JP5758814B2 - トンネル換気設備用コーナーベーンおよびその設置方法 - Google Patents

トンネル換気設備用コーナーベーンおよびその設置方法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネル換気設備用コーナーベーンおよびその設置方法に係り、特に自動車用トンネルを換気するのに好適なトンネル換気設備用コーナーベーンおよびその設置方法に関する。
自動車用トンネルでは、トンネル内を走行する自動車から発生する排気ガスをトンネル内から排気するため及び排気したガスの代わりに新鮮空気を供給するため、送風用のファンと給排気通路が設けられている。垂直に形成される排気通路では、雨水が滴下して縦軸に配置されるファンに直接当たるのを防止するために、その水平方向位置をファン位置と変えており、排気通路には曲がり角部が形成される。また、吸気通路においても、トンネルという限られた空間へ空気を導く必要から、曲がり角部が形成される場合がある。これらの曲がり角部の全てではないものの、流体抵抗が大きい部分には、ファンの動力を低減するため流路抵抗を低減可能なコーナーベーンを設ける場合がある。
このような、給排気通路にコーナーベーンを設けた従来の例が、特許文献1〜3に記載されている。特許文献1に記載のトンネル換気所の例では、トンネル換気所の狭いスペースを有効に利用して機器を効果的に配置し、高いNOx除去率の空気浄化装置を得るために、トンネルの壁面あるいは天井面に吸込口を設け、この吸込口から吸い込んだ排気ガスを横軸に配置した排気ファンに導いている。その際、排気ガスの流れ方向が90度変化するので、吸込口の近傍に入口コーナーベーンを配置し、入口コーナーベーンにオゾン射出ノズルを設けている。
また特許文献2では、コーナーベーン等の整流板をトンネルに取り付ける際の施工誤差を評価するために、トンネルの天井部に設けられる換気用整流板が取り付けられる位置のトンネルの計測データと整流板の初期情報とから、トンネルの形状モデルを作成し、このトンネルの形状モデルに整流板モデルを配置している。これにより、整流板の取り付け情報の初期情報を、修正している。
さらに、特許文献3では、道路トンネルの換気通路で円滑な整流作用を確保するとともに消音させるために、道路の換気通路の屈曲部に消音機能付き整流装置を設けている。具体的には、換気通路の屈曲部を平行な同一流通面積の複数の流路に分割し、その分割部分に消音機能付き整流ユニットを嵌めこんでいる。これにより、消音と共に換気用送風機の負荷軽減も図っている。
特開2008−307468号公報 特開2005−273245号公報 特開2006−336281号公報
ところで、道路トンネルの給排気通路は、空気吸込み口から排風機(ファン)までの吸気側も、排風機から排気塔に至るまでの排気側も、流路となるダクトはコンクリート構造物で形成される。上述したように、ダクトの曲り角部では流れ方向が急変するので圧力損失が大きく、排風機の電動機容量に影響を与えるほか、気流の乱れによる騒音・振動発生の原因となる。この曲り角部の圧力損失を低減するために鋼板製のコーナーベーンを設置して流れを整流している。しかし、コーナーベーンの設置作業は、トンネルまたはトンネル付帯設備内での設置作業となるため、設置場所が狭隘でかつコンクリート構造の基礎では、一般機械製品のような寸法精度を保つことが困難である。その結果、基礎の寸法精度にばらつきが生じるので、現場合わせが容易な細かく分割した部材のボルト締結作業としている。
ボルト締結構造でコーナーベーンを作製すると、1)設置場所の基礎仕上がり寸法の誤差やコンクリート構造に起因する経年的な形状変化、例えば地盤の不均一な沈下の影響を受けやすい、2)万一トンネル内で事故等の不測事態による火災が発生したときには排煙により熱膨張が生ずるが、ボルト締結により互いに強固に締結しているので応力の逃げを確保できずコーナーベーンが変形する、3)ボルト締結構造では、多数のボルトを必要とし、ボルトの頭やナットの部分が流路に突き出ることになり、圧力損失の原因となるとともに風切り音を誘発しやすい。
