JP5762590B1 - 無線通信システムおよびコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】個人情報等の秘匿性の高い情報について通信端末間で安全かつ簡便に交換可能な無線通信システムを提供する。【解決手段】無線通信システムは、親端末100、子端末200、子端末300といった複数の通信端末を含んでいる。無線通信接続が確立されると子端末200および子端末300は、合言葉情報の入力を受け付けてS123およびS137、受け付けた合言葉情報に基づいてデータを提供した通信端末間の合意処理を実行しS149、合意処理が実行されたことに起因して、当該合意処理を実行した子端末200および子端末300のみがアクセス可能なネットワーク(仮想ルーム)を構築するS151。【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信システムおよびコンピュータプログラムに関する。
近年、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service:以下、SNSと称す)の利用者拡大に伴い、SNS上で知り合った友人と面会する、あるいは、実際に面識のある友人とSNS上でコミュニケーションをとるという、オンラインとオフラインとが密接不可分に関わる交友形態が増えている。
このような世の変化に伴い、O2O(Online to Offline)に関する技術に注目が集まっている。ここでO2Oとは、ネットワーク上(オンライン)からネットワーク外の実地(オフライン)での行動へと促す施策や、オンラインでの情報接触行動をもってオフラインでの行動に影響を与える施策をいい、主に販売促進やマーケティング等の分野で活用されている。
この種の技術として、下記の特許文献1を例示する。
特許文献1には、自己の携帯端末と他の携帯端末が所定の距離以内に接近したことを検知し、その時間間隔や頻度に基づいて当該他の携帯端末に自機の利用者の個人情報や自機の識別情報を送信するか否かを自機の利用者に提示し、当該利用者が許諾すれば個人情報や識別情報を当該他の携帯端末に送信する技術が開示されている。
特開2008−176406号公報
上述のような世情変化の一方で、ネットワーク上で安易に個人情報等を公開した結果、個人情報等が利用者の意思に反するほどに拡散して、思わぬトラブルに巻き込まれるといった事態が増えている。
特許文献1による技術も、見知らぬ相手が保有している携帯端末に自己の個人情報等を送信するものであり、前提として近接判定をしているとはいえ、その行為は安全とは言いがたい。
前段のような事態を回避するため、SNSの利用者の間では個人情報等を開示する機能を無効にしたり、他の端末からのアクセスを制限したりすることが常識となっている。
このようにSNSが元来備えている機能を敢えて低減させた状態で、多くの利用者がSNSを活用しているため、実際に目の前に信頼できる相手が居て、その相手と必要な情報を交換する際に、オンライン上で情報交換するために当該機能を有効にする必要が生じる場合があった。このような状況で当該機能を有効にしている間にも前段のようなリスクが生じうる。また、交換の度に当該機能を有効/無効にする切替操作の手間が、利用者にとっては煩雑であった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、個人情報等の秘匿性の高い重要情報について通信端末間で安全かつ簡便に交換可能な無線通信システムおよびコンピュータプログラムを提供するものである。
本発明によれば、複数の通信端末を含む無線通信システムであって、前記複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定手段と、前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知手段と、前記進入検知手段によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続手段と、前記通信接続手段によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末にてユーザからデータの入力を受け付けて、前記データを受け付けた複数の前記通信端末が前記データに基づいて当該複数の通信端末間の合意処理を実行することによって構成される合意実行手段と、当該複数の通信端末によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該複数の通信端末のみがアクセス可能なネットワークを、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続とは異なる通信経路を介して構築するネットワーク構築手段と、を備える無線通信システムが提供される。
また、本発明によれば、複数の通信端末を含む無線通信システムであって、前記複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定手段と、前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知手段と、前記進入検知手段によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続手段と、前記通信接続手段によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末にてユーザからデータの入力を受け付けて、前記データを受け付けた複数の前記通信端末が前記データに基づいて当該複数の通信端末間の合意処理を実行することによって構成される合意実行手段と、当該複数の通信端末によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該複数の通信端末のみがアクセス可能なネットワークを構築するネットワーク構築手段と、を備え、
前記通信端末のそれぞれに対して固有の識別情報が割り当てられており、前記親端末は、一または複数の前記子端末の前記識別情報を格納している識別情報記憶手段を有しており、前記合意実行手段は、前記無線通信接続が確立された前記子端末の前記識別情報を受け付け、受け付けた前記識別情報が前記識別情報記憶手段に格納されている前記識別情報に含まれているとき、前記合意処理を実行し、さらに、前記合意処理が実行された時刻を示す第一時刻情報と、当該合意処理を実行した前記子端末の前記識別情報とを対応づけて格納させる参加履歴格納手段を有している無線通信システムが提供される。
また、本発明によれば、コンピュータで実行されるためのコンピュータプログラムであって、複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定処理と、前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知処理と、前記進入検知処理によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続処理と、前記通信接続処理によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末にてユーザからデータの入力を受け付けて、前記データを受け付けた複数の前記通信端末に前記データに基づく当該複数の通信端末間の合意処理を実行させる合意実行処理と、当該複数の通信端末によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該複数の通信端末のみがアクセス可能なネットワークを、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続とは異なる通信経路を介して構築するネットワーク構築処理と、を含むコンピュータプログラムが提供される。

上記発明によれば、所定の物理空間に実在する通信端末どうしで双方向の合意処理を行うことにより、信頼できる相手の通信端末どうしのアクセスに限定されるネットワーク(仮想ルーム)の構築が可能なので、当該ネットワーク上で安全に通信端末間の情報交換を実現することができる。
また、上記発明によれば、独自にネットワークを構築するので、SNS等の他のウェブアプリケーションの制約を回避することができ、簡便な手続きで通信端末間の情報交換を実現することができる。
本発明によれば、個人情報等の秘匿性の高い重要情報について通信端末間で安全かつ簡便に交換可能な無線通信システムおよびコンピュータプログラムを提供することができる。
無線通信システムの全体図である。 子端末の機能ブロック図である。 第一実施形態の無線通信システムにおける仮想ルームの構築に関する各種処理の手順を示すシーケンス図である。 第一実施形態の無線通信システムにおけるSNS関連情報を用いた各種処理の手順を示すシーケンス図である。 子端末が仮想ルーム上に公開しているSNS関連情報の一例を示す図である。(a)はエージェントによって更新される前のSNS関連情報であり、(b)はエージェントによって更新された後のSNS関連情報である。 第二実施形態の無線通信システムにおける仮想ルーム構築に関する各種処理の手順を示すシーケンス図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
<第一実施形態の無線通信システム1000>
図1は、無線通信システム1000の全体を簡略して示す図である。
本発明の無線通信システム1000は、親端末100、子端末200、子端末300等の複数の通信端末を含んでいる。
無線通信システム1000は、複数の通信端末の一つである親端末100を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域150を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定手段を有している。
無線通信システム1000は、親端末100とは異なる通信端末である子端末200および子端末300が無線通信領域150に進入したことを検知する進入検知手段を有している。
無線通信システム1000は、進入検知手段によって無線通信領域への進入が検知された子端末200(または子端末300)と親端末100の間で無線通信接続を確立する通信接続手段を有している。
無線通信システム1000は、通信接続手段によって無線通信接続が確立される通信端末のうち少なくとも二つの通信端末からデータを受け付けて、受け付けたデータに基づいてデータを提供した通信端末間の合意処理を実行する合意実行手段を有している。
無線通信システム1000は、合意実行手段によって合意処理が実行されたことに起因して、当該合意処理を実行した通信端末のみがアクセス可能なネットワークを構築するネットワーク構築手段を有している。
なお、前段に記載したような無線通信システム1000を実現するため、親端末100、子端末200および子端末300は、以下のようなアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)をそれぞれがインストールしているものとして説明する。
当該アプリは、コンピュータ(通信端末)で実行されるためのコンピュータプログラムである。
当該アプリは、複数の通信端末の一つである親端末100を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域150を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定処理を含む。
当該アプリは、親端末100とは異なる通信端末である子端末200(または子端末300)が無線通信領域に進入したことを検知する進入検知処理を含む。
当該アプリは、進入検知処理によって無線通信領域への進入が検知された子端末200(または子端末300)と親端末100の間で無線通信接続を確立する通信接続処理を含む。
当該アプリは、通信接続処理によって無線通信接続が確立される通信端末のうち少なくとも二つの通信端末からデータを受け付けて、受け付けたデータに基づいて合意処理を実行する合意実行処理を含む。
