JP5762271B2 - 高圧容器付きガス消費システム - Google Patents

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Description

この発明は、高圧容器付きガス消費システムに関するものである。
燃料電池車両に搭載された燃料電池システムでは、燃料電池の燃料となる水素を充填した高圧水素タンクを車両に搭載している。
こうした車両では、各搭載機器の軽量化が求められており、この軽量化を目的とした高圧水素タンクとして、水素を透過し難い樹脂で形成されたライナーと、ライナーを囲繞するように設けられ繊維強化材料で形成された補強体とから構成されたものが知られている。
この高圧水素タンクでは、タンク内に水素が大量に充填されて高圧状態にあるときに、分子量の小さい水素がライナーを透過してライナーと補強体の間に残留してしまい、この状態でタンク内の水素を急激に減圧すると、ライナーと補強体の間に残留した水素が膨張し、ライナーをタンク内側に変形させるバックリングと称される現象が起こり得る。
このバックリングの防止策として、図7に示すように、タンク内の圧力が規定の圧力値Paまで低下したときには、水素の供給を停止する(燃料電池の出力を「0」にする)ことで、タンク内の圧力が前記規定の圧力値Paを下回らないようにする技術が知られている(以下、第1の防止策という)。
ここで、前記規定の圧力値Paとは、図8(A)に示すように、タンク内のガス圧力(タンク内圧力)が、ライナーと補強体の間に残留したガスの圧力(残留ガス圧力)よりも低下し、その圧力差ΔPが閾値ΔPlimに達してバックリングが起こり始めるときのタンク内の圧力値Paである。なお、図8(B)は、燃料電池で消費可能な水素の消費量上限値のタイムチャートであり、タンク内の圧力が圧力値Paに達するまでは、消費量上限値は燃料電池の最大出力時における水素消費量に設定されており、タンク内の圧力が圧力値Paに達するとそれ以降は消費量上限値は「0」に設定されることとなる。
また、別の防止策として、特許文献1に開示されているように、ライナーの内側に水素透過性の低い合成ゴムのバリア層を形成することで、水素の透過量を減少させてライナーと補強体の間に残留する水素を減少させる技術が知られている(以下、第2の防止策という)。
特開2002−188794号公報
しかしながら、前記第1の防止策の場合には、高圧水素タンク内に規定の圧力を残すことから、燃料電池で使用可能な水素量が減少してしまい、燃料電池車両の場合には航続距離が短くなり、商品性が低下するという課題がある。
また、第2の防止策の場合には、バリア層を加えることから、高圧水素タンクの部品点数が増加し、生産性も悪くなり、コストアップにつながるという課題がある。
そこで、この発明は、簡単な構成ながらバックリングを抑制しつつ、使用可能な水素量を増大させることができる高圧容器付きガス消費システムを提供するものである。
この発明に係る高圧容器付きガス消費システムでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、内部に高圧のガスが充填される樹脂製の容器本体(例えば、後述する実施例におけるライナー21)および該容器本体を囲繞する補強体(例えば、後述する実施例における補強体22)を有する高圧容器(例えば、後述する実施例における水素タンク2)と、前記高圧容器に充填されている前記ガスを消費するガス消費装置(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)と、前記容器本体内の圧力を検知する圧力検知手段(例えば、後述する実施例における圧力センサ8)と、前記ガス消費装置で消費可能な前記ガスの消費量上限値を設定するガス消費量上限値設定手段(例えば、後述する実施例における出力制限部31)と、を備え、前記ガス消費量上限値設定手段は、前記圧力検知手段により検出された検知圧力が予め設定された制限開始圧力値よりも大きいときには、前記消費量上限値を前記ガス消費装置の最大負荷時に消費されるガス量である最大消費量に設定し、前記検知圧力が前記制限開始圧力値以下に低下したときには、前記消費量上限値を前記最大消費量よりも小