また、上記特許文献1および特許文献3では、それぞれ空気の浄化や整流のためにコーナーベーンを利用することについては考慮されているものの、コーナーベーンの施工性については考慮されていない。さらに特許文献2ではコーナーベーン等の整流板の取り付け評価については考慮しているものの、いかに施工性を向上させるかについての考慮は、まだ不十分である。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、トンネル換気設備が備えるコーナーベーンの施工性を向上させることを目的としている。本発明の他の目的は、排気ガスや吸気ガスが流通するコンクリートダクト内に配置されるコーナーベーンにおける圧力損失を少なくするとともに騒音も低減できる、施工容易な換気設備を実現することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、自動車用トンネル内に給気または自動車用トンネルから排気する通路内に設けられるトンネル換気設備用コーナーベーンにおいて、上下方向に延びる複数枚の支持板と、流れを整流するため弧状に曲げて形成された複数枚の第1のベーンと、この第1のベーンとほぼ同じ弧状に形成された複数枚の第2のベーンと、前記支持板の上端部に取り付けられ通路を形成するコンクリート壁または天井面に係止する第1の支承と、前記支持板の下端部に取り付けられ通路を形成するコンクリート床面に係止する第2の支承とを備え、前記第1のベーンの幅方向中間部には前記支持板が貫通する穴が形成されており、幅方向に隣り合う前記第1のベーン間に前記第2のベーンを配置してボルト締結し、前記第1、第2の支承は、前記支持板を回動自在にピン結合で支持したことにある。
そしてこの特徴において、前記支持板を上下方向に、公道運送が可能な大きさの複数分割構造で形成し、分割型の前記支持板のそれぞれをスプライスプレートを用いてボルト結合し、前記第1のベーンと前記支持板とを前記第1のベーンに形成した穴部で溶接して一体化するのがよく、前記第2の支承をコンクリート床面に締結するアンカーボルトが貫通する穴を前記第2の支承に設け、このアンカーボルト用穴は幅方向に直角な方向に対して長さが長い長穴とするのが好ましい。また、前記支持板の上端部および下端部は先細まり形状に形成されており、この先細まり形状部にピンが貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔部を中心に前記支持板が回動可能に形成されていることが望ましい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、自動車用トンネル内に給気または自動車用トンネルから排気する通路内に設けられるトンネル換気設備用コーナーベーンの設置方法において、トンネルのコーナー部またはその近傍の床面上で、幅方向中間部に孔が形成された平板を折り曲げて形成した複数の第1のベーンに支持板を貫通させた後前記第1のベーンに前記支持板を溶接し、それと共に前記支持板の上端部側及び下端部側に第1、第2の支承をピンを介して取り付け、幅方向に隣り合う前記第1のベーン間にこの第1のベーンとほぼ同じ曲げ形状の第2のベーンをボルト結合で固定してコーナーベーンを完成し、完成したトンネル換気設備用コーナーベーンの上端部側を吊上げ手段を用いて吊上げ、上端部に設けた第1の支承を、ピン部を中心に回動させてトンネルのコーナー部の壁面に当設させた後アンカーボルトで固定し、次いで下端側の第2の支承をピン部を中心にして回動させてコンクリート床面に当設させ、その後この第2の支承に設けた長穴を用いてアンカーボルトでコンクリート床面に固定することにある。
本発明によれば、道路トンネルの給排気通路に配置されるコーナーベーンの上端部及び下端部を回動可能なピン支持形状とし、下端部の支承部を長穴形状として基礎であるコンクリート部の施工誤差を吸収可能としたので、コンクリートダクトの経年変化や万一の火災時にコーナーベーンに応力が発生しても、逃げ構造となっていて応力を解放できる。したがって、トンネル換気設備が備えるコーナーベーンの施工性が向上する。また、排気ガスや吸気ガスが流通するコンクリートダクト内に配置されるコーナーベーンにおける圧力損失が少なくなり騒音も低減できる。それとともに、施工容易な換気設備が実現できる。
