JP5768354B2 - 不連続繊維を有するプリプレグの製造方法 - Google Patents

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本発明は、多数本の短繊維が長手方向に沿って配向した不連続繊維を有するプリプレグ(一方向不連続繊維プリプレグ)の製造方法に関する。
繊維強化樹脂成形品を得る際に使用する成形材として、一方向に配向した繊維材料に熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含浸させた一方向プリプレグが知られている。このような一方向プリプレグには、繊維材料として長繊維が使用されることが多い。これに対して、繊維材料として一方向に配向した短繊維を含むプリプレグも検討されている。一方向に配向した短繊維を含むプリプレグは、一方向に配向した長繊維を含むプリプレグと同等の物性を有し、かつ、擬似的に伸びることにより立体成形時には優れた曲面賦形性を発揮するものと期待される。
一方向に配向した短繊維を含むプリプレグ、すなわち、一方向不連続繊維プリプレグの製造方法として、例えば特許文献1には、一方向に配向した長繊維を含むプリプレグに対して、複数の刃を配置した抜き型を間欠的に押し当て、進入させる方法が記載されている。このような方法によれば、各刃の進入により切断線が形成され、該切断線により個々の各フィラメントが適宜切断されて短繊維とされた一方向不連続繊維プリプレグを得ることができる。また、特許文献2には、熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維束をロータリーカッターで切断する方法が記載されている。また、特許文献3にも、刃物により、プリプレグに切れ目を入れる方法が記載されている。
また、炭素繊維を切断する技術としては、例えば特許文献4に記載のように、繊維材料を延伸して切断する、いわゆる牽切技術が知られている。
特開2009−220480号公報 特開平09−254227号公報 特開昭63−247012号公報 特開昭63−165541号公報
しかしながら、繊維材料として例えば炭素繊維やアラミド繊維を用いた場合には、これらの繊維は一般的な有機繊維よりも引張り強さが大きく、高弾性であるため、特許文献1〜3のように刃を使用して切断する方法では、刃先が磨耗により劣化しやすい。そのため、このような刃を使用した方法では、長期的に安定な切断を行えず、一定の品質の一方向不連続繊維プリプレグが得られない傾向があった。また、抜き型やロータリーカッターを使用した方法では、切断線の形成パターンを変更する際には、抜き型やロータリーカッターの刃の配置パターンを変更する必要があった。そのため、切断線の形成パターンを変更することが容易ではなく、プリプレグ設計の自由度が低いという問題があった。
一方、特許文献4に記載のような牽切技術により繊維束を切断した場合には、切断後には繊維束はばらけてしまい、繊維の配向を維持することができない。このようなばらけた状態にある繊維束を用いて、一方向不連続繊維プリプレグを製造することは、実質的に困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、一定の品質の一方向不連続繊維プリプレグが得られ、また、切断線(切断部)の形成パターンを容易に変更でき、プリプレグ設計の自由度も高い、一方向不連続プリプレグの製造方法を提供することである。
本発明の不連続繊維を有するプリプレグの製造方法は、連続繊維を引き揃えてなる帯状物と、熱可塑性樹脂層とが積層した積層体を形成する積層体形成工程と、レーザ光の照射により、前記帯状物中の連続繊維をその長手方向の複数箇所において切断し、前記連続繊維と交差する方向の切断部を形成する切断工程と、前記熱可塑性樹脂層を前記帯状物に含浸しプリプレグを得る含浸工程と、を有する。
切断工程を含浸工程の後に行うことができる。
本発明の不連続繊維を有するプリプレグは、前記製造方法によって製造される。
本発明によれば、一定の品質の一方向不連続繊維プリプレグが得られ、また、切断線(切断部)の形成パターンを容易に変更でき、プリプレグ設計の自由度も高い、一方向不連続プリプレグの製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法で製造される不連続繊維を有するプリプレグの一例を示す平面図である。 図1の不連続繊維を有するプリプレグを製造する製造装置の一例を示す概略構成図である。 図1の不連続繊維を有するプリプレグを製造する製造装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の不連続繊維を有するプリプレグ(以下、一方向不連続繊維プリプレグという場合もある。)の製造方法について、詳細に説明する。
