JP5757908B2 - 多型検出用プローブ、多型検出方法、薬効評価方法、疾患予測方法及び多型検出用試薬キット - Google Patents
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Description
近年、BCRP(breast cancer resistance protein)とも呼ばれているABCG2(ATP-binding cassette sub-family G member 2)遺伝子が、高容量性の排尿トランスポーターをコードしていることが明らかになった。
そのため、ABCG2遺伝子多型検出のためのさらなる技術開発が待ち望まれていた。
<1> 下記(1)、(2)及び(3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光標識オリゴヌクレオチドを含むABCG2遺伝子の多型検出用プローブ。
(1)配列番号7で示される塩基配列からなり5’末端の塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(2)配列番号14で示される塩基配列からなり5’末端の塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(3)配列番号21で示される塩基配列からなり3’末端の塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
<2> 前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、標的配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少又は増加する、<1>記載の多型検出用プローブ。
<3> 前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、標的配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少する、<1>記載の多型検出用プローブ。
<4> 融解曲線分析用のプローブである、<1>〜<3>のいずれか記載の多型検出用プローブ。
<5> <1>〜<4>のいずれか記載の多型検出用プローブを用いるABCG2遺伝子の多型検出方法。
<6> <1>〜<4>のいずれか記載の前記(1)、(2)及び(3)からなる群より選ばれる少なくとも2種の多型検出用プローブを用いる<5>記載の多型検出方法。
<7> (I)<1>〜<4>のいずれか記載の多型検出用プローブ及び試料中の一本鎖核酸を接触させて、前記蛍光標識オリゴヌクレオチド及び前記一本鎖核酸をハイブリダイズさせてハイブリッドを得ることと、(II)前記ハイブリッドを含む試料の温度を変化させることで、前記ハイブリッドを解離させ、前記ハイブリッドの解離に基づく蛍光シグナルの変動を測定することと、前記蛍光シグナルの変動に基づいてハイブリッドの解離温度であるTm値を測定することと、(IV)前記Tm値に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸における、ABCG2遺伝子における多型の存在を検出することと、を含む、<5>又は<6>記載の多型検出方法。
<8> さらに、前記(I)のハイブリッドを得る前または前記(I)ハイブリッドを得ることと同時に核酸を増幅することを含む、<7>記載の多型検出方法。
<9> <5>〜<8>のいずれか記載の多型検出方法により、ABCG2遺伝子における多型を検出することと、検出された多型の有無に基づいて、薬剤に対する耐性または薬剤の薬効を判定することと、を含む、薬剤の薬効判定方法。
<10> <5>〜<8>のいずれか記載の多型検出方法により、ABCG2遺伝子の多型を検出することと、検出された多型の有無に基づいて、疾患の罹患リスクを予測することと、を含む、疾患予測方法。
<11> <1>〜<4>のいずれか記載の多型検出用プローブを含む、多型検出用試薬キット。
<12> 配列番号1に示す塩基配列において、前記(1)の蛍光標識オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット、配列番号2に示す塩基配列において、前記(2)の蛍光標識オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット、又は配列番号3に示す塩基配列において、前記(3)の蛍光標識オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅可能なプライマーセットのいずれかのプライマーセットの少なくとも一つをさらに含む、<11>記載の多型検出用試薬キット。
本発明において、オリゴヌクレオチドの配列に関して「3’末端から数えて1〜3番目」という場合は、オリゴヌクレオチド鎖の3’末端を1番目として数える。同様に「5’末端から数えて1〜3番目」という場合は、オリゴヌクレオチド鎖の5’末端を1番目として数える。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明の多型検出用プローブ(以下、単に「プローブ」ともいう)は、下記、P1’、P2、P2’、P3及びP3’からなる群から選択される少なくとも1種の蛍光標識オリゴヌクレオチド(以下、単に「蛍光標識オリゴヌクレオチド」ともいう)を含む。
