JP5769510B2 - 制癌剤 - Google Patents

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本発明は、卵巣癌をはじめとする各種癌の治療に利用できる制癌剤及び癌治療方法に関する。
悪性腫瘍に対しては、各種の治療法及び治療薬が開発されているが、未だ充分な治療効果をあげることが出来ない場合が多い。特に、卵巣癌は婦人科領域の悪性腫瘍の中でも進行が早く、とりわけ予後の悪い悪性腫瘍である。
卵巣癌の治療法としては、現在タキソールを中心とした化学療法しか手立てが無いが、これらの化学療法も一時的効果はあるものの、後には再発を許すことが多く、新たな治療法の開発が求められている。
一方、HB−EGFはEGFファミリーの細胞増殖因子で、身体の形成や再生過程に必須であると同時に、血管狭窄、動脈硬化症などの発症に関係する分子として知られている(例えば、非特許文献1参照)。この分子は膜結合型前駆体(proHB−EGF)として合成され、細胞表面でプロテアーゼにより切断されて分泌型HB−EGFを生じる。分泌型には、増殖促進作用があるが、膜型には増殖抑制作用が観察され、分泌型と膜型は適宜使い分けられることで、組織の形成と維持に働いているものと考えられている。
HB−EGFは、EGFリセプター(Her1)及びEGFリセプターファミリーのHer4(ErbB−4)に結合し、活性化する。しかし、EGFリセプターファミリー(Her1、Her2、Her3、Her4)はホモダイマーを形成するほか、全ての組み合わせのヘテロダイマーを形成し得るので、結果的にHB−EGFは全てのEGFリセプターファミリー分子を活性化しうる。HB−EGFは種々の組織で発現されており、広範な細胞や組織で働いていると考えられているが、線維芽細胞、平滑筋細胞あるいはケラチノサイトの増殖をよく促進することが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
HB−EGFは前記のように膜結合型前駆体(proHB−EGF)として合成されるが、proHB−EGFは、N末端から、シグナル配列、プロ配列、ヘパリン結合ドメイン、EGF様ドメイン、ジャクスタメンブレンドメイン、トランスメンブレンドメイン、細胞質ドメインからなる(図1)。このproHB−EGFは、図中矢印の部分でプロテアーゼによる切断(エクトドメインシェディング)を受けて分泌型となる。proHB−EGFのエクトドメインシェディングは、リゾホスファチジン酸(LPA)等がG蛋白共役型リセプターを介して、Ras−Raf−MEK経路を活性化する経路や、フォルボールエステルがPKCを活性化する経路により刺激されることが提唱されている(例えば、非特許文献3参照)。
分泌型HB−EGFがEGFリセプターに結合し、EGFリセプターのリン酸化を促す作用はEGF様ドメインに存在する(例えば、非特許文献1参照)。
ジフテリア毒素は、ジフテリア菌が産生する分子量約59000のタンパク質であるが、HB−EGFの膜結合型前駆体(proHB−EGF)を受容体とすることが知られている(例えば、非特許文献4参照)。また、CRM197のようなジフテリア毒素の変異体は、分泌型HB−EGFの阻害剤として知られている(例えば、非特許文献5参照)。ジフテリア毒素のデータベース情報は、遺伝子についてはEMBL;K01722、アミノ酸配列はSWISS−PROT;P00588、三次元構造はPDB;1MDTあるいは1XDTで見ることができる。ジフテリア毒素の遺伝子は菌体内に溶原化しているファージがコードしている。
