JP5766384B1 - 可食性モノフィラメントおよび該可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材 - Google Patents

可食性モノフィラメントおよび該可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材 Download PDF

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Abstract

本発明の一局面は、ペット用デンタルケア材を作製するための可食性モノフィラメントであって、線径が0.3〜4.0mmであり、長さ方向への引っ張りに対する伸びを表す弾性歪みが20〜250%であることを特徴とする可食性モノフィラメントである。

Description

本発明は、可食性モノフィラメントおよび該可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材に関する。
従来、イヌやネコ等のペットに与えられる様々なペットフード等の製品が市販されている。これらの製品は、ペットの種類や年齢等に応じて選択される。また、近年は、種々の製品のうち、ソフト感のあるものが嗜好される傾向がある。
しかしながら、ソフト感のある製品の場合、ペットの歯に歯垢として蓄積されやすく、口臭や歯肉炎、歯周病の一因となりやすい。そこで、歯垢を除去するためのペット用のデンタルケア材が提案されている。
特許文献1には、真皮等の動物の皮から得られる1本の紐状部材によって編まれた動物用ガムが提案されている。特許文献2には、ケーシング材を組み合わせ、撚りが戻らないように成形したデンタルケア材が提案されている。ケーシング材には、紐状のもの(紐状部材)が含まれる。これらの動物用ガムやデンタルケア材がペットに噛まれると、紐状部材が編まれて形成された編み目や、撚られたケーシング材の間にペットの歯が挿入されたり、抜き出されたりする。この際、ペットの歯は、根元まで紐状部材やケーシング材に適宜擦り付けられるため、歯の根元まで歯垢が除去され得る。
特開2013−74817号公報 特許第3776938号公報
本発明の一局面は、ペット用デンタルケア材を作製するための可食性モノフィラメントであって、線径が0.3〜4.0mmであり、長さ方向への引っ張りに対する伸びを表す弾性歪みが20〜250%であることを特徴とする可食性モノフィラメントである。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
図1は、本発明の一実施形態のモノフィラメントを説明する模式図であり、図1(a)はモノフィラメントの斜視図であり、図1(b)はモノフィラメントの径方向の断面図である。 図2は、本発明の一実施形態において使用される1軸押し出し機の概略図である。 図3は、本発明の一実施形態のデンタルケア材の構成を説明する概略図である。 図4は、本発明の一実施形態においてペットの歯がデンタルケア材の挿入孔に出し入れされる様子を説明する模式図であり、図4(a)は歯が挿入される前の状態を説明する模式図であり、図4(b)は歯が挿入された状態を説明する模式図であり、図4(c)は、歯が抜き出されつつある状態の模式図であり、図4(d)は歯が抜き出された状態の模式図である。 図5は、従来のデンタルケア材の挿入孔に挿入された歯が抜き出される様子を説明する模式図である。 図6は、本発明の一実施形態のデンタルケア材において、歯が抜き出された挿入孔の状態を示す写真である。 図7は、本発明の一実施形態における縦横にモノフィラメントを編んで作製したシート状のデンタルケア材の模式図である。 図8は、本発明の一実施形態におけるモノフィラメントの束をさらに撚って作製したデンタルケア材の模式図である。 図9は、本発明の一実施形態における複数のモノフィラメントを束ねて作製したデンタルケア材の模式図である。 図10は、本発明の一実施形態における複数のモノフィラメント間を固着させたデンタルケア材の模式図である。 図11は、図2に示す1軸押し出し機の吐出部に備えるノズルの一例を示す概略図である。 図12は、歯が挿入された後の従来のデンタルケア材の状態を説明するための写真である。 図13は、従来のデンタルケア材に歯が挿入される状態を説明するための写真である。
本発明者の検討によれば、特許文献1や特許文献2に提案されているガム等の従来のガムは、形状を維持するために硬く成形されているため、歯の根元まで到達すると、歯茎と接して歯茎を傷めやすいことを見出した。また、本発明者の検討によれば、特許文献1や特許文献2に提案されているガム等の従来のガムは、ペットの歯垢を充分に除去することができないという問題があることを見出した。
本発明は、ペットの歯茎を傷めにくく、歯の広い範囲において歯垢を充分に除去することができるペット用デンタルケア材を作製するための可食性モノフィラメントおよび該可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記したガム等が歯茎を傷めたり、充分に歯垢を除去できない原因について精査したところ、これらガム等を形成する紐状部材が適切な物理特性を有していないことに基づくことを突き止めた。
具体的には、特許文献1や特許文献2に記載のガムを構成する紐状部材は、充分な弾性を有しておらず硬い。そのため、このような紐状部材は、ペットが噛んだ際に歯茎を傷めやすい。
また、ペットの歯は、これらのガムの編み目等の紐状部材間の隙間に挿入される際には隙間を拡げながら紐状部材に擦り付けられる。しかしながら、これらのガム等の使用状況を観察すると、当該紐状部材は、挿入された歯の全周に沿うように変形しておらず、このような紐状部材は、歯の周面の一部を擦ることしかできず、均一に歯垢を除去することができない。また、歯が挿入されることにより拡げられた隙間は、歯が抜き出されたとしても元の大きさに復元されない。その結果、紐状部材は、歯が隙間から抜き出される際に、歯の周面の形状に追随して復元せず、歯の周面を充分に擦ることができない。したがって、従来のガムでは、歯垢を充分に除去することができない。
図12は、歯が挿入された後の従来のデンタルケア材D1の状態を説明するための写真である。図12に示されるように、歯が挿入された隙間(挿入孔H1)は大きく開口しており、元の大きさに復元されていない。したがって、このような挿入孔H1から抜き出された歯は、抜き出される際に周面が擦られておらず、歯垢が充分に除去されていない。また、図13は、従来のデンタルケア材D2に歯が挿入された状態を説明するための写真である。なお、図13では、説明の明瞭化のため、歯の代わりに歯と同等の形状を有する治具Tを用いている。図13に示されるように、従来のデンタルケア材D2は、充分な弾性を有していないため、治具(歯)が隙間に挿入された場合であっても、治具(歯)の周面に沿うように変形しない。具体的には、治具Tの周面は、一部が紐状部材F2と接触しているが、他の部位は紐状部材F2と接触していない。そのため、治具T(歯)の周面は、一部しか紐状部材F2により擦られないため、歯垢が残存しやすい。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、可食性モノフィラメントの備える弾性歪みが特定の範囲内である場合に、このような可食性モノフィラメントを用いて作製されるデンタルケア材が、ペットの歯茎を傷めにくく、歯垢を充分に除去することができる点に着目し、以下のような本発明を完成させた。
