以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下、被洗浄消毒物は、内視鏡を例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態を示す洗浄消毒装置の斜視図、図2は、図1のトップカバーが開放され、洗浄消毒槽に内視鏡が収納自在な状態を示す洗浄消毒装置の斜視図である。
同図に示すように、洗浄消毒装置100は、使用済みの内視鏡190を洗浄、消毒するための装置であり、装置本体200と、その上部に、例えば図示しない蝶番を介して開閉自在に接続された蓋体であるトップカバー300とにより、主要部が構成されている。
図1に示すように、トップカバー300が、装置本体200に閉じられている状態では、装置本体200とトップカバー300とは、装置本体200及びトップカバー300の互いに対向する位置に配設された、例えばラッチ180により固定される構成となっている。
装置本体200の操作者が近接する図中前面(以下、前面と称す)であって、例えば装置本体200の幅方向Xにおける左半部の高さ方向Yの上部に、図示しない収容部が形成されており、該収容部には、洗剤/アルコールトレー110が、装置本体200の前方へ引き出し自在に配設されている。尚、以下、図中装置本体200の前面と後面とを結ぶ方向を、奥行き方向Zと称す。
洗剤/アルコールトレー110には、内視鏡190を洗浄する際に用いられる洗浄剤が貯留された洗剤タンク110aと、洗浄消毒後の内視鏡190を乾燥する際に用いられる液体であるアルコールが貯留されたアルコールタンク110bとが収納されており、洗剤/アルコールトレー110が奥行き方向Z手前側に引き出し自在なことにより、各タンク110a、110bに、所定に液体が補充できるようになっている。
尚、洗剤/アルコールトレー110には、2つの窓部110mが設けられており、該窓部110mにより、各タンク110a、110bに注入されている洗浄剤及びアルコールの残量が操作者によって確認できるようになっている。この洗浄剤は、図示しない給水フィルタにより濾過処理がされた水道水により所定の濃度に希釈される濃縮洗剤である。
また、装置本体200の前面であって、例えば幅方向Xの右半部の高さ方向Yの上部に、後述する装着部40が形成されており、該装着部40には、カセットトレー120が、装置本体200の奥行き方向Zの前方へ引き出し自在に配設されている。カセットトレー120には、内視鏡190を消毒する際に用いる、過酢酸等の薬液である消毒液の数回分の主剤と緩衝化剤とが別々に注入された第1の薬液容器である消毒液カセット13または該消毒液カセット13内に注入された消毒液よりも濃度の低い全量供給用の消毒液の主剤と緩衝化剤とが別々に注入された第2の薬液容器である消毒液カセット6が収納自在である。
カセットトレー120が、引き出し自在なことにより、消毒液カセット6または消毒液カセット13を所定にセットできるようになっている。尚、装着部40及び消毒液カセット6、13の詳しい構成は、後述する。
さらに、装置本体200の前面であって、カセットトレー120の高さ方向Yの上部に、洗浄消毒時間の表示や、消毒液カセット6と消毒液カセット13とのどちらが装着されているかの表示、消毒液を加温するための指示釦等が配設されたサブ操作パネル130が配設されている。
また、装置本体200の図中前面の高さ方向Yの下部に、装置本体200の上部に閉じられているトップカバー300を、操作者の踏み込み操作により、図2に示すように、装置本体200の上方に開くためのペダルスイッチ140が配設されている。
また、図2に示すように、装置本体200の高さ方向Yの上面の、例えば操作者が近接する奥行き方向Zの前面側の幅方向Xの両端寄りに、装置本体200の洗浄、消毒動作スタートスイッチ、及び洗浄、消毒モード選択スイッチ等の設定スイッチ類が配設されたメイン操作パネル250が設けられている。
また、装置本体200の高さ方向Yの上面であって、奥行き方向Zにおける操作者が近接する前面に対向する背面側に、装置本体200に水道水を供給するための、水道蛇口31に接続された給水ホース31a(いずれも図7参照)が接続される給水ホース接続口131が配設されている。尚、給水ホース接続口131に、水道水を濾過するメッシュフィルタが配設されていてもよい。
さらに、装置本体200の高さ方向Yの上面の略中央部に、内視鏡収納口をトップカバー300によって開閉される、内視鏡190が収納自在な洗浄消毒槽50が設けられている。洗浄消毒槽50は、槽本体150と該槽本体150の内視鏡収納口の外周縁に連続して周設されたテラス部151とにより構成されている。