当該アプリは、合意実行処理によって合意処理が実行されたことに起因して、当該合意処理を実行した通信端末のみがアクセス可能なネットワークを構築するネットワーク構築処理を含む。
ここで通信端末とは、通信機能を備えた情報処理装置をいう。また、より好ましくは、通信端末とは、Bluetooth(登録商標)に代表される近距離無線通信機能を有しており、且つ、インターネット30に通信接続可能な移動式の通信端末をいう。具体例としては、携帯電話機(いわゆるスマートフォンを含む)、パーソナルコンピュータ(いわゆるタブレット端末を含む)、PHS(Personal Handy-phone System)、カーナビゲーションシステム等が挙げられる。
ここでネットワークとは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の種々のコンピュータネットワークまたはそれらの組合せで構成することができる。また、ネットワークに含まれる各構成要素間の通信接続は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
本実施形態のネットワーク構築手段によって構築されるネットワークのことを、仮想ルーム50と以下呼称する。
ここで物理空間とは、物理学上の空間を意味し、物体が実際に存在しうる場所、または現象の起こりうる場所をいう。より具体的には、各通信端末とそのユーザが実在し、親端末100から発信される無線信号が子端末200または子端末300へと伝播しうる空間をいう。
ここで無線通信システム1000の有する各手段は、無線通信システム1000に含まれる各構成要素のうち一つまたは複数が連動することによって実現される機能のことをいう。本実施形態においては図1に示す構成要素のうち一または複数が連動することによって各手段が実現されるものとして説明する。
合意実行手段によって実行される合意処理とは、前段で説明した仮想ルーム50を構築するため、当該仮想ルーム50の構成要素となりうる通信端末またはそのユーザの各々に合意を求める処理をいう。この合意処理は、各通信端末によって全部を機械的に処理されてもよいし、あるいはユーザの操作入力を必要とする処理が一部含まれてもよい。
なお、合意処理は各通信端末(親端末100、子端末200、子端末300)が相互にデータ授受することによって実行される。すなわち、合意実行手段は各通信端末で構成される。
<子端末200の各種機能>
続いて、本実施形態における子端末200が有する各種機能について、図1と図2を用いて説明する。
なお、本実施形態の説明において子端末300は子端末200と同等の機能を有しているものとする。
また、本実施形態の説明において親端末100は子端末200と同等の機能を有していてもよい。あるいは、親端末100は子端末200または子端末300と通信接続する機能に特化し、子端末200または子端末300では実現されうる一部機能について省略されている通信端末であってもよい。例えば、親端末100は、BLE(Bluetooth Low Energy)における発信機であってもよい。ここでBLEとは、Bluetooth(登録商標)の拡張仕様の一つで、従来のBluetooth(登録商標)と比べて少ない消費電力で通信可能としている特徴を有する。
子端末200は、いわゆる携帯電話機であって、第1通信制御部220と第2通信制御部290とを有している。第1通信制御部220と第2通信制御部290は、第1アンテナ部225または第2アンテナ部295を介して無線信号を授受して外部機器と通信接続する機能を有している。
第1通信制御部220は、いわゆる近距離無線通信規格によって無線通信を制御する制御回路であり、より好ましくはBLEに則って無線通信を制御する制御回路である。BLEは指向性の小さい無線通信技術であるため、一度設定すれば設定されている間は子端末200のユーザが意識しなくとも親端末100と子端末200との間で通信接続可能である。この点において、本発明の進入検知手段に用いる技術としてBLEはNFC(Near Field Communication)あるいはIrDA(Infrared Data Association)より適している。また、一対多の無線通信を構築する際に相互干渉を起こしにくいという点において、本発明の通信接続手段に用いる技術としてBLEはWi−Fi(Wireless Fidelity)より秀でている。
また、第2通信制御部290は、直接的または他のネットワークを介して間接的にインターネット30に通信接続可能に無線通信を制御する制御回路である。本実施形態において子端末200は携帯電話機であるため、図1に示すように、子端末200は携帯電話基地局10および携帯電話回線網20を介してインターネット30に通信接続可能となっている。
ここで携帯電話回線網20は、一般的な携帯電話機が接続可能な回線であって、且つ、携帯電話機からインターネット30への接続を仲介可能な回線である。具体的には、第3世代(3rd Generation:3G)移動通信システムや第4世代(4th Generation:4G)移動通信システムが挙げられる。
子端末200は、主制御部230と記憶部240とを有している。主制御部230は、いわゆるCPU(Central Processing Unit)であり、子端末200に組み込まれたソフトウェアの実行処理を行うハードウェアである。図2では単一であるかのように図示したが、複数のハードウェアを組み合わせることによって構成されてもよい。
記憶部240は、主制御部230が処理すべきデータを一定期間保持するハードウェアである。なお、記憶部240は、メインメモリやキャッシュメモリ等の記憶装置を含むハードウェアの総称として扱う。図2では単一であるかのように図示したが、一般的には異なるハードウェアを複数組み合わせて構成する。
子端末200は、記憶部240で保持されたデータやプログラムを主制御部230で実行処理することにより、種々の機能を実現することができる。
子端末200は、ユーザの操作を受け付けて電気信号に変換する操作入力部250を有している。より具体的には、操作入力部250は操作ボタン(操作キー)やタッチパネル等である。主制御部230は、操作入力部250から受け付けた電気信号に応じて各種処理を実行することができる。
子端末200は、ユーザの音声を入力して電気信号(音声信号)に変換する音声入力部260を有している。より具体的には、音声入力部260はマイクロフォンである。主制御部230は、音声入力部260から受け付けた電気信号に応じて各種処理を実行することができる。
子端末200は、主制御部230の制御によって音声出力する音声出力部270を有している。より具体的には、音声出力部270はスピーカである。
子端末200は、主制御部230の制御によって表示出力する表示出力部280を有している。より具体的には、表示出力部280はディスプレイである。なお、操作入力部250がタッチパネルである場合、操作入力部250と表示出力部280とは一体的に実現しうる。
<無線通信システム1000における仮想ルーム50の構築手順>
続いて、無線通信システム1000における仮想ルーム50の構築手順について、図3のシーケンス図を用いて説明する。図3は、無線通信システム1000における仮想ルーム50の構築に関する各種処理の手順を示すシーケンス図である。
まず、親端末100を中心として無線通信領域150を設定することから始まる(S101)。本実施形態においては、通信領域設定手段は親端末100に備えられ、親端末100から所定強度で無線信号を発信し(S103およびS105)、無線信号が到達する範囲内で無線通信領域150を設定する。
また、進入検知手段は子端末200または子端末300に備えられ、子端末200または子端末300で無線信号を受信したことに起因して無線通信領域150への進入を検知する(S107およびS109)。
前段で述べた通信領域設定手段および進入検知手段をBLEによって実現する場合、親端末100はいわゆるマスターに該当し、子端末200と子端末300はいわゆるスレイブに該当する。
また、S103およびS105で発信される無線信号は、図3においては一回であるかのように示すが、実際には所定の時間間隔で繰り返し発信される。当該無線信号には親端末100の識別情報が含まれており、当該無線信号を受信した子端末200または子端末300は親端末100へ応答可能となっている。
S101において、親端末100(通信領域設定手段)は、所定強度を変更することによって無線通信領域150の範囲を可変に設定可能であることが好ましい。BLEを用いて無線通信領域150を設定する場合、親端末100を中心として半径数m以上、数十m以下の範囲で無線信号を到達させることが可能である。
また、S107およびS109において、子端末200または子端末300(進入検知手段)は、受信した無線信号の強度が閾値を超えているとき自機(子端末)が無線通信領域150に進入したことを検知する。なお、当該閾値は可変に設定可能であることが好ましい。
ここまで、本実施形態におけるS101からS109までの処理について説明したが、これらの処理は、親端末100と子端末200(または子端末300)の近接判定を目的とするものである。これにより、仮想ルーム50に参加する前提条件に、互いの通信端末が近接していることが加わる。すなわち、近接している相手に限定して仮想ルーム50への参加を募ることができる。
なお、本実施形態ではBLEを応用して近接判定を行う事例について説明したが、その代わりの態様として、あるいはBLEと共に組み合わせる態様で、GPS(Global Positioning System)技術を用いることも可能である。ただし、BLEによる近接判定の方がGPSによる近接判定より精度が高く、またGPS信号の受信が困難な屋内や地下においても利用可能であるため、本発明にはGPSを用いるよりBLEを用いる方が適している。
続いて、子端末200または子端末300は、無線通信領域150への進入を検知すると、親端末100に対して通信接続を許諾する旨が予め設定されており、当該許諾の通知を応答する(S110およびS111)。この応答に起因して、子端末200と子端末300との間で親端末100を介して、無線通信接続が確立される(S113)。
ここで「親端末100に対して通信接続を許諾する旨」の設定については、ユーザAまたはユーザBの任意操作によるものであってもよいし、子端末200または子端末300にインストールされているアプリの機能として当該アプリの起動と共に自動的に設定されてもよい。
S113の処理で、親端末100を介して子端末200および子端末300が通信接続可能となった旨の通知を、子端末200は自機のユーザAに提示し(S115)、子端末300は自機のユーザBに提示する(S117)。
ここで、子端末200のユーザAが仮想ルーム50の設定を開始したとき(S119)、子端末200はユーザAに対して合言葉情報入力の要求を提示し(S121)、当該合言葉情報入力によって入力された合言葉情報を受け付ける(S123)。
子端末200は、S123における合言葉情報の受付に応じて仮想ルーム50が設定された旨を、親端末100を介して子端末300に通知し(S125およびS127)、その通知が子端末300のユーザBに対して表示出力される(S131)。
S131の通知表示を視認したユーザBが仮想ルーム50への参加を希望して参加要求を入力するとき(S133)、子端末300はユーザBに対して合言葉情報入力の要求を提示する(S135)。S135の提示に応じて、合言葉情報入力がなされると(S137)、子端末300はS137で入力された合言葉情報を、親端末100を介して子端末200に応答する(S139およびS141)。
なお、以下の説明においては、S119で仮想ルーム50を設定したユーザAのことを「主催者」、S133で仮想ルーム50への参加要求を入力したユーザBを「参加者」と呼称する。
なお、本実施形態においては主催者、参加者が共に子端末のユーザであるように実施例を説明しているが、主催者と参加者のいずれか一方が親端末であってもよい。また、本実施形態においては、子端末200のユーザAを主催者、子端末300のユーザBを参加者とするが、逆であってもよい。すなわち、子端末200のユーザAが参加者、子端末300のユーザBが主催者であってもよい。
