JP5769599B2 - 工具の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は工具の製造方法に関し、特に、鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜を被覆した工具の製造方法に関するものである。
工具基材に硬質被膜を被覆して、耐摩耗性や耐熱性の向上を図ることが行われている。各種の硬質被膜の中でもダイヤモンド被膜は硬さが極めて高く、耐摩耗性において優れた特性を発揮する。そのため、切削工具において、超硬合金からなる工具基材にダイヤモンド被膜を被覆した工具が多く使用されている。
なお、このような工具では、ダイヤモンド被膜を被覆する際の加熱工程において、超硬合金に含まれるCo(コバルト)が析出し、ダイヤモンド粒子をグラファイト化させることで、ダイヤモンド被膜の密着強度が損なわれる。そこで、ダイヤモンド被膜の被覆に先立って、硫酸や硝酸などによる酸処理を施す(特許文献1)、又は、酸素プラズマによる酸化処理を施すことで(特許文献2)、表面付近のCoを除去し、ダイヤモンド被膜の密着強度を確保することが行われる。
特開2002−179493号公報(段落0002) 特開2011−162857号公報(段落0013)
しかしながら、上述した工具のように、工具基材が超硬材料からなる場合には、前処理を施して表面付近のCoを除去しておくことで、ダイヤモンド被膜の密着強度を確保できるが、工具基材が鉄系材料からなる場合には、ダイヤモンド被膜の被覆自体が困難であるという問題点があった。即ち、鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜を被覆すると、Fe(鉄)が触媒となり、ダイヤモンドが形成されず、分解した炭素がグラファイトとして析出されてしまう。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜を被覆した工具の製造方法を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載の工具の製造方法によれば、工具基材には、ダイヤモンド粉末がその一部を露出させた状態で埋入されているので、ダイヤモンド被膜を被覆する際には、ダイヤモンド粉末の露出した部分を覆うように被覆することで、そのダイヤモンド粉末の露出した部分を核として、ダイヤモンドを成長させることができる。その結果、鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜を被覆することができる。
また、ダイヤモンド粉末を工具基材に効率的に埋入させることができる。例えば、ローラーの外周面でダイヤモンド粉末を工具基材の表面に押圧して埋入させる手法では、工具基材およびローラーの双方にダイヤモンド粉末が埋入してしまうところ、ダイヤモンド粉末が付着された工具基材の表面にショットを投射する手法であれば、ショットの衝撃力を利用して、ダイヤモンド粉末を工具基材に効率的に埋入させることができる。
また、既存のショットピーニング装置を流用でき、新たな装置の導入を不要とできるので、設備コストの削減を図ることができる。更に、工具基材の形状が、例えば、ローラーを接触させることができないような複雑な形状であっても、ショットを衝突させて、ダイヤモンド粉末を工具基材に埋入させることができる。
付着工程では、溶媒にダイヤモンド粉末を混合したダイヤモンド溶液を、工具基材の表面に塗布するので、ダイヤモンド粉末を工具基材に付着させる作業を簡易に行うことができる。また、ダイヤモンド溶液を工具基材に塗布する手法であれば、ダイヤモンド粉末のみが工具基材に付着される場合と比較して、例えば、塗布後に工具基材を搬送する際やその後にショットが衝突される際に、ダイヤモンド粉末が飛散することを、溶媒を利用して抑制でき、ダイヤモンド粉末を工具基材の表面に保持し易くすることができる。
請求項記載の工具の製造方法によれば、請求項記載の工具の製造方法の奏する効果に加え、ショットは、工具基材の硬度よりも高い硬度を有する材料からなるので、ショットがダイヤモンド粉末に衝突した際に、ダイヤモンド粉末がショットに埋入されることを抑制できる。即ち、ダイヤモンド粉末を工具基材に埋入させる効率を高めることができる。
また、このように、比較的硬度の高い材料からなるショットを利用することで、ダイヤモンド粉末に衝突した際のショットの粉砕を抑制して、ショットの運動エネルギーをダイヤモンド粉末へ確実に伝達させることができる。よって、この点からも、ダイヤモンド粉末を工具基材に埋入させる効率を高めることができる。