なお、本発明において、不連続繊維を有するプリプレグとは、長手方向(一方向)に沿って、多数本の短繊維が配向した帯状物に対して、熱可塑性樹脂を含浸させた一方向プリプレグのことを言う。また、短繊維とは、長さが15mm以上、200mm未満の繊維のことを意味し、長繊維とは、長さが200mm以上の繊維のことを意味する。
[一方向不連続繊維プリプレグ]
図1は、本発明の製造方法で製造される一方向不連続繊維プリプレグの一例を示す平面図である。
この一方向不連続繊維プリプレグ10は、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を含み、繊維材料として、長手方向に沿う一方向(矢印A方向)に配向した多数本の短繊維の炭素繊維フィラメントを含む、幅Wの帯状のプリプレグである。詳しくは後述するが、図1の一方向不連続プリプレグに含まれる繊維材料は、開繊された幅Wの1本の長繊維束(連続繊維を引き揃えてなる帯状物)から製造されたものである。1本の長繊維束は、通常3000〜180000本程度のフィラメントから構成される。また、この一方向不連続繊維プリプレグ10の厚みは、0.04〜0.25mmである。
この一方向不連続繊維プリプレグ10は、長手方向の複数箇所P(ただし、n=1,2,3・・・)、すなわち、この例ではP,P,P,P,Pの5箇所それぞれにおいて、炭素繊維フィラメントと交差する方向(繊維方向と交差する方向。)に部分的に形成された複数の切断線(切れ目)11を切断部として有している。
具体的には、各切断線11は、一方向不連続繊維プリプレグ10の幅方向に沿う長さがL、一方向不連続繊維プリプレグ10の幅方向に沿う間隔がQ、一方向不連続繊維プリプレグ10の長手方向に沿う間隔がQで配置され、長手方向の各箇所それぞれにおいて一方向不連続繊維プリプレグ10の幅方向に沿って断続的に形成されている。また、各切断線11は、一方向不連続繊維プリプレグ10の厚み方向において、繊維材料を貫通するように、すなわち厚み方向の全ての繊維材料を切断する深さで形成されている。
図1の一方向不連続繊維プリプレグ10に含まれる繊維材料は、このように形成された切断線11により、元々は長繊維(連続繊維)であった各炭素繊維フィラメントそれぞれが長手方向に分断され、長さRの短繊維とされたものである。そのため、この一方向不連続繊維プリプレグ10は、一方向に配向した長繊維を含むプリプレグと同等の物性や取扱性を有しながら、優れた曲面賦形性を発揮し、特に立体的な成形物の成形に適したものとなる。
また、この例では、長手方向に隣り合う箇所、すなわちPとPn+1とでは、切断線11の幅方向における配置位置が一致せず、互い違いにずれるようなパターンで、切断線11が配置されている。
[一方向不連続繊維プリプレグの製造方法]
次に、図1の一方向不連続繊維プリプレグ10を連続的に製造する方法について、第1および第2実施形態を挙げて、詳細に説明する。
図2は、第1実施形態の製造装置20を示す図であって、この製造装置20は、連続した繊維束を巻き出す巻出装置21と、巻き出された繊維束を開繊して、例えば厚みが0.04〜0.25mm程度の平たい帯状とする開繊装置23と、開繊された帯状の繊維束、すなわち、連続繊維を引き揃えてなる帯状物22の下面側に、加熱された熱可塑性樹脂のフィルム24を供給して貼り合わせ、帯状物22と熱可塑性樹脂層とを備えた積層体を形成する供給・貼合装置25を備えている。この例の供給・貼合装置25は、フィルム24を巻き出す供給ロール25aと、巻き出されたフィルム24と帯状物22とを挟んで加熱および加圧する、一対のニップロール25bとを備えている。
また、この製造装置20は、積層体を構成する帯状物22に対して、フィルム24が貼り合わされていないその上面にレーザ光を照射して、帯状物22の所望の部分を切断し、複数の切断線11を形成する切断装置26を備えている。この例の切断装置26は、帯状物22の上面側において、レーザ光を自在に走査して、帯状物22の任意の位置を切断可能なものである。
さらに、この製造装置20は、切断装置26の後段に、切断後の帯状物22に熱可塑性樹脂のフィルム24を加熱加圧により含浸させた後、冷却し、一方向不連続繊維プリプレグ10とするダブルベルト式の連続処理装置27と、該プリプレグ10を巻き取る巻取装置33とを備えている。
