JP5761020B2 - 表面付着成分測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼構造物の表面に付着した塩分を抽出して塩分濃度を測定する表面塩分計などとされる表面付着成分測定装置に関するものである。
従来、船舶、鉄道や道路の橋梁、プラントの大型タンクなどの鋼構造物を新しく建造する場合、或いはそれらのメンテナンス時には、腐食を防止するために塗装を行う。
しかし、これらの鋼構造物の表面は、海塩粒子などの塩分が付着したまま塗装を行うと、塗膜に膨れや層間剥離が生じたり、鋼構造物の素地の表面に錆が発生したりして、防食効果が得られなくなる虞がある。鋼構造物の表面の塩分濃度が所定値より高い場合には、その塩分をブラスト処理やケレン処理によって取り除き、その後に塗装を行う必要がある。
そのため、塗装前に鋼構造物の表面に付着した塩分量、即ち、鋼構造物の表面の塩分濃度を測定し、鋼構造物の表面の清浄度を管理することが行われる。
鋼構造物の表面の塩分濃度を測定するために、表面付着成分測定装置としての表面塩分計が用いられる(特許文献1)。図19は、従来の表面塩分計の一例の概略部分断面図である。表面塩分計の検出部201は、鋼構造物の被検出面Sに当接させるための開口部212aを下端に有する液保持室212と、液保持室212にシリンジ204から純水を供給する液供給流路213と、液保持室212に連通した空気抜き流路214と、液保持室212内の液を撹拌する撹拌機215と、液保持室212内の液の電気伝導率を測定する電気伝導率センサ(電気伝導率測定電極)216と、を備えている。又、液保持室212の開口部212aの周囲には、検出部201を鋼構造物の被検出面Sに着脱可能に固定するための永久磁石221が配置されている。
塩分測定に際しては、鋼構造物の被検出面Sに検出部201の開口部212aが設けられている側の面を当接させ、検出部201に設けられた永久磁石221の磁気力で検出部201を鋼構造物の被検出面Sに拘束して、検出部201を鋼構造物の被検出面Sに固定する。その状態でシリンジ204から液保持室212に塩分抽出用の純水を注入し、液保持室212内の液を撹拌機215で所定時間撹拌して、被検出面Sに付着している塩分を溶解抽出する。その後、その抽出液の電気伝導率を電気伝導率センサ216で測定することにより塩分濃度を求めることができる。
特許第3912776号明細書
しかしながら、従来の表面塩分計は、平面状の被検出面の塩分濃度の測定には適しているが、例えば、半径が1mより小さい管状鋼材(パイプ)の外側の表面や半径が3mより小さい管状鋼材の内側の表面などの、曲面状の被検出面の塩分濃度を測定することは困難であった。
従来の表面塩分計では、検出部は固いプラスチックで作られており、このプラスチックに検出部を被検出面に固定するための永久磁石が埋め込まれた構造となっている。そのため、永久磁石を十分に表面に近づけることができる範囲の大きな曲率半径を持った管状鋼材の外側表面や、検出部がぶつからない範囲の大きな曲率半径を持った管状鋼材の内側表面など、限られた曲面状の被検出面の塩分濃度しか測定できなかった。
つまり、従来の表面塩分計で曲面状の被検出面の塩分濃度を測定すると、液保持室の開口部と被検出面との密閉が確保できず、測定中に液保持室から抽出液が漏洩し、正確な測定ができないことがあった。
従って、本発明の目的は、曲面状の被検出面に付着した被検出成分の測定をより正確に行うことができる表面付着成分測定装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る表面付着成分測定装置にて達成される。要約すれば、本発明は、被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有;前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し;前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室が形成された測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有し;前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有する支持部と、を有しており;前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって;前記固定アタッチメントとして、前記第1の使用状態に対応する第1の固定アタッチメントと、前記第2の使用状態に対応する第2の固定アタッチメントと、を有しており、前記第1の固定アタッチメントと、前記第2の固定アタッチメントと、は交換可能であることを特徴とする表面付着成分測定装置である。
本発明の他の態様によると、被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有し;前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し;前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室を前記固定アタッチメントと共に形成する測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、を有し;前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有し、前記液保持室を前記測定セル本体と共に形成する支持部と、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有しており;前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって;前記固定アタッチメントとして、前記第1の使用状態に対応する第1の固定アタッチメントと、前記第2の使用状態に対応する第2の固定アタッチメントと、を有しており、前記第1の固定アタッチメントと、前記第2の固定アタッチメントと、は交換可能であることを特徴とする表面付着成分測定装置が提供される。
本発明の他の態様によると、被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有し;前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し;前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室が形成された測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有し;前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有する支持部と、を有しており;前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって;前記処理部は、前記検出部から入力される検出信号から被検出成分の量に係る測定値を算出する演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記第2の使用状態であるときの前記検出信号に対する前記測定値の関係を、前記第1の使用状態であるときの該関係に対して補正することを特徴とする表面付着成分測定装置が提供される。
本発明の他の態様によると、被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有し;前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し;前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室を前記固定アタッチメントと共に形成する測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、を有し;前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有し、前記液保持室を前記測定セル本体と共に形成する支持部と、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有しており;前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって;前記処理部は、前記検出部から入力される検出信号から被検出成分の量に係る測定値を算出する演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記第2の使用状態であるときの前記検出信号に対する前記測定値の関係を、前記第1の使用状態であるときの該関係に対して補正することを特徴とする表面付着成分測定装置が提供される。
本発明によれば、曲面状の被検出面に付着した被検出成分の測定をより正確に行うことができる。
本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置の断面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置の断面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置の断面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置の分解断面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置を固定アタッチメントの固定面側から見た平面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置における測定セルと固定アタッチメントとの結合手段を示す側面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置における測定セルに対する固定アタッチメントの周方向の向きを説明するための模式図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置における電気伝導率センサと温度センサの位置を説明するための液保持室近傍の拡大断面図である。 本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置の全体構成図である。 本発明の他の実施例に係る表面付着成分測定装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に係る表面付着成分測定装置の断面図である。 本発明の表面付着成分測定装置に設けることのできるストッパー手段を示す側面図である。 本発明の更に他の実施例に係る表面付着成分測定装置を固定アタッチメントの固定面側から見た平面図である。 本発明の更に他の実施例に係る表面付着成分測定装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に係る表面付着成分測定装置の固定アタッチメントの一部を示す斜視図である。 本発明に従う表面付着成分測定装置を曲面状の被検出面に固定した様子を示す斜視図である。 液密保持部材により囲まれた被検出面の表面積の変化と液保持室内の容積の変化を説明するための模式図である。 本発明に従う測定値の補正動作の制御態様を示すブロック図である。 従来の表面塩分計の一例を示す部分断面図である。
以下、本発明に係る表面付着成分測定装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
先ず、本発明の一実施例に係る表面付着成分測定装置の全体構成について説明する。図9は、本実施例の表面付着成分測定装置の全体構成を示す。本実施例では、表面付着成分測定装置は、鋼構造物の表面の塩分濃度を測定するのに好適に用い得る表面塩分計100である。本実施例の表面塩分計100は、持ち運びができるように比較的軽量且つ小型に構成されている。
表面塩分計100は、被検出面Sに付着した被検出成分を抽出して検出する検出部1と、検出部1による検出結果を処理する処理部(装置本体)2と、を有する。本実施例では、被検出面Sは鋼板の表面とされ、被検出成分は塩分である。検出部1は、ケーブル3によって処理部2に接続されている。