さい消費量に設定するとともに、前記検知圧力が小さくなるにしたがって漸次小さくしていき、前記検知圧力と、前記容器本体と前記補強体との間に残留する残留ガスの圧力と、の圧力差が所定の閾値になったときに0になるように設定することを特徴とする高圧容器付きガス消費システムである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記高圧容器内の温度を検知する温度検知手段(例えば、後述する実施例における温度センサ10)と、前記温度検知手段により検知された検知温度が高いときには該検知温度が低いときよりも前記制限開始圧力値を大きい値に補正する補正手段と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記ガス消費装置は車両に搭載された燃料電池であり、前記車両上にて完結していることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、高圧容器内の圧力が制限開始圧力値以下に低下したときには、消費量上限値を最大消費量よりも小さい消費量に設定し、且つ、高圧容器内の圧力が小さくなるにしたがって消費量上限値を漸次小さい消費量に設定するので、容器本体が内側に変形するバックリングを抑制することができるとともに、高圧容器に収容されたガスにおいて使用不能となる死残量を低減することができ、すなわち使用可能なガス量を増大させることができる。
請求項2に係る発明によれば、樹脂製の容器本体は温度が高いほど機械的強度が低下し、バックリングし易いという特性があるので、高圧容器内の温度が高いほど制限開始圧力値を大きい値に補正することにより、高圧容器内の温度に関わらずバックリングを確実に抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、車両内の装置および手段のみで高圧容器内のガスの死残量を低減して、使用可能なガス量を増大させることができるので、車両の航続距離を延ばすことができる。
この発明に係る高圧容器付きガス消費システムの概略構成図である。 (A)はこの発明に係る高圧容器付きガス消費システムにおけるタンク内圧力と残留ガス圧力の変化を示す図であり、(B)はこの発明に係る高圧容器付きガス消費システムにおける消費量上限値のタイムチャートである。 この発明に係る高圧容器付きガス消費システムにおける消費量上限値の変化(A)と、従来技術における消費量上限値の変化(B)とを比較した図である。 気体透過理論の1次元モデルを示す図である。 高圧容器内にガスが満充填されているときのライナーと補強体におけるガス圧力分布を示す図である。 タンク内の温度に応じて出力制限開始圧力を補正する場合を説明する図である。 従来技術における燃料電池の消費量上限値の変化を示す図である。 (A)は従来技術におけるタンク内圧力と残留ガス圧力の変化を示す図であり、(B)は従来技術における消費量上限値のタイムチャートである。
以下、この発明に係る高圧容器付きガス消費システムの実施例を図1から図6の図面を参照して説明する。
図1は、高圧容器付きガス消費システムの概略構成図であり、この実施例では、燃料電池車両に搭載されて駆動源としてのモータ等に電力を供給する燃料電池システムとしての態様である。
この燃料電池システムは、その全ての構成が車両に搭載されていて、車両上にて完結している。
図1に示すように、燃料電池システムは、高圧ガスとしての高圧の水素が充填された水素タンク(高圧容器)2と、水素タンク2に充填されているガスである水素を消費する燃料電池スタック(ガス消費装置)1とを備えている。
燃料電池スタック1は、燃料としての水素と酸化剤としての酸素が供給されて発電をする燃料電池である。燃料電池スタック1は、例えば固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)をセパレータ(図示しない)で挟持してなる単セルが複数積層されて構成されている。
