JP5758354B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
1(1). 無線通信システムの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システムCSを示すブロック図である。無線通信システムCSは、ユーザ装置UEと、第1基地局eNBと、第2基地局PhNBと、交換局MMEと、第1サービングゲートウェイSGW1と、第2サービングゲートウェイSGW2と、パケットゲートウェイPGWとを要素として備える。また、ネットワークNWは、無線通信システムCSが備える以上の要素のうちユーザ装置UE以外の要素を全て備える。
本実施形態では、原則として、無線通信システムCSがLTE/SAEに従って動作する形態を例示して説明するが、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。本発明は、必要な設計上の変更を施した上で、他のアクセス技術にも適用可能である。
図1において、実線がユーザ信号(音声信号、データ信号等のユーザデータを示す信号)の送受信に用いられる経路を示し、破線が制御信号の送受信に用いられる経路を示す。すなわち、実線はUプレーン(ユーザプレーン,User Plane)のインタフェースを示し、破線はCプレーン(制御プレーン,Control Plane)のインタフェースを示す。Uプレーンのインタフェースを介してUプレーン経路が確立され、Cプレーンのインタフェースを介してCプレーン経路が確立される。なお、図1に示される通り、第1基地局eNBと交換局MMEとの間にはCプレーンのインタフェース(S1−MMEインタフェース)が存在し、第2基地局PhNBと交換局MMEとの間にはCプレーンのインタフェースが存在しない。
1(3)−1. ユーザ装置の構成
図4は、第1実施形態に係るユーザ装置UEの構成を示すブロック図である。ユーザ装置UEは、無線通信部110と記憶部120と制御部130とを備える。音声・映像等を出力する出力装置およびユーザからの指示を受け付ける入力装置等の図示は便宜的に省略されている。無線通信部110は、第1基地局eNBおよび第2基地局PhNBと無線通信を実行するための要素であり、送受信アンテナと、無線信号(電波)を受信して電気信号に変換する受信回路と、制御信号、ユーザ信号等の電気信号を無線信号(電波)に変換して送信する送信回路とを含む。制御部130は、測定情報取得部132と識別情報取得部134と報告部138とデータ送受信部150とを備える。測定情報取得部132、識別情報取得部134、及び報告部138の動作の詳細は後述される。データ送受信部150は、データ無線ベアラを介して各基地局(eNB,PhNB)とユーザ信号を送受信する。制御部130及び制御部130に含まれる以上の各要素は、ユーザ装置UE内の不図示のCPU(Central Processing Unit)が、記憶部120に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
図5は、第1実施形態に係る第1基地局eNBの構成を示すブロック図である。第1基地局eNBは、無線通信部210とネットワーク通信部220と記憶部230と制御部240とを備える。無線通信部210は、ユーザ装置UEと無線通信を実行するための要素であり、ユーザ装置UEの無線通信部110と同様の構成を有する。ネットワーク通信部220は、ネットワークNW内の他のノード(第2基地局PhNB、交換局MME、サービングゲートウェイSGW等)と通信を実行するための要素であり、他のノードと電気信号を送受信する。記憶部230は、通信制御に関する情報、特に、図6に示すような第2基地局PhNBの識別情報がリストされた基地局リストBL1を記憶する(詳細は後述される)。制御部240は、報告情報受信部242と経路設定判定部244と基地局判定部246と経路設定要求部250と転送部252と経路解放部254とデータ送受信部270とを備える。データ送受信部270は、データ無線ベアラを介してユーザ装置UEとユーザ信号を送受信(中継)すると共に、S1−UベアラS1Bを介して第1サービングゲートウェイSGW1とユーザ信号を送受信(中継)する。制御部240が含むその他の要素の動作については後述される。制御部240及び制御部240に含まれる以上の各要素は、第1基地局eNB内の不図示のCPUが、記憶部230に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
