JP5763559B2 - 積層コアの焼鈍方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層コアの焼鈍方法に関するものである。特に、短時間で焼鈍を行う場合に用いられて好適である。
比較的小型の回転機等に用いられる積層コアは、無方向性電磁鋼鈑を所定の形状に打ち抜いて積層し、溶接やかしめ等の方法により固定することで形成される。一般に打ち抜きによる歪みで鉄損が増加し、回転機等のエネルギー効率が低下してしまうため、歪みを除去するために積層コアを形成した後に焼鈍することがある。このように積層コアを焼鈍する技術は、特許文献1および特許文献2などにも開示されている。焼鈍には加熱、均熱および冷却の工程を有し、その完了までに長時間を要するために、積層コアの生産性を向上させることが困難であった。
一方、特許文献3に開示された技術には、誘導加熱を用いることで積層コアの加熱時間を短縮化させる技術が開示されている。
特開昭54−1803号公報 特開平11−332183号公報 特開昭59−123719号公報
しかしながら、焼鈍を短時間に行うと積層コアが形状劣化してしまうという問題がある。具体的には、積層コアのうち上面が波打ってしまったり、積層コアの真円度や鉛直度が劣化してしまったりする。形状劣化が生じた積層コアを回転機に組み付けると、組み付け精度の向上が図れず、回動機の効率が低下してしまう。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、積層コアを短時間で焼鈍する場合であっても、積層コアの形状劣化を抑制することができる積層コアの焼鈍方法を提供することを目的とする。
発明の積層コアの焼鈍方法は、電磁鋼鈑を積層させた積層コアの焼鈍方法であって、焼鈍における加熱および冷却の少なくとも何れか一方において、前記積層コアの上面に錘を載置することで前記積層コアの軸方向に沿って荷重をかけ、前記錘は、前記積層コアの内部に形成される空間と連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の積層コアの焼鈍方法は、電磁鋼鈑を積層させた積層コアの焼鈍方法であって、焼鈍における加熱および冷却の少なくとも何れか一方において、前記積層コアの上面に錘を載置することで前記積層コアの軸方向に沿って荷重をかけ、前記積層コアの内周または外周が輻射回避部により覆われていることを特徴とする。
また、前記輻射回避部は、前記錘に一体的に形成されていることを特徴とする。
本発明の積層コアの焼鈍方法は、電磁鋼鈑を積層させた積層コアの焼鈍方法であって、焼鈍における加熱および冷却の少なくとも何れか一方において、電磁鋼鈑を積層した状態で予め固定した第1の積層コアの上面に錘としての1つ以上の、電磁鋼鈑を積層した状態で予め固定した他の積層コアを軸方向に沿って重ね合わせて、載置することで前記第1の積層コアの軸方向に沿って荷重をかけることを特徴とする。
また、前記錘は、略一定板厚に形成された板体であることを特徴とする。
本発明によれば、積層コアを短時間で焼鈍する場合であっても、積層コアの形状劣化を抑制することができる。
積層コアの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る焼鈍方法を説明するための図である。 第2の実施形態に係る焼鈍方法を説明するための図である。 第3の実施形態に係る焼鈍方法を説明するための図である。 第4の実施形態に係る焼鈍方法を説明するための図である。 第5の実施形態に係る焼鈍方法を説明するための図である。 形状劣化を比較するために積層コアの測定箇所を示す図である。 温度偏差を比較するために積層コアの測定箇所を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
まず、積層コアを製造する工程について簡単に説明する。なお、本実施形態では、積層コアとして回動機の固定子の積層コアを用いる。
まず、固定子用のプレス金型を用いて無方向性電磁鋼鈑(以下、電磁鋼鈑という)を一枚ずつ打ち抜く。次に、打ち抜いた電磁鋼鈑を所定の枚数積層させた状態で固定し、積層コアを形成する。積層コアの固定には、溶接やかしめなどを用いることができる。図1は、積層コア10の構成を示す図である。図1に示すように、積層コア10はコアバック部11とティース部12とを有している。コアバック部11は積層コア10の軸方向(図1に示す軸A方向を参照)に沿って円筒状に形成される。また、ティース部12は、コアバック部11の内周から積層コア10の中心に向かって延出している。ティース部12は、コアバック部11の内周の周方向に沿って等間隔で複数形成される。また、積層コア10内には、軸方向に沿った空間13が形成される。