本発明に係るトンネル換気設備の一実施例の断面図である。 図1に示したトンネル換気設備が備えるコーナーベーンの施工状態を示す図である。 図2に示したコーナーベーンの斜視図である。 図3に示したコーナーベーンの分解斜視図である。 図3に示したコーナーベーンの詳細を示す図である。 図3に示したコーナーベーンの詳細を示す図である。 本発明に係るコーナーベーンの設置手順を示すフローチャートである。
本発明に係るトンネル換気設備の一実施例を、図面を用いて説明する。図1は、トンネル換気設備90が施工される地下トンネル100の一実施例の断面図であり、トンネル換気設備90が排気通路52を有している例である。給気通路の場合も同様である。トンネル100では、自動車が通行する自動車用上り車線71、自動車用下り車線72これら上り車線71及び下り車線72間に配置された鉄道車両が通過する鉄道用車線73を、トンネル外壁83で形成している。
このコンクリート外壁83で囲まれた断面ほぼ矩形状の領域では、自動車用上り車線71及び自動車油下り車線72の上方に、換気ダクト78を形成するための仕切り壁70が設けられている。仕切り壁70の走行方向の中間部には、所定間隔をおいて開口部70aが形成されており、この開口部70aには切換ダンパ76が設けられている。
各車線71〜73の上方に形成される換気ダクト78は、各車線に対応して図1中の左右方向に仕切られており、この仕切り部には切換ダンパ75が配置されている。さらに、最右端の換気ダクト78の側面を構成するトンネル外壁83には、開口が形成されており、この開口には排気口金網77が取り付けられている。
このように構成したトンネル100では、自動車用上り車線71または自動車用下り車線72で発生した排気ガスは、切換ダンパ75、76を操作することにより、仕切り壁70に設けた開口70aから流れFaとなって換気ダクト78に流入する。そして、換気ダクト78の側部に配置した排気口金網77を経て流れFbとして、詳細を後述する換気設備90に導かれる。
図1の右側に、換気設備90の一例を示す。換気設備90はコンクリートで形成された多層状の構造物であり、内部には自動車用上り車線71及び自動車用下り車線72で発生した排気ガスを含む空気を排出するために、通路および送風ファンが配置されている。排気用の通路は、本実施例では、換気設備90の下部に設けた横通路56と、コーナー部54の下流側に位置する縦通路57、コーナー部54、サイレンサ3が配置された横通路56、コーナー部54、排気通路52とから構成されている。
縦通路57には縦軸の送風ファン55が配置されており、送風ファン55はトンネル100内の自動車用上り車線71及び自動車用下り車線72から排気ガスを含む空気を流れFc、Fdとして吸込み、流れFe、Ffとして排気通路52に吐出している。最下段の横通路56の入口にはスイングダンパ79が配置されており、送風ファン55が吸い込む空気量を調整するのに用いられる。また、送風ファン55および各切換ダンパ75、76、スイングダンパ78は、中段階に設けた制御装置92により制御される。
ここで、通路のコーナー部54には、送風ファン55が吸い込む排ガスを含む空気を流動抵抗が少なく排気通路52まで導くために、コーナーベーン1を設けている。このコーナーベーン1の詳細を、図2ないし図4を用いて詳細に説明する。図2は、コーナーベーン1の仮位置決め施工状態を示す図であり、図3はコーナーベーン1の斜視図、図4はコーナーベーン1の組み立て手順を説明するための分解斜視図である。
図2に示すように、換気設備90のコーナー部54は、高さH、幅W、奥行きDの空間である。一例としてH=6〜12m、W=6m、D=6mの空間が、コーナーベーン1の組み立て作業空間となる。このような空間内での作業となるため、従来はコーナーベーン1を構成する支持板10とベーンとをすべてボルト締結構造とし、この空間内で組み上げていた。そして、上端部をコンクリート天井50cまたは係止梁58に取り付けた上部支承とボルト締結し、下端部をコンクリート床面50fに取り付けた下部支承とボルト締結していた。その結果、コンクリート床面50fやコンクリート天井50c、コンクリート等で構成される係止梁58の寸法精度の影響が、組み立て精度や組み立て工程に大きく作用し、多大な工程を要する一因となっていた。