図7は、第1実施形態に係る第2基地局PhNBの構成を示すブロック図である。第2基地局PhNBは、無線通信部310とネットワーク通信部320と記憶部330と制御部340とを備える。無線通信部310は、ユーザ装置UEと無線通信を実行するための要素であり、第1基地局eNBの無線通信部210と同様の構成を有する。ネットワーク通信部320は、第1基地局eNBおよび第2サービングゲートウェイSGW2と通信を実行するための要素であり、他のノードと電気信号を送受信する。記憶部330は通信制御に関する情報を有する。制御部340は、経路設定部342と応答部344とデータ送受信部350とを備える。データ送受信部350は、データ無線ベアラを介してユーザ装置UEとユーザ信号を送受信(中継)すると共に、S1−UベアラS1Bを介して第2サービングゲートウェイSGW2とユーザ信号を送受信(中継)する。制御部340が含むその他の要素の動作については後述される。制御部340及び制御部340に含まれる以上の各要素は、第2基地局PhNB内の不図示のCPUが、記憶部330に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
図8は、第1実施形態に係る交換局MMEの構成を示すブロック図である。交換局MMEは、ネットワーク通信部410と記憶部420と制御部430とを備える。ネットワーク通信部410は、ネットワークNW内の他のノード(サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)、第1基地局eNB等)と通信を実行するための要素であり、第1基地局eNBのネットワーク通信部220と同様の構成を有する。記憶部420は、通信制御に関する情報を記憶する。制御部430は、基地局リスト生成部432と基地局リスト送信部434とゲートウェイ選択部440と経路制御部442とを備える。制御部430が含む以上の要素の動作については後述される。制御部430及び制御部430に含まれる以上の各要素は、交換局MME内の不図示のCPUが、記憶部420に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
図9は、第1実施形態に係るサービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)の構成を示すブロック図である。サービングゲートウェイSGWは、ネットワーク通信部510と記憶部520と制御部530とを備える。ネットワーク通信部510は、ネットワークNW内の他のノード(第1基地局eNB又は第2基地局PhNB、交換局MME、パケットゲートウェイPGW等)と通信を実行するための要素であり、第1基地局eNBのネットワーク通信部220と同様の構成を有する。記憶部520は、通信制御に関する情報を記憶する。制御部530は、通信制御部532と応答部534と経路設定部536とデータ送受信部540とを備える。データ送受信部540は、S1−UベアラS1Bを介して第1基地局eNBまたは第2基地局PhNBとユーザ信号を送受信(中継)すると共に、S5/S8ベアラを介してパケットゲートウェイPGWとユーザ信号を送受信(中継)する。制御部530が含むその他の要素の動作については後述される。制御部530及び制御部530に含まれる以上の各要素は、サービングゲートウェイSGW内の不図示のCPUが、記憶部520に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
図10は、第1実施形態に係るパケットゲートウェイPGWの構成を示すブロック図である。パケットゲートウェイPGWはネットワーク通信部610と外部ネットワーク通信部620と記憶部630と制御部640とを備える。ネットワーク通信部610は、ネットワークNW内の他のノード(サービングゲートウェイSGW等)と通信を実行するための要素であり他のノードと電気信号を送受信する。外部ネットワーク通信部620は、インターネットINと通信を実行するための要素であり、必要に応じて電気信号(データ信号)のプロトコル変換を実行する。記憶部630は、通信制御に関する情報を記憶する。制御部640は、通信制御部642とデータ送受信部644とを備える。通信制御部642は無線通信システムCSの通信制御を実行する要素であり、サービングゲートウェイSGW(SGW1,SGW2)等とネットワーク通信部610を介して制御信号を送受信する。データ送受信部634は、ネットワーク通信部610を介して受信したユーザ装置UE発のデータ信号を、外部ネットワーク通信部620を介してインターネットIN(インターネットIN内の外部サーバ)に送信(中継)するとともに、外部ネットワーク通信部620を介してインターネットIN(インターネットIN内の外部サーバ)から受信したデータ信号を、ネットワーク通信部610を介してユーザ装置UEに送信(中継)する。制御部640及び制御部640に含まれる以上の各要素は、パケットゲートウェイPGW内の不図示のCPUが、記憶部630に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することにより実現される機能ブロックである。