処理部2は、検出部1の出力を処理して測定結果を求める演算処理装置2aを内蔵している。又、処理部2は、演算処理装置2aに測定の開始及び停止の指示などの各種入力を行う操作部(操作パネル)2b、測定結果を表示する表示部2cなどを有する。
詳しくは後述するように、検出部1は、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室が形成された測定セル10と、測定セル10に着脱可能に取り付けられる、検出部1を被検出面Sに取り外し可能に固定するための固定アタッチメント20と、を有する。測定セル10には、液供給手段としてのシリンジ4がチューブ5によって接続され、このシリンジ4から被検出成分を被検出面Sから抽出するための液として純水が供給される。
図1〜図3は、本実施例の表面塩分計100の使用状態における概略断面を示す。測定セル10のボディー(測定セル本体)11は、全体として概略円柱状の形状を有する。測定セル10のボディー11には、図中下方の一端に開口部12aを有する液保持室12が形成されている。液保持室12は、円柱状の空間を画成している。本実施例では、液保持室12は、10mlの液を収容できるように形成されている。又、本実施例では、液保持室12の開口部12aは直径40mmの円形である。
測定セル10は、被検出面Sから被検出成分を抽出するための液を液保持室12に供給するための、ボディー11に形成された液供給流路13と、液保持室12から空気を抜くための、ボディー11に形成された空気抜き流路14と、液保持室12内の液を撹拌するための撹拌機15と、液保持室12内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサとして電気伝導率センサ16と、検出部1が被検出面Sに固定された際に被検出面Sに当接して液保持室12の液密性を保持するための、液保持室12の開口部12aを囲むように配置された液密保持部材(シール部材)17と、を有する。又、本実施例では、測定セル10は、ボディー11内に、液保持室12内の液の温度を検出するための温度センサ18を有する。
液供給流路13は、ボディー11の外側面に開口した入口13aから、液保持室12の開口部12aと対向する壁面(以下「上底面」という。)12bに開口した出口13bまで連続し、流入口13aにチューブ5を介して接続されるシリンジ4と液保持室12とを連通させている。又、空気抜き流路14は、液保持室12の上底面12bに開口した入口14aからボディー11の外側面に開口した出口14bまで連続し、液保持室12の内外を連通させている。空気抜き流路14の出口14bは空気抜き栓14cで封止可能となっている。液供給流路13と空気抜き流路14とは、ボディー11の周方向において略同一平面上に配置されている。尚、本実施例では、液供給流路13の出口13bと空気抜き流路14の入口14aとは、液保持室12の上底面12bと側壁面12cとの角部に形成されている。空気抜き栓14cを取り外すか又は緩めることによって開栓して、シリンジ4から液供給流路13を経て液保持室12に液を注入することによって、液保持室12内の空気が空気抜き流路14を経て測定セル10の外に排出される。
撹拌機15は、液保持室12の開口部12aを含む平面(以下「開口面」ともいう。図4参照。)Pと略直交する方向の回転軸の回りを回転する撹拌子15aを有する。撹拌子15aは、駆動軸15cによって駆動源としてのモータ15bと連結されている。モータ15bが、電源となる電池(図示せず)からの電力によって回転することで、撹拌子15aは所定の回転速度(本実施例では500〜3000rpm)で回転駆動される。本実施例では、駆動軸15cは、開口面P側から見て、液保持室12の略中心に配置されている。
電気伝導率センサ16は、一対の電極対から成る。液保持室12内の液にこの電極対が接触した状態で、この電極間に交流電圧を印加し、液保持室12内の液のインピーダンスを検出することによって、液保持室12内の液の電気伝導率を検出することができる。温度センサ18は、液保持室12内の液の温度を検出する。処理部2の演算処理装置2aは、温度センサ18により検出された温度に基づいて、電気伝導率センサ16により検出された電気伝導率の温度補償の処理を行う。
液密保持部材17としては、検出部1が被検出面Sに固定された際に、液保持室12から液が漏れることを防ぐことができるものであれば、特に限定されることなく用いることができる。液密保持部材17としては、例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴムなどのゴム材料で作成されたパッキン、Oリングなどを用いることができる。但し、湾曲した被検出面Sに検出部1を固定する際の液保持室12の液密性を良好に保持するためには、液密保持部材17は、開口面Pと略直交する方向(液保持室12の軸線方向)の高さを比較的高く設定できることが望ましい。そのため、本実施例では、液密保持部材17として、断面が矩形形状の環状のパッキンを用いた。本実施例では、この液密保持部材17は、ボディー11の開口部12a側の端面に埋め込まれて固定されることで、開口部12aの周囲に隣接して配置されている。本実施例では、この液密保持部材17は、測定セル10のボディー11に形成された、液保持室12の軸線方向に見て円形の溝17aに固定されている。
尚、本実施例では、測定セル10のボディー11は、図中下方のセル部11aと図中上方のカバー部11bとが接合されて構成されており、液保持室12、液供給流路13、空気抜き流路14、撹拌機15の撹拌子15a、電気伝導率センサ16、液密保持部材17、温度センサ18はセル部11aに設けられており、撹拌機15のモータ15b、モータ15bの電源となる電池(図示せず)はカバー部11bの内側に設けられている。又、撹拌機15のスイッチ(図示せず)が、カバー部11bの外側面に設けられている。更に、撹拌機15の駆動軸15cは、セル部11aを貫通して、カバー部11b内のモータ15bに連結されており、電気伝導率センサ16と温度センサ18をそれぞれ電気的に処理部2へ接続するリード16a、18aは、セル部11aからカバー部11bを通してケーブル3内へ導かれ処理部2と電気的に接続されている。
固定アタッチメント20は、検出部1を被検出面Sに磁気力により固定するための固定用磁石21と、固定用磁石21を支持する支持部22と、を有する。支持部22は、検出部1を被検出面Sに固定した際に被検出面Sに隣接する面である固定面22aを有する。
本実施例では、固定アタッチメント20は、測定セル10の開口部12a側の端部に外側から嵌合する環状の部材である。尚、本実施例では、固定アタッチメント20の被検出面S側の端面である固定面22aの外径は約90mmである。
本実施例では、固定用磁石21は、支持部22の固定面22aから一端面21aが露出するように支持部22に埋め込まれて固定された永久磁石である。固定用磁石21の端面21aは、その周囲の固定面22aと面一とされている。尚、本実施例では、固定用磁石21の端面21aは、直径10mmの円形である。又、固定用磁石21は、図5(a)に示すように、固定アタッチメント20の周方向において略90度間隔で4箇所に配置されている。
そして、本実施例の表面塩分計100は、少なくとも次の2つの使用状態に変更可能とされている。第1に、支持部22の固定面22aが、液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pと略平行である第1の使用状態(図1)である。第2に、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が、液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pに対して被検出面S側に傾斜している第2の使用状態(図2、図3)である。ここで、開口面Pは、円柱状の空間である液保持室12の軸線方向に略直交する平面(以下「基準平面」ともいう。)Nと平行である(図4参照)。即ち、換言すれば、本実施例の表面塩分計100は、少なくとも次の2つの使用状態に変更可能とされている。第1に、支持部22の固定面22aが、基準平面Nと略平行である第1の使用状態(図1)である。第2に、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が、検出部1を湾曲した被検出面Sに固定した際に被検出面Sに沿うように基準平面Nに対して傾斜している第2の使用状態(図2、図3)である。
特に、本実施例では、固定アタッチメント20として、検出部1を平坦な被検出面Sに固定するための平面用アタッチメント(第1の固定アタッチメント)20A(図1)と、検出部1を湾曲した被検出面Sに固定するための曲面用アタッチメント(第2の固定アタッチメント)20B1、20B2(図2、図3)と、が交換可能となっている。これら平面用アタッチメント20A、曲面用アタッチメント20B1、20B2を交換することで、上記第1の使用状態と第2の使用状態とを相互に変更することができる。
尚、本実施例では、曲面用アタッチメントとして、管状鋼材の外側表面などのように検出部1側に凸状に湾曲した被検出面Sに検出部1を固定するための外面用アタッチメント20B1(図2)と、管状鋼材の内側表面などのように検出部1とは反対側に凸状に湾曲した被検出面Sに検出部1を固定するための内面用アタッチメント20B2とが交換可能となっている。これら外面用アタッチメント20B1、内面用アタッチメント20B2を総称して曲面用アタッチメント(第2の固定アタッチメント)20Bという。
図4は、測定セル10と固定アタッチメント20とを分離した状態を示しており、(a)は測定セル10、(b)は平面用アタッチメント20A、(c)は外面用アタッチメント20B1、(d)は内面用アタッチメント20B2を示す。又、図5は、固定アタッチメント20の支持部22の固定面22aを示しており、(a)は平面用アタッチメント20の固定面22a、(b)は曲面用アタッチメント20Bの固定面22aを示す。
平面用アタッチメント20Aは、支持部22の固定面22aが、液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pと略平行である。一方、曲面用アタッチメント20Bは、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が、液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pに対して被検出面S側に傾斜している。即ち、平面用アタッチメント20Aは、支持部22の固定面22aが、基準平面Nと略平行である。一方、曲面用アタッチメント20Bは、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が、被検出面Sに沿うように基準平面Nに対して傾斜している。
更に説明すると、本実施例では、曲面用アタッチメント20Bは、一方向に湾曲した被検出面Sに検出部1を容易に固定できるように構成されている。即ち、本実施例では、検出部1は、測定セル10の液保持室12の軸線方向と略直交する方向の軸線を中心として湾曲した曲面、特に、管状鋼材の外面又は内面に容易に固定できるように構成されている。そして、本実施例では、図5(b)に示すように、支持部22の固定面22aは、開口部12aを挟んで対向する位置において被検出面Sに沿うように傾斜した傾斜部22a1と、その傾斜部22a1に挟まれた位置において開口面Pと略平行な平坦部22a2と、を有する。
本実施例では、傾斜部22a1の表面は平面とされている。図4(c)、(d)を参照して、この傾斜部22a1の平面Dと開口面Pとが成す角度(即ち、傾斜部22a1の平面Dと基準平面Nとが成す角度)(傾斜角)αは、傾斜部22a1が被検出面Sに干渉せず、又、固定用磁石21の端面21aを被検出面Sに十分に近づけて検出部1を被検出面Sに固定するのに十分な磁気力を作用させることができるように、当該曲面用アタッチメント20Bが適用される被検出面Sの曲率半径Rに応じて適宜設定することができる。