槽本体150は、使用後の内視鏡190が洗浄消毒される際、該内視鏡190が収納自在であり、槽本体150の槽内の面である底面150tには、槽本体150に供給された洗浄液、水、アルコール、消毒液等を槽本体150から排水する、または消毒液を後述する消毒液タンク60(図7参照)に戻すための排水口155が設けられている。
また、槽本体150の槽内の面である周状の側面150sの任意の位置に、槽本体150に供給された洗浄液、水、消毒液等を、図示しない手段を介して内視鏡190の内部に具備された各管路に供給する、またはメッシュフィルタ等を介し、給水循環ノズル124から槽本体150に再度供給するための循環口156が設けられている。尚、循環口156には、洗浄液等を濾過するメッシュフィルタが設けられていても良い。
尚、上述した循環口156は、槽本体150の底面150tに設けられていてもよい。循環口156が槽本体150の底面150tに設けられていれば、内視鏡190の各管路、または再度槽本体150への、洗浄液、水、消毒液等の供給タイミングを早めることができる。さらに、ユーザが循環口156に設けられたメッシュフィルタ等を交換するに際し、底面に設けられていると、操作者がアプローチしやすくなるといった利点がある。
洗浄消毒槽50の槽本体150の底面150tの略中央部に、洗浄ケース160が配設されている。
洗浄ケース160には、内視鏡190の各スコープスイッチ等のボタン類、内視鏡190に併設されている取り外し可能な部品が収容される。その結果、各ボタン類及び取り外した部品は、内視鏡190と一緒に洗浄、消毒される。
槽本体150の側面150sの任意の位置に、槽本体150に供給された洗浄液、水、消毒液等の水位を検出するカバー付き水位センサ132が設けられている。
テラス部151のテラス面151t以外の面、即ち槽本体150の底面150tと平行な面に、槽本体150に対し、洗剤タンク110aから、図示しない洗剤用ポンプにより、水道水により所定の濃度に希釈される洗浄剤を供給するための洗剤ノズル122及び、後述する消毒液タンク60(図7参照)から、消毒液供給ポンプ25(図7参照)により、消毒液を供給するための消毒液ノズル123が配設されている。
さらに、テラス部151の槽本体150の底面150tと平行な面に、槽本体150に対し、給水するための、または槽本体150の循環口156から吸引した洗浄液、水、消毒液等を、再度槽本体150に供給するための給水循環ノズル124が配設されている。
尚、洗剤ノズル122、消毒液ノズル123及び給水循環ノズル124は、テラス面151tに配設されていても良い。
また、テラス部151のテラス面151tの操作者近接位置50kに対向する側の面151fに、内視鏡190の内部に具備された管路に、洗浄液、水、アルコール、消毒液、またはエア等を供給するための複数、ここでは2つの送気送水/鉗子口用ポート133と、鉗子起上用ポート134と、漏水検知用ポート135とが配設されている。
次に、装置本体200に形成された装着部40、及び消毒液カセット6、13の構成について、図3〜図6を用いて説明する。図3は、図1の装置本体の消毒液用の装着部からカセットトレーを除去した状態を示す洗浄消毒装置の斜視図、図4は、図3の装着部に装着される第2の薬液タンクを示す斜視図、図5は、図3の装着部に装着される第1の薬液タンクを示す斜視図、図6は、図3の装着部をVIの方向からみた平面図である。
図3に示すように、装着部40は、消毒液カセット6と消毒液カセット13とのいずれかが、カセットトレー120により装着自在な空間を有して形成されている。
また、装着部40の装置本体200の奥行き方向Zにおける後方側の面40mに、図6に示すように、消毒液カセット6の後述する供給口4n,5nが差し込まれる第2の差し込み口45a,45bと、消毒液カセット13の後述する供給口11n,12nが差し込まれる第1の差し込み口46a,46bとが設けられている。
詳しくは、面40mにおいて、第2の差し込み口45a,45bは、幅方向Xに沿って、第1の差し込み口46a,46bよりも高さ方向Yの上側に並んで設けられており、第1の差し込み口46a,46bは、幅方向Xに沿って、第2の差し込み口45a,45bよりも高さ方向Yの下側に並んで設けられている。
また、各差し込み口45a,45bには、装着部40に消毒液カセット6が装着された際、消毒液カセット6の各供給口4n,5nに設けられた図示しない薄膜を破って、消毒液カセット6内の消毒液をカセット外に排出させる図示しないカセット刃がそれぞれ設けられている。
同様に、各差し込み口46a,46bにも、装着部40に消毒液カセット13が装着された際、消毒液カセット6の各供給口11n,12nに設けられた図示しない薄膜を破って、消毒液カセット13内の消毒液をカセット外に排出させる図示しないカセット刃がそれぞれ設けられている。
