JP5762572B2 - エグゾーストターボチャージャ用のタービン、並びにそのようなタービンを備えるエグゾーストターボチャージャ - Google Patents

エグゾーストターボチャージャ用のタービン、並びにそのようなタービンを備えるエグゾーストターボチャージャ Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の前提部分に示されている種類のエグゾーストターボチャージャ用のタービン、並びに請求項9に記載の、そのようなタービンを備えるエグゾーストターボチャージャに関する。
独国特許公開第2539711A1は、特にエグゾーストターボチャージャ内にあり、少なくとも部分的に調整可能な断面を備えるターボ機関用スパイラルハウジングを開示しており、この場合、スパイラルハウジングの内壁を半径方向にスライドしながらガイドされる、この壁に続いて周辺方向に移動可能な少なくとも1つのトングが設けられている。
独国特許公開第102008039085A1から、内燃機関の吸気システム内にコンプレッサを含み、内燃機関の排気システム内にタービンを含むエグゾーストターボチャージャを備える自動車の内燃機関が知られている。このタービンはタービンハウジングを有しており、このタービンハウジングには、排気システムの排気ラインに連結されたスパイラルダクトとタービンホイールとが含まれ、このタービンホイールはタービンハウジングの支持スペース内に配置されており、シャフトによってトルク耐性にタービンホイールに接続されているコンプレッサのコンプレッサホイールを駆動するため、スパイラルダクトを通って送られる内燃機関の排気ガスがこのタービンホイールに当てられる。このタービンは調整装置を備え、この調整装置によって、スパイラルダクトのスパイラルインレット断面及び収納スペースでのスパイラルダクトのノズル断面が同時に調整可能である。
内燃機関の燃料消費を低く抑え、それによってCO排出量を軽減するために、この内燃機関には過給装置が装備され、そのためこの内燃機関には、内燃機関の排気ガスを用いて該当するエグゾーストターボチャージャにより圧縮される圧縮空気を供給することができる。そのため、この内燃機関はいわゆるダウンサイジングの原理に基づいて形成することができ、このことは、この内燃機関が比較的小さな容積を有しているが、特に高い出力とトルクを提供できることを意味している。従って、この内燃機関は、非常に高い比出力およびトルクを有している。そのことから、特に、様々な作動点への過給装置の適合可能性に関して、過給装置への要求が常に増加する結果ともなるため、過給装置の効率的な作動を実現することができる。
独国特許公開第2539711A1 独国特許公開第102008039085A1
従って、本発明の課題は、冒頭に述べた種類のエグゾーストターボチャージャのタービンを発展させ、より効率的に作動できるようなタービンを備えたエグゾーストターボチャージャを提供することである。
この課題は、請求項1の特徴を有するエグゾーストターボチャージャ用のタービン、並びに請求項9の特徴を有する、そのようなタービンを備えるエグゾーストターボチャージャによって解決される。本発明の適切かつ重要な発展形態を備える有利な実施形態は、従属請求項に示されている。
特に内燃機関又は燃料電池のエグゾーストターボチャージャ用のこのようなタービンは、収納スペースを有するハウジング部品を含み、このハウジング部品は排気ガスが通過可能な少なくとも1つのスパイラルダクトを含んでいる。この場合、スパイラルダクトは流路断面を有しており、この流路断面を介して、少なくとも部分的に収納スペース内に収納されている、回転軸を中心に回転可能なタービンホイールに排気ガスを当てることができる。このタービンは、さらに、収納スペースの少なくともほぼ円周方向に、特にタービンホイールの回転軸を中心に回転可能な少なくとも1つの閉鎖体を備え、この閉鎖体によって流路断面を調整することができる。
本発明に基づき、この閉鎖体は、さらにタービンホイールの軸方向に、少なくとも第1と第2のポジション間を移動可能、詳細にはスライド可能である。このことは、閉鎖体が、タービンハウジングに対して相対的に収納スペースの円周方向に回転可能であるばかりでなく、タービンハウジングに対しても相対的にタービンホイールの軸方向に移動可能、詳細にはスライド可能であることを意味している。このことは、特に、閉鎖体が幅広くかつフレキシブルに調整可能であることを示しているため、このタービンを、非常にフレキシブルかつ適切に、極めて広い範囲で、特にタービンに割り当てられている内燃機関の様々な作動点に適合させることができる。このことから、結果的に、内燃機関の少なくともほぼ特性マップ全体において、本発明に基づくタービンの効率的な作動が生じ、このことにより、内燃機関の燃費並びにCO排出が減少する。
この場合、閉鎖体により、タービンハウジンを流れる排気ガスのフロー方向を向いてタービンホイールの上流で、特にもっとも狭い流路断面を可変的に調整することが可能となるため、このことから、いわゆるタービンのスループットパラメータ並びにタービンの堰き止め特性が調整され、とりわけ、これらを内燃機関の作動点に適合させることができる。
従って、本発明に基づくタービンは可変タービンであり、特に、閉鎖体が様々に調整可能であることにより、このタービンは、収納スペースの円周方向にもタービンホイールの軸方向にも非常に高いスループット範囲を有し、このことによって効率的な作動が生じる。この場合、本発明に基づくタービンは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ディゾットエンジン又はその他の内燃機関として形成されている内燃機関に使用することができる。本発明に基づくタービンは、特にガソリンエンジンに適用する場合、特に有利である。なぜなら、特にガソリンエンジンでは、ディーゼルエンジンなどの場合よりも、非常に広いスループット範囲がタービンに要求されるからである。この場合、本発明に基づくタービンは、スループット範囲に対するこれらの要求を満たすことができるため、タービン及び内燃機関を特に効率的に作動させることができる。
さらに、本発明に基づくタービンは、特に閉鎖体の調整特性に関して非常に高い作動信頼性を有しているという利点がある。この場合、閉鎖体は、あまり複雑でない、単純で堅牢なタービン調整の可能性を提供するため、特に要求の高い基本条件、例えば、排気ガス温度が最大1050℃にもなるガソリンエンジンにおいても、閉鎖体の円周方向への回転並びに軸方向への運動は、タービンの長い耐用年数にわたって、負荷が高くても行われる。
従って、本発明に基づくタービンは、特に有利な熱力学的特性並びにФ最大/Ф最小の高いスループット範囲係数を有しており、この係数は、好ましくは4.5〜6の範囲にある。この場合、Ф最大は、閉鎖体の回転及び動きによって最大限調整可能な本発明に基づくタービンのスループットパラメータであり、一方、Ф最小は、閉鎖体の回転及び動きによって最小限調整可能な本発明に基づくタービンのスループットパラメータである。
さらに、アクチュエータと呼ばれる調整要素を僅かな数しか設ける必要がないという意味では、本発明に基づくタービンが極めて有利であることは明らかであり、このことにより、本発明に基づくタービンの適用にかかる労力が少なくなり、従ってタービンの経費も低く抑えることができる。さらに、閉鎖体を備えるタービンは取付けスペースが非常に小さく、僅かな重量しか有していない。このことは、タービン並びにこのタービンに割り当てられている内燃機関の効率的な作動に有利に作用する。