例えば、管状鋼材の外面では、検出部1を曲率半径Rが100mmまで小さい被検出面Sに検出部1を取り付け可能とすることができ、又管状鋼材の内面では、検出部1を曲率半径Rが150mmまで小さい被検出面Sに取り付け可能とすることができる。
そして、外面用アタッチメント20B1では、曲率半径Rが100mm〜1mの管状鋼材の外側表面を被検出面Sとする場合、上記傾斜角αは30度〜3度とすることができる(このとき液密保持部材17の高さ(開口面Pと略直交する方向の幅)は10mm〜3.5mmが好ましい。)。又、内面用アタッチメント20B2では、曲率半径Rが150mm〜3mの管状鋼材の内側表面を被検出面Sとする場合、上記傾斜角αは15度〜5度とすることができる(このとき液密保持部材17の高さ(開口面Pと略直交する方向の幅)は10mm〜3.5mmが好ましい)。
尚、本実施例では、固定アタッチメント20の固定面22の傾斜部22a1は平面とされているが、これに限定されるものではなく、被検出面Sに沿う曲面、即ち、被検出面Sと同等の曲率半径を有する曲面とされていてもよい。又、本実施例では、被検出面Sは、管状鋼材の表面であり、一方向に湾曲しているものとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、球面(部分球面)などの多方向又は全方向に湾曲した曲面であってもよく、固定アタッチメント20の傾斜部22a1は、当該曲面に適合するように多方向又は全方向において傾斜させればよい。
測定セル10、特に、液保持室12が形成されたセル部11aは、電気伝導率を測定するために精密に作成することが望まれる。例えば、測定セル10は、ABS、POM、PP、PVC、PMMAなどの硬質プラスチックで作成することができる。本実施例では、測定セル10のセル部11a及びカバー部11bは、ABSで作成した。固定アタッチメント20も上記同様の硬質プラスチックで作成することができる。本実施例では、固定アタッチメント20の本体はABSで作成した。しかし、本実施例では、固定アタッチメント20に要求される精密度は測定セル10と比較して低くてよい。
測定セルとこれを被検出面に固定するための固定部とが一体に形成されている場合には、比較的複雑で精密な構成の高価な測定セルを複数種類用意する必要があり、コストが高くなる。これに対して、本実施例では、固定用磁石21が埋め込まれた固定アタッチメント20A、20Bを、測定セル10から着脱可能とする。このように、測定セルに対して固定部を着脱可能にすることにより、測定セルの種類を増やすことなく、曲面に応じて固定部を選択することができ、低コストで曲面状の被検出面に付着した被検出成分の測定が可能となる。
この表面塩分計100を使用して鋼構造物の被検出面Sの塩分濃度を測定する場合には、先ず、詳しくは後述するようにして、検出部1の測定セル10に、被検出面Sに応じて選択した固定アタッチメント20を結合する。次に、検出部1の測定セル10の開口部12の周囲の液密保持部材17を被検出面Sに当接させ、磁石21の磁力により固定アタッチメント20を被検出面Sに固定することで、検出部1を被検出面Sに固定する。このとき、検出部1を湾曲した被検出面Sに固定する場合には、固定アタッチメント20として曲面用アタッチメント20Bを用いると共に、曲面用アタッチメント20Bの固定面22aを被検出面Sの湾曲方向に適合させて、即ち、傾斜部22a1を湾曲した被検出面Sに沿わせるようにして、固定アタッチメント20を被検出面Sに固定する。その後、空気抜き栓14cを緩めるか取り外した状態で、シリンジ4からチューブ5及び液供給流路13を通して一定量(本実施例では10ml)の純水を液保持室12に注入する。このとき、注入された純水の流れに伴って、液保持室12内の空気は、開かれた空気抜き流路14から外部に排気される。その後、空気抜き栓14cを締めて空気抜き流路14を閉じ、撹拌機15により液保持室12内の液を所定時間撹拌して被検出面Sから被検出成分としての塩分を溶解し抽出する。そして、撹拌機15を停止させた後に、処理部2の表示部2cを読取る。液保持室12内の液に溶解抽出された塩分の濃度は、液保持室12内の電気伝導率センサ16がその液の電気伝導率を検出した結果に基づいて、処理部2の演算処理装置2aが処理することで、被検出面Sの単位面積当たりの塩分濃度(25℃換算)として算出され、表示部2cに表示される。
次に、測定セル10に対する固定アタッチメント20(平面用アタッチメント20A、曲面用アタッチメント20B)の結合方法について説明する。固定アタッチメント20は、測定セル10を被検出面Sに固定できるように十分な強さで結合する必要がある。検出部1を重力方向上側から被検出面Sに載置して用いる場合であっても、被検出面Sが水平方向に対して傾斜している場合、或いは被検出面Sが垂直方向の場合には、測定セル10と固定アタッチメント20との結合は比較的強固である必要がある。又、検出部1を重力方向下側から水平な被検出面S又は水平方向に対して傾斜した被検出面Sに固定する場合には、測定セル10と固定アタッチメント20との更に強固な結合が必要となる。一方、被検出面Sの曲率半径などに応じて容易に交換できるように、固定アタッチメント20は測定セル10に対して容易に着脱可能であることが望ましい。
このような要件を満足すれば、測定セル10と固定アタッチメント20との結合方法は特に限定されるものではない。例えば、測定セル10の外周面と固定アタッチメント20の内周面とに対応して形成されたネジの噛合による結合、測定セル10の外周面と固定アタッチメント20の内周面との摩擦力による結合、測定セル10の外周面の係合部(溝)に固定アタッチメント20の内周面側に突設された係合部(爪)が弾発的に係合するスナップフィット型の結合などが挙げられる。
但し、本実施例のように、固定アタッチメント20が、測定セル10の開口部12a側の端部に外側から嵌合する環状の部材である場合、測定セル10と固定アタッチメント20とは、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを所定の向きにして結合する結合手段によって結合されることが好ましい。これは、主に、被検出面Sに固定した場合の固定アタッチメント20の配向と、重力方向に対する測定セル10の液供給流路13及び空気抜き流路14の向きとの関係を所望の関係とするためである。
つまり、水平方向に対して傾斜した被検出面S、或いは垂直方向に延在する被検出面Sに検出部1を固定した場合、液保持室12に液を注入する際に液保持室12内の気泡は重力方向上側に移動する。従って、この場合、空気抜き流路14は、この気泡が移動した先、即ち、重力方向上側に位置することが望ましい。又、限定されるものではないが、この場合、スムーズな空気の排出のためには、液供給流路13は、重力方向下側に位置することが望ましい。
例えば、垂直方向に延在する管状鋼材の外側表面である被検出面Sに、外面用アタッチメント20B1を用いて検出部1を固定する場合を考える。この場合、外面用アタッチメント20B1の固定面22aの傾斜部22a1を湾曲した被検出面Sに沿わせるようにして外面用アタッチメント20B1を被検出面Sに固定すると、図7(a)に示すように傾斜部22a1と平坦部22a2との境界22a3は略垂直方向を向く。従って、この場合、空気抜き流路14を重力方向上側、更には液供給流路13を重力方向下側に配置するためには、液供給流路13及び空気抜き流路14を含む平面が上記境界22a3と略平行になるように測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを決めて、測定セル10と固定アタッチメント20とを容易に結合できることが好ましい。一方、例えば、水平方向に延在する管状鋼材の外側表面である被検出面Sに、外面用アタッチメント20B1を用いて検出部1を固定する場合を考える。この場合は、外面用アタッチメント20B1を被検出面Sに固定すると、図7(b)に示すように上記境界22a3は略水平方向を向く。従って、この場合は、上記同様に空気抜き流路14を重力方向上側、液供給流路13を重力方向下側に配置するためには、液供給流路13及び空気抜き流路14を含む平面が上記境界22a3と略直交するように測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを決めて、測定セル10と固定アタッチメント20とを容易に結合できることが好ましい。
図6(a)、(b)をも参照して、本実施例では、測定セル10のボディー11の外側面に、係合部として、その外側面から突出するように結合されたネジ19を設ける。このネジ19は、測定セル10の周方向において略90度間隔で4箇所に設けられている。又、図7(a)、(b)に示すように、開口面P側から見たときに、一方の対向するネジ19の対を通る直線が液供給流路13及び空気抜き流路14を通る直線と略平行となり、他方の対向するネジ19の対を通る直線が液供給流路13及び空気抜き流路14を通る直線と略直交するように、ネジ19は設けられている。ネジ19は、その頭部の座面と測定セル10の外側面との間に、固定アタッチメント20の該当部分を摺動させ得るように、測定セル10に結合されている。又、ネジ19は、この状態で測定セル10に固定されていてもよいし、固定アタッチメント20を取り付けた後にネジ19を締め付け得るようにされていてもよい。尚、本実施例では、係合部としてネジ19を用いるが、測定セル10の外側面に形成された突起であってもよい。
一方、固定アタッチメント20には、測定セル10に設けられたネジ19を係止する係止部として、位置決め穴23aと、該位置決め穴23aにネジ19の軸部を案内するガイド溝23bと、から成る位置決め固定部23が設けられている。ガイド溝23bは、固定アタッチメント20の周縁から位置決め穴23aまで連通する。位置決め固定部23は、位置決め穴23aが、固定アタッチメント20の周方向において略90度間隔で4箇所に配置されるように形成されている。又、図7(a)、(b)に示すように、開口面P側から見たときに、一方の対向する位置決め穴23aの対を通る直線が固定面22aの上記境界22a3と略平行となり、他方の対向する位置決め穴23aの対を通る直線が上記境界22a3と略直交するように、位置決め固定部23は設けられている。
このように、本実施例では、上記ネジ19と位置決め固定部23とから成る結合手段は、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを互いに直交する2つの向きにして、測定セル10と固定アタッチメント20とを容易に結合させることができる。これにより、上述のように、被検出面Sに固定した場合の固定アタッチメント20の配向と、重力方向に対する測定セル10の液供給流路13及び空気抜き流路14の向きとの関係を容易に所望の関係とすることができる。測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを、少なくとも互いに直交する2つの向きにして固定できるようにすれば、被検出面Sの湾曲方向に応じてより適した方向にして固定アタッチメント20を測定セル10に固定することで、通常問題なく使用することができる。但し、これに限定されるものではなく、固定アタッチメント20測定セル10に対してより多くの方向に容易に位置決めすると共に固定できるようになっていてもよい。
測定セル10に固定アタッチメント20を結合する際は、測定セル10の開口部12側の端部を、固定アタッチメント20の中央開口部24(図4参照)に、固定面22aとは反対側から挿入する。そして、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを、上述のような互いに直交する2つの方向のうち所望の方向とするのに適当な位置決め固定部23のガイド溝23bに、ネジ19の軸部を導入する(図6(a)の矢印A方向)。次に、固定アタッチメント20を周方向に回動させることで(図6(a)の矢印B方向)、ネジ19の軸部を位置決め固定部23のガイド溝23bに沿って位置決め穴23aに導入する。この位置で、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の位置は所望の位置となる。ネジ19を締め付けることで、更に強固に固定アタッチメント20を測定セル10に結合することができる。