次に、積層コアを加熱炉(焼鈍炉)にて焼鈍する。加熱炉には、いわゆるバッチ炉や連続炉などを用いることができる。積層コアの焼鈍では、積層コアを高温で加熱する加熱工程を経た後、冷却する冷却工程を有する。なお、場合によって加熱工程には、積層コアを均熱する工程も含まれる。
積層コアを焼鈍することで、電磁鋼鈑を打ち抜くときに発生した歪を除去することができる。
さて、従来では積層コアを焼鈍する工程では長時間を要していたために、積層コアの生産性の向上を図ることが容易ではなかった。そこで、焼鈍の加熱および冷却を短時間で行うことが考えられるが、この場合、積層コアの軸方向のうち上方に配置された電磁鋼鈑が波打ってしまい形状劣化が生じていた。そこで、本発明者は、積層コアを軸方向が鉛直方向になるように配置し、その上面に錘を載置した状態で焼鈍することで短時間で焼鈍しても積層コアの形状劣化を抑制できることを見出した。以下、具体的に、本実施形態に係る積層コアの焼鈍方法について説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態の焼鈍方法を説明するための図である。本実施形態では、積層コア10の上面に載置する錘20として、略一定板厚に形成された板体を用いる。錘20には、耐熱性を有する材質、例えばステンレス鋼やセラミックなどを用いることができる。また、錘20は積層コア10上面の全てを覆う大きさに形成されている。なお、ここでは、錘20の形状を円形としているが、円形に限られず矩形状にしてもよい。
図2に示すように錘20を積層コア10の上面に載置して焼鈍することで、積層コア10の各電磁鋼鈑は錘20によって荷重がかけられているために、各電磁鋼鈑は水平を維持した状態で焼鈍される。また、焼鈍の加熱工程では、錘20は加熱炉から直接の輻射を回避する、輻射回避部としての役割を有する。すなわち、焼鈍のために加熱炉内に配置される積層コア10は、その配置位置によって加熱炉の輻射熱が異なる。そのため、錘20がない場合、積層コア10が局所的に加熱される部位が発生する。本実施形態の錘20を介在させることで加熱炉からの直接の輻射を防ぎ、局所的な加熱を防止することができる。そのため、積層コア10が加熱されるときの温度偏差を低減させることができ、形状劣化をより抑制することができる。
一方、焼鈍の冷却工程では、錘20は積層コア10の各部位を均一に冷却させる役割を有する。すなわち、錘20がない場合、加熱された積層コア10は、外気あるいは加熱炉内の雰囲気と接している上面から冷却され、積層コア10の軸方向の上下で温度偏差が生じてしまう。本実施形態の錘20を積層コア10の上面に載置することで、積層コア10の上面が急激に冷却されることを防止することができる。そのため、積層コア10が冷却させるときの温度偏差を低減させることができ、形状劣化をより抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、焼鈍を短時間で行う場合であっても、積層コア10の上面に錘20を配置することで、各電磁鋼鈑は鉛直方向に押し付けられ水平を維持した状態で焼鈍される。また、積層コア10の上面に錘20を配置することで、加熱および冷却の少なくとも何れか一方の工程で、積層コア10内の温度偏差を低減させることができる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態の焼鈍方法を説明するための図である。本実施形態では、積層コア10の上面に載置する錘30として、略一定板厚であって中央に貫通孔31が形成された板体を用いる。錘30は、積層コア10上面、すなわちコアバック部11およびティース部12を覆う大きさに形成されている。また、錘30は、その貫通孔31が積層コア10の内部の空間13と連通する状態になるように、積層コア10の上面に載置される。また、錘30は、第1の実施形態の錘20と同様の材質を用いることができる。
図3に示すように錘30を積層コア10の上面に載置して焼鈍することで、第1の実施形態と同様、積層コア10の各電磁鋼鈑は水平が維持されると共に積層コア10の温度偏差を低減させることができるので、積層コア10の形状劣化を抑制することができる。また、上述した打ち抜き工程では、電磁鋼鈑を打ち抜く形状に応じてティース部12に歪みが多く発生する場合がある。このような場合、本実施形態のように錘30に貫通孔31を形成することで、貫通孔31を通して積層コア10のティース部12がより加熱され、ティース部12の歪みを除去することができる。