(P1’)配列番号1に示す塩基配列において、301番目〜311番目の塩基を含む塩基長11〜50の塩基配列に相補的な配列であり、311番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号1と同一の塩基を有する配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、311番目の塩基に対応する塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(P2)配列番号2に示す塩基配列において、234番目〜251番目の塩基を含む塩基長18〜50の塩基配列に相補的な配列であり、251番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号2に相補的な配列に対して少なくとも80%以上の同一性を有し、251番目の塩基に対応する塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(P2’)配列番号2に示す塩基配列において、234番目〜251番目の塩基を含む塩基長18〜50の塩基配列に相補的な配列であり、251番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号2と同一の塩基を有する配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、251番目の塩基に対応する塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(P3)配列番号3に示す塩基配列において、152番目〜161番目の塩基を含む塩基長10〜50の塩基配列に相補的な配列であり、152番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号3に相補的な配列に対して少なくとも80%以上の同一性を有し、152番目の塩基に対応する塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、及び
(P3’)配列番号3に示す塩基配列において、152番目〜161番目の塩基を含む塩基長10〜50の塩基配列に相補的な配列であり、152番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号3と同一の塩基を有する配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、152番目の塩基に対応する塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
ABCG遺伝子の野生型では、配列番号1に示す塩基配列の301番目に対応する塩基は、G(グアニン)であるが、変異型においてはA(アデニン)に変異している。
また、野生型のABCG2遺伝子では、ABCG2トランスポーターのアミノ酸配列のうち、12番目のアミノ酸はバリン(Val)であるが、変異型のABCG2遺伝子では、メチオニン(Met)である(以下、「V12M変異」と称する。)。
前記P1又はP1’の蛍光標識オリゴヌクレオチドにおいては、この蛍光標識された相補的な塩基Cが5’末端から数えて1〜3番目のいずれかの位置に存在することができる。また、5’末端に存在することができる。これにより、例えば、多型検出感度がより向上する。また、P1の蛍光標識オリゴヌクレオチドを生産性よく得ることができる。
また前記P1又はP1’の蛍光標識オリゴヌクレオチドの塩基長を変化させることで、例えばP1又はP1’の蛍光標識オリゴヌクレオチドがその相補鎖(標的配列)と形成するハイブリッドの解離温度であるTm値を、所望の値に調整することができる。
具体的には、本発明の前記P1の蛍光標識オリゴヌクレオチドは、配列番号1に示す塩基配列に相補的な塩基配列に対して、80%以上の同一性を示す。
本発明の前記P1の蛍光標識オリゴヌクレオチドと、配列番号1に相補的な配列であり、311番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号1に相補的な配列とを比較した際の同一性が80%未満である場合には、変異型のABCG2遺伝子を含む試料核酸に対する検出感度が低くなる。
ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。典型的なストリンジェントな条件とは、例えば、カリウム濃度は約25mM〜約50mM、及びマグネシウム濃度は約1.0mM〜約5.0mM中において、ハイブリダイゼーションを行う条件があげられる。本発明の条件の1例としてTris−HCl(pH8.6)、25mMのKCl、及び1.5mMのMgCl2中においてハイブリダイゼーションを行う条件が、挙げられるが、これに限定されるものではない。その他、ストリンジェントな条件としては、Molecular Cloning 3rd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 2001)に記載されている。この文献は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。当業者は、ハイブリダイゼーション反応や、ハイブリダイゼーション反応液の塩濃度等を変化させることによって、このような条件を容易に選択することができる。