また、装着部40の高さ方向Yの上面の面40m側の位置に、装着部40に装着された消毒液カセットが、消毒液カセット6か、消毒液カセット13かを識別する識別部材であるRFID読み取りアンテナ(以下、単にアンテナと称す)43が設けられている。
アンテナ43は、装着部40に消毒液カセット6または消毒液カセット13が装着された際、消毒液カセット6に設けられた後述するRFIDチップ7または消毒液カセット13に設けられた後述するRFIDチップ14を読み取ることにより、装着部40に装着された消毒液カセットが、消毒液カセット6か、消毒液カセット13かを識別するものである。
また、装着部40の底面40tにおいて、奥行き方向Zに沿って、高さ方向Yに、例えば半円状に突出したレール状の突起部材42が形成されている。
突起部材42は、装着部40に消毒液カセット6または消毒液カセット13が装着された際、消毒液カセット6の底部に形成された後述する孔6iまたは消毒液カセット13の底部に形成された後述する孔13iが嵌入することにより、消毒液カセット6が、差し込み口46a,46bに差し込まれてしまうとともに、消毒液カセット13が差し込み口45a,45bに差し込まれてしまうことを防止する誤差し防止部を構成している。
消毒液カセット6は、図4に示すように、消毒液の主剤が貯留された主剤カセット4と、消毒液の緩衝化剤が貯留された緩衝化剤カセット5とから構成されており、主剤カセット4と緩衝化剤カセット5とは、一体となるように固定されている。具体的には、幅方向Xにおいて対向して接するよう一体的に固定されている。
主剤カセット4に貯留されている主剤及び緩衝化剤カセット5内に貯留されている緩衝化剤は、内視鏡190を消毒する毎に、全量が後述する消毒液タンク60(図7参照)に供給される、内視鏡190を複数回消毒する再使用可能な消毒液であり、消毒液カセット13の主剤カセット11に貯留されている主剤及び緩衝化剤カセット12に貯留されている緩衝化剤よりも濃度が低いものがそれぞれ貯留されている。
また、主剤カセット4及び緩衝化剤カセット5の奥行き方向Zにおける装着部40に装着される側の面において、高さ方向Yの上側に、幅方向Xに沿って、供給口4n、5nがそれぞれ並んで形成されている。
供給口4n,5nは、消毒液カセット6が装着部40に装着された際、供給口4nが差し込み口45bに差し込まれ、供給口5nが差し込み口45aに差し込まれる。このことにより、各差し込み口45a,45bにそれぞれ設けられたカセット刃によって、各供給口4n,5nに形成された薄膜が破られることにより、主剤カセット4内の主剤及び緩衝化剤カセット5内の緩衝化剤が、消毒液カセット6外に排出される。
また、消毒液カセット6の高さ方向Yの底面において、主剤カセット4と緩衝化剤カセット5との接触位置に、奥行き方向Zに沿って、例えば半円状の孔6iが形成されている。孔6iは、装着部40に消毒液カセット6が装着された際、装着部40の底面40tに形成された突起部材42が嵌入することにより、供給口4n,5nが、差し込み口46a,46bに差し込まれてしまうことを防止する誤差し防止部を構成している。
さらに、消毒液カセット6の高さ方向Yの上面であって、供給口4n,5n側の位置に、識別部材であるRFIDチップ7が設けられている。RFIDチップ7には、消毒液カセット6中の消毒液が、全量を供給する用の消毒液である情報が記憶されている。
RFIDチップ7は、装着部40に消毒液カセット6が装着された際、アンテナ43によって読み取られることにより、アンテナ43に、装着部40に装着された消毒液カセットが消毒液カセット6である旨を識別させるものである。
また、仮に装着部40に突起部材42が設けられていなくとも、RFIDチップ7が、消毒液カセット6の上面に設けられていることにより、供給口4n,5nが、差し込み口46a,46bに差し込まれてしまうことが防止される。これは、装着部40に消毒液カセット6をRFIDチップ7が底面40tに接するように誤装着されてしまったとしても、アンテナ43は、装着部40の上面に設けられているため、アンテナ43によるRFIDチップ7の読み取りができないことから、使用者が誤差しに気付くためである。
消毒液カセット13は、図5に示すように、消毒液の主剤が貯留された主剤カセット11と、消毒液の緩衝化剤が貯留された緩衝化剤カセット12とから構成されており、主剤カセット11と緩衝化剤カセット12とは、一体となるように固定されている。具体的には、幅方向Xにおいて対向して接するよう一体的に固定されている。
