムの作製〕
実施例101において酸化防止剤の種類及び添加量、可塑剤の種類及び添加量、各層の厚みを表1〜3に記載したとおりに変更した以外は同様にして、実施例102〜114および比較例201〜202の偏光板保護フィルムを製造した。すなわち、実施例102〜114および比較例201〜202の偏光板保護フィルムは、いずれも実施例101と同様にして、活性エネルギー線硬化層を形成した。
実施例102〜114の偏光板保護フィルム及び比較例201〜202の偏光板保護フィルムについても、それぞれ実施例101と同様にして鹸化処理と偏光板の作製を行い、各実施例及び比較例の偏光板を作製した。ここで、実施例102〜106、109〜114及び比較例201〜202においては、実施例101と同様に、セルロースアシレートフィルムの支持体側スキン層表面にハードコート層を設け、空気側スキン層表面に偏光子を貼り合せた。実施例107〜108においては、セルロースアシレートフィルムの空気側スキン層表面にハードコート層を設け、支持体側スキン層表面に偏光子を貼り合せた。
<密着性の評価>
まず、上記で作製した各実施例及び比較例のハードコート層つき偏光板保護フィルムに対して、(株)スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX75で、60℃、相対湿度50%の環境下に100時間光を照射した。
次にハードコート層つき偏光板保護フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。ハードコート層を有する側の表面に、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて、合計100個の正方形の升目を刻み、その面に日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(No.31B)を貼りつけた。30分経時したあとに、垂直方向にテープを素早く引き剥がし、剥がれた升目の数を数えて、下記4段階の基準で評価した。同じ密着評価を3回行って平均をとった。
◎:100升において剥がれが全く認められなかった。
○:100升において1〜2升の剥がれが認められた。
△:100升において3〜10升の剥がれが認められた(許容範囲内)。
×:100升において11升以上の剥がれが認められた。
得られた結果を下記表4に記載した。
上記で作製した各実施例及び比較例の偏光板について、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を本明細書に記載した方法で測定した。
その後、60℃、相対湿度95%の環境下で1000時間保存した後について同様の手法で直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光子耐久性として下記表4にその結果を記載した。
上記で作製した各実施例及び比較例のセルロースアシレートフィルムをフィルム面に対して1°の角度で斜めに切削し、生成したフィルム断面を飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)でマッピング測定した際の、ネガ測定における分子起因の特異的なフラグメントイオンのピーク強度比からCa/Cbを算出した。ここで、Caはセルロースアシレートフィルムのハードコート層を設けた側表面から深さ3μmの位置でのヒンダードアミン系化合物(酸化防止剤)の濃度であり、Cbはその反対側表面から深さ3μmの位置でのヒンダードアミン系化合物(酸化防止剤)の濃度である。
得られた結果を下記表4に記載した。
上記表4の結果から、本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた偏光板は、高温高湿経時後偏光子の劣化が起きにくいことが分かった。また、本発明の偏光板保護フィルムは長時間光を照射しても、ハードコート層とセルロースアシレートフィルムとの間の剥離が起きにくいことが分かった。更に、Ca/Cbが2以上の場合、高温高湿下で保存した際の偏光子耐久性がより改善されることが分かった。
なお、このとき、本発明の光学フィルムでは、前記ハードコート層中に、ハードコート層を構成する樹脂に対して前記ヒンダードフェノール系化合物が0.001〜1.0質量%含まれていることを確認した。
〔液晶表示装置の作製〕
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認者側の偏光板を剥がし、実施例101の偏光板保護フィルムを用いた本発明の偏光板を、実施例101の偏光板保護フィルムが液晶セル側となるように、粘着剤を介して貼り付けた。視認者側の偏光板の透過軸が上下方向に配置とした。
また、上記において実施例101の偏光板保護フィルムに替えて比較例201〜202の偏光板保護フィルムを用いた以外は同様にして、比較例の液晶表示装置を作製した。
このようにして作製した本発明の液晶表示装置は、各比較例の偏光板保護フィルムを使用した液晶表示装置に対して、屋外で直射日光のあたる環境下で長時間使用しても、表示性能の劣化が小さかった。
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<支持体側スキン層用ドープ401液の調製>
(セルロースアシレート溶液41の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液41を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液41の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.85、重合度400のセルロースアセテート
100.0質量部
可塑剤A 7.0質量部
可塑剤B 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 412.2質量部
メタノール(第2溶媒) 31.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液42を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液42の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80.7質量部
メタノール(第2溶媒) 6.1質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
前記セルロースアシレート溶液41 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ヒンダードアミン系化合物溶液43を調製した。
ヒンダードアミン系化合物溶液43の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
酸化防止剤(CHIMASSORB 944FDL(BASF社製))
10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 71.1質量部
メタノール(第2溶媒) 5.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.8質量部