なお、表1では、配列番号1の301番目の塩基に対応する塩基を大文字で表記し、当該配列番号1の301番目の塩基に対応する塩基がC、T、A又はGの場合であるオリゴヌクレオチドと、それぞれの蛍光標識オリゴヌクレオチドとのハイブリッドのTm値を合わせて示した。
ここでTm値は、Meltcalc 99 free(http://www.meltcalc.com/)を用い、設定条件:Oligoconc[μM]0.2、Na eq.[mM]50の条件で算出した。
ABCG2遺伝子の野生型では、配列番号2に示す塩基配列の234番目に対応する塩基は、C(シトシン)であるが、変異型においてはT(チミン)に変異している。
また、野生型のABCG2遺伝子では、ABCG2トランスポーターのアミノ酸配列のうち、126番目のアミノ酸はグルタミン(Gln)であるが、変異型のABCG2遺伝子では、終止コドン(X)である(以下、「Q126X変異」と称する。)。
前記P2又はP2’の蛍光標識オリゴヌクレオチドにおいては、この蛍光標識された相補的な塩基Cが5’末端から数えて1〜3番目のいずれかの位置に存在することができる。また、5’末端に存在することができる。これにより、例えば、多型検出感度がより向上する。また、P2又はP2’の蛍光標識オリゴヌクレオチドを生産性よく得ることができる。
また前記P2又はP2’の蛍光標識オリゴヌクレオチドの塩基長を変化させることで、例えばP2又はP2’の蛍光標識オリゴヌクレオチドがその標的配列と形成するハイブリッドの解離温度であるTm値を、所望の値に調整することができる。
具体的には、本発明の前記P2の蛍光標識オリゴヌクレオチドは、配列番号2に示す塩基配列に相補的な塩基配列に対して、80%以上の同一性を示す。
本発明の前記P2の蛍光標識オリゴヌクレオチドと、配列番号2に相補的な配列であり、251番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号2に相補的な配列とを比較した際の同一性が80%未満である場合には、変異型のABCG2遺伝子を含む試料核酸に対する検出感度が低くなる。
なお、表2では、配列番号2の234番目の塩基に対応する塩基を、下線を付した大文字で表記し、当該配列番号2の234番目の塩基に対応する塩基がA、G、T又はCの場合であるオリゴヌクレオチドと、それぞれの蛍光標識オリゴヌクレオチドとのハイブリッドのTm値を合わせて示した。Tm値は、上記と同様にして算出した。また、下線を付していない大文字で表記された塩基は、配列番号2の245番目のWに対応する塩基を示す。
ABCG2遺伝子の野生型では、配列番号3に示す塩基配列の161番目に対応する塩基は、C(シトシン)であるが、変異型においてはA(アデニン)に変異している。
また、野生型のABCG2遺伝子では、ABCG2トランスポーターのアミノ酸配列のうち、141番目アミノ酸はグルタミン(Gln)であるが、変異型のABCG2遺伝子では、リシン(Lys)である(以下、「Q141K変異」と称する。)。
前記P3又はP3’の蛍光標識オリゴヌクレオチドにおいては、この蛍光標識された相補的な塩基Cが3’末端から数えて1〜3番目のいずれかの位置に存在することができる。また、3’末端に存在することができる。これにより、例えば、多型検出感度がより向上する。また、P3又はP3’の蛍光標識オリゴヌクレオチドを生産性よく得ることができる。
また前記P3又はP3’の蛍光標識オリゴヌクレオチドの塩基長を変化させることで、例えばP3又はP3’の蛍光標識オリゴヌクレオチドがその標的配列と形成するハイブリッドの解離温度であるTm値を、所望の値に調整することができる。
具体的には、本発明の前記P3の蛍光標識オリゴヌクレオチドは、配列番号3に示す塩基配列に相補的な塩基配列に対して、80%以上の同一性を示す。
本発明の前記P3の蛍光標識オリゴヌクレオチドと、配列番号3に相補的な配列であり、152番目の塩基に対応する塩基がグアニンである以外は配列番号3に相補的な配列とを比較した際の同一性が80%未満である場合には、変異型のABCG2遺伝子を含む試料核酸に対する検出感度が低くなる。
なお、表3では、配列番号3の161番目の塩基に対応する塩基を大文字で表記し、当該配列番号3の161番目に対応する塩基がT、G及びA、Cの場合であるオリゴヌクレオチドと、それぞれの蛍光標識オリゴヌクレオチドとのハイブリッドのTm値を合わせて示した。Tm値は、上記と同様にして算出した。
当該塩基が挿入、欠失又は置換した蛍光標識オリゴヌクレオチドは、前記P1〜P3のいずれかの蛍光標識オリゴヌクレオチドと同等程度の作用を示せばよく、塩基が挿入、欠失又は置換されている場合、その挿入、欠失又は置換の位置は、特に限定されない。挿入、欠失又は置換した塩基の数としては1塩基又は2塩基以上が挙げられ、例えば1塩基から10塩基、1塩基から5塩基等が挙げられる。
蛍光標識オリゴヌクレオチドの検出条件は特に制限されず、使用する蛍光色素により適宜決定できる。例えば、Pacific Blueは、検出波長445nm〜480nm、TAMRAは、検出波長585nm〜700nm、BODIPY FLは、検出波長520nm〜555nmで検出できる。
このような蛍光色素を有するプローブを使用すれば、それぞれの蛍光シグナルの変動により、ハイブリダイズと解離とを容易に確認することができる。蛍光色素のオリゴヌクレオチドへの結合は、通常の方法、例えば特開2002−119291号公報等に記載の方法に従って行うことができる。