図11を参照して、第1実施形態のサービングゲートウェイの選択(S10)及びS1−Uベアラの設定(S50)の動作の一例を説明する。図11の例では、第1基地局eNBと第1サービングゲートウェイSGW1とにS1−UベアラS1Bが確立されていると想定する。そして、以上のS1−UベアラS1Bに対応するデータ無線ベアラが第1基地局eNBとユーザ装置UEとに確立され、以上のS1−UベアラS1Bに対応するS5/S8ベアラが第1サービングゲートウェイSGW1とパケットゲートウェイPGWとに確立されていると想定する。したがって、以上の想定において、当初、ユーザ装置UEは、第1基地局eNB、第1サービングゲートウェイSGW1、及びパケットゲートウェイPGWを経由してインターネットINと通信を実行する。また、Cプレーンに関しては、第1基地局eNBとユーザ装置UEとにシグナリング無線ベアラが確立されていると想定する。以上から理解される通り、ユーザ装置UEは、図11の当初、第1基地局eNBに無線接続している。
以降、以上のステップS100からS180までの第1実施形態のサービングゲートウェイ選択動作を、纏めてステップS10と称する。
以降、以上のステップS500からS740までの第1実施形態のS1−Uベアラ設定動作を、纏めてステップS50と称する。
以上に説明した第1実施形態によれば、第1基地局eNBとは異なる新たな種別の第2基地局PhNBを備える無線通信システムが実現される。以上の構成によれば、ユーザ装置UEから送信された報告情報に含まれる識別情報に基づいて、その識別情報に対応する基地局が第2基地局PhNBであるか否かが判定される。したがって、S1−UベアラS1Bを確立すべき基地局が、交換局MMEに対するCプレーン経路を有する第1基地局eNBであるか、交換局MMEに対するCプレーン経路を有さない第2基地局PhNBであるかが明らかとなり、以降の判定に役立てられる。
本発明の第2実施形態を以下に説明する。以下に例示する各実施形態において、作用、機能が第1実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の説明を適宜に省略する。
2(1)−1. 第1基地局の構成
図12は、第2実施形態の第1基地局eNBに関するインタフェースの一例を示す図である。第1基地局eNBと第2基地局PhNBとに設定されるインタフェースとしては、例えば、第1基地局eNB同士に設定される従来のX2−APインタフェースを改変したX3−APインタフェースが採用されると好適である。X3−APインタフェースは、複数のプロトコルレイヤを有するインタフェースであり、第1基地局eNBを上位、第2基地局PhNBを下位として非対称的に設定される。また、第1基地局eNBと交換局MMEとに設定されるインタフェースとしては、例えば、交換局MMEを上位、第1基地局eNBを下位として非対称的に設定される従来のS1−APインタフェースを改変したS1e−APインタフェースが採用されると好適である。S1e−APインタフェースは、第1基地局eNBを上位、交換局MMEを下位として(すなわち、S1−APインタフェースとは逆に)非対称的に設定される。換言すると、以上の第2実施形態のインタフェースは、第1基地局eNBの制御部240によって主導的に制御される。
図15は、第2実施形態に係る交換局MMEの構成を示すブロック図である。第2実施形態の交換局MMEの制御部430は、第1実施形態の制御部430が備えるゲートウェイ選択部440および経路制御部442に代えて、要求送信部444と応答送信部446と経路解放部448とを備える。要求送信部444、応答送信部446、および経路解放部448は、制御部430内の他の要素と同様に、コンピュータプログラムの実行により実現される機能ブロックである。
図16を参照して、第2実施形態のサービングゲートウェイの選択及びS1−Uベアラの設定の動作の一例を説明する。Uプレーンのベアラ及びCプレーンのベアラに関する当初の想定は、図11と同様である。ユーザ装置UEは、第1実施形態と同様にして、測定情報および識別情報を取得する(S100)。ユーザ装置UE(報告部138)は、取得された測定情報と識別情報とを含むMeasurement Reportメッセージ(報告情報)を、無線接続中の第1基地局eNBに送信する(S120)。第1基地局eNB(報告情報受信部242)がMeasurement Reportメッセージを受信した後、測定情報が経路設定判定部244に供給され、識別情報が基地局判定部246に供給される。
