JP5766437B2 - 弁室ケーシング - Google Patents
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Description
しかしながら、このように蒸気弁の内部に形成された流路を通過する蒸気の温度を約30℃上昇させようとした場合、弁室ケーシングのクリープ強度を確保する観点から、弁室ケーシングの材料を、従来のもの(例えば、2.25Cr鋳鋼)からより高価なもの(例えば、V(バナジウム)入り鋳鋼または12Cr鋳鋼)に変更する必要がある。その結果、車室ケーシングもより高価なもの(例えば、V(バナジウム)入り鋳鋼または12Cr鋳鋼)で作られることになり、製造コストが高騰してしまうといった問題点があった。
本発明に係る弁室ケーシングは、内部に形成された流路を高温流体が流れる弁室ケーシングであって、内部に、弁体と、この弁体を弁座に対して進退させる弁棒とが収容された内側弁室ケーシングと、その内周面と、前記内側弁室ケーシングの外周面との間に、隙間を有する空間が形成され、かつ、前記内側弁室ケーシングの半径方向外側を取り囲むようにして配置された外側弁室ケーシングと、前記内側弁室ケーシングと前記外側弁室ケーシングとを連結する連結部材とを備え、前記空間は、該空間内の空気が前記内側弁室ケーシングからの放熱により加熱された時に該空間内を上昇して該空間の上端から大気中に放出され、同時に該空間の下端から新しい空気が流入するように、その上下端部が大気に連通している。
これにより、内部に形成された流路を通過する高温流体の温度を、例えば、約30℃上昇させたとしても、空間内を自然に循環する空気の冷却効果により、内側弁室ケーシング自体の温度上昇を低減させることができ、内側弁室ケーシングを従来と同じ材料(例えば、2.25Cr鋳鋼)で製作することができ、製造コストの高騰を回避することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る弁室ケーシングについて、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る弁室ケーシングを具備したタービンの要部を示す断面図、図2は本実施形態に係る弁室ケーシングの斜視図、図3は図2のIII−III矢視断面図である。
本実施形態において、内側弁室ケーシング11は、タービン1の車室ケーシング3と同じ材料(例えば、2.25Cr鋳鋼)で、タービン1の車室ケーシング3と一体的に鋳造されている。また、内側弁室ケーシング11の内部には、弁体4と、この弁体4を弁座5に対して進退させる弁棒6とが収容されている。
なお、図1中の符号7は仕切板、符号8はノズル、符号9は動翼を示している。
これにより、内部に形成された流路を通過する蒸気の温度を、例えば、約30℃上昇させたとしても、空間S内を自然に循環する空気の冷却効果により、内側弁室ケーシング11自体の温度上昇を低減させることができ、内側弁室ケーシング11を従来と同じ材料(例えば、2.25Cr鋳鋼)で製作することができ、製造コストの高騰を回避することができる。
これにより、空間S内に存する空気が、内側弁室ケーシング11からの放熱により効率よく温められる(加熱される)ことになり、空間S内を上昇する空気の上昇速度を増加させることができ、空気による冷却効果をより高めるようにすることができる。
本発明の第2実施形態に係る弁室ケーシングについて、図4を参照しながら説明する。
図4は本実施形態に係る弁室ケーシングの斜視図である。
なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る弁室ケーシングについて、図5を参照しながら説明する。
図5は本実施形態に係る弁室ケーシングの斜視図である。
なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本発明の第4実施形態に係る弁室ケーシングについて、図6を参照しながら説明する。
図6は本実施形態に係る弁室ケーシングの斜視図である。
なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
これにより、内側弁室ケーシング11と車室ケーシング3とを安価な材料(例えば、2.25Cr鋳鋼)で一体的に鋳造することができ、製造コストの高騰を回避することができる。
例えば、上述した実施形態において、内側弁室ケーシング11の外周面11aに、図7に示すような断面視矩形状(または断面視半円形状)を呈する複数の突起(タービュレータまたはボルテックス・ジェネレータ)71を、弁室ケーシング10の軸方向および周方向に沿って間隔をあけて設けるとさらに好適である。
これにより、空間S内に存する空気が、内側弁室ケーシング11からの放熱によりさらに効率よく温められる(加熱される)ことになるので、空間S内を上昇する空気の上昇速度をさらに増加させることができ、空気による冷却効果をより一層高めるようにすることができる。
なお、図7は、突起71を第2実施形態に適用した場合を示している。
2 蒸気弁
3 車室ケーシング
4 弁体
5 弁座
6 弁棒
10 弁室ケーシング
11 内側弁室ケーシング
11a 外周面
12 外側弁室ケーシング
12a 内周面
12b 外周面
13 連結部材
14 保温材
14a 内周面
23 連結部材
33 連結部材
43 連結部材
71 突起
S 空間
Claims (4)
- 内部に形成された流路を高温流体が流れる弁室ケーシングであって、
内部に、弁体と、この弁体を弁座に対して進退させる弁棒とが収容された内側弁室ケーシングと、
その内周面と、前記内側弁室ケーシングの外周面との間に、隙間を有する空間が形成され、かつ、前記内側弁室ケーシングの半径方向外側を取り囲むようにして配置された外側弁室ケーシングと、
前記内側弁室ケーシングと前記外側弁室ケーシングとを連結する連結部材とを備え、
前記空間は、該空間内の空気が前記内側弁室ケーシングからの放熱により加熱された時に該空間内を上昇して該空間の上端から大気中に放出され、同時に該空間の下端から新しい空気が流入するように、その上下端部が大気に連通していることを特徴とする弁室ケーシング。 - 前記外側弁室ケーシングの半径方向外側に、その内周面全体が前記外側弁室ケーシングの外周面全体と接するとともに、前記外側弁室ケーシングの外周面全体を覆い隠す保温材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の弁室ケーシング。
- 前記内側弁室ケーシングの外周面に、タービュレータとして機能する複数の突起が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の弁室ケーシング。
- 請求項1から3のいずれかに記載の弁室ケーシングを備え、前記内側弁室ケーシングと車室ケーシングと前記連結部材とが、一体的に鋳造されていることを特徴とするタービン。
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JP2010294202A JP5766437B2 (ja) | 2010-12-28 | 2010-12-28 | 弁室ケーシング |
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