すなわち、蛍光標識オリゴヌクレオチドの3'末端にリン酸基を付加させておくことで、プローブ自体が遺伝子増幅反応によって伸長することを十分に抑制できる。また、3'末端に前述のような標識化物質(蛍光色素)を付加することによっても、同様の効果が得られる。
また、ABCG2遺伝子多型検出用プローブは、融解曲線分析用のプローブとして使用することができる。
多型の検出方法は、前記蛍光標識ヌクレオチドを用いてABCG2遺伝子の多型を検出する方法であれば、特に制限されない。前記蛍光標識ヌクレオチドを用いる多型検出方法の一例として、Tm解析を利用した多型検出方法について、以下に説明する。
(I)前記多型検出用プローブ及び試料中の一本鎖核酸を接触させて、前記蛍光標識オリゴヌクレオチド及び前記一本鎖核酸をハイブリダイズしてハイブリッドを得ること。
(II)前記ハイブリッドを含む試料の温度を変化させることにより、前記ハイブリッドを解離させ、前記ハイブリッドの解離に基づく蛍光シグナルの変動を測定すること。
(III)前記蛍光シグナルの変動に基づいてハイブリッドの解離温度であるTm値を測定すること。
(IV)前記Tm値に基づいて、ABCG2遺伝子における多型の存在を検出すること。
(V)前記多型の存在に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸における、多型を有する一本鎖核酸の存在比を検出すること。
また、本発明においては、上記工程(I)〜(IV)又は上記工程(I)〜(V)に加えて、さらに、工程(I)のハイブリッドを得る前又は工程(I)のハイブリッドを得ることと同時に、核酸を増幅することを含んでいてもよい。
ここで、試料中の核酸とは、例えば、検出目的の多型が発生している検出対象核酸と前記多型が発生していない非検出対象核酸との合計でもよいし、検出目的の多型が発生している検出対象配列を含む増幅産物と前記多型が発生していない非検出対象配列を含む増幅産物との合計でもよい。なお、試料中の核酸における前記検出対象核酸の割合は、通常、不明であるが、結果的に、前記多型検出用プローブの添加割合(モル比)は、検出対象核酸(検出対象配列を含む増幅産物)に対して10倍以下としうる。また、前記多型検出用プローブの添加割合(モル比)は、検出対象核酸(検出対象配列を含む増幅産物)に対して、5倍以下、又は3倍以下としうる。また、その下限は特に制限されないが、例えば、0.001倍以上、0.01倍以上、又は0.1倍以上としうる。
前者のようなプローブであれば、検出対象配列とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成している際には蛍光シグナルを示さないか、蛍光シグナルが弱いが、加熱によりプローブが解離すると蛍光シグナルを示すようになるか、蛍光シグナルが増加する。
また、後者のプローブであれば、検出対象配列とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成することによって蛍光シグナルを示し、加熱によりプローブが解離すると蛍光シグナルが減少(消失)する。したがって、この蛍光標識に基づく蛍光シグナルの変化を蛍光標識特有の条件(蛍光波長等)で検出することによって、前記260nmの吸光度測定と同様に、融解の進行ならびにTm値の決定を行うことができる。
例えば、全血を試料とする場合、全血からのゲノムDNAの単離は、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、市販のゲノムDNA単離キット(商品名GFX Genomic Blood DNA Purification kit;GEヘルスケアバイオサイエンス社製)等が使用できる。
前記多型検出用プローブは、単離したゲノムDNAを含む液体試料に添加してもよいし、適当な溶媒中でゲノムDNAと混合してもよい。前記溶媒としては、特に制限されず、例えば、Tris−HCl等の緩衝液、KCl、MgCl2、MgSO4、グリセロール等を含む溶媒、PCR反応液等、従来公知のものが挙げられる。
このようにPCR等による増幅処理前に前記検出用プローブを添加する場合は、例えば、前述のように、その3'末端に、蛍光色素を付加したり、リン酸基を付加したりすることができる。
ポリメラーゼの使用量としては、通常用いられている濃度であれば特に制限はない。例えば、Taqポリメラーゼを用いる場合、例えば、反応溶液量50μlに対して0.01U〜100Uの濃度とすることができる。これにより、ABCG2遺伝子多型の検出感度が高まるなどの傾向がある。
なお、増幅の際、リアルタイムPCRによって増幅をモニタリングし、試料に含まれるDNA(検出対象配列)のコピー数を調べることもできる。すなわち、PCRによるDNA(検出対象配列)の増幅に従ってハイブリッドを形成するプローブの割合が増えるので蛍光強度が変動する。これをモニタリングすることで、試料に含まれる検出対象配列(正常DNAまたは変異DNA)のコピー数や存在比を検出することができる。