本発明に基づく有利な実施形態では、少なくとも部分的にタービンホイール入口部分に配置されている第1のポジションと、この第1のポジションに対して、閉鎖体がタービンホイール入口部分から特に完全に離れている第2のポジションとの間でのみ、閉鎖体が軸方向に移動可能である。このことは、第1のポジションにおいて、タービンホイール上流の特にもっとも狭い流路断面で閉鎖体が調整可能であることを意味しており、特にもっとも狭い流路断面は、例えば、その一部分がタービンハウジングに対して固定されているスパイラルダクトの壁によって、一部分がタービンハウジングに対して動くことのできる(回転可能及び軸方向に移動可能な)閉鎖体によって形成されているか、もしくは境界されている。従って、第1のポジションでは、閉鎖体の回転によって、特にもっとも狭い流路断面がタービンホイールの上流で可変的に調整され、それによって、本発明に基づくタービンは、とりわけ適切かつフレキシブルに、内燃機関の様々な作動点に適合することが可能となる。
第2のポジションでは、閉鎖体が、とりわけ、タービンホイール入口部分から完全に離されているため、タービンホイールの上流にある特にもっとも狭い流路断面は、特に、タービンハウジングに対して固定されているスパイラルダクトの壁によってのみ形成されているか、又は境界されている。このことから、特に、該当する調整要素の従来の調整距離においても、内燃機関の必要に応じて、有利かつ適合した作用特性の制御と組み合わせる形で、非常に大きな最大限調整可能なスループットパラメータ(Ф最大)と、これに対して特に小さな最小スループットパラメータ(Ф最小)とを備える、本発明に基づくタービンの極めて広いスループット範囲を実現することができる。従って、ディーゼルエンジンに適用する場合、少なくともほぼ4のスループット範囲係数を実現することができる。この場合、ガソリンエンジンへの適用には、すでに説明した閉鎖体の移動可能性により、少なくとも5のスループット範囲係数が実現可能である。そのため、本発明に基づくタービンは、特にガソリンエンジンで生じるような高い排気ガス流量でも使用が可能であり、効率的かつエネルギー消費の少ない作動を保障することができる。
この場合、このことは、とりわけ単純かつコストのかからない方法で実現されている。なぜなら、閉鎖体は、第1と第2のポジションとの間でのみ、すなわち第1と第2のポジションとの間に限り、軸方向に移動可能だからである。このことが、制御又は調整にかかる労力、及び本発明に基づくタービンの適用にかかる労力を低く抑え、これに伴ってコストも小さくなる。
この場合、閉鎖体の第1のポジションでは、本発明に基づくタービンのいわゆるトングスライダモードを実施することができる。例えば翼面状のトングとして形成されている閉鎖体の第1のポジションでは、閉鎖体の回転により、スパイラルダクトの流路断面を適切に、内燃機関の作動点並びにチャージ圧要求に基づいて調整することができる。
タービンが、少なくとも2つの流路を有しており、これらの流路の少なくとも一部が流体的に互いに分離され、タービンホイールへ向かう排気ガスがこれらの流路を通ることができる場合、トングスライダモードでは、流路分離がほぼタービンホイールにまで生じている。
第2のポジションでは、例えば、実質的にタービンホイールの半径方向に排気ガスをタービンホイールに向けて流しているノズルから閉鎖体が離されているため、第1のポジションとは逆に、排気ガスは閉鎖体に向かって流れず、閉鎖体を通過しない。このノズルは、例えば、タービンホイールの上流にあるリング状の供給ダクトである。このことにより、第1のポジションに比べ、流路断面はさらに大きく調整されるか、又はさらに大きく調整可能である。すでに説明したように、タービンが少なくとも2つの流路を有している場合、第2のポジションでは、タービンホイールの上流で個々の流路の流体的接続を発生させることができる。この流路の接続により、タービンの静圧過給モードを設定することが可能となるため、排気ガスは、タービンの上流で流路の接続によってまず溜められるか、又は集められ、次に、タービンホイールを駆動するためにタービンホイールに向かって流れてくる。
この点については、タービンハウジングが、それぞれの流路断面を備える多数のスパイラルダクトを有することができ、有利には、流路断面のそれぞれに少なくとも1つの閉鎖体が割り当てられており、この閉鎖体を用いて、第1のポジションではそれぞれの流路断面が可変的に調整可能であり、その際、該当する閉鎖体はタービンホイール収納スペースの円周方向に、特にタービンホイールの回転軸を中心に回転することに留意されたい。
この場合、タービンは2つの流路を有しているようにすることができ、その一方の流路は、少なくとも2つのスパイラルダクトに部分流路として割り当てられている。このことは、この流路が2つのスパイラルダクトを流体的に接続していることを意味しており、従って、排気ガスは、この流路から2つのスパイラルダクトの中に流れ込むことができ、従って、この流路はタービンホイールの上流で2つのスパイラルダクトに分割されている。
スパイラルダクトはセグメントとも呼ばれる。なぜなら、スパイラルダクトにより、スパイラルダクトによって提供される個々のセグメントを介して、排気ガスがタービンホイールの円周方向にタービンホイールの円周にわたって流れてくることが可能となるからである。タービンが複数のスパイラルダクト、すなわちセグメントを備える場合、それによって、マルチセグメントタービンが作られ、このマルチセグメントタービンは、タービンホイールの特に有利な流れと、内燃機関の特に有利な過給とを可能にする。
本発明の有利な実施形態では、閉鎖体が、この閉鎖体と一緒に移動可能な調整部品、特に調整リングに接続されており、この調整リングによって閉鎖体は円周方向に回転可能であり、軸方向に移動可能である。この場合、一方のポジション、特に第1のポジションにおいて、排気ガスがタービンホイールを迂回できるタービンのバイパスダクトは、この調整部品によって、とりわけ常に流体的に閉鎖されている。さらに、この調整部品によって、もう一方のポジション、特に第2のポジションでは、バイパスダクトの流路断面を、少なくとも部分的に流体的に開放することができる。言い換えれば、第1のポジションにおける流路断面は流体的に閉鎖されているため、排気ガスはバイパスダクトを流れず、従って排気ガスは、タービンホイールを駆動することなしにタービンホイールを迂回することはできない。
少なくとも1つの閉鎖体がノズルから特に完全に離されている第2のポジションでは、流路断面が少なくとも部分的に開放されているか、又は開放可能であるため、排気ガスはバイパスダクトを流れ、従って、この排気ガスは、タービンホイールを駆動することなく、タービンホイールを迂回する。これにより、タービンホイールの、いわゆるバイパス化が実現され、従って、特に大きなスループットパラメータが調整可能となる。このことは、例えばラジアルタービンとして形成されている本発明に基づくタービンの特に広いスループット範囲を伴うため、このタービンは、内燃機関の少なくともほぼ特性マップ全体において、内燃機関の作動点に適切に適合することができる。この場合、タービンは、少なくとも2つ以上のバイパスダクトを有しているようにすることもでき、これらのバイパスダクトは、第1のポジションにおいて流体的に閉鎖され、第2のポジションでは少なくとも部分的に流体的に開放されているか、又は流体的に開放可能である。
少なくとも1つのバイパスダクト又はその流路断面を流体的に閉鎖するため、又は流体的に開放するため、通過開口部を有する調整部品、特に調整リングを設けることができ、その際、通過開口部は調整部品の壁によって境界されている。第1のポジションでは、バイパスダクトの流路断面が、調整部品の壁によって特に完全に覆われており、それにより流体的に閉鎖されている。第2ポジションにおいて流路断面又はバイパスダクトを開放するため、調整部品の通過開口部は、バイパスダクトの流路断面とバイパスダクトとが少なくとも部分的に重なり合った状態に動かされることができるため、排気ガスは調整部品の通過開口部を介して、バイパスダクト並びに調整部品を通過することができる。