S123およびS137の合言葉情報入力によって入力された複数の合言葉情報のうち、子端末200(一の通信端末)で入力された一の合言葉情報と、子端末300(他の通信端末)で入力された他の合言葉情報と、を比較して一致判定を行う(S143)。これに起因して、子端末200と子端末300(合意実行手段)は、子端末200と子端末300との間で合意処理を実行する(S149)。
なお、本実施形態においては、S143の一致判定で一致と判定された場合、その一致判定に用いられた合言葉情報を提供した参加者(ユーザB)を、子端末200は主催者(ユーザA)に表示出力する(S145)。そして、ユーザAが参加者(ユーザB)の参加希望を追認したとき(S147)、子端末200と子端末300との間で合意処理を実行する(S149)。
換言するならば、無線通信システム1000は、BLEを応用した通信端末どうしの近接判定と、入力合言葉情報の一致判定と、主催者であるユーザAによる視認判定と、三種類の判定を用いて、合意処理の正当性を担保している。
ここで合言葉情報とは、S149の合意処理を行うために各通信端末のユーザ間で取り決めた文字や数字の羅列をいう。本実施形態において、子端末200と子端末300は近接判定を行っているので、その利用者であるユーザAとユーザBも近接していることが想定される。従って、実地(オフライン)で居合わせたユーザAとユーザBとの間で合言葉情報を取り決めることによって、無線通信システム1000(オンライン)において互いに合致する合言葉情報を入力することができる。
S143における一致判定について、本実施形態においては主催者(ユーザA)が入力した合言葉情報と、参加者(ユーザB)が入力した合言葉情報との一致を合意処理の条件とするが、これは参加者が複数になっても同様である。すなわち、合言葉情報入力について主催者と参加者とが一対多の関係になっている。
S147における追認処理において、本実施形態では参加者がユーザBのみであるため、主催者であるユーザAはユーザBの参加について許諾/拒否の選択ができるのみであるが、参加者が複数いる場合は、以下のような態様で追認処理が可能である。
すなわち、合意処理を実行する通信端末(合意実行手段)は、仮想ルーム50への参加希望を受け付けた通信端末(他の合言葉情報を入力した他の通信端末)のうち一又は複数を選択する第一選択処理を主催者の通信端末(一の通信端末)に対して要求する。そして、第一選択処理によって選択された参加者の通信端末(他の通信端末)と主催者の通信端末(一の通信端末)との間で合意処理を実行する。
上述したように、合意処理を実行する通信端末(合意実行手段)は、各通信端末の各ユーザに対して合言葉情報入力の要求を提示し(S121およびS135)、合言葉情報入力によって入力された複数の合言葉情報を受け付けて(S123およびS137)、受け付けた複数の合言葉情報の比較処理に起因して合意処理を実行する(S149)。
なお、本実施形態においては、当該比較処理の一態様としてS147の一致判定を行う事例で説明したが、これに限られない。例えば、主催者が入力した質問に対して参加者が答を入力し、それらを比較して正誤判定してもよい。また、同じキー(ボタン)を押す、複数のアイコンのうち同じアイコンを選択するといった簡易な操作で生成されうるデータの比較処理でもよい。あるいは、主催者が設定した生体(指紋、声紋、虹彩等)と同一の生体を入力する、すなわち主催者が参加者の近傍におり、主催者の通信端末に主催者の生体を読み取らせた後、参加者の通信端末に主催者の生体を読み取らせて比較処理を行う態様であってもよい。
S149で合意処理が実行されたことに起因して、無線通信システム1000は子端末200と子端末300とがアクセス可能な仮想ルーム50を構築する(S151)。S151で構築される仮想ルーム50は、通信接続手段によって確立される無線通信接続と同じ通信経路、すなわち親端末100を介する近距離無線通信上に構築されてもよい。しかし、より好ましくは、仮想ルーム50(ネットワーク)は、通信接続手段によって確立される無線通信接続とは異なる通信経路を介して構築されることが好ましい。後者の場合、構築される仮想ルーム50(ネットワーク)の通信経路における通信速度が、通信接続手段によって確立される無線通信接続における通信速度より大きいとよい。
ここで通信経路とは、各通信端末が仮想ルーム50対して通信接続して通信が可能な状態における当該通信の到達経路をいう。また、ここで通信速度とは、その通信経路で許容されうる単位時間あたりの最大通信量をいう。
なお、本実施形態における仮想ルーム50はインターネット30上に構築される、いわゆるクラウドコンピューティングである。
前段で説明したように、通信接続手段によって確立される無線通信接続とは異なる通信経路を介して仮想ルーム50が構築される場合、一度確立された無線通信接続が切断されても、当該無線通信接続の契機となった合意処理を実行した通信端末は仮想ルーム50にアクセスすることが可能である。このような状況を避けたい場合、すなわち、通信端末どうしが無線通信接続できない状況では仮想ルーム50へのアクセスを不可としたい場合、以下のようにネットワーク構築手段を構成してもよい。
例えば、ネットワーク構築手段は、親端末100(通信領域設定手段)によって無線通信領域150が解除されたことに起因して仮想ルーム50(ネットワーク)を解除してもよい。あるいは、ネットワーク構築手段は、無線通信接続が切断された子端末200または子端末300を仮想ルーム50(ネットワーク)から排斥してもよい。
S151で仮想ルーム50が構築されると、子端末300は、参加者であるユーザBに対して、仮想ルーム50に参加した旨を通知表示する(S153)。また、子端末200は、主催者であるユーザAに対して、参加者であるユーザB(あるいは子端末300)が仮想ルーム50に追加された旨を通知表示する(S155)。
S151で仮想ルーム50が構築された後、子端末200と子端末300は仮想ルーム50を介して様々なデータ授受を行うことができる(S157)。S157で授受されるデータとして、本実施形態においては個人情報等の秘匿性が高い情報を想定しているが、それに限らず、テキストファイルや画像ファイル等の電子ファイルや、電子データを処理するコンピュータプログラム等も挙げられる。
仮想ルーム50の特性を生かした利用方法については、後に詳述する。
主催者であるユーザAは任意のタイミングで仮想ルーム50の解除を要求できる(S159)。S159の要求を受け付けた子端末200は、仮想ルーム50を解除する(S161)S161の解除に応じて、子端末300はユーザBに対してその旨の通知を表示出力する(S163)。また、S161の解除に応じて、子端末200はユーザAに対してその旨の通知を表示出力する(S165)。
前段では主催者(ユーザA)の任意のタイミングで仮想ルーム50が解除されるように説明したが、既に述べたように、無線通信領域150が解除された等の条件を満たすとき、ユーザAの操作を経ずに自動的に仮想ルーム50を解除する機能が設けられていてもよい。
なお、図3には図示しないが、無線通信システム1000は、構築された仮想ルーム50(ネットワーク)にアクセスしている参加者の通信端末(他の通信端末)のうち一又は複数を選択する第二選択処理を主催者の通信端末(一の通信端末)に対して要求してもよい。そして、無線通信システム1000は、第二選択処理によって選択された参加者の通信端末を当該ネットワークから排斥する機能(排斥手段)を備えてもよい。
S147における第一選択処理が追認処理であるのに対して、当該第二選択処理は主催者が一旦参加を承認した参加者を仮想ルーム50から除名する処理である。このような機能を無線通信システム1000に設けることによって、主催者は仮想ルーム50の参加者を適切に管理することができるので、その正当性を維持しうる。
無線通信システム1000は、第一選択処理で選択されなかった参加者の通信端末(他の通信端末)または第二選択処理で選択された参加者の通信端末の少なくとも一方からの他の合言葉情報の入力を拒否してもよい。すなわち、仮想ルーム50への参加を一度拒否した相手からの合言葉情報入力をはね除けることができる。
ここで合言葉情報入力を拒否する態様としては、合言葉情報入力の要求を該当するユーザに対して提示しない態様であってもよいし、該当するユーザから合言葉情報入力を受け付けても処理しない態様であってもよい。
<仮想ルーム50を利用したエージェントの機能について>
続いて、仮想ルーム50を利用したエージェントの機能について、図4と図5を用いて説明する。図4は、無線通信システム1000におけるSNS関連情報を用いた各種処理の手順を示すシーケンス図である。図5は、子端末300が仮想ルーム50上に公開しているSNS関連情報の一例を示す図である。なお、図5(a)はエージェントによって更新される前のSNS関連情報であり、図5(b)はエージェントによって更新された後のSNS関連情報である。
ここでエージェントとは、SNS等のウェブアプリケーションと通信端末のユーザとの間を仲介する機能を有し、かつ、当該機能において一定の自律的処理が含まれているソフトウェアのことをいう。本実施形態におけるエージェントは、少なくとも子端末200と子端末300にインストールされている。また、本実施形態におけるエージェントは、前述のアプリと一体のソフトウェアであってもよいし、個別のソフトウェアであってもよい。
以下の説明において、特に断りがない限り、子端末200または子端末300が実行する処理は、各々にインストールされているエージェントが制御する処理として説明する。また、ユーザAが子端末200に入力する処理またはユーザBが子端末300に入力する処理は、インストールされているエージェントに対して入力する処理として説明する。
また、説明の便宜上、友だち申請(詳細は後述)を要求する側の通信端末(第二通信端末)と、当該要求に応じて処理する通信端末(第一通信端末)とを個別の通信端末として説明しているが、本発明はこの態様に限られない。すなわち、本実施形態の説明は、一つの通信端末が第一通信端末と第二通信端末のいずれか一方にしかなりえないことを意味するものではない。本実施形態のエージェントをインストールしている通信端末は、第一通信端末としても第二通信端末としても機能しうる。なお、本実施形態においては、第一通信端末が子端末300であり、第二通信端末が子端末200であるとして説明する。
ここでウェブアプリケーションとは、インターネット30を介して使用するソフトウェアのことをいう。一般的なウェブアプリケーションは、ウェブブラウザ上でユーザの操作を受け付けて、ウェブブラウザ上で動作するプログラムとウェブサーバ側で動作するプログラムとが協調することによってその機能を実現する。また、一部の携帯電話機においては、携帯電話回線網20を閲覧する専用のブラウザを有しており、当該ブラウザ上でユーザの操作を受け付けてインターネット30上のウェブサーバにアクセスし、当該ブラウザ上で動作するプログラムと当該ウェブサーバ側で動作するプログラムとが協調することによってその機能を実現する場合もある。
本明細書におけるウェブアプリケーションは、上記のいずれの態様も包含する概念とする。
仮想ルーム50へのアクセスが可能な子端末200と子端末300とは、仮想ルーム50上の記憶領域に、自機の識別情報とSNS関連情報とを対応づけて格納し、自機が保有しているSNS関連情報を仮想ルーム50にアクセス可能な通信端末に対して公開する(S201およびS203)。ここで「自機が保有している」とは、自機の内部にある記憶領域に格納されていること、あるいは、自機の外部記憶領域において自機に割り当てられている記憶領域に格納されていることの少なくとも一方をいう。
S203で子端末300が公開するSNS関連情報の一例を図5(a)に示す。なお、当該図はSNS関連情報の概念を表形式で示すものであって、実際に公開されている情報は機械的に読み出し可能な電子データとして格納されているものとする。