他方、ハイブリッド形成によりシグナルが増加する標識化プローブを使用した場合、前記プローブを試料に添加した際には、前記プローブは解離状態にあるため蛍光強度が小さい(または消光)が、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光強度が増加するようになる。したがって、例えば、前記試料の温度を徐々に降下して、温度下降に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
目的とする塩基を含む領域は、前記配列番号1に示す塩基配列における301番目の塩基を含む塩基配列又は前記配列番号2に示す塩基配列における234番目の塩基を含む塩基配列又は前記配列番号3に示す塩基配列における141番目の塩基を含む塩基配列で、それぞれ塩基長50〜500の領域、50〜300の領域、又は50〜200の領域が挙げられる。
また、プライマーセットの各プライマーの長さは同一でなくてもよいが、両プライマーのTm値はほぼ同一(又は、Tm値の両プライマーでの差が5℃以内)にすることができる。
(P4)配列番号1に示す塩基配列において、198〜230番目の塩基を含む塩基長33〜50の塩基配列に対して少なくとも80%以上の同一性を有するオリゴヌクレオチド。また、前記P4のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号1に示す塩基配列において198〜230番目の塩基に対応する塩基を含む塩基長33〜50の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。前記P4のオリゴヌクレオチドとしては、前記P4のオリゴヌクレオチドの塩基が挿入、欠失又は置換したオリゴヌクレオチドであってもよい。
(P5)配列番号1に示す塩基配列において、332〜353番目の塩基を含む塩基長22〜50の塩基配列に相補的な配列に対して少なくとも80%以上の同一性を有するオリゴヌクレオチド。また、前記P5のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号1に示す塩基配列において332〜3553番目の塩基に対応する塩基を含む塩基長22〜50の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。前記P5のオリゴヌクレオチドとしては、前記P5のオリゴヌクレオチドの塩基が挿入、欠失又は置換したオリゴヌクレオチドであってもよい。
(P6)配列番号2に示す塩基配列において、132〜157番目の塩基を含む塩基長26〜50の塩基配列に対して少なくとも80%以上の同一性を有するオリゴヌクレオチド。また、前記P6のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号2に示す塩基配列において132〜157番目の塩基に対応する塩基を含む塩基長26〜50の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。前記P6のオリゴヌクレオチドとしては、前記P6のオリゴヌクレオチドの塩基が挿入、欠失又は置換したオリゴヌクレオチドであってもよい。
(P7)配列番号2に示す塩基配列において、268〜295番目の塩基を含む塩基長28〜50の塩基配列に相補的な配列対して少なくとも80%以上の同一性を有するオリゴヌクレオチド。また、前記P7のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号2に示す塩基配列において268〜295番目の塩基に対応する塩基を含む塩基長28〜50の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。前記P7のオリゴヌクレオチドとしては、前記P7のオリゴヌクレオチドの塩基が挿入、欠失又は置換したオリゴヌクレオチドであってもよい。
(P8)配列番号3に示す塩基配列において、121〜145番目の塩基を含む塩基長25〜50の塩基配列に対して少なくとも80%以上の同一性を有するオリゴヌクレオチド。また、前記P8のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号3に示す塩基配列において121〜145番目の塩基に対応する塩基を含む塩基長25〜50の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。前記P8のオリゴヌクレオチドとしては、前記P8のオリゴヌクレオチドの塩基が挿入、欠失又は置換したオリゴヌクレオチドであってもよい。
(P9)配列番号3に示す塩基配列において、214〜235番目の塩基を含む塩基長22〜50の塩基配列に相補的な配列対して少なくとも80%以上の同一性を有するオリゴヌクレオチド。また、前記P9のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号3に示す塩基配列において214〜235番目の塩基に対応する塩基を含む塩基長22〜50の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドであってもよい。前記P9のオリゴヌクレオチドとしては、前記P9のオリゴヌクレオチドの塩基が挿入、欠失又は置換したオリゴヌクレオチドであってもよい。