水素タンク2は、長手方向の両端が略半球状の筒状をなし、タンク内側に配置されて容器本体を構成するライナー21と、ライナー21の外表面を囲繞するように配置された補強体22とから構成されている。ライナー21は、軽量で機械的強度が大きく水素透過性の低い高密度樹脂、例えば高密度ポリエチレンやポリアミド樹脂等で形成されている。補強体22は、ライナー21を補強して機械的強度を上げるもので、繊維強化プラスチック、例えば炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic 、略してCFRP)で構成されている。
水素タンク2の長手方向の一端の開口部2aには主止弁4が取り付けられており、開口部2aは主止弁4によって塞がれている。主止弁4は、水素タンク2に水素を充填するときに開弁する充填用バルブとしての機能と、水素タンク2に充填されている水素を燃料電池スタック1に供給する際に開弁する供給用バルブとしての機能を有しており、制御装置30によりその機能に応じた流路に切り換え制御されるようになっている。
燃料電池スタック1には、水素タンク2の主止弁4から放出された水素が、所定圧力に調整されて水素供給流路(ガス供給流路)3を介して供給されるとともに、図示しない空気供給装置を介して酸素を含む空気が所定圧力および所定流量で供給される。
水素供給流路3には、その上流側から、減圧弁5、リリーフ弁6、中圧デバイス7が設けられている。水素タンク2の主止弁4から放出される高圧(例えば、35MPaあるいは70MPa等)の水素は、減圧弁5によって所定の圧力(例えば、1MP以下)に減圧されて中圧デバイス7に供給される。ここで、中圧デバイス7とは、減圧弁5と燃料電池スタック1との間に配置されるデバイスの総称であり、エゼクタ、インジェクタなどが含まれる。エゼクタは、燃料電池スタック1から排出される水素オフガスを循環利用するために水素オフガスを再び水素供給流路3に戻すデバイスであり、インジェクタは燃料電池スタック1に供給する水素流量を調整するデバイスである。また、燃料電池スタック1に供給される水素を加湿したいときには、加湿器も中圧デバイス7として配置される場合がある。中圧デバイス7としていずれのデバイスが組み込まれるかは燃料電池システムの全体構成により決定される。
水素供給流路3には、減圧弁5よりも上流側に圧力センサ8と温度センサ10が設けられており、減圧弁5とリリーフ弁6との間に圧力センサ9が設けられている。圧力センサ8で検知される圧力は、水素タンク2内の圧力とほぼ一致する。したがって、圧力センサ8は、水素タンク2内の圧力を検知する圧力検知手段と言うことができる。また、温度センサ10で検知される温度は、水素タンク2内の温度とほぼ一致する。したがって、温度センサ10は、水素タンク2内の温度を検知する温度検知手段と言うことができる。なお、圧力センサ8と温度センサ10を主止弁4に配置して、水素タンク2内の圧力および温度を直接検知するようにしてもよい。これらセンサ8,9,10は、検知した圧力値や温度値に応じた電気信号を制御装置30に出力する。
燃料電池スタック1の出力(発電量)は、車両から要求される負荷量(主にアクセルペダルの踏み込み量)に基づいて制御装置30により制御される。制御装置30は、燃料電池スタック1の出力制限を行う出力制限部31を備えている。なお、燃料電池スタック1の出力は、発電のために消費する水素の量と相関があるので、出力制限部31は、「燃料電池スタック1で消費可能な水素の消費量上限値を設定するガス消費量上限設定手段」と言うことができる。
次に、制御装置30の出力制限部31において行われる燃料電池スタック1の出力制限の制御について説明する。なお、以下の説明では、燃料電池スタック1の出力制限を、「燃料電池スタック1で消費させることが可能な水素の消費量上限値の制限」に置き換えて説明する。
前述したように、水素タンク2は、樹脂製のライナー21とCFRP製の補強体22とから構成されており、ライナー21は水素透過性が低いとは言え、水素を完全に封止することはできない。そのため、水素タンク2内に充填されている高圧の水素がライナー21を僅かながら透過し、ライナーと補強体22との間に残留する。以下、ライナーと補強体22との間に残留するガス(水素)を残留ガスと称す。また、補強体22も水素透過性は低いながら、水素を完全に封止することはできないため、残留ガスは補強体22を透過して徐々に大気へと放出される。