請求項記載の工具の製造方法によれば、請求項1又は2に記載の工具の製造方法の奏する効果に加え、工具基材とダイヤモンド被膜との密着強度を確保できる。即ち、ダイヤモンド被膜の核となるダイヤモンド粉末の粒径が大き過ぎると、ダイヤモンド被膜の密着強度が低下するところ、ダイヤモンド粉末の粒径が100nm以下に設定されるので、ダイヤモンド被膜の核となるダイヤモンド粉末の粒径を適正とすることができる。その結果、工具基材とダイヤモンド被膜との密着強度を確保できる。
(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態における工具を構成する工具基材の部分拡大断面図であり、工具基材にダイヤモンド被膜を被覆する過程が図示される。 工具製造試験の結果を図示する表である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、工具1の製造方法について説明する。図1(a)〜図1(c)は、本発明の一実施の形態における工具1を構成する工具基材11の部分拡大断面図であり、工具基材11にダイヤモンド被膜13を被覆する過程が図示される。なお、図1では、理解を容易とするために、各構成の形状や配列などが模式的に図示される。
工具1は、鉄系材料からなる工具基材11にダイヤモンド被膜が被覆して構成される。なお、鉄系材料としては、鋳鉄、鋳鋼、高速度工具鋼、合金工具鋼などが例示される。工具1の製造は、まず、工具基材11を所定の形状(例えば、エンドミル形状)に成形する。工具基材11を成形した後は、図1(a)に示すように、ダイヤモンド粉末12を工具基材11の表面に付着させる(付着工程)。
なお、付着工程は、溶媒にダイヤモンド粉末12を混合したダイヤモンド溶液を、工具基材11の表面に塗布することで、ダイヤモンド粉末12を工具基材11の表面に付着させる。このように、ダイヤモンド溶液を利用することで、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に付着させる作業を簡易に行うことができる。また、ダイヤモンド粉末12を溶媒に混合せず、粉末のままで工具基材11に付着させる場合と比較して、例えば、塗布後に工具基材11を搬送する際や、後述する埋入工程(図1(b)参照)において、ダイヤモンド粉末12が飛散することを抑制して、工具基材11の表面に保持しておき易くすることができる。
付着工程において、ダイヤモンド溶液を工具基材11の表面に塗布した(即ち、ダイヤモンド粉末12を工具基材11の表面に付着させた)後は、図1(b)に示すように、工具基材11のダイヤモンド溶液が塗布されている面へ向けてショットSを投射し、ダイヤモンド粉末12にショットSを衝突させることで、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入させる(埋入工程)。なお、埋入工程では、ダイヤモンド粉末12が、その一部を外部に露出させた状態で工具基材11に埋入されるように、ショットSの投射時間や投射圧力、粒径などを適宜調整する。
ここで、ダイヤモンド粉末12を工具基材11へ埋入させる手法として、例えば、円柱状に形成されるローラーの外周面でダイヤモンド粉末12を工具基材11の表面に押圧して埋入させる手法も考えられる。しかし、この手法では、工具基材11及びローラーの双方にダイヤモンド粉末12が埋入してしまう。これに対し、本実施の形態のように、ダイヤモンド粉末12が付着された工具基材11の表面にショットSを投射する手法であれば、ショットSの衝撃力を利用して、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に効率的に埋入させることができる。
また、この場合には、既存のショットピーニング装置を流用でき、ダイヤモンド粉末12を工具基材11へ埋入させるための新たな装置を導入することを不要とでき、設備コストの削減を図ることができる。更に、工具基材11の形状が、ローラーの外周面を接触させることができないような複雑な形状であっても、ショットSを投射する手法であれば、ショットSを工具基材11の所望領域へ衝突させることができるので、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入させる作業を確実に行うことができる。
ここで、ショットSは、工具基材11の硬度よりも高い硬度を有する材料から構成されることが好ましい。ショットSの硬度を工具基材11の硬度よりも高くすることで、ショットSがダイヤモンド粉末12に衝突した際に、そのショットSにダイヤモンド粉末12が埋入されることを抑制でき、その結果、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入させる効率を高めることができるからである。
ショットSの好ましい材料としては、例えば、超硬合金、高速度工具鋼、セラミックスなどが例示される。このように、比較的高い硬度の材料からショットSを構成することで、ダイヤモンド粉末12に衝突した際のショットSの粉砕を抑制できるので、その分、ショットSの運動エネルギーをダイヤモンド粉末12へ確実に伝達させることができる。よって、この点からも、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入させる効率を高めることができる。