タービンホイールを迂回する場合、例えば、排気ガスは、スパイラスダクトから分岐され、タービンホイールの下流において、タービンハウジング内でタービンホイールの下流に位置しているタービンホイール出口部分又はタービン出口部分に送られる。このために、バイパスダクトは、例えばインレット断面を有しており、このインレット断面を介してバイパスダクトがスパイラルダクトに合流する。さらに、バイパスダクトはアウトレット断面も有するようにすることもでき、このアウトレット断面を介して、バイパスダクトはタービンの出口部分において少なくとも部分的にタービンホイールの下流に合流する。この場合、排気ガスは、スパイラルダクトからインレット断面を介してバイパスダクトに流れ込み、アウトレット断面を介してこのバイパスダクトから流出することができる。
調整部品、特に調整リングは、少なくとも部分的に、特に完全にタービンハウジング内に、タービンハウジングに対して移動可能に収納されており、調整部品は、第1と第2のポジション間で閉鎖体を動かすため、閉鎖体と同様にタービンホイールの軸方向にこの閉鎖体と一緒に移動可能である。閉鎖体を回転させるため、調整部品は、収納スペースの円周方向に、特にタービンホイールの回転軸を中心に回転可能である。そのために、この調整部品は、この調整部品を回転させることのできる調整要素、例えば特にモーターと相互作用する。この場合、調整部品の回転は、閉鎖体との接続により、閉鎖体に相応の回転を生じさせる。このことは、本発明に基づくタービンが多数の閉鎖体を備えており、これらの閉鎖体が好ましくは調整部品に接続され、この調整部品によって動くことができる、すなわち円周方向にも回転可能であり、軸方向にも移動可能である場合、特に有利である。従って、この調整部品だけを調整要素と相互作用させ、この調整部品だけを動かすことが必要であり、このことにより、調整部品と共に全ての閉鎖体が動くようになる。
好ましくは、バイパスダクトの流路断面が、もう一方のポジション、特に第2のポジションで調整部品によって調整可能である。例えば、この調整部品が回転する場合、調整部品の回転によって流路断面を可変的に調整することができる。この場合、調整部品(及び閉鎖体)は、もう一方のポジション、特に第2のポジションにおいて、調整部品の調整角範囲のエンドポジションとして形成されている調整部品の第1の回転ポジションと、調整角範囲のもう1つのエンドポジションとして形成されているもう1つの回転ポジションとの間で動く、詳細には回転可能であるように設けることができる。この場合、これらの回転ポジションの一方では、調整部品の通過開口部がバイパスダクトの流路断面と少なくとも部分的に重なり合った状態にあるため、排気ガスは、タービンホイールを迂回する形でバイパスダクトを通過することができる。これに対し、もう一方の回転ポジションでは、流路断面が縮小し、詳細には流体的に閉鎖されているため、僅かな流量の排気ガスしかバイパスダクトを通過できないか、もしくは排気ガスは全く通過できない。この場合、第1の回転ポジションでは、流路断面が完全に開放されているように設けることができるため、流路断面又はバイパスダクトは調整部品によってスロットル調整が行われず、特に大量の排気ガスがバイパスダクトを通過することができる。
好ましくは、バイパスダクトの流路断面を調整する調整部品が、エンドポジションとして形成されている回転ポジションの間の、少なくとも1つの中間ポジションにおいても回転可能であるため、バイパスダクトの流路断面を特に適切に調整することができる。特に有利には、流路断面が、少なくともほぼ無段階に及び/又は少なくともほぼ連続的に、調整部品の調整角範囲内にあるエンドポジションの間で調整することができるため、調整部品が回転方向へ回転することにより、例えば、流路断面が流体的に完全に閉鎖されている状態から出発して徐々に開放されていき、それによって流路断面は、例えば最大及び特に完全に開放されている状態にまで拡大される。調整部品が、例えば、この回転方向とは逆の、第2の回転方向に回転する場合、バイパスダクトの流路断面は、特に完全に開放されている状態から出発して徐々に狭くなり、それによって流路断面は、例えば流体的に完全に閉鎖されている状態になるまで縮小されるため、排気ガスは(それ以上)バイパスダクトを通過することはできない。
バイパスダクトのこの調整可能性により、タービンのスループットパラメータを適切に調整するための、さらなるタービンの調整可能性が生じ、このことは、本発明に基づくタービンの効率的な作動に有利に作用するため、燃料消費及びCO排出の少ない内燃機関の作動に特に有利に働く。
閉鎖体がタービンホイール入口部分から離されている第2のポジションで調整部品が回転すると、それに伴って閉鎖体も回転する。しかしながら、この閉鎖体はタービンホイール入口部分から離されているため、閉鎖体の回転は、タービンホイール上流にあるスパイラルダクトの、特にもっとも狭い流路断面の調整には働かない。
小さな調整角範囲を達成するために特に有利であるのは、調整部品が第1の回転方向へ回転することにより、バイパスダクトを流体的に閉鎖するか、又は開放することができることであり、調整部品の第1の回転方向は、閉鎖体が次に動く第2の回転方向又は前回に動いた第2の回転方向とは逆である。つまり、例えばバイパスダクトを開くためには、バイパスダクトが調整部品によって閉鎖されている、ノズルの中に閉鎖体が位置している状態から出発して、閉鎖体が、まず、第1の回転方向に最大に回転する。続いて、閉鎖体は軸方向にずれるため、ノズルが完全に開かれる。このプロセスに続いて、調整部品が第2の回転方向に回転し、特に、この場合、第2の回転は第1の回転方向の逆であるため、小さな角度範囲でも大きなスループット範囲係数を達成するのに十分である。このことにより調整距離が小さくなり、結果として摩耗がより少なくなる。
本発明に基づくタービンの上述したトングスライダモードに関して、いわゆるタービンのウェイストゲートになるバイパスダクトが流体的に閉鎖されるようにすることができる。この場合、静圧過給モードでは、まず、バイパスダクトを流体的に閉鎖するようにすることができる。次に、調整部品が相応に回転し、流路断面が流体的に開放され、それにより、静圧タービンモードとも呼ばれる静圧過給モードにおいて、タービンホイールの迂回(バイパス化)が行われるため、バイパスダクトの流路断面が徐々に開放されることによってスループットパラメータが徐々に上昇し、このことから、とりわけ大きな最大の通過パラメータを調整することが可能となる。これに伴って、特に大きなスループット範囲率が生じる。
本発明のもう1つの有利な実施形態では、収納部分、特に凹部が設けられており、この凹部に閉鎖体が、少なくとも一方のポジション、特に第2のポジションにおいて少なくとも部分的に収納されており、この収納部分、特に凹部は、軸方向に固定されており、収納スペースの円周方向に移動可能である。一方で、この凹部は、第2のポジションの閉鎖体を収納し、それによって渦の形成又は同様の流れによる損失を最小限にするか、又は防止するため、排気ガスは、例えばノズルなどを介してとりわけ有利な形でタービンホイールに向けて流れることができる。さらに、この凹部又は収納部分により、特に第2のポジションにある閉鎖体の回転及び調整部品の回転が可能となるため、バイパスダクトの流路断面を可変的に調整することができるようになる。この収納部分は軸方向に固定されているため、閉鎖体は、第1のポジションから第2のポジションへ動く場合に、この凹部に対して相対的に動く。
