以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、図面は模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、それぞれの部材の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態の内視鏡洗浄消毒装置を概略的に示す図、図2は、図1の内視鏡洗浄消毒装置の装置本体内における警告部を概略的に示すブロック図である。
また、図3は、図2の警告部における洗浄消毒部の一例を、洗浄消毒装置の内部構成とともに示す図、図4は、図1の内視鏡洗浄消毒装置の洗浄消毒槽に内視鏡を内視鏡ガイド部材とともに載置しセットした状態を示す斜視図である。
図1に示すように、内視鏡洗浄消毒装置1は、装置本体2と、その上部に、例えば図示しない蝶番を介して開閉自在に接続された蓋部3とを具備している。
装置本体2の下部に、装置本体2の上部に閉じられている蓋部3を、操作者の踏み込み操作により、装置本体2の上方に開くためのペダルスイッチ2pが設けられている。
尚、蓋部3の開閉動作は、ペダルスイッチ2pに限定されず、例えば、操作者が手で持ち上げても良いし、操作者によって手動操作されるスイッチによって行われても構わない。
また、装置本体2の上部に、内視鏡洗浄消毒装置1を用いて洗浄消毒する内視鏡201が収容される洗浄消毒槽4が設けられている。洗浄消毒槽4への内視鏡201は、図4に示すように、例えば内視鏡ガイド部材250が用いられて行われる。
尚、洗浄消毒槽4の内視鏡201の収容取り出し口となる開口4kは、蓋部3によって開閉自在となっている。尚、蓋部3の開閉状態は、後述する開閉検知部104(図2参照)によって検知される。
また、本実施の形態においては、洗浄消毒槽4に、1つの内視鏡201が収容され、内視鏡洗浄消毒装置1が用いられて1つの内視鏡201が洗浄消毒される場合を例に挙げて示す。尚、これに限らず、洗浄消毒槽4には2つ以上の内視鏡が収容され、同時に洗浄消毒される構成であっても構わない。
また、内視鏡201は、例えば、被検体内に挿入される挿入部201aと、挿入部201aの基端に連設された操作部201bと、操作部201bから延出されたユニバーサルコード201cと、ユニバーサルコード201cの延出端に設けられたコネクタ部201dとから主要部が構成されている。
尚、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容検知は、後述する収容検知部103(図2参照)により行われる。
また、装置本体2の内部には、警告部100が設けられている。図2に示すように、警告部100は、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容を検知する収容検知部103と、洗浄消毒槽4に対する蓋部3の開状態及び閉状態を検知する開閉検知部104と、洗浄消毒槽4内において内視鏡201の洗浄消毒を行うための洗浄消毒部106と、洗浄消毒部106の駆動を検知する洗浄消毒検知部105と、警告を発する報知部107と、判断部102を具備する制御部101とを具備している。
尚、制御部101は、少なくとも開閉検知部104、洗浄消毒部106、報知部107に接続されているとともに収容検知部103とも接続されている。
収容検知部103は、例えば図4に示すように、装置本体2の上面に設けられており、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容を検知する。
尚、収容検知部103は、洗浄消毒槽4や内視鏡洗浄消毒装置1の他の部位に設けられていても構わない。
また、収容検知部103は、例えばRF−IDリーダや、バーコード読み取り部、操作者によって入力されるタッチパネル部から構成されている。
尚、図4においては、RF−IDリーダから構成されている場合を例に挙げて示している。
よって、収容検知部103がRF−IDリーダから構成されている場合は、洗浄消毒槽4への内視鏡201の検知を行うため、コネクタ部201dには、既知の図示しないRF−IDが内蔵されている。