ジフテリア毒素は、アミノ酸535個からなる単純タンパク質であり(ジフテリア毒素のアミノ酸配列(配列番号1)とそれをコードする遺伝子の塩基配列(配列番号2)を図2及び図3に表し、イタリックはシグナル配列を表す)、還元剤で処理することにより分離されるフラグメントA部分とフラグメントB部分に分けられるが(図4)、立体構造解析等によれば、フラグメントB部分はさらに2つのドメインに分かれている。それぞれのドメインの機能は、フラグメントA部分に相当する触媒作用(catalytic)ドメイン(シグナル配列を除いたアミノ酸番号で1〜193)はADPリボシル化活性を、フラグメントB部分のN末端半分に相当する膜貫通(Transmembrane)ドメイン(シグナル配列を除いたアミノ酸番号で194〜378)はエンドソーム膜にチャネルを形成する性質を、フラグメントB部分のC末端半分に相当するレセプター結合(receptor-binding)ドメイン(シグナル配列を除いたアミノ酸番号で386〜535)は細胞表面のジフテリア毒素リセプターと結合する活性を有する。
ジフテリア毒素のフラグメントA(触媒作用ドメイン部分)は、NAD存在下でEF−2(ペプチド伸長因子2)をADPリボシル化する作用を有しており、これによりタンパク質合成を阻害する。したがって、ジフテリア毒素が毒性を発揮するためには、フラグメントAが細胞質内に入らなければならない。
フラグメントAが細胞質内に入る機構は、フラグメントBにあるレセプター結合ドメインが細胞表面のリセプターであるproHB−EGFに結合することにより、ジフテリア毒素はエンドサイトーシスによりエンドソームに取り込まれ、エンドソーム内で膜貫通ドメインがエンドソーム膜に挿入され、最終的にはフラグメントAがエンドソーム膜を通過して細胞質中に遊離され、そこでEF−2を失活させる(例えば、非特許文献6参照)。
ジフテリア毒素が毒性を発揮するためには、フラグメントAとフラグメントBの両方が必要である。したがってどちらのフラグメントに変異があっても、ジフテリア毒素の毒性を有さないタンパク質ができる。
ジフテリア毒素には触媒作用ドメインに変異を有する無毒化された変異体、例えばCRM197が分離されている。
一方、ジフテリア毒素の変異体が、HB−EGFとEGFレセプターとの結合を阻害する活性を有するのは、ジフテリア毒素が、分泌型HB−EGFのEGF様ドメインと結合するためである。また、この結合に関与するのはジフテリア毒素のレセプター結合ドメインである。ジフテリア毒素の516番目のLys、530番目のPheがHB―EGFの結合に重要であることが報告されている(例えば、非特許文献7参照)。また、ジフテリア毒素とHB―EGFのEGFドメインからなる複合体の結晶構造が解析されており、381−535までの間のHB―EGFとの結合に重要なアミノ酸が報告されている(例えば、非特許文献8参照)。
このように、ジフテリア毒素変異体がHB−EGFに結合し、HB−EGFの活性を阻害することが認められており、最近、HB−EGFを癌治療のターゲットとし、ジフテリア毒素変異体を癌治療薬に使用しようとする試みがなされているが未だ実用化には至っていない(特許文献1、非特許文献9)。
特開2004−155776
目加田英輔等著「遺伝子医学」株式会社メディカルドゥ社、vol.5 No.2 2001,p.131-134 Higashiyama, S. et al著 J.CellBiol.(1993)122,p.933-940, Prenzel,N.et al著 Nature (1999) 402, p.884-888 J.G.Naglich et al著 Cell (1992) 69, p.1051-1061 T.Mitamura et al J.Biol.Chem.(1995) 270, p.1015 T.Umata et al著 J.Biol.Chem.(1998) 273, p.8351 Shen, HS et al著 J. Biol. Chem. (1994) 269, p.29077-29084 Gordon VL et al著 Molecular Cell (1997) 1, p.67-78 Miyamoto, S.et al著. Cancer Res. (2004) 64, 5720-5727.
