JP5770614B2 - セメント用材料及びセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント用材料及びセメント組成物に関する。
従来より、セメント成形物の機械的諸特性を改良する目的で、ビニルアルコール系重合体(以下、「PVA」ということもある。)、メチルセルロース等の水溶性高分子や高分子エマルジョン等がセメント用材料として用いられている。これらのセメント用材料は、混和材として水硬性物質に混和して用いられたり、セメント構造体にセメントを打ち継ぐ際の打継ぎ材としてセメント構造体表面に塗布して用いられる。
上記混和材には、水や水硬性物質等の他の成分との混和状態が安定的に保たれ、少ない添加量でセメント成形物に高い強度が発現されること等が求められる。そこで、強度の向上を目的とした混和材として、各種変性されたPVAの開発がなされている(特開2001−172066号公報、特開平11−71150号公報参照)。しかし、これらのPVAを用いた混和材においても、強度の向上能が十分であるとは言えない。また、これらのPVAは、混和安定性を高めることを図ったものではない。
一方、上記打継ぎ材においては、打ち継いだセメントに含まれる水分がセメント構造体に移行する、いわゆるドライアウトと呼ばれる現象に起因した界面での剥離の発生を防ぐことが必要とされる。そこで、このドライアウトの発生を抑制し、界面における接着力を高めることを目的として、エチレン変性されたPVAを分散剤として含み、高い保水性を有する打継ぎ材も提案されている(特開平8−81249号公報)。しかし、このような従来の打継ぎ材においても、接着強度が十分とは言えない。
特開2001−172066号公報 特開平11−71150号公報 特開平8−81249号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、混和安定性に優れ、セメントへの混和材や打継ぎ材として用いた際に、高い強度を有する成形物を得ることができるセメント用材料、及びこれを用いたセメント組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
アルキル変性ビニルアルコール系重合体を含有し、
このアルキル変性ビニルアルコール系重合体が、下記一般式(I)で表される単量体単位(a)を含み、粘度平均重合度が200以上5,000以下、けん化度が20モル%以上99.99モル%以下、上記単量体単位(a)の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であるセメント用材料である。
Figure 0005770614
(式(I)中、Rは、炭素数8〜29の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
当該セメント用材料は、上記特定のアルキル変性PVAを含有するため、混和安定性、保水性等に優れ、セメントへの混和材や打継ぎ材として用いた際に、高い強度を有する成形物を得ることができる。
当該セメント用材料は、混和材又は打継ぎ材として好適に用いることができる。
本発明のセメント組成物は、水硬性物質と当該セメント用材料とを含む。当該セメント組成物は、当該セメント用材料を含むため、混和安定性等に優れ、高い強度を有する成形物を得ることができる。
以上説明したように、本発明のセメント用材料によれば、水硬性物質等に対する混和安定性に優れる。従って、当該セメント用材料は、セメント、好ましくはセメントモルタルへの混和材や打継ぎ材として用いた際に、高い強度を有する成形物を容易かつ確実に得ることができる。当該セメント用材料を含むセメント組成物も、混和安定性等に優れ、高い強度を有する成形物を得ることができる。
以下、本発明のセメント用材料及びセメント組成物の実施の形態を詳説する。
<セメント用材料>
本発明のセメント用材料は、特定のアルキル変性PVAを含有する。当該セメント用材料は、その他の成分を含有することができる。以下、各成分について詳説する。
<アルキル変性PVA>
上記アルキル変性PVAは、下記一般式(I)で表される単量体単位(a)を含有する。すなわち、上記アルキル変性PVAは、上記単量体単位(a)と、ビニルアルコール単量体単位(−CH−CHOH−)との共重合体であり、さらに他の単量体単位を有していてもよい。但し、上記単量体単位(a)の作用を効果的に発現させるためには、上記アルキル変性PVAは、上記単量体単位(a)、ビニルアルコール単位及び残存するビニルエステル単位のみからなる共重合体であることが好ましい。
Figure 0005770614
式(I)中、Rは、炭素数8〜29の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。なお、上記R及びRは、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよいが、これらの置換基を有していないことが好ましい。
上記Rで表される直鎖状又は分岐状のアルキル基に含まれる炭素数は8以上29以下であるが、10以上28以下が好ましく、12以上27以下がより好ましく、15以上26以下がさらに好ましく、17以上24以下が特に好ましい。Rがこのような長鎖アルキル基であることで、アルキル基同士の適度な相互作用が発現し、混和安定性、保水性等に優れ、セメントへの混和材や打継ぎ材として用いた際に、高い強度を有する成形物を得ることができる。この炭素数が8未満の場合、上記アルキル変性PVAにおけるアルキル基同士の相互作用が発現しないため、混和安定性や保水性等が十分に発現されない。逆に、この炭素数が29を超える場合、上記アルキル変性PVAの水溶性等が低下することなどにより、混和安定性等が低下する。