そこで本実施例では、図4の分解斜視図に詳細に示すように、コーナーベーン1を道路走行で運搬可能な複数のブロック体のボルト締結構造とし、支持板10と上下部支承30、40とをピン締結構造とした。
初めにベーン20よりも幅狭な鋼板から、先端部に先細まり部11bを有する上部支持部材11および下部支持部材12を作製する。ここで上部支持部材11と下部支持部材12とを同一形状とすれば、製作費用が低減できる。先細まり部11bはほぼ三角形状で先端の調部を丸みを帯びた形状にしてあり、この丸みと同心円の穴11aが上下部支持部材11、12の先端部に形成されている。
一方、上下部支持部材11、12よりも幅広であって長手方向の中央部に、上下部支持部材11、12を貫通させる穴20aが形成された複数枚の鋼板を弧状に丸める。そして、長手方向の両端部の溶接部20dに、これら上下支持部材11、12と同じ弧状に形成されたフランジ22が溶接により取り付けられており、第1のベーン20が作成される。フランジ22には、間隔をおいて複数のボルト穴23が形成されている。
次に、第1のベーン20に形成された穴20aを利用して、複数枚の第1のベーン20を上部支持部材11または下部支持部材12で串刺しにし、複数枚の第1のベーン20を上部支持部材11または下部支持部材12の長手方向にほぼ等間隔に配置する。その後、穴20aの周囲の溶接部20cを溶接する。
第1のベーン20を串刺しにした上部支持部材11および下部支持部材12をコーナーベーン素材として、以後は管理する。上部支持部材11を有するベーン素材と下部支持部材12を有するベーン素材とをスプライスプレート18を用いてボルト結合する。次にコーナー部54の幅一杯まで広げるために、第1のベーン20と第2のベーン28とをボルト25aとナット25bを用いてボルト締結する。
ここで、第2のベーン28は曲がり方向に第1のベーン20と同じ長さであり、また第1のベーンと同じ曲げ形状となっている。そして、両端部の溶接部20fには、第1のベーン20と同様にフランジ27が溶接されており、フランジ27には間隔をおいて第1のベーン20と係合するための複数のボルト穴26が形成されている。なおフランジは、弧状に曲げられた第2のベーン28の鋼板の内側と外側の両側に延びている。
コーナーベーン1は排ガスにさらされるので、上下部支持部材11、12および第1、第2のベーン20、28は防食のために表面処理が施されている。表面処理の例として、溶融亜鉛メッキを用いる。溶融亜鉛メッキ処理では、400℃もの高温中で処理されるので、第2のベーン28の幅方向中間部の溶接部20cには、リブ29が溶接により取り付けられている。リブ29は、フランジ27とほぼ同形状で、弧状に形成された第2のベーン28の内側にのみ形成されている。
第1、第2のベーン20、28が結合された状態で、床面に配置されていたコーナーベーン1を立てかけ、図2に示すように仮位置決めする。この仮位置決めは、アンカーボルトに上下支承30、40を取り付ける際の、アンカーボルト51aの位置決めとしての作業である。コンクリート天井面50cまたは係止梁58に設けた吊下げ金具64に吊上げ具であるチェーンブロック62を取り付け、チェーンブロック62のフック62aにコーナーベーン1に巻回したワイヤ65を取り付ける。
作業者は、チェーンブロック62を操作して、コーナーベーン1の上部支持部材11側が上になるように斜めに配置する。下部支持部材12の下端部は移動台車66に載置されており、チェーンブロック62の操作で、容易に図2で左右方向に移動可能になっている。また、立てかけ状態およびコンクリート天井面50cまたは係止梁58に取り付ける上部支承30の位置決めのために、作業者が目視確認できるようコーナーベーン1上にはしご60を配置し、上部支承30を取り付けるアンカーボルト51a位置を精密に把握して位置決めする。
コーナーベーン1の上端側を仮決めし、下端部を下部支承40に取り付ける位置51dで位置決めする。そして、下部支承40の配置位置51dにアンカーボルト51aを埋設し、下部支承40をアンカーボルト51aにナット51bで取り付ける。