この場合、例えば、タービンホイールに対して少なくともほぼ半径方向に通っている壁により、ノズル又は排気ガスをタービンホイールに供給する供給ダクトが部分的に境界されている。さらに、ノズル又は供給ダクトは、少なくとも一部を、閉鎖体の少なくともほぼ半径方向に通っている壁によって境界することができるため、タービンホイール入口部分には好ましくない渦の形成又はその他の流れ損失が起こることはなく、特に、閉鎖体の第2のポジションにおいて、タービンホイールに向かって有利に排気ガスが流れる。これにより、排気ガスの漏れ流れも防止される。
本発明のもう1つの有利な実施形態では、タービンが少なくとも2つの流路を有しており、これらの流路は少なくとも一部が流体的に互いに分離され、これらの流路を介して、排気ガスをタービンホイールに当てることができる。この場合、タービンは、一方のポジション、特に第1のポジションにおいて、動圧タービンモードとも呼ばれる動圧過給モードで作動できるため、内燃機関の動圧過給を行うことが可能となる。もう一方のポジション、特に第2のポジションでは、タービンが静圧タービンモードで作動可能であるため、内燃機関の静圧過給モードを行うことが可能となる。一方のポジション、特に第1のポジションでは、これらの流路がタービンホイールの上流で、特に直前まで流体的に分離されており、このことから、動圧タービンモードが生じる。もう一方のポジション、特に第2のポジションの閉鎖体が軸方向に動く場合、これらの流路はタービンホイールの上流で流体的に互いに接続され、このことから、いわゆる集合スペースが形成され、排気ガスはタービンホイールの上流でまずこの集合スペースの中に集められて溜まり、それからタービンホイールに向けて流される。この場合、排気ガスは、一方の流路又はこの流路の該当するセグメントから第2の流路又はこの第2の流路の該当するセグメントに流れることができる。本発明に基づくタービンは、これにより、内燃機関の様々な作動点に対する適合可能性に関して、特に高い柔軟性を有しており、このことから、効率的で、燃料消費が少なく、CO排出量も少ない作動が実現される。
もう1つの有利な実施形態では、動圧タービンモードにおいて、閉鎖体が一方の回転方向に回転することにより、その回転によって上昇するタービンのスループットパラメータを調整することができ、静圧タービンモードでは、閉鎖体がこの方向に回転することにより、その回転によって低下するタービンのスループットパラメータを調整することができる。閉鎖体が、例えば第1のポジションにあり、閉鎖体がこの回転方向に回転する場合、これにより、例えばスパイラルダクトの流路断面が徐々に開放されるため、タービンのスループットパラメータも徐々に上昇する。
閉鎖体が第2のポジションにあり、閉鎖体及び調整部品がこの回転方向に回転する場合、例えば、このことにより、バイパスダクトの流路断面は流体的な開放状態から出発して徐々に小さくなるため、この回転方向への回転によって本発明に基づくタービンのスループットパラメータは低下する。なぜなら、バイパスダクトを通過できる排気ガスの流量は、バイパスダクトが例えば流体的に完全に閉鎖されるまで徐々に少なくなって行くからである。逆に表現すると、このことは、閉鎖体の第2のポジションにおいて、閉鎖体及び調整部品が上述した回転方向とは逆の回転方向に回転することも同様に、その回転によってタービンのスループットパラメータが上昇することを意味している。なぜなら、第1の回転方向とは逆の、このもう1つの回転方向に閉鎖体及び調整部品が回転すると、バイパスダクトの流路断面が徐々に開放され、それによってバイパスダクトを通過できる排気ガスの流量が徐々に大きくなり、これにより、本発明に基づくタービンのスループットパラメータも徐々に大きくなるからである。このことにより、タービンは、特に有利に調整可能であり、内燃機関の様々な作動点に適合することができる。
この場合、バイパスダクトは、好ましくは少なくとも部分的に、特に完全にタービンハウジングの中に組み込まれている。このことは、バイパスダクトが少なくとも部分的に、特に完全にタービンハウジングの内部を通り、該当するハウジングの壁によって境界されることを意味している。
本発明の第2の様態は、本発明に基づくタービンを備える、特に内燃機関又は燃料電池用のエグゾーストターボチャージャに関する。本発明の第1の様態の有利な実施形態は、本発明の第2の様態の有利な実施形態と見なすことができ、その逆もまた可能である。この場合、閉鎖体及び調整部品を第1のポジションから第2のポジションへ動かすため、閉鎖体及び調整部品はタービンのタービン出口の方向へタービンホイールの軸方向に移動する、詳細にはスライドするように設けることができる。これに対応して、閉鎖体及び調整部品を第2のポジションから第1のポジションへ動かす場合、閉鎖体及び調整部品はこれとは逆方向に移動、特にスライドし、この方向は、例えば、エグゾーストターボチャージャのベアリングハウジングの方向を示し、このベアリングハウジング内には、エグゾーストターボチャージャのシャフトが回転可能に支持されている。
この場合、このシャフトは、一方ではトルク耐性にタービンホイールに接続され、他方ではトルク耐性に、エグゾーストターボチャージャのコンプレッサのコンプレッサホイールに接続されているため、このコンプレッサは、タービンホイールに排気ガスが当たることにより、タービンホイールのシャフトを介して駆動することができる。このことにより、内燃機関又は燃料電池の排気ガスに含まれるエネルギーを利用して、内燃機関又は燃料電池に供給される空気を効率的に圧縮することができるため、内燃機関又は燃料電池の特に高い比出力及びトルクを実現することができる。
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、好ましい実施例及び図に基づく以下の説明に示されている。ここまでの説明で述べた特徴及び特徴の組合せ、並びに以下の図の説明で述べられている、及び/又は図の中にのみ示されている特徴及び特徴の組合せは、それぞれに示された特徴の組合せだけではなく、本発明の範囲から出ることなく、その他の組合せ又は単独でも適用可能である。
内燃機関用のエグゾーストターボチャージャの本発明に基づくタービン断面の概略図であり、この内燃機関は調整装置を有し、この調整装置は、少なくとも部分的にタービンのタービンホイールの円周方向へタービンホイールの回転軸を中心に回転可能であり、2つのポジション間だけをタービンホイールの軸方向にスライド可能であり、この調整装置は、これらのポジションの第1のポジション内にある。 図1によるタービンの断面図であり、調整装置はこれらのポジションの第2のポジションにある。 図1及び図2によるタービンの断面図であり、タービンのバイパスダクトは流体的に開放されているため、排気ガスはタービンホイールを駆動することなく、タービンホイールを迂回することができる。 図1〜3によるタービンのもう1つの実施形態の縦断面の部分図であり、調整装置は第1のポジションにある。 図4によるタービンの縦断面の部分図であり、調整装置は第2のポジションにある。 図4及び図5によるタービンの縦断面の部分図であり、調整装置は第1のポジションにある。 図6によるタービンを切断線A−Aに沿って切断した場合の横断面の部分図である。 図4〜7によるタービンの縦断面の部分図であり、調整装置は第2のポジションにあり、タービンのバイパスダクトは流体的に閉鎖されている。 図8によるタービンを切断線A−Aに沿って切断した場合の横断面の部分図である。 図4〜9によるタービンの縦断面の部分図であり、調整装置は第2のポジションにあり、バイパスダクトは流体的に開放されている。 図10によるタービンを切断線A−Aに沿って切断した場合の横断面の部分図である。 図12a―dは、図4〜11によるタービンの横断面のそれぞれの部分図であり、調整装置は第2のポジションにあり、図12aには、第2のポジションにおける調整装置の様々な回転ポジションが示されている。 図1〜12によるタービンのスループット特性値のそれぞれの経過、及び調整装置の第1のポジションと第2のポジションにおけるトングスライダの回転角である。