以降、以上のステップS100からS170までの第2実施形態のサービングゲートウェイ選択動作を、纏めてステップS12と称する。
以降、以上のステップS510からS770までの第2実施形態のS1−Uベアラ設定動作を、纏めてステップS52と称する。
以上に説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1基地局eNBとは異なる新たな種別の第2基地局PhNBを備える無線通信システムが実現される。以上の構成によれば、ユーザ装置UEから送信された報告情報に含まれる識別情報に基づいて、その識別情報に対応する基地局が第2基地局PhNBであるか否かが判定される。したがって、S1−UベアラS1Bを確立すべき基地局が、交換局MMEに対するCプレーン経路を有する第1基地局eNBであるか、交換局MMEに対するCプレーン経路を有さない第2基地局PhNBであるかが明らかとなり、以降の判定に役立てられる。
第1実施形態および第2実施形態においては、第1基地局eNB(経路設定判定部244)が、ユーザ装置UEから報告された測定情報に基づいて、その測定情報に対応する基地局にS1−UベアラS1Bを設定すべきか否かを判定する。第3実施形態では、交換局MMEがそのような経路設定判定部を備える。
図17は、第3実施形態に係る交換局MMEの構成を示すブロック図である。第3実施形態の交換局MMEの記憶部420は、図6に示される基地局リストBL1を記憶する。また、第3実施形態の交換局MMEの制御部430は、経路設定判定部436と基地局判定部438とを更に備える。経路設定判定部436および基地局判定部438は、制御部430内の他の要素と同様に、コンピュータプログラムの実行により実現される機能ブロックである。
図18を参照して、第3実施形態のサービングゲートウェイの選択動作の一例を説明する。Uプレーンのベアラ及びCプレーンのベアラに関する当初の想定は、図11と同様である。ユーザ装置UEは、第1実施形態と同様にして、測定情報および識別情報を取得する(S200)。ユーザ装置UE(報告部138)は、取得された測定情報と識別情報とを含むMeasurement Reportメッセージ(報告情報)を、無線接続中の第1基地局eNBに送信する(S220)。第1基地局eNBの転送部252は、受信したMeasurement Reportメッセージを、Cプレーン経路を介して交換局MMEに送信する(S240)。すなわち、転送部252は、基地局送信部として機能する。
以降、以上のステップS200からS280までの第3実施形態のサービングゲートウェイ選択動作を、纏めてステップS20と称する。
以上に説明した第3実施形態によれば、第1実施形態および第2実施形態と同様に、第1基地局eNBとは異なる新たな種別の第2基地局PhNBを備える無線通信システムが実現される。また、以上の構成によれば、前述の実施形態と同様の効果が奏される。
第1実施形態および第2実施形態では、識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを第1基地局eNB(基地局判定部246)が判定し、第3実施形態では、識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを交換局MME(基地局判定部438)が判定する。第4実施形態では、第2基地局であるか否かを判定する基地局判定部をユーザ装置UEが備える。
4(1)−1. ユーザ装置の構成
図19は、第4実施形態に係るユーザ装置UEの構成を示すブロック図である。第4実施形態のユーザ装置UEの記憶部120は、図6に示される基地局リストBL1を記憶する。また、第4実施形態のユーザ装置UEの制御部130は、基地局判定部136を更に備える。基地局判定部136は、制御部130内の他の要素と同様に、コンピュータプログラムの実行により実現される機能ブロックである。
図20は、第4実施形態に係る第1基地局eNBの構成を示すブロック図である。第4実施形態の第1基地局eNBの記憶部230は、図14に示される基地局リストBL2を記憶する。また、第4実施形態の第1基地局eNBの制御部240は、基地局判定部246を備えない。