ここで、水素タンク2内の圧力(以下、タンク内圧力という場合もある)Pが残留ガスの圧力(以下、残留ガス圧力という)Prよりも低くなり、その圧力差ΔPが閾値ΔPlimを越えると、ライナー21が内側に変形する所謂バックリング現象が起こる。
従来は、図8に示すように、圧力差ΔPが閾値ΔPlimを越えるまでは、ガスの消費量上限値Glimを、燃料電池スタック1の最大出力時に消費される水素量である最大消費量Gmaxに設定することで実質的に無制限とし、圧力差ΔPが閾値ΔPlimを越えたとき(タンク内圧力PがPaとなったとき)に、一気にガスの消費量上限値Glimを「0」に制限し、すなわち水素の供給を停止していた。しかしながら、このようにガスの消費量上限値Glimを制御すると、水素タンク2内に貯留されていながら使用することができない水素量、すなわち水素の死残量が多くなり、燃料電池車両の航続距離が短くなってしまう。
そこで、この実施例の燃料電池システムでは、図2に示すように、タンク内圧力Pが残留ガス圧力Prよりも大きいときは、バックリングが起こる虞がないので、ガスの消費量上限値Glimを燃料電池スタック1の最大消費量Gmaxに設定することで実質的に無制限とし、タンク内圧力Pが残留ガス圧力Pr以下に低下したときには、消費量上限値Glimを、最大消費量Gmaxよりも小さい消費量に設定し、且つ、タンク内圧力Pが小さくなるにしたがって漸次小さくしていき、タンク内圧力Pと残留ガス圧力Prとの圧力差ΔPが閾値ΔPlimになったときに消費量上限値Glimが「0」になるように変化させていく。なお、この実施例では、タンク内圧力Pが小さくなるにしたがって消費量上限値Glimを一次関数的に低減させている。
このように消費量上限値Glimを制御することにより、タンク内圧力Pが残留ガス圧力Pr以下となってからのタンク内圧力Pの低下速度を低下させることができ、タンク内圧力Pと残留ガス圧力Prとの圧力差ΔPが閾値ΔPlimになるまでにかかる時間を、従来よりも長くすることができる。その結果、図2に示すように、圧力差ΔPが閾値ΔPlimになるときのタンク内圧力Pbを従来よりも低くすることができ(Pb<Pa)、水素の死残量を少なくできるので、燃料電池車両の航続距離を従来よりも延ばすことができる。
図3は、この実施例の消費量上限値Glimの制御の方が、従来の消費量上限値Glimの制御よりも、使用可能水素量が増大することを説明した図であり、図3(A)はこの実施例の場合を示し、図3(B)は従来の場合を示している。
前述したように、この実施例では、タンク内圧力Pが残留ガス圧力Prに一致したときが、消費量上限値Glimを最大消費量Gmaxよりも小さい値に制限する制御の開始点となる。
この制御開始点のときのタンク内圧力である制限開始圧力値Psは、次のようにして決定することができる。
図4は、気体透過理論の1次モデルを示す図である。1次モデルは、ガス透過性を有する平板試料を間に挟んで一方の部屋に圧力P1のガスを収容し、他方の部屋に圧力P2のガスを収容したモデルである。平板試料の透過係数をk、平板試料の厚さすなわち拡散距離をL、平板試料の透過面積をAとすると、ガスの透過量Qは、[数1]の式から求めることができる。
Figure 0005762271
ところで、水素タンク2内にガス(水素)が満充填されていて、ライナー21と補強体22内にガスが拡散し平衡状態となったときに、ライナー21と補強体22との間に残留するガスの圧力、すなわち残留ガス圧力Prが最も高くなる。そして、この状態からタンク内圧力Pが低下していき残留ガス圧力Prよりも下がるときが、最もバックリングが発生し易い状況となる。したがって、水素タンク2内にガス(水素)が満充填されていて、ライナー21と補強体22内にガスが拡散し平衡状態となるときのタンク内圧力P(=残留ガス圧力Pr)を制限開始圧力値Psとするのが好ましい。
図5は、水素タンク2にガスが満充填されているときのライナー21と補強体22におけるガス圧力分布を示す図である。この場合、ライナー21の内面(タンク内側)におけるガス圧力は満充填時のガス圧力すなわち水素タンク2の最大使用圧力P0であり、補強体22の外面(タンク外側)におけるガス圧力は大気圧Patmである。