<可食性モノフィラメント>
以下、本発明のモノフィラメントの具体的な実施形態について説明する。本実施形態のモノフィラメントは、デンタルケア材を作製するためのモノフィラメントであり、以下の物理特性を備えることを特徴とする。なお、モノフィラメントの物理特性は、製造直後と、製造後に所定の時間が経過した後とではいくらか変化する場合がある。そのため、本明細書では、以下に説明する物理特性は、モノフィラメントの性状が安定となった際の物理特性をいう。この際、「性状が安定である」とは、後述するモノフィラメントの製造方法に従ってモノフィラメントを作製し、ボビン等の筒状体に巻き、ガスバリア性の包材(たとえばアルミやナイロン等から構成される包材)に包んで2〜3日間保管した後に測定した物理特性の数値に対する、包材に包んで1週間保管した後に測定した上記物理特性の数値が、±20%以内であることをいう。また、この物理特性を発現するための好ましい組成等については後述する。さらに、本明細書において、デンタルケア材とは、ペットに対して歯垢を除去したり、歯垢の蓄積を防止する等の口腔内環境を正常化する効果を奏する可食性の製品をいう。このような製品には、たとえばペットフードやペットトリーツが含まれる。本明細書において、ペットフードとは、ペットに食事として与えられる製品をいう。ペットトリーツとは、ペットフードとは別に、ペットをしつける際に与えられたり、褒美として与えられる製品(おやつ類)をいう。また、ペットとしては、特に限定されず、たとえばイヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター等の愛玩動物、ウシ、ウマ、ブタ等の家畜動物、動物園等の飼育施設の動物等が挙げられる。本実施形態のモノフィラメントは、これらペットに与えることができる。本実施形態では、一例として身近な愛玩動物であるイヌに与えられるデンタルケア材を構成するモノフィラメントについて説明する。
図1は、本実施形態のモノフィラメント100を説明する模式図であり、図1(a)はモノフィラメント100の斜視図であり、図1(b)はモノフィラメント100の径方向の断面図である。本実施形態のモノフィラメント100は、糸状であり、径方向の断面が略円形である。
(線径)
本実施形態のモノフィラメント100の線径dは、0.3〜4.0mmである。線径dは、0.5〜1.5mmであることが好ましく、0.75mm以上1.0mm未満であることがより好ましく、0.75〜0.95mmであることがさらに好ましい。線径dが0.3mm未満である場合、モノフィラメント100から作製されるデンタルケア材(図3参照)は、ペットに噛まれた際に破断されやすい。線径dが4.0mmを超える場合、モノフィラメント100が硬くなりやすく、デンタルケア材を作製しにくい。
また、本実施形態のモノフィラメントは、上記のとおり線径の下限が0.3mmであり、従来のモノフィラメントよりも小さい。そのため、このモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材によれば、従来よりも、モノフィラメント間に小さな隙間を形成することが可能となる。その結果、デンタルケア材は、歯が小さなペット(たとえば小型犬や幼犬)に適用しやすい。また、モノフィラメントは、線径が小さいため、ペットに噛まれた際に歯の根元や歯間に到達しやすく、歯垢が除去されやすい。
なお、モノフィラメントの線径を測定する方法としては、特に限定されない。線径は、たとえば上記した包材に包んで1週間保管した後の巻回されたモノフィラメントを、所定の長さ分だけ取り出して切断し、得られたサンプルの切断面をノギス(SR−44、(株)ミツトヨ製)を使用して測定することにより算出できる。線径の算出は、たとえば、サンプルを5本作製し、それぞれのモノフィラメントの線径の平均を求めることにより算出することができる。
(弾性歪み)
本実施形態のモノフィラメントの弾性歪みは、20〜250%である。弾性歪みは、50〜250%であることが好ましく、100〜150%であることがより好ましい。弾性歪みが20%未満である場合、モノフィラメントから作製されるデンタルケア材は、ペットに噛まれた後にモノフィラメントが復元されにくく、または破断されやすい。なお、弾性歪みが250%を超えるモノフィラメントは、たとえば押し出し機等の製造設備により作製しにくく、また、ペットが噛みにくく、嚥下しにくい。
なお、モノフィラメントの弾性歪みを測定する方法としては、特に限定されない。弾性歪みは、たとえば万能材料試験機(インストロン5581、インストロンジャパンカンパニイリミテッド製)を用いて測定することができる。具体的には、弾性歪みは、上記した包材に包んで1週間保管した後の巻回されたモノフィラメントを、所定の長さ分だけ取り出して切断し、得られた所定長さのサンプルを、万能材料試験機で測定することにより算出できる。弾性歪みの算出は、たとえば、サンプルを5本作製し、それぞれのモノフィラメントの弾性歪みの平均を求めることにより算出することができる。万能材料試験機によれば、モノフィラメントの弾性域における歪みと塑性域における歪みとが合わさって最大歪み(%)として算出される。本明細書では、この最大歪み(%)を弾性歪みとして取り扱う。
ここで、従来の公知のデンタルケア材では、上記のとおり、モノフィラメントの弾性が充分でないため硬く、歯茎を傷める虞があった。また、このようなモノフィラメントから得られたデンタルケア材は、歯垢を充分に除去することができなかった(図12、図13参照)。
しかしながら、本実施形態のモノフィラメントでは、弾性歪みが20〜250%であるため、柔軟であり、歯茎を傷めにくい。また、モノフィラメントは、このような弾性歪みを有するため、歯がモノフィラメント間に形成された隙間に挿入される際に引き伸ばされ、その後、歯が隙間から抜き出される際に元の長さに戻る。その結果、このようなモノフィラメントにより画定された隙間に出し入れされる歯は、隙間を画定するモノフィラメントが歯の動きに追随して伸縮されることによって周面が擦られ、歯垢が充分に除去される。
また、本実施形態のモノフィラメントは、線径が0.3〜4.0mmでありながら脆くなく、弾性歪みが20〜250%であり柔軟である。そのため、モノフィラメントは、後述するデンタルケア材を種々の方法(編み方、組み方、撚り方等)に基づいて作製することができ、製造上の利便性がよい。
次に、本実施形態の備えるその他の物理特性のうち、好ましい物理特性について説明する。
(引張強度)