図21を参照して、第4実施形態のサービングゲートウェイの選択動作の一例を説明する。Uプレーンのベアラ及びCプレーンのベアラに関する当初の想定は、図11と同様である。ユーザ装置UEは、第1実施形態と同様にして、測定情報および識別情報を取得する(S300)。ユーザ装置UEの基地局判定部136は、識別情報取得部134から供給された識別情報に対応する基地局が第2基地局PhNBであるか否かを、前述の実施形態と同様に、記憶部120に記憶された基地局リストBL1を用いて判定し、判定結果を報告部138に供給する(S320)。報告部138は、取得された測定情報および識別情報、並びに識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを示す判定情報を含むMeasurement Reportメッセージ(報告情報)を、無線接続中の第1基地局eNBに送信する(S340)。第1基地局eNB(報告情報受信部242)がMeasurement Reportメッセージを受信した後、測定情報が経路設定判定部244に供給され、識別情報および判定情報がゲートウェイ選択部248に供給される。
以降、以上のステップS300からS400までの第4実施形態のサービングゲートウェイ選択動作を、纏めてステップS30と称する。
以上の第4実施形態においては、第1基地局eNBがS1−UベアラS1Bの端点となるべきサービングゲートウェイSGWを選択するが、交換局MMEがサービングゲートウェイSGWを選択する構成も採用可能である。例えば、図22に示すように、交換局MMEの制御部430が、経路設定判定部436とゲートウェイ選択部440を備えると好適である。より具体的な動作を図23を参照して以下に説明する。
以降、以上のステップS300からS410までの第4実施形態の変形例のサービングゲートウェイ選択動作を、纏めてステップS32と称する。
以上に説明した第4実施形態によれば、第1実施形態および第2実施形態と同様に、第1基地局eNBとは異なる新たな種別の第2基地局PhNBを備える無線通信システムが実現される。また、以上の構成によれば、前述の実施形態と同様の効果が奏される。
以上の実施の形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
第2実施形態のステップS12が完了すると、交換局MMEは、S1−UベアラS1Bの別の端点として選択されたサービングゲートウェイSGWを把握している状態となる。以上の状態は、第1実施形態のステップS10が完了した状態と同様であると理解できる。したがって、第2実施形態のステップS12の完了後には、第2実施形態のステップS52に代えて、第1実施形態のステップS50によるS1−Uベアラ設定動作が実行されてもよい。また、同様にして、第1実施形態のステップS10の完了後には、第1実施形態のステップS50に代えて、第2実施形態のステップS52によるS1−Uベアラ設定動作が実行されてもよい。
以上の実施形態では1つのS1−UベアラS1B(Uプレーン経路)が設定される。以上の経路設定は、新規にS1−UベアラS1Bを確立する際にも採用可能であるし、既に確立されたS1−UベアラS1Bを経路変更する場合にも採用可能である。例えば、S1−UベアラS1Bが確立されていない場合に、新たにS1−UベアラS1Bを確立するために以上の経路設定が適用され得る。また、既にS1−UベアラS1Bが第1基地局eNBと第1サービングゲートウェイSGW1とに確立されている場合に、更に新たなS1−UベアラS1Bを第2基地局PhNBと第2サービングゲートウェイSGW2とに確立するために以上の経路設定が適用され得る。さらに、第1基地局eNBと第1サービングゲートウェイSGW1とを介してS1−UベアラS1Bが確立されている場合に、そのS1−UベアラS1Bを、第2基地局PhNB及び第2サービングゲートウェイSGW2を経由するように経路変更する際にも以上の経路設定が適用され得る。
以上の実施形態で各記憶部(120,230,420)に記憶される基地局リストBL(BL1,BL2)の設定方法は任意である。例えば、その記憶部を有するノード(ユーザ装置UE、第1基地局eNB、交換局MME)に基地局リストBL(BL1,BL2)が予め設定されていてもよい。また、交換局MMEの基地局リスト生成部432が基地局リストBL(BL1,BL2)を生成し、生成された基地局リストBL(BL1,BL2)を基地局リスト送信部434が各ノード(ユーザ装置UE、第1基地局eNB)に動的に(例えば、リストの更新に応じて)送信してもよい。以上の構成によれば、無線通信システムCSの状態(例えば、第2基地局PhNBの設置状態、サービングゲートウェイSGWの輻輳状態等)に応じて、基地局リストBL(BL1,BL2)が生成され送信される。したがって、基地局リストBL(BL1,BL2)を用いた判定が、無線通信システムCSの状態をより反映したものとなる。
以上の実施形態において、S1−UベアラS1Bの設定(第1実施形態のステップS50および第2実施形態のステップS52)が終了した後に、以上の設定開始以前から確立されていたS1−UベアラS1Bが解放されてもよい。