RF−IDには、内視鏡201の機種名や製造番号等の内視鏡201に関する情報が入力されている。尚、コネクタ部201dにRF−IDが内蔵されていない場合には、コネクタ部201dにRF−IDタグや、RF−IDシールを外付けしても良い。また、RF−IDは、コネクタ部201dに限定されず、内視鏡201の他の部位に設けられていても構わない。
収容検知部103がRF−IDリーダの場合、収容検知部103は、収容検知部103にコネクタ部201dが操作者によって近接されることによって、RF−ID内の情報を読み取ることにより、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容を検知する。
尚、以上のことは、収容検知部103がバーコード読み取り部から構成されている場合でも同じであり、この場合、コネクタ部201dには、内視鏡201の各種情報が入力されたバーコードが設けられている。
この場合、収容検知部103は、収容検知部103にコネクタ部201dが操作者によって近接されることにより、バーコード内の情報を読み取ることにより、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容を検知する。
また、収容検知部103がタッチパネル部から構成されている場合は、操作者によりタッチパネル部に入力がなされることにより、収容検知部103は、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容を検知する。
開閉検知部104は、洗浄消毒槽4に対する蓋部3の開状態及び閉状態を検知するものであり、例えば装置本体2内に設けられている。また、開閉検知部104は、既知の開閉検知センサから構成されている。
例えば、洗浄消毒部106は、薬液を貯留する薬液貯留部と、薬液貯留部に貯留された薬液を洗浄消毒槽4に供給する薬液供給部とを最低限の構成として有している。尚、ここでいう薬液とは、内視鏡に付着した有機物汚れを落とす洗浄液であってもよいし、内視鏡に付着した菌類を無毒化する消毒液であってもよい。
例えば、前記薬液貯留部は下記に詳細を述べる洗剤タンク11a、アルコールタンク11b、および薬液タンク58のうちの1種以上であってもよい。さらに、例えば、薬液供給部は、洗浄剤管路39および洗剤用ポンプ、アルコール管路41およびアルコール供給ポンプ42、もしくは、薬液管路64および薬液ポンプ65のうちの1種以上であってもよい。
一例として、洗浄消毒部106は、図3の1点鎖線に示す部位によって構成される。以下、内視鏡洗浄消毒装置1の内部構成の一例を示す。
図3に示すように、内視鏡洗浄消毒装置1は、給水ホース接続口31に、給水ホース31aの一端が接続され、この給水ホース31aの他端が外部の水道蛇口5に接続されることにより、水道水が供給される構成を有している。
給水ホース接続口31は、給水管路9の一端と連通している。この給水管路9は、他端が三方電磁弁10に接続されており、管路の中途において、給水ホース接続口31側から順に、給水電磁弁15と、逆止弁16と、給水フィルタ17とが介装されている。
尚、給水フィルタ17は、定期的に交換できるように、カートリッジタイプの濾過フィルタとして構成されている。給水フィルタ17は、通過する水道水の異物、雑菌等を除去する。
三方電磁弁10は、流液管路18の一端と接続されており、給水循環ノズル24に対する給水管路9と流液管路18との連通を内部の弁によって切り替える。
つまり、給水循環ノズル24は、三方電磁弁10の切り替え動作により、給水管路9と流液管路18とのいずれか一方と連通する。また、流液管路18の他端側には、流液ポンプ19が介装されている。
洗浄消毒槽4に配設された循環口56は、循環管路20の一端に接続されている。循環管路20の他端は、流液管路18の他端及びチャンネル管路21の一端と連通するように、2つに分岐している。チャンネル管路21の他端は、各送気送水/鉗子口用ポート13a〜13dに連通している。また、図示しないが、チャンネル管路21の他端は、図示しない鉗子起上用ポートにも連通している。