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、悪性腫瘍、特に卵巣癌の治療に有効な制癌剤を提供することを目的とする。
発明者らは、パクリタキセル(Paclitaxel(タキソール Taxol))又はその誘導体とジフテリア毒素の変異体とを併用すると相乗的効果が得られるとの知見を得て、本発明に至った。
すなわち、本発明の前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> パクリタキセル及びパクリタキセル誘導体の少なくともいずれかと、ジフテリア毒素の変異体であってHB−EGFとEGFレセプターとの結合を阻害する活性を有しかつジフテリア毒素の毒性を実質的に有さないタンパク質とを、有効成分として含むことを特徴とする制癌剤である。
<2> タンパク質が、ジフテリア毒素のアミノ酸配列における少なくともレセプター結合ドメインを変異なしに含むことを特徴とする請求項1に記載の制癌剤である。
<3> タンパク質が、ジフテリア毒素のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質である請求項1及び2のいずれかに記載の制癌剤である。
<4> タンパク質が、CRM197及びDT52E148Kのいずれかである請求項3に記載の制癌剤である。
<5> パクリタキセル及びパクリタキセル誘導体の少なくともいずれかと、ジフテリア毒素の変異体であってHB−EGFとEGFレセプターとの結合を阻害する活性を有しかつジフテリア毒素の毒性を実質的に有さないタンパク質とを、併用することを特徴とする癌治療方法である。
本発明によると、悪性腫瘍、特に卵巣癌の治療に有効な制癌剤及び癌治療方法を提供することができる。
図1は、proHB−EGFの構造を表す模式図である。 図2は、ジフテリア毒素のアミノ酸配列及び塩基配列を表す図である。 図3は、ジフテリア毒素のアミノ酸配列及び塩基配列を表す図である(図2の続き)。 図4は、ジフテリア毒素のドメイン構造を表す模式図である。 図5は、GST−DTのアミノ酸配列及び塩基配列を表す図である。 図6は、GST−DTのアミノ酸配列及び塩基配列を表す図である(図5の続き)。 図7は、SKOV−3細胞注射ヌードマウスにおけるCRM197投与による腫瘍増殖に対する効果を表す図である。 図8は、SK−HB1細胞注射ヌードマウスにおけるCRM197投与による腫瘍増殖に対する効果を表す図である。 図9は、SKOV−3細胞注射ヌードマウスにおけるCRM197及びタキソール投与よる腫瘍増殖に対する効果を表す図である。 図10は、SK−HB1細胞注射ヌードマウスにおけるCRM197及びタキソール投与による腫瘍増殖に対する効果を表す図である。
本発明の第一の態様の制癌剤は、パクリタキセル及びパクリタキセル誘導体の少なくともいずれかと、ジフテリア毒素の変異体であってHB−EGFとEGFレセプターとの結合を阻害する活性を有しかつジフテリア毒素の毒性を実質的に有さないタンパク質とを、有効成分として含むことを特徴とする。
前記ジフテリア毒素の変異体とは、ジフテリア毒素のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を表し、例えば1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質である。また、ジフテリア毒素の25個のシグナル配列は付いていても付いていなくてもよく、いずれの配列も本発明の範囲に含まれる。
また、パクリタキセル誘導体としては、ドセタキセル(Docetaxel(タキソテール Taxotale)等が挙げられる。
本発明の第二の態様の制癌剤は、パクリタキセル及びパクリタキセル誘導体の少なくともいずれかと、以下の(a)、(b)及び(c)のいずれかのタンパク質であって、HB−EGFのEGFレセプターへの結合を阻害する活性を有しかつジフテリア毒素の毒性を実質的に有さないタンパク質とを有効成分として含むことを特徴とする。(a) ジフテリア毒素の一部からなり、該ジフテリア毒素のレセプター結合ドメインを少なくとも含むタンパク質。(b) (a)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質。(c) (a)及び(b)のいずれかのタンパク質を含む複合タンパク質。
前記タンパク質は、ジフテリア毒素の一部若しくはその変異体又はそれらのタンパク質を含む複合タンパク質であって、レセプター結合ドメインを保持するものをいう。