以上の実施形態においては、様々な名称の制御メッセージ(例えば、Bearer Setup Requestメッセージ、Bearer Setup Requirementメッセージ等)が用いられる。しかし、各制御メッセージの名称は任意であることは当然に理解される。各制御メッセージは、同等の機能を有する任意の制御信号を包摂する概念である。
以上の実施形態では、各基地局がその周囲に形成するセルC(電波が有効に到達する範囲)の大きさは任意である。例えば、第1基地局eNBの無線送信能力(平均送信電力、最大送信電力等)が第2基地局PhNBの無線送信能力と比較して大きく、第1基地局eNBが形成するセル(マクロセルC1)の大きさが第2基地局PhNBが形成するセル(スモールセルC2)の大きさを上回る構成が採用され得る。以上の構成においては、例えば、図26に示すように、スモールセルC2がマクロセルC1の内部に重層的に形成される(オーバレイされる)と好適である(作図の便宜上、マクロセルC1が示される平面とスモールセルC2が示される平面とが相違しているが、実際には、同一の平面(地表等)上にマクロセルC1とスモールセルC2とが重畳され得る)。一方で、第1基地局eNBと第2基地局PhNBとが略同一の大きさのセルCを形成する構成も採用可能である。
第1基地局eNBが送信する電波の周波数帯と第2基地局PhNBが送信する電波の周波数帯とが相違する構成も採用可能である。例えば、第1基地局eNBが第1周波数帯(例えば、2GHz帯)を用いて無線通信し、第2基地局PhNBが第1周波数帯より高い第2周波数帯(例えば、3.5GHz帯)を用いて無線通信する構成を想定する。周波数が高いほど伝搬損失が大きくなることから、第2周波数帯を用いた無線通信よりも第1周波数帯を用いた無線通信の方が安定性が高い場合が多い。以上の実施形態にて説明した通り、ユーザ装置UEとの制御信号(制御メッセージ)の送受信(Cプレーンの通信)は第1基地局eNBが実行する。したがって、この変形例の構成を採用すれば、より安定性の高い第1周波数帯にて制御信号の送受信(Cプレーンの通信)が実行されるので、より確実なユーザ装置UEの制御が実現され得る。
以上の実施形態においては、第1基地局eNBは、3GPP規格に規定されるevolved Node Bである。しかし、第1基地局eNBは任意の無線基地局であり得る。例えば、第1基地局eNBが前述のスモールセルC2を形成する基地局であってもよい。
以上の実施形態では、第2基地局PhNBはユーザ装置UEと制御信号を送受信しない。しかしながら、第2基地局PhNBが下位レイヤ(例えば、L1レイヤ,L2レイヤ)の制御信号を送受信可能な構成も採用可能である。以上の構成においても、第2基地局PhNBは、無線リソース制御に関する信号(RRCレイヤの制御信号)を送受信しない。
ユーザ装置UEは、第1基地局eNBおよび第2基地局PhNBと無線通信が可能な任意の装置である。ユーザ装置UEは、例えば、フィーチャーフォンまたはスマートフォン等の携帯電話端末でもよく、デスクトップ型パーソナルコンピュータでもよく、ノート型パーソナルコンピュータでもよく、UMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)でもよく、携帯用ゲーム機でもよく、その他の無線端末でもよい。
無線通信システムCS内の各要素(ユーザ装置UE、第1基地局eNB、第2基地局PhNB、交換局MME、サービングゲートウェイSGW、パケットゲートウェイPGW)においてCPUが実行する各機能は、CPUの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。
Claims (10)
- ユーザ装置と、
前記ユーザ装置と無線通信可能な複数の基地局と、
複数のサービングゲートウェイと、
ユーザデータ信号を伝送する経路であって前記基地局と前記サービングゲートウェイとに設定される論理経路であるユーザプレーン経路を制御する交換局と
を備え、
前記複数の基地局には、
制御信号を伝送する経路であって前記交換局に対して設定される論理経路である制御プレーン経路を有する第1基地局と、
前記交換局に対する制御プレーン経路を有さない第2基地局とが含まれ、
前記ユーザ装置は、
各基地局から受信した無線信号の受信品質に関する測定情報と前記各測定情報に対応する基地局の識別情報とを含む報告情報を、無線接続中の第1基地局に報告する報告部を備え、
前記第1基地局は、
前記ユーザ装置から報告された前記測定情報に基づいて、当該測定情報に対応する基地局を1つの端点とするユーザプレーン経路を設定すべきか否かを判定する経路設定判定部と、
前記ユーザ装置から報告された前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを判定する基地局判定部とを備える