主剤カセット11に貯留されている複数回分の主剤及び緩衝化剤カセット12内に貯留されている複数回分の緩衝化剤は、内視鏡190を消毒する毎に、消毒に必要な量が計量されて後述する消毒液タンク60(図7参照)に供給される、例えば内視鏡190の1回の消毒後、廃棄される使い捨て用の消毒液であり、消毒液カセット6の主剤カセット4に貯留されている主剤及び緩衝化剤カセット5に貯留されている緩衝化剤よりも濃度が高いものがそれぞれ貯留されている。
また、主剤カセット11及び緩衝化剤カセット12の奥行き方向Zにおける装着部40に装着される側の面において、高さ方向Yの下側に、幅方向Xに沿って、供給口11n,12nがそれぞれ並んで形成されている。
供給口11n,12nは、消毒液カセット13が装着部40に装着された際、供給口11nが差し込み口46bに差し込まれ、供給口12nが差し込み口46aに差し込まれる。このことにより、各差し込み口46a,46bにそれぞれ設けられた図示しないカセット刃によって、各供給口11n,12nに形成された薄膜が破られることにより、主剤カセット11内の主剤及び緩衝化剤カセット12内の緩衝化剤が、消毒液カセット13外に排出される。
また、消毒液カセット13の高さ方向Yの底面において、主剤カセット11と緩衝化剤カセット12との接触位置に、奥行き方向Zに沿って、例えば半円状の孔13iが形成されている。孔13iは、装着部40に消毒液カセット13が装着された際、装着部40の底面40tに形成された突起部材42が嵌入することにより、供給口11n,12nが、差し込み口45a,45bに差し込まれてしまうことを防止する誤差し防止部を構成している。
さらに、消毒液カセット13の高さ方向Yの上面であって、供給口11n,12n側の位置に、識別部材であるRFIDチップ14が設けられている。RFIDチップ14には、消毒液カセット13中の消毒液が、計量して供給する用の消毒液である情報が記憶されている。
RFIDチップ14は、装着部40に消毒液カセット13が装着された際、アンテナ43によって読み取られることにより、アンテナ43に、装着部40に装着された消毒液カセットが消毒液カセット13である旨を識別させるものである。
また、仮に装着部40に突起部材42が設けられていなくとも、RFIDチップ14が、消毒液カセット13の上面に設けられていることにより、供給口11n,12nが、差し込み口45a,45bに差し込まれてしまうことが防止される。これは、装着部40に消毒液カセット13をRFIDチップ14が底面40tに接するように誤装着されてしまったとしても、アンテナ43は、装着部40の上面に設けられているため、アンテナ43によるRFIDチップ14の読み取りができないことから、使用者が誤差しに気付くためである。
次に、図1の洗浄消毒装置が内部に具備する管路構成について、図7を用いて概略的に説明する。図7は、図1の洗浄消毒装置の管路構成を概略的に示す図である。尚、以下、管路構成は、消毒液を洗浄消毒槽に供給する用の管路構成についてのみ説明する。また、その他の管路構成は、周知であるため、その説明は省略する。
図7に示すように、洗浄消毒装置100は、給水ホース接続口131に給水ホース31aの一端が接続され、この給水ホース31aの他端が外部の水道蛇口31に接続されることにより、水道水が供給される構成を有している。
給水ホース接続口131に、給水管路32の一端が接続されている。給水管路32の他端は、貯留部である消毒液タンク60に連通している。尚、給水管路32を介して水道蛇口31から消毒液タンク60に供給される水道水は、消毒液タンク60に貯留された消毒液を所定の濃度に希釈する希釈水を構成している。
給水管路32の給水ホース接続口131の接続部位には、水道蛇口31から洗浄消毒装置100への水道水の供給の有無を、後述する制御部1の制御により切り換える電磁弁21が介装されている。
また、給水管路32の中途位置には、制御部1の制御によって流路方向を切り換える管路切換弁22が介装されており、管路切換弁22には、一端が給水循環ノズル124に接続された水道水供給管路33の他端が接続されている。
管路切換弁22は、水道蛇口31から供給された水道水を、給水管路32を介して消毒液タンク60に供給するか、水道水供給管路33を介して洗浄消毒槽50に供給するかを制御部1の制御によって切り換えるものである。
また、洗浄消毒槽50の底面150tにおいて、排水口155、循環口156の位置には、洗浄消毒槽50内の液体を、排水口155と循環口156とのいずれかから排出するよう、制御部1の制御により切り換える切換弁24が設けられている。