ここで、ジフテリア毒素の毒性とは、ジフテリア毒素が細胞表面の受容体に結合し、細胞内に侵入し、フラグメントAが保持するEF−2(ペプチド伸長因子2)をADPリボシル化する活性(ADPリボシル化活性)でもって、細胞の蛋白質合成機能を阻害することを意味し、これはタンパク質合成阻害の程度により容易に測定することができる。すなわち、培養細胞に一定量のジフテリア毒素を加えて2〜8時間程度培養し、続いて、放射性のアミノ酸存在下で短時間培養し、タンパク質に取り込まれた放射性アミノ酸量を測定する方法である。
具体的には、Vero細胞(1×10細胞)を24ウェルプレートに接種して、COインキュベーターで16時間培養する。細胞が十分にプレートに接着していることを確認してから、各ウェルに冷PBS(150mM、NaCl−2.7mMKCl−10mMリン酸緩衝液、pH7.2)で1回洗う。この時の液の出し入れは細胞をはがさないように慎重に行う。血清を含むアッセイ用培養液0.5mlを加える。アッセイ用培養液は、通常の培地からロイシンの濃度を1/10程度に減らしたものを使用する。これは後で加える[H]ロイシンの取り込み効率を高めるためである。但し、Ham’s F12培地は、ロイシン含量が少ないのでこれをアッセイ用培養液とすることもできる。血清は通常用いている濃度で加える。
次に、種々の濃度のジフテリア毒素を加えて、COインキュベーターで2〜5時間培養する。3.7MBq/mlの[H]ロイシンを10μl加えて更に1時間培養する。
培養液を捨て、ウェルをPBSで1度洗った後、細胞を0.5mlの0.1M NaOHで溶解し、その溶液をチューブに集める。0.5mlの0.1N NaOHで再度ウェルを洗浄し、その溶液を同じチューブに集める。
これに20%のトリクロロ酢酸溶液0.5mlを加えて、Vortexミキサーでよく攪拌する。生じた沈殿をグラスフィルターでトラップし、フィルターをさらに5%トリクロロ酢酸溶液で洗浄する。
最後にフィルターを100%エタノールで洗浄し、乾燥させる。
フィルターをトルエン−PPOのシンチレーターにつけて、フィルターにトラップされた放射能を液体シンチレーションカウンターで測定する。ジフテリア毒素を加えなかった試料の値を測定し、これを100%として毒素を加えた時の値を%で求める。
ジフテリア毒素の毒性を実質的に有さないタンパク質とは、ジフテリア毒素の毒性を無毒化または極めて低レベルに弱毒化されたタンパク質をいい、本発明においては、ジフテリア毒素の毒性を1ng/mlの濃度で上記Vero細胞の系で測定した場合、ジフテリア毒素を加えなかった試料または触媒作用ドメインを有しないジフテリア毒素変異体を加えた試料の値と有意差がないものをいう。前記有意差は、t検定において有意水準5%として有意差が無いことが好ましく、有意水準1%として有意差が無いことがより好ましく、有意水準0.1%として有意差が無いことがさらに好ましい。
ただし、CRM197やDT52E148Kのようなこれまでジフテリア毒素の毒性が全くないとされていた変異体であっても、きわめて微弱な毒性(例えばCRM197では野生型のジフテリア毒素の1010分の1程度)が残存していることが証明されているが(特許文献1)、このような微弱な毒性を有している変異体が本発明から排除されるものではない。ジフテリア毒素の毒性レベルとしては、CRM197と同じかそれ以下であることがジフテリア毒素の毒性による副作用を排除し、安全性を高める観点から好ましい。
ジフテリア毒素の毒性は、ペプチド伸長因子2をADPリボシル化するのに必須である触媒作用ドメインに変異を持たせること、または、触媒作用ドメインの一部または全部を欠損させることにより調整することができる。
変異させた触媒作用ドメインの機能は、ADPリボシル化活性を直接測定することで、正確に調べることができる。ADPリボシル化活性は、分離精製したEF−2に、フラグメントAあるいはADPリボシル化活性を測定したい蛋白質(変異させた触媒作用ドメイン等)とラジオアイソトープで標識したNADを加えて、試験管内でEF−2をADPリボシル化させ、EF−2に取り込まれた放射能を測定することで、直接測定することができる。
具体的には、以下の文献(Moynihan, M.R. and Pappenheimer, A.M. Jr. Infect. Immun.(1981) 32, 575-582)で記載された方法で得たウサギ網状赤血球EF−2分画に、最終濃度20mMのトリス緩衝液(pH7.8)、1mMDTT(ジチオスレイトール)、0.1〜1μg/mlのフラグメントAあるいは0.1−100μg/mlのADPリボシル化活性を測定したい蛋白質を加え、さらに最終的に370KBq/mlになるように[32P]NAD(約740 GBq/mmol)を加えて混和し、37℃で10分間反応させる。
その反応液に同容量の10%−トリクロロ酢酸溶液を加えて蛋白質を沈殿させ、生じた沈殿をグラスフィルターでトラップし、フィルターをさらに5%トリクロロ酢酸溶液で洗浄する。
最後にフィルターを100%エタノールで洗浄し、乾燥させる。