本実施形態のモノフィラメントは、長さ方向の引張強度が2〜50MPaであることが好ましい。また、引張強度は、2.5〜20MPaであることがより好ましい。一般に、ペットがデンタルケア材を噛む際、歯がモノフィラメント間に挿入されると、モノフィラメントは比較的高速で伸展され、大きな荷重が付加されやすい。しかしながら、本実施形態のモノフィラメントは、引張強度が2MPa以上であれば、歯がモノフィラメント間に挿入された際に高速で一気に伸展されたとしても、破断されにくい。そのため、デンタルケア材を繰り返し使用しても、破断して使用不能となりにくく、長く使用することができる。また、引張強度が50MPa以下であれば、ペットがデンタルケア材を通常の噛む力で噛んだ際に適度に伸展し、歯がモノフィラメント間に形成された隙間に挿入されやすい。
なお、引張強度を測定する方法としては、特に限定されない。引張強度は、万能材料試験機(インストロン5581、インストロンジャパンカンパニイリミテッド製)を用いて、上記した弾性歪みと同様の方法によりモノフィラメントをサンプリングして測定することができる。
(デンタルスコア)
本実施形態のモノフィラメントは、弾性歪みと引張強度とを乗じたデンタルスコアが500MPa・%以上であることが好ましい。デンタルスコアは、700MPa・%以上であることがより好ましく、1000MPa・%以上であることがさらに好ましく、1200MPa・%以上であることが特に好ましい。デンタルスコアは、モノフィラメントの備える弾性歪みと引張強度とのバランスを反映するパラメータである。本実施形態のモノフィラメントのデンタルスコアが500MPa・%以上であれば、モノフィラメントは、弾性歪みと引張強度とのバランスがよいと判断することができる。そのため、このようなモノフィラメントを用いて作製されるデンタルケア材は、ペットの歯茎をより傷めにくく、かつ、歯が挿入される際だけでなく、歯が抜き出される際にも歯の周面と接触し、歯の周面を擦ることができ、歯垢を除去する効果がより優れる。
なお、デンタルスコアの上限については特に限定されないが、モノフィラメントは、デンタルスコアが1200〜1300MPa・%である場合に、ペットの歯茎を特に傷めにくく、かつ、歯が挿入される際だけでなく、歯が抜き出される際にも歯の動きに追随するように変形して歯の周面を擦ることができ、歯垢を除去する効果が特に優れる。
(動的粘弾性)
本実施形態のモノフィラメントは、動的粘弾性に関して、貯蔵弾性率(E′)が1×10〜1.2×10Paであることが好ましい。E′は、1.2×10〜1×10Paであることがより好ましく、1.5×10〜8×10Paであることがさらに好ましい。モノフィラメントは、損失正接(tanδ、損失弾性率E″/貯蔵弾性率E′)が0.3〜1であることが好ましい。tanδは、0.4〜1であることがより好ましく、0.5〜1であることがさらに好ましい。モノフィラメントは、E′が1×10〜1.2×10Paであり、tanδが0.3〜1である場合、歯がモノフィラメント間に挿入される際だけでなく、歯が抜き出される際にも歯の周面を万遍なく擦るよう弾性変形しやすく、歯垢を除去する効果が優れる。
なお、動的粘弾性を測定する方法としては、特に限定されない。動的粘弾性は、動的粘弾性測定装置(DMS6100、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定することができる。測定条件は、たとえば周波数10Hz、サンプル長10mm、昇温速度2℃/分、測定温度範囲20〜70℃を採用することができる。具体的には、動的粘弾性は、上記した包材に包んで1週間保管した後の巻回されたモノフィラメントを、所定の長さ分だけ取り出して切断し、得られた所定長さのサンプルを、動的粘弾性測定装置で測定することにより算出できる。動的粘弾性の算出は、たとえば、サンプルを5本作製し、それぞれのモノフィラメントの動的粘弾性の平均を求めることにより算出することができる。
(応力緩和)
本実施形態のモノフィラメントは、応力緩和τが2〜120秒であることが好ましい。また、応力緩和τは、5〜60秒であることがより好ましく、10〜45秒であることがさらに好ましい。応力緩和は、物体に応力が印加され、その後取り除かれた場合において、物体を構成する分子が移動する速度を示している。そのため、モノフィラメントは、応力緩和τが2〜120秒である場合、たとえば歯がモノフィラメント間に挿入されることにより変形されたとしても、その後に元の形状に復元される時間が短いといえる。その結果、モノフィラメントは、歯がモノフィラメント間に挿入される際だけでなく、歯が抜き出される際にも歯の周面を万遍なく擦ることができ、歯垢を除去する効果が優れる。
なお、応力緩和τを測定する方法としては、特に限定されない。応力緩和は、万能試験機(AG1、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。測定条件は、サンプル長10mm、荷重5kNを採用することができる。具体的には、応力緩和は、上記した包材に包んで1週間保管した後の巻回されたモノフィラメントを、所定の長さ分だけ取り出して切断し、得られた所定長さのサンプルを、万能試験機で測定することにより算出できる。応力緩和の算出は、たとえば、サンプルを5本作製し、それぞれのモノフィラメントの応力緩和の平均を求めることにより算出することができる。
(断面形状)
本実施形態では、断面形状が円形であるモノフィラメントを説明したが(図1(b)参照)、モノフィラメントの断面形状としては、特に限定されず、楔形、角形、楕円形等を適宜採用することができる。この場合、たとえば角形のような線径が一定でない形状の場合には、断面における最大径が線径として採用される。具体的には、断面形状が楕円形であるモノフィラメントの場合、その線径は、長径である。
次に、本実施形態のモノフィラメントの組成について説明する。本実施形態のモノフィラメントの組成は、得られるモノフィラメントの線径および弾性歪みが上記範囲を満たすことのできるものであればよく、特に限定されない。そのため、モノフィラメントの組成は、従来公知の原料を適宜使用することができる。
(グリセリン)
モノフィラメントは、0.3〜40質量%のグリセリンを含むことが好ましい。グリセリンは、5〜40質量%含まれることが好ましく、5〜30質量%含まれることがより好ましく、10〜25質量%含まれることがさらに好ましい。モノフィラメントは、0.3〜40質量%のグリセリンを含んでいることにより、上記線径に加工されやすく、上記弾性歪みが発現されやすい。
なお、グリセリンを配合する方法としては、特に限定されず、たとえば他の原料とともに混練して配合してもよく、グリセリン以外の原料を用いてモノフィラメントの中間生成物を作製した後に、得られた中間生成物をグリセリンに含浸させてもよい。これらの中でも、グリセリンは、他の原料とともに混練して配合されることが好ましい。これにより、モノフィラメントは、表面だけでなく内部にもグリセリンが均一に配合され、含浸により表面近くのみにグリセリンが配合される場合と比べて経時的にグリセリンが失われにくい。その結果、モノフィラメントは、弾性歪み等の物性が経時変化しにくい。
