JP5090138B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。詳しくは、自動車に搭載される燃料電池システムに関する。
近年、自動車の新たな動力源として燃料電池システムが注目されている。燃料電池システムは、例えば、反応ガスを化学反応させて発電する燃料電池スタックと、反応ガス流路を介して燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、この反応ガス供給装置を制御する制御装置と、を備える。
燃料電池スタックは、アノード電極およびカソード電極の間に電解質を配置して形成された膜電極構造体(MEA)を、一対のセパレータで挟持したものを1つのセルとして、数十個から数百個のセルを積層して形成される。各セルには、積層方向に沿って延びる連通孔が形成されており、この連通孔に反応ガスを流通させることで、アノード電極およびカソード電極に反応ガスを供給する。
また、燃料電池スタックでは、各セルのセパレータの間には連通孔をシールするシール部材を設け、さらに、各セルを保持部材により積層方向に沿って所定の荷重で挟持することで、連通孔を確実にシールする。これにより、反応ガスの漏れや短絡を防止できる。
しかしながら、燃料電池スタックの作動状態に伴い、セルは膨張したり収縮したりするため、セルに付加する最適な荷重は作動状態に応じて異なる。そこで近年では、積層された複数のセルを保持する保持部材に、各セルに付加する荷重を調整する荷重調整装置を設け、燃料電池スタックの作動状態に応じて荷重を調整する燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−59180号公報
ところで、シール部材は、弾性体で形成されており、燃料電池スタックの使用とともに劣化し、材料特性が変化する。そのため、シール部材に付加する荷重も、その最適な荷重は経時変化することとなる。
しかしながら、特許文献1の燃料電池システムでは、セルに作用する荷重を最適に調整するのみであり、各セルを構成する電極板に作用する荷重やシール部材に作用する荷重を測定することはできない。したがって、シール部材の劣化を考慮して、最適なシール荷重を付加することができないため、燃料電池スタックの耐久性能および発電性能がシール部材の劣化とともに低下してしまうおそれがある。
また、特許文献1の燃料電池システムでは、荷重調整装置として、積層されたセルの両端側から荷重を直接付加するアクチュエータを設ける必要がある。このため、システムが大型になるおそれがある。
本発明は、システムを大型化することなく、燃料電池スタックの耐久性能および発電性能を向上できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システム(例えば、後述の燃料電池システム1)は、アノード電極およびカソード電極を有する電極膜構造体(例えば、後述のMEA)を一対のセパレータで挟持したものをセル(例えば、後述のセル11)として、当該セルが複数積層された燃料電池スタック(例えば、後述の燃料電池スタック10)を有する燃料電池システムであって、前記積層された複数のセル(例えば、後述の積層体12)に対して、積層方向に沿って荷重を加える保持部材(例えば、後述の保持部材13)と、前記燃料電池スタックに反応ガスを供給するガス供給手段(例えば、後述の供給装置30)と、前記保持部材において、積層方向に沿って作用する荷重を積層荷重として、当該積層荷重を検出する積層荷重センサ(例えば、後述の歪みゲージセンサ21)と、前記アノード電極または前記カソード電極の電極面内において、積層方向に沿って作用する荷重を電極荷重として、当該電極荷重を検出する電極荷重センサ(例えば、後述の電極荷重センサ22)と、前記燃料電池スタックのシール部材に作用する荷重をシール荷重として、当該シール荷重を、前記積層荷重センサにより検出された積層荷重、および、前記電極荷重センサにより検出された電極荷重に基づいて算出するシール荷重算出手段(例えば、後述のシール荷重算出部61)と、前記算出されたシール荷重が、前記燃料電池スタックの作動状態に基づいて定められた目標シール荷重範囲内(例えば、後述のシール保障荷重とシール破断荷重との間)に収まるように、前記ガス供給手段を制御して前記燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整するシール荷重制御手段(シール荷重制御部66)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、保持部材に作用する積層荷重を検出する積層荷重センサと、セルの電極面内に作用する電極荷重を検出する電極荷重センサと、これら積層荷重および電極荷重に基づいて、燃料電池スタックのシール部材に作用するシール荷重を算出するシール荷重算出手段を設けた。