ここで示すように、子端末300が公開するSNS関連情報には、ユーザBの個人情報(プロフィール情報)として、四種類のウェブアプリケーション(SNS60、SNS70、SNS80、SNS90)に入力されうる情報が含まれている。
公開時(S203)において、ユーザBはSNS60とSNS70にアカウント登録していないため、これらに関連する欄は全て「−」と図示している。実際にはNull情報が格納されているものとして、以下説明する。
「名前」や「画像」については、各ウェブアプリケーションにおいて共通する情報であるが、ユーザBは、SNS80ではフルネームを、SNS90では略称を登録している。また、ユーザBは、SNS80には自画像(○○○.JPG)を登録しているが、SNS90には登録していない。
「名前」や「画像」を除く項目については、各ウェブアプリケーションで異なるが、SNS60とSNS90に共通項目として「勤務先」がある。また、SNS60の「出身地」「住所」は、SNS80の「場所」やSNS90の「住んでいる地域」のように類似する観念の情報も含まれている。
S203において、子端末300(第一通信端末)は、SNS60においてアカウントの検索に用いる検索キーを、SNS関連情報に包含させる形で仮想ルーム50(ネットワーク)上に公開している。なお、SNS60は、インターネット30上に構築され、アカウントの登録によって利用可能となり、かつ、登録されているアカウントが検索可能に公開されているウェブアプリケーションである。
子端末200(第二通信端末)は、仮想ルーム50上に公開された検索キーを用いて、SNS60上で登録されているアカウントを検索することが可能である(以下、子端末200が有する当該機能をアカウント検索手段と称す)。
換言すれば、子端末200は、無線通信システム1000に含まれる複数の通信端末のうち自機とは異なる子端末300(他の通信端末)が公開しているアカウントの検索に用いる検索キーを、仮想ルーム50から取得することができる。また、子端末200は、取得した検索キーを用いて、SNS60上で登録されているアカウントを検索することができる。
ここで用いる検索キーは、ウェブアプリケーションごとに異なる。例えば、SNS60では「名前」「出身地」「住所」「勤務先」のいずれも検索キーとして使用可能であり、AND条件やOR条件にすることもできる。一方で、SNS70では「ID」のみが検索キーとして利用可能で、それ以外の情報を用いた検索はできないようになっている。
ここで、SNS60にアカウント登録しているユーザAが、仮想ルーム50に参加したユーザBとSNS60上でつながりたいと考えたとする。このとき、ユーザAは、ユーザBのSNS関連情報の閲覧を仮想ルーム50に対して要求する旨を、子端末200に操作入力する(S205)。
S205に応じて、子端末200は仮想ルーム50からユーザBのSNS関連情報を読み出し(S207)、SNS関連情報を仮想ルーム50から取得する(S209)。子端末200は、S209で取得されたSNS関連情報を、ユーザAが視認可能に表示出力する(S211)。
S211の表示を受けて、当該SNS関連情報の保有者(ユーザB)がつながりたい相手で間違いないことを視認確認し、ユーザAはSNS60でユーザBに対して友だち申請する旨を、子端末200に操作入力する(S213)。
ここで友だち申請とは、登録されている複数のアカウントをSNS60(ウェブアプリケーション)上で関連づけるSNS60の機能である(以下、SNSの当該機能を第一機能と称す)。
子端末200(第二通信端末)は、第一機能に対して、アカウント検索手段によって検索されたアカウントと、子端末200(自機)に対応しているアカウントとの関連づけを要求する機能を有している(以下、子端末200が有する当該機能を関連要求手段と称す)。
なお、関連要求手段が要求する関係づけは、本実施形態で説明するような一対一の関係づけに限らず、複数のアカウントを一群として関係づける態様(いわゆるグループと称される関係づけ)も含まれる。また、関連要求手段が要求する関係づけは、一のアカウントが他のアカウントに対して一方的に関係付ける(いわゆるフォローする)ことも含まれる。
ここで「通信端末がアカウントと対応している」とは、ウェブアプリケーション上で登録されているアカウントと通信端末の識別情報とが対応づけられていることをいう。本実施形態において、この対応づけを示す情報は子端末200が読み出し可能な記憶領域のいずれかに格納されていればよい。従って、SNS60のウェブサーバに格納されていてもよいし、仮想ルーム50のウェブサーバに格納されていてもよいし、子端末200の内部に備えられている記憶部240に格納されていてもよい。
なお「関連づけ」と「対応づけ」はほぼ同義であるが、本実施形態においてはアカウントどうしの間においては「関連づけ」、他の情報の間においては「対応づけ」と使い分けて表現する。
第一機能で関連づけられたアカウントどうしは、一方がSNS60上で公開したテキストデータや画像データ等を他方が閲覧できる、一方がSNS60上で公開情報を更新した旨を他方の通信端末が電子メールで通知を受ける、等のサービスを享受できる。
本実施形態においては、SNS70・SNS80・SNS90のいずれも第一機能と同等の機能を有しているものとして説明するが、本実施形態のエージェントが仲介するウェブアプリケーションは第一機能がないものが含まれてもよい。
子端末200は、S213で受け付けた友だち申請における相手方(ユーザB)のSNS関連情報を精査し、SNS60に対して入力されうる情報が全てNullとなっているため、ユーザBの子端末300はSNS60に非対応である旨を検出する(S215)。
ここで「SNS60に対して入力されうる情報が全てNullであること」は、子端末300(第一通信端末)がSNS60(ウェブアプリケーション)のアカウントと非対応である旨を示す非対応情報の一例である。また、非対応情報は、子端末300の識別情報と対応づけて仮想ルーム50(ネットワーク)上に公開されている。
子端末200(第二通信端末)は、子端末200に対応しているアカウントが登録されているSNS60と、子端末300が非対応である旨を示す非対応情報を仮想ルーム50から検出したとき、子端末300に対して所定のアクセス先を提示する機能を有している(以下、子端末200が有している当該機能を登録先提示手段と称す)。
ここで所定のアクセス先とは、SNS60にアカウントを登録させるSNS60上の機能を起動するためのアクセス先(インターネット30上のアドレス)である(以下、SNS60の当該機能を第二機能と称す)。
なお、非対応情報の一例として、前段の態様を説明したが、これに代わって非対応である旨を直接的に示す情報が、SNS関連情報に内包されて仮想ルーム50に公開されていてもよい。
S215で非対応である旨を検出した子端末200は、ユーザAに対してその旨を通知するために表示出力する(S216)。このとき、友だち申請の手続きを続行するか否か再確認をユーザAに提示してもよいし、しなくてもよい。本実施形態においては、再確認を提示せずに自動的に以下の処理を行うものとする。
子端末200は、上述した登録先提示手段により、子端末300に対して所定のアクセス先を提示する(S217)。子端末300は、S217の提示に応じて、SNS60のアカウント登録をユーザAから要求されている旨と、要求に応じる場合には所定のアクセス先にアクセスしてアカウントの登録処理(第二機能)を行う旨と、当該所定のアクセス先と、をユーザBに対して表示出力する(S219)。
S219の表示を視認したユーザBは、当該要求に応じるか否かを判断する。以下では、当該要求に応じる場合について説明するが、拒否や保留といった選択肢がユーザBに与えられてもよい。
ユーザBの当該要求に応じてSNS60へのアカウント登録を許諾する旨の操作入力を子端末300は受け付け(S221)、子端末300はSNS60における所定のアクセス先へ接続し、SNS60の第二機能を起動する(S225)。
S225の処理を受けて、SNS60(第二機能)はユーザBの操作入力を要求する(S225)。SNS60に限らず、一般的なウェブアプリケーションではアカウント登録を行う際には、ユーザは所定の形式で必要な個人情報等の操作入力が要求される。この操作入力は煩雑である場合が多く、その煩雑さ故にアカウント登録を敬遠するユーザも多い。そこで、この煩雑さを解消または軽減するため、本実施形態のエージェント(子端末300)は以下に説明する機能を有している。
子端末300(第一通信端末)は、第二機能によって要求されるユーザBの操作入力に起因して生成されうる入力情報を記憶している(以下、子端末300が有する当該機能を入力情報記憶手段と称す)。
そして、子端末300は、第二機能からユーザBの操作入力を要求されたとき、入力情報記憶手段に記憶されている入力情報を第二機能に対して出力する機能を有している(以下、子端末300が有する当該機能を操作入力代行手段と称す)。
さらに、子端末300(第一通信端末)は、入力情報記憶手段に記憶されている一のウェブアプリケーションに対応している入力情報に基づいて、他のウェブアプリケーションに対応している入力情報を生成して入力情報記憶手段に記憶させる機能を有している(以下、子端末300が有する当該機能を入力情報生成手段と称す)。
前段で説明した入力情報生成手段、入力情報記憶手段、操作入力代行手段を子端末300が備えることによって、アカウント登録(第二機能)によって要求されるユーザBの操作入力の一部または全部について、子端末300が入力代行するので、その煩雑さを解消または軽減することができる。
本実施形態に即して説明すれば、子端末300は仮想ルーム50に公開するために記憶しているSNS関連情報を入力情報として活用する。すなわち、仮想ルーム50のウェブサーバが入力情報記憶手段となりうる。本実施形態における子端末300は、この態様によって入力情報を記憶しているものとして説明するが、以下のような態様も考えられる。
すなわち、子端末300が内部に有している記憶領域(子端末200における記憶部240相当)にもSNS関連情報は格納されているので、当該記憶領域も入力情報記憶手段となりうる。また、子端末300は、子端末200と同様の携帯電話機であるので、電話帳機能に登録されている氏名や電話番号、メールアドレス等も入力情報として利用することができる。
子端末300は、S225の要求に応じて入力情報生成手段を起動し、既に登録されているSNS80またはSNS90のSNS関連情報から、SNS60に対応する入力情報を生成し、仮想ルーム50に格納されているSNS関連情報を更新する(S227)。更新した当該SNS関連情報を入力情報として、S225の要求に対するユーザBの操作入力を代行する(S229)。
S227で更新されたSNS関連情報を図5(b)に示す。
SNS60の「名前」にSNS80の「名前」が格納されている。この処理をする際に、子端末300はSNS80の「名前:○山×男」にするかSNS90の「名前:○山」にするか、ユーザBに選択を要求してもよい。
SNS60の「画像」にはSNS80の「画像」が格納されている。
SNS60の「出身地」「住所」には、それぞれSNS80の「場所」とSNS90の「住んでいる地域」が格納されている。この処理をする際に、SNS60の「出身地」にSNS90の「住んでいる地域」が格納されてもよいし、SNS60の「住所」にSNS80の「場所」が格納されてもよいし、これをユーザBの裁量で選択させてもよい。
SNS60の「勤務先」にはSNS90の「勤務先」が格納されている。
前段で説明したように、子端末300(入力情報生成手段)は、他のウェブアプリケーションの一項目として格納されているSNS関連情報を、所望のウェブアプリケーションの入力情報とする。所望のウェブアプリケーションの入力情報が他のウェブアプリケーションにおけるどの項目に対応しているか事前に規定されており、入力情報生成手段は当該規定に従って処理を実行する。
なお、入力情報生成手段が起動されるタイミングは、上述の例に限らない。例えば、S203でSNS関連情報を公開する際であってもよいし、ユーザBの任意のタイミングであってもよい。