(ゼラチン)
モノフィラメントは、5〜80質量%のゼラチンを含むことが好ましい。ゼラチンは、20〜70質量%含まれることが好ましく、40〜60質量%含まれることがより好ましい。モノフィラメントは、5〜80質量%のゼラチンを含んでいることにより、上記線径に加工されやすく、上記弾性歪みが発現されやすい。
ゼラチンの種類としては、特に限定されず、たとえば低分子コラーゲン、部分加水分解コラーゲン、コラーゲンペプチド、可溶化コラーゲン等に含まれるゼラチンが使用される。
(デンプン)
モノフィラメントは、5〜50質量%のデンプンを含むことが好ましい。デンプンは、5〜40質量%含まれることが好ましく、5〜20質量%含まれることがより好ましい。モノフィラメントは、5〜50質量%のデンプンを含んでいることにより、上記線径に加工されやすく、適度な弾性歪みや引張強度が発現されやすい。
デンプンの種類としては、特に限定されず、たとえば酸化デンプンや低粘性変性デンプン等の天然デンプンの各種分解産物;各種アルファ化デンプン;デンプンエステル、デンプンエーテル、架橋デンプン等の各種誘導体;アミロース(たとえば高アミロース)、ワキシーコーンスターチ等のコーンスターチ、アミロペクチン等の天然デンプンが使用される。また、デンプンとしては、タピオカデンプンやその誘導体も挙げられる。
(水分)
本実施形態のモノフィラメントは、5〜40質量%の水分を含むことが好ましい。水分は、8〜35質量%含まれることが好ましく、10〜30質量%含まれることがより好ましい。モノフィラメントは、5〜40質量%の水分を含んでいることにより、デンプンやゼラチン等の他の原料が混合されやすく、これらの原料の伸展や膨潤が進んで均質な混合物が得られる結果、上記線径に加工されやすく、上記弾性歪みが発現されやすい。
また、これらグリセリン、ゼラチン、水分を含むモノフィラメントからは、15〜25質量%の水分を含むデンタルケア材を作製することができる。得られたデンタルケア材は、このような水分含量であるため、比較的柔軟な性状であり、ペットに噛まれた場合に破断しにくく、かつ、ペットの歯茎を傷つけにくい。
本実施形態のモノフィラメントには、上記組成のほか、適宜、たんぱく質や添加剤を添加することができる。このようなたんぱく質としては、例えば、カゼインナトリウム、大豆たんぱく質、小麦グルテンたんぱく質、コーンゼインたんぱく質、及び乾燥コラーゲン等が挙げられる。このようなたんぱく質は、上記ゼラチンの代わりとしても用いることができる。このような添加剤としては、獣肉、魚肉等の肉、その他のエキス、糖、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、香味油脂肪、チーズストロング等のチーズ、ミルク等の嗜好剤、アスタキサンチン、カロテン、アントシアニン等の着色料、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ゲラニオール、ルテイン、フィコエリトリン、スピルリナ、レスベラトロール、オリゴ糖セラミド、ベタイン、ペプチド、レシチン、フラクトオリゴ等、ラフィノース、カゼインホスホペプチド(CPP)、アパタイトカルシウム、グルコサミン、ポリグルタミン、リグナン、ポリフェノール、クロロフィル、グロビゲン、アパタイトカルシウム、リン酸化オリゴ糖カルシウム等の機能性材料が挙げられる。これらを配合することにより、モノフィラメントは、抗肥満、口臭予防、膝関節痛予防、皮膚病予防、抗アレルギー、毛艶改善、生体防御能向上等の効果が付与される。
以上、本実施形態のモノフィラメントは、線径が0.3〜4.0mmである。そのため、このような小さな線径のモノフィラメントは、ペットがデンタルケア材を噛んだ際に、歯の根元や隙間にまで到達しやすい。この際、モノフィラメント間に歯が挿入されることにより、モノフィラメントが伸展されるが、モノフィラメントは、弾性歪みが20〜250%であるため、モノフィラメント間に挿入される歯の形状に合わせてモノフィラメント間の隙間が拡げられる。モノフィラメントは、上記弾性歪みを有しているため、歯が抜き出されると、元の長さに戻る。そのため、歯が隙間から抜き出されると、隙間は、抜き出されつつある歯に追随するように元の大きさに復元される。そのため、隙間を画定するモノフィラメントは、モノフィラメント間の隙間から抜き出されつつある歯の形状に追随して変形し、歯の周面を万遍なく擦り、歯垢を除去することができる。また、モノフィラメントの弾性歪みが20〜250%であるため、モノフィラメントは柔軟であり、歯茎を傷めにくい。
<可食性モノフィラメントの製造方法>
次に、上記したモノフィラメントの製造方法の一例について説明する。モノフィラメントは、たとえば押出し機を使用して作製することができる。以下の説明では、一例として連続押出し機である1軸押し出し機を使用する場合について説明する。図2は、1軸押し出し機200の概略図である。1軸押し出し機200は、原料を投入するためのフィーダー部210と、原料を混合するためのスクリュー部220と、混合された原料をモノフィラメント100として吐出するための吐出部230とを主に備える。吐出されたモノフィラメント100は、筒状体240に巻回される。
まず、上記したモノフィラメント100の組成をなすための原料が、フィーダー部210から投入され、スクリュー部220に貯められる。原料は、スクリュー部220において、加熱、圧縮、混練、配向されながら、均質な混合物となるまで相互に溶融される。スクリュー部220におけるバレル温度は、たとえば65〜120℃とすることができる。処理時間は、たとえば1〜10分間とすることができる。このような条件下において、混合物の温度は、50〜95℃程度に調整される。原料の混合には、たとえばシングルタイプのスクリューや、熱発生の少ないサイレントカッターやボールカッター等が使用される。混合物の温度が50〜95℃程度である場合、混合物中のタンパク質が過度に変性することが防止される。また、デンプン粒の膨潤が適度に進み、デンプン粒が崩壊しにくく、粘度低下や組織脆化が防止される。さらに、このような温度に調整された混合物は、後述する吐出時に発泡しにくく、透明度が高い。
なお、スクリュー部における原料の混合は、充分な水を用いてタンパク質を溶解させてから乾燥する方法(湿式紡糸法)では膨大な設備と時間を要するため、必要最低限の水を用いてタンパク質を溶解してから紡糸する方法(乾式紡糸法)の方が好ましい。これにより、得られるモノフィラメントが上記した弾性歪みを発現しやすい。
得られた混合物は、吐出部230からフィラメント状に吐出される。吐出部230における吐出孔の径は、得られるモノフィラメント100の線径が0.3〜4.0mmとなるよう適宜調整される。吐出されたモノフィラメント100は、適宜、除湿のための風Wが当てられて、相互に付着しない状態まで乾燥され、ボビン等の筒状体240に巻回される。吐出されたモノフィラメント100は、筒状体240を回転させることにより引っ張りつつ巻回することにより、0.3〜4.0mmとなるよう調整されることが好ましい。