埋入工程において、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入させた後は、図1(c)に示すように、ダイヤモンド被膜13を形成し、ダイヤモンド粉末12の露出した部分を被覆する(被覆工程)。なお、埋入工程の前には、ダイヤモンド溶液の溶媒を除去する除去工程を行う。また、本実施の形態では、CVD(化学的気相成長)法を用いて、ダイヤモンド被膜13を、ダイヤモンド粉末12の露出した部分を覆うように、工具基材11の表面に被覆する。但し、PVD(物理気相成長)法を用いても良い。
工具基材11の表面には、埋入工程において、ダイヤモンド粉末12がその一部を露出させた状態で埋入されているので、ダイヤモンド被膜13を形成する過程において、ダイヤモンド粉末12の露出した部分を核として、ダイヤモンドを成長させることができる。その結果、工具基材11が鉄系材料からなる場合であっても、工具基材11にダイヤモンド被膜13を被覆することができる。
ここで、ダイヤモンド粉末12の粒径は、1nm以上かつ100nm以下の範囲に設定されることが好ましい。ダイヤモンド粉末12の粒径(即ち、ダイヤモンドを形成する際の核となる部分)が大き過ぎると、ダイヤモンド被膜13の密着強度が低下するところ、ダイヤモンド粉末12の粒径を100nm以下とすることで、ダイヤモンド粉末12の粒径を適正として、工具基材11(ダイヤモンド粉末12)とダイヤモンド被膜13との密着強度を確保できるからである。一方、1nm以上とすることで、ダイヤモンド粉末12の入手を容易として、製造コストの削減を図ることができるからである。
なお、本実施の形態では、ダイヤモンド粉末12の粒子形状が丸形状(球形状)とされる。但し、多角形状などであっても良い。また、埋入工程の前に、ダイヤモンド溶液の溶媒を除去する除去工程を行う場合を説明したが、除去工程を省略しても良い。即ち、被覆工程における熱を利用して、溶媒を揮発(蒸発)させても良い。
次いで、図2を参照して、工具製造試験の試験結果について説明する。図2は、工具製造試験の結果を図示する表である。工具製造試験は、工具1の製造条件を確認するための試験であり、ショットS及びダイヤモンド粉末12の粒径や投射圧などを変更し、それらが工具の製造に及ぼす影響について確認する試験である。
図2に示すように、工具製造試験では、S50Cからなる平板形状(縦50mm×幅50mm×厚み5mm)の工具基材11に表面に、ダイヤモンド溶液を塗布し(付着工程)、超硬合金からなるショットSを投射して、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入させた後(埋入工程)、ダイヤモンド被膜13を被覆した(被覆工程)。なお、各工程の詳細は上述した通りなので、その説明は省略する。
なお、工具製造試験は、9種類(粒径:50nm、100nm、150nm、濃度:10wt%、30wt%、60wt%)のダイヤモンド溶液と、6条件(粒径:0.05mm、1mm、投射圧:0.1MPa、0.5MPa、0.6MPa)のショットSの投射条件とを組み合わせて、合計9種類の条件(No.1〜9)で行った。
ショットSの粒径を1mmとし、投射圧を0.1MPa及び0.5MPaとする条件では(No.1,2,6,9)、埋入工程において、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入することができ、被覆工程において、ダイヤモンド被膜13を被覆することができた。しかし、そのダイヤモンド被膜13の表面粗さが許容範囲を超えて粗くなった。これは、ショットSの粒径が大きいため、ショットSの運動エネルギーが過大となり、埋入工程において工具基材11の表面に凹凸が形成されたことに起因すると考えられる。
また、ショットSの粒径を1mmとし、投射圧を0.1MPa及び0.5MPaとする条件の内、No.6,9の条件では、ダイヤモンド被膜13の密着強度が許容範囲を下回った。これは、ダイヤモンド粉末12の粒径が150nmであることから、ダイヤモンドを形成する際の核となる部分が大き過ぎ、ダイヤモンドの密着度が低下することに起因すると考えられる。
ショットSの粒径を1mmとし、投射圧を0.6MPaとする条件では(No.5)、埋入工程において、ショットSの投射により工具基材11の表面が削り取られ、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入することができなかった。これは、ショットSの粒径が大きいことに加え、投射圧も大きいため、ショットSの運動エネルギーが過大となったことに起因すると考えられる。