循環口156には、中途位置に制御部1の制御によって駆動する循環ポンプ23が介装された循環管路34の一端が接続されている。循環管路34の他端は、水道水供給管路33の中途位置に接続されている。よって、切換弁24によって、循環口156側に流路が切り換えられた場合であって、循環ポンプ23が駆動された場合には、洗浄消毒槽50内の液体は、循環管路34、水道水供給管路33を介して、給水循環ノズル124から、再度洗浄消毒槽50内に供給される。
排水口155には、中途位置に、制御部1の制御によって流路を切り換える切換弁39が介装された排水管路35の一端が接続されている。排水管路35の他端は、排水口29に接続されている。また、切換弁39に、一端が消毒液タンク60に連通する回収管路36の他端が接続されている。
よって、切換弁24によって、排水口155側に流路が切り換えられた場合であって、切換弁39によって、排水管路35側に流路が切り換えられた場合には、洗浄消毒槽50内の消毒液は、排水管路35を介して、排水口29から洗浄消毒装置100外に排出される。
また、切換弁24によって、排水口155側に流路が切り換えられた場合であって、切換弁39によって、回収管路36側に流路が切り換えられた場合には、洗浄消毒槽50内の消毒液は、排水管路35、回収管路36を介して、消毒液タンク60に回収される。
洗浄消毒槽50に設けられた消毒液ノズル123には、一端が消毒液タンク60に連通する消毒液供給管路37の他端が接続されている。また、消毒液供給管路37の中途位置には、制御部1の制御によって駆動する消毒液供給ポンプ25が介装されている。
また、装着部40の差し込み口45a,45bには、それぞれ管路91が接続されており、2本の管路91は、消毒液カセット6内の消毒液を消毒液タンク60に供給する第2の流路である1本の第2の消毒液供給管路80に連通している。
尚、第2の消毒液供給管路80は、消毒液タンク60に開口している。また、第2の消毒液供給管路80は、装着部40に装着された消毒液カセット6から主剤及び緩衝化剤を、出来るだけ早く消毒液タンク60に供給するため、管路径が出来るだけ太く、また管路長が出来るだけ短いことが好ましい。
また、第2の消毒液供給管路80を設けずに、2本の管路91が、直接、消毒液タンク60に連通していても構わない。
さらに、装着部40の差し込み口46a,46bには、消毒液カセット13内の消毒液を消毒液タンク60に供給する第1の流路である2本の第1の消毒液供給管路90aの各一端が、それぞれ接続されている。
2本の第1の消毒液供給管路90aの各他端は、消毒液カセット13から供給される消毒液を計量する計量部材である計量ケース70に接続されている。また、2本の第1の消毒液供給管路90aの各中途位置に、制御部1の制御により開閉する電磁弁75a,75bがそれぞれ介装されている。また、計量ケース70には、複数の水位センサ71〜73が設けられている。
さらに、計量ケース70の底部側には、制御部1の制御により開閉する電磁弁74が設けられており、電磁弁74には、一端が消毒液タンク60に開口する消毒液カセット13内の消毒液を消毒液タンク60に供給する第1の流路である第1の消毒液供給管路90bの他端が接続されている。
消毒液タンク60は、消毒液カセット6,13から供給された消毒液、または洗浄消毒槽50から回収された消毒液が貯留されるものであり、上部に、脱臭フィルタ61が設けられている。また、消毒液タンク60にも、複数の水位センサ62〜65が設けられている。
制御部1は、各種弁21、22、24、39、74、75a,75bの開閉または切り換え動作を制御したり、各種ポンプ23、25の駆動を制御したりするものである。
また、制御部1は、アンテナ43からの消毒液カセット6か消毒液カセット13かの識別結果を基に、全量供給用の消毒液か、計量して供給する用の消毒液かに応じて、消毒液タンク60に対し消毒液の調製動作を制御する。
具体的には、制御部1は、アンテナ43によって消毒液カセット13が識別された際、消毒液タンク60に消毒液カセット13から消毒液を計量して供給するか、アンテナ43によって消毒液カセット6が識別された際、消毒液カセット6から消毒液を全量供給するかのいずれかの制御と、消毒液タンク60に供給された消毒液の濃度に応じて、消毒液タンク60に供給される水道水の量を変化させて、消毒液の希釈濃度を制御する。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
先ず、消毒液を再利用可能として、内視鏡190の複数本の消毒に使用したい場合には、使用者は、装置本体200の装着部40に、消毒液カセット6を装着する。装着後、消毒液カセット6の主剤カセット4の供給口4nは、差し込み口45bに差し込まれ、供給口4nの薄膜がカセット刃により破られるとともに、緩衝化剤カセット5の供給口5nは、差し込み口45aに差し込まれ、供給口5nの薄膜がカセット刃によって破られる。