図1は、例えば往復ピストン機関及びガソリンエンジンとして形成されている内燃機関のエグゾーストターボチャージャ用のタービン10を示している。このタービン10は、第1の流路16と第2の流路14とを有するタービンハウジング12を備えている。この場合、内燃機関の排気ガスは、第1の流路16及び第2の流路14を通過することができる。内燃機関が、例えば4気筒を有しており、その中で燃焼行程が進行する場合、これらのうちの2つのシリンダ、例えば第1と第4のシリンダの排気ガスは第1の流路16に割り当てられ、この第1の流路を通過し、一方その他のシリンダ、例えば第2と第3のシリンダの排気ガスは、第2の流路14に割り当てられ、この第2の流路14を通過する。タービンハウジング12は、さらに4つのスパイラルダクト、すなわち第1のスパイラルダクト18、第2のスパイラルダクト20、第3のスパイラルダクト22及び第4のスパイラルダクト24を有し、これらのスパイラルダクトを介してタービンホイール26に排気ガスを当てることができ、このタービンホイール26は、タービンハウジング12によって形成されている収納スペース28内に収納され、回転軸30を中心に回転可能である。さらに、第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20とは、一方で第1の流路16と流体的に接続されているため、第1の流路16を通過する排気ガスは、第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20の中を流れることができる。言い換えれば、第1の流路16は、第1の流路16のインレット断面AE1の下流及びタービンホイール26の上流で第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20とに分割されており、それにより、第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20の上流にある第1の流路16は、第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20の供給及び集合ダクトとして機能している。他方では、第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20とが収納スペース28の中につながっているため、第1のスパイラルダクト18と第2のスパイラルダクト20とからくる排気ガスが収納スペース28の中に流れ込み、回転する相対座標系において少なくともほぼ半径方向(方向矢印32)にタービンホイールに向かって流れることができる。従って、タービン10はラジアルタービンである。
同様のことが、第2の流路14と第3のスパイラルダクト22又は第4のスパイラルダクト24にも該当する。一方では、第3のスパイラルダクト20と第4のスパイラルダクト24とが流体的に第2の流路14に接続されているため、この流路はインレット断面AE2の下流及びタービンホイール26の上流で第3のスパイラルダクト22と第4のスパイラルダクト24とに分割されている。それにより、第3のスパイラルダクト22と第4のスパイラルダクト24の上流にある第2の流路14は、これらの両方のスパイラルダクトの供給及び集合ダクトとして機能している。他方では、第3のスパイラルダクト22と第4のスパイラルダクト24とが収納スペース28の中につながっており、それによってこの収納スペースと流体的に接続されているため、第2の流路14及び第3のスパイラルダクト22又は第4のスパイラルダクト24を流れる排気ガスが収納スペース28の中に流れ込み、回転する相対座標系において少なくともほぼ半径方向にタービンホイールに向かって流れ、これを駆動することができる。
図1から分かるように、スパイラルダクト18、20、22、24のアウトレット断面Aは、方向矢印34が示すように、タービンホイール26の円周方向に、タービンホイール26の円周上に互いに均等に分割されて順に配置されている。方向矢印36で示されているタービンホイール26の軸方向には、アウトレット断面Aが同じ高さに配置されている。
特にガソリンエンジンのはっきりした非定置特性を背景にして、タービン10を適切かつフレキシブルに内燃機関の様々な作動点に適合させ、それによって少なくともほとんど常に内燃機関の特性マップ全体においてタービン10を効率的に作動させられるように、タービン10は調整装置38を備えており、この調整装置はトングスライダとして形成されている。この調整装置38は、トングとも呼ばれる翼面状の閉鎖体40を備えており、この閉鎖体40はいずれかのスパイラルダクト18、20、22、24又はアウトレット断面Aにそれぞれ1つ割り当てられている。
閉鎖体40は、図1には示されていない調整リング(図4に表示)と固定接続されている。さらに、閉鎖体40と調整リング42とは、タービンホイール26の円周方向(方向矢印34)に、タービンホイール26の回転軸30を中心に回転可能である。閉鎖体40と一緒に回転できる調整リング42を介して閉鎖体40が回転することにより、スパイラルダクト18、20、22、24を通る排気ガスの流れる方向を向いてタービンホイール26の上流にあるもっとも狭い流路断面を可変的に調整することができる。なぜなら、調整装置38又は調整リング42及び閉鎖体40は、例えば少なくともほぼ60°の調整角範囲で、少なくともほぼ連続的かつ無段階に回転することができるからである。
図1には、閉鎖体40が、第1のエンドポジションとして形成されている調整角範囲の回転ポジションにあり、ここでは、スパイラルダクト18、20、22、24の最小に調整可能な流路断面A最小が調整されている。この第1のエンドポジションから出発して、閉鎖体40と調整リング42が円周方向を方向矢印44の方向に徐々に回転すると、それに伴って、タービンホイールの上流にあるスパイラルダクト18、20、22、24のもっとも狭い流路断面が徐々に大きくなる。
この場合、もっとも狭い流路断面の調整は、タービンホイール26の軸方向に関して調整装置38の第1のポジションにおいて可能である。調整装置38の第1のポジションでは、もっとも狭い流路断面が、一方では、タービンハウジング12に対して固定された、スパイラルダクト18、20、22、24を少なくとも部分的に境界している壁46によって境界されており、他方では、閉鎖体40によって一部が境界されている。この場合、調整装置38の第1の軸方向のポジションでは、スパイラルダクト18、20、22、24を流れる排気ガスが閉鎖体40に向かって流れ、通過する。
タービン10は、さらに、バイパスダクト48を備え、これらは分岐箇所50で流体的に第2の流路14と第1の流路16とに接続されている。分岐箇所50では、流路14、16からくる排気ガスがバイパスダクト48の中に流れ込み、これにより、流路14、16からくる排気ガスはタービンホイール26の上流で分岐される。これらのバイパスダクト48により、排気ガスは、タービンホイールに当たってこれを駆動することなく、タービンホイール26を迂回することができるようになる。このために、バイパスダクト48は、タービンホイール26の下流で、タービンホイール出口部分54(図4)の流入箇所52(図4)につながっている。