これにより、積層荷重、電極荷重、およびシール荷重などの燃料電池スタックに作用する荷重を監視しつつ、最適な状態で発電を行うことができる。
また、シール荷重が目標シール荷重範囲内に収まるように、ガス供給手段を制御して燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整するシール荷重制御手段を設けた。上述のように、シール部材は劣化するため、最適なシール荷重は経時変化する。この発明によれば、シール荷重を監視しつつ、このシール荷重が目標荷重範囲内収まるように燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整することで、シール部材の劣化に合わせて最適なシール荷重を付加することができる。このように、シール部材の劣化に合わせてシール荷重を調整することにより、燃料電池スタックの耐久性能および発電性能を向上することができる。
またここで、シール荷重を目標シール荷重範囲内に収めるためには、ガス供給手段を制御して燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整するだけでよく、上述の特許文献1の燃料電池システムのように、新たにアクチュエータを設ける必要も無いので、システムが大型になることもない。
この場合、前記電極荷重センサにより検出された電極荷重が、前記燃料電池スタックの作動状態に基づいて定められた目標電極荷重に一致するように、前記燃料電池スタック内のガスの圧力および湿度の少なくとも1つを制御する電極荷重制御手段(例えば、後述の電極荷重制御部65)をさらに備えることが好ましい。
この発明によれば、電極荷重が目標電極荷重に一致するように、燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを制御する電極荷重制御手段を設けた。ここで、電極膜構造体が膨潤すると、電極には膨張した体積に応じた荷重が作用するとともに、発電性能が低下する場合がある。この発明によれば、上述の目標電極荷重を、このような観点に基づいて最適な荷重に決定することで、発電性能を低下させないように、最適な電極荷重に保ちながら発電を行うことができる。
この場合、前記燃料電池スタックの累計作動時間を計時する計時手段(例えば、後述のシール劣化判定部62の計時手段)をさらに備え、前記計時手段により計時された累計作動時間が所定の累計時間未満である場合には、前記シール荷重制御手段よりも前記電極荷重制御手段による前記ガス供給手段の制御を優先し、前記計時手段により計時された累計作動時間が所定の累計時間以上である場合には、前記電極荷重制御手段よりも前記シール荷重制御手段による前記ガス供給手段の制御を優先することが好ましい。
この発明によれば、所定の累計時間を、例えば、シール部材の劣化を判定するための時間に設定することで、シール部材が劣化する前は、発電性能を低下させないように電極荷重を制御し、シール部材が劣化した後は、シール部材の劣化に合わせてシール荷重を制御する。これにより、シール部材の状態に合わせて、常に最適な荷重を付加しながら発電を行うことができる。
本発明の燃料電池システムによれば、積層荷重、電極荷重、およびシール荷重などの燃料電池スタックに作用する荷重を監視しつつ、最適な状態で発電を行うことができる。また、シール荷重を監視しつつ、このシール荷重が目標荷重範囲内収まるように燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整することで、シール部材の劣化に合わせて最適なシール荷重を付加することができる。このように、シール部材の劣化に合わせてシール荷重を調整することにより、燃料電池スタックの耐久性能および発電性能を向上することができる。また、シール荷重を目標シール荷重範囲内に収めるためには、ガス供給手段を制御して燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整するだけでよく、新たにアクチュエータを設ける必要も無いので、システムが大型になることもない。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システム1のブロック図である。