また、前記P1、P1’、P2、P2’、P3及びP3’からなる群より選ばれる蛍光標識オリゴヌクレオチドの2種以上を併用し、V12M変異、Q126X変異及びQ141K変異からなる群より選ばれる少なくとも2種の変異を検出することで、例えば、ABCG2遺伝子に由来するABCG2トランスポーターの機能をより精度よく予測することができる。例えば、前記P1と前記P2の蛍光標識オリゴヌクレオチドの組み合わせ、前記P2と前記P3の蛍光標識オリゴヌクレオチドの組み合わせ等が組合せとしては挙げられ、前記P2と前記P3の蛍光標識オリゴヌクレオチドの組み合わせが挙げられる。
本発明の薬効判定方法は、上述した多型検出方法によりABCG2遺伝子の多型を検出すること、及び、前記検出結果に基づいて薬剤に対する耐性又は薬剤の薬効を判定することを含む。
本発明のABCG2遺伝子の多型検出方法によれば、ABCG2遺伝子の変異の有無と種類とを検出することができ、特にV12M変異、Q126X変異又はQ141K変異を高い感度で簡便に検出することができる。
これにより多型の有無や変異配列と正常配列の存在比に基づいて薬剤に対する耐性や薬剤の薬効を判定することができる。そして、本発明の薬効判定方法は、変異の有無や変異配列の存在比に基づいて、薬剤の投与量の増加、他の治療薬への変更等への切り替え等の疾病の治療方針を決定するのに有用である。
また、判定対象となる薬剤としては、具体的には、痛風治療薬、高尿酸血症治療薬等が挙げられ、特に痛風治療薬及び高尿酸血症治療薬が挙げられる。
本発明の疾患予測方法は、上述した多型検出方法によりABCG2遺伝子の多型を検出すること、及び、前記検出結果に基づいて疾患の罹患リスクを予測することを含む。
本発明のABCG2遺伝子の多型検出方法によれば、ABCG2遺伝子の変異の有無と種類とを検出することができ、特にV12M変異、Q126X変異又はQ141K変異を高い感度で簡便に検出することができる。
そのため、本発明によれば、検出された多型の有無に基づき、疾患の罹患リスクを予測することができる。ABCG2遺伝子型の組み合わせと疾患の発症リスクなどについては、具体的には、実験医学 2010年、第28巻、第8号、p.1285−1289、
British Journal of Clinical PharmacologyVolume 64, Issue 5, Article first published online: 17 MAY 2007等に記載の内容を参照することにより予測を行うことが可能である。
また、予測対象となる疾患としては、具体的には、痛風、高尿酸血症、ポルフィリン症等が挙げられ、特に痛風及び高尿酸血症が挙げられる。
本発明の多型検出用試薬キットは、前記配列番号1に示す塩基配列における301番目の塩基の変異を検出可能な多型検出用プローブ、前記配列番号2に示す塩基配列における234番目の塩基の変異を検出可能な多型検出用プローブ又は前記配列番号3に示す塩基配列における161番目の塩基の変異を検出可能な多型検出用プローブの少なくとも1種を含むものである。これにより、本発明の多型検出用試薬キットはABCG2遺伝子の多型を検出可能である。
多型検出用プローブとして2種以上の蛍光標識オリゴヌクレオチドを含む場合、それぞれの蛍光標識オリゴヌクレオチドは混合された状態で含まれていても、別個に含まれていてもよい。
このように蛍光色素の種類を変えることで、同じ反応系であっても、それぞれの蛍光標識オリゴヌクレオチドについての検出を同時に行うことも可能になる。
なお、多型検出用試薬キットに含まれ得るプローブ及びプライマーについては、前述した事項をそのまま適用することができる。
本発明にかかる多型検出用試薬キットは、配列番号2に示す塩基配列の234番目の塩基における多型を検出する試薬(234検出試薬)を含んでいてもよい。試薬としては、前記P2の蛍光標識オリゴヌクレオチドと、P6及びP7で表されるプライマーからなる群のうち少なくとも一つとが挙げられる。
本発明にかかる多型検出用試薬キットは、配列番号3に示す塩基配列の161番目の塩基における多型を検出する試薬(161検出試薬)を含んでいてもよい。試薬としては、前記P3の蛍光標識オリゴヌクレオチドと、P8及びP9で表されるプライマーからなる群のうち少なくとも一つとが挙げられる。
本発明にかかる多型検出用試薬キットは、前記301検出試薬、前記234検出試薬又は前記161検出試薬を一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記P2の蛍光標識オリゴヌクレオチドは、具体的には、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16及び配列番号17で表される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドで構成されてもよい。
前記P3の蛍光標識オリゴヌクレオチドは、具体的には、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22及び配列番号23で表される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドで構成されてもよい。
また、プローブ、プライマー及びその他の試薬類は、別個に収容されていてもよいし、それらの一部が混合物とされていてもよい。
なお、「別個に収容」とは、各試薬が非接触状態を維持できるように区分けされたものであればよく、必ずしも独立して取り扱い可能な個別の容器に収容される必要はない。
多型部位を含む配列(プローブがハイブリダイズする領域)を増幅可能なプライマーセットを含むことで、例えば、より高感度に多型を検出することができる。