前記セルロースアシレート溶液41 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、コア層用ドープ401を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
コア層用ドープ101の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
可塑剤A 7.0質量部
可塑剤B 2.0質量部
下記紫外線吸収剤D 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
支持側スキン層用ドープ401液において作製した、マット剤溶液42の1.3質量部と、セルロースアシレート溶液41の99.3質量部とをインラインミキサーを用いて混合し、空気側スキン層用溶液401を調製した。
ドラム流延装置を用い、前記調製した基層用ドープ(コア層用ドープ)と、その両側に表層用ドープ(空気側スキン層用ドープ及び支持体側スキン層用ドープ)とを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が10〜15質量%の状態で、横方向に1.20倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、更に乾燥し、実施例401のセルロースアシレートフィルムを得た。得られたセルロースアシレートフィルムの厚みは30μm(空気側スキン層2μm、コア層26μm、支持体側スキン層2μm)、幅は1480mmであった。
<ハードコート層用塗布液(HC−1)の調製>
各成分を下記に示す組成で作製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液HC−1を調製した。
ハードコート層用塗布液HC−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
PET−30(バインダー) 22.9質量部
ビスコート360(バインダー) 22.9質量部
イルガキュア127(重合開始剤) 1.5質量部
8μm架橋アクリル・スチレン微粒子30%MiBK分散液(光拡散性粒子)
1質量部
MiBK(溶剤) 19.2質量部
MEK(溶剤) 25質量部
FP−13(レベリング剤) 0.1質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製];
・ビスコート360:トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート[大阪有機化学工業(株)社製];
・8μm架橋アクリル・スチレン粒子(30%):平均粒径8.0μm[積水化学(株)製]をポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散したMiBK分散液);
・イルガキュア127:重合開始剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製];
・FP−13:特開2009−063983号公報[0341]に記載のフッ素系表面改質剤(MEKの10質量%溶液として溶解した後に使用)
なお、上記において、MiBKはメチルイソブチルケトンを表し、MEKはメチルエチルケトンを表し、いずれもケトン系溶媒である。
上記にて製膜したセルロースアシレートフィルムの製膜時に支持体に接していた面(支持体側スキン層の表面)上に、ハードコート層用塗布液(HC−1)を、マイクログラビア塗工方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布した。80℃で120秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層(厚み4μm)を形成した。
得られたハードコート層つき偏光板保護フィルムを、実施例401の偏光板保護フィルムとした。
<セルロースアセテートフィルム501の作製>
(セルロースアシレート溶液51の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液51を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液51の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.45、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
重量平均分子量1200の重縮合ポリエステルE 17.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液52を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液52の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
メタノール(第2溶媒) 12.7質量部
前記セルロースアシレート溶液51 10.3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
作製した実施例401の偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例401の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。
〔偏光板保護フィルムの鹸化処理〕
作製した参考例501の偏光板保護フィルムを、2.3mol/Lの水酸化カリウム水溶液に、45℃で30秒間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、参考例501の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理した実施例401の偏光板保護フィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。ここで、偏光板保護フィルムのハードコート層を設けていない側の面、即ち、セルロースアシレートフィルムの空気側スキン層の表面に偏光子を貼り合せた。ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した実施例401の偏光板保護フィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後の参考例501のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と作成した実施例401の偏光板保護フィルムの遅相軸とは直交するように配置した。また、偏光子の透過軸と参考例501のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸は平行になるように配置した。
このようにして実施例401の偏光板を作製した。
〔実施例402〜414および比較例201〜202の偏光板保護フィルムの作製〕