バイパスダクト48には、バルブ装置56が配置されており、このバルブ装置によってバイパスダクト48の流路断面Aを可変的に調整することができる。このバルブ装置56は、この場合、流路断面Aを流体的に閉鎖することができるため、排気ガスはバイパスダクト48を通過することができない。同様に、バルブ装置56は、流路断面Aの少なくとも一部を流体的に開放することができるため、排気ガスはバイパスダクト48を通過し、それによってタービンホイール26を迂回することができる。図1で分かるように、バルブ装置56は、バイパスダクト48を閉鎖するポジションにあるため、排気ガスはバイパスダクト48を通過することはできない。
もっとも狭い流路断面がタービンホイール26の上流で閉鎖体40によって可変的に調整可能である調整装置38の第1のポジションでは、タービン10がいわゆるトングスライダモードになっている。従って、調整リング42及び閉鎖体40の回転により、スループット特性値Фとも呼ばれるスループットパラメータを可変的に調整することができる。
図2はタービン10を示し、調整装置38は、方向矢印36で示されているタービンホイール26の軸方向へ第2のポジションに調整されている。この場合、調整装置38は、第1と第2のポジションとの間でのみタービンホイール26の軸方向に移動可能、詳細にはスライド可能である。第2のポジションでは、閉鎖体40がタービンホイール入口部分58から離されているため、閉鎖体は第1のポジションでのようにタービンホイール26上のリングノズル60(図4)の中に突出せず、第1のポジションと比較すると、排気ガスは閉鎖体に全く流れてこないか又は閉鎖体の周辺を通過しない、もしくは非常に僅かな部分にしか流れてこないか又はその部分を通過しない。調整リング42及び閉鎖体40は、引き続き第2のポジションでも回転軸30を中心に円周方向に回転可能であるが、この回転によって、タービンホイール26上流のもっとも狭い流路断面は変化しないか、もしくはそれ以上変化することはない。図2では、もっとも狭い流路断面がAで示され、これはタービンハウジング12に対して固定されている壁46によって境界されており、閉鎖体40によってはもはや部分的に境界されていない。
調整装置38の第2のポジションでは、タービン10のいわゆる静圧タービンモードが実現されており、この静圧タービンモードでは、内燃機関が静圧過給によって過給される。流路14、16又はスパイラルダクト18、20、22、24は、調整装置38の第1のポジションにおけるように、タービンホイールの上流で、直前まで流体的に互いに切り離されているのではなく、タービンホイール26上流のタービンホイール入口部分58で流体的に互いに接続されている。言い換えると、第2の流路14はタービンホイール26上で直接第1の流路16と流体的に接続されている。これにより、排気ガスは、セグメントとなっている第2の流路14又は第3のスパイラルダクト22及び第4のスパイラルダクト24から、同様にセグメントとなっている第1の流路16又は第1のスパイラルダクト18及び第2のスパイラルダクト20の中に流れ込むことができるか、もしくはその逆に流れることができる。排気ガスのこの流れは、図2の方向矢印62で示されている。
図3によるタービン10は、同様に静圧タービンモードで作動し、この静圧タービンモードでは、流路14、16が流体的に互いに接続されている。しかし、図2による動圧タービンモードとは異なり、バルブ装置56が開かれているため、バイパスダクトが開かれている。そのため、排気ガスは流路14、16からバイパスダクト48の中に流れ込み、タービンホイール26を駆動することなく、これを迂回することができ、このことはバイパス化と呼ばれる。
バイパスダクト48は、有利には、少なくとも部分的に、特に完全にタービンハウジング12の中に組み込まれ、タービンハウジング12の内部を通っており、このことがタービン10の取付けスペースを小さく保っている。
図1に示されている第1のポジションから図2及び図3に示されている第2のポジションへの移動により、タービン10のスループットパラメータを増加させることができる。図3に示されているように、バイパスダクト48がさらに流体的に開放される場合、これに伴って、タービン10のスループットパラメータ(スループット特性値Ф)がさらに上昇する。調整装置38の第1のポジションにおいて閉鎖体40によりもっとも狭い流路断面を調整することと組み合わせて、このタービン10は、非常に高いスループット係数Ф最大/Ф最小をもつ極めて広いスループット範囲を有しており、Ф最大はタービン10の最大限調整可能なスループット特性値を表し、Ф最小は最小限調整可能なスループット特性値を表している。
例えば、バイパスダクト48がバルブ装置56によって流体的に閉鎖されており、排気ガスはバイパスダクト48を通過することができない場合、及び調整リング42と閉鎖体40とが図1に示されている第1のエンドポジションにある場合には、最小限調整可能なスループット特性値Ф最小が調整されている。
この第1のエンドポジションから出発して、閉鎖体40と調整リング42とは、調整装置38の第1のポジションにおいて、もう1つのエンドポジションとして形成されている回転ポジションに回転可能であるため、もっとも狭い流路断面A最小に比べて大きな断面が調整される。この断面は、調整装置38の第1のポジションにおける、タービン26の上流にある最大限調整可能なもっとも狭い流路断面である。このエンドポジションにおいて、タービン10は、第1のエンドポジションに対してより大きなスループットパラメータを有している。
しかし、このスループットパラメータは、さらに上昇させることができる。タービン10の最大限調整可能なスループットパラメータが調整されるのは、例えば、調整装置38がその第2のポジションにあり、例えばバイパスダクト48の最大限調整可能な流路断面Aが調整されることにより、バイパスダクト48がバルブ装置56によって最大に開放される場合である。このことが図3に示されている。
図4は、図1〜3によるタービン10の代替の実施形態を示し、バイパスダクト48は流体的に閉鎖されており、例えば流路14からの排気ガスがこのバイパスダクトを通過することはできない。
図4から分かるように、調整リング42及び閉鎖体40とは互いに一体形成されている。トングスライダと呼ばれる調整装置38は、この場合、タービン10の輪郭スリーブ64上を軸方向にスライド可能に通っており、このことは方向矢印36で示されている。この場合、輪郭スリーブ64は、タービンハウジング12とは別のインサート部品として形成されており、タービンホイール出口部分54の内部輪郭を境界しているため、排気ガスがタービンホイール26に当たってこれを駆動した後、排気ガスは有利にタービンホイールから流出することができる。この場合、輪郭スリーブ64は、タービンハウジング12の中でセンターに位置決めされる。
図4では、操作部品66が図示されており、この操作部品によって、調整装置38は第1と第2のポジション間でのみ軸方向に移動することができる。さらに図4には、もう1つの操作部品68が示されており、この操作部品によって、調整装置38はタービンホイール26の円周方向に回転軸30を中心に回転することができ、このことは図4の方向矢印70で示されている。
さらに、凹部72が設けられており、この凹部も同様に、円周方向へ回転軸30を中心として、調整リング42と閉鎖体40と一緒にタービンハウジング12に対して回転可能である。しかし、軸方向には、タービンハウジング12に対して凹部42は固定されている。凹部72は開口部74を有しており、これらの開口部はそれぞれ閉鎖体40に対応しており、閉鎖体40は特に第2のポジションにおいてこれらの開口部の中に収納することができる。凹部72は、さらにリングノズル60に向かい合う壁76を有しており、この壁はリングノズルを軸方向に部分的に境界している。
例えば図5に示されている第2のポジションでは、リングノズル60が、軸方向に閉鎖体40又は複数の閉鎖体40の正面の壁78によっても境界されている。これにより、第2のポジションにある閉鎖体40には、リングノズル60を通過する排気ガスが少なくとも部分的に流れてくるが、第1のポジションのようには閉鎖体の周囲を流れず、閉鎖体はリングノズル60から完全に離されている。