燃料電池システム1は、反応ガスとしての水素ガスやエア(空気)を反応させて発電を行う燃料電池スタック10と、この燃料電池スタック10に反応ガスとしての水素ガスやエア(空気)を供給するガス供給手段としての供給装置30と、燃料電池スタック10に接続されたモータ50と、これら燃料電池スタック10、供給装置30、モータ50を制御する制御装置60と、を有する。
燃料電池スタック10は、数十個から数百個のセル11が積層されたスタック構造の積層体12と、この積層体12の積層方向に沿って荷重を付加する保持部材13と、を備える。
各セル11は、アノード電極およびカソード電極の間に固体高分子膜を配置して形成された電極膜構造体(MEA)を、一対のセパレータで挟持して形成される。また、アノード電極およびカソード電極は、それぞれ、固体高分子膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層と、から形成される。
また、各セル11の幅方向両端側には、それぞれ、このセル11の表裏を貫通する図示しない連通孔が形成されている。これらセル11の連通孔は、隣接するセル11の連通孔と接続される。供給装置30から供給される水素ガスやエアは、これら連通孔を介して各セル11のアノード電極およびカソード電極に供給される。また、各セル11のセパレータの間には、これら連通孔をシールするシール部材が設けられている。
保持部材13は、積層体12の両端側に設けられた一対のエンドプレート14,15と、これらエンドプレート14,15を積層方向に沿って互いに接近させて、各シール11に積層方向に沿った荷重を付加する締結部材16と、を備える。
また、この燃料電池スタック10には、積層体12に積層方向に沿って作用する荷重を積層荷重Fとして、この積層荷重Fを検出する積層荷重センサとしての歪みゲージセンサ21と、セル11のアノード電極またはカソード電極の電極面内において、積層方向に沿って作用する荷重を電極荷重Fとして、この電極荷重Fを検出する電極荷重センサ22とがさらに設けられる。
歪みゲージセンサ21は、締結部材16の歪みを測定することにより、積層体12に積層方向に沿って作用する積層荷重Fを検出し、検出した積層荷重Fに略比例した検出信号を制御装置60に出力する。
電極荷重センサ22は、セル11の電極面に積層方向に沿って作用する電極荷重Fを検出し、検出した電極荷重Fに略比例した検出信号を制御装置60に出力する。
供給装置30は、燃料電池スタック10にエアを供給するエアコンプレッサ31と、燃料電池スタック10に供給される水素ガスを貯留する水素タンク41と、を含んで構成される。
エアコンプレッサ31は、エア供給路32を介して、燃料電池スタック10に接続されている。燃料電池スタック10には、エア供給路32から供給され各セル11のカソード電極を流通したエアが排出されるエア排出路33が接続されている。エア排出路33の先端側には、図示しない背圧弁が設けられている。
エア供給路32には、このエア供給路32内を流通するエアの湿度を調整するエア調湿器34が設けられる。このエア調湿器34は、エアを加湿する加湿器35と、エアを除湿する除湿器36とを備える。
水素タンク41は、水素供給路42を介して、燃料電池スタック10に接続されている。この水素供給路42には、水素タンク41側から燃料電池スタック10側へ向かって順に、1次レギュレータ47および2次レギュレータ48が設けられている。
1次レギュレータ47は、水素タンク41から供給された水素ガスの圧力を所定の圧力に減圧する。2次レギュレータ48は、1次レギュレータ47により減圧された水素ガスの圧力をさらに減圧することで、燃料電池スタック10に供給される水素ガスの圧力を調整する。