フィルターをトルエン−PPOのシンチレーターにつけて、フィルターにトラップされた放射能を液体シンチレーションカウンターで測定する。
測定された放射能がADPリボシル化活性の程度を示しており、変異を加えないフラグメントAを用いたときの放射能を基準に、変異を加えた蛋白質のADPリボシル化活性の相対活性を求めることができる。
また、分泌型HB−EGFとEGFレセプターとの結合を阻害する活性を有するという特徴は、発明者らが、ドメイン情報をもとに、より詳細に検討したところによると、レセプター結合ドメインを含む部分である378番目から535番目のアミノ酸配列を含んでいればよいことがわかった。すなわち、GST(Gluthathione-S-transferase)にジフテリア毒素の378番目から535番目までの配列を融合した遺伝子を作成し、これを大腸菌に発現させて、上記の構造を持つ融合タンパク質(GST−DT)を作成した。GST−DTは、125Iで標識したジフテリア毒素のHB―EGFへの結合を、濃度依存的に阻害した。阻害の程度から、GST−DTはジフテリア毒素と同程度の結合の強さで、HB―EGFに結合することがわかった。したがって、結合に必要なのは、378番目から535番目、すなわち、レセプター結合ドメインを含む部分であることがわかった。
ここで、HB−EGFとEGFリセプターの結合を阻害する活性を有するかどうかは、前記のような、125Iで標識したジフテリア毒素のHB―EGFへの結合に対する阻害実験により測定することができる。
そこで、HB−EGFとEGFレセプターとの結合を阻害する活性を有しかつジフテリア毒素の毒性を実質的に有さないタンパク質は、レセプター結合ドメインを保持しつつ、触媒作用ドメインに変異を持たせたジフテリア毒素変異体タンパク質や、ジフテリア毒素のレセプター結合ドメインを保持しつつ触媒作用ドメインの一部または全部を欠損させたジフテリア毒素の一部であるタンパク質を作成することにより得ることができる。
このような変異体の例としては、CRM197、DT52E148K及びGST−DTが挙げられる。これらはジフテリア毒素の毒性を実質的に持たず、HB−EGFのEGFレセプターへの結合を阻害する。CRM197は、25個のシグナル配列を除いてカウントした場合の52番目のGlyがGluに変異した変異体であり、DT52E148Kは、前記変異に加えてシグナル配列を除いてカウントした場合の148番目のGluがLysに変異した変異体である。また、GST−DTはGSTにジフテリア毒素のシグナル配列を除いてカウントした場合の378番目から535番目を含む蛋白質である。CRM197に関するアミノ酸配列(最初の25個の配列がシグナル配列を表す)を配列番号3に、それをコードする遺伝子の塩基配列を配列番号4に表す。また、GST−DTのアミノ酸配列(配列番号5)及びそれをコードする遺伝子の塩基配列(配列番号6)を図5及び図6に表す。
ここで、CRM197については、ジフテリア毒素の毒性を有さない、即ちADPリボシル化活性を有さないとの報告が既になされている(T. Uchida and A.M. Pappenheimer Jr. (1972) Science 175, 901-903)。また、148Eに変異を有する148K変異体が極めて弱い活性しか持たないことは知られており(J.T.Barbieri and R.J. Collier (1987) Infect. Immun. 55, 1647-1651)、52E変異体であるCRM197にさらに148Kの変異を入れたダブルミュータントであるDT52E148Kは、さらに安全な変異体として好ましい。また、これらの変異体の毒性は、前記タンパク質合成阻害実験によってもジフテリア毒素を加えなかった試料の値と有意差がないことが確かめられた。なお、GST−DTがジフテリア毒素の毒性を有しないことは、触媒作用ドメインを完全に欠如することから明らかである。
(配列番号3)
MSRKLFASILIGALLGIGAPPSAHAGADDVVDSSKSFVMENFSSYHGTKPGYVDSIQKGIQKPKSGTQGNYDDDWKEFYSTDNKYDAAGYSVDNENPLSGKAGGVVKVTYPGLTKVLALKVDNAETIKKELGLSLTEPLMEQVGTEEFIKRFGDGASRVVLSLPFAEGSSSVEYINNWEQAKALSVELEINFETRGKRGQDAMYEYMAQACAGNRVRRSVGSSLSCINLDWDVIRDKTKTKIESLKEHGPIKNKMSESPNKTVSEEKAKQYLEEFHQTALEHPELSELKTVTGTNPVFAGANYAAWAVNVAQVIDSETADNLEKTTAALSILPGIGSVMGIADGAVHHNTEEIVAQSIALSSLMVAQAIPLVGELVDIGFAAYNFVESIINLFQVVHNSYNRPAYSPGHKTQPFLHDGYAVSWNTVEDSIIRTGFQGESGHDIKITAENTPLPIAGVLLPTIPGKLDVNKSKTHISVNGRKIRMRCRAIDGDVTFCRPKSPVYVGNGVHANLHVAFHRSSSEKIHSNEISSDSIGVLGYQKTVDHTKVNSKLSLFFEIKS