実施例401において酸化防止剤の種類及び添加量、可塑剤の添加量、各層の厚みを表5〜7に記載したとおりに変更した以外は同様にして、実施例402〜414および比較例601〜206の偏光板保護フィルムを製造した。すなわち、実施例402〜414および比較例601〜602の偏光板保護フィルムは、いずれも実施例401と同様にして、活性エネルギー線硬化層を形成した。
実施例402〜414の偏光板保護フィルム及び比較例601〜602の偏光板保護フィルムについても、それぞれ実施例401と同様にして鹸化処理と偏光板の作製を行い、各実施例及び比較例の偏光板を作製した。ここで、実施例402〜406、409〜414及び比較例601〜602においては、実施例401と同様に、セルロースアシレートフィルムの支持体側スキン層表面にハードコート層を設け、空気側スキン層表面に偏光子を貼り合せた。実施例407〜408においては、セルロースアシレートフィルムの空気側スキン層表面にハードコート層を設け、支持体側スキン層表面に偏光子を貼り合せた。いずれも、作製した実施例402〜406、409〜414及び比較例601〜602の偏光板保護フィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後の参考例501のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
<密着性の評価>
まず、上記で作製した各実施例及び比較例のハードコート層つき偏光板保護フィルムに対して、(株)スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX75で、60℃、相対湿度50%の環境下に100時間光を照射した。
次にハードコート層つき偏光板保護フィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。ハードコート層を有する側の表面に、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて、合計100個の正方形の升目を刻み、その面に日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(No.31B)を貼りつけた。30分経時したあとに、垂直方向にテープを素早く引き剥がし、剥がれた升目の数を数えて、下記4段階の基準で評価した。同じ密着評価を3回行って平均をとった。
◎:100升において剥がれが全く認められなかった。
○:100升において1〜2升の剥がれが認められた。
△:100升において3〜10升の剥がれが認められた(許容範囲内)。
×:100升において11升以上の剥がれが認められた。
得られた結果を下記表8に記載した。
上記で作製した各実施例及び比較例の偏光板について、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を本明細書に記載した方法で測定した。
その後、60℃、相対湿度90%の環境下で1000時間保存した後について同様の手法で直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光子耐久性として下記表8にその結果を記載した。
上記で作製した各実施例及び比較例のセルロースアシレートフィルムをフィルム面に対して1°の角度で斜めに切削し、生成したフィルム断面を飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)でマッピング測定した際の、ネガ測定における分子起因の特異的なフラグメントイオンのピーク強度比からCa/Cbを算出した。ここで、Caはセルロースアシレートフィルムのハードコート層を設けた側表面から深さ3μmの位置でのヒンダードアミン系化合物(酸化防止剤)の濃度であり、Cbはその反対側表面から深さ3μmの位置でのヒンダードアミン系化合物(酸化防止剤)の濃度である。
得られた結果を下記表8に記載した。
上記表8の結果から、本発明の光学フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた偏光板は、比較例の偏光板602に対して、高温高湿経時後偏光子の劣化が起きにくいことが分かった。また、本発明の偏光板保護フィルムは長時間光を照射しても、比較例の偏光板601に対して、ハードコート層とセルロースアシレートフィルムとの間の剥離が起きにくいことが分かった。
2 コア層用ドープ
3 共流延ギーサ
4 流延用支持体
Claims (6)
- セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上含有するセルロースアシレートフィルムであって、
前記セルロースアシレートフィルムの全体の厚みが6μmを超え、
一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C1が、もう一方の面におけるフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度C2の2倍以上であるセルロースアシレートフィルム。 - 前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、
前記スキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有する請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。 - セルロースアシレートと、該セルロースアシレートに対してヒンダードアミン系化合物を0.001質量%以上とを含有するセルロースアシレートフィルムと、
前記セルロースアシレートフィルム上に積層された活性エネルギー線硬化層と、
を有する光学フィルムであって、
前記セルロースアシレートフィルムの全体の厚みが6μmを超え、
前記セルロースアシレートフィルムにおいて、前記セルロースアシレートフィルムと前記活性エネルギー線硬化層との界面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Caが、前記活性エネルギー線硬化層との界面とは反対側の前記セルロースアシレートフィルムのフィルム表面から深さ3μmの位置におけるヒンダードアミン系化合物の濃度Cbの2倍以上である光学フィルム。 - 前記セルロースアシレートフィルムが、コア層と該コア層の少なくとも一方の表面上に積層された少なくとも1層のスキン層を有し、前記スキン層の少なくとも1層が前記活性エネルギー線硬化層に隣接し、
該活性エネルギー線硬化層に隣接するスキン層が前記ヒンダードアミン系化合物を含有する請求項3に記載の光学フィルム。 - 偏光子と少なくとも1枚の偏光板保護フィルムとを有し、
前記偏光板保護フィルムが請求項3又は4に記載の光学フィルムであり、該光学フィルムのセルロースアシレートフィルムに対して活性エネルギー硬化層を有する側とは反対側の面が前記偏光子側となるように、前記光学フィルムと前記偏光子とが貼り合わされた偏光板。 - 請求項3又は4に記載の光学フィルム又は請求項5に記載の偏光板を少なくとも1つ有する液晶表示装置。
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