子端末300は、S229で代行入力された入力情報をユーザBに表示出力し(S231)、それを視認したユーザBはその内容を任意に変更することができる(S233)。
S233でユーザBによって適切な内容に変更された入力情報を、子端末300はSNS60に出力する(S234)。
なお、S225からS234の一連の処理については、SNS60(第二機能)の態様によって複数回繰り返されることもありうる。このとき、S227については仮想ルーム50に格納されているSNS関連情報の変更がない限り繰り返し処理する必要がないので、省略されてもよい。
上述のような処理を経て、SNS60(第二機能)によってユーザBのアカウントが登録されると(S235)、登録された旨の通知がSNS60から子端末300に対してなされ(S237)、子端末300は当該通知をユーザBに表示出力する(S239)。
また、S237の通知に応じて、子端末300は、仮想ルーム50を介して子端末200に、ユーザBのアカウント登録がなされた旨を通知する(S241およびS243)。S243の通知に応じて子端末200は当該通知をユーザAに表示出力する(S244)。
S244の際に、友だち申請の手続きを続行するか否か再確認をユーザAに提示してもよいし、しなくてもよい。本実施形態においては、再確認を提示せずに自動的に以下の処理を行うものとする。
子端末200は仮想ルーム50から、S227で更新されたユーザBのSNS関連情報を読み出し(S245)、当該SNS関連情報を仮想ルーム50から取得する(S247)。
子端末200は、S247で取得したSNS関連情報を精査し、SNS60に対して入力されうる情報が存在しているので、ユーザBの子端末300はSNS60に対応である旨を検出する(S248)。
S248の検出に応じて、子端末200(アカウント検索手段)は、取得したSNS関連情報に含まれる検索キーを用いて、SNS60上に登録されているユーザBのアカウントの検索をSNS60に要求する(S249)。S249の要求に応じて、SNS60はユーザBのアカウントを検索する(S251)。S235でアカウント登録が済んでいるので、当該検索に該当するユーザBのアカウントが見つかり、その検索結果を子端末200に応答する(S253)。
なお、本実施形態では、S251の検索の際に、SNS60に実装されている検索機能に検索させる態様で説明したが、SNS60がアカウントを公開している記憶領域に子端末200が自らアクセスして検索する態様もとりうる。
S253の応答に応じて、ユーザAのアカウントからユーザBのアカウントへの友だち申請を、子端末200はSNS60(第一機能)に要求する(S255)。S255の要求に応じて、第一機能は当該友だち申請の申請処理を発行する(S257)。
S201で説明したように、子端末200(第二通信端末)はSNS関連情報を仮想ルーム50(ネットワーク)上に公開している。また、SNS60に登録されているユーザAのアカウントと子端末200は対応づけられている。従って、仮想ルーム50に公開されている当該SNS関連情報は、子端末200がSNS60(ウェブアプリケーション)に登録されているアカウントに対応している旨を示す対応情報を含んでいる。本実施形態に即していえば、仮想ルーム50で公開されているSNS関連情報において「SNS60に対して入力されうる情報のうち少なくとも一つがNullではないこと」が対応情報である。
子端末300(第一通信端末)は、第一機能によってアカウントの関連づけを行うために発行される申請処理を受け付けたとき(S259)、申請処理と共に受け付けた情報と、仮想ルーム50上に公開されている対応情報と、を比較して申請処理を発行したアカウントが子端末200に対応しているか否かを判定する機能を有している(以下、子端末300が有している当該機能を対応判定手段と称す)。子端末300は、対応判定手段によって対応していると判定されたとき、第一機能に対して申請処理に許諾で応じる旨を応答する(S265)。
対応判定手段の処理手順について、より具体的に説明すると次のようになる。子端末300は、S259の通知に応じて、子端末200が仮想ルーム50に公開しているSNS関連情報を読み出し(S261)、仮想ルーム50からSNS60に対応しているSNS関連情報を取得する(S263)。S259で受け付けた申請処理と共に受け付けた情報に、S263で取得したSNS関連情報が含まれている場合、申請処理を発行したアカウントが子端末200に対応しているものと子端末300は判定する(S264)。
子端末300は、S264で対応していると判定されたとき、SNS60(第一機能)に対して申請処理に許諾で応じる旨を応答する(S265)。
S265の応答に応じて当該友だち申請は受理され、SNS60(第一機能)はユーザAのアカウントとユーザBのアカウントを関連づける(S267)。SNS60(第一機能)は、S267で受理した旨を子端末200に通知すると共に子端末300にも通知する(S269およびS273)。
子端末200は、S269の通知に応じて、当該友だち申請が受理された旨をユーザAに表示出力する(S271)。子端末300は、S273の通知に応じて、当該友だち申請が受理された旨をユーザBに表示出力する(S275)。
ここまでの説明で、本実施形態における無線通信システム1000によって構築される仮想ルーム50を、SNS60の友だち申請等に利用するエージェントについて説明した。当該エージェントは、上述した機能の他にも、以下のような機能を有してもよい。
例えば、S215の説明において、子端末200(第二通信端末)に対応しているアカウントが登録されているSNS60(ウェブアプリケーション)と、子端末300(第一通信端末)が非対応である旨を示す非対応情報を、仮想ルーム50(ネットワーク)から検出したとき、登録先提示手段によって所定のアクセス先を子端末300に提示し、ユーザBに対してSNS60のアカウント登録を促す旨を述べた。
仮に、S215と同様の検出をしたときであって、且つ、SNS60を利用する際に必要なアプリケーションプログラムが子端末300にインストールされていないとき、子端末300に対して当該アプリケーションプログラムの取得先を提示する機能を、子端末200は有してもよい。
また、S229の説明において、操作入力代行手段によってアカウント登録の際に要求されるユーザBの操作入力を代行する旨を説明したが、操作入力手段によって代行できる操作入力はこれに限られなくてもよい。
例えば、子端末300(第一通信端末)からSNS60(ウェブアプリケーション)に通信接続してログイン処理を開始するとき、操作入力代行手段は、入力情報記憶手段に記憶されている入力情報をSNS60に対して出力することによってログイン処理を行わせてもよい。
また、本実施形態における無線通信システム1000によって構築される仮想ルーム50は、秘匿性の高い情報を通信端末間で授受するのに適しているため、エージェントに以下のような機能を実装することも有効である。
仮想ルーム50(ネットワーク)は、仮想ルーム50にアクセス可能な通信端末(例えば、子端末200や子端末300)からの読み出しまたは書き込みを受け付ける特定の記憶領域を有している。
また、当該通信端末は、以下の機能を実装したエージェントをインストールしている。
(a)テキストデータを生成するテキスト生成手段。
(b)テキスト生成手段によって生成されたテキストデータを仮想ルーム50の特定の記憶領域に格納させるテキスト格納手段。
(c)テキスト格納手段によってテキストデータが特定の記憶領域に格納された時系列の順番で視認可能にテキストデータを表示出力する表示出力手段。
なお、ここで特定の記憶領域とは、インターネット30に接続している記憶装置(図示せず)によって実現される。
仮想ルーム50にアクセス可能な各端末が前段の(a)(b)(c)の機能を有していることによって、各端末のユーザは秘匿性の高い仮想空間で疑似会話(いわゆるチャット)を楽しむことができる。
より詳細にいえば、本実施形態の仮想ルーム50にアクセスできるのは、近接していてBLE通信を許諾している通信端末のうち、そのユーザが共通の合言葉情報(パスワード)を知っている場合に限られる。従って、例えば周囲に沢山の人々が居る中で、親しい友人だけで意思疎通を取りたい場合等に有効なコミュニケーションツールとなりうる。
なお、テキスト格納手段によって特定の記憶領域に格納されたテキストデータは、仮想ルーム50(ネットワーク)が解除されることに起因して削除されてもよい。本実施形態の仮想ルーム50を利用するチャットは、秘匿性の高い内容であることが想定されるので、ここで作成されたテキストデータは再現不能に削除されることが好ましい。
この場合、削除されたくないテキストデータ、例えばチャットの中で合意されたスケジュール等については、各通信端末内に格納できる機能があってもよい。
なお、仮想ルーム50における特定の記憶領域に格納されるデータは、上述のようなテキストデータに限らなくても良い。例えば、テキストデータの代わりに動画ファイルや画像ファイルを格納すれば、仮想ルーム50の参加者だけでその閲覧を共有することもできる。また、テキストデータの代わりに電子書籍(テキストファイル)が格納されていれば、仮想ルーム50の参加者のみが閲覧可能な仮想図書館を実現することもできる。さらに、テキストデータの代わりに映画(動画ファイルおよび音声ファイル)が格納されていれば、仮想ルーム50の参加者のみが視聴可能な仮想映画館を実現することもできる。
<第二実施形態の無線通信システム1000>
次に、第二実施形態の無線通信システム1000について説明する。なお、無線通信システム1000の全体構成は、第一実施形態と第二実施形態で相違せず、図1に示すものと同様である。また、各通信端末の機能構成も、図2で示した子端末200の機能構成と同様である。
一方で、第一実施形態においては子端末200のユーザAが主催者で子端末300のユーザBが参加者として説明したが、第二実施形態においては親端末100のユーザCが主催者で子端末200のユーザAが参加者である点において相違する。
以下、図6のシーケンス図を用いて本実施形態における仮想ルーム50の構築に関する各種処理の手順を説明する。
前段で述べたように、親端末100は、主催者であるユーザCの通信端末(一の通信端末)である。また、子端末200は、参加者であるユーザの通信端末(他の通信端末)である。
親端末100と子端末200は、親端末100から一の合言葉情報の入力を受け付けたことに起因して、親端末100と子端末200との間で無線通信接続を確立する。
すなわち、第一実施形態においては親端末100を介して子端末200と子端末300が無線通信接続を確立した後に、合意処理に必要な合言葉情報の操作入力が行われた。一方、本実施形態では、無線通信接続を確立する前に、主催者であるユーザの操作入力(合言葉情報の入力)が行われ、この操作入力に起因して無線通信接続が確立される点において第一実施形態と相違する。
より具体的には、まずユーザCが任意のタイミングで仮想ルーム50の設定を開始する旨の操作を入力する(S301)。親端末100は、S301の処理に応じて、ユーザCに対して合言葉情報入力の要求を提示する(S303)。ユーザCは、S303の提示に応じて、合言葉情報を入力する(S305)。親端末100は、S305の入力を受け付けて無線通信領域150を設定(S307)し、無線信号の発信を始める(S309)。
S307の設定処理については、S309で発信する無線信号の強度を決定する処理等が含まれる。
無線通信領域150の中(無線信号の到達範囲内)に進入した子端末200は、自機が無線通信領域150に進入したことを検知し(S311)、親端末100との通信接続を許可する(S313)。S313の許可に応じて、親端末100と子端末200は無線通信接続を確立させる(S315)。
S315で無線通信接続が確立されると共に、ユーザC(親端末100)が仮想ルーム50を設定している旨の通知を受けた子端末200は、その旨をユーザAに表示出力する(S317)。ユーザAは、S317の通知表示を視認し、仮想ルーム50への参加を希望して参加要求を入力する(S319)。S319の入力に応じて、子端末200は自機の識別情報を親端末100に出力する(S321)。