ここで、上部支承30と下部支承40はほぼ同一形状である。上部支承30では、両端側に複数のアンカー用穴36が形成された取付板32に、半楕円形状の一対の脚部材34が間隔をおいて垂直に溶接で取り付けられている。脚部材34には、取付板32と平行に貫通穴35が開いており、連結ピン38が係合される。連結ピン38は、大径部のピンヘッド38aとこのピンヘッド38aよりも小径の軸部38cとから構成されており、軸部38cの先端近傍には、溝38bが形成されている。
支持板10を構成する上部支持部材11の先端を一対の脚部材34間に差し挟み、連結ピン38を支持板10の差し込み方向に直角な方向からピン用穴35および穴11aに差し込む。最後に、キーパープレート37を溝38bに差し込み、キーパープレート37に形成したねじ穴37bからねじをねじ込んでキーパープレート37を脚部材34に固定する。これにより、コーナーベーン1は、連結ピン38周りに回動可能となる。
下部支承40も同様の構成であり、取付板42に貫通穴45が形成された一対の脚部材44を立設し、下部支持部材12の先端を一対の脚部材44間に差し込んだ後、連結ピン48を横方向からピン用穴45、穴12aに挿入する。連結ピン48はピンヘッド48aと軸部48cとで構成されており、キーパープレート47が軸部48cに形成された溝48bに取り付けられる。そして、キーパープレートに形成されたねじ穴47bからねじを一方の脚部材44にねじ込んで連結ピン48を固定する。これにより、下部支承40に対し、コーナーベーン1が回動可能になっている。
ここで、下部支承40には組み立て誤差およびコンクリートで形成されるコーナー部54の経年変化を吸収できる構造が望まれているので、本発明では上述したように下部支承40とコーナーベーン1との結合をピン結合として下部支承40に対しコーナーベーン1が回動できるようにしている。
さらに、図5(b)に示すように、下部支承40をアンカーボルト51aに固定するため下部支承40の取付板42の両端部に各々複数個形成するアンカーボルト用穴46を連結ピン軸方向に対し直角な方向に長い長穴としている。これにより組み立て誤差や経年変化による位置ずれ等を吸収できる。なお、図5(a)は、下部支承40周りの正面図であり、同図(b)は図5(a)のY矢視図、同図(c)は完成後のコーナーベーン1の側面図である。
図6に第2のベーン28の詳細を、斜視図(同図(a))及び一部断面図(同図(b))で示す。上述したように、第2のベーン28の幅方向中間部にはリブ29が溶接で取り付けられている。このリブ29は図では幅方向に1か所であるが、さらに幅方向に長い場合には2か所以上に設けてもよい。リブ29には、整流作用も期待される。
図6(b)は第1、第2のベーン20、28のボルト結合状態を示したものであり、第1のベーン20のフランジ22と第2のベーン28のフランジ27とをボルト25aおよびナット25bとで締結している。各フランジ22,27には曲がり方向に間隔をおいて複数の穴23、26が形成されており、フランジ22、27は各ベーン20、28に溶接部20d、20fで溶接されている。
上記構成のコーナーベーン1の組み立ておよび施工法を、図7に示したフローチャートを用いて説明する。上部支持部材11および下部支持部材12を複数の第1のベーン20のベーン部材20bに貫挿し、所定間隔となるように溶接固定する(ステップS710)。ここで、ベーン部材20bには、予め穴20aが形成されており、穴20a形成後に曲げ加工されている。また、第1のベーン20の幅方向両端部側にはフランジ22が予め溶接されている。第2のベーン28と締結しない片持ち側の場合にはフランジ22はなくともよい。
ここで、下部支持部材12に第1のベーン20を溶接固定する。そして、第1のベーン20が取り付けられた上部支持部材11と第1のベーン20が取り付けられた下部支持部材20とを、スプライスプレートを用いてボルト結合する(ステップS720)。次に、第1、第2のベーン20、28をボルト締結する(ステップS730)。ここで、第2のベーン28の幅方向両端部には予めフランジジ27が溶接で取り付けられており、さらに幅方向の中間部には剛性を確保するために、リブ29が溶接固定されている。