上記Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であるが、合成の容易性等の点から、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記アルキル変性PVAにおける上記単量体単位(a)の含有率は、0.05モル%以上5モル%以下である。さらに、この含有率は、0.1モル%以上が好ましく、0.2モル%以上がより好ましい。また、この含有率は、2モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましい。なお、この単量体単位(a)の含有率とは、アルキル変性PVAを構成する全構造単位に占める上記式(I)で表される単量体単位(a)の含有率である。また、当該アルキル変性PVAが、上記式(I)で表される単量体単位(a)以外に他のアルキル変性単量体単位を含まない場合、この単量体単位(a)の含有率が、いわゆるアルキル変性率となる。
この単量体単位(a)の含有率が5モル%を超えると、アルキル変性PVA一分子あたりに含まれる疎水基の割合が高くなり、このアルキル変性PVAの水溶性、混和安定性、保水性等が低下する。一方、この単量体単位(a)の含有率が0.05モル%未満の場合、アルキル変性PVAの水溶性は優れているものの、このアルキル変性PVA中に含まれるアルキルユニットの数が少ないため、混和安定性等のアルキル変性に基づく物性が十分に発現しない。
この単量体単位(a)の含有率は、上記アルキル変性PVAから求めてもよく、その前駆体であるアルキル変性ビニルエステル系重合体から求めてもよく、いずれもプロトンNMRから求めることができる。例えば、アルキル変性ビニルエステル系重合体から求める場合、具体的には、n−ヘキサン/アセトンでアルキル変性ビニルエステル系重合体の再沈精製を3回以上十分に行った後、50℃の減圧下で乾燥を2日間行い、分析用のサンプルを作製する。このサンプルをCDClに溶解させ、プロトンNMRを用いて室温で測定する。
この際、例えば、上記単量体単位(a)以外のアルキル変性単量体単位を含まず、Rが直鎖状であり、さらにRが水素原子である場合、以下の方法にて算出できる。すなわち、アルキル変性ビニルエステル系重合体の主鎖メチンに由来するピークα(4.7〜5.2ppm)とアルキル基Rの末端メチル基に由来するピークβ(0.8〜1.0ppm)とから、下記式を用いて、単量体単位(a)の含有率Sを算出する。
S(モル%)
={(βのプロトン数/3)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/3))}×100
上記アルキル変性PVAの粘度平均重合度は200以上5,000以下であり、500以上3,000以下が好ましい。なお、粘度平均重合度を単に重合度と呼ぶことがある。この重合度が5,000を超えると、水に溶かした際の粘性が高まりすぎて、取扱性や混和安定性等が低下する。逆に、この重合度が200未満の場合は、増粘性、保水性等の上記アルキル変性PVAの各特性が十分に発揮されない。
この粘度平均重合度(P)は、JIS−K6726に準じて測定される。すなわち、アルキル変性PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
P=([η]×10/8.29)(1/0.62)
上記アルキル変性PVAのけん化度は、20モル%以上99.99モル%以下であり、60モル%以上99.9モル%以下が好ましく、88モル%以上99.9モル%以下がさらに好ましい。
このけん化度が20モル%未満の場合には、上記アルキル変性PVAの水溶性、混和安定性、接着強度等が低下する。逆に、このけん化度が99.99モル%を超えると、アルキル変性PVAの生産が困難になるので実用的でない。なお、上記アルキル変性PVAのけん化度は、JIS−K6726に準じて測定し得られる値である。
当該セメント用材料は、上記アルキル変性PVAを含有し、このアルキル変性PVAは、上述のように、上記単量体単位(a)が有する疎水性のR及び親水性のアミド結合の存在により、水溶性を維持しつつ、優れた混和安定性や保水性等を発揮することができる。従って、当該セメント用材料は、上記アルキル変性PVAを含むことで、セメントへの混和材や打継ぎ材として用いた際に、高い強度を有する成形物を得ることができる。
<アルキル変性PVAの製造方法>
上記アルキル変性PVAを製造する方法は特に制限されないが、下記一般式(II)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行い、得られたアルキル変性ビニルエステル系重合体をけん化する方法が好ましい。ここで、上記の共重合はアルコール系溶媒中又は無溶媒で行うことが好適である。
Figure 0005770614
式(II)中、R及びRの定義は上記式(I)と同様である。
上記式(II)で表される不飽和単量体として具体的には、N−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、N−ヘキサコシルアクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−デシルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミド、N−ヘキサコシルメタクリルアミド等が挙げられる。これらの中でも、N−オクタデシルアクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−デシルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミド、及びN−ヘキサコシルメタクリルアミドが好ましく、N−オクタデシルアクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド及びN−オクタデシルメタクリルアミドがより好ましく、N−オクタデシルアクリルアミド及びN−オクタデシルメタクリルアミドがさらに好ましい。
上記ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられるが、これら中でも酢酸ビニルが好ましい。