本実施形態のモノフィラメントは、以上の製造方法の一例により製造することができる。得られるモノフィラメントの長さは、原料の量やモノフィラメントの線径にもよるが、たとえば100m以上である。本実施形態のモノフィラメントは、必要に応じて保管された後、デンタルケア材に加工される。なお、本実施形態では1軸押し出し機を用いてモノフィラメントを製造する方法を例示したが、1軸押し出し機の代わりに、2軸押し出し機やツインタイプの押し出し機を使用してもよい。この場合、過度な剪断力が加えられることを防ぐため、スクリューの回転数は適切に調整される。
<ペット用デンタルケア材>
以下、本発明のデンタルケア材の一実施形態について説明する。図3は、デンタルケア材300の構成を説明する概略図である。デンタルケア材300は、上記実施形態において説明したモノフィラメント100を用いて作製されたデンタルケア材である。デンタルケア材300は、モノフィラメント100を組むことにより円筒状に形成されている。
デンタルケア材300を構成するモノフィラメント100の本数としては、特に限定されず、作製すべきデンタルケア材300に必要とされる本数であればよく、デンタルケア材300の形状や大きさ、デンタルケア材300を作製する際の編み方等に基づいて適宜選択される。すなわち、デンタルケア材300を構成するモノフィラメント100の本数は、1本以上であればよい。中でも、たとえば互いに異なる着色料が配合されたモノフィラメントを用いることにより、色彩に富んだデンタルケア材を作製することができる。同様に、互いに色彩の異なる栄養素が配合されたモノフィラメントを用いることにより、色彩だけでなく栄養バランスにも富んだデンタルケア材を作製することができる。図3では、6本のモノフィラメント100から構成されたデンタルケア材300が例示されている。これらのうち、4本のモノフィラメント(モノフィラメント100a)にはリコピンが配合されており、赤色を呈している。また、2本のモノフィラメント(モノフィラメント100b)にはルテインが配合されており、黄色を呈している。その結果、デンタルケア材300は、2色のモノフィラメント(モノフィラメント100a、100b)により、ストライプ状に色彩が付与されている。
また、複数のモノフィラメントによりデンタルケア材を作製する場合において、各々のモノフィラメントの線径は0.3〜4.0mmであればよく、弾性歪みは20〜250%であればよい。そのため、デンタルケア材は、これらの範囲内において異なる線径や弾性歪みを有するモノフィラメントを用いて作製されてもよい。図3では、線径が0.7mmであるモノフィラメント100aと、線径が1.0mmであるモノフィラメント100bとにより作製されたデンタルケア材300が例示されている。
さらに、デンタルケア材は、機械化された製造設備(たとえば汎用の製紐機等)により作製されてもよく、手作業により作製されてもよい。すなわち、従来のモノフィラメントの場合、上記のとおり、線径が小さいと脆くなりやすいという問題があった。そのため、機械化された製造設備はおろか手作業であっても、グリセリンや水に含浸させるなどの特殊な処理を行うことなくデンタルケア材を作製することは困難であった。しかしながら、本実施形態のデンタルケア材は、弾性歪みが20〜250%である柔軟な性状のモノフィラメントが使用される。そのため、デンタルケア材は、機械化された製造設備において効率よく作製することができる。また、デンタルケア材は、機械された製造設備により製造することができるため、容易に長尺とすることができ、かつ、品質のばらつきが小さい。
図3に戻り、デンタルケア材300は、モノフィラメント100間に多数の孔(挿入孔310)が形成されている。この挿入孔310には、ペットがデンタルケア材300を噛んだ際に歯が出し入れされる。
また、デンタルケア材300は、ペットによって上下方向から噛まれた場合、径方向の外側から内側へ圧縮応力Faが加えられる。さらに、デンタルケア材は、たとえば一方の端部がペットの前脚等で固定された状態で、他方の端部が噛まれることにより長さ方向に引張応力Fbが加えられる。これらの場合であっても、デンタルケア材300は、モノフィラメントが20〜250%の弾性歪みを有しているため、このような圧縮応力Faや引張応力Fbに対抗して弾性変形することができ、圧縮応力Faや引張応力Fbから解放された後に元の形状に復元されやすい。具体的には、本実施形態のデンタルケア材は、径方向に40〜60%圧縮する圧縮応力Faが加えられた場合や、長さ方向に10〜20%引き伸ばされる引張応力Fbが加えられた場合であっても元の形状に復元される弾性を有している。そのため、本実施形態のデンタルケア材300は、ペットが繰り返し噛んだり引き伸ばしたりする場合であっても元の形状に復元されやすい。その結果、デンタルケア材300は、長期に渡って使用することができる。
次に、デンタルケア材がペットに噛まれる際にモノフィラメントが変形する様子について説明する。図4は、ペットの歯400がデンタルケア材300の挿入孔310に出し入れされる様子を説明する模式図である。図4(a)は歯400が挿入される前の状態を説明する模式図である。図4(b)は歯400が挿入された状態を説明する模式図である。図4(c)は、歯400が抜き出されつつある状態の模式図である。図4(d)は歯400が抜き出された状態の模式図である。
図4(a)に示されるように、デンタルケア材300の挿入孔310に挿入される前の状態では、ペットの歯400の径d1(歯の根元における最大径、たとえば5mm)よりも、挿入孔310の径d2(たとえば2〜3mm)の方が小さい。ペットがデンタルケア材300を噛む際、歯400は、矢印A1方向に移動する。これにより、歯400は、挿入孔310に挿入される。
図4(b)に示されるように、歯400が挿入孔310に挿入されると、挿入された歯400の径d3に合わせて挿入孔310の径が拡げられる。図4(b)には、径がd4(たとえば4〜5mm)まで拡げられた挿入孔310が例示されている。歯400の径d3と挿入孔310の径d4とは同じ大きさである。図4(a)の状態から図4(b)の状態に変位する際、モノフィラメント100は、モノフィラメント100に対して相対的に移動する歯400によって挿入孔310の径が大きくなるよう外向きの応力Fcが加えられる。これにより、モノフィラメント100は、歯400の周面400pを擦り、歯垢を除去する。また、モノフィラメント100は、歯400が挿入される前の負荷のない状態から、単位長さ(1cm)あたり50〜60%引き伸ばされる。しかしながら、モノフィラメント100は、弾性歪みが20〜250%であるため、このように引き伸ばされた場合であっても破断することなく、歯400の径に合わせて引き伸ばされる。また、デンタルケア材300全体としては、歯400が挿入される前の負荷がない状態から、単位長さ(1cm)あたり、径方向に2〜10%短縮され、長さ方向に20〜25%引き伸ばされる。歯400は、たとえば歯茎410付近まで挿入孔310に充分に挿入されたのち、挿入孔310より引き抜かれる。