ショットSの粒径を0.05mmとし、投射圧を0.6MPaとする条件では(No.3,7)、埋入工程において、ショットSの投射により工具基材11の表面が削り取られ、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に埋入することができなかった。これは、投射圧が大きいことに加え、ショットSの粒径が小さいが故にその空気抵抗が減少し、投射速度が高くなったため、ショットSの運動エネルギーが過大となったことに起因すると考えられる。なお、この場合、工具基材11の表面に付着するダイヤモンド粉末12の粒径は最大および最小の150nm及び50nmであるが、工具基材11の表面の削り取られた後の状態に差異はなかった。
一方、ショットSの粒径を0.05mmとし、投射圧を0.5MPa及び0.1MPaとする条件では(No.4,8)、埋入工程において、ダイヤモンド粉末12を工具基材11に適切に(即ち、ダイヤモンド粉末12をその一部が外部に露出した状態で)埋入することができ、被覆工程において、ダイヤモンド被膜13を十分な密着強度で被覆することができた。また、ダイヤモンド被膜13の表面粗さも許容範囲内であった。ショットSの粒径および投射圧を比較的小さくすると共に、ダイヤモンド粉末12の粒径を100nm以下としたことに起因すると考えられる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。特に、下限および上限を指定した数値範囲により特定される値は、その数値範囲内であれば、いずれの値を採用することも可能である。
上記実施の形態では、工具1がドリルとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、ドリルは、切削工具の一例であり、他の切削工具に本発明を適用することは当然可能である。他の切削工具としては、例えば、バイト、フライス、エンドミル、リーマー、タップ、ホブ、ピニオンカッタ、ダイス、ブローチ、スローアウェイチップなどが例示される。
上記実施の形態では、工具1が切削工具として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の工具に本発明を適用しても良い。他の工具としては、例えば、転造工具、測定工具などが例示される。
上記実施の形態では、工具基材11にダイヤモンド粉末12を介してダイヤモンド被膜13が被覆されたものが、工具として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の構造体に本発明を適用しても良い。他の構造体としては、機械部品、金型、調理器具などが例示される。即ち、「鉄系材料から構成される基材にダイヤモンド粉末を埋入し、そのダイヤモンド粉末を核としてダイヤモンドを成長させて、ダイヤモンド被膜を被覆する被覆方法」の適用対象(被覆対象)は工具に限られない。
<その他>
<手段>
技術的思想1の工具は、工具基材にダイヤモンド被膜が被覆された工具において、前記工具基材は、鉄系材料からなり、ダイヤモンド粉末がその一部を露出させた状態で前記工具基材に埋入され、前記ダイヤモンド粉末の露出した部分を覆うように前記ダイヤモンド被膜が被覆される。
技術的思想2の工具の製造方法は、鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜が被覆された工具の製造方法であって、ダイヤモンド粉末をその一部が露出した状態で前記工具基材に埋入する埋入工程と、その埋入工程により前記ダイヤモンド粉末がその一部を露出させた状態で埋入された工具基材に対し、前記ダイヤモンド粉末の露出した部分を覆うように前記ダイヤモンド被膜を被覆する被覆工程と、を備える。
技術的思想3の工具の製造方法は、技術的思想2において、前記埋入工程における前記ダイヤモンド粉末の前記工具基材への埋入は、前記ダイヤモンド粉末が付着された工具基材の表面にショットを投射することで行われる。
技術的思想4の工具の製造方法は、技術的思想3において、前記ショットは、前記工具基材の硬度よりも高い硬度を有する材料からなる。
技術的思想5の工具の製造方法は、技術的思想3又は4において、前記埋入工程の前に、前記ダイヤモンド粉末を前記工具基材に付着させる付着工程を備え、その付着工程では、溶媒に前記ダイヤモンド粉末を混合したダイヤモンド溶液を、前記工具基材の表面に塗布することで、前記ダイヤモンド粉末を前記工具基材に付着させる。
技術的思想6の工具の製造方法は、技術的思想2から5のいずれかにおいて、前記ダイヤモンド粉末の粒径が、100nm以下に設定される。
<効果>