チャンネル管路21は、管路の中途において、一端側から順に、チャンネルポンプ26、チャンネルブロック27、チャンネル電磁弁28がそれぞれ介装されている。チャンネルブロック27とチャンネル電磁弁28の間におけるチャンネル管路21には、洗浄ケース6と一端が接続しているケース用管路30の他端が接続されている。このケース用管路30には、リリーフ弁36が介装されている。
洗剤ノズル22は、洗浄剤管路39の一端と接続されており、洗浄剤管路39の他端は、洗剤タンク11aに接続されている。この洗浄剤管路39には、その中途に、洗浄剤を洗剤タンク11aから洗浄消毒槽4まで持ち上げるため高圧の自吸式のポンプから構成された洗剤用ポンプ40が介装されている。
アルコールタンク11bは、アルコール管路41の一端と接続されており、このアルコール管路41はチャンネル管路21と所定に連通するように、チャンネルブロック27に接続されている。
このアルコール管路41には、アルコールをアルコールタンク11bから洗浄消毒槽4まで持ち上げるため高圧のアルコール供給ポンプ42と、電磁弁43とが介装されている。
また、チャンネルブロック27には、気体を移送することができる自吸式ポンプから構成されたエアポンプ45からの空気を供給するためのエア管路44の一端が所定にチャンネル管路21と連通するように接続されている。
このエア管路44は、他端が前記エアポンプ45に接続されており、エア管路44の中途位置には、逆止弁47と、定期的に交換されるエアフィルタ46とが介装されている。
洗浄消毒槽4の排水口55には、弁の切り替え動作により、外部へ洗浄液等を排出したり、薬液タンク58に消毒液を回収したりするための開閉自在な切替弁57が配設されている。
切替弁57は、外部排水口へ接続される不図示の排水ホースと一端が接続されて連通する排水管路59の他端と接続されており、この排水管路59には排水ポンプ60が介装されている。
また、切替弁57は、薬液回収管路61の一端と接続され、この薬液回収管路61の他端は薬液タンク58に接続されている。
薬液タンク58は、上述したように、薬液ボトル90から薬液、例えば消毒液が供給されるように、薬液受部62の一端とも接続されている。この薬液受部62の他端は、薬液ボトル90が収容されるカセットトレー80に所定に接続されている。
また、薬液タンク58内には、一端に吸引フィルタ63が設けられた薬液管路64の一端部分が所定に収容されている。この薬液管路64は、他端が消毒液ノズル23に接続されており、中途位置に、消毒液を薬液タンク58から洗浄消毒槽4まで持ち上げるため高圧のポンプから構成された薬液ポンプ65が介装されている。
尚、洗浄消毒槽4の底面の下部には、上述したように、例えば2つの超音波振動子52と、ヒータ53とが配設されている。また、ヒータ53の温度調節のため、洗浄消毒槽4の底面の略中央には、温度検知センサ53aが設けられている。
このヒータ53は、洗浄消毒槽4内に貯留され、装置内を循環する消毒液を所定の温度に加温するためのものである。尚、消毒液には、その消毒効果が最も期待できる適正温度がある。この適正温度である前記所定の温度までヒータ53によって加温された消毒液は、内視鏡201及び装置本体2内の外表面や各管路を有効的に消毒することができる。
また、温度検知センサ53aは、洗浄消毒槽4内に貯留され、装置内を循環する消毒液の液温を検知し、その検知結果を制御部101へと伝達する。そして、制御部101は、温度検知センサ53aからの検知結果に基づいて、消毒液を所定の温度に保つように、ヒータ53を駆動、停止する制御を行う。
また、内視鏡洗浄消毒装置1の内部には、外部のACコンセントから電力が供給される電源71と、この電源71と電気的に接続される制御部101が設けられている。この制御部101は、メイン操作パネル7(図4参照)等からの各種信号が供給され、上述した各ポンプ、各電磁弁などを駆動制御する。
図2に戻って、洗浄消毒検知部105は、図3の1点鎖線に示した洗浄消毒部106の駆動を検知するものであり、例えば水位センサや、圧力センサ、温度センサや、その他のセンサから構成されている。