次に、図8を参照して、電気伝導率センサ16、温度センサ18の位置について説明する。上述のように、本実施例の表面塩分計100は、平坦な被検出面Sと湾曲した被検出面Sとに容易に適用することができるように構成されている。図1、図2及び図3から分かるように、検出部1を被検出面Sに固定した際に、液密保持部材17によって液密性が保持される液保持室12の内部の容積は、平坦な被検出面Sに検出部1を固定した場合(図1)と比較して、検出部1側に凸状に湾曲した被検出面Sに固定した場合には小さくなり(図2)、逆に検出部1側とは反対側に凸状に湾曲した被検出面Sに固定した場合には大きくなる(図3)。従って、液保持室12は、検出部1側に凸状に湾曲した被検出面Sに検出部1を固定して容積が小さくなった場合(図2)でも、所定量(本実施例では10ml)の液を収容できるように形成されている必要がある。そのため、平坦な被検出面Sに検出部1を固定した場合、或いは検出部1側とは反対側に凸状に湾曲した被検出面Sに検出部1を固定した場合には、より大きな空間(空気)が液保持室12内に残ることになる。又、検出部1は、測定時に様々な向きにされる可能性があり、その向きに応じて液保持室12内の空間(空気)は移動する可能性がある。このとき、電気伝導率センサ16、温度センサ18は、電気伝導率、温度の検出のために、検出部1の配向に拘わらずに液保持室12に収容された液に接触することが必要である。
ここで、図8は、略水平な被検出面Sに上側から載置されて固定された検出部1において、液保持室12内に所定量の液を収容して撹拌機15で撹拌している状態の液保持室12内の様子を示す。本実施例では、測定セル10の撹拌機15は、開口面Pに略直交する方向(即ち、基準平面Nに略直交する方向)の回転軸の周りを回転する撹拌子15aを有している。この場合、図8に示すように、撹拌子15aが回転駆動されると、液保持室12内の液Lには、駆動軸15cの位置をほぼ中心とした、開口部12a側に凸状の渦Vが形成される。そのため、この渦Vの半径方向の外側に行くに従って、液保持室12内の液Lは、液保持室12の開口部12aと対向する壁面(上底面)12b側に盛り上がる。そして、本実施例の構成では、撹拌機15の回転速度を適切に設定すれば(本実施例では500〜3000rpm)、検出部1が水平方向に対して傾斜した被検出面Sに上側から固定されても、或いは検出部1が垂直方向に延在する被検出面Sに側方から固定されても、液保持室12内の液Lの渦Vの形状を殆ど変わらなくすることができる。
従って、本実施例では、上記液Lの盛り上がり部L1、L2に電気伝導率センサ16、温度センサ18を配置すれば、検出部1の配向に拘わらずに、電気伝導率センサ16、温度センサ18を液に接触させることができる。尚、検出部1が被検出面に下側から固定される場合には、図8における上記盛り上がり部L1、L2に対応する位置は重力方向下側となり、図8における液保持室12の底部に対応する位置になるため、当然に、当該盛り上がり部L1、L2に対応する位置に配置された電気伝導率センサ16、温度センサ18は、液保持室12内の液Lと接触する。
このように、本実施例では、電気伝導率センサ16、更には温度センサ18は、検出部1が被検出面Sに固定され、被検出面Sから被検出成分を抽出するための所定量の液が液保持室12に供給され、撹拌機15によって液保持室12内の液が撹拌されているときに、検出部の配向に拘わらずに液保持室12内の液が接触した状態が維持される位置に配置される。特に、本実施例では、電気伝導率センサ16、温度センサ18は、上記盛り上がり部L1、L2に対応する、液保持室12の開口部12aと対向する壁面(上底面)12bに配置されている。
以上、本実施例によれば、固定アタッチメント20は硬質プラスチックで形成されているが、被検出面Sの曲率半径に応じて固定アタッチメント20を選択して、測定セル10に取り付けることができる。これにより、被検出面Sが平面状であっても曲面状であっても、測定セル10を被検出面Sに密着させることができ、液保持室12から抽出液が漏れることなく測定をすることができる。従って、本実施例によれば、曲面状の被検出面に付着した被検出成分の測定をより正確に行うことができる。
実施例2
次に、本発明に係る表面付着成分測定装置の他の実施例について説明する。本実施例の表面付着成分測定装置において、実施例1の表面付着成分測定装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1と同様、本実施例の表面塩分計100は、支持部22の固定面22aが液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pと略平行である第1の使用状態と、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pに対して被検出面S側に傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である。換言すれば、支持部22の固定面22aが、基準平面Nと略平行である第1の使用状態と、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が、検出部1を湾曲した被検出面Sに固定した際に被検出面Sに沿うように基準平面Nに対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である。
そして、本実施例では、図10に示すように、固定アタッチメント20は、支持部22の固定面22aが液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pと略平行である第1の形状(図10(a))と、検出部1を湾曲した被検出面Sに固定した際に支持部22の固定面22aの少なくとも一部が液保持室12の開口部12aを含む平面(開口面)Pに対して被検出面S側に傾斜している第2の形状(図10(b)、(c))と、に変形可能な弾性体で形成されている。換言すれば、本実施例では、固定アタッチメント20は、支持部22の固定面22aが基準平面Nと略平行である第1の形状(図10(a))と、支持部22の固定面22aの少なくとも一部が、検出部1を湾曲した被検出面Sに固定した際に被検出面Sに沿うように基準平面Nに対して傾斜している第2の形状(図10(b)、(c))と、に変形可能な弾性体で形成されている。固定アタッチメント20が、上記第1の形状と第2の形状とに変形することで、上記第1の使用状態と第2の使用状態とを相互に変更することができる。
更に説明すると、本実施例では、表面塩分計100の検出部1の測定セル10の構成は、実施例1のものと実質的に同一である。又、本実施例の表面塩分計100の検出部1の固定アタッチメント20は、実施例1のものと同様の構成を有するが、磁石21の支持部22を構成する固定アタッチメント20が全体的に弾性体であるゴム又はエラストマーで作成されている。固定アタッチメント20を構成する弾性体としては、ゴム又はエラストマーなどのゴム弾性を有する材料であれば、特に限定されずに用いることができる。例えば、NBR、CR、IIR、EPM、SI、EVAなどを用いることができる。又、この固定アタッチメント20を構成する弾性体のゴム硬度(JIS−A)は、30〜70度が好ましく、40〜50度がより好ましい。ゴム硬度が30度未満であると検出部1を被検出面Sに固定したときの安定性が悪くなる虞がある。又、ゴム硬度が70度を超えると、湾曲した被検出面Sに従って固定アタッチメント20が変形し難く、測定時に液保持室12の液密性を保持することが難しくなり、液が漏れる虞がある。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様、曲面状の被検出面に付着した被検出成分の測定をより正確に行うことができる。又、本実施例では、平面用と曲面用とで同じ固定アタッチメント20を使用することが可能となる。
実施例3
次に、本発明に係る表面付着成分測定装置の他の実施例について説明する。本実施例の表面付着成分測定装置において、実施例1の表面付着成分測定装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1と同様、固定アタッチメント20は、測定セル10の開口部12側の端部に外側から嵌合する環状の部材であり、測定セル10と固定アタッチメント20とは、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを所定の向きにして結合する結合手段によって結合される。特に、結合手段は、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを少なくとも互いに直交する2つの向きにして、測定セル10と固定アタッチメント20とを結合可能である。
実施例1では、測定セル10と固定アタッチメント20との結合手段は、測定セル10と固定アタッチメント20とを機械的に係止する係止手段から成るものとして説明したが、本実施例では、当該結合手段は、測定セル10と固定アタッチメント20とを磁気的に結合する磁気結合手段から成る。
図11(a)は、平面用固定アタッチメント20Aが測定セル10に結合された本実施例の表面塩分計100の使用状態における概略断面を示す。又、図11(b)、(c)は、それぞれ曲面用アタッチメント20Bである外面用アタッチメント20B1、内面用アタッチメント20B2の断面を示す。
図11(a)を参照して、本実施例では、測定セル10のボディー11(特に、セル部11a)は、被検出面S側のフランジ状の段部11cに、セル側結合用磁石31が埋め込まれている。セル側結合用磁石31は、その端面が上記段部11cの表面から露出し、且つ、段部11cの表面と面一となるように測定セル10に設けられている。一方、固定アタッチメント20は、セル側結合用磁石31に磁気的に拘束され得る部材として、アタッチメント側結合用磁石32を有する。アタッチメント側結合用磁石32は、測定セル10の上記段部11cに当接する端面22bに埋め込まれている。アタッチメント側結合用磁石32は、その端面が上記端面22bから露出し、且つ、上記端面と面一となるように固定アタッチメント20に設けられている。
本実施例では、実施例1と同様に、固定アタッチメント20には、固定アタッチメント20を被検出面Sに固定するための固定用磁石21が、固定アタッチメント20の周方向において90度間隔で4箇所に設けられている。セル側結合用磁石31及びアタッチメント側結合用磁石32は、測定セル10及び固定アタッチメント20の周方向においてこの固定用磁石21と略同一位置に設けられている。各磁石の磁極の配置は、例えば、図11(a)に示すように、対向する磁極同士が異極となるような配置とする。
尚、測定後に被検出面Sから検出部1を取り外すときに固定アタッチメント20だけ被検出面Sに残るのを防ぐために、上記結合用磁石31、32から成る結合手段に加えて、ストッパー手段を設けてもよい。例えば、図12(a)、(b)に示すように、測定セル10のボディー11の外側面に、回動軸33aと、この回動軸33aの回りを回動可能なアーム33bとから成る締結具33を設ける。一方、固定アタッチメント20の外側面に、締結具33が係合する突起34を設ける。この突起34は、固定アタッチメント20の外側面に固定されたネジであってよい。例えば、締結具33と突起34とから成るストッパー手段は、測定セル10及び固定アタッチメント20の周方向において対向する2箇所に設けることができる。更に多くのストッパー手段を設けてもよい。
ここで、本実施例では、実施例1と同様に、セル側結合用磁石31とアタッチメント側結合用磁石32とから成る結合手段は、測定セル10に対する固定アタッチメント20の周方向の向きを容易に所定の向きにすることができるようになっている。即ち、本実施例では、図13(a)、(b)に示すように、開口面P側から見たときに、一方の対向するセル側結合用磁石31の対を通る直線が液供給流路13及び空気抜き流路14を通る直線と略平行となり、他方の対向するセル側結合用磁石31の対を通る直線が液供給流路13及び空気抜き流路14を通る直線と略直交するように、セル側結合用磁石31は設けられている。又、開口面P側から見たときに、一方の対向するアタッチメント側結合用磁石32の対を通る直線が固定面22aの上記境界22a3と略平行となり、他方の対向するアタッチメント側結合用磁石32の対を通る直線が上記境界22a3と略直交するように、アタッチメント側結合用磁石32は形成されている。これにより、実施例1のネジ19と位置決め固定部23とから成る結合手段の場合と同様の効果を得ることができる。勿論、実施例1と同様に、より多くの方向に容易に位置決めすると共に固定できるようになっていてもよい。