無線通信システム。 - 前記第1基地局は、
前記経路設定判定部が前記ユーザプレーン経路を設定すべきと判定した場合であって、前記ユーザプレーン経路の1つの端点となるべき基地局が第2基地局であると前記基地局判定部が判定したときに、前記交換局に対し、前記制御プレーン経路を介して、前記ユーザプレーン経路を設定することを要求する経路設定要求を送信する経路設定要求部を備え、
前記交換局は、
前記経路設定要求が設定することを要求する前記ユーザプレーン経路の別の端点となるサービングゲートウェイを選択するゲートウェイ選択部を備える
請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記交換局は、
複数の第2基地局の識別情報を記憶する基地局リストを生成する基地局リスト生成部と、
生成された前記基地局リストを前記第1基地局に動的に送信する基地局リスト送信部とを備える
請求項1または請求項2の無線通信システム。 - ユーザ装置と、
前記ユーザ装置と無線通信可能な複数の基地局と、
複数のサービングゲートウェイと、
ユーザデータ信号を伝送する経路であって前記基地局と前記サービングゲートウェイとに設定される論理経路であるユーザプレーン経路を制御する交換局と
を備え、
前記複数の基地局には、
制御信号を伝送する経路であって前記交換局に対して設定される論理経路である制御プレーン経路を有する第1基地局と、
前記交換局に対する制御プレーン経路を有さない第2基地局とが含まれ、
前記ユーザ装置は、
各基地局から受信した無線信号の受信品質に関する測定情報と前記各測定情報に対応する基地局の識別情報とを含む報告情報を、無線接続中の第1基地局に報告する報告部を備え、
前記第1基地局は、
前記ユーザ装置から報告された前記報告情報を、前記制御プレーン経路を介して前記交換局に送信する基地局送信部を備え、
前記交換局は、
前記ユーザ装置から報告された前記測定情報に基づいて、当該測定情報に対応する基地局を1つの端点とするユーザプレーン経路を設定すべきか否かを判定する経路設定判定部と、
前記ユーザ装置から報告された前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを判定する基地局判定部とを備える
無線通信システム。 - 前記交換局は、
前記経路設定判定部が前記ユーザプレーン経路を設定すべきと判定した場合であって、前記ユーザプレーン経路の1つの端点となるべき基地局が第2基地局であると前記基地局判定部が判定したときに、当該第2基地局を1つの端点とする前記ユーザプレーン経路の別の端点となるサービングゲートウェイを選択するゲートウェイ選択部を備える
請求項4に記載の無線通信システム。 - ユーザ装置と、
前記ユーザ装置と無線通信可能な複数の基地局と、
複数のサービングゲートウェイと、
ユーザデータ信号を伝送する経路であって前記基地局と前記サービングゲートウェイとに設定される論理経路であるユーザプレーン経路を制御する交換局と
を備え、
前記複数の基地局には、
制御信号を伝送する経路であって前記交換局に対して設定される論理経路である制御プレーン経路を有する第1基地局と、
前記交換局に対する制御プレーン経路を有さない第2基地局とが含まれ、
前記ユーザ装置は、
各基地局から受信した無線信号の受信品質に関する測定情報を取得する測定情報取得部と、
前記各測定情報に対応する基地局の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、当該識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを判定する基地局判定部と、
前記各測定情報と、当該測定情報に対応する基地局の前記識別情報と、当該識別情報に対応する基地局が第2基地局であるか否かを示す判定情報とを含む報告情報を、無線接続中の第1基地局に報告する報告部を備え、
前記第1基地局は、
前記ユーザ装置から報告された前記報告情報を、前記制御プレーン経路を介して前記交換局に送信する基地局送信部を備え、
前記交換局は、
前記第1基地局から送信された前記報告情報に含まれる前記測定情報に基づいて、当該測定情報に対応する基地局を1つの端点とするユーザプレーン経路を設定すべきか否かを判定する経路設定判定部と、
前記経路設定判定部が前記ユーザプレーン経路を設定すべきと判定した場合であって、前記報告情報に含まれる前記判定情報が、前記ユーザプレーン経路の1つの端点となるべき基地局が第2基地局であることを示すときに、前記ユーザプレーン経路の別の端点となるサービングゲートウェイを選択するゲートウェイ選択部とを備える
無線通信システム。 - 前記交換局は、