このように、本実施形態によれば、焼鈍において錘30を用いることで、第1の実施形態の効果に加え、ティース部12の歪みが大きい積層コア10の焼鈍に用いることでティース部12の歪みをより除去し、鉄損を削減させることができる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態の焼鈍方法を説明するための図である。本実施形態では、積層コア10の上面に載置する錘40として、略一定板厚であって中央に貫通孔42が形成された板体41と、板体41の外周から鉛直方向に垂下させた円筒状の輻射回避部43とが一体に形成されたものを用いる。板体41は、第2の実施形態の錘30と同一の形状である。また、輻射回避部43は、積層コア10の外周を覆うことができる大きさに形成されている。また、輻射回避部43の高さ(図4に示すH1)は、積層コア10の高さ(図1に示すHc)よりも小さいことが好ましい。輻射回避部43の高さが、積層コア10の高さ以上の場合、輻射回避部43の下部が積層コア10の設置面に接触してしまい、積層コア10に対して十分な荷重をかけられない虞があるためである。なお、錘40は、第1の実施形態の錘20と同様の材質を用いることができる。
図4に示すように錘40を積層コア10の上面に載置して焼鈍することで、錘40のうち板体41によって、第1の実施形態と同様、積層コア10の各電磁鋼鈑は水平が維持されると共に積層コア10の温度偏差を低減させることができるので、積層コア10の形状劣化を抑制することができる。また、輻射回避部43は、加熱炉から直接の輻射を回避することができる。すなわち、焼鈍のために加熱炉内に配置される積層コア10の外周は、その配置位置によって加熱炉の輻射熱が異なる。そのため、輻射回避部43を介在させることで加熱炉からの直接の輻射を防ぎ、積層コア10の外周における局所的な加熱を防止することができる。そのため、積層コア10の外周が加熱されるときの温度偏差を低減させることでき、形状劣化をより抑制することができる。
一方、焼鈍の冷却工程では、輻射回避部43は積層コア10の外周を冷却させたくない場合にも役割を有する。すなわち、輻射回避部43がない場合、加熱された積層コア10は、外気あるいは加熱炉内の雰囲気と接している外周から冷却されてしまう。本実施形態の輻射回避部43は、積層コア10の外周を覆うことで、積層コア10の外周が急激に冷却されることを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、焼鈍において錘40を用いることで、第2の実施形態の効果に加え、積層コア10の外周を覆うように配置された輻射回避部43により加熱炉からの直接の輻射を防ぎ、積層コア10の外周の局所的な加熱を防止することができる。また、積層コア10の外周の急激な冷却を防止することができる。なお、本実施形態では、板体41と輻射回避部43とが一体に形成された錘40について説明したが、この場合に限られず、板体41と輻射回避部43とを別体に構成してもよい。
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態の焼鈍方法を説明するための図である。本実施形態では、積層コア10の上面に載置する錘50として、略一定板厚であって中央に貫通孔52が形成された板体51と、貫通孔52の内周から鉛直方向に垂下させた円筒状の輻射回避部53とが一体に形成されたものを用いる。板体51は、第2の実施形態の錘30と同一の形状である。また、輻射回避部53は、積層コア10の空間13に沿って挿入され、積層コア10の内周を覆うことができる大きさに形成されている。また、輻射回避部53の高さ(図5に示すH2)は、積層コア10の高さ(図1に示すHc)よりも小さいことが好ましい。輻射回避部53の高さが、積層コア10の高さ以上の場合、輻射回避部53の下部が積層コア10の設置面に接触してしまい、積層コア10に対して十分な荷重をかけられない虞があるためである。なお、錘50は、第1の実施形態の錘20と同様の材質を用いることができる。
図5に示すように錘50を積層コア10の上面に載置して焼鈍することで、錘50のうち板体51によって、第1の実施形態と同様、積層コア10の各電磁鋼鈑は水平が維持されると共に積層コア10の温度偏差を低減させることができるので、積層コア10の形状劣化を抑制することができる。また、輻射回避部53は、加熱炉から直接の輻射を回避することができる。すなわち、焼鈍のために加熱炉内に配置される積層コア10の内周は、その配置位置によって加熱炉の輻射熱が異なる。そのため、輻射回避部53を介在させることで加熱炉からの直接の輻射を防ぎ、積層コア10の内周における局所的な加熱を防止することができる。そのため、積層コア10の内周が加熱されるときの温度偏差を低減させることでき、形状劣化をより抑制することができる。