具体的には、洗浄消毒槽4内への液体の供給を検知したり、上述した各種管路内の圧力を検知したり、洗浄消毒槽4内の液体の温度を検知したり、上述した各種ポンプの駆動を検知したりする等により、洗浄消毒部106の駆動を検知する。
判断部102は、収容検知部103、開閉検知部104及び洗浄消毒検知部105に接続されており、収容検知部103が洗浄消毒槽4に内視鏡201が収容されたことを検知した後、且つ、洗浄消毒検知部105が洗浄消毒部106の駆動を検知する前に、開閉検知部104が蓋部3の閉状態を検知した場合を第1閉状態と判断するものである。
また、本実施の形態においては、判断部102は、制御部101に一体的に設けられているが、別体であっても構わない。
制御部101は、判断部102が第1閉状態を検知した後、洗浄消毒検知部105が洗浄消毒部106の駆動を検知する前に、開閉検知部104が蓋部3の開状態を検知すると、報知部107を駆動して警告を発する制御を行うものであり、例えばCPUから構成されている。
報知部107は、警告を発するものであり、例えば警告音、メイン操作パネル7等を用いた警告表示、光、臭い等によって、操作者に第1閉状態後、洗浄消毒部106の駆動前に、蓋部3が開けられたことを警告するものである。
次に、図1の内視鏡洗浄消毒装置1を用いた内視鏡201の洗浄消毒工程について、図5を用いて簡単に説明する。図5は、図1の内視鏡洗浄消毒装置を用いた内視鏡の洗浄消毒工程を概略的に示すフローチャートである。
図5に示すように、操作者は、先ず、ステップS1において、ペダルスイッチ2pの踏み込み操作を行うことにより蓋部3を開ける。
次いで、ステップS2において、使用後の内視鏡201のコネクタ部201dを収容検知部103に近接させることにより、収容検知部103がRF−IDリーダから構成されている場合は、収容検知部103にコネクタ部201dのRF−IDを読み取らせ、その後、内視鏡201を、洗浄消毒槽4に上述した図4に示したように収容し、操作部201b及びコネクタ部201dに設けられた図示しない口金に、洗浄消毒槽4に設けられた各送気送水/鉗子口用ポート13a〜13dや、図示しない漏水検知ポートから延出するチューブを接続して内視鏡201をセットする。
その後、ステップS3において、蓋部3を手動操作により閉じる。この際、開閉検知部104により蓋部3の閉状態が検知され、判断部102により第1閉状態と判断される。尚、この時点では、蓋部3はロックされることがないため、蓋部3を再度開けることが可能である。即ち、操作者は、洗浄消毒槽4から、洗浄消毒前の内視鏡201を取り出すことが可能である。これは、蓋部3を閉じた後、再度蓋部3を開け、洗浄消毒槽4における内視鏡201の配置位置を再度調整する場合があるためである。
次いで、ステップS4において、メイン操作パネル7に設けられた洗浄消毒工程開始釦7sをオンする。尚、洗浄消毒工程開始釦7sがオンされた後、蓋部3はロックされ、ステップS6の洗浄消毒工程終了後までロックが解除されてしまうことがない。
即ち、ステップS5における洗浄消毒工程開始後は、ステップS6における終了後まで操作者は、洗浄消毒槽4から内視鏡201を内視鏡洗浄消毒装置1の電源を強制的にオフしない限り取り出すことはできない。
その結果、ステップS5において洗浄消毒槽4において内視鏡201を洗浄消毒する既知の洗浄消毒工程がスタートし、一定時間経過後、ステップS6において洗浄消毒工程が終了する。尚、洗浄消毒工程終了後、蓋部3のロックは解除される。
その後、ステップS7において、操作者は、ペダルスイッチ2pの踏み込み操作を行うことにより、蓋部3を開け、洗浄消毒槽4から洗浄消毒後の内視鏡201を取り出す。
次に、図2の制御部101による警告部100の制御動作について、図6を用いて説明する。図6は、図2の制御部による警告部の制御動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、先ず、ステップS20における収容検知部103が内視鏡201を検知可能なスタンバイ状態において、ステップS21において、収容検知部103を用いて洗浄消毒槽4に内視鏡201が収容されたか否か、即ち、収容検知部103が内視鏡201を検知したか否かを判定する。