燃料電池スタック10には、水素供給路42から供給され各セル11のアノード電極を流通した水素ガスが排出される水素還流路43が接続されている。水素還流路43の先端側は、水素供給路42のうち2次レギュレータ48の下流側に接続されており、これにより、燃料電池スタック10から排出された水素ガスを水素供給路42に還流する。また、水素還流路43には、図示しない水素排出路およびパージ弁が設けられており、循環する水素ガスを排出することが可能となっている。
水素供給路42のうち2次レギュレータ48の下流側は、この水素供給路42内を流通する水素ガスの湿度を調整する水素調湿器44が設けられる。この水素調湿器44は、水素ガスを加湿する加湿器45と、水素ガスを除湿する除湿器46とを備える。
制御装置60には、上述の歪みゲージセンサ21、電極荷重センサ22、エアコンプレッサ31、エア調湿器34、水素調湿器44、2次レギュレータ48、およびモータ50などが接続される。
また、制御装置60には、図示しないイグニッションスイッチが接続される。このイグニッションスイッチは、燃料電池システム1が搭載された車両の運転席に設けられており、運転者の操作に従って、オン/オフ信号を制御装置60に送信する。制御装置60は、イグニッションスイッチのオン/オフに従って、燃料電池スタック10の起動を行い、発電を開始する。
ここで、燃料電池スタック10で発電する手順は、以下のようになる。
すなわち、水素タンク41から、水素供給路42を介して、燃料電池スタック10のアノード側に水素ガスを供給する。また、エアコンプレッサ31を駆動させることにより、エア供給路32を介して、燃料電池スタック10のカソード側にエアを供給する。
燃料電池10に供給された水素ガスおよびエアは、発電に供された後、燃料電池スタック10からアノード側の生成水などの残留水とともに、水素還流路43およびエア排出路33に流入する。これら水素ガスおよび空気は、図示しない排ガス処理装置で処理されて、外部に排出される。
制御装置60は、上述の手順で燃料電池スタック10の発電を制御する際には、供給装置30のエアコンプレッサ31、エア調湿器34、2次レギュレータ48、および水素調湿器44などを制御して、燃料電池スタック10に供給される水素ガスおよびエアの圧力、流量、湿度を、燃料電池スタック10の作動状態に応じて調整する。図1においては、供給装置30の制御に係る制御ブロックのみを示す。
制御装置60は、シール荷重算出手段としてのシール荷重算出部61と、シール劣化判定部62と、供給装置制御部63と、を備える。
シール荷重算出部61は、歪みゲージセンサ21および電極荷重センサ22により検出された積層荷重Fおよび電極荷重Fに基づいて、燃料電池スタック10のシール部材に作用するシール荷重Fを算出する。より具体的には、シール荷重算出部61は、次式に基づいてシール荷重Fを算出する。
シール荷重F=積層荷重F−電極荷重F
シール劣化判定部62は、燃料電池スタック10の累計作動時間を計時する計時手段を備えており、この累計作動時間に基づいて、燃料電池スタック10のシール部材の劣化を判定する。より具体的には、計時手段により計時された累計作動時間が、所定の劣化判定時間未満である場合には、シール部材は劣化していないと判定し、累計作動時間が、所定の劣化判定時間以上である場合には、シール部材は劣化していると判定する。
供給装置制御部63は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量やモータ50の出力などに応じて決定された要求出力(要求発電量)と、電極荷重F、積層荷重F、およびシール荷重Fとに基づいて、反応ガスの目標流量、目標圧力、および目標湿度を決定し、反応ガスの状態が決定された目標と速やかに一致するように供給装置30を制御する。
より具体的には、供給装置制御部63は、電極荷重センサ22により検出された電極荷重が目標電極荷重に一致するように供給装置30を制御する電極荷重制御部65と、シール荷重算出部61により算出されたシール荷重が目標シール荷重範囲内に収まるように供給装置30を制御するシール荷重制御部66と、を備える。
また、この供給装置制御部63は、上述のシール劣化判定部62によりシール部材が劣化していないと判定された場合には、シール荷重制御部66よりも電極荷重制御部65による供給装置30の制御を優先し、シール部材が劣化していると判定された場合には、電極荷重制御部65よりもシール荷重制御部66による供給装置30の制御を優先する。