尚、本実施例では、測定セル10と固定アタッチメント20とに、結合手段を構成する結合用磁石31、32を設けた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、測定セル10と固定アタッチメント20の少なくとも一方に磁石を設け、この磁石に磁気的に拘束される部材として磁性部材を、測定セル10と固定アタッチメント20の少なくとも一方に設けることができる。
以上、本実施例の構成によっても、曲面状の被検出面に付着した被検出成分の測定をより正確に行うことができる。又、本実施例によれば、更に容易に固定アタッチメントを測定セルに結合することができる。
実施例4
次に、本発明に係る表面付着成分測定装置の他の実施例について説明する。本実施例の表面付着成分測定装置において、実施例1の表面付着成分測定装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、液保持室12は測定セル10のボディー(測定セル本体)11に形成され、その液保持室12の開口部12aを囲むように測定セル10のボディー11側に液密保持部材17を取り付けた。これに対し、液密保持部材17は固定アタッチメント20側に設けてもよい。
図14は、液密保持部材17が固定アタッチメント20側に設けられた表面塩分計100の一例を示す。図14(a)は、平面用固定アタッチメント20Aが測定セル10に結合された状態における概略断面を示し、図14(b)、(c)は、それぞれ外面用アタッチメント20B1、内面用アタッチメント20B2の概略断面を示す。
本例では、実施例1と同様に、固定アタッチメント20は、測定セル10の開口部12a側の端部に外側から嵌合する環状の部材である。しかし、液保持室12は、その上底面12bは測定セル10のボディー11で形成されるが、その内側壁は固定アタッチメント20の中央開口部の内壁22cによって形成され、その開口部12aも固定アタッチメント20の内壁22cの一端部によって形成される。そして、液密保持部材17は、その液保持室12の開口部12aに隣接して、開口部12aを囲むように固定アタッチメント20側に取り付けられている。本例では、この液密保持部材17は、固定アタッチメント20の支持部22に形成された、液保持室12の軸線方向に見て円形の溝17aに固定されている。
このように、液密保持部材17を固定アタッチメント20側に設ける場合、液密保持部材17は、被検出面Sに沿うように形成された固定アタッチメント20の支持部22の固定面22上に直接配置される。従って、例えば湾曲した被検出面Sに検出部1を固定する際の液密保持部材17と被検出面Sとの密着性を比較的容易に得ることができる。そのため、液保持室12の軸線方向における液密保持部材17の高さは、実施例1の場合よりも低く設定することができる。本例では、液密保持部材17としてOリングを用いた。
液密保持部材17を固定アタッチメント20側に設ける場合、液保持室12の内壁の少なくとも一部が固定アタッチメント20によって形成されるので、固定アタッチメント20に要求される精密度は実施例1の場合よりも高くなり得る。本例においても、固定アタッチメント20は、実施例1で示したものと同様の硬質プラスチックで作成することができる。本例では、固定アタッチメント20の本体はABSで作成した。又、液保持室12の内部側における測定セル10のボディー11と固定アタッチメント20との間の液密性を保持するために、測定セル10の開口部12a側の端部と固定アタッチメント20との連結部に位置してOリング14dを設けた。
図15は、液密保持部材17が固定アタッチメント20側に設けられた表面塩分計100の他の例における、固定アタッチメント20の一部を支持部22の固定面22a側から見た様子を示す。
図15(a)は、外面用アタッチメント20B1であり、支持部22の固定面22aは、液保持室12の軸線方向と略直交する方向の軸線を中心として湾曲した被検出面S(特に、管状鋼材の外面)の曲率半径と略同一の曲率半径の曲面状に形成されている。即ち、支持部22の固定面22aの少なくとも一部(本例では略全部)が、被検出面Sに沿うように、液保持室12の軸線方向に略直交する基準平面に対して傾斜している。又、液密保持部材17は、液保持室12の開口部12aに隣接して、開口部12aを囲むように外面用アタッチメント20B1側に取り付けられている。液密保持部材17としては、Oリングが用いられている。図16(a)は、図15(a)に示すような曲面状の固定面22aを有する外面用アタッチメント20B1を用いて、検出部1を管状鋼材の外面に取り付けた様子を示す。
同様に、図15(b)は、内面用アタッチメント20B2であり、支持部22の固定面22aは、液保持室12の軸線方向と略直交する方向の軸線を中心として湾曲した被検出面S(特に、管状鋼材の内面)の曲率半径と略同一の曲率半径の曲面状に形成されている。又、液密保持部材17は、液保持室12の開口部12aに隣接して、開口部12aを囲むように内面用アタッチメント20B2側に取り付けられている。液密保持部材17としては、Oリングが用いられている。図16(b)は、図15(b)に示すような曲面状の固定面22aを有する内面用アタッチメント20B2を用いて、検出部1を管状鋼材の面に取り付けた様子を示す。
尚、重複する説明は省略するが、本実施例のように固定アタッチメント20側に液密保持部材17を設ける場合も、実施例1、3で説明したものと同様にして、固定アタッチメント20の測定セル10に対する位置合わせを行うことができる。又、実施例2の固定アタッチメント20側に液密保持部17を設けることもできる。
以上、本実施例のように、固定アタッチメント20側に液密保持部材17を設けることができ、これにより液密保持部材17と被検出面Sとの密着性を向上することができる。
実施例5
次に、本発明に係る表面付着成分測定装置の他の実施例について説明する。本実施例の表面付着成分測定装置において、実施例1の表面付着成分測定装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、被検出面Sが平面である場合も、曲面である場合も、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積は同じであるものとして、表面塩分濃度(mg/m2)を算出した。
更に説明すると、実施例1の方法によれば、処理部2の演算処理装置2aは、電気伝導率の測定結果から、次式1に従って被検出面Sの単位面積当たりの塩分濃度(mg/m2)を算出する。
ρA=c×V×Δγ/A ・・・(1)
上記式1中、ρAは表面塩分濃度(mg/m2)、cは定数(kg/m2・S)、Aは被検出面の所定の表面積(mm2)、Vは被検液の所定の体積(ml)、Δγは被検液の電気伝導率の増加分(μS/cm)である。特に、上記被検出面Sの所定の表面積A(mm2)としては、被検出面Sが平面である場合における液密保持部材17で囲まれた被検出面Sの表面積を使用する。又、上記被検液の所定の体積V(ml)としては、シリンジ4にて液保持室12にて注入する一定量(例えば10ml)を使用する。
この方法でも、測定目的によっては、必要十分な精度で目的を達成することができる。しかし、被検出面Sが曲面である場合に、より正確な測定値を得るためには、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積の変化を考慮することが望まれる。
ここで、液密保持部材17で囲まれた被検出面Sの表面積の変化を試算した。固定アタッチメント20としては、実施例4で説明した図15に示すもののように、固定アタッチメント20に液密保持部材17が設けられており、被検出面Sの曲率半径に適合するように支持部22の固定面22aが湾曲しているものを想定する。液密保持部材17としては、断面が直径約3mmの円形であり、内径が40mm、外径が46mmの円形のOリングを用いるものとする。又、この液密保持部材17は、その断面の略中央部分である直径43mmの円形部分が被検出面Sに密着するものとする。
このとき、被検出面Sが平面状である場合の、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積は1451.465mm2となる。これに対し、被検出面Sが曲面状(一例として検出部1側に凸面)である場合の、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積は、図17(a)に示すように、液密保持部材17の上記直径43mmの円を被検出面Sに投影した形状の内側の面積で近似される。この部分を展開した形状は略楕円形状となる。そして、この被検出面Sが曲面状(一例として検出部1側に凸面)である場合の、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積は、被検出面Sの曲率半径が100mm(直径200mm)の場合は1460.752mm2、曲率半径が250mm(直径500mm)の場合は1453.557mm2、曲率半径が500mm(直径1000mm)の場合は1452.547mm2と計算される。このような表面積変化自体は、斯界にて一般的に用いられている3次元CADなどを用いて計算することができる。
このように、被検出面Sが平面である場合と、曲面である場合とで、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積が変化する。このとき、上記式1における被検出面の所定の表面積A(mm2)を一定として表面塩分濃度(mg/m2)を算出すると、表面積の変化分の測定値の誤差が生じることになる。具体的には、上述のように被検出面Sが曲面である場合には被検出面Sが平面である場合よりも表面積が増加するので、表面塩分濃度(mg/m2)は真値よりも大きく算出される傾向となる。
以上では、被検出面Sが検出部1側に凸面である場合の表面積の変化を例に説明したが、被検出面Sが検出部1側に凹面である場合も同様である。即ち、上記式1における被検出面の所定の表面積A(mm2)を一定として表面塩分濃度を算出すると、被検出面Sが検出部1側に凸面である場合と同様に、被検出面Sが検出部側に凹面である場合には、表面塩分濃度(mg/m2)は真値よりも大きく算出される傾向となる。
そこで、本実施例では、次のようにして、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積の変化による測定値の変化分を補正する。即ち、本実施例では、処理部2の演算処理装置2aは、次式2に従って被検出面Sの単位面積当たりの塩分濃度(mg/m2)を算出する。
ρA’=c×V×Δγ/(α×A)
=ρA/α ・・・(2)
上記式2中αは、表面積補正係数である。その他の符号の意味は式1と同様である。被検出面Sが平面である場合(平面用アタッチメント20Aを用いる場合)の、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積を基準表面積A1とする。又、被検出面Sの曲率(曲率半径)に応じて求められた、ある固定アタッチメント20を用いる場合の液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積をA2とする。このとき、表面積補正係数αは、α=A2/A1で表すことができる。その固定アタッチメント20が平面用アタッチメント20Aであるとき、A1=A2であり、α=1である。一方、その固定アタッチメント20が曲面用アタッチメント20Bであるとき、A1<A2であり、α>1である。