実施例1−1:一本鎖核酸とプローブとのTm解析
全自動SNPs検査装置IS−5310(商品名i−densy(商標)、アークレイ社製)と下記表11に記載した処方の検査用試薬を用いて、Tm解析を行った。
図2に、Tm解析により得られた野生型(A)及び変異型(B)のグラフを示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
変異の検出対象試料としてヒトゲノム(Roche社製)を用いて、PCR及びTm解析を行った。なお、当該ヒトゲノムは、全血から常法により精製し、1μl(100cp/μl)の量で用いた。
全自動SNPs検査装置IS−5310(商品名i−densy(商標)、アークレイ社製)と下記表12に記載した処方の検査用試薬を用いて、PCR及びTm解析を行った。
PCRは、95℃で60秒処理した後、95℃で1秒及び60℃で30秒を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。
またTm解析は、PCRの後、95℃で1分、40℃で60秒処理し、続けて温度の上昇速度1℃/3秒で、40℃から75℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。なお、励起波長を365nm〜415nmとし、測定波長を445nm〜480nmとして、蛍光標識プローブに由来する蛍光強度の変化をそれぞれ測定した。
実施例1−1において、一本鎖核酸とプローブを下記表14に記載のものに変更したこと及び、Tm解析における励起波長を420nm〜485nmとし、測定波長を520nm〜555nmとしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、Tm解析を行った。
野生型1及び野生型2のTm値はいずれも50℃であり、変異型1及び変異型2のTm値はいずれも57℃であった。
また、混合型1のTm値は50℃と56℃であり、混合型2のTm値は50℃と56℃であり、混合型3のTm値は48℃と56℃であり、混合型4のTm値は49℃と57℃であった。
図4にTm解析により得られた野生型1(A)、野生型2(C)、変異型1(B)、変異型2(D)、混合型1(E)、混合型2(F)、混合型3(G)及び混合型4(H)のグラフをそれぞれ示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
実施例1−1において、一本鎖核酸とプローブを下記表16に記載のものに変更したこと及び、Tm解析における励起波長を520nm〜555nmとし、測定波長を585nm〜700nmとしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、Tm解析を行った。
野生型のTm値は56℃であり、変異型のTm値は64℃であり、混合型のTm値は55℃と63℃であった。
図5にTm解析により得られた野生型(A)、変異型(B)及び混合型(C)のグラフを示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
全自動SNPs検査装置IS−5310(商品名i−densy(商標)、アークレイ社製)と下記表18に記載した処方の検査用試薬を用いて、Tm解析を行った。
全血10μlを70μlの希釈液1に加え、よく混合した後、この混合液10μlを70μlの希釈液2に加える。この混合液17μlを95℃10分で加熱すると4μlの前処理済全血が得られる。これを1testあたりの鋳型として使用した。
全血の場合も、精製ヒトゲノムの場合も、V12M変異はTm値が47℃と52℃であり、Q126X変異はTm値が45℃であり、Q141K変異はTm値が50℃であった。
図6にTm解析により得られた全血(V12M変異)(A)、全血(Q126X変異)(B)及び全血(Q141K変異)(C)のグラフを示し、図7に精製ヒトゲノム(V12M変異)(A)、精製ヒトゲノム(Q126X変異)(B)及び精製ヒトゲノム(Q141K変異)(C)のグラフを示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
プローブと一本鎖核酸とを以下のものに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、Tm解析を行った。
図8にTm解析により得られた野生型(A)及び変異型(B)のグラフを示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
Tm解析により得られたグラフを図9に示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
実施例2において、プローブを、5FL-ABCG2 Q126X-T-RIから、3FL-ABCG2 Q126X-T-R2に変更した以外は、実施例2と同様にして、Tm解析を行った。
野生型1のTm値は52℃、野生型2のTm値は49℃、変異型1のTm値は57℃、変異型2のTm値はいずれも56℃、混合型1のTm値は51℃と57℃、混合型2のTm値は49℃と56℃、混合型3のTm値は51℃と56℃、混合型4のTm値は50℃と57℃であった。
図10にTm解析により得られた野生型1(A)、野生型2(C)、変異型1(B)、変異型2(D)、混合型1(E)、混合型2(F)、混合型3(G)及び混合型4(H)のグラフをそれぞれ示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