この連続処理装置27は、上下一対の従動ドラム28a,28bと、上下一対の駆動ドラム29a,29bとを備えるとともに、上側の従動ドラム28aと上側の駆動ドラム29aとに掛け渡されたステンレススチール製無端ベルト30aと、下側の従動ドラム28bと下側の駆動ドラム29bとに掛け渡されたステンレススチール製無端ベルト30bとを具備している。走行する上下の無端ベルト30a,30bの対向する領域の内側には、加熱加圧装置31として、一対のヒータ31a,31aを備えた加熱手段と、複数対の加熱加圧ロール31b,31cとが配置され、冷却装置32として、複数対の冷却ロール32a,32bが配置されている。また、この例では、無端ベルト30a,30bの外表面には、フッ素系樹脂による離型加工が施されている。
この製造装置20により、図1の一方向不連続繊維プリプレグ10を製造する場合には、まず、巻出装置21により連続した繊維束を連続的に巻き出し、この繊維束を開繊装置23の具備する複数本のバーで擦過もしくは揺動により開繊して、連続繊維を引き揃えてなる帯状物22とする。
ついで、開繊されたこの帯状物22の下面側に、供給・貼合装置25の供給ロール25aから、熱可塑性樹脂のフィルム(層状の熱可塑性樹脂)24を供給し、このフィルム24と帯状物22とをニップロール25bで挟んで、これらを貼り合わせ、帯状物22の下面側に熱可塑性樹脂層が設けられた積層体を形成する(積層体形成工程)。この際、ニップロール25bの温度および圧力を調整して、フィルム24が帯状物22に半含浸した、いわゆるセミプレグの状態としてもよい。
ついで、貼り合わされたフィルム24により帯状物22を下方から支持しながら、帯状物22とフィルム24との積層体を切断装置26へと送る。
ついで、帯状物22の上面に、切断装置26によりレーザ光を照射して、帯状物22の所定の位置を走査して連続繊維を切断し、図1のようなパターンで複数の切断線11を形成する(切断工程)。
この例では、被切断物である帯状物22は、所定の供給速度で連続的に切断装置26に送られているため、切断装置26は、帯状物22の供給速度を考慮した方向および速度でレーザ光を走査し、複数の切断線11を連続的に形成していく。
ついで、連続処理装置27の無端ベルト30a,30b間に、切断線が形成された帯状物束22とフィルム24との積層体を供給して、加熱加圧装置31により、フィルム24を帯状物22に含浸させ(含浸工程)、その後、冷却装置32により冷却する。
これにより、切断線が形成された帯状物22に熱可塑性樹脂が含浸した一方向不連続繊維プリプレグ10が得られ、得られた一方向不連続繊維プリプレグ10を巻取装置33で巻き取る。
一方向不連続繊維プリプレグ10は、製造する成形物の形状、強度などに応じて、複数枚重ねられて成形に供される。
フィルム24を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリスルフォン、ABS、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー、塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが使用できる。また、その厚みは、一方向不連続繊維プリプレグの樹脂含有量が25〜45質量%となるように、適宜決定される。なお、樹脂含有量は、一方向不連続繊維プリプレグを構成する熱可塑性樹脂と繊維材料の合計質量を100質量%とした際の熱可塑性樹脂の質量割合である。
切断工程で照射するレーザ光の種類としては、例えば炭酸ガスレーザやエキシマレーザなどの気体レーザ、YAGレーザやYVOレーザなどの固体レーザ及びファイバーレーザなどが使用できるが、短時間の照射で帯状物を良好に切断できる点では、YAGレーザ及びYVOレーザなどの固体レーザ及びファイバーレーザが好ましい。
切断工程で使用される切断装置26としては、キーエンス(株)製の型式MD−F3000や型式MD−V9900、SUNX製の型式LP−Z250、LP−G050、LP−431U、Advanced Optowaves Corp製の型式AWAVE−355−15−100Kなどが挙げられる。
また、レーザ出力、発振モード、走査する速度、パルス幅、パルス周波数などを帯状物22の材質、厚み、供給される速度、厚み方向の切断の度合いに応じて設定することが好ましい。
このような製造方法では、以上説明したように、レーザ光の照射により切断工程を行う。