ここで、ライナー21のガス透過係数をk1、厚みをL1とし、補強体22のガス透過係数をk2、厚みをL2とする。ガスの拡散が平衡状態となったときには、ライナー21を透過するガスの透過量Q1と補強体22を透過するガスの透過量Q2は等しくなるので(Q1=Q2)、[数2]の式が成立する。
Figure 0005762271
これから、ライナー21と補強体22内にガスが拡散し平衡状態となったときの残留ガス圧力Prは、[数3]から求めることができる。
Figure 0005762271
このようにして求めた残留ガス圧力Prを制限開始圧力値Psとすると、ライナー21のバックリングを確実に抑制することができる。
また、ライナー21に用いられるポリエチレンやポリアミド樹脂等の樹脂は、温度が高くなるほど強度が減少することが知られており、ライナー21の強度が低下するほどバックリングが発生し易い環境となる。
そこで、温度センサ10により水素タンク2内の温度を検知し、図6に示すように、検知された水素タンク2内の温度が高いほど、制限開始圧力値Psを高い値に補正するようにするのが好ましい。このように水素タンク2内の温度に応じて制限開始圧力値Psを補正すると、水素タンク2内の温度が高いときには該温度が低いときよりも早く消費量上限値Glimの制限制御が開始されるので、水素タンク2内の温度に関わらずバックリングを確実に抑制することができる。
なお、このようにする場合には、制御装置30に、水素タンク2内の温度が高いほど制限開始圧力値Psを高い値に補正する補正手段を設ける。ただし、補正手段は必須ではなく、補正手段がなくてもこの発明は成立する。
〔他の実施例〕
この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、ガス消費装置は燃料電池に限るものではなく、高圧のガスは水素に限るものでもない。水素以外のガスを消費するガス消費装置であってもよい。
また、ガス消費装置が燃料電池である場合、車両用に限るものではなく、定置式の燃料電池および定置式の水素タンクであってもよい。
1 燃料電池スタック(ガス消費装置)
2 水素タンク(高圧容器)
8 圧力センサ(圧力検知手段)
10 温度センサ(温度検知手段)
21 ライナー(容器本体)
22 補強体
30 制御装置
31 出力制限部(ガス消費量上限値設定手段)

Claims (3)

  1. 内部に高圧のガスが充填される樹脂製の容器本体および該容器本体を囲繞する補強体を有する高圧容器と、
    前記高圧容器に充填されている前記ガスを消費するガス消費装置と、
    前記容器本体内の圧力を検知する圧力検知手段と、
    前記ガス消費装置で消費可能な前記ガスの消費量上限値を設定するガス消費量上限値設定手段と、
    を備え、
    前記ガス消費量上限値設定手段は、前記圧力検知手段により検出された検知圧力が予め設定された制限開始圧力値よりも大きいときには、前記消費量上限値を前記ガス消費装置の最大負荷時に消費されるガス量である最大消費量に設定し、前記検知圧力が前記制限開始圧力値以下に低下したときには、前記消費量上限値を前記最大消費量よりも小さい消費量に設定するとともに、前記検知圧力が小さくなるにしたがって漸次小さくしていき、前記検知圧力と、前記容器本体と前記補強体との間に残留する残留ガスの圧力と、の圧力差が所定の閾値になったときに0になるように設定することを特徴とする高圧容器付きガス消費システム。
  2. 前記高圧容器内の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段により検知された検知温度が高いときには該検知温度が低いときよりも前記制限開始圧力値を大きい値に補正する補正手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の高圧容器付きガス消費システム。
  3. 前記ガス消費装置は車両に搭載された燃料電池であり、前記車両上にて完結していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高圧容器付きガス消費システム。
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