この際、消毒液カセット6の底部に形成された孔6iに、装着部40の突起部42が嵌入されることから、装着部40に対し誤った方向に消毒液カセット6が装着されて、供給口4n,5nが差し込み口46a,46bに差し込まれてしまうことが防止される。
差し込み口45a,45bに供給口4n,5nが差し込まれると、アンテナ43によって、消毒液カセット6の上面に設けられたRFIDチップ7から、装着部40に装着された消毒液カセットが、消毒液カセット6であることが識別される。
尚、識別結果は、制御部1に伝送される。その結果、制御部1は、サブ操作パネル130に、消毒液カセット6が装着された旨を表示させるとともに、電磁弁74、75a,75bを閉にする制御を維持する。
主剤カセット4内の主剤及び緩衝化剤カセット5内の緩衝化剤は、2本の管路91及び第2の消毒液供給管路80を介して、消毒液タンク60内に全量が供給される。尚、この際の供給量は、例えば水位センサ63によって検知される。
その後、制御部1は、電磁弁21を開成するとともに、切換弁22を、給水管路32側に切り換える。その結果、水道蛇口31から、消毒液タンク60内に消毒液の希釈水である水道水が供給される。
尚、この際の水道水の供給量は、アンテナ43がRFIDチップ7から読み取った消毒液の濃度情報に基づいて調整される。即ち、消毒液の希釈量が調整される。
水道水の供給後、例えば消毒液タンク60内の水位が水位センサ64によって検出された後、制御部1は、電磁弁21を閉成する。
その後、制御部1は、消毒液供給ポンプ25を駆動することにより、消毒液タンク60内の希釈された消毒液を、消毒液供給管路37を介して消毒液ノズル123から洗浄消毒槽50に供給する。尚、図示しないが、消毒液は、各ポート133、134から内視鏡190内の管路にも供給される。
次いで、制御部1は、切換弁24を循環口156側に切り換えるとともに、循環ポンプ23を駆動する。その後、洗浄消毒槽50内の消毒液は、循環管路34、水道水供給管路33を介して、給水循環ノズル124から再度洗浄消毒槽50に供給される。その結果、洗浄消毒槽50内に収容された内視鏡190は、消毒される。
消毒終了後、制御部1は、切換弁24を排水口155側に切り換えて、切換弁39を回収管路36側に切り換える。その結果、洗浄消毒槽50内の消毒液は、排水管路35、回収管路36を介して、消毒液タンク60に回収される。
その後、消毒液タンク60内の消毒液は、一定期間、効果がなくなるまで、複数本の内視鏡190の消毒に用いられ、一定期間経過後は、排水管路35を介して排水口29から洗浄消毒装置100外に排出される。
次に、消毒液を内視鏡190を1本消毒する量に計量して、計量した消毒液を、内視鏡190の1本の消毒に使用したい場合には、使用者は、装置本体200の装着部40に、消毒液カセット13を装着する。装着後、消毒液カセット13の主剤カセット11の供給口11nは、差し込み口46bに差し込まれ、供給口11nの薄膜がカセット刃により破られるとともに、緩衝化剤カセット12の供給口12nは、差し込み口46aに差し込まれ、供給口12nの薄膜がカセット刃によって破られる。
この際、消毒液カセット13の底部に形成された孔13iに、装着部40の突起部材42が嵌入されることから、装着部40に対し誤った方向に洗浄液カセット13が装着されて、供給口11n,12nが差し込み口45a,45bに差し込まれてしまうことが防止される。
差し込み口46a,46bに供給口11n,12nが差し込まれると、アンテナ43によって、消毒液カセット13の上面に設けられたRFIDチップ14から、装着部40に装着された消毒液カセットが、消毒液カセット13であることが識別される。
尚、識別結果は、制御部1に伝送される。その結果、制御部1は、先ず、サブ操作パネル130に、消毒液カセット13が装着された旨を表示させるとともに、電磁弁75bを開成する。その結果、複数回分の主剤が貯留されている主剤カセット11から、1回分の主剤が、第1の消毒液供給管路90aを介して計量ケース70に供給される。
その後、制御部1は、電磁弁75bを閉成した後、電磁弁75aを開成すると、複数回分の緩衝化剤が貯留されている緩衝化剤カセット12から、1回分の緩衝化剤が、第1の消毒液供給管路90aを介して計量ケース70に供給される。
尚、計量ケース70における主剤及び緩衝化剤の量は、水位センサ71〜73のいずれかによって計量される。
その後、制御部1は、電磁弁75aを閉成した後、電磁弁74を開成する。その結果、計量ケース70内の消毒液は、消毒液タンク60内に供給される。尚、該供給量は、例えば水位センサ62によって検出される。