一方、焼鈍の冷却工程において、輻射回避部53は積層コア10の内周を冷却させたくない場合にも役割を有する。すなわち、輻射回避部53がない場合、加熱された積層コア10は、外気あるいは加熱炉内の雰囲気と接している内周が冷却されてしまう。本実施形態の輻射回避部53は、積層コア10の内周を覆うことで、積層コア10の内周が急激に冷却されることを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、焼鈍において錘50を用いることで、第2の実施形態の効果に加え、積層コア10の内周を覆うように配置された輻射回避部53により加熱炉からの直接の輻射を防ぎ、積層コア10の内周の局所的な加熱を防止することができる。また、積層コア10の内周の急激な冷却を防止することができる。なお、本実施形態では、板体51と輻射回避部53とが一体に形成された錘50について説明したが、この場合に限られず、板体51と輻射回避部53とを別体に構成してもよい。
(第5の実施形態)
図6は、第5の実施形態の焼鈍方法を説明するための図である。本実施形態では、積層コア10a、10bを軸方向に沿って複数、重ね合わせた状態で焼鈍することで、積層コア10a、10bのうち上方に配置された積層コア10aが錘として機能する。すなわち、積層コア10a、10bのうち下方に配置された積層コア10bは、積層コア10aによって荷重がかけられているために、積層コア10bの各電磁鋼鈑は水平を維持した状態で焼鈍され、形状劣化を抑制することができる。なお、積層コア10aの上面に上述した各実施形態の錘を載置することで、積層コア10aも同様に、形状劣化を抑制することができる。この場合、第3の実施形態の錘40の輻射回避部43または第4の実施形態の錘50の輻射回避部53の高さを重ね合わせる積層コア10aに応じて長くすることで、下方に配置された積層コア10bにも輻射回避部43および輻射回避部53の効果が得られる。
このように、本実施形態によれば、積層コア10を軸方向に沿って複数、重ね合わせた状態で焼鈍することで、複数の積層コア10を同時に焼鈍することができるので、積層コアの生産性を更に向上させることができる。なお、本実施形態では、2つの積層コア10a、10bを重ね合わせる場合について説明したが、この場合に限られず、2つ以上の積層コア10を重ね合わせることができる。
次に、異なる焼鈍方法(従来例、実施例、比較例)によって焼鈍した積層コアをそれぞれ比較して、上述した実施形態の効果を検証した。具体的には、従来例として従来の焼鈍方法により焼鈍した積層コアと、実施例として第1の実施形態の錘20を積層コア10に載置して焼鈍した積層コアと、比較例として錘を載置せずに焼鈍した積層コアとの形状劣化について比較した。
ここでは、焼鈍する積層コアとして、図1に示す外径Dの平均外径が200mm、内径dの平均内径が150mm、高さHcの平均高さが50mmの積層コアを用いた。なお、各電磁鋼鈑は、厚みが0.3mmであり、167枚積層させている。
(従来例)
従来例では、積層コアを箱型焼鈍炉を用いてプログラム温度制御により焼鈍した。すなわち、積層コアの温度を検出しながら予め設定されたプログラムに従って積層コアを加熱および冷却する。具体的には、加熱が数時間、均熱が750℃に保持して2時間、冷却が焼鈍炉内で10時間以上をかけて焼鈍した。
(実施例)
実施例では、積層コアを開放型焼鈍炉を用いて加熱し、焼鈍炉外で空冷により冷却することで短時間に焼鈍した。ここで、開放型焼鈍炉とは、予め炉内温度を所望の温度に設定することができる焼鈍炉であるため、短時間の加熱が可能である。ここでは、予め炉内温度を1000℃に設定した開放型焼鈍炉内に積層コアを挿入し、加熱が開始され冷却が終了するまでを約1時間とした。また、錘には、板厚が7mm、大きさが300mm四方の板状のステンレス鋼を用いた。
(比較例)
比較例の積層コアは、錘を載置させない以外は、実施例と同様の方法により焼鈍した。
上述した従来例、実施例、比較例によって焼鈍した積層コアの形状劣化および温度偏差を比較した。
[形状劣化の比較]