一般式(II)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲で他の単量体を共重合しても差し支えない。使用しうる単量体としては、例えば、
エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパン等のビニルエーテル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;
塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;
酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物;
ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;
酢酸イソプロペニル
等が挙げられる。
また、一般式(II)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に際し、得られる共重合体の重合度を調節すること等を目的として、本発明の主旨を損なわない範囲で連鎖移動剤の存在下で共重合を行っても差し支えない。この連鎖移動剤としては、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン類;
トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;
ホスフィン酸ナトリウム1水和物等のホスフィン酸塩類
等が挙げられ、これらの中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。
上記連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数及び目的とするアルキル変性ビニルエステル系重合体の重合度に応じて決定することができるが、一般にビニルエステル系単量体に対して0.1〜10質量%が好ましい。
一般式(II)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行う際に採用される温度は0〜200℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。共重合を行う温度が0℃より低い場合は、十分な重合速度が得られにくい。また、重合を行う温度が200℃より高い場合、本発明で規定する単量体単位(a)の含有率を満足するアルキル変性PVAを得られにくい。共重合を行う際に採用される温度を0〜200℃に制御する方法としては、例えば、重合速度を制御することで、重合により生成する発熱と反応器の表面からの放熱とのバランスをとる方法や、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法等が挙げられるが、安全性の面からは後者の方法が好ましい。
一般式(II)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行うのに採用される重合方式としては、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよい。重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の任意の方法を採用することができる。これらの中でも、無溶媒又はアルコール系溶媒中で重合を行う塊状重合法や溶液重合法が好適に採用され、高重合度の共重合体の製造を目的とする場合は乳化重合法が採用される。
上記アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの溶媒は2種類又はそれ以上の種類を混合して用いることができる。
共重合に使用される開始剤としては、重合方法に応じて従来公知のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が適宜選ばれる。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、過酸化物系開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。さらには、上記開始剤に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を組み合わせて開始剤とすることもできる。また、レドックス系開始剤としては、上記の過酸化物と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤とを組み合わせたものが挙げられる。
なお、一般式(II)で示される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を高い温度で行った場合、ビニルエステル系単量体の分解に起因するアルキル変性PVAの着色等が見られることがある。この場合には、着色防止の目的で重合系に酒石酸のような酸化防止剤をビニルエステル系単量体に対して1〜100ppm程度添加することはなんら差し支えない。
上記共重合により得られたアルキル変性ビニルエステル系重合体のけん化反応には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒又はp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた公知の加アルコール分解反応又は加水分解反応を適用することができる。この反応に使用しうる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、メタノール又はメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒に用いてけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