次いで、制御部1は、電磁弁74を閉成し、電磁弁21を開成するとともに、切換弁22を、給水管路32側に切り換える。その結果、水道蛇口31から、消毒液タンク60内に消毒液の希釈水である水道水が供給される。
尚、この際の水道水の供給量は、アンテナ43がRFIDチップ14から読み取った消毒液の濃度情報に基づいて調整される。即ち、消毒液の希釈量が調整される。
水道水の供給の後、例えば消毒液タンク60内の水位が水位センサ65によって検出された後、制御部1は、電磁弁21を閉成する。
その後、制御部1は、消毒液供給ポンプ25を駆動することにより、消毒液タンク60内の希釈された消毒液を、消毒液供給管路37を介して消毒液ノズル123から洗浄消毒槽50に供給する。尚、図示しないが、消毒液は、各ポート133、134から内視鏡190内の管路にも供給される。次いで、制御部1は、切換弁24を循環口156側に切り換えるとともに、循環ポンプ23を駆動する。その後、洗浄消毒槽50内の消毒液は、循環管路34、水道水供給管路33を介して、給水循環ノズル124から再度洗浄消毒槽50に供給される。その結果、洗浄消毒槽50内に収容された内視鏡190は、消毒される。
消毒終了後、制御部1は、切換弁24を排水口155側に切り換えて、切換弁39を排水管路35側に切り換える。その結果、洗浄消毒槽50内の消毒液は、排水管路35を介して、排水口29から洗浄消毒装置100外に排出される。即ち、消毒液カセット13から供給された消毒液は、1回で廃棄される。
尚、消毒液カセット13から供給された消毒液であっても、上述のように、消毒液タンク60に回収して、複数回消毒に用いても良いことは勿論である。
このように、本実施の形態においては、装置本体200に設けられた装着部40に対して、全量の消毒液を消毒液タンク60に供給する消毒液カセット6と、1回の消毒に用いる消毒液を消毒液タンク60に供給する消毒液カセット13とのいずれかが装着自在であると示した。
また、消毒液カセット6の主剤カセット4の供給口4n及び緩衝化剤カセット5の供給口5nが差し込まれる装着部40の差し込み口45a,45bから消毒液タンク60に消毒液を供給する第2の消毒液供給管路80は、消毒液カセット13の主剤カセット11の供給口11n及び緩衝化剤カセット12の供給口12nが差し込まれる装着部40の差し込み口46a,46bから消毒液タンク60に消毒液を供給する第1の消毒液供給管路90a、90bとは、別途に設けられていると示した。
さらに、装着部40に、該装着部40に消毒液カセットが装着された際、該装着された消毒液カセットが、消毒液カセット6か消毒液カセット13かを識別するアンテナ43が設けられていると示した。
また、制御部1は、アンテナ43が読み取った識別情報に応じて、各種弁の開閉または切り換え動作を制御したり、消毒液の希釈に用いる水道水の供給量を制御したりすると示した。
このことによれば、1台の洗浄消毒装置にて、全量を消毒液タンクに供給するリユースタイプの消毒液と、1回の消毒に用いる消毒液を計量して消毒タンクに供給する使い捨てタイプの消毒液とを用いることができることから、状況に応じた消毒液の使用が行えるため、使用者の使い勝手が向上する。
また、消毒液カセット13をセット後、期間に関係なく、消毒工程を行う度に、計量して消毒液を用いることができることから、消毒液をムダに廃棄することがないため、低コストにて、消毒工程を行うことができる。
さらに、連続して複数本の内視鏡190を消毒する場合には、消毒液カセット6から全量を消毒液タンク60に供給することにより、短時間で効率良く複数本の内視鏡190に対する消毒工程を行うことができる。
さらに、2台の洗浄消毒装置を用意する必要がないことから、製造コスト、管理コスト等が削減できるとともに、安価な洗浄消毒装置を使用者に提供することができる。
また、消毒液カセット6、13が装着される装着部40は、装置本体200に対して1つのみ形成されていることから、装置本体200内の管路構成を、装着部が複数形成されている場合に比べ、簡素化することができる。
尚、以下、変形例を、図8〜図10を用いて示す。図8は、図4の消毒液カセットの変形例を示す消毒液カセットの斜視図、図9は、図5の消毒液カセットの変形例を示す消毒液カセットの斜視図、図10は、図6の装着部の変形例を示す装着部の正面図である。
本実施の形態においては、装着部40にアンテナ43を設け、消毒液カセット6にRFIDチップ7を設けるとともに、消毒液カセット13にRFIDチップ14を設け、アンテナ43が、RFIDチップ7、14のいずれかを読み取ることにより、装着部40に消毒液カセット6と消毒液カセット13とのいずれかが装着されたかを識別すると示した。
これに限らず、別の方法で、装着部40に消毒液カセット6と消毒液カセット13とのいずれかが装着されたかを識別しても構わない。