(配列番号4)
GTGAGCAGAAAACTGTTTGCGTCAATCTTAATAGGGGCGCTACTGGGGATAGGGGCCCCA
CCTTCAGCCCATGCAGGCGCTGATGATGTTGTTGATTCTTCTAAATCTTTTGTGATGGAA
AACTTTTCTTCGTACCACGGGACTAAACCTGGTTATGTAGATTCCATTCAAAAAGGTATA
CAAAAGCCAAAATCTGGTACACAAGGAAATTATGACGATGATTGGAAAGAGTTTTATAGT
ACCGACAATAAATACGACGCTGCGGGATACTCTGTAGATAATGAAAACCCGCTCTCTGGA
AAAGCTGGAGGCGTGGTCAAAGTGACGTATCCAGGACTGACGAAGGTTCTCGCACTAAAA
GTGGATAATGCCGAAACTATTAAGAAAGAGTTAGGTTTAAGTCTCACTGAACCGTTGATG
GAGCAAGTCGGAACGGAAGAGTTTATCAAAAGGTTCGGTGATGGTGCTTCGCGTGTAGTG
CTCAGCCTTCCCTTCGCTGAGGGGAGTTCTAGCGTTGAATATATTAATAACTGGGAACAG
GCGAAAGCGTTAAGCGTAGAACTTGAGATTAATTTTGAAACCCGTGGAAAACGTGGCCAA
GATGCGATGTATGAGTATATGGCTCAAGCCTGTGCAGGAAATCGTGTCAGGCGATCAGTA
GGTAGCTCATTGTCATGCATAAATCTTGATTGGGATGTCATAAGGGATAAAACTAAGACA
AAGATAGAGTCTTTGAAAGAGCATGGCCCTATCAAAAATAAAATGAGCGAAAGTCCCAAT
AAAACAGTATCTGAGGAAAAAGCTAAACAATACCTAGAAGAATTTCATCAAACGGCATTA
GAGCATCCTGAATTGTCAGAACTTAAAACCGTTACTGGGACCAATCCTGTATTCGCTGGG
GCTAACTATGCGGCGTGGGCAGTAAACGTTGCGCAAGTTATCGATAGCGAAACAGCTGAT
AATTTGGAAAAGACAACTGCTGCTCTTTCGATACTTCCTGGTATCGGTAGCGTAATGGGC
ATTGCAGACGGTGCCGTTCACCACAATACAGAAGAGATAGTGGCACAATCAATAGCTTTA
TCGTCTTTAATGGTTGCTCAAGCTATTCCATTGGTAGGAGAGCTAGTTGATATTGGTTTC
GCTGCATATAATTTTGTAGAGAGTATTATCAATTTATTTCAAGTAGTTCATAATTCGTAT
AATCGTCCCGCGTATTCTCCGGGGCATAAAACGCAACCATTTCTTCATGACGGGTATGCT
GTCAGTTGGAACACTGTTGAAGATTCGATAATCCGAACTGGTTTTCAAGGGGAGAGTGGG
CACGACATAAAAATTACTGCTGAAAATACCCCGCTTCCAATCGCGGGTGTCCTACTACCG
ACTATTCCTGGAAAGCTGGACGTTAATAAGTCCAAGACTCATATTTCCGTAAATGGTCGG
AAAATAAGGATGCGTTGCAGAGCTATAGACGGTGATGTAACTTTTTGTCGCCCTAAATCT
CCTGTTTATGTTGGTAATGGTGTGCATGCGAATCTTCACGTGGCATTTCACAGAAGCAGC
TCGGAGAAAATTCATTCTAATGAAATTTCGTCGGATTCCATAGGCGTTCTTGGGTACCAG
AAAACAGTAGATCACACCAAGGTTAATTCTAAGCTATCGCTATTTTTTGAAATCAAAAGC
TGA
なお、レセプター結合ドメインを含む断片は、プラスミッドに組み込まれたCRM197をコードする遺伝子(Pβ197)を鋳型にして、PCR法にてレセプター結合ドメイン部分のDNA配列を合成して、これをGST融合タンパク質やヒスチジンタグを合成させるための発現ベクター(pGEX-3X、pQE-30)のマルチクローニングサイトに挿入し、得られたプラスミッドを大腸菌に組み込み、プラスミッドがコードする遺伝子を大腸菌で合成させることで作成できる。