前記ゲートウェイ選択部が選択した、前記ユーザプレーン経路の別の端点となる前記サービングゲートウェイに対し、前記サービングゲートウェイと前記第2基地局とに前記ユーザプレーン経路を設定することを指示する第1経路設定指示を送信する経路制御部を備え、
前記サービングゲートウェイは、
前記交換局からの前記第1経路設定指示の受信に応じて、当該サービングゲートウェイの識別情報を含む第1経路設定指示応答を前記交換局に送信する応答部を備え、
前記交換局の前記経路制御部は、
前記サービングゲートウェイからの前記第1経路設定指示応答の受信に応じて、前記サービングゲートウェイの前記識別情報を含む第2経路設定指示を、前記制御プレーン経路を介して前記第1基地局に送信し、
前記第1基地局は、
前記第2経路設定指示を前記第2基地局に転送する転送部を備え、
前記第2基地局は、
前記第1基地局から転送された前記第2経路設定指示に含まれる前記サービングゲートウェイの前記識別情報を用いて、上りリンクの前記ユーザプレーン経路を設定する経路設定部と、
上りリンクの前記ユーザプレーン経路が設定された後に、当該第2基地局の識別情報を含む第2経路設定指示応答を前記第1基地局に送信する応答部とを備え、
前記第1基地局の前記転送部は、
前記第2経路設定指示応答を前記制御プレーン経路を介して前記交換局に転送し、
前記交換局の前記経路制御部は、
前記第1基地局からの前記第2経路設定指示応答の受信に応じて、前記第2基地局の前記識別情報を含む第3経路設定指示を前記サービングゲートウェイに送信し、
前記サービングゲートウェイは、
前記交換局から送信された前記第3経路設定指示に含まれる前記第2基地局の前記識別情報を用いて、下りリンクの前記ユーザプレーン経路を設定する経路設定部を備える
請求項2、5および6のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第1基地局は、
前記第2基地局に対して設定される、複数のプロトコルレイヤを有する第1インタフェースと、前記交換局に対して設定される、複数のプロトコルレイヤを有する第2インタフェースとを有し、
前記第1基地局の前記転送部は、
前記複数のプロトコルレイヤのいずれかに対応する宛先ノードの識別情報を書き換えることにより、前記交換局からの制御情報を前記第2基地局へ転送し、前記第2基地局からの制御情報を前記交換局へ転送する
請求項7に記載の無線通信システム。 - 前記第1基地局の前記転送部は、
前記複数のプロトコルレイヤに含まれるIPレイヤに対応する識別情報であるIPアドレスを書き換えることにより、前記交換局からの制御情報を前記第2基地局へ転送し、前記第2基地局からの制御情報を前記交換局へ転送する
請求項8に記載の無線通信システム。 - 前記交換局は、
前記第1基地局から送信された前記経路設定要求の受信に応じて、前記ゲートウェイ選択部が選択した前記ユーザプレーン経路の別の端点となる前記サービングゲートウェイに対する経路設定要求を送信する要求送信部を備え、
前記サービングゲートウェイは、
前記交換局からの前記経路設定要求の受信に応じて、当該サービングゲートウェイの識別情報を含む経路設定要求完了応答を前記交換局に送信する応答部を備え、
前記交換局は、
前記サービングゲートウェイからの前記経路設定要求完了応答の受信に応じて、前記サービングゲートウェイの前記識別情報を含む、前記第1基地局に対する経路設定要求完了応答を送信する応答送信部を備え、
前記第1基地局の前記経路設定要求部は、
前記交換局からの前記経路設定要求完了応答の受信に応じて、前記サービングゲートウェイの前記識別情報を含む経路設定要求を前記第2基地局に送信し、
前記第2基地局は、
前記第1基地局から送信された前記経路設定要求に含まれる前記サービングゲートウェイの前記識別情報を用いて、上りリンクの前記ユーザプレーン経路を設定する経路設定部と、
上りリンクの前記ユーザプレーン経路が設定された後に、当該第2基地局の識別情報を含む経路設定要求完了応答を前記第1基地局に送信する応答部とを備え、
前記第1基地局の前記経路設定要求部は、
前記第2基地局からの前記経路設定要求完了応答の受信に応じて、前記第2基地局の前記識別情報を含む経路変更要求を前記交換局に送信し、
前記交換局の前記要求送信部は、
前記第1基地局からの前記経路変更要求の受信に応じて、前記サービングゲートウェイに対する経路変更要求を送信し、
前記サービングゲートウェイは、
前記交換局から送信された前記経路変更要求に含まれる前記第2基地局の前記識別情報を用いて、下りリンクの前記ユーザプレーン経路を設定する経路設定部を備える
請求項2に記載の無線通信システム。
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