図4(c)に示されるように、歯400が矢印A2方向に動かされることにより挿入孔310から抜き出されると、挿入孔310の径は、抜き出されつつある歯400の径に合わせて縮径される。図4(c)には、抜き出されつつある歯400の径d5と同じ大きさである径d6にまで縮径された挿入孔310が例示されている。図4(b)の状態から図4(c)の状態に変位する際、モノフィラメント100は、自身の弾性に基づいて、挿入孔310が元の大きさに戻るよう変形する。この際、応力Fdは、挿入孔310の径を小さくする方向に加わる。そのため、モノフィラメント100は、モノフィラメント100に対して相対的に移動する歯400の周面400pを擦り、歯垢を除去する。
なお、参考として従来のデンタルケア材の挿入孔から歯が抜き出される様子について説明する。図5は、従来のデンタルケア材300aの挿入孔310aに挿入された歯400が抜き出される様子を説明する模式図である。従来のデンタルケア材300aは、挿入孔310aに歯400が挿入されることにより挿入孔310aを画定するモノフィラメント100aが引き伸ばされた後、挿入孔310aから歯400が抜き出されたとしても、モノフィラメント100aは、本実施形態のデンタルケア材300を構成するモノフィラメント100のような弾性歪みを有していないため、元の長さに戻らず、抜き出されつつある歯400の形状に追随して変形しない。そのため、歯400が挿入されることにより径daまで拡大された挿入孔310aは、歯400が抜き出された後も歯400の径dbに追随して縮径されない。したがって、挿入孔310aから抜き出されつつある歯400の周面400pは、モノフィラメント100aに接触しておらず、従来のデンタルケア材300aは、歯垢を充分に除去することができない。
本実施形態のデンタルケア材300の説明に戻り、図4(d)に示されるように、歯400が挿入孔310から完全に抜き出されると、挿入孔310の径d7は、挿入前と同程度に戻る。すなわち、歯400が抜き出された後の挿入孔310の径d7は、歯400が挿入される前の挿入孔310の径d2(図4(a)参照)と同程度である。
本実施形態のデンタルケア材は、このように、挿入孔に歯が挿入されるときだけでなく、抜き出されるときにも歯の形状に追随して変形し、歯の周面を万遍なく擦って歯垢を除去することができる。
なお、挿入孔を画定するモノフィラメントは、出し入れされる歯の形状に追随して瞬時に変形されることが好ましいが、挿入孔を画定するモノフィラメントが変形する速度としては、特に限定されず、抜き出される歯の形状に瞬時に追随して変形するのではなく、抜き出されつつある歯から歯垢を除去できる程度に追随して変形できる速度であればよい。
また、本実施形態では、歯が抜き出された挿入孔の径が、歯が挿入される前の挿入孔の径と同程度である場合について説明した(図4(a)および図4(d)参照)。これに代えて、歯が抜き出された挿入孔の径は、歯が挿入される前の挿入孔の径よりもいくらか大きくてもよい。すなわち、モノフィラメントは、歯が挿入孔に出し入れされる際に、歯垢が蓄積されやすい歯の根元や歯間において歯の周面を擦ることができればよい。このような径の大きさとしては、たとえば歯が挿入される前の挿入孔の径の1.5〜2.5倍であって、歯の径の0.3〜0.5倍の径が挙げられる。歯が抜き出された挿入孔の径がこの範囲であれば、歯の根元や歯間において歯垢を除去する効果が損なわれにくい。図6は、歯が抜き出された挿入孔311の状態を示す写真である。本実施形態のデンタルケア材300において、歯が抜き出された挿入孔311の径d8は、歯が挿入されなかった挿入孔312の径d9よりも2.5倍程度拡大されている。しかしながら、径d8は、歯の径d1(図4(a)参照)よりも充分に小さい。そのため、このような挿入孔311に再び歯が挿入されたとしても、挿入孔311を画定するモノフィラメント100は、歯の周面を万遍なく擦ることができ、歯垢を充分に除去することができる。
さらに、本実施形態では、図3に示されるように、モノフィラメント100を組むことにより円筒状に形成されたデンタルケア材300に関して詳細に説明した。これに代えて、本実施形態のデンタルケア材は、その他の形状であっても同様にペットの歯茎を傷付けることなく歯垢を除去することができる。具体的には、モノフィラメントからデンタルケア材を作製する方法としては特に限定されず、たとえばモノフィラメントを、編んだり、組んだり、織ったり、束ねたり、撚ったり等により作製することができる。編み方としては細編み、長編み、方眼編み、ネット編み等が挙げられ、組み方としては角打ち、平打ち、丸打ち等が挙げられ、織り方としては平織り、綾織り、朱子織り等が挙げられ、撚り方としては片撚り、双撚り、駒撚り、タスキ撚り等が挙げられる。また、デンタルケア材は、必要に応じて作製時の温度条件を変え、モノフィラメント間を融着等によって固着させてもよく、束ねたり、不織成形してもよい。
これらの作製方法により得られるデンタルケア材の形状としては特に限定されず、筒状、シート状、球状、棒状等の種々の形状であってよい。
図7は、縦横にモノフィラメント100を織って作製したシート状のデンタルケア材300bの模式図である。このようなデンタルケア材300bによれば、扁平な形状であるため、同時に複数の歯が挿入孔300bに挿入されやすく、歯垢が効率的に除去されやすい。図8は、複数本のモノフィラメント100を束ねて作製したフィラメント束110を複数準備し、これらフィラメント束110をさらに撚って作製したデンタルケア材300cの模式図である。このようなデンタルケア材300cによれば、フィラメント束110間に形成された挿入孔310cだけでなく、モノフィラメント100間に形成された挿入孔320cにも歯が挿入される。挿入孔310cと挿入孔320cとは形状が異なる。そのため、ペットの歯の大きさや形状に合わせて、適切な形状の挿入孔が選択されやすく、歯垢が除去されやすい。図9は、複数のモノフィラメント100を束ねて作製したデンタルケア材300dの模式図である。このようなデンタルケア材300dによれば、種々の大きさの挿入孔310dが形成されているため、ペットの歯の大きさや形状に合わせて、適切な形状の挿入孔が選択されやすく、歯垢が除去されやすい。また、このようなデンタルケア材300dは、たとえばモノフィラメント100間を熱で溶着させることにより作製することができる。そのため、得られるデンタルケア材300dの径が調整されやすく、製造上の利便性がよい。図10は、複数のモノフィラメント100間を固着させたデンタルケア材300eの模式図である。このようなデンタルケア材300eによれば、複数のモノフィラメント100間が固着されているので、挿入孔310eの大きさが予め決まっている。この挿入孔310eの大きさを、ペットの歯の大きさや形状に合わせることによって、歯垢が除去されやすい。