輪郭スリーブ64は第1の通過開口部80を有し、この開口部は、タービンハウジング12内のバイパスダクト48と対応している。しかし、バイパスダクト48の中に流れ込む排気ガスが第1の通過開口部80内に流れていくことは防止される。なぜなら、調整リング42の壁82がバイパスダクト48を流体的に閉鎖しているからである。
軸方向及び調整リング42の回転角における調整装置38のポジションに応じて、バイパスダクト48は少なくとも部分的に流体的に開放されるか、又はこれとは反対に特に完全に流体的に閉鎖されるため、タービンホイール26の迂回は、バイパスダクト48及び第1の通過開口部80を介して行われるか、又は防止される。このために、調整リング42は、同様に第2の通過開口部84を有しており、この通過開口部は壁82によって境界されている。調整装置38が第2のポジションへ軸方向に移動し、調整角範囲の該当する回転ポジションに回転する場合、第2の通過開口部84は少なくとも部分的にバイパスダクト48と重なり合った状態に動かされ、輪郭スリーブ64の第1の通過開口部80と一緒に移動できるため、バイパスダクト48から第2の通過開口部84を介して第1の通過開口部80へ排気ガスが流れ、この通過開口部からタービンホイール出口部分54へと流れることが可能になり、これによって排気ガスはエンドポジション52でタービンホイール出口部分54の中に流れ込むことができる。従って、バイパスダクト48の流路断面Aを可変的に調整するバルブ機能は、調整装置38の調整リング42の中に組み込まれている。
図4に示されている第1のポジションから、例えば図5に示されている第2のポジションに調整装置38を動かすには、タービン10のタービン出口86方向へ軸方向に調整装置48を移動させ、このことは方向矢印88で示されている。調整措置38を第2のポジションから第1のポジションに動かすには、これとは逆に、エグゾーストターボチャージャのベアリングハウジング90の方向に調整装置38を軸方向へ動かし、このことは方向矢印92で示されている。
図5は、図4によるタービン10を示し、調整装置38は第2のポジションにあり、バイパスダクト48又は複数のバイパスダクト48は流体的に開放されている。このことは、流路14を流れる排気ガスが部分的にタービンホイール26に向かって流れ、これを駆動することを意味し、このことは方向矢印94で示されている。排気ガスの一部は、バイパスダクト48、第2の通過開口部84及び第1の通過開口部80を介してタービンホイール出口部分54の中に流れ込み、このことは方向矢印96で示されている。
調整装置38又は調整リング42、従って閉鎖体40が、図5に示されている調整装置38の第2のポジションに回転することにより、バイパスダクト48の流路断面Aを可変的に調整することができる。
図6及び図7は、バイパスダクト48が(トングスライダの)調整装置38の第1のポジションにおいて常に流体的に閉鎖されており、調整リング42及び閉鎖体40の回転によっても部分的であっても必ずしも開放できないことを再度示している。言い換えれば、このバイパスダクト48は、タービンのトングスライダモードにおいて常に流体的に閉鎖されており、開放することはできない。
図8及び図9はタービン10を示し、調整装置38は第2のポジションにあり、このポジションではバイパスダクト48を流体的に閉鎖することができるが、タービンホイールを迂回(バイパス化)するために、少なくとも一部を流体的に開放することもできる。図10及び図11と合わせて図8及び図9から分かるように、調整リング42の通過開口部84は、調整リングを円周方向(方向矢印34)へ回すことによって、バイパスダクト48及び第1の通過開口部80の方向に方向矢印98へ動き、少なくとも部分的に、特に完全にバイパスダクト48及び第1の通過開口部80と重なり合った状態で配置することができ、このことが図10及び図11に示されている。同様に図8〜11から分かるように、第1の通過開口部80とバイパスダクト48とは、少なくともほぼ面一に配置されているため、第2の通過開口部84が第1の通過開口部80とバイパスダクト48と完全に重なり合っている場合、バイパスダクト48、第2の通過開口部84及び第1の通過開口部80を通過する排気ガスの障害となるエッジは少なくともほとんど発生しない。図8及び図9に示されているバイパスダクト48の完全な流体的閉鎖とバイパスダクト48の完全な流体的開放に加えて、調整リング及び第2の通過開口部84を中間ポジションに回すことができるため、第2の通過開口部84は、第1の通過開口部80とバイパスダクト48とが部分的に重なり合った状態でのみ配置されており、バイパスダクト48と第1の通過開口部80は調整リング42の壁によって部分的に塞がれている。このことが図12a〜dに示されている。
図12aでは、タービン10はトングスライダモードにあり、調整装置38は第1の軸方向のポジションにある。バイパスダクト48は、この場合、常に流体的に閉鎖されている。トングスライダモードに伴って、タービン10の動圧タービンモードが生じ、この動圧タービンモードでは、タービン10が動圧過給モードで作動可能である。
図12bは静圧タービンモードのタービン10を示し、この静圧タービンモードでは、タービン10が静圧過給モードで作動し、調整装置38は第2の軸方向のポジションにある。しかし、バイパスダクト48は流体的に調整リング42によって閉鎖されており、タービンホイール26の迂回は行われない。
図12cは静圧タービンモードにあるタービン10を示し、バイパスダクト48は調整リング42の該当する設定によって一部が流体的に開放されており、その際、第2の通過開口部84は第1の通過開口部80及びバイパスダクト48と部分的に重なり合った状態で配置されている。つまり、バイパスダクト48の流体的閉鎖と比べてより大きいが、バイパスダクト48の完全な流体的開放に比べ小さいバイパスダクト48の流路断面Aが調整されている。
図12dでは、タービン10が静圧タービンモードにあり、この場合、調整装置38は第2の軸方向のポジションに調整されている。バイパスダクト48は、流体的に完全に開放されているため、最大に調整可能な排気ガス量が流路14から分岐され、タービンホイール26を迂回する。図13はグラフ100を示し、その横座標102には調整装置38、すなわち閉鎖体40と調整リング42の調整角範囲βが示されている。この場合、調整角範囲βは、一方で、調整角範囲βの中で調整装置38のエンドポジションになっている第1の回転ポジションβ最小によって境界されている。他方では、調整角範囲βが、調整角範囲βの中で調整装置38のもう1つのエンドポジションになっている第2の回転ポジションβ最大によって境界されている。言い換えれば、調整装置38は回転ポジションβ最小とβ最大との間を円周方向に回転することができ、これらのエンドポジション間では調整角範囲βの少なくともほとんどの回転ポジションに調整することができる。
グラフ100の縦座標104には、タービン10のスループット特性値Фが示されている。調整装置38が第1と第2のポジション間を軸方向に移動することにより、並びに調整角範囲βの範囲内で調整装置38が回転することにより、最小限のスループット特性値Ф最小並びに最大限のスループット特性値Ф最大が調整可能である。