技術的思想1記載の工具または技術的思想2記載の工具の製造方法によれば、工具基材には、ダイヤモンド粉末がその一部を露出させた状態で埋入されているので、ダイヤモンド被膜を被覆する際には、ダイヤモンド粉末の露出した部分を覆うように被覆することで、そのダイヤモンド粉末の露出した部分を核として、ダイヤモンドを成長させることができる。その結果、鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜を被覆することができる。
技術的思想3記載の工具の製造方法によれば、技術的思想2記載の工具の製造方法の奏する効果に加え、ダイヤモンド粉末を工具基材に効率的に埋入させることができる。例えば、ローラーの外周面でダイヤモンド粉末を工具基材の表面に押圧して埋入させる手法では、工具基材およびローラーの双方にダイヤモンド粉末が埋入してしまうところ、技術的思想4のように、ダイヤモンド粉末が付着された工具基材の表面にショットを投射する手法であれば、ショットの衝撃力を利用して、ダイヤモンド粉末を工具基材に効率的に埋入させることができる。
また、技術的思想3によれば、既存のショットピーニング装置を流用でき、新たな装置の導入を不要とできるので、設備コストの削減を図ることができる。更に、工具基材の形状が、例えば、ローラーを接触させることができないような複雑な形状であっても、ショットを衝突させて、ダイヤモンド粉末を工具基材に埋入させることができる。
技術的思想4記載の工具の製造方法によれば、技術的思想3記載の工具の製造方法の奏する効果に加え、ショットは、工具基材の硬度よりも高い硬度を有する材料からなるので、ショットがダイヤモンド粉末に衝突した際に、ダイヤモンド粉末がショットに埋入されることを抑制できる。即ち、ダイヤモンド粉末を工具基材に埋入させる効率を高めることができる。
また、このように、比較的硬度の高い材料からなるショットを利用することで、ダイヤモンド粉末に衝突した際のショットの粉砕を抑制して、ショットの運動エネルギーをダイヤモンド粉末へ確実に伝達させることができる。よって、この点からも、ダイヤモンド粉末を工具基材に埋入させる効率を高めることができる。
技術的思想5記載の工具の製造方法によれば、技術的思想3又は4に記載の工具の製造方法の奏する効果に加え、付着工程では、溶媒にダイヤモンド粉末を混合したダイヤモンド溶液を、工具基材の表面に塗布するので、ダイヤモンド粉末を工具基材に付着させる作業を簡易に行うことができる。また、ダイヤモンド溶液を工具基材に塗布する手法であれば、ダイヤモンド粉末のみが工具基材に付着される場合と比較して、例えば、塗布後に工具基材を搬送する際やその後にショットが衝突される際に、ダイヤモンド粉末が飛散することを、溶媒を利用して抑制でき、ダイヤモンド粉末を工具基材の表面に保持し易くすることができる。
技術的思想6記載の工具または工具の製造方法によれば、技術的思想1記載の工具または技術的思想2から5のいずれかに記載の工具の製造方法の奏する効果に加え、工具基材とダイヤモンド被膜との密着強度を確保できる。即ち、ダイヤモンド被膜の核となるダイヤモンド粉末の粒径が大き過ぎると、ダイヤモンド被膜の密着強度が低下するところ、技術的思想6では、ダイヤモンド粉末の粒径が100nm以下に設定されるので、ダイヤモンド被膜の核となるダイヤモンド粉末の粒径を適正とすることができる。その結果、工具基材とダイヤモンド被膜との密着強度を確保できる。
1 工具
11 工具基材
12 ダイヤモンド粉末
13 ダイヤモンド被膜

Claims (3)

  1. 鉄系材料からなる工具基材にダイヤモンド被膜が被覆された工具の製造方法であって、
    ダイヤモンド粉末を前記工具基材に付着させる付着工程と、
    前記ダイヤモンド粉末をその一部が露出した状態で前記工具基材に埋入する埋入工程と、
    その埋入工程により前記ダイヤモンド粉末がその一部を露出させた状態で埋入された工具基材に対し、前記ダイヤモンド粉末の露出した部分を覆うように前記ダイヤモンド被膜を被覆する被覆工程と、を備え
    前記付着工程では、溶媒に前記ダイヤモンド粉末を混合したダイヤモンド溶液を、前記工具基材の表面に塗布することで、前記ダイヤモンド粉末を前記工具基材に付着させ、
    前記溶媒は、前記埋入工程の前に、又は、前記被覆工程において除去され、
    前記埋入工程における前記ダイヤモンド粉末の前記工具基材への埋入は、前記ダイヤモンド粉末が付着された工具基材の表面にショットを投射することで行われるものであり、
    前記ショットは、粒径が、前記ダイヤモンド粉末の粒径より大きいことを特徴とする工具の製造方法。
  2. 前記ショットは、前記工具基材の硬度よりも高い硬度を有する材料からなることを特徴とする請求項記載の工具の製造方法。
  3. 前記ダイヤモンド粉末の粒径が、100nm以下に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の工具の製造方法。
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