<状態及び他の成分等>
当該セメント用材料は、上記アルキル変性PVAのみ、又は上記アルキル変性PVAとその他の固形分のみからなる固体状であってもよいし、水等の溶媒に溶解された水溶液状や、上記アルキル変性PVAを分散剤として用いた水性エマルジョンであってもよい。
(分散質)
当該セメント用材料が水性エマルジョンである場合、分散質としては、例えば以下の不飽和単量体の(共)重合体を挙げることができる。
エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン;
塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン;
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル;
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル;
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸及びナトリウム塩、カリウム塩などのスチレン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;
その他N−ビニルピロリドンなど。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記分散質は、例えば、上記アルキル変性PVAの水溶液を分散剤に用いて、重合開始剤の存在下に、上記不飽和単量体を一時又は連続的に添加し、上記不飽和単量体を乳化重合することにより得られる。また、上記アルキル変性PVA水溶液を用いて上記不飽和単量体を予め乳化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。
(その他の添加剤)
当該セメント用材料には、さらに、界面活性剤、可塑剤又は造膜助剤、フィラー、増量剤、防腐剤、防製材、pH調整剤等の添加剤が含有されていてもよい。
(界面活性剤)
上記界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、
オレイン酸カリウム、ヒマシ油カリウム、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルリン酸カリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ビストリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、イソデシルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ジナトリウムエトキシ化アルコール半エステル、スルホコハク酸ジナトリウムエトキシ化ノニルフェニル半エステル、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミドテトラナトリウム、N−オクタデシルスルホコハク酸アミドジナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;
ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルアミングアニジンポリオキシエタノール、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン性界面活性剤;
ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどのノニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
(可塑剤又は造膜助剤)
可塑剤又は造膜助剤としては、特に限定されず、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジアミルフタレート、ジブチルフタレート(DBP)、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジイソブチル、セバチン酸ジブチル、ジメチルグリコールアジペート、ジエチルグリコールアジペート、ジブチルグリコールアジペート、ジメチルグリコールセバテート、ジエチルグリコールセバテート、ジメチルグリコールフタレート、ジエチルグリコールフタレート、ジブチルグリコールフタレート、トリクレシルホスフェート、ジオクチルフタレート、テキサノール、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、ブチルカービトールアセテート、ブチルカービトール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコール、アセチレングリコールブチルセロソルブ、エチレンセロソルブ、塩化ビフェニール等を挙げることができる。
(フィラー)
フィラーとしては、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、カオリンクレー、ロウ石クレー、タルク、酸化チタン、酸化鉄、パルプ、各種樹脂粉末、マイカ、セリサイト、ベントナイト、アスベスト、けい酸カルシウム、けい酸アルミニウム、けいそう土、けい石、無水ケイ酸、含水ケイ酸、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カーボンブラック等を挙げることができる。
(増量剤)