こうして、演算処理装置2aは、曲面用アタッチメント20Bを使用するときの検出信号に対する測定値の関係を、平面用アタッチメント20Aを使用するときの該関係に対して補正することができる。特に、本実施例では、演算処理装置2aは、被検出面Sの曲率に応じた、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積の変化による測定値の変化分を補正する。
次に、上記表面積補正係数αを用いた補正を行うための制御態様について説明する。図18は、本実施例の表面塩分計100の制御態様を示す。
処理部2には、前述のように、演算処理装置(コントローラ)2a、操作部2b、表示部2cが設けられている。演算処理装置2aは、表面塩分計100の動作を統括的に制御する。又、演算処理装置2aは、検出信号から測定値を求める。即ち、本実施例では、演算処理装置2aは、検出部1から入力される検出信号から被検出成分の量に係る測定値を算出する。又、処理部2には、電気伝導率測定用電源、電気伝導率センサ16の検出信号の増幅回路、温度測定用電源、温度センサ18の検出信号の増幅回路などを備えた測定回路2dが設けられている。又、処理部2には、電気伝導率及び温度の検出信号をアナログ−デジタル変換(A/D変換)するアナログ−デジタル変換器(A/D変換器)2eが設けられている。更に、処理部2には、演算処理装置2aが使用するプログラムやデータを記憶する処理部側記憶媒体2fが設けられている。尚、操作部2bには、データを入力するためのキーなどが設けられており、表示部2cは液晶ディスプレイパネルなどで構成される。この他、処理部2には、表面塩分計100の各部に作動電力を供給する電源回路などが設けられている。
一方、検出部1の固定アタッチメント20には、処理部2の演算処理装置2aが上述のような補正のために用いる補正用情報が担持された情報担持手段51が設けられている。又、検出部の測定セル10には、固定アタッチメント20の情報担持手段51に担持された補正用情報を受領して処理部2の演算処理装置2aに入力するための情報受領手段52が設けられている。又、検出部1の測定セル10には、前述のように、電気伝導率センサ16と温度センサ18が設けられている。
本実施例では、固定アタッチメント20の情報担持手段51は、補正用情報が記憶された検出部側記憶媒体51である。そして、本実施例では、測定セル10の情報受領手段52は、処理部2の演算処理装置2aが検出部側記憶媒体51に記憶された情報を読み取ることを可能とする、検出部側記憶媒体51に接続されるコネクタ52である。本実施例では、補正用情報を演算処理装置2aに提供する情報提供手段は、情報担持手段51と、情報受領手段52と、を有して構成される。
検出部側記憶媒体51としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory:電気的消去書き込み可能な読み出し専用メモリ)、フラッシュメモリ、電池バックアップ付きRAM、EPROM、ワンタイムROM、メモリ付きCPUなどを使用することができる。本実施例では、EEPROMを用いた。検出部側記憶媒体51とコネクタ52は、それぞれ固定アタッチメント20、測定セル10における任意の位置に設けることができるが、少なくともこれら検出部側記憶媒体51とコネクタ52との接点間は電気的に接続可能な位置に設けられている。
尚、処理部側記憶媒体2fとしても、上記同様、EEPROM、フラッシュメモリ、電池バックアップ付きRAM、EPROM、ワンタイムROM、メモリ付きCPUなどを使用することができる。又、所望によりハードディスクなどの大容量記憶装置を用いることもできる。
測定時には、処理部2の測定回路2dが備える電気伝導率測定用の交流電源から、ケーブル3内の対応する心線、測定セル10内のリードなどを介して、電気伝導率センサ16に交流電圧が印加される。そして、その時流れる電流が、測定セル10内のリード、ケーブル3内の対応する心線などを介して、処理部2の測定回路2dで検出される。又、この時、処理部2の測定回路2dが備える温度測定用の直流電源から、ケーブル3内の対応する心線、測定セル10内のリードなどを介して、温度センサ18に直流電圧が印加される。そして、温度に対応するサーミスタの電気抵抗値に応じた温度センサ18の出力信号が、測定セル10内のリード、ケーブル3内の対応する心線などを介して、処理部2の測定回路2で検出される。電気伝導率センサ16と温度センサ18からの出力信号は、それぞれ測定回路2dによって増幅などの処理を受けた後にA/D変換器2eに入力され、A/D変換された後に演算処理装置2aに入力される。演算処理装置2aは、入力された信号から、セル定数や温度などの補正を加えて電気伝導率を算出する。又、処理部2の演算処理装置2aは、固定アタッチメント20が測定セル10に装着され、検出部1と処理部2とがケーブル3によって接続された状態において、任意のタイミングで、測定セル10内のリード、ケーブル3の対応する信号線、処理部内のリードなどを介して、検出部側記憶媒体51に記憶された情報を読み込むことができる。
本実施例では、検出部側記憶媒体51には、補正用情報として、その固定アタッチメント20が適用される被検出面Sの曲率に応じて予め求められた、表面積補正係数αが記憶される。ある固定アタッチメント20が、所定の曲率(曲率半径)の範囲の被検出面Sに対応可能である場合には、当該範囲内の代表値(例えば中央値)に応じて予め求められた表面積補正係数αを、検出部側記憶媒体51に記憶させることができる。
これにより、処理部2の演算処理装置2aは、上述の式2により表面塩分濃度(mg/m2)を算出する際に、検出部側記憶媒体51から読み込んだ表面積補正係数αを用いて、現在使用中の固定アタッチメント20に即した補正を行うことができる。
ここで、検出部側記憶媒体51が記憶する情報は、固定アタッチメント20の製造時や工場出荷時に検出側記憶媒体51が固定アタッチメント20に組み込まれた状態で、或いは製造時に検出部側記憶媒体51が単体又は他の要素と一緒に未だ固定アタッチメント20に組み込まれていない状態で、検出部側記憶媒体51に記憶させることができる。
又、演算処理装置2aは、測定毎に検出部側記憶媒体51から補正用情報を読み取ってもよいが、検出部側記憶媒体51から一旦読み取った補正用情報を所定期間記憶して使用するようにしてもよい。即ち、演算処理装置2aは、検出部記憶媒体51から読み取った補正用情報を処理部側記憶媒体2fに記憶して、例えば表面塩分計100の電源がオフとされるまで或いは固定アタッチメント20が交換されるまで、その処理部側記憶媒体2fに記憶した補正用情報を用いることができる。
又、固定アタッチメント20の情報担持手段51としては、コスト、或いは情報伝達の容易さ、更には担持させることの可能な情報量などの点で、電子的なメモリなどとされる記憶媒体が好ましい。この検出部側記憶媒体51は、本実施例のように接触式の通信が可能なものであってもよいが、無線にて非接触式の通信が可能なものであってもよい。検出部記憶媒体51としては、所謂、ICタグなどを好適に用いることができる。この場合、測定セル10には、情報受領手段として、検出部記憶媒体51に対する情報の読み取り装置(書き込み機能を有していてもよい。)を設ける。ICタグとしては、マイクロ波や電磁結合を利用して電力供給・信号伝送を行うものなど、利用可能な任意のものを用いることができる。測定セル10側の読み取り装置から発射された電波によって、固定アタッチメント20側のICタグ内のアンテナを介して回路内で電力が発生し、情報の読み書きができる。
更に、固定アタッチメント20の情報担持手段51としては、スイッチ、アナログスイッチ、抵抗器、コンデンサなどの物理量若しくは状態変更手段;電圧発生器、電流発生器、光発生器などの物理量発生手段;物理的形状変化;又はバーコードから成る群から選択される情報提示手段を使用することができる。一方、測定セル10の情報受領手段52としては、固定アタッチメント20の情報提示手段が提示する情報を認識するための認識手段が設けられる。固定アタッチメント20側の上記各種の情報提示手段に対応して、これを認識可能な認識手段を測定セル10側に設けることができる。例えば、情報提示手段が物理量若しくは状態変更手段である場合、認識手段はその物理量若しくは状態の変化を認識するための手段とし、情報提示手段が物理量発生手段であれば、認識手段はその物理量を受容し識別するための手段とし、情報提示手段が物理的形状変化であれば、その物理的形状変化を識別するための手段とし、更に情報提示手段がバーコードであれば、認識手段はバーコードを識別するための手段とすればよい。
尚、本実施例の変形例として、上述のように固定アタッチメント20の情報担持手段に補正用情報自体を担持させる代わりに、固定アタッチメント20の識別情報を担持させることができる。識別情報としては、固定アタッチメント20の種類・型式・製造番号などが挙げられる。この場合、処理部側記憶媒体2fには、演算処理装置2aがその識別情報に対応する補正用情報(本実施例では表面積補正係数α)を読み取ることができるように、固定アタッチメント20の識別情報と補正用情報とが関係付けられて記憶される。これにより、処理部2の演算処理装置2aは、上述の式2により表面塩分濃度(mg/m2)を算出する際に、検出部側記憶媒体51から読み込んだ識別情報に対応する補正用情報(本実施例では表面積補正係数α)を処理部記憶媒体2fから読み込む。そして、演算処理装置2aは、この読み込んだ表面積補正係数αを用いて、現在使用中の固定アタッチメント20に即した補正を行うことができる。情報担持手段51に識別情報を担持させる場合も、情報担持手段51及び情報受領手段52としては、情報担持手段51に補正用情報自体を担持させる場合と同様のものを用いることができる。又、情報担持手段51に識別情報を担持させる場合も、演算処理装置2aは、測定毎に検出部側記憶媒体51から識別情報を読み取る代わりに、一旦読み取った識別情報を所定期間記憶して使用するようにしてもよい。本例では、補正用情報を演算処理装置2aに提供する情報提供手段は、情報担持手段51と、情報受領手段52と、処理部記憶媒体2fと、を有して構成される。
又、本実施例の他の変形例として、使用する固定アタッチメント20に係る補正用情報又は識別情報を、操作者が、処理部2の操作部2bから入力することで、演算処理装置2aに補正用情報を提供することができる。この場合、図18における固定アタッチメント20の情報担持手段51及び測定セル10の情報受領手段52は設けなくてよい。操作部2bから固定アタッチメント20の識別情報を入力する場合は、処理部2の処理部側記憶媒体2fには、演算処理装置2aがその識別情報に対応する補正用情報を読み取ることができるように、固定アタッチメント20の識別情報と補正用情報(本実施例では表面積補正係数α)とが関係付けられて記憶される。本例では、補正用情報又は識別情報は、固定アタッチメント20自体や、固定アタッチメント20のパッケージ、仕様書、説明書などの印刷物に記載するなどして操作者に提供することができる。演算処理装置2は、操作部2bから入力された補正用情報又は識別情報を用いることによって、上述の情報担持手段51及び情報受領手段52を用いる場合と同様にして、現在使用中の固定アタッチメント20に即した補正を行うことができる。本例では、補正用情報を演算処理装置2aに提供する情報提供手段は、操作者による操作によって補正用情報を演算処理装置2aに入力するための操作部2bを有して構成されるか、又は、操作者によって固定アタッチメントの識別情報を演算処理装置2aに入力するための操作部2bと、処理部記憶媒体2fと、を有して構成される。
以上、本実施例によれば、演算処理装置2aは、被検出面Sの曲率に応じた、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積の変化による測定値の変化分を補正するように設定されている補正用情報(表面積補正係数α)を用いて、曲面用アタッチメント20Bを使用するときの検出信号に対する測定値の関係を、平面用アタッチメント20Aを使用するときの該関係に対して補正する。これにより、被検出面Sが曲面である場合の測定精度を向上させることができる。
実施例6
次に、本発明に係る表面付着成分測定装置の他の実施例について説明する。本実施例の表面付着成分測定装置において、実施例1、5の表面付着成分測定装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