そのため、刃先の磨耗による劣化という問題が生じず、長期的に安定な切断を行って、一定の品質の一方向不連続繊維プリプレグを得ることができる。また、レーザの走査パターンを変更するだけで、容易に切断線11の形成パターンを変更できるため、プリプレグ設計の自由度も高い。
なお、以上説明した第1実施形態においては、帯状物22の下面側のみにフィルム24を貼り合わせているが、切断工程と含浸工程の間において、帯状物22の上面側にも熱可塑性樹脂のフィルムを貼り合あわせてもよい。
また、以上の例では、帯状物22の下面側に配置された供給・貼合装置25から、熱可塑性樹脂のフィルム24を供給し、ニップロール25bで挟持することにより、帯状物22と熱可塑性樹脂層を備えた積層体を形成し、その後、積層体の上面にレーザ光を照射して切断部を形成している。しかしながら、帯状物の上面側に配置された供給・貼合装置から熱可塑性樹脂のフィルムを供給して、ニップロールで挟持することにより、帯状物と熱可塑性樹脂層を備えた積層体を形成し、帯状物を上方から支持しながら切断装置へと送り、積層体の下面の帯状物に下方からレーザ光を照射して切断部を形成してもよい。このように積層体形成工程においては、熱可塑性樹脂のフィルムを帯状物の上下いずれか一方の面に積層し、その後の切断工程においては、好ましくは他方の面へレーザ光を照射すればよい。
さらに、積層体形成工程においては、熱可塑性樹脂のフィルムの両面に帯状物が積層した積層体を形成し、その後の切断工程において、この積層体にレーザ光を照射して、切断線を形成することができる。この場合、レーザ光の照射は、積層体の少なくとも一方の面に対して行えばよく、片面側からのみの照射であっても、両面に配置された帯状物のいずれをも切断することができる。
次に、図3を参照して、図1の一方向不連続繊維プリプレグ10を連続的に製造する第2実施形態を詳細に説明する。
図2の製造装置20が、連続処理装置27よりも前段側に切断装置26を具備し、含浸工程よりも前に切断工程を行う、すなわち、プリプレグ化前の帯状物22に対して切断工程を行うものであるのに対して、図3の製造装置40は、連続処理装置27よりも後段側に切断装置26を具備し、含浸工程よりも後に切断工程を行う、すなわち、プリプレグに含まれる未切断の帯状物22に対して切断工程を行うものである。
図3の製造装置40により、図1の一方向不連続繊維プリプレグ10を製造する場合には、まず、巻出装置21により連続した繊維束を連続的に巻き出し、この繊維束を開繊装置23の具備する複数本のバーで擦過もしくは揺動により開繊して、帯状物22とする。
ついで、開繊された帯状物22の下面側に、供給・貼合装置25から層状の熱可塑性樹脂として熱可塑性樹脂のフィルム24を供給して貼り合わせ、帯状物22と熱可塑性樹脂層を備えた積層体を形成する(積層体形成工程)。
ついで、連続処理装置27により、第1の実施形態と同様に熱可塑性樹脂層を含浸させ、冷却して、プリプレグを得る(含浸工程)。
そして、プリプレグの上面側から、切断装置26によりレーザ光を照射して、帯状物22の所定の位置を走査して切断し、図1のような複数の切断線11を形成する(切断工程)ことにより、一方向不連続繊維プリプレグ10を得る。その後、一方向不連続繊維プリプレグ10を巻取装置33で巻き取る(巻取工程)。
この例でも、被切断物であるプリプレグは、所定の供給速度で連続的に切断装置26に送られているため、切断装置26は、プリプレグの供給速度を考慮した方向および速度でレーザ光を走査し、複数の切断線11を連続的に形成していく。
なお、以上説明した第2実施形態では、積層体形成工程において、帯状物22の下面側のみにフィルム24を貼り合わせているが、上面側と下面側の両方に貼り合わせてもよい。また、切断工程においては、プリプレグに対して、レーザ光を上面側から照射しているが、下面側から照射してもよいし、両面側から照射してもよい。下面側からレーザ光を照射してプリプレグを切断する場合には、プリプレグの下面側に切断装置を配置してレーザ光を照射する。また、両面側からレーザ光を照射する場合には、プリプレグの上方と下方に切断装置を配置して、プリプレグの所定の位置を走査してプリプレグの厚み方向に対して出力をコントロールし、不連続プリプレグとなるように切断する。この場合、1つの箇所に対して両面側からレーザ光を照射することにより、厚み方向に貫通する切断部を形成してもよいし、1つの箇所に対してはいずれか一方の面側からのみレーザ光を照射して、厚み方向に貫通する切断部を形成してもよい。また、両面側からレーザ光を照射する場合、一方からのレーザ光と、他方からのレーザ光とを異なる箇所に走査し、各レーザ光により、厚み方向には貫通しない切断部をそれぞれ形成してもよい。すなわち、一方向不連続繊維プリプレグ10に含まれる各フィラメントが、切断工程により短繊維になっている限り、各切断部が貫通していなくてもよい。