また、触媒作用ドメインに変異を有する変異体は、以下のようにして作成することができる。プラスミッドに組み込まれたCRM197をコードする遺伝子(Pβ197)を鋳型にして、変異を持たせたい部位をプライマーとして、PCR法にてCRM197領域を合成する。プライマーは、変異を持つように点突然変異を導入したものを合成し、使用する。合成したDNAを、大腸菌用の遺伝子発現ベクター(pET−22b)に組み込み、大腸菌に形質導入を行い、変異体を大腸菌で発現させて、作成することができる。
本発明の制癌剤は、乳癌、前立腺癌、甲状腺癌、卵巣癌等、悪性腫瘍全般の治療に用いることができるが、好ましくはHB−EGFを発現している悪性腫瘍に用いることができ、特に卵巣癌に好適に用いることができる。
本発明の制癌剤は、上記有効成分をそのまま、または、薬学的に許容される医薬用担体と組合せて製剤化することができる。
前記制癌剤は、経口的又は非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下又は皮内等への注射、直腸内投与、経粘膜投与、経気道投与など)に投与することができる。卵巣癌等腹腔内に播種する悪性腫瘍に適用する場合には、腹腔内に注射により投与することが、癌細胞に直接運搬される点で好ましい。
経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などを挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤などを挙げることができるが、剤形はこれらに限定されることはない。
前記制癌剤の製造に用いられる製剤用添加物の種類は特に限定されず、当業者が適宜選択可能である。例えば、賦形剤、崩壊剤又は崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、基剤、溶解剤又は溶解補助剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、緩衝剤、抗酸化剤、防腐剤、等張化剤、pH調節剤、溶解剤、安定化剤などを用いることができ、これらの目的で使用される個々の具体的成分は当業者に周知されている。
経口投与用の製剤の調製に用いることができる製剤用添加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードファット等の基剤を用いることができる。
注射あるいは点滴用の製剤の調製に用いることができる製剤用添加物としては、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D-マンニトール、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調節剤等の製剤用添加物を用いることができる。
前記本発明の制癌剤に含まれる有効成分の量は、制癌剤の製剤形態または投与経路によって異なり、一概に規定することはできないが、通常、最終製剤中に約0.0001%から70%の範囲から適宜選択して決定することができる。
本発明の制癌剤は、ヒトを含む哺乳動物に投与することができる。
本発明の制癌剤の投与量は、患者の年齢、性別、体重、症状、及び投与経路などの条件に応じて適宜増減されるべきであるが、成人一日あたりの有効成分の量として、有効成分のひとつであるジフテリア毒素の変異体タンパク質としては、体重1kgあたり1μgから30mg程度の範囲であることが好ましい。また、パクリタキセル又はパクリタキセル誘導体としては、体重1kgあたり0.2〜4mg程度の範囲であることが好ましい。上記投与量の医薬は一日一回に投与してもよいし、数回に分けて投与してもよい。また、数日から数週間に1度又は単発的に投与してもよい。また、ステロイド等、副作用を抑える成分とともに投与することもできる。ジフテリア毒素の変異体タンパク質とパクリタキセル又はその誘導体とは、同時に投与してもよいし、時間差をつけて投与しても良い。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(CRM197タンパク質の生成)
C7(β197)の溶原菌のストック(C7(β197)ファージを溶原化したジフテリア菌C7(beta197)M1としてATCC(American Type Culture Collection)Bacteria collection(No.39255)から入手可能)を培養し、対数増殖期の後期の菌液を、2%の濾過したマルトースを加えたC−Y培地に、最初のOD590が約0.05になるように加える。このODは、約5×10菌体/mlにあたる。フラスコは毎分200回転のロータリーシェーカーに載せ、35℃で16時間から17時間培養する。ODが10から15になった時点で、培養を終了する。