ここで、本実施形態では、通信端末のそれぞれに対して固有の識別情報が割り当てられており、親端末100は一または複数の子端末の識別情報を格納しているものとする。ここで識別情報が格納されている子端末とは、例えば子端末200や子端末300であり、図1に図示しない他の子端末が存在してもよい。
親端末100は、無線通信接続が確立された子端末200の識別情報を受け付け、受け付けた識別情報が、親端末100(識別情報記憶手段)に格納されている識別情報に含まれているか否かを判定する(S323)。本実施形態の無線通信システム1000は、S323で含まれていると判定されたとき(S323の判定がYesのとき)、合意処理を実行し、S323で含まれていないと判定されたとき(S323の判定がNoのとき)、合意処理を実行しない。以下の説明では、S323の判定がYesだった場合について説明する。
なお、後述するが、親端末100は、合意処理が実行された時刻を示す時刻情報(第一時刻情報)と、当該合意処理を実行した子端末(ここでは子端末200)の識別情報とを対応づけて格納させる機能を有している。以下、親端末100が有する当該機能を参加履歴格納手段と称す。
なお、ここで説明したS323の判定は、予め親端末100に格納されている識別情報に対応する通信端末のみ仮想ルーム50に参加する資格を有していることを意味している。
また、親端末100は、合意処理を実行した子端末200が、当該合意処理に起因して構築された仮想ルーム50(ネットワーク)にアクセス不可となった時刻を示す第二時刻情報と、当該子端末200の識別情報と、を対応づけて格納させる機能を有している。以下、親端末100が有する当該機能を退出履歴格納手段と称す。
ここで子端末200が仮想ルーム50にアクセス不可となる事由について説明する。
例えば、子端末200自体に起因する事由としては、子端末200の電源がオフになる場合、携帯電話基地局10への無線通信が不能な場所に子端末200が移動する場合、子端末200の通信機能(第2通信制御部290)が故障する場合が挙げられる。
また、主催者であるユーザCに起因する事由としては、第一実施形態で述べた第二選択処理と同等の処理で子端末200がユーザCに選択された場合が挙げられる。
あるいは、ネットワーク構築手段の構成に起因する事由も挙げられる。例えば、ネットワーク構築手段が無線通信領域150の解除を契機として仮想ルーム50を解除する構成である場合、無線通信領域150の解除がアクセス不可の事由となりうる。他にも、ネットワーク構築手段が無線通信接続の切断を契機として子端末200を仮想ルーム50から排斥する場合、無線通信接続の切断がアクセス不可の事由となりうる。
なお、本実施形態においては無線通信接続の切断を契機として仮想ルーム50へのアクセスが不可となる態様で説明する。
S323の判定を受けて、親端末100は子端末200に対して合言葉情報入力を要求する(S325)。S325の要求に応じて、子端末200はその要求をユーザAに提示する(S327)。
S327の提示に応じて、ユーザAが子端末200に合言葉情報を入力すると(S329)、子端末200はS329で入力された合言葉情報を、親端末100に応答する(S331)。
親端末100は、S305で主催者であるユーザCが入力した合言葉情報(一の合言葉情報)と、S329で参加者であるユーザAが入力した合言葉情報(他の合言葉情報)と、を比較して一致判定を行う(S333)。S333の一致判定で一致と判定されたとき、親端末100と子端末200は合意処理を実行する(S335)。また、親端末100は、前述した参加履歴格納手段によって、S335の合意処理がなされた時刻を示す情報(第一時刻情報)と200の識別情報とを対応づけて格納させる(S337)。
S335で合意処理がなされた親端末100と子端末200は仮想ルーム50を構築する(S339)。また、子端末200は、仮想ルーム50に参加した旨の通知をユーザAに表示出力する(S341)。親端末100は、ユーザAが仮想ルーム50に参加した旨(参加者が追加された旨)の通知をユーザCに対して表示出力する(S343)。
親端末100と子端末200との間で確立された無線通信接続が切断されると(S345)、子端末200から仮想ルーム50へのアクセスが不可となる。従って、親端末100はS345の時刻を示す情報(第二時刻情報)と、当該子端末200に割り当てられた識別情報と、を対応づけて格納させる(S347)。
なお、無線通信接続が切断される事由としては、子端末200が無線通信領域150の範囲外に移動したり、親端末100によって無線通信領域150が解除されたり、親端末100または子端末200の電源がオフになる場合が挙げられる。
子端末200は、S345における通信切断に応じて、仮想ルーム50から退出した旨の通知をユーザAに表示出力する(S349)。また、親端末100は、S345における通信切断に応じて、仮想ルーム50からユーザAを削減した旨の通知をユーザCに表示出力する(S351)。
ここまで説明したように、本実施形態の無線通信システム1000は、参加履歴記憶手段と、退出履歴格納手段を備えているので、主催者であるユーザCは、仮想ルーム50の参加者の入退管理をすることができる。また、本実施形態のように、無線通信接続の切断を契機として仮想ルーム50へのアクセスを不可にすれば、無線通信領域150における各子端末の入退管理も可能となる。無線通信領域150の範囲(親端末100から発信される無線信号の到達範囲)を入退管理が必要な領域に合致するように設定すれば、当該領域の入退管理も実現できる。
ここまで第一実施形態および第二実施形態を示して本発明を説明したが、これらは一例である。また、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が単一の構成要素として構成されていること、一つの構成要素が複数の構成要素に分割されて形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
また、上述した各種の構成要素は、必ずしも必須の構成要素ではなく、本発明の効果を阻害しない程度に省いても構わないし、同等に機能又は作用する他の構成要素に代えてもよい。
また、上記実施形態において示した処理手順も本発明の実施の一例であって、ここに示した手順に限られない。従って、上記シーケンス図に図示した一つの処理が複数に分離されて実行される、複数の処理が一つの処理として実行される、複数の処理が並行して実行される等を許容する。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数の通信端末を含む無線通信システムであって、前記複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定手段と、前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知手段と、前記進入検知手段によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続手段と、前記通信接続手段によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末からデータを受け付けて、受け付けた前記データに基づいて前記データを提供した前記通信端末間の合意処理を実行する合意実行手段と、前記合意実行手段によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該合意処理を実行した前記通信端末のみがアクセス可能なネットワークを構築するネットワーク構築手段と、を備える無線通信システム。
(2)前記合意実行手段は、前記合意処理を実行する前記通信端末の各ユーザに対して合言葉情報入力の要求を提示し、前記合言葉情報入力によって入力された複数の合言葉情報を受け付けて、受け付けた複数の前記合言葉情報の比較処理に起因して前記合意処理を実行する(1)に記載の無線通信システム。
(3)前記合意実行手段は、前記合言葉情報入力によって入力された複数の前記合言葉情報のうち、一の前記通信端末で入力された一の前記合言葉情報と、他の前記通信端末で入力された他の前記合言葉情報と、を比較して一致判定を行うことに起因して、前記一の通信端末と前記他の通信端末との間で前記合意処理を実行する(2)に記載の無線通信システム。
(4)前記一の通信端末は前記親端末であり、前記他の通信端末は前記子端末であり、前記通信接続手段は、前記親端末から前記一の合言葉情報の入力を受け付けたことに起因して、前記親端末と前記子端末との間で前記無線通信接続を確立する(3)に記載の無線通信システム。
(5)前記合意実行手段は、前記他の合言葉情報を入力した前記他の通信端末のうち一又は複数を選択する第一選択処理を前記一の通信端末に対して要求し、前記第一選択処理によって選択された前記他の通信端末と前記一の通信端末との間で前記合意処理を実行する(3)または(4)に記載の無線通信システム。
(6)前記ネットワーク構築手段によって構築された前記ネットワークにアクセスしている前記他の通信端末のうち一又は複数を選択する第二選択処理を前記一の通信端末に対して要求し、前記第二選択処理によって選択された前記他の通信端末を当該ネットワークから排斥する排斥手段を備える(3)から(5)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(7)前記合意実行手段は、前記第一選択処理で選択されなかった前記他の通信端末または前記第二選択処理で選択された前記他の通信端末の少なくとも一方からの前記他の合言葉情報の入力を拒否する(5)に従属している(6)に記載の無線通信システム。
(8)前記ネットワーク構築手段は、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続とは異なる通信経路を介して前記ネットワークを構築する(1)から(7)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(9)前記ネットワーク構築手段によって構築される前記ネットワークの前記通信経路における通信速度が、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続における通信速度より大きい(8)に記載の無線通信システム。
(10)前記ネットワーク構築手段は、前記通信領域設定手段によって前記無線通信領域が解除されたことに起因して、前記ネットワークを解除する(8)または(9)に記載の無線通信システム。
(11)前記ネットワーク構築手段は、前記無線通信接続が切断された前記子端末を前記ネットワークから排斥する(8)から(10)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(12)前記通信領域設定手段は前記親端末に備えられ、前記親端末から所定強度で無線信号を発信し、前記無線信号が到達する範囲内で前記無線通信領域を設定し、前記進入検知手段は前記子端末に備えられ、前記子端末で前記無線信号を受信したことに起因して前記無線通信領域への進入を検知する(1)から(11)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(13)前記進入検知手段は、受信した前記無線信号の強度が閾値を超えているとき前記子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知し、前記閾値を可変に設定可能である(12)に記載の無線通信システム。
(14)前記通信領域設定手段は、前記所定強度を変更することによって前記無線通信領域の範囲を可変に設定可能である(12)または(13)に記載の無線通信システム。