タービン10がトングスライダモードにある場合、すなわち調整装置38が第1のポジションに移動しており、バイパスダクト48又は複数のバイパスダクト48は流体的に閉鎖されているため、グラフ100に示されているスループット特性値Фの曲線106が生じる。調整装置38の小さな回転ポジション又は小さな回転角から出発して、これに対して調整装置38のより大きな回転ポジション又は回転角に至るまで、スパイラルダクト18、20、22、24の流路断面(のど断面)及びスループット特性値Фは徐々に上昇する。言い換えれば、回転角が大きくなるのに伴って、スループット特性値Фは上昇し、その際、バイパスダクト48は常に閉じられている。バイパスダクト48が流体的に閉じられている場合の調整装置38の回転ポジションβ最大又は最大の回転角では、タービンホイール26上流における最大限可能なもっとも狭い流路断面が調整されるため、調整装置38の第1の軸方向のポジションでは、第1のポジションに関して最大スループット特性値ФZSが生じる。
このことから出発して、スループット特性値Фは、トングスライダ(調整装置38)がタービン出口86方向へ軸方向に移動することにより、さらに拡大することができるため、閉鎖体40はリングノズル60から離される。バイパスダクト48又は複数のバイパスダクト48がこの状態(調整装置38の第2の軸方向のポジション)で、まだ流体的に閉鎖されている場合、スループット特性値はスループット特性値ФZSに比べて大きなスループット特性値ФSTとなり、その際、タービン10は静圧タービンモードにある。回転ポジションが調整装置38の最大回転ポジションβ最大から出発して再び小さくなる場合は、調整装置38の回転ポジション又は回転角が徐々に小さくなるのに伴って、バイパスダクト48又は複数のバイパスダクト48は徐々に開放されるため、バイパスダクト48の流路断面Aは大きくなるように調整される。このことに伴って、最終的には最小の回転ポジションβ最小において、バイパスダクト48又は複数のバイパスダクト48が流体的に最大に開放され、タービンの最大限可能なスループット特性値Ф最大が調整されるまで、スループット特性値Фはさらに上昇する。タービン10の静圧タービンモードがある範囲108が、グラフ100から特に良く理解できる。さらにグラフ100から、タービン10のトングスライダモード又は動圧タービンモードがあるもう1つの範囲110も特に良く理解できる。
最大限可能なスループット特性値Ф最大から出発して、スループット特性値Фを小さくする場合、このことは前述の説明と同様に行われる。まず、調整装置38の回転ポジション又は回転角が大きくなることにより、バイパスダクト48又は複数のバイパスダクト48が徐々に閉じられ、流体的に閉鎖され、続いて調整装置38はベアリングハウジングの方向に軸方向へ移動し、回転ポジション又は回転角の縮小によりスループット特性値Фが低下していき、最終的には、最大限小さな回転ポジションβ最小又は最大限小さな回転角において最大限小さなスループット特性値Ф最小が調整される。
この作動戦略により、原理的理由から調整装置38の調整角範囲β又は回転角範囲が例えば最大60°に制限されている場合でも、特に大きなスループット範囲係数Ф最大/Ф最小が可能となる。
同様に、大きなスループット範囲係数Ф最大/Ф最小は、閉鎖体40がまず第1の回転方向に回転し、続いて軸方向に動くことによりノズル60を開放し、次に調整部品42が、第2の回転方向(しかし、これは第1の回転方向に該当する)への回転運動の結果、バイパスダクト48を開放することによっても達成することができると考えられる。

Claims (8)

  1. 燃機関のエグゾーストターボチャージャ用のタービン(10)であり、前記タービンは、収納スペース(28)を有するタービンハウジング(12)を備え、該タービンハウジングは排気ガスが通過可能な複数のスパイラルダクト(18、20、22、24)を備え、各前記スパイラルダクトは流路断面(A)を有し、該流路断面を介して、前記収納スペース(28)内に収納されている回転軸(30)を中心に回転可能なタービンホイール(26)に排気ガスが当てられ、さらに、前記タービンは、前記収納スペース(28)円周方向(34)に回転可能な複数の閉鎖体(40)を備えており、各前記閉鎖体によって前記流路断面(A)を調整することができ、前記閉鎖体(40)は、さらに、前記タービンホイール(26)の軸方向(36)に、第1と第2のポジション間を移動可能である、タービン(10)であって、
    前記タービンハウジング(12)が2つの流路(14、16)を有しており、前記タービン(10)が前記閉鎖体(40)の一方の前記軸方向のポジションでは動圧タービンモードで作動可能であり、もう一方の前記軸方向のポジションでは静圧タービンモードで作動可能であり、前記動圧タービンモードにおいて、前記閉鎖体(40)がある回転方向に回転することにより、該回転によって上昇する前記タービン(10)のスループットパラメータ(Ф)が調整可能であり、前記静圧タービンモードでは、前記閉鎖体(40)がこの回転方向に回転することにより、前記回転によって低下する前記タービン(10)のスループットパラメータ(Ф)が調整可能であることを特徴とする、タービン(10)。
  2. 前記閉鎖体(40)が、タービンホイール入口部分(58)に配置されている前記第1のポジションと、該第1のポジションに対して、前記閉鎖体が前記タービンホイール入口部分から完全に離れている前記第2のポジションとの間でのみ、前記閉鎖体(40)が軸方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のタービン(10)。
  3. 前記閉鎖体(40)が、前記第1のポジションから前記第2のポジションへ移動するために前記タービン(10)のタービン出口(86)の方向に移動することができ、それに対して、前記第2のポジションから前記第1のポジションへ移動するために逆方向(92)に移動することができることを特徴とする、請求項2に記載のタービン(10)。
  4. 前記閉鎖体(40)が、該閉鎖体(40)と一緒に移動可能な調整部品(42)に接続されており、該調整部品によって前記閉鎖体(40)は回転可能及び移動可能であり、前記調整部品(42)によって、一方の前記ポジションでは、排気ガスが前記タービンホイール(26)を迂回することができる前記タービン(10)のバイパスダクト(48)が流体的に閉鎖されており、前記調整部品(42)によって、前記もう一方のポジションでは、前記バイパスダクト(48)の流路断面(Aを流体的に開放することができることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のタービン(10)。
  5. 前記バイパスダクト(48)の前記流路断面(A)が、前記もう一方のポジションにおいて前記調整部品(42)によって可変的に調整可能であることを特徴とする、請求項4に記載のタービン(10)。
  6. 前記調整部品(42)が第1の回転方向へ回転することにより、前記バイパスダクト(48)を流体的に閉鎖するか、又は開放することができ、前記調整部品(42)の前記第1の回転方向は、前記閉鎖体(40)が次に動く第2の回転方向又は前回に動いた第2の回転方向とは逆であることを特徴とする、請求項4又は5のうちいずれか一項に記載のタービン(10)。
  7. 部(72)が設けられており、該凹部に前記閉鎖体(40)が少なくとも一方の前記ポジションにおいて収納されており、前記凹部(72)は、軸方向(36)に固定されており、前記収納スペース(28)の円周方向(34)に回転可能であることを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のタービン(10)。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のタービン(10)を備える、内燃機関用のエグゾーストターボチャージャ。
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