電極荷重制御部65は、電極荷重センサ22により検出された電極荷重が予め定められた目標電極荷重に一致するように、反応ガスの目標流量、目標圧力、目標湿度を決定し、反応ガスの状態がこれら目標に速やかに一致するように、供給装置30を制御する。
具体的には、電極荷重制御部65は、以下の手順により、反応ガスの目標流量、目標圧力、目標湿度を決定する。
先ず、要求出力に応じて、目標流量、目標圧力、および目標湿度を決定する。
図2は、要求出力と、目標流量、目標圧力、および目標湿度との関係を示す図である。図2中実線71,72,73は、それぞれ、要求出力に対する目標流量、目標圧力、および目標湿度を示し、シール部材が劣化する前において参照される。
図2に示すように、これら目標流量71、目標圧力72、および目標湿度73は、それぞれ、要求出力に対して略比例する。電極荷重部65は、このような制御マップに基づいて、要求出力に応じた目標流量、目標圧力、および目標湿度を決定する。
図1に戻って、次に電極荷重制御部65は、燃料電池スタック10の作動状態に応じて、目標電極荷重を決定する。ここで、MEA内の水により固体高分子膜が膨潤すると、電極には膨張した体積に応じた荷重が作用するとともに、MEA内の拡散層に水が介在し、発電性能が低下する場合がある。目標電極荷重は、例えば、このような観点に基づいて、最適な値に決定される。また、セル11のMEAが座屈する荷重をMEA座屈荷重とし、さらに燃料電池スタック10による発電が保障される荷重を発電保障荷重として、目標電極荷重は、この発電保障荷重以上、かつ、MEA座屈荷重未満となるように決定される(後述の図4参照)。
次に電極荷重制御部65は、電極荷重センサ22により検出された電極荷重(実電極荷重)が目標電極荷重に一致するように、上述のようにして決定された目標圧力および目標湿度を補正する。具体的には、決定された目標電極荷重から電極荷重センサ22により検出された電極荷重を減算し、これを追加電極荷重とし、この追加電極荷重に応じて、目標圧力および目標湿度を補正する。
図3は、追加電極荷重と、目標圧力および目標湿度の補正量との関係を示す図である。図3中実線78,79は、それぞれ、追加電極荷重に対する目標圧力補正量、および目標湿度補正量を示す図である。
図3に示すように、目標圧力補正量および目標湿度補正量は、それぞれ、追加電極荷重に対して略比例する。このように、追加電極荷重が正の場合、すなわち、燃料電池スタックの電極に対しさらに荷重を付加する必要がある場合には、目標圧力および目標湿度は、さらに大きな値に補正される。
以上のようにして、反応ガスの目標流量、目標圧力、および目標湿度が決定される。
図4は、要求出力と、電極荷重およびシール荷重との関係を示す図であり、以上のような電極荷重制御部65による供給装置30の制御例を示す図である。
図4中実線81は、上述の図3に示す目標圧力および目標湿度の補正を行わなかった場合における要求出力と電極荷重との関係を示し、実線82は、上述の図3に示す目標圧力および目標湿度の補正を行った場合における要求出力と電極荷重との関係を示す。また、破線83,84,85は、それぞれ、発電保障荷重、MEA座屈荷重、および目標電極荷重を示す。
図4に示すように、目標圧力および目標湿度の補正を行うことにより、燃料電池スタックの電極荷重82を、発電保障荷重83とMEA座屈荷重84との間に設定された目標電極荷重85に、全ての要求出力に対して近づけることができる。
また、図4中実線86は、図3に示す目標圧力および目標湿度の補正を行った場合における要求出力とシール荷重との関係を示す。また、破線87は、シール部材により燃料電池スタック10の連通孔をシールするために、シール部材に最低限かける必要のある荷重(シール保障荷重)を示す。また、破線88は、シール部材が破断しないようにするために、シール部材に最大限かけることができる荷重(シール破断荷重)を示す。これら、シール保障荷重87およびシール破断荷重88は、燃料電池スタック10の作動状態に基づいて予め定められる。
電極荷重制御部65による供給装置30の制御が優先される場合、すなわち、上述のように燃料電池スタック10のシール部材が劣化していないと判定された場合には、以上のような電極荷重を目標電極荷重に一致させるような制御が行われるが、このような場合であっても、シール部材のシール荷重86は、シール保障荷重87とシール破断荷重88との間にある。