形状劣化の比較として従来例、実施例、比較例の積層コアのそれぞれについて、測定項目として焼鈍終了後の最大外径、最小外径、最大内径、最小内径、最大高さ、最小高さを測定した。図7(a)の積層コア10の平面図に示すように、最大外径(Dmax)および最小外径(Dmin)は、積層コア10の外径のうちの最大値および最小値である。図7(b)の積層コア10の平面図に示すように、最大内径(dmax)および最小内径(dmin)は、積層コア10の内径のうちの最大値および最小値である。図7(c)の積層コア10の側面図に示すように、最大高さ(Hmax)および最小高さ(Hmin)は、積層コア10の下面からの高さのうち最大値および最小値である。
ここでは、外径、内径、高さそれぞれについて、(最大値−最小値)/最大値 を算出し、劣化率を算出した。以下の表にその比較結果を示す。
Figure 0005763559
表1に示す外径の比較結果、内径の比較結果、高さの比較結果の何れにおいても、実施例のように錘を載置して焼鈍をすることで、形状劣化を比較例よりも大きく抑制でき、従来例とほぼ同様の形状劣化にまで抑制できる。このように、短時間で焼鈍しても錘を載置して焼鈍をすることで形状劣化を抑制できることが実証できた。
[温度偏差の比較]
温度偏差の比較として従来例、実施例、比較例の積層コアのそれぞれについて、測定項目として焼鈍時の積層コア内の温度を熱電対で測定した。図8は、積層コア10内の温度の測定箇所を示す図であり、積層コア10の一部を省略した図である。図8に示すように、測定箇所は、積層コア10の上面のうち、コアバック部11であって外周に近接した位置(P1)およびティース部12とコアバック部11との境界に近接した位置(P2)、積層コア10の高さ方向の中心のうち、コアバック部11であって外周に近接した位置(P3)およびティース部12とコアバック部11との境界に近接した位置(P4)である。
ここでは、焼鈍の加熱工程および冷却工程において、それぞれ最大の温度偏差を算出した。以下の表にその結果を示す。
Figure 0005763559
表2に示す温度偏差の比較結果から、実施例のように錘を載置して焼鈍することで、加熱工程および冷却工程の何れでも、比較例よりも温度偏差を低減できることが実証できた。
このように、焼鈍時に積層コアの上面に錘を載置して、積層コアの軸方向に沿って荷重をかけることで、短時間に焼鈍したとしても、積層コアの形状劣化を抑制することができる。また、錘を積層コアの上面を覆う大きさにすることで、焼鈍の加熱時には加熱炉による局所的な加熱を防止し、冷却時には急激な冷却を防止して、積層コア内の温度偏差を低減し、形状劣化をより抑制することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上述した実施形態では、固定子の積層コアを焼鈍する場合について説明したが、この場合に限られず、回転子の積層コアを焼鈍する場合にも用いることができる。
10(10a,10b):積層コア 11:コアバック部 12:ティース部 20:錘 30:錘 31:貫通孔 40:錘 41:板体 42:貫通孔 43:輻射回避部 50:錘 51:板体 52:貫通孔 53:輻射回避部

Claims (5)

  1. 電磁鋼鈑を積層させた積層コアの焼鈍方法であって、
    焼鈍における加熱および冷却の少なくとも何れか一方において、前記積層コアの上面に錘を載置することで前記積層コアの軸方向に沿って荷重をかけ、
    前記錘は、前記積層コアの内部に形成される空間と連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする積層コアの焼鈍方法。
  2. 電磁鋼鈑を積層させた積層コアの焼鈍方法であって、
    焼鈍における加熱および冷却の少なくとも何れか一方において、前記積層コアの上面に錘を載置することで前記積層コアの軸方向に沿って荷重をかけ、
    前記積層コアの内周または外周が輻射回避部により覆われていることを特徴とする積層コアの焼鈍方法。
  3. 前記輻射回避部は、前記錘に一体的に形成されていることを特徴とする請求項に記載の積層コアの焼鈍方法。
  4. 電磁鋼鈑を積層させた積層コアの焼鈍方法であって、
    焼鈍における加熱および冷却の少なくとも何れか一方において、電磁鋼鈑を積層した状態で予め固定した第1の積層コアの上面に錘としての1つ以上の、電磁鋼鈑を積層した状態で予め固定した他の積層コアを軸方向に沿って重ね合わせて、載置することで前記第1の積層コアの軸方向に沿って荷重をかけることを特徴とする積層コアの焼鈍方法。
  5. 前記錘は、略一定板厚に形成された板体であることを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載の積層コアの焼鈍方法。
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