(15)前記複数の通信端末のうち第一通信端末は、インターネット上に構築され、アカウントの登録によって利用可能となり、かつ、登録されている前記アカウントが検索可能に公開されているウェブアプリケーションにおいて前記アカウントの検索に用いる検索キーを前記ネットワーク上に公開する検索キー公開手段を有しており、前記複数の通信端末のうち第二通信端末は、前記検索キー公開手段によって前記ネットワーク上に公開された前記検索キーを用いて、前記ウェブアプリケーション上で登録されている前記アカウントを検索するアカウント検索手段を有している(1)から(14)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(16)前記第二通信端末は、登録されている複数の前記アカウントを前記ウェブアプリケーション上で関連づける当該ウェブアプリケーションの機能である第一機能に対して、前記アカウント検索手段によって検索された前記アカウントと、前記第二通信端末に対応している前記アカウントとの関連づけを要求する関連要求手段を有している(15)に記載の無線通信システム。
(17)前記第二通信端末は、前記第二通信端末が前記ウェブアプリケーションに登録されている前記アカウントに対応している旨を示す対応情報を前記ネットワーク上に公開している対応情報公開手段を有しており、前記第一通信端末は、前記第一機能によって前記アカウントの関連づけを行うために発行される申請処理を受け付けたとき、前記申請処理と共に受け付けた情報と、前記ネットワーク上に公開されている前記対応情報と、を比較して前記申請処理を発行した前記アカウントが前記第二通信端末に対応しているか否かを判定する対応判定手段と、前記対応判定手段によって対応していると判定されたとき、前記第一機能に対して前記申請処理に許諾で応じる旨を応答する関連許諾手段と、を有している(16)に記載の無線通信システム。
(18)前記第一通信端末は、前記第一通信端末が前記ウェブアプリケーションの前記アカウントと非対応である旨を示す非対応情報と前記第一通信端末の識別情報とを対応付けて前記ネットワーク上に公開している非対応公開手段を有しており、前記第二通信端末は、前記第二通信端末に対応している前記アカウントが登録されている前記ウェブアプリケーションと、前記第一通信端末が非対応である旨を示す前記非対応情報を前記ネットワークから検出したとき、前記第一通信端末に対して当該ウェブアプリケーションに前記アカウントを登録させる当該ウェブアプリケーション上の機能である第二機能を起動するためのアクセス先を提示する登録先提示手段を有している(15)から(17)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(19)前記第二通信端末は、前記第二通信端末に対応している前記アカウントが登録されている前記ウェブアプリケーションと、前記第一通信端末が非対応である旨を示す前記非対応情報を前記ネットワークから検出したときであって、且つ、前記ウェブアプリケーションを利用する際に必要なアプリケーションプログラムが前記第一通信端末にインストールされていないとき、前記第一通信端末に対して当該アプリケーションプログラムの取得先を提示する取得先提示手段を有している(18)に記載の無線通信システム。
(20)前記第一通信端末は、前記第二機能によって要求されるユーザの操作入力に起因して生成されうる入力情報を記憶している入力情報記憶手段と、前記第二機能から前記ユーザの操作入力を要求されたとき、前記入力情報記憶手段に記憶されている前記入力情報を前記第二機能に対して出力する操作入力代行手段と、を有している(18)または(19)に記載の無線通信システム。
(21)前記第一通信端末は、前記入力情報記憶手段に記憶されている一の前記ウェブアプリケーションに対応している前記入力情報に基づいて、他の前記ウェブアプリケーションに対応している前記入力情報を生成して前記入力情報記憶手段に記憶させる入力情報生成手段を有している(20)に記載の無線通信システム。
(22)前記第一通信端末から前記ウェブアプリケーションに通信接続してログイン処理を開始するとき、前記操作入力代行手段は、前記入力情報記憶手段に記憶されている前記入力情報を前記ウェブアプリケーションに対して出力することによって前記ログイン処理を行わせる(20)または(21)に記載の無線通信システム。
(23)前記ネットワークは、当該ネットワークにアクセス可能な前記通信端末からの読み出しまたは書き込みを受け付ける特定の記憶領域を有しており、当該通信端末は、テキストデータを生成するテキスト生成手段と、前記テキスト生成手段によって生成された前記テキストデータを前記特定の記憶領域に格納させるテキスト格納手段と、前記テキスト格納手段によって前記テキストデータが前記特定の記憶領域に格納された時系列の順番で視認可能に前記テキストデータを表示出力する表示出力手段と、を有している(21)または(22)に記載の無線通信システム。
(24)前記テキスト格納手段によって前記特定の記憶領域に格納された前記テキストデータは、前記ネットワークが解除されることに起因して削除される(23)に記載の無線通信システム。
(25)前記通信端末のそれぞれに対して固有の識別情報が割り当てられており、前記親端末は、一または複数の前記子端末の前記識別情報を格納している識別情報記憶手段を有しており、前記合意実行手段は、前記無線通信接続が確立された前記子端末の前記識別情報を受け付け、受け付けた前記識別情報が前記識別情報記憶手段に格納されている前記識別情報に含まれているとき、前記合意処理を実行し、さらに、前記合意処理が実行された時刻を示す第一時刻情報と、当該合意処理を実行した前記子端末の前記識別情報とを対応づけて格納させる参加履歴格納手段を有している(1)から(24)のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(26)前記合意処理を実行した前記子端末が、当該合意処理に起因して構築された前記ネットワークにアクセス不可となった時刻を示す第二時刻情報と、当該子端末の前記識別情報と、を対応づけて格納させる退出履歴格納手段を有している(25)に記載の無線通信システム。
(27)コンピュータで実行されるためのコンピュータプログラムであって、複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定処理と、前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知処理と、前記進入検知処理によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続処理と、前記通信接続処理によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末からデータを受け付けて、受け付けた前記データに基づいて合意処理を実行する合意実行処理と、前記合意実行処理によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該合意処理を実行した前記通信端末のみがアクセス可能なネットワークを構築するネットワーク構築処理と、を含むコンピュータプログラム。
(28)インターネット上に構築され、アカウントの登録によって利用可能となり、かつ、登録されている前記アカウントが検索可能に公開されているウェブアプリケーションにおいて、前記複数の通信端末のうち自機とは異なる他の前記通信端末が公開している前記アカウントの検索に用いる検索キーを、前記ネットワークから取得する検索キー取得処理と、前記検索キー取得処理で取得した前記検索キーを用いて、前記ウェブアプリケーション上で登録されている前記アカウントを検索するアカウント検索処理と、を含む(27)に記載のコンピュータプログラム。
(29)登録されている複数の前記アカウントを前記ウェブアプリケーション上で関連づける当該ウェブアプリケーションの機能である第一機能に対して、前記アカウント検索処理によって検索された前記アカウントと、自機に対応している前記アカウントとの関連づけを要求する関連要求処理を含む(28)に記載のコンピュータプログラム。
1000 無線通信システム
10 携帯電話基地局
20 携帯電話回線網
30 インターネット
50 仮想ルーム
60、70、80、90 SNS
100 親端末
150 無線通信領域
200、300 子端末
220 第1通信制御部
225 第1アンテナ部
230 主制御部
240 記憶部
250 操作入力部
260 音声入力部
270 音声出力部
280 表示出力部
290 第2通信制御部
295 第2アンテナ部

Claims (29)

  1. 複数の通信端末を含む無線通信システムであって、
    前記複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定手段と、
    前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知手段と、
    前記進入検知手段によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続手段と、
    前記通信接続手段によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末にてユーザからデータの入力を受け付けて、前記データを受け付けた複数の前記通信端末が前記データに基づいて当該複数の通信端末間の合意処理を実行することによって構成される合意実行手段と、
    当該複数の通信端末によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該複数の通信端末のみがアクセス可能なネットワークを、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続とは異なる通信経路を介して構築するネットワーク構築手段と、を備える無線通信システム。
  2. 前記合意実行手段は、前記合意処理を実行する前記通信端末の各ユーザに対して合言葉情報入力の要求を提示し、前記合言葉情報入力によって入力された複数の合言葉情報を受け付けて、受け付けた複数の前記合言葉情報の比較処理に起因して前記合意処理を実行する請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記合意実行手段は、前記合言葉情報入力によって入力された複数の前記合言葉情報のうち、一の前記通信端末で入力された一の前記合言葉情報と、他の前記通信端末で入力された他の前記合言葉情報と、を比較して一致判定を行うことに起因して、前記一の通信端末と前記他の通信端末との間で前記合意処理を実行する請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 前記一の通信端末は前記親端末であり、前記他の通信端末は前記子端末であり、
    前記通信接続手段は、前記親端末から前記一の合言葉情報の入力を受け付けたことに起因して、前記親端末と前記子端末との間で前記無線通信接続を確立する請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 前記合意実行手段は、前記他の合言葉情報を入力した前記他の通信端末のうち一又は複数を選択する第一選択処理を前記一の通信端末に対して要求し、前記第一選択処理によって選択された前記他の通信端末と前記一の通信端末との間で前記合意処理を実行する請求項3または4に記載の無線通信システム。
  6. 前記ネットワーク構築手段によって構築された前記ネットワークにアクセスしている前記他の通信端末のうち一又は複数を選択する第二選択処理を前記一の通信端末に対して要求し、前記第二選択処理によって選択された前記他の通信端末を当該ネットワークから排斥する排斥手段を備える請求項3から5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  7. 前記合意実行手段は、前記第一選択処理で選択されなかった前記他の通信端末または前記第二選択処理で選択された前記他の通信端末の少なくとも一方からの前記他の合言葉情報の入力を拒否する請求項5に従属している請求項6に記載の無線通信システム。