実施例3において、プローブを、3T-ABCG2-mt-R1から、5T-ABCG2-mt-R2に変更した以外は、実施例3と同様にして、Tm解析を行った。
図11にTm解析により得られた野生型(A)、変異型(B)及び混合型(C)のグラフを示す。なお、縦軸は蛍光強度の温度微分値を表し、横軸は温度をそれぞれ表す。
Claims (12)
- 下記(1)、(2)及び(3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の蛍光標識オリゴヌクレオチドを含むABCG2遺伝子の多型検出用プローブ。
(1)配列番号7で示される塩基配列からなり5’末端の塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(2)配列番号14で示される塩基配列からなり5’末端の塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド、
(3)配列番号21で示される塩基配列からなり3’末端の塩基が蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。 - 前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、標的配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少または増加する、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
- 前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、標的配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少する、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
- 融解曲線分析用のプローブである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の多型検出用プローブ。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の多型検出用プローブを用いるABCG2遺伝子の多型検出方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の前記(1)、(2)及び(3)からなる群れより選ばれる少なくとも2種の多型検出用プローブを用いるABCG2遺伝子の多型検出方法。
- (I)請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の多型検出用プローブ及び試料中の一本鎖核酸を接触させて、前記蛍光標識オリゴヌクレオチド及び前記一本鎖核酸をハイブリダイズさせてハイブリッドを得ることと、
(II)前記ハイブリッドを含む試料の温度を変化させることで、前記ハイブリッドを解離させ、前記ハイブリッドの解離に基づく蛍光シグナルの変動を測定することと、
(III)前記蛍光シグナルの変動に基づいてハイブリッドの解離温度であるTm値を測定することと、
(IV)前記Tm値に基づいて、前記試料中の一本鎖核酸における、ABCG2遺伝子における多型の存在を検出することと、
を含む、請求項5又は請求項6に記載の多型検出方法。 - さらに、前記(I)のハイブリッドを得る前または前記(I)ハイブリッドを得ることと同時に核酸を増幅することを含む、請求項7に記載の多型検出方法。
- 請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の多型検出方法により、ABCG2遺伝子における多型を検出することと、
検出された多型の有無に基づいて、薬剤に対する耐性または薬剤の薬効を判定することと、
を含む、薬剤の薬効判定方法。 - 請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の多型検出方法により、ABCG2遺伝子の多型を検出することと、
検出された多型の有無に基づいて、疾患の罹患リスクを予測することと、
を含む、疾患予測方法。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の多型検出用プローブを含む、多型検出用試薬キット。
- 配列番号1に示す塩基配列において、前記(1)の蛍光標識オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット、
配列番号2に示す塩基配列において、前記(2)の蛍光標識オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット、又は
配列番号3に示す塩基配列において、前記(3)の蛍光標識オリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅可能なプライマーセット
のいずれかのプライマーセットの少なくとも一つをさらに含む、請求項11に記載の多型検出用試薬キット。
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