具体的には、図8に示すように、消毒液カセット6の供給口4n,5nが設けられた面において、供給口4n,5nよりも高さ方向Yの下側に、奥行き方向Zに突出するボトル識別ピン101を設けるとともに、図9に示すように、消毒液カセット13の供給口11n,12nが設けられた面において、供給口11n,12nよりも高さ方向Yの上側に、奥行き方向Zに突出するボトル識別ピン102を設ける。
また、装着部40の面40mの高さ方向の下側であって、装着部40に図8に示す消毒液カセット6が装着された際、ボトル識別ピン101が当接する位置に、ボトル識別センサ孔48を形成して、装着部40の面40mの高さ方向の上側であって、装着部40に図9に示す消毒液カセット13が装着された際、ボトル識別ピン102が当接する位置に、ボトル識別センサ孔47を形成する。尚、各ボトル識別センサ孔47、48の内部には、各識別ピン101、102を検知する非接触式の光学センサや、非接触式のマイクロスイッチ等がセットされている。
このことによれば、装着部40に消毒液カセット6が装着された際には、ボトル識別ピン101は、ボトル識別センサ孔48に嵌入することにより、識別ピン101が非接触で、例えば光学センサにより読み取られることにより、装着部40に装着されたのは、消毒液カセット6であることが識別される。
また、装着部40に消毒液カセット13が装着された際には、ボトル識別ピン102は、ボトル識別センサ孔47に嵌入することにより、識別ピン102が非接触で、例えば光学センサにより読み取られることにより、装着部40に装着されたのは、消毒液カセット13であることが識別される。尚、この場合、各ボトル識別ピン101,102、各ボトル識別センサ孔47,48は、本実施の形態における識別部材を構成する。
このような構成によれば、RFIDを用いたシステムよりもより安価に、装着部40に消毒液カセット6と消毒液カセット13とのいずれかが装着されたかを識別することができる。
尚、他の装着部40に消毒液カセット6と消毒液カセット13とのいずれかが装着されたかを識別する方法としては、消毒液カセット6,13、装着部40にバーコードを設けて識別を行う方法や、消毒液カセット6と消毒液カセット13とに対し、消毒液カセット6と消毒液カセット13とで異なる位置に磁石を設けるとともに、装着部40にマグネットセンサを設け、マグネットセンサが、磁石の位置を検出することにより、識別を行う手法や、さらに、消毒液タンク60に供給された消毒液の量を、水位センサ62〜65で検出することにより識別を行う手法等が考えられる。
また、以下、別の変形例を示す。
本実施の形態においては、装着部40に消毒液カセット13を装着して消毒液を計量して消毒液タンク60に供給する場合、計量は、計量ケース70を用いて行うと示した。
これに限らず、計量ケース70を用いなくとも、例えば、第1の消毒液供給管路90aを介して直接、消毒液を消毒液タンク60に供給する構成であっても、計量を、消毒液タンク60内の水位センサ62〜65を用いて行えば、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、この場合、水位センサ62〜65が、本実施の形態における計量部材を構成する。
さらに、本実施の形態においては、複数回分の消毒液が貯留された消毒液カセット13から消毒液を供給する場合、内視鏡190の1回分の消毒液を供給して行うと示したが、これに限らず、全量以外であれば、複数回分の消毒液を計量して供給する構成であっても構わない。尚、この場合は、消毒液カセット13内の主剤及び緩衝化剤の濃度は、1回分を計量する場合と比べ低くなる他、水道水による希釈量も1回分とは異なる。
また、本実施の形態においては、装着部40の底面40tの突起部材42に、消毒液カセット6の孔6iまたは消毒液カセット13の孔13iが嵌入することにより、消毒液カセットの誤差しが防止されると示した。
これに限らず、消毒液カセットの形状を高さ方向Yの上下で異ならせたり、幅方向Xの左右で異ならせたりして、装着部40の空間を適切な装着方向でのみでしか消毒液カセットが装着できない形状に形成することにより、消毒液カセットの誤装着を防止しても構わない。
また、本実施の形態においては、洗浄消毒装置で洗浄消毒する被洗浄消毒物は、内視鏡190を例に挙げて示したが、被洗浄消毒物は、内視鏡以外のもの、例えば処置具であっても良いことは云うまでもない。
さらに、本実施の形態においては、薬液は、消毒液を例に挙げて示したが、消毒液以外の液体に本実施の形態を適用しても構わない。
また、本発明は以上述べた実施形態のみに限定されるものでなく、発明の要旨を脱しない範囲で種々変形可能である。