前記C−Y培地は、以下のように調製する。即ち、10gのカサミノ酸、20gの酵母抽出液、5gのKHPOを1lの蒸留水に溶かす。2mlの50%CaCl.2HOを加えた後、pHを7.4に調整する。沸騰させた後、濾過する。2mlのMuellerとMillerの溶液II(22.5g MgSO、0.115g βアラニン、0.115g ニコチン酸、7.5mg ピメリン酸、1g CuSO・5HO、1gZnSO・5HO、1g MnCl・4HO/100mlHO)と1mlのMuellerとMillerの溶液III(20gL−シスチン、20ml 濃塩酸/100ml HO)を加える。100mLずつ分注し、オートクレーブをかけることによりC−Y培地を得た。
CRMタンパクの精製は、以下のようにして行う。
培養液は、10000gで15分間遠心する。培養上清に硫安を65%の飽和状態になるように加える。氷室で24から48時間放置する。沈殿物を集めて0.02MのpH7.2のトリス−塩酸バッファーに溶かし、同液にて透析する。
遠心して、不溶物を除き、DE52カラムに添加し、0.02MのpH7.2のトリス−塩酸バッファー中のNaClの濃度勾配により溶出する。CRM197は、NaClが0.08Mのところで溶出する。溶出した液を硫安で65%飽和状態にする。沈殿物を0.01Mのトリス−塩酸バッファーに溶かし、再び平衡化する。そして、DE52カラムに再び掛け、再度硫安沈殿する。続いて、SephacrylS−200のカラムにかけ、HEPES−NaOH、pH7.2、0.15MNaClの溶液で溶出する。溶出されたCRM197をDeToxiゲルにアプライして、CRM197試料に含まれるLPS類似物質を取り除き、実験に使用する。CRM197の280nmにおける吸収は、1ODが約0.67mg/mlに相当する。
(細胞株の準備)
卵巣癌細胞株SKOV−3は、ATCC(American Type Culture Collection)から入手した。
SK−HB−1細胞は、SKOV3細胞に、pRC/CMVベクター(Invitrogen社)に組み込まれたヒトHB−EGFcDNAをトランスフェクションした。トランスフェクションはLipofectAMINE試薬(Invitrogen社)を用いて、製品に添付のマニュアルに従って行った。トランスフェクションされた細胞は、400ug/ml G418を含む培養液(RPMI1640−10FCS)で培養し、生き残った細胞を再度低密度でペトリ皿にまき直し、成長したコロニーを拾って、SK−HB−1細胞を得た。この細胞がHB−EGFを高発現していることは、125Iで標識したジフテリア毒素を細胞に加えて、細胞に結合したジフテリア毒素の放射活性をSKOV3細胞と比較することで、確認した。
(ヌードマウスを用いた造腫瘍性実験)
RPMI+10%FBSで培養した卵巣癌細胞株SKOV−3(ATCCから入手可)及びSK−HB1を、それぞれ、EDTA/PBS(−)で洗浄し、0.25%トリプシンで回収した。RPMI+10%FBSで2回、RPMI(血清なし)で2回洗浄し、5×10細胞ずつRPMI(血清あり)250μLへ添加し、これをヌードマウスの背部に皮下注射により接種した。
一群のヌードマウスについては、SKOV−3又はSK−HB1細胞接種10日後よりCRM197の投与を開始し、腹腔内に図7及び図8に表す量で、週1回、4週に渡って投与した。CRM197を投与しないヌードマウスを対照実験とした。投与時期と腫瘍体積の関係を図7から図8に示す。ここで、腫瘍体積は、できた腫瘍の長径、短径を3〜4日ごとに測定し、長径×短径×短径×1/2で求めた。
次に、他の群のヌードマウスについては、SKOV−3又はSK−HB1細胞接種7日後よりCRM197及びタキソール(ブリストル製薬株式会社製)を併用して投与を開始し、腹腔内に図9及び図10に表す量で、週1回、4週に渡って投与した。CRM197及びタキソールを投与しないヌードマウスを対照実験とした。投与時期と腫瘍体積の関係を図9から図10に示す。
これらの結果から、タキソールとCRM197とを併用することにより、腫瘍の成長の抑制効果が相乗的に高くなることが分かった。
本発明は、卵巣癌をはじめとする各種癌の治療に有効な制癌剤の製造に利用できる。

Claims (2)

  1. パクリタキセル又はパクリタキセル誘導体と、CRM197とを有効成分として含み、前記パクリタキセル又はパクリタキセル誘導体の1日に成人に投与される量が体重1kgあたり0.2〜4mgの範囲であり、CRM197の1日に成人に投与される量が体重1kgあたり1μg〜5mgであり、対象が、HB-EGFを発現しているヒトの悪性腫瘍であることを特徴とする制癌剤。
  2. パクリタキセル誘導体がドセタキセルである、請求項1に記載の制癌剤。
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