コーナーベーン1が組み上がったので、コーナーベーン1の上側を吊上げ具62を用いて吊上げる。自動車用排気通路の場合には、狭い領域内での作業となるので通常吊上げ作業に使用するクレーン車などは進入できない。そのため、本実施例ではチェーンブロック62による作業となる。チェーンブロック62で平置きされていたコーナーベーン1の上部側を持ち上げて仮位置決めする(ステップS740)。次いで、上部支承30が配置される位置をコンクリート天井50cまたは係止梁58に位置決めする。同様に下部支承40が配置される位置をコンクリート壁50wまたはコンクリート床50fに位置決めする。その後、位置決めされた位置に基礎ボルト(アンカーボルト)51aを埋設する(ステップS750)。
上部支承30の脚部材34間に上部支持部材11を差し挟み、連結ピン38でコーナーベーン1の上部を締結する。アンカーボルト51a埋設のため、外しておいたコーナーベーン1を再度チェーンブロック62を用いて吊上げる(ステップS760)。アンカーボルト51aに上部支承30を取り付け、上部支承30をコンクリート天井50cまたは係止梁58に固定する(ステップS770)。ここで、ステップS760とステップS770はその順序が逆であってもよい。
コーナーベーン1の上部側が回動自在に固定されたので、下部支承40の脚部材44間に下部支持部材12を差し挟み連結ピン48で締結する(ステップS780)。その際、キーパープレート47により連結ピン48の抜け止めが可能になる。下部支承40の取付板42に設けた長穴46を利用して、コンクリート床50fまたはコンクリート壁50wに埋設したアンカーボルト51aに下部支承40を固定する(ステップS790)。この下部支承の固定作業では、上下支承30、40の回動の自由度と長穴46の前後動の自由度を活用できるので、コーナーベーン1の組み立て誤差やコンクリート構造の成形誤差を吸収できる。
本実施例によれば、コーナーベーンの組立作業が容易になる。つまり、ボルト接合構造の従来のコーナーベーンでは、基礎の寸法公差や水勾配を吸収することは困難であり、経年的な不等沈下の影響を受け易かった。これに対して本実施例に記載のコーナーベーンでは、ピン型支承と長穴を備えた構成としたので、基礎の仕上がり寸法や勾配に対して調整代があり、コーナーベーンの寸法を基礎寸法に合わせて製作することが不要となり、製作工程を短縮できる。
また、本実施例のコーナーベーンを使用すれば、温度変化に対する材料変形の追従性が向上する。すなわち、自動車用道路で火災が発生し、その火災で発生した煙を排気する場合に、高温の流体が排気通路を通過するので、従来のコーナーベーンでは材料の熱膨張より容易に湾曲変形していた。本実施例に記載のコーナーベーンでは、上記構成により、ピン型支承と長穴により熱膨張を逃がすことが可能であり、高度の温度追従性を発揮しうる。
本実施例によれば、圧力損失も低減できる。すなわち、従来のボルト締結構造のコーナーベーンでは、ボルトの頭やナットが突起物となり、圧力損失を生じていた。また、風切り音の原因ともなっていた。本実施例のコーナーベーンでは、ボルト締結部を極力低減して溶接接合を多用したので、高い空力性能を発揮できる。
本実施例によればさらに、コストも削減できる。従来のコーナーベーンでは、ボルト締結作業に多大な労力が必要であったが、溶接接合を多用したので施工時間を大幅に低減でき、コスト低下になった。例えば従来20日程度要していた施工時間が3日程度まで削減できた。
なお、溶接接合を多用したのでコーナーベーンの剛性を向上でき、床上で組み立て支持板とベーンが一体化したコーナーベーンを持ち上げることが可能になった。その結果、高所におけるボルト締結作業が不要となり、高所作業に伴う仮設足場設置やその解体作業が不要となった。