また、図10に示すデンタルケア材300eは、例えば、図2に示す1軸押し出し機200の吐出部230に、図11に示すノズル500を用いることで製造することができる。なお、図11は、図2に示す1軸押し出し機の吐出部に備えるノズルの一例を示す概略図である。このノズル500は、円柱状の中央部510と、その中央部510の外周面に摺接可能に設けられた円筒部520とを有する。また、前記中央部510には、前記円筒部520と接する面に、複数の吐出口510aを備える。また、前記円筒部520には、前記中央部510と接する面に、複数の吐出口520aを備える。そして、前記中央部510は、その位置が固定され、前記円筒部520は、前記中央部510の外周面上を摺接しながら、周方向に回転する。このように円筒部520aを回転させながら、複数の吐出口510a,520aから、フィラメントをなすための原料からなる混合物を吐出させると、図10に示すような、複数のモノフィラメント間を固着させたデンタルケア材が得られる。具体的には、中央部510の吐出口510aから、フィラメント状の混合物が複数本吐出される。それと同時に、前記円筒部520の吐出口520aから、フィラメント状の混合物が複数本吐出される。この円筒部520の吐出口520aから吐出されるフィラメントは、円筒部520が回転していることから、中央部510の吐出口510aから吐出されるフィラメントと交差するように形成される。このことから、図10に示すような、複数のモノフィラメント間を固着させたデンタルケア材が得られる。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一局面は、ペット用デンタルケア材を作製するための可食性モノフィラメントであって、線径が0.3〜4.0mmであり、長さ方向への引っ張りに対する伸びを表す弾性歪みが20〜250%であることを特徴とする可食性モノフィラメントである。
本発明の可食性モノフィラメント(以下、単にモノフィラメントともいう)は、線径が0.3〜4.0mmである。そのため、このような小さな線径のモノフィラメントは、ペットがペット用デンタルケア材(以下、単にデンタルケア材ともいう)を噛んだ際に、歯の根元や隙間にまで到達し、歯の根元や隙間に蓄積された歯垢を除去しやすい。この際、モノフィラメント間の隙間に歯が挿入されることにより、モノフィラメントが伸展される。本発明のモノフィラメントは、長さ方向への引っ張りに対する伸びを表す弾性歪み(以下、単に弾性歪みともいう)が20〜250%であるため、モノフィラメント間の隙間に歯が挿入されることによりモノフィラメントが伸展され、歯の周面の形状に合わせて変形して歯垢を除去する。また、モノフィラメントは、隙間が拡大された場合であっても、次いで歯が隙間から抜き出される際には、元の長さに復元される。このとき、モノフィラメントの長さが復元されると同時に、モノフィラメント間の隙間は、抜き出されつつある歯の形状に追随するように狭められる。これにより、モノフィラメント間の隙間から抜き出されつつある歯の周面は、隙間を画定するモノフィラメントに擦られ、歯垢が除去される。また、モノフィラメントの弾性歪みが20〜250%であるため、モノフィラメントは柔軟であり、歯茎を傷めにくい。
上記構成において、可食性モノフィラメントは、長さ方向の引張強度が2〜50MPaであることが好ましい。
本発明のモノフィラメントは、長さ方向の引張強度(以下、単に引張強度ともいう)が2〜50MPaであれば、歯がモノフィラメント間に一気に挿入されて大きな荷重が付加された場合であっても破断されにくい。そのため、デンタルケア材は、長く使用され、ペットは充分に歯垢が除去される。
上記構成において、可食性モノフィラメントは、前記弾性歪みと前記引張強度とを乗じたデンタルスコアが500MPa・%以上であることが好ましい。
モノフィラメントは、弾性歪みと引張強度とを乗じたデンタルスコア(以下、単にデンタルスコアともいう)が500MPa・%以上である場合、弾性歪みと引張強度とのバランスがよい。
上記構成において、可食性モノフィラメントは、0.3〜40質量%のグリセリンと、5〜80質量%のゼラチンと、5〜40質量%の水分とを含むことが好ましい。
このような構成によれば、線径が0.3〜4.0mmであり、かつ弾性歪みが20〜250%であり、特に歯垢を除去する作用の優れたデンタルケア材が得られやすい。また、このような構成によれば、これらの原料は、たとえば押し出し成型機により取り扱いやすく、製造上の利便性がよい。
本発明の他の一局面によるペット用デンタルケア材は、上記可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材である。
本発明のペット用デンタルケア材によれば、上記可食性モノフィラメントを用いて作製されているため、ペットの歯茎を傷めにくく、かつ、歯が挿入される際だけでなく、歯が抜き出される際にも歯垢を除去する効果が優れる。
以下、本発明のモノフィラメントについて実施例により詳述する。なお、本発明のモノフィラメントは、以下に示す実施例になんら限定されるものではない。
<実施例1>
原料として、450質量部のグリセリンと、350質量部のデンプン(商品名:マツノリンS−10 松谷化学工業(株)製)と、1800質量部のゼラチン(ゼラチンMRK 新田ゼラチン(株)製)と、400質量部の水と、150質量部の調整糖とを、サイレントカッターを用いて混合し、均質化した。その後、1軸押し出し機(MS160 三機製作所(株)製)を使用し、温度85℃、60rpmのスクリュー回転で混合し、得られた混合物を吐出してモノフィラメントを作製した。この際、吐出されたモノフィラメントを適宜引っ張りながらボビンに巻き取り、モノフィラメントの線径を調整した。巻回したモノフィラメントは、ガスバリア性の包材に包み、1週間保管した。その後に測定されたモノフィラメントの線径は0.33mmであり、弾性歪みは50%であり、引張強度は11.0MPaであり、デンタルスコアは550MPa・%あった。また、破断に要した最大荷重は1.0Nであった。
なお、線径は、ノギス(SR−44 (株)ミツトヨ)を用いて測定した。弾性歪み、引張強度、最大荷重は、万能材料試験機(インストロン5581、インストロンジャパンカンパニイリミテッド製)を用いて測定した。なお、これら物理特性は、サンプルを5本作製し、各サンプルについて測定し、得られた結果の平均を求めることにより算出した。
得られたモノフィラメントを48本使用し、自動製紐機(L−48、(株)コクブンリミテッド製)を用いて丸打ちという方法で組んで、図6に示される形状のデンタルケア材を作製した。予め歯をステイン(デントリキッドプラークテスターAR ライオン(株)製)で着色したイヌ(プードル(2歳、オス)およびミニチュアシュナイザー(8歳、オス))に、作製されたデンタルケア材を計4日間、朝晩2回、噛ませて完食させ、ステインの残り具合を以下の評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
◎:歯の根元、歯間を含む全体においてステインがほぼ完全に除去された。
○:歯の根元、歯間においてステインがわずかに残存したが、全体ではほとんどのステインが除去された。
△:歯の根元、歯間においてステインがいくらか残存したが、全体では多くのステインが除去された。
×:歯の根元、歯間のみならず、全体において多くのステインが残存した。
<実施例2〜10、比較例1〜4>
使用した原料を表1のものに変更し、かつ、吐出したモノフィラメントをボビンに巻き取る際の速度を調整して表1に示される線径に調整した以外は実施例1と同様の方法によりモノフィラメントを作製した。得られたモノフィラメントの物性および評価結果を表2に示す。
Figure 0005766384
Figure 0005766384
<実施例11〜19、比較例5〜7>
使用した原料を表3のものに変更し、かつ、吐出したモノフィラメントをボビンに巻き取る際の速度を調整して表1に示される線径に調整した以外は実施例1と同様の方法によりモノフィラメントを作製した。得られたモノフィラメントの物性および評価結果を表4に示す。
なお、表3において、ゼラチンは、新田ゼラチン(株)製のゼラチンMRKを示す。また、コーンスターチは、日本コーンスターチ(株)製のコーンスターチを示す。タピオカデンプン誘導体は、ゼネラル・スターチ・リミテッド製のジェルプロ A10を示す。乾燥コラーゲンは、(株)明商製のDMF C−60を示す。チーズストロングは、デイリーゴールドフード(株)製のストロングチェダーチーズを示す。また、水は、氷を含む。また、表3に示す数値は、質量部を示し、%は、質量%を示す。
Figure 0005766384
Figure 0005766384
表2及び表4に示されるように、線径が0.3〜4.0mmであり、弾性歪みが20〜250%である実施例1〜19において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、イヌの歯からステインを除去する効果が優れていることが分かった。中でも、線径が0.75mm以上であり1.0mm未満である実施例3〜5において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、イヌの歯からステインを除去する効果が特に優れていることが分かった。また、弾性歪みが、100〜250%である実施例13〜15,17において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、イヌの歯からステインを除去する効果が優れていることが分かった。
一方、線径が0.3mm未満である比較例1、比較例2において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、最大荷重が小さく、イヌが噛んだ際に破断したため、測定が不可能であった。また、線径が4.0mmを超える比較例3、比較例4において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、歯の周面と均一に接触することができず、特に歯間に多くのステインが残った。
また、弾性歪みが20%未満である比較例5、比較例6において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、イヌに噛まれた後にモノフィラメントが復元されにくく、歯間等のステインを充分に除去できなかった。また、このデンタルケア材は、破断しやすいものであった。また、弾性歪みが250%を超える比較例7において得られたモノフィラメントを用いて作製されたデンタルケア材は、イヌが噛みにくく、また、噛んでも歯茎を痛めやすいため、しっかり噛まないまま嚥下して、歯間等のステインを充分に除去できなかった。
また、原料として、50質量部のグリセリンと、600質量部のデンプン(商品名:マツノリンM 松谷化学工業(株)製)と、800質量部のゼラチン(ゼラチンFGS−260 宏栄化成(株)製)と、450質量部の水と、2.0質量部のクロロフィル(クロレラ工業(株)製のクロレラ藻体)と、2.5質量部のリン酸化オリゴ糖カルシウム(江崎グリコ(株)製のPOs−Ca)と、1.0質量部のグロビゲン(EWニュートリション製のグロビゲンPG)とを用い、かつ、吐出したモノフィラメントをボビンに巻き取る際の速度を調整して、線径が1.3mmにした以外は、実施例1と同様の方法によりモノフィラメントを作製した。得られたモノフィラメントの弾性歪みは80%であり、引張強度は6.2MPaであり、デンタルスコアは496MPa・%あった。また、破断に要した最大荷重は6.4Nであった。また、この得られたモノフィラメントを用いて、実施例1と同様の方法で得られたデンタルケア材は、実施例11と同様、歯の根元、歯間において、ステインを好適に除去できた。このことから、クロロフィル、リン酸化オリゴ糖カルシウム、及びグロビゲンを含有しても、好適にステインを除去できるデンタルケア材が得られ、さらに、これらのクロロフィル、リン酸化オリゴ糖カルシウム、及びグロビゲンを含有することによる効果も付与することができる。
この出願は、2013年12月9日に出願された日本国特許出願特願2013−254228号を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、ペットの歯茎を傷めにくく、歯の広い範囲の歯垢を充分に除去することができるペット用デンタルケア材を作製するための可食性モノフィラメントおよび該可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材を提供することができる。
100 モノフィラメント
200 1軸押し出し機
210 フィーダー部
220 スクリュー部
230 吐出部
240 筒状体
300 デンタルケア材
310 挿入孔
400 歯
400p 周面
410 歯茎

Claims (5)

  1. ペット用デンタルケア材を作製するための可食性モノフィラメントであって、
    線径が0.3〜4.0mmであり、
    長さ方向への引っ張りに対する伸びを表す弾性歪みが20〜250%である、可食性モノフィラメント。
  2. 長さ方向の引張強度が2〜50MPaである、請求項1記載の可食性モノフィラメント。
  3. 前記弾性歪みと前記引張強度とを乗じたデンタルスコアが500MPa・%以上である、請求項2記載の可食性モノフィラメント。
  4. 0.3〜40質量%のグリセリンと、5〜80質量%のゼラチンと、5〜40質量%の水分とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可食性モノフィラメント。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の可食性モノフィラメントを用いて作製されたペット用デンタルケア材。
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