  8. 前記ネットワーク構築手段によって構築される前記ネットワークの前記通信経路における通信速度が、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続における通信速度より大きい請求項1から7のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  9. 前記ネットワーク構築手段は、前記通信領域設定手段によって前記無線通信領域が解除されたことに起因して、前記ネットワークを解除する請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 前記ネットワーク構築手段は、前記無線通信接続が切断された前記子端末を前記ネットワークから排斥する請求項8または9に記載の無線通信システム。
  11. 前記通信領域設定手段は前記親端末に備えられ、前記親端末から所定強度で無線信号を発信し、前記無線信号が到達する範囲内で前記無線通信領域を設定し、
    前記進入検知手段は前記子端末に備えられ、前記子端末で前記無線信号を受信したことに起因して前記無線通信領域への進入を検知する請求項1から10のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  12. 前記進入検知手段は、受信した前記無線信号の強度が閾値を超えているとき前記子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知し、前記閾値を可変に設定可能である請求項11に記載の無線通信システム。
  13. 前記通信領域設定手段は、前記所定強度を変更することによって前記無線通信領域の範囲を可変に設定可能である請求項11または12に記載の無線通信システム。
  14. 前記複数の通信端末のうち第一通信端末は、インターネット上に構築され、アカウントの登録によって利用可能となり、かつ、登録されている前記アカウントが検索可能に公開されているウェブアプリケーションにおいて前記アカウントの検索に用いる検索キーを前記ネットワーク上に公開する検索キー公開手段を有しており、
    前記複数の通信端末のうち第二通信端末は、前記検索キー公開手段によって前記ネットワーク上に公開された前記検索キーを用いて、前記ウェブアプリケーション上で登録されている前記アカウントを検索するアカウント検索手段を有している請求項1から13のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  15. 前記第二通信端末は、登録されている複数の前記アカウントを前記ウェブアプリケーション上で関連づける当該ウェブアプリケーションの機能である第一機能に対して、前記アカウント検索手段によって検索された前記アカウントと、前記第二通信端末に対応している前記アカウントとの関連づけを要求する関連要求手段を有している請求項14に記載の無線通信システム。
  16. 前記第二通信端末は、前記第二通信端末が前記ウェブアプリケーションに登録されている前記アカウントに対応している旨を示す対応情報を前記ネットワーク上に公開している対応情報公開手段を有しており、
    前記第一通信端末は、
    前記第一機能によって前記アカウントの関連づけを行うために発行される申請処理を受け付けたとき、前記申請処理と共に受け付けた情報と、前記ネットワーク上に公開されている前記対応情報と、を比較して前記申請処理を発行した前記アカウントが前記第二通信端末に対応しているか否かを判定する対応判定手段と、
    前記対応判定手段によって対応していると判定されたとき、前記第一機能に対して前記申請処理に許諾で応じる旨を応答する関連許諾手段と、を有している請求項15に記載の無線通信システム。
  17. 前記第一通信端末は、前記第一通信端末が前記ウェブアプリケーションの前記アカウントと非対応である旨を示す非対応情報と前記第一通信端末の識別情報とを対応付けて前記ネットワーク上に公開している非対応公開手段を有しており、
    前記第二通信端末は、前記第二通信端末に対応している前記アカウントが登録されている前記ウェブアプリケーションと、前記第一通信端末が非対応である旨を示す前記非対応情報を前記ネットワークから検出したとき、前記第一通信端末に対して当該ウェブアプリケーションに前記アカウントを登録させる当該ウェブアプリケーション上の機能である第二機能を起動するためのアクセス先を提示する登録先提示手段を有している請求項14から16のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  18. 前記第二通信端末は、前記第二通信端末に対応している前記アカウントが登録されている前記ウェブアプリケーションと、前記第一通信端末が非対応である旨を示す前記非対応情報を前記ネットワークから検出したときであって、且つ、前記ウェブアプリケーションを利用する際に必要なアプリケーションプログラムが前記第一通信端末にインストールされていないとき、前記第一通信端末に対して当該アプリケーションプログラムの取得先を提示する取得先提示手段を有している請求項17に記載の無線通信システム。
  19. 前記第一通信端末は、
    前記第二機能によって要求されるユーザの操作入力に起因して生成されうる入力情報を記憶している入力情報記憶手段と、
    前記第二機能から前記ユーザの操作入力を要求されたとき、前記入力情報記憶手段に記憶されている前記入力情報を前記第二機能に対して出力する操作入力代行手段と、を有している請求項17または18に記載の無線通信システム。
  20. 前記第一通信端末は、前記入力情報記憶手段に記憶されている一の前記ウェブアプリケーションに対応している前記入力情報に基づいて、他の前記ウェブアプリケーションに対応している前記入力情報を生成して前記入力情報記憶手段に記憶させる入力情報生成手段を有している請求項19に記載の無線通信システム。
  21. 前記第一通信端末から前記ウェブアプリケーションに通信接続してログイン処理を開始するとき、
    前記操作入力代行手段は、前記入力情報記憶手段に記憶されている前記入力情報を前記ウェブアプリケーションに対して出力することによって前記ログイン処理を行わせる請求項19または20に記載の無線通信システム。
  22. 前記ネットワークは、当該ネットワークにアクセス可能な前記通信端末からの読み出しまたは書き込みを受け付ける特定の記憶領域を有しており、
    当該通信端末は、
    テキストデータを生成するテキスト生成手段と、
    前記テキスト生成手段によって生成された前記テキストデータを前記特定の記憶領域に格納させるテキスト格納手段と、
    前記テキスト格納手段によって前記テキストデータが前記特定の記憶領域に格納された時系列の順番で視認可能に前記テキストデータを表示出力する表示出力手段と、を有している請求項20または21に記載の無線通信システム。
  23. 前記テキスト格納手段によって前記特定の記憶領域に格納された前記テキストデータは、前記ネットワークが解除されることに起因して削除される請求項22に記載の無線通信システム。
  24. 前記通信端末のそれぞれに対して固有の識別情報が割り当てられており、
    前記親端末は、一または複数の前記子端末の前記識別情報を格納している識別情報記憶手段を有しており、
    前記合意実行手段は、前記無線通信接続が確立された前記子端末の前記識別情報を受け付け、受け付けた前記識別情報が前記識別情報記憶手段に格納されている前記識別情報に含まれているとき、前記合意処理を実行し、
    さらに、前記合意処理が実行された時刻を示す第一時刻情報と、当該合意処理を実行した前記子端末の前記識別情報とを対応づけて格納させる参加履歴格納手段を有している請求項1から23のいずれか一項に記載の無線通信システム。
  25. 前記合意処理を実行した前記子端末が、当該合意処理に起因して構築された前記ネットワークにアクセス不可となった時刻を示す第二時刻情報と、当該子端末の前記識別情報と、を対応づけて格納させる退出履歴格納手段を有している請求項24に記載の無線通信システム。
  26. 複数の通信端末を含む無線通信システムであって、
    前記複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定手段と、
    前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知手段と、
    前記進入検知手段によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続手段と、
    前記通信接続手段によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末にてユーザからデータの入力を受け付けて、前記データを受け付けた複数の前記通信端末が前記データに基づいて当該複数の通信端末間の合意処理を実行することによって構成される合意実行手段と、
    当該複数の通信端末によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該複数の通信端末のみがアクセス可能なネットワークを構築するネットワーク構築手段と、を備え、
    前記通信端末のそれぞれに対して固有の識別情報が割り当てられており、
    前記親端末は、一または複数の前記子端末の前記識別情報を格納している識別情報記憶手段を有しており、
    前記合意実行手段は、前記無線通信接続が確立された前記子端末の前記識別情報を受け付け、受け付けた前記識別情報が前記識別情報記憶手段に格納されている前記識別情報に含まれているとき、前記合意処理を実行し、
    さらに、前記合意処理が実行された時刻を示す第一時刻情報と、当該合意処理を実行した前記子端末の前記識別情報とを対応づけて格納させる参加履歴格納手段を有している無線通信システム。
  27. コンピュータで実行されるためのコンピュータプログラムであって、
    複数の通信端末の一つである親端末を中心として一対多の無線通信接続を可能とする無線通信領域を、所定の物理空間の中に設定する通信領域設定処理と、
    前記親端末とは異なる前記通信端末である子端末が前記無線通信領域に進入したことを検知する進入検知処理と、
    前記進入検知処理によって前記無線通信領域への進入が検知された前記子端末と前記親端末の間で前記無線通信接続を確立する通信接続処理と、
    前記通信接続処理によって前記無線通信接続が確立される前記通信端末のうち少なくとも二つの前記通信端末にてユーザからデータの入力を受け付けて、前記データを受け付けた複数の前記通信端末に前記データに基づく当該複数の通信端末間の合意処理を実行させる合意実行処理と、
    当該複数の通信端末によって前記合意処理が実行されたことに起因して、当該複数の通信端末のみがアクセス可能なネットワークを、前記通信接続手段によって確立される前記無線通信接続とは異なる通信経路を介して構築するネットワーク構築処理と、を含むコンピュータプログラム。
  28. インターネット上に構築され、アカウントの登録によって利用可能となり、かつ、登録されている前記アカウントが検索可能に公開されているウェブアプリケーションにおいて、前記複数の通信端末のうち自機とは異なる他の前記通信端末が公開している前記アカウントの検索に用いる検索キーを、前記ネットワークから取得する検索キー取得処理と、
    前記検索キー取得処理で取得した前記検索キーを用いて、前記ウェブアプリケーション上で登録されている前記アカウントを検索するアカウント検索処理と、を含む請求項27に記載のコンピュータプログラム。
  29. 登録されている複数の前記アカウントを前記ウェブアプリケーション上で関連づける当該ウェブアプリケーションの機能である第一機能に対して、
    前記アカウント検索処理によって検索された前記アカウントと、自機に対応している前記アカウントとの関連づけを要求する関連要求処理を含む請求項28に記載のコンピュータプログラム。
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