さらに、積層体形成工程において、熱可塑性樹脂層の両面に帯状物が積層した積層体を形成した場合にも、レーザ光を上面側または下面側から照射してもよいし、両面側から照射してもよい。
また、第1および第2実施形態の積層体形成工程では、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂の材料としてフィルム24を用い、これを帯状物22に貼り合わせることによって熱可塑性樹脂層を形成しているが、例えば熱可塑性樹脂製の粉体(パウダー)を帯状物22に接触させ、加熱、冷却する方法などにより、熱可塑性樹脂層を形成するなどしてもよく、帯状物と熱可塑性樹脂層とを備えた積層体が形成されればよい。
[その他]
以上の説明においては、繊維材料として炭素繊維を例示したが、炭素繊維以外の繊維、例えばアラミド繊維などであってもよい。しかしながら、上述の切断工程によれば、配向を乱さずに切断することがより難しい炭素繊維であっても、良好に切断することができる。
また、図1では、一方向不連続繊維プリプレグ10として、長手方向の複数箇所Pそれぞれにおいて、切断部として複数の切断線11が断続的に形成されているものを例示した。しかしながら、一方向不連続繊維プリプレグ10に含まれる各フィラメントが、切断工程により短繊維になっている限り、各箇所Pそれぞれにおける切断線の本数は1本であってもよい。
また、この例では、一方向不連続繊維プリプレグ10として、長手方向に隣り合う箇所では、切断線11の幅方向における配置位置が互い違いにずれるパターンで切断線11が形成されたものを例示した。しかしながら、一方向不連続繊維プリプレグ10に含まれる各フィラメントが、切断工程により短繊維になっている限り、切断線11の形成パターンには特に制限はない。例えば図1の例のように一定の規則性をもったパターンでもよいし、規則性のないランダムなパターンであってもよい。また、各切断線11の長さ、切断線11の本数、間隔Q、Qなどにも制限はない。
また、図示例では、一方向不連続繊維プリプレグ10の厚み方向に、繊維材料を貫通するように各切断線11が形成されているが、先にも述べたとおり、一方向不連続繊維プリプレグ10に含まれる各フィラメントが、切断工程により短繊維になっている限り、すべての切断線がこのように貫通している必要はない。
さらに、この例では、各切断線11の方向が一方向不連続繊維プリプレグ10の幅方向と一致しているものを例示した。しかしながら、各切断線11の方向は、繊維方向と交差する方向であればよい。ただし、レーザ光の照射されるスポット径による切断幅の点からは、各切断線11の方向は、繊維方向に対する角度が2〜178°となる範囲内であることが好ましい。更に好ましくは30〜150°の範囲がよい。なお、各切断線の方向は、一致していなくてもよい。
また、この例では、一方向不連続繊維プリプレグ10に含まれる繊維材料は、1本の長繊維束(繊維材料)から形成されたものであるが、複数本の長繊維束が幅方向に並べられた繊維材料から形成されたものであってもよい。その場合、巻出装置21から複数の長繊維束を幅方向に並べた状態で巻き出せばよい。このような方法によれば、幅の大きな一方向不連続繊維プリプレグを得ることができる。
以上説明したように、切断線11の形成パターン、本数、間隔、方向や、切断工程に供給される長繊維束の本数などは、一方向不連続繊維プリプレグの用途や、成形品に求められる物性などに応じて適宜設計でき、特に制限はない。
10 一方向不連続繊維プリプレグ(不連続繊維を有するプリプレグ)
11 切断線
22 帯状物
24 熱可塑性樹脂のフィルム
26 切断装置
27 連続処理装置

Claims (1)

  1. 連続繊維を引き揃えてなる帯状物と、熱可塑性樹脂層とが積層した積層体を形成する積層体形成工程と、
    ついで、固体レーザまたはファイバーレーザのレーザ光の照射により、前記帯状物中の連続繊維をその長手方向の複数箇所において切断し、前記連続繊維と交差する方向の切断部を形成する切断工程と、
    ついで、前記熱可塑性樹脂層を前記帯状物に含浸しプリプレグを得る含浸工程と、
    を有する、不連続繊維を有するプリプレグの製造方法。
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