図1に戻って、シール荷重制御部66は、シール荷重算出部61により算出されたシール荷重が、燃料電池スタック10の作動状態に基づいて予め定められた目標シール荷重範囲内に収まるように、反応ガスの目標流量、目標圧力、目標湿度を決定し、反応ガスの状態がこれら目標に速やかに一致するように、供給装置30を制御する。
具体的には、シール荷重制御部66は、以下の手順により、反応ガスの目標流量、目標圧力、目標湿度を決定する。
先ず、要求出力に応じて、目標流量、目標圧力、および目標湿度を決定する。
これら目標流量、目標圧力、および目標湿度は、それぞれ、上述の図2に示すような制御マップに基づいて決定される。図2中実線71および破線75,76は、それぞれ、要求出力に対する目標流量、目標圧力、および目標湿度を示し、シール部材が劣化した後において参照される。
図2に示すように、これら目標流量71、目標圧力75、および目標湿度76は、それぞれ、要求出力に対して略比例する。またここで、シール部材が劣化する前において参照される目標圧力72および目標湿度73と、シール部材が劣化した後において参照される目標圧力75および目標湿度76とを比較すると、シール部材が劣化した後では、目標圧力75は増加し、目標湿度76は減少する。このように、シール部材が劣化した後において、目標圧力75を増加させることにより、シール荷重が増加する。また、目標湿度76を減少させることにより、MEAの膨潤を抑制することで、電極荷重が減少する。
以上のようにして、反応ガスの目標流量、目標圧力、および目標湿度が決定される。
図5は、累計作動時間と、電極荷重およびシール荷重との関係を示す図であり、以上のようなシール荷重制御部66による供給装置30の制御例を示す図である。
図5において、時刻tは、上述のシール劣化判定部62により、シール部材が劣化していると判定された時刻を示す。また、破線91は、上述のようにシール部材の劣化判定後に目標圧力および目標湿度の補正を行わなかった場合における累計作動時間とシール荷重との関係を示し、実線92は、シール部材の劣化判定後に目標圧力および目標湿度の補正を行った場合における累計作動時間とシール荷重との関係を示す。
図5に示すように、累計作動時間の増加に伴い、シール部材が徐々に劣化し、シール荷重は減少する。ここで、劣化判定後において、目標圧力および目標湿度の補正を行わなかった場合には、シール荷重91は、累計作動時間の増加に従い減少し続け、シール保障荷重97を下回るおそれがある。一方、劣化判定後において、目標圧力および目標湿度の補正を行った場合には、シール荷重92は、上昇し、シール保障荷重97とシール破断荷重98との間に収め続けることができる。
また、図5中破線93は、上述のようにシール部材の劣化判定後に目標圧力および目標湿度の補正を行わなかった場合における累計作動時間と電極荷重との関係を示し、実線94は、シール部材の劣化判定後に目標圧力および目標湿度の補正を行った場合における累計作動時間と電極荷重との関係を示す。
図5に示すように、累計作動時間の増加に伴い、電極荷重は減少する。ここで、劣化判定後において、目標圧力および目標湿度の補正を行った場合における電極荷重94と補正を行わなかった場合における電極荷重93とを比較すると、補正を行った場合には、電極荷重94は減少することとなる。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)保持部材13に作用する積層荷重を検出する歪みゲージセンサ21と、セル11の電極面内に作用する電極荷重を検出する電極荷重センサ22と、これら積層荷重および電極荷重に基づいて、燃料電池スタック10のシール部材に作用するシール荷重を算出するシール荷重算出部61を設けた。これにより、積層荷重、電極荷重、およびシール荷重などの燃料電池スタック10に作用する荷重を監視しつつ、最適な状態で発電を行うことができる。
また、シール荷重が、シール保障荷重とシール破断荷重との間に収まるように、供給装置30を制御して燃料電池スタック10内の反応ガスの圧力および湿度を調整するシール荷重制御部66を設けた。これにより、シール荷重を監視しつつ、このシール荷重がシール保障荷重とシール破断荷重との間に収まるように燃料電池スタック10内の反応ガスの圧力および湿度を調整することで、シール部材の劣化に合わせて最適なシール荷重を付加することができる。このように、シール部材の劣化に合わせてシール荷重を調整することにより、燃料電池スタック10の耐久性能および発電性能を向上することができる。