1…コーナーベーン、3…サイレンサ、10…支持板、11…上部支持部材、11a…穴、11b…先細まり部、12…下部支持部材、12a…穴、12b…先細まり部、18…キーパープレート、20…第1のベーン、20a…穴、20b…ベーン部材、20c〜20f…溶接部、22…フランジ、23…ボルト穴、25a…ボルト、25b…ナット、26…ボルト穴、27…フランジ、28…第2のベーン、29…リブ、30…上部支承、32…取付板、34…脚部材、35…ピン用穴、36…アンカー用穴、37…キーパープレート、37b…留めねじ穴、38…連結ピン、38a…ピンヘッド、38b…溝、38c…軸部、40…下部支承、42…取付板、44…脚部材、45…ピン用穴、46…長穴、47…キーパープレート、47a…留めねじ、47b…留めねじ穴、48…連結ピン、48a…ピンヘッド、48b…溝、48c…軸部、50c…コンクリート天井、50f…コンクリート床(基礎)、50w…コンクリート壁、51a…基礎ボルト(アンカーボルト)、51b…ナット、52…排気通路、54…コーナー部、55…送風ファン、56…横通路、57…縦通路、58…係止梁、60…はしご、62…吊上げ具(チェーンブロック)、64…吊下げ金具、65…ワイヤ(ロープ)、66…移動台車、70…仕切り壁、70a…開口部、71…自動車用上り線、72…自動車用下り線、73…鉄道用車線、75、76…切換ダンパ、77…排気口金網、78…換気ダクト、79…スイングダンパ、81…基礎、82…コンクリート外壁、83…トンネル外壁、90…換気設備、92…制御装置、100…トンネル、Fa〜Fe…流れ。

Claims (5)

  1. 自動車用トンネル内に給気または自動車用トンネルから排気する通路内に設けられるトンネル換気設備用コーナーベーンにおいて、
    上下方向に延びる複数枚の支持板と、流れを整流するため弧状に曲げて形成された複数枚の第1のベーンと、この第1のベーンとほぼ同じ弧状に形成された複数枚の第2のベーンと、前記支持板の上端部に取り付けられ通路を形成するコンクリート壁または天井面に係止する第1の支承と、前記支持板の下端部に取り付けられ通路を形成するコンクリート床面に係止する第2の支承とを備え、前記第1のベーンの幅方向中間部には前記支持板が貫通する穴が形成されており、幅方向に隣り合う前記第1のベーン間に前記第2のベーンを配置してボルト締結し、前記第1、第2の支承は、前記支持板を回動自在にピン結合で支持していることを特徴とするトンネル換気設備用コーナーベーン。
  2. 前記支持板を上下方向に、公道運送が可能な大きさの複数分割構造で形成し、分割型の前記支持板のそれぞれをスプライスプレートを用いてボルト結合し、前記第1のベーンと前記支持板とを前記第1のベーンに形成した溝部で溶接して一体化したことを特徴とする請求項1に記載のトンネル換気設備用コーナーベーン。
  3. 前記第2の支承をコンクリート床面に締結するアンカーボルトが貫通する穴を前記第2の支承に設け、このアンカーボルト用穴は幅方向に直角な方向に対して長さが長い長穴としたことを特徴とする請求項1または2に記載のトンネル換気設備用コーナーベーン。
  4. 前記支持板の上端部および下端部は先細まり形状に形成されており、この先細まり形状部にピンが貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔部を中心に前記支持板が回動可能に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のトンネル換気設備用コーナーベーン。
  5. 自動車用トンネル内に給気または自動車用トンネルから排気する通路内に設けられるトンネル換気設備用コーナーベーンの設置方法において、
    トンネルのコーナー部またはその近傍の床面上で、幅方向中間部に孔が形成された平板を折り曲げて形成した複数の第1のベーンに支持板を貫通させた後前記第1のベーンに前記支持板を溶接し、それと共に前記支持板の上端部側及び下端部側に第1、第2の支承をピンを介して取り付け、幅方向に隣り合う前記第1のベーン間にこの第1のベーンとほぼ同じ曲げ形状の第2のベーンをボルト結合で固定してコーナーベーンを完成し、完成したトンネル換気設備用コーナーベーンの上端部側を吊上げ手段を用いて吊上げ、上端部に設けた第1の支承をピン部を中心に回動させてトンネルのコーナー部の壁面に当設させた後アンカーボルトで固定し、次いで下端側の第2の支承をピン部を中心にして回動させてコンクリート床面に当設させ、その後この第2の支承に設けた長穴を用いてアンカーボルトでコンクリート床面に固定することを特徴とするトンネル換気設備用コーナーベーンの設置方法。
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