具体的には、収容検知部103がRF−IDリーダから構成されている場合、収容検知部103に、操作者によってコネクタ部201dが近接されることによるRF−IDの読み取りの有無により、内視鏡201が収容されたか否かを判定する。
内視鏡201が検知されれば、ステップS22において、開閉検知部104により蓋部3が閉じられた否かを判定する。
蓋部3が閉じられていれば、ステップS23において、洗浄消毒検知部105を用いて洗浄消毒部106が駆動されたか否かを判定する。洗浄消毒部106が駆動されていれば、ステップS5に分岐し、上述した洗浄消毒工程がスタートされる。洗浄消毒部106が駆動されていなければ、ステップS24に移行し、判断部102により、上述した第1閉状態であると判断され、その後、ステップS25に移行する。
ステップS25では、制御部101により、蓋部3の開状態が開閉検知部104によって検知された否かが判定される。蓋部3が閉状態のままであれば、ステップS23に戻り、開状態が検知されれば、最後にステップS26において、報知部107を駆動することにより、警告を発して操作者に第1閉状態後、洗浄消毒部106の駆動前に、ペダルスイッチ2pの踏み込み操作が行われることによって蓋部3が開けられたことを警告する。
このように、本実施の形態においては、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容検知がなされ、洗浄消毒部106が駆動する前に蓋部3が閉じられた第1閉状態を判断部102により検知された後、洗浄消毒部106が駆動する前に、開閉検知部104によって蓋部3の開状態が検知されると、制御部101は、報知部107を駆動して警告を発すると示した。
このことによれば、洗浄消毒工程が開始される前に、洗浄消毒槽4に内視鏡201が収容されている状態で、内視鏡201を取り出そうとして蓋部3が開けられると必ず警告が発せられるため、操作者に、洗浄消毒槽4から取り出そうとしている内視鏡が洗浄消毒前であることを容易に認識させることができる。
また、既存の内視鏡洗浄消毒装置の構成を用いて警告を行うことができるため、製造コストが増大してしまうことがない。
以上から、操作者による洗浄消毒前の内視鏡201の洗浄消毒槽4からの持ち出しを抑制できる構成を具備する内視鏡洗浄消毒装置1を提供することができる。
尚、以下、変形例を、図7を用いて示す。図7は、図6の警告ステップ後に一定時間以内に再度内視鏡が検知された場合の図2の制御部による警告部の制御動作の変形例を示すフローチャートである。
上述した本実施の形態においては、判断部102による第1閉状態が判断された後、洗浄消毒部106の駆動前に蓋部3が開けられると、報知部107から警告が発せられると示した。
しかしながら、図5のステップS3において蓋部3が閉じられた後、ステップS4において洗浄消毒工程開始釦7sがオンされる前に、上述したように再度蓋部3を開け、洗浄消毒槽4における内視鏡201の配置位置を再度調整する場合がある。
この際、蓋部3を開けると、警告が発せられてしまい、その後、洗浄消毒槽4に内視鏡201を再セットし、蓋部3を閉じても警告が発し続けられてしまうため、操作者にとって使い勝手が悪いといった問題がある。
そこで、図7に示すように、再セットのため、図6のステップS24の第1閉状態判断後、ステップS25において洗浄消毒工程開始釦7sがオンされる前に蓋部3が開けられると、ステップS26において報知部107から警告を発するが、その後、ステップS27において、制御部101は、開閉検知部104により、一定時間以内に蓋部3の閉状態を検知した場合には、ステップS28に移行して警告を停止する制御を行い、一定時間以内に蓋部3の閉状態を検知できない場合には、ステップS29において警告を継続する制御を行っても良い。
このことによれば、操作者は蓋部3を開け内視鏡201を洗浄消毒槽4に再セットし、蓋部3を閉じれば警告が停止されるため、内視鏡201の再セット作業が行いやすくなる。また、蓋部3を閉じない限り警告は継続されるため、洗浄消毒前の内視鏡の持ち出し、使用を抑制することができる。