増量剤としては、特に限定されず、例えば、カゼイン、グルー、ゼラチン、グルテン、大豆蛋白、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、トラガカントガム、カラヤガム、グアールガム、ローカストビーンガム、アイリッシュモス、大豆レシチン、ペクチン酸、澱粉、寒天、ベントナイトクレー、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム、ポリビニルアルコール、変性ポリ(ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、カルボキシル化メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサントゲン酸セルロース、カルボキシル化澱粉、オレイン酸アンモニウム、けい酸ナトリウム等を挙げることができる。
<混和材>
当該セメント用材料は、混和材として、水硬性物質や水等に混和させて用いることができる。当該セメント用材料は、上記アルキル変性PVAを含むため、セメント、好ましくはセメントモルタル用の混和材として用いることで、優れた強度を有するセメント成形物を得ることができる。
上記水硬性物質としては、例えば、ポルトランドセメント、アルミナセメント、スラグセメント、フライアッシュセメントなどの水硬セメント、石膏などのセメント以外の水硬性材料等を挙げることができる。
当該セメント用材料(混和材)の添加方法としては、特に制限されず、水溶液として添加する方法や、粉末状の当該セメント用材料をセメント粉末とドライブレンドしておく方法などが挙げられる。
当該セメント用材料の添加量(混和量)としては、特に制限されないが、上記水硬性物質100質量部に対して、上記アルキル変性PVAの量として、1質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。添加量が上記下限未満の場合は、当該セメント用材料の効果が十分に発現できない場合がある。逆に、添加量が上記上限を超える場合は、強度が飽和する場合があるだけでなく、セメントの流動性が低下する場合などがある。
<打継ぎ材>
当該セメント材料は、セメント構造体にセメント、好ましくはセメントモルタルを打ち継ぐ際、打継ぎ材としてセメント構造体表面に塗布して用いることができる。当該セメント材料は、上記アルキル変性PVAを含むため、被膜形成性や被膜を形成した際の保水性などに優れる。従って、当該セメント材料を打継ぎ材として用いると、ドライアウトの発生を抑制し、強固な打継ぎを行うことができる。
当該セメント材料は、打継ぎ材として用いる場合、通常、水溶液又は水系エマルジョンの状態で使用する。この際、上記塗工液の濃度としては、各種の状況に応じて適宜定めれば良いが、通常は10〜60質量%(固形分濃度)であり、好ましくは15〜50質量%(固形分濃度)である。
また、当該セメント材料(打継ぎ材)の塗布量としては、特に制限はないが、固形分として10〜100g/mの範囲が好ましい。
<セメント組成物>
本発明のセメント組成物は、水硬性物質と当該セメント用材料とを含む。当該セメント組成物は、当該セメント用材料を含むため、混和安定性等に優れ、高い強度を有する成形物を得ることができる。
上記硬化性物質の例示及びセメント用材料の含有量(添加量)は、混和材として上述したとおりである。
当該セメント組成物には、通常、水が加えられる。この水の量としては、セメント組成物の配合比や成形物の強度、耐久性等から設定され、水/水硬性物質比が0.1〜2の範囲で使用されるのが一般的であり、0.2〜0.7の範囲が好ましい。
当該セメント組成物には、さらに、砂利、砂、砕石などの骨材、シリカ質粉末、補強繊維、消泡剤、保水剤、流動性改質剤、空気連行剤、減水剤、防錆剤、着色剤、凍結防止剤、可塑剤などを含有することができる。なお、当該セメント組成物は、砂利、砕石などの粗骨材を含有しないセメントモルタル組成物である場合、混和安定性や得られる強度等の本発明の効果をより享受できる。
当該セメント組成物を用いたセメント成形物の成形方法には制限はなく、例えば、抄造法、押出法、フローオン法、鋳込み法等で成形できる。また、養生方法にも特に制限はなく、例えば、自然養生法、水中養生法、スチーム養生法、オートクレーブ養生法等が採用される。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量基準を意味する。
なお、得られたPVA(アルキル変性PVA及び無変性PVA)の評価は以下の方法に従って行った。
[変性率]
PVAにおける式(I)で表される単量体単位(a)の含有率(変性率)は、上述したプロトンNMRを用いた方法に準じて求めた。なお、プロトンNMRは、500MHzのJEOL GX−500を用いた。
[重合度]
PVAの重合度は、JIS−K6726に記載の方法により求めた。
[けん化度]
PVAのけん化度は、JIS−K6726に記載の方法により求めた。
<PVAの製造>
製造例1(PVA1の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g及びN−オクタデシルメタクリルアミド1.1gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてN−オクタデシルメタクリルアミドをメタノールに溶解して濃度5%としたコモノマー溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルとN−オクタデシルメタクリルアミドの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマーの総量は4.8gであった。また重合停止時の固形分濃度は29.9%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性酢酸ビニル系重合体(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液771.4g(溶液中のアルキル変性PVAc200.0g)に、27.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った。ここで、けん化溶液におけるアルキル変性PVAc濃度は25%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比は0.03であった。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA1)を得た。PVA1の重合度は1,700、けん化度は98.5モル%、アルキル変性量(上記単量体単位(a)の含有率)は0.4モル%であった。
製造例2〜18(PVA2〜18の製造)
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するアルキル基を有する不飽和単量体の種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるアルキル変性PVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様の方法により各種のアルキル変性PVA(PVA2〜18)を製造した。なお、表1中の不飽和単量体は、上記式(II)で表される化合物であり、式(II)中のR及びRを表1に示す。
製造例19(PVA19の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを添加し重合を開始し、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は31.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液772.1g(溶液中のPVAc200.0g)に、27.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度25%、PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置して無変性PVA(PVA19)を得た。PVA19の重合度は1,700、けん化度は98.5モル%であった。
Figure 0005770614
[実施例1〜14及び比較例1〜5]
得られた各PVAを混和材及び打継ぎ材として用い、以下の評価を行った。各評価結果を表2に示す。
[混和材としての評価]
水硬性物質(ポルトランドセメント)、表2に記載の各PVA、砂及び水を
水硬性物質:PVA:砂:水=1.0:0.1:3.0:0.7の質量比で混練し、セメント組成物を得た。
<混和安定性:ブリージング量>
200ccのメスシリンダーへ、セメント組成物を150cc加え、ゴム栓をした。60分静置後の水面とモルタル面との差から、ブリージング量(cc)を測定した。ブリージング量が大きいものは、混和安定性が悪い。
<混和安定性:フロー値>
セメント組成物作成直後、及び作成から60分後のフロー値(JIS−R5201に準じる)を測定した。この値が小さいものや、60分後の低下が大きいものは、混和安定性が悪い。
<接着強度>
JIS−R5201に準じて、オープンタイム0分、30分及び60分それぞれにおける接着強度(kg/m)を測定した。
[打継ぎ材としての評価]
<接着強度>
以下の方法にて、接着強度(kg/m)を測定した。
(1)セメントはJIS−R5210(ポルトランドセメント)に規定される普通ポルトランドセメントとし、骨材はJIS−R5210の9.2に規定される豊浦標準砂を用いた。
(2)試験用基板
試験に用いるコンクリート基板は、水−セメント比60%の建築における標準的な調合とし、コンクリートを練り混ぜた後、合板型枠で300mm×300mm×厚さ50mmの大きさに打設して、試験室(温度20℃、相対湿度(RH)65%)中で28日間養生したものを用いた。
(3)塗り付けモルタル
試験に用いる塗り付けモルタルの調合は、質量比でセメント1、標準砂2とし、フロー値が170±5となるように水−セメント比を調整して、JIS−R5201の9.4の規定に準拠して練り混ぜた。
(4)試験体の作製
打継ぎ材としての各PVAの水溶液を、上記(2)の試験用基板の表面に刷毛で均一に塗り付け、24時間、湿度20℃、65%RHの雰囲気下に放置した。なお、打継ぎ材の塗布量は、固形分として50g/mとした。次に、上記(3)に規定したモルタルを厚さ6mmに金ゴテで塗り付けて、48時間、20℃、80%RH以上の雰囲気下で養生後、さらに試験室中で26日間養生して試験体とした。
(5)接着強度試験
上記(4)で作成した試験体のモルタル面を、寸法40mm×90mmに基板に達するまで切り込んだ後、JIS−A6916の5.6に規定する試験方法に準じて接着強度試験を行い、5箇所の測定値の平均値を求めた。
Figure 0005770614
上記表2に示されるように、本発明のセメント用材料は、混和安定性に優れ、混和材及び打継ぎ材として用いることで、高い強度でセメントを接着させることができることがわかる。
以上説明したように、本発明のセメント用材料は、セメント用の混和材や打継ぎ材として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. アルキル変性ビニルアルコール系重合体を含有し、
    このアルキル変性ビニルアルコール系重合体が、下記一般式(I)で表される単量体単位(a)を含み、粘度平均重合度が200以上5,000以下、けん化度が20モル%以上99.99モル%以下、上記単量体単位(a)の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であるセメント用材料。
    Figure 0005770614
    (式(I)中、Rは、炭素数8〜29の直鎖状又は分岐状アルキル基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
  2. 混和材として用いられる請求項1に記載のセメント用材料。
  3. 打継ぎ材として用いられる請求項1に記載のセメント用材料。
  4. 水硬性物質と請求項1に記載のセメント用材料とを含むセメント組成物。
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