実施例1では、液保持室12内に抽出液として一定量(例えば10ml)の純水を注入して、表面塩分濃度(mg/m2)の測定を行った。より詳細には、上述の式1に従って被検出面Sの単位面積当たりの塩分濃度(mg/m2)を算出するにあたり、該式1中の被検液の所定の体積V(ml)として、シリンジ4にて液保持室12にて注入する一定量(例えば10ml)を使用した。
しかし、前述のように、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積は、被検出面Sが平面状である場合と比較して、被検出面Sが検出部1側に凸面である場合には小さくなる(図17(b))。逆に、検出部1側とは反対側に凹面である場合には大きくなる。
そのため、実施例1では、液保持室12を、液保持室12内の容積が最小となる場合(検出部1側に凸面の場合)でも、所定量(例えば10ml)の液を収容できるように構成した。しかし、この場合、例えば液保持室12内の容積が最大となる場合(検出部1側に凹面の場合)などに、測定時の検出部1の向きによっては、液保持室12内に空気層ができ、電気伝導率の測定誤差が生じることがある。これに対して、実施例1で説明したように、電気伝導率センサ16の配置などによって測定精度を維持することができるが、設計の自由度などの点で不利になる場合がある。
ここで、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積の変化を試算した。固定アタッチメント20としては、実施例4で説明した図15に示すもののように、固定アタッチメント20に液密保持部材17が設けられており、被検出面Sの曲率半径に適合するように支持部22の固定面22aが湾曲しているものを想定する。液密保持部材17としては、断面が直径約3mmの円形であり、内径が40mm、外径が46mmの円形のOリングを用いるものとする。又、この液密保持部材17は、その断面の略中央部分である直径43mmの円形部分が被検出面Sに密着するものとする。
又、平面用アタッチメント20Aを用いて平面状の被検出面Sに検出部1を固定したときの液保持室12内の容積が10mlとなるように、液保持室12の奥行きなどを設定する。そして、被検出面Sの曲率半径を変更して(合わせて固定アタッチメント20の支持部22の固定面22aの曲率も変更して)、液保持室12内の容積を試算した。
このとき、被検出面Sが検出部1側に凸面である場合の液保持室12の容積は、被検出面Sの曲率半径が100mm(直径200mm)の場合は7.448ml(2.552ml減少)となり、曲率半径が250mm(直径500mm)の場合は8.991ml(1.009ml減少)となり、曲率半径が500mm(直径1000mm)の場合は9.496ml(0.5037ml減少)となる。又、被検出面Sが検出部1側に凹面である場合の液保持室12の容積は、被検出面Sの曲率半径が100mm(直径200mm)の場合は12.552ml(2.552ml増加)となり、曲率半径が250mm(直径500mm)の場合は11.009ml(1.009ml増加)となり、曲率半径が500mm(直径1000mm)の場合は10.504ml(0.5037ml増加)となる。このような体積変化自体は、斯界にて一般的に用いられている3次元CADなどを用いて計算することができる。又、実際に液保持室12の容積一杯に純水などを注入して、その純水の量を測定することによって実測することもできる。
このように、被検出面Sが平面である場合と、曲面である場合とで、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積が変化する。そこで、本実施例では、上述のような液保持室12内に生じる空気層による測定誤差を防止するために、測定時には液保持室12の容積一杯に、抽出液としての純水を注入する。これは、例えば、シリンジ4を用いて液供給流路13から純水を液保持室12に注入する際に、空気抜き流路14から純水が漏出するまで注入することで達成することができる。
このとき、上述の式1における被検液の所定の体積V(ml)を一定として表面塩分濃度(mg/m2)を算出すると、液保持室12内の容積の変化分の測定値の誤差が生じることになる。具体的には、上述のように被検出面Sが検出部1側に凸面である場合には、液保持室12内の容積は被検出面Sが平面である場合よりも減少するので、表面塩分濃度(mg/m2)は真値よりも大きく算出される傾向となる。一方、上述のように被検出面Sが検出部1側に凹面である場合には、液保持室12内の容積は被検出面Sが平面である場合よりも増加するので、表面塩分濃度(mg/m2)は真値よりも小さく算出される傾向となる。
そこで、本実施例では、次のようにして、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積の変化による測定値の変化分を補正する。即ち、本実施例では、処理部2の演算処理装置2aは、次式3に従って被検出面Sの単位面積当たりの塩分濃度(mg/m2)を算出する。
ρA’=c×(β×V)×Δγ/A
=ρA×β ・・・(3)
上記式中βは、容積(体積)補正係数である。その他の符号の意味は式1と同様である。被検出面Sが平面である場合(平面用アタッチメント20Aを用いる場合)の、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積を基準容積V1とする。又、被検出面Sの曲率(曲率半径)に応じて求められた、ある固定アタッチメント20を用いる場合の検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積を基準容積V2とする。このとき、容積補正係数βは、β=V2/V1で表すことができる。その固定アタッチメント20が平面用アタッチメント20Aであるとき、V1=V2であり、β=1である。又、その固定アタッチメント20が外面用アタッチメント20B1(被検出面Sは検出部1側に凸面)であるとき、V1>V2であり、β<1である。又、その固定アタッチメント20が内面用アタッチメント20B2(被検出面Sは検出部1側に凹面)であるとき、V1<V2であり、β>1である。
こうして、演算処理装置2aは、曲面用アタッチメント20Bを使用するときの検出信号に対する測定値の関係を、平面用アタッチメント20Aを使用するときの該関係に対して補正することができる。特に、本実施例では、演算処理装置2aは、被検出面Sの曲率に応じた、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積の変化による測定値の変化分を補正する。
尚、上記容積補正係数βを用いた補正を行うための制御態様は、実施例5(変形例を含む。)において説明した表面積補正係数αを用いた補正を行うための全ての制御態様と同様とすることができる。従って、ここでは、実施例5における補正用情報である表面積補正係数αを容積補正係数βと読み替え、演算処理装置2aが表面塩分濃度(mg/m2)を算出するための演算式である実施例5における式2を式3と読み替えることによって、実施例5(変形例を含む。)における表面積補正係数αを用いた補正を行うための全ての制御態様の説明を援用する。
以上、本実施例によれば、演算処理装置2aは、被検出面Sの曲率に応じた、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積の変化による測定値の変化分を補正するように設定されている補正用情報(容積補正係数β)を用いて、曲面用アタッチメント20Bを使用するときの検出信号に対する測定値の関係を、平面用アタッチメント20Aを使用するときの該関係に対して補正する。これにより、被検出面Sが曲面である場合の測定精度を向上させることができる。
実施例7
本実施例は、実施例5及び6の変形例である。即ち、実施例5では、被検出面Sの曲率に応じた、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積の変化による測定値の変化分を補正した。又、実施例6では、被検出面Sの曲率に応じた、検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積の変化による測定値の変化分を補正した。
しかし、これら表面積、容積に関する各補正は選択的に行うことに限定されるものではない。より正確な測定値を得るためには、被検出面Sの表面積の変化分の測定値の誤差を補正し、且つ、液保持室12の容積一杯に純水を注入することで空気層の発生による誤差を防止すると共に、液保持室12内の容積の変化分の測定値の誤差を補正することが望ましい。
そこで、本実施例では、実施例5と実施例6の両方の補正を同時に行う。即ち、本実施例では、処理部2の演算処理装置2aは、次式4に従って被検出面Sの単位面積当たりの塩分濃度(mg/m2)を算出する。
ρA’=c×(β×V)×Δγ/(α×A)
=ρA×β/α ・・・(4)
上記式4中の各符号の意味は、実施例5と実施例6で説明した通りである。本実施例においても、実施例6と同様に、測定時には液保持室12の容積一杯に、抽出液としての純水を注入する。そして、演算処理装置2aは、表面積補正係数αと容積補正係数βとを用いて、上記式4によって表面塩分濃度(mg/m2)を求める。
尚、表面積補正係数αと容積補正係数βを用いた補正を行うための制御態様は、実施例5(変形例を含む。)において説明した表面積補正係数αを用いた補正を行うための全ての制御態様と同様とすることができる。従って、ここでは、実施例5における補正用情報である表面積補正係数αを表面積補正係数α及び容積補正係数βと読み替え、演算処理装置2aが表面塩分濃度(mg/m2)を算出するための演算式である実施例5における式2を式4と読み替えることによって、実施例5(変形例を含む。)における表面積補正係数αを用いた補正を行うための全ての制御態様の説明を援用する。
以上、本実施例によれば、実施例5及び実施例6のそれぞれの効果と同様の効果を同時に奏し得る。これにより、被検出面Sが曲面である場合の測定精度をより向上させることができる。
他の実施例
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、固定用磁石は被検出面側の端面が円形であるものとして説明したが、円弧形、矩形などの他の形状であってもよい。又、固定アタッチメントは被検出面側の端面の外形が円形であるものとして説明したが、固定アタッチメントは矩形などの他の形状であってもよい。又、被検出成分は塩分でありセンサは電気伝導率センサであるものとして説明したが、その他の被検出成分(例えば、硝酸イオン、硫酸イオンなど)であってもよく、センサはその被検出成分の検出に適した他のセンサ(例えば、イオンセンサなど)であってよい。
更に、実施例2にて説明した、被検出面Sの曲率に応じて変形する固定アタッチメント20を用いる場合には、液密保持部材17によって囲まれた被検出面Sの表面積の変化及び/又は検出部1を被検出面Sに固定した際の液保持室12内の容積の変化による、測定値の変化分の補正は、次のようにして行うことができる。即ち、この場合、被検出面Sの曲率に応じて予め求められている、測定対象たる被検出面Sの曲率に対応する補正用情報(表面積補正係数α及び/又は容積補正係数β)を、操作者が処理部2の操作部2bから入力する。これにより、演算処理装置2aは、固定アタッチメント20が前述の第2の形状であるときの検出信号に対する測定値の関係を、前述の第1の形状であるときの該関係に対して補正することができる。この場合の制御態様は、図18と同様とすることができるが、固定アタッチメント20の情報担持手段51、測定セル10の情報受領手段52は設けなくてよい。
1 検出部
2 処理部
4 シリンジ
10 測定セル
12 液保持室
12a 開口部
17 液密保持部材
20 固定アタッチメント
20A 平面用アタッチメント(固定アタッチメント)
20B 曲面用アタッチメント(固定アタッチメント)
21 固定用磁石
22 支持部
22a 固定面
22a1 傾斜部
22a2 平坦部
N 液保持室の軸線方向に略直交する平面(基準平面)
P 開口面(開口部を含む平面)
S 被検出面