また、以下、別の変形例を、図8を用いて示す。図8は、図6の第1閉状態判断ステップ後に設定時間経過した場合の図2の制御部による警告部の制御動作の変形例を示すフローチャートである。
制御部101は、判断部102が第1閉状態を判断した後から洗浄消毒検知部105が洗浄消毒部106の駆動を検知するまでの時間が設定時間を超えていた場合、報知部107を駆動制御しても良い。
具体的には、図8に示すように、ステップS24の判断部102による第1閉状態判断後、移行するステップS31において、制御部101は、洗浄消毒工程開始釦7sがオンされることにより行われるステップS23の洗浄消毒部106の駆動まで設定時間を経過したか否かを判定する。尚、設定時間は、操作者によって任意に変更可能であっても構わない。
さらに、制御部101は、設定時間を経過していれば、ステップS32に移行して報知部107を駆動することによって警告を発する。
このことによれば、操作者は、洗浄消毒槽4に使用後の内視鏡201を収容し、蓋部3を閉じた後、洗浄消毒工程開始釦7sを押下するのを忘れて放置すると、報知部107から警告がなされるため、洗浄消毒工程開始釦7sの押し忘れを容易に認識することができる。
即ち、洗浄消毒工程開始釦7sの押下が忘れられ、洗浄消毒槽4に洗浄消毒前の内視鏡201が長時間放置され、他の操作者により洗浄消毒前の内視鏡201が持ち出されてしまうことを抑制することができる。
尚、その他の効果は、上述した本実施の形態と同じである。
(第2実施の形態)
図9は、本実施の形態の内視鏡洗浄消毒装置の装置本体内における警告部を概略的に示すブロック図、図10は、図9の制御部による警告部の制御動作を示すフローチャートである。
この第2実施の形態の内視鏡洗浄消毒装置は、上述した第1実施の形態の内視鏡洗浄消毒装置と比して、収容検知部及び判断部を有さずに、制御部は、蓋部が開状態であれば、報知部を駆動制御する点が異なる。
よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
上述した第1実施の形態においては、内視鏡洗浄消毒装置1は、収容検知部103、判断部102を有しており、収容検知部103により洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容が検知され、開閉検知部104により蓋部3の閉状態が検知されることにより判断部102により判断された第1閉状態において、洗浄消毒部106の駆動前に蓋部3が開けられたことを開閉検知部104が検知した場合に、制御部101は報知部107を駆動して警告を行うと示した。
これに限らず、制御部101は、蓋部3の開状態を開閉検知部104が検知した場合は必ず報知部107を駆動して警告を行っても良い。
具体的には、図9に示すように、警告部100は、制御部101と、制御部101にそれぞれ接続された開閉検知部104及び報知部107のみから構成されていても良い。
また、図10に示すように、制御部101は、ステップS39において、開閉検知部104が蓋部3の閉状態を検知している状態において、ステップS40において、開閉検知部104を用いて蓋部3の開状態を検知し、蓋部3の開状態が検知されれば、最後にステップS41において、報知部107を駆動することにより、警告音または警告表示を発して操作者に蓋部3が開けられたことを警告しても良い。
このような構成によれば、洗浄消毒槽4への内視鏡201の収容の有無に関係なく、蓋部3の開状態が検知されれば警告が発せられる。このため、洗浄消毒前の内視鏡201を洗浄消毒槽4から持ち出すには、操作者は必ず蓋部3を開けなければならないことから、洗浄消毒前の内視鏡201の持ち出しを抑制することができる。
尚、その他の構成及び効果は、上述した第1実施の形態と同じである。
本出願は、2014年3月28日に日本国に出願された特願2014−69675号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものである。