JP5765169B2 - 画像処理装置、画像読取装置、及び、画像処理プログラム - Google Patents
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しかしながら、単純に単色ブロックの割合だけで判定すると、例えば複数の領域に分割され、各領域がそれぞれ互いに異なる一色で塗り潰されている画像の場合に、二色以上からなる画像であるにもかかわらず単色画像であると誤判定してしまう虞がある。
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。
図1は、実施形態1に係る画像処理装置及び画像読取装置としての複合機1の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。複合機1は、制御部10、読取部11、印刷部12、操作部13、記憶部14、及び、通信インタフェース(通信I/F)部15を備えている。
印刷部12は、読取部11によって生成された画像や通信インタフェース部15によって外部装置から受信された画像を電子写真方式やインクジェット方式などで印刷用紙などのシートに印刷する。
記憶部14は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部14には読取部11によって生成された画像や通信インタフェース部15によって外部装置から受信された画像などが記憶される。
図2は、読取部11の構成を簡略化して示す模式図である。複合機1の筐体21は概ね箱形に形成されており、上部に第1プラテンガラス22と第2プラテンガラス23とが並設されている。なお、図2では筐体21の一部のみを示している。
ADF26の内部には、分離ローラ28、分離ローラ28を軸支する軸に基端側を軸支されたアーム29の先端部に回転自在に設けられている吸入ローラ30、複数の搬送ローラ31、32、排紙ローラ33、これらに圧接する複数の従動ローラ34、原稿の浮きを抑える原稿抑え部材35などが設けられている。原稿抑え部材35において下を向く面は白色である。原稿はこれらのローラに搬送されて搬送経路36上を搬送され、読取デバイス40による読み取り位置を通過して排紙トレイ27上に排紙される。原稿抑え部材35はカバー部材の一例である。
画像処理回路43はA/D変換回路41から出力されたデジタル信号に基づいて画像を生成し、生成した画像にガンマ補正、シェーディング補正、その他各種の画像処理を施して制御部10に出力する。
画像処理回路43は、読取領域を読み取って生成された画像を解析して原稿を表す原稿領域を検出し、検出した原稿領域を抽出する原稿領域抽出処理を実行する。原稿領域抽出処理を実行する画像処理回路43は原稿領域検出部、及び、原稿領域抽出部の一例である。
ユーザは操作部13を操作することにより、原稿領域抽出処理の有効/無効を設定することができる。操作部13は設定部の一例である。原稿領域抽出処理が無効に設定されている場合は、原稿のサイズが第1プラテンガラス22や第2プラテンガラス23の読取領域よりも小さいと、生成した画像に原稿カバー24あるいは原稿抑え部材35の裏面を表すカバー部材領域が含まれることになる。
画像処理回路43は、ADF26によって搬送される原稿を読み取る場合は、生成した画像の種別が単色画像であるか多色画像であるかを判定し、単色画像である場合は不要な画像であるとして破棄する。
ここで単色画像とは全体がほぼ一色の画像であり、例えばシートに印刷した場合にほぼ何も印刷されない白紙画像、全体がほぼ黒一色の画像、全体がほぼ特定のグレー一色の画像、全体がほぼ特定の有彩色一色の画像である。多色画像とは二色以上からなる画像である。
また、ADF26によって搬送される原稿を読み取る場合のみ単色画像を破棄するのは、ADF26によって原稿を搬送して読み取る場合は一般に複数の原稿を読み取らせるので、単色画像が生成される原稿が含まれている可能性があるからである。
なお、単色画像を破棄するのではなく、単色画像であるか多色画像であるかに応じた画像処理を施すようにしてもよい。
図3は、単色画像であるか多色画像であるかが判定される画像の例を示す模式図である。なお、図3に示す画像はあくまで一例であり、画像はこれらに限られるものではない。
画像例1は、全体がほぼ一色からなる原稿を読み取って生成した画像を示している。画像例1は単色画像と判定されるべき画像である。
画像例2は、全体がほぼ一色からなる原稿を読み取って生成した画像であるが、読み取りの際の色ずれによって二色以上となってしまった画像を示している。読み取りの際の色ずれとは、光源の輝度のばらつきやイメージセンサを構成している受光素子の感度のばらつき、あるいは受光素子が配置されている位置による入射光量のばらつき等によって色がずれてしまうことをいう。
画像例2は二色以上となってしまっているが、原稿自体は全体がほぼ一色であるので、単色画像と判定されるべき画像である。
画像例3、及び、画像例4は、全体がほぼ一色からなる原稿であって原稿抑え部材35の裏面の色とは異なる一色からなる原稿を読み取って生成した画像を示している。画像例3、及び、画像例4は原稿領域抽出処理が無効に設定されていることにより画像にカバー部材領域60bが含まれてしまっており、それにより二色以上となってしまっている。画像例3と画像例4との違いは、画像例3はカバー部材領域60bの方が原稿領域60aより大きいのに対し、画像例4は原稿領域61aの方がカバー部材領域61bより大きい点である。
画像例3、及び、画像例4は二色以上となってしまっているが、原稿自体は全体がほぼ一色であるので、単色画像と判定されるべき画像である。
画像例5は、写真原稿や文書原稿のように二色以上からなる原稿を読み取って生成した画像を示している。画像例5は画素の色がランダムであり、画像例5を後述するブロック(図4参照)に分割すると多くのブロックが二色以上からなる多色ブロックとなる。画像例5は原稿自体が二色以上からなるので、多色画像と判定されるべき画像である。
画像例6も二色以上からなる原稿を読み取って生成した画像を示している。画像例6は画像全体が複数の領域に分割され、各領域がそれぞれ互いに異なる一色で塗り潰されている。画像例6を後述するブロック(図4参照)に分割するとほとんどのブロックが一色からなる単色ブロックとなる。画像例6も原稿自体が二色以上からなるので、多色画像と判定されるべき画像である。
ここで、画像例6は、原稿領域抽出処理が有効に設定されている状態で原稿を読み取って生成されたものであるとする。
画像例7は、画像例6と同様に二色以上からなる原稿を読み取って生成した画像であるが、画像例6とは逆に、原稿領域抽出処理が無効に設定されている状態で原稿を読み取って生成されたものである。原稿領域抽出処理が無効に設定されている場合は、通常は画像にカバー部材領域が含まれるが、画像例7はプラテンガラスの読取領域のほぼ全体を覆う大きさの原稿を読み取って生成されたものであり、カバー部材領域は含まれていない。画像例7も原稿自体が二色以上からなるので、多色画像と判定されるべき画像である。
ここで、画像例7の色は何れも原稿抑え部材35の裏面の色とは異なるものとする。
画像例8は、画像例7と同様に二色以上からなる原稿を原稿領域抽出処理が無効に設定されている状態で読み取って生成された画像であるが、原稿が小さいために画像の90%以上がカバー部材領域62bである。このため原稿領域62aはかなり小さくなっている。したがって、画像例8が必要な画像であるか否かは、ユーザによって左右され、画像例8を単色画像と判定されるべき画像とするか多色画像と判定されるべき画像とするかは、判断がつきにくい。
次に、画像が単色画像であるか多色画像であるかを判定する画像種別判定処理について説明する。ここでは先ず画像種別判定処理の概要について説明し、その後に画像種別判定処理の全体的な流れ、画像種別判定処理のフローチャートについて説明する。
画像処理回路43は、画像の一部に単色とはいえない部分があっても、人が見た場合に全体として単色と認識される場合には、単色画像であると判定する。例えば画像に白でない部分が含まれていても、人が見た場合に全体として白と認識される場合は、全体が白一色の画像、すなわち単色画像であると判定する。多色画像についても同様である。
そして、画像処理回路43は、画像を構成している全ブロックの数に占める単色ブロックの数の割合に基づいて単色画像であるか多色画像であるかを判定する。
ブロックの判定においても、画像処理回路43は一部に単色とはいえない部分があっても、人が見た場合に全体として単色と認識される場合には単色ブロックであると判定する。多色ブロックについても同様である。
しかしながら、そのように判定すると本実施形態においては説明されない他の処理を行う際に不都合を生じる場合があるので、ブロックに分割して判定する。なお、他の処理での不都合を考慮しない場合でも、ブロックに分割すると画素単位に処理する場合に比べて処理するデータ量を低減できるので、処理速度の低下やメモリ使用量の増大を抑制でき、画像の種別を効率よく判定できるという利点がある。
画像種別判定処理の全体的な流れについて、図3に示す画像例を例に説明する。
先ず、画像処理回路43は、生成した画像を構成している全ブロックに占める単色ブロックの割合が90%(第1の閾値の一例)以上であるか否かを判定し、90%未満である場合は、この段階で画像は多色画像であると判定する。
画像例5は単色ブロックの割合が90%未満となるので、この段階で多色画像であると判定される。
一方、それ以外の画像(画像例1〜画像例4、及び、画像例6〜画像例8)は単色ブロックの割合が90%以上となるので、この段階ではまだ種別を判定できない。
なお、第1の閾値を90%としたのは一例であり、何%とするかは適宜に選択可能である。これは本実施形態の他の閾値についても同様である。
次に、画像処理回路43は、上述した(6−2−1)で種別を判定されなかった画像(画像例1〜画像例4、及び、画像例6〜画像例8)について、以下に説明する第2のヒストグラムにおける最頻値の割合が90%(第2の閾値の一例)以上であるか否かを判定し、90%以上である場合は、この段階で画像は単色画像であると判定する。
ここで最頻値とは最も出現頻度が高い値のことをいう。例えば、各画素のY成分の値がそれぞれ5、2、6、7、2、4、2、9、5、1であるとすると、2の出現頻度が最も多いので、Y成分の最頻値は2である。
なお、詳しくは後述するが、画像処理回路43は単色ブロックであるか多色ブロックであるかを判定するためにこの段階より前にブロック毎に第1のヒストグラムを作成して最頻値を求めるので、ここではその最頻値を流用するものとする。
ここで最頻値の割合とは、全ての値の数に占める、最も出現頻度が高い値(最頻値)の数の割合をいう。例えばブロック毎に求められた最頻値がそれぞれ5、2、6、7、2、4、2、9、5、1であるとすると、2の出現頻度が最も多いので第2のヒストグラムにおける最頻値は2である。そして、最頻値である2の数は3であるので、第2のヒストグラムにおける最頻値の割合は3/10(=30%)となる。
そして、画像処理回路43は、第2のヒストグラムにおける最頻値の割合が90%以上であるか否かを判定し、90%以上である場合は単色画像であると判定する。
画像例2は読み取りの際の色ずれによって二色以上になってしまっているので、第2のヒストグラムを作成すると図6に示すようにピークが分散してしまい、第2のヒストグラムにおける最頻値の割合は90%未満となる。このため、この段階ではまだ種別を判定できない。
画像例3、画像例4、画像例6、及び、画像例7も第2のヒストグラムのピークが分散してしまい、第2のヒストグラムにおける最頻値の割合は90%未満となる。このため、この段階ではまだ種別を判定できない。
なお、画像例8がユーザにとって必要な画像である場合は、例えば(6−2−1)において第1の閾値を95%にすれば画像例8が多色画像と判定されるとすると、画像が破棄されてしまった場合はユーザが第1の閾値を95%以上に変更して再度原稿を読み取らせることにより、画像例8が多色画像と判定されるようにしてもよい。あるいは、種別の判定を行うか否かをユーザが設定できるようにし、画像例8のような原稿を読み取らせる場合は種別の判定を行わないようにユーザが設定することによって多色画像と扱われるようにしてもよい。
本実施形態の他の閾値についても同様であり、ユーザがその閾値を変更できるようにしてもよい。
なお、上述した第1のヒストグラムについても、Y成分の階調範囲(0〜255)を256区間よりも粗い区間に区切って作成してもよい。
次に、画像処理回路43は、上述した(6−2−2)で種別を判定されなかった画像(画像例2〜画像例4、画像例6、及び、画像例7)について、読み取りの際の色ずれによって二色以上になってしまった画像であるか否かを判定し、読み取りの際の色ずれによって二色以上になってしまった画像であると判定した場合は、この段階で画像は単色画像であると判定する。
画像例3、画像例4、画像例6、及び、画像例7は、第2のヒストグラムにおいて一つの色がピークになっても、他の色はその色と大きく異なることにより、他の色を表すブロックの最頻値が、当該一つの色を表すブロックの最頻値が含まれる区間より一つ下の区間、あるいは一つ上の区間に含まれる可能性は低い。このため合計割合は90%未満となる。従って、画像例3、画像例4、画像例6、及び、画像例7は、この段階ではまだ種別を判定できない。
次に、画像処理回路43は、上述した(6−2−3)で種別を判定されなかった画像(画像例3、画像例4、画像例6、及び、画像例7)について、原稿領域抽出処理が有効に設定されているか否かを判定し、原稿領域抽出処理が有効に設定されている場合は、この段階で画像は多色画像であると判定する。
一方、画像例3、画像例4、及び、画像例7は原稿領域抽出処理が無効に設定されている状態で生成された画像であるので、原稿領域抽出処理は無効に設定されていると判定されることになり、この段階ではまだ種別を判定できない。
次に、画像処理回路43は、上述した(6−2−4)で種別を判定されなかった画像(画像例3、画像例4、及び、画像例7)について、第2のヒストグラムにおける最頻値、又は、第2のヒストグラムにおける2番目の最頻値と原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値とが一致するかを判定し、いずれか一方が一致する場合は、画像は単色画像であると判定する。ここで、原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値は予めROM10bに記憶されているものとする。
単色画像の色は主に原稿領域を表している色とカバー部材領域を表している色との2色であるので、単色画像であれば第2のヒストグラムにおける最頻値、又は、第2のヒストグラムにおける2番目の最頻値は、原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値と一致する。
一方、第2のヒストグラムにおける最頻値、及び、第2のヒストグラムにおける2番目の最頻値がいずれも原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値と一致しなければ多色画像と判定する。
一方、画像例7は原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値と一致しないので、この段階で多色画像と判定される。
図7は、上述した画像種別判定処理の流れを示すフローチャートである。
S101では、画像処理回路43は処理量を軽減するために画像を間引く。どの程度間引くかは適宜に選択可能である。
S102では、画像処理回路43は画像から縁部を除外する。原稿とプラテンガラスとの間には原稿の厚み分の段差があり、原稿領域抽出処理が有効に設定されている場合には画像の縁部に段差が影として表れてしまうことがある。画像から縁部を除外するのは段差を表す影の影響によって画像の種別が誤判定されないようにするためである。なお、原稿領域抽出処理が無効に設定されている場合はこの処理を行わないようにしてもよい。
ここで、S103でYCbCr色空間に変換された画像は、原稿領域抽出処理が無効に設定されている場合は読取部11によって読取領域を読み取って生成された画像をYCbCr色空間に変換したものであり、一方、原稿領域抽出処理が有効に設定されている場合は読取部11によって読取領域を読み取って生成された画像から抽出された原稿領域をYCbCr色空間に変換したものである。
S105では、画像処理回路43はブロックを一つ選択する。S105の処理が2回目以降である場合は未だ選択していないブロックを選択するものとする。
S106では、画像処理回路43は選択したブロックが単色ブロックであるか多色ブロックであるかを判定するブロック判定処理を実行する。ブロック判定処理の詳細については後述する。
上述したS101〜S105を実行する画像処理回路43は単色/多色ブロック判定部の一例である。
S108では、画像処理回路43はブロック判定処理によって判定されたブロックの割合に基づいて画像の種別を判定する画像判定処理を実行する。画像判定処理の詳細については後述する。
図8は、ブロック判定処理の流れを示すフローチャートである。
S201では、画像処理回路43はS105で選択したブロックを構成している画素のY成分の値のヒストグラムである第1のヒストグラムを作成し、第1のヒストグラムから、Y成分の最頻値、及び、当該ブロックにおいてY成分の値が当該最頻値と一致する画素の割合(以下「Y成分の最頻値の割合」という)を求める。
ここで求めたY成分の最頻値は第2のヒストグラムの生成でも用いるので、画像処理回路43は求めたY成分の最頻値をRAM10cに記憶する。
上述したS201を実行する画像処理回路43は、ブロック単位最頻値算出部の一例である。
ここで、Y成分の最頻値の割合が90%以上であってもCb、Cr成分が異なれば二以上の色があることになるが、一般にブロックの単位ではY成分の最頻値が90%以上のときにCb、Cr成分が異なることは少なく、経験的にこのような判定で十分であるため、本実施形態では単色ブロックであるか多色ブロックであるかをY成分の値だけで判定する。なお、単色ブロックであるか多色ブロックであるかをCb、Cr成分を考慮して判定してもよい。
画像処理回路43は、当該ブロックのY成分の最頻値の割合が90%以上であると判定した場合は単色ブロックであるとしてS203に進み、90%未満であると判定した場合は多色ブロックであるとしてS204に進む。
S204では、画像処理回路43は、多色ブロックであると判定する。
図9及び図10は、S108で実行される画像判定処理の流れを示すフローチャートである。
S301では、画像処理回路43は画像を構成する全ブロックに占める単色ブロックの割合を求め、単色ブロックの割合が90%(第1の閾値の一例)未満である場合は多色画像であるとしてS312に進み、90%以上である場合はこの段階ではまだ種別が不明であるとしてS302に進む。S301を実行する画像処理回路43は単色ブロック割合判定部の一例である。
最頻値が1つ下の区間に含まれるブロックの割合と、最頻値が1つ上の区間に含まれるブロックの割合とを合計した割合は、第2のヒストグラムにおける最頻値との差が第3の閾値以内であるブロックの割合の一例である。ここで、本実施形態ではY成分の階調範囲を64区間に区切るので1区間は4階調に相当し、従って第3の閾値は±4であることになる。S305を実行する画像処理回路43は非最頻値割合算出部の一例である。非最頻値とは、最頻値ではない値のことをいう。
ここで、S304において第2のヒストグラムにおける最頻値の割合が60%(第4の閾値の一例)未満であると判定された場合はS305〜S306がスキップされるので、合計割合が90%(第2の閾値の一例)以上であっても単色画像であるとは判定されないことになる。
|第2のヒストグラムにおける最頻値と原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値との差|≦5(第6の閾値の一例) ・・・ 式1
画像処理回路43は、式1が満たされる場合は単色画像であるとしてS310に進み、式1が満たされない場合はこの段階ではまだ種別が不明であるとしてS309に進む。S308を実行する画像処理回路43は第3の画像種別判定部の一例である。
|第2のヒストグラムにおける2番目の最頻値と原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値との差|≦5(第6の閾値の一例) ・・・ 式2
画像処理回路43は、式2が満たされる場合は単色画像であるとしてS310に進み、式2が満たされない場合は多色画像であるとしてS312に進む。
上述したS308〜S309を実行する画像処理回路43は第3の画像種別判定部の一例である。
S311では、画像処理回路43は、単色画像を破棄する。
S312では、画像処理回路43は画像が多色画像であると判定する。
以上説明した実施形態1に係る複合機1によると、S301において単色ブロックの割合が90%(第1の閾値の一例)以上であると判定しても直ちに単色画像であると判定するのではなく、S303において第2のヒストグラムにおける最頻値の割合が90%(第2の閾値の一例)以上であるか否かを判定し、90%以上であれば単色画像であると判定する。これにより、画像例6のように画像全体が複数の領域に分割され、各領域がそれぞれ互いに異なる一色で塗り潰されている画像が単色画像であると誤判定されないようにすることができる。
よって複合機1によると、単色ブロックの割合に基づいて画像が単色画像であるか否かを判定する際の判定精度を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態1では第2のヒストグラムにおける最頻値の割合が60%以上であり、且つ、前述した合計割合が90%以上である場合は、読み取りの際の色ずれによって二色以上になってしまった画像であるとして単色画像であると判定する場合を例に説明したが、第2のヒストグラムにおける最頻値の割合が60%以上であり、且つ、前述した合計割合が90%以上である場合であっても、最頻値が1つ下の区間に含まれるブロックの割合と最頻値が1つ上の区間に含まれるブロックの割合とを合計した割合と、第2のヒストグラムにおける最頻値の割合との差が極端に大きければ単色画像であるとは判定しないようにしてもよい。
なお、第5の閾値は多色画像が単色画像であると誤判定されなくなる境界となる値を実験によって調べることによって適宜に決定することができる。
実施形態2はその他の点において実施形態1と実質的に同一であるのでフローチャートは省略する。
次に、本発明の実施形態3を図11ないし図12によって説明する。
実施形態3では実施形態1の画像例に加えて更に図11に示す画像例9を考慮して判定する。
しかしながら、画像例9はカバー部材領域70bが含まれていることにより、第2のヒストグラムにおける最頻値、あるいは、第2のヒストグラムにおける2番目の最頻値と原稿抑え部材35の裏面を表す画素のY成分の値とが一致し、本来は多色画像と判定されるべきであるが、単色画像と判定されてしまう可能性がある。
そのため、画像例9を考慮する場合には、図10に示すS308〜S309ではなく、図12に示すようにS401〜S403を実行するようにしてもよい。
S401では、画像処理回路43は画像からカバー部材領域を除外する。
S402では、画像処理回路43はカバー部材領域が除外された後の画像について第2のヒストグラムに相当する第3のヒストグラムを作成する。
S403では、画像処理回路43は第3のヒストグラムにおける最頻値が90%以上であれば単色画像と判定し、90%未満であれば多色画像であると判定する。
なお、実施形態3に係る複合機によると、画像例9の場合は原稿領域抽出処理が無効に設定されていてもそれに相当する処理を実行することになってしまうが、原稿領域抽出処理に相当する処理を実行するのはS307で原稿領域抽出処理が無効に設定されていると判定された場合のみであるので、原稿領域抽出処理が有効に設定されているか無効に設定されているかによらず常に原稿領域抽出処理に相当する処理を実行してから画像の種別を判定する場合に比べて処理量を低減できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば他の画素と色が異なる画素が一つでもあれば多色ブロックと判定し、全ての画素が同じ色であれば単色ブロックであると判定してもよい。ブロックを判定するときに第1のヒストグラムを用いない場合は、第2のヒストグラムを作成する直前に単色ブロックについてのみ第1のヒストグラムを作成すればよい。
単色ブロックであるか多色ブロックであるかを第1のヒストグラムを用いて判定しない場合とは、ブロックの全ての画素のY成分が一致すれば単色ブロックと判定し、ブロックに一つでも他の画素とY成分の値が異なる画素がある場合、あるいはブロックに他の画素とY成分の値が異なる画素が一定数以上ある場合は多色ブロックであると判定する場合などである。ブロックが単色ブロックであるか多色ブロックであるかをどのように判定するかは適宜に選択可能である。
Claims (12)
- YCbCr色空間で表される画像を複数のブロックに分割してブロック毎に当該ブロックが単色ブロックであるか多色ブロックであるかを判定する単色/多色ブロック判定部と、
前記画像に占める前記単色ブロックの割合が第1の閾値以上であるか否かを判定する単色ブロック割合判定部と、
前記単色/多色ブロック判定部によって単色ブロックと判定された前記ブロックについて、前記ブロック毎に当該ブロックを構成している画素のY成分の値のヒストグラムである第1のヒストグラムを作成し、前記第1のヒストグラムにおける最頻値を求めるブロック単位最頻値算出部と、
前記ブロック単位最頻値算出部によって前記単色ブロック毎に求められた前記最頻値のヒストグラムである第2のヒストグラムを作成し、前記第2のヒストグラムにおける全ての値の数に占める最も出現頻度が高い値の数の割合である最頻値の割合を求める画像単位最頻値割合算出部と、
前記画像単位最頻値割合算出部によって求められた前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値の割合が第2の閾値以上であるか否かを判定する最頻値割合判定部と、
前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値以上であると判定され、且つ、前記最頻値割合判定部によって前記最頻値の割合が前記第2の閾値以上であると判定された場合は、前記画像は単色画像であると判定する第1の画像種別判定部と、
を備える画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値未満であると判定された場合は、前記画像単位最頻値割合算出部、及び、前記最頻値割合判定部の動作を実行しない、画像処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値以上であると判定され、且つ、前記第1の画像種別判定部によって前記最頻値の割合が前記第2の閾値未満であると判定された場合に、前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値との差が第3の閾値以内である前記ブロックの割合を算出する非最頻値ブロック割合算出部と、
前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値の割合と前記非最頻値ブロック割合算出部によって算出された前記割合とを合計した合計割合が前記第2の閾値以上である場合は、前記画像は単色画像であると判定する第2の画像種別判定部と、
を備える画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置であって、
前記第2の画像種別判定部は、前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値の割合が前記第2の閾値より小さい第4の閾値以上であり、且つ、前記合計割合が前記第2の閾値以上である場合に、前記画像は単色画像であると判定する、画像処理装置。 - 請求項3又は請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記第2の画像種別判定部は、前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値の割合と、前記非最頻値ブロック割合算出部によって算出された前記割合との差が第5の閾値以上であり、且つ、前記合計割合が前記第2の閾値以上である場合に、前記画像は単色画像であると判定する、画像処理装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
読取領域を覆うカバー部材と、
前記読取領域を読み取って画像を生成する読取部と、
を備え、
前記YCbCr色空間で表される前記画像は前記読取部によって前記読取領域を読み取って生成された画像をYCbCr色空間に変換したものであり、
前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が第1の閾値以上であると判定され、且つ、前記第1の画像種別判定部によって前記最頻値の割合が前記第2の閾値未満であると判定された場合に、前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値と前記カバー部材の裏面を表す画素のY成分の値との差、又は、前記第2のヒストグラムにおける2番目の最頻値と前記カバー部材の裏面を表す画素のY成分の値との差が第6の閾値未満である場合は、前記画像は単色画像であると判定し、いずれの差も前記第6の閾値を超えている場合は、前記画像は多色画像であると判定する第3の画像種別判定部を備える、画像処理装置。 - 請求項6に記載の画像処理装置であって、
前記読取部によって生成された前記画像を解析して原稿を表す原稿領域を検出する原稿領域検出部と、
前記原稿領域検出部による原稿領域の検出の有効/無効を設定する設定部と、
前記設定部によって前記原稿領域検出部による原稿領域の検出が有効に設定されている場合に、前記原稿領域検出部によって検出された原稿領域を抽出する原稿領域抽出部と、を備え、
前記YCbCr色空間で表される前記画像は、前記設定部によって前記原稿領域検出部による原稿領域の検出が無効に設定されている場合は前記読取部によって前記読取領域を読み取って生成された画像をYCbCr色空間に変換したものであり、一方、前記設定部によって前記原稿領域検出部による原稿領域の検出が有効に設定されている場合は前記原稿領域抽出部によって抽出された前記原稿領域をYCbCr色空間に変換したものであり、
前記第3の画像種別判定部は、前記原稿領域検出部による原稿領域の検出が有効に設定されている場合は、前記画像は多色画像であると判定する、画像処理装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
読取領域を覆うカバー部材と、
前記読取領域を読み取って画像を生成する読取部と、
前記読取部によって生成された前記画像を解析して原稿を表す原稿領域を検出する原稿領域検出部と、
前記画像から前記原稿領域検出部によって検出された原稿領域を抽出する原稿領域抽出部と、
を備え、
前記YCbCr色空間で表される前記画像は前記原稿領域抽出部によって抽出された前記原稿領域をYCbCr色空間に変換したものであり、
前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値未満であると判定された場合、又は、前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値以上であると判定され、且つ、前記第1の画像種別判定部によって前記最頻値の割合が前記第2の閾値未満であると判定された場合は、前記画像は多色画像であると判定する第3の画像種別判定部を備える、画像処理装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記ブロック単位最頻値算出部は、前記画像から縁部を除外した内側部分を対象として前記ブロックに分割する、画像処理装置。 - 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記画像が単色画像であると判定された場合に、当該画像を破棄する、画像処理装置。 - 読取領域を覆うカバー部材と、
前記読取領域を読み取って画像を生成する読取部と、
読取部によって生成された画像の色空間をYCbCr色空間に変換する色空間変換部と、
前記色空間変換部によってYCbCr色空間に変換された前記画像を複数のブロックに分割してブロック毎に当該ブロックが単色ブロックであるか多色ブロックであるかを判定する単色/多色ブロック判定部と、
前記画像に占める前記単色ブロックの割合が第1の閾値以上であるか否かを判定する単色ブロック割合判定部と、
前記単色/多色ブロック判定部によって単色ブロックと判定された前記ブロックについて、前記ブロック毎に当該ブロックを構成している画素のY成分の値のヒストグラムである第1のヒストグラムを作成し、前記第1のヒストグラムにおける最頻値を求めるブロック単位最頻値算出部と、
前記ブロック単位最頻値算出部によって前記単色ブロック毎に求められた前記最頻値のヒストグラムである第2のヒストグラムを作成し、前記第2のヒストグラムにおける全ての値の数に占める最も出現頻度が高い値の数の割合である最頻値の割合を求める画像単位最頻値割合算出部と、
前記画像単位最頻値割合算出部によって求められた前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値の割合が第2の閾値以上であるか否かを判定する最頻値割合判定部と、
前記単色ブロック割合判定部によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値以上であると判定され、且つ、前記最頻値割合判定部によって前記最頻値の割合が前記第2の閾値以上であると判定された場合は、前記画像は単色画像であると判定する第1の画像種別判定部と、
を備える画像読取装置。 - YCbCr色空間で表される画像を複数のブロックに分割してブロック毎に当該ブロックが単色ブロックであるか多色ブロックであるかを判定する単色/多色ブロック判定処理と、
前記画像に占める前記単色ブロックの割合が第1の閾値以上であるか否かを判定する単色ブロック割合判定処理と、
前記単色/多色ブロック判定処理によって単色ブロックと判定された前記ブロックについて、前記ブロック毎に当該ブロックを構成している画素のY成分の値のヒストグラムである第1のヒストグラムを作成し、前記第1のヒストグラムにおける最頻値を求めるブロック単位最頻値算出処理と、
前記ブロック単位最頻値算出処理によって前記単色ブロック毎に求められた前記最頻値のヒストグラムである第2のヒストグラムを作成し、前記第2のヒストグラムにおける全ての値の数に占める最も出現頻度が高い値の数の割合である最頻値の割合を求める画像単位最頻値割合算出処理と、
前記画像単位最頻値割合算出処理によって求められた前記第2のヒストグラムにおける前記最頻値の割合が第2の閾値以上であるか否かを判定する最頻値割合判定処理と、
前記単色ブロック割合判定処理によって前記単色ブロックの割合が前記第1の閾値以上であると判定され、且つ、前記最頻値割合判定処理によって前記最頻値の割合が前記第2の閾値以上であると判定された場合は、前記画像は単色画像であると判定する第1の画像種別判定処理と、
をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
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