Claims (20)

  1. 被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有
    前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し、
    前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室が形成された測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有し、
    前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有する支持部と、を有しており、
    前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって、
    前記固定アタッチメントとして、前記第1の使用状態に対応する第1の固定アタッチメントと、前記第2の使用状態に対応する第2の固定アタッチメントと、を有しており、前記第1の固定アタッチメントと、前記第2の固定アタッチメントと、は交換可能であることを特徴とする表面付着成分測定装置。
  2. 被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有
    前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し、
    前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室を前記固定アタッチメントと共に形成する測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、を有し、
    前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有し、前記液保持室を前記測定セル本体と共に形成する支持部と、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有しており、
    前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって、
    前記固定アタッチメントとして、前記第1の使用状態に対応する第1の固定アタッチメントと、前記第2の使用状態に対応する第2の固定アタッチメントと、を有しており、前記第1の固定アタッチメントと、前記第2の固定アタッチメントと、は交換可能であることを特徴とする表面付着成分測定装置。
  3. 前記処理部は、前記検出部から入力される検出信号から被検出成分の量に係る測定値を算出する演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記第2の固定アタッチメントを使用するときの前記検出信号に対する前記測定値の関係を、前記第1の固定アタッチメントを使用するときの該関係に対して補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面付着成分測定装置。
  4. 更に、前記演算処理装置が前記補正のために用いる補正用情報を前記演算処理装置に提供する情報提供手段を有し、前記補正用情報は、前記被検出面の曲率に応じた、前記液密保持部材によって囲まれた前記被検出面の表面積及び/又は前記検出部を前記被検出面に固定した際の前記液保持室内の容積の変化による、前記測定値の変化分を補正するように設定されていることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  5. 前記情報提供手段は、前記処理部に設けられた、操作者による操作によって前記補正用情報を前記演算処理装置に入力するための操作部を有して構成されることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  6. 前記情報提供手段は、前記処理部に設けられた、操作者によって前記固定アタッチメントの識別情報を前記演算処理装置に入力するための操作部と、前記処理部に設けられた、前記演算処理装置が前記識別情報に対応する前記補正用情報を読み取ることができるように前記識別情報と前記補正用情報とが関係付けられて記憶された記憶媒体と、を有して構成されることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  7. 前記情報提供手段は、前記固定アタッチメントに設けられた、前記補正用情報が担持された情報担持手段と、前記測定セルに設けられた、前記情報担持手段に担持された前記補正用情報を受領して前記演算処理装置に入力するための情報受領手段と、を有して構成されることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  8. 前記情報担持手段は、前記補正用情報が記憶された記憶媒体であることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  9. 前記情報提供手段は、前記固定アタッチメントに設けられた、前記固定用アタッチメントの識別情報が担持された情報担持手段と、前記測定セルに設けられた、前記情報担持手段に担持された前記識別情報を受領して前記演算処理装置に入力するための情報受領手段と、前記処理部に設けられた、前記演算処理装置が前記識別情報に対応する前記補正用情報を読み取ることができるように前記識別情報と前記補正用情報とが関係付けられて記憶された記憶媒体と、を有して構成されることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  10. 前記情報担持手段は、前記識別情報が記憶された記憶媒体であることを特徴とする請求項に記載の表面付着成分測定装置。
  11. 被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有し、
    前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し、
    前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室が形成された測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有し、
    前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有する支持部と、を有しており、
    前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって、
    前記処理部は、前記検出部から入力される検出信号から被検出成分の量に係る測定値を算出する演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記第2の使用状態であるときの前記検出信号に対する前記測定値の関係を、前記第1の使用状態であるときの該関係に対して補正することを特徴とする表面付着成分測定装置。
  12. 被検出面に付着した被検出成分を抽出して検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理する処理部と、を有し、
    前記検出部は、測定セルと、前記測定セルに着脱可能に取り付けられる、前記検出部を前記被検出面に取り外し可能に固定するための固定アタッチメントと、を有し、
    前記測定セルは、一端に開口部を有し内部に液を保持するための液保持室を前記固定アタッチメントと共に形成する測定セル本体と、前記被検出面から被検出成分を抽出するための液を前記液保持室に供給するための、前記測定セル本体に形成された液供給流路と、前記液保持室から空気を抜くための、前記測定セル本体に形成された空気抜き流路と、前記液保持室内の液を撹拌するための撹拌機と、前記液保持室内の液に抽出された被検出成分を検出するためのセンサと、を有し、
    前記固定アタッチメントは、前記検出部を前記被検出面に磁気力により固定するための固定用磁石と、前記固定用磁石を支持する支持部であって、前記検出部を前記被検出面に固定した際に前記被検出面に隣接する固定面を有し、前記液保持室を前記測定セル本体と共に形成する支持部と、前記検出部が前記被検出面に固定された際に前記被検出面に当接して前記液保持室の液密性を保持するための、前記開口部を囲むように配置された液密保持部材と、を有しており、
    前記固定面が、前記液保持室の軸線方向に略直交する基準平面と略平行である第1の使用状態と、前記固定面の少なくとも一部が、前記検出部を湾曲した前記被検出面に固定した際に前記被検出面に沿うように前記基準平面に対して傾斜している第2の使用状態と、に変更可能である表面付着成分測定装置であって、
    前記処理部は、前記検出部から入力される検出信号から被検出成分の量に係る測定値を算出する演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記第2の使用状態であるときの前記検出信号に対する前記測定値の関係を、前記第1の使用状態であるときの該関係に対して補正することを特徴とする表面付着成分測定装置。
  13. 更に、前記演算処理装置が前記補正のために用いる補正用情報を前記演算処理装置に提供する情報提供手段を有し、前記補正用情報は、前記被検出面の曲率に応じた、前記液密保持部材によって囲まれた前記被検出面の表面積及び/又は前記検出部を前記被検出面に固定した際の前記液保持室内の容積の変化による、前記測定値の変化分を補正するように設定されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の表面付着成分測定装置。
  14. 前記情報提供手段は、前記処理部に設けられた、操作者による操作によって前記補正用情報を前記演算処理装置に入力するための操作部を有して構成されることを特徴とする請求項13に記載の表面付着成分測定装置。
  15. 前記固定アタッチメントは、前記第1の使用状態に対応する第1の形状と、前記第2の使用状態に対応する第2の形状と、に変形可能な弾性体で形成されていることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の表面付着成分測定装置。
  16. 前記固定アタッチメントは、前記測定セルの前記開口部側の端部に外側から嵌合する環状の部材であり、前記測定セルと前記固定アタッチメントとは、前記測定セルに対する前記固定アタッチメントの周方向の向きを所定の向きにして結合する結合手段によって結合されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の表面付着成分測定装置。
  17. 前記結合手段は、前記測定セルに対する前記固定アタッチメントの周方向の向きを少なくとも互いに直交する2つの向きにして、前記測定セルと前記固定アタッチメントとを結合可能であることを特徴とする請求項16に記載の表面付着成分測定装置。
  18. 前記結合手段は、前記測定セルと前記固定アタッチメントとを機械的に係止する係止手段から成るか、又は前記測定セルと前記固定アタッチメントとを磁気的に結合する磁気結合手段から成ることを特徴とする請求項17に記載の表面付着成分測定装置。
  19. 前記撹拌機は、前記基準平面に略直交する方向の回転軸の周りを回転する撹拌子を有し、前記センサは、前記検出部が前記被検出面に固定され、前記被検出面から前記被検出成分を抽出するための所定量の液が前記液保持室に供給され、前記撹拌機によって前記液保持室内の液が撹拌されているときに、前記検出部の配向に拘わらずに前記液保持室内の液が接触した状態が維持される位置に配置されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の表面付着成分測定装置。
  20. 前記センサは、前記開口部と対向する前記液保持室の壁面に配置されることを特徴とする請求項19に記載の表面付着成分測定装置。
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