またここで、シール保障荷重とシール破断荷重との間に収めるためには、供給装置30を制御して燃料電池スタック10内の反応ガスの圧力および湿度を調整するだけでよく、新たにアクチュエータを設ける必要も無いので、燃料電池システム1が大型になることもない。
(2)電極荷重が目標電極荷重に一致するように、燃料電池スタック10内の反応ガスの圧力および湿度を制御する電極荷重制御部65を設けた。これにより、発電性能を低下させないように、電極荷重を最適な荷重に保ちながら発電を行うことができる。
(3)シール部材が劣化する前は、発電性能を低下させないように電極荷重を制御し、シール部材が劣化した後は、シール部材の劣化に合わせて最適なシール荷重を制御する。これにより、シール部材の状態に合わせて、常に最適な荷重を付加しながら発電を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムのブロック図である。 上記実施形態に係る要求出力と、目標流量、目標圧力、および目標湿度との関係を示す図である。 上記実施形態に係る追加電極荷重と、目標圧力および目標湿度の補正量との関係を示す図である。 上記実施形態に係る要求出力と、電極荷重およびシール荷重との関係を示す図である。 上記実施形態に係る累計作動時間と、電極荷重およびシール荷重との関係を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
11 セル
13 保持部材
21 歪みゲージセンサ(積層荷重センサ)
22 電極荷重センサ22(電極荷重センサ)
30 供給装置30(ガス供給手段)
60 制御装置
61 シール荷重算出部(シール荷重算出手段)
62 シール劣化判定部
63 供給装置制御部
65 電極荷重制御部(電極荷重制御手段)
66 シール荷重制御部(シール荷重制御手段)

Claims (3)

  1. アノード電極およびカソード電極を有する電極膜構造体を一対のセパレータで挟持したものをセルとして、当該セルが複数積層された燃料電池スタックを有する燃料電池システムであって、
    前記積層された複数のセルに対して、積層方向に沿って荷重を加える保持部材と、
    前記燃料電池スタックに反応ガスを供給するガス供給手段と、
    前記保持部材において、積層方向に沿って作用する荷重を積層荷重として、当該積層荷重を検出する積層荷重センサと、
    前記アノード電極または前記カソード電極の電極面内において、積層方向に沿って作用する荷重を電極荷重として、当該電極荷重を検出する電極荷重センサと、
    前記燃料電池スタックのシール部材に作用する荷重をシール荷重として、当該シール荷重を、前記積層荷重センサにより検出された積層荷重、および、前記電極荷重センサにより検出された電極荷重に基づいて算出するシール荷重算出手段と、
    前記算出されたシール荷重が、前記燃料電池スタックの作動状態に基づいて定められた目標シール荷重範囲内に収まるように、前記ガス供給手段を制御して前記燃料電池スタック内の反応ガスの圧力および湿度の少なくとも1つを調整するシール荷重制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記電極荷重センサにより検出された電極荷重が、前記燃料電池スタックの作動状態に基づいて定められた目標電極荷重に一致するように、前記燃料電池スタック内のガスの圧力および湿度の少なくとも1つを制御する電極荷重制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池スタックの累計作動時間を計時する計時手段をさらに備え、
    前記計時手段により計時された累計作動時間が所定の累計時間未満である場合には、前記シール荷重制御手段よりも前記電極荷重制御手段による前記ガス供給手段の制御を優先し、
    前記計時手段により計時された累計作動時間が所定の累計時間以上である場合には、前記電極荷重制御手段よりも前記シール荷重制御手段による前記ガス供給手段の制御を優先することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
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