JP5756462B2 - エネルギー粒子ビームを測定するためのデバイス及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー粒子ビームの線量測定の分野に関する。特に、本発明は、複数の電離箱を備えたデバイスと、電離箱の電荷収集効率係数を測定することを可能にする方法とに関する。
電離箱は、放射線治療において一般的に用いられる標準的な線量測定検出器である。電離箱は、何らかの性質の流体(空気を含む)を備えたギャップ又は空間によって収集電極から離隔された分極電極を備える。
複数のタイプの電離箱が競合していて、例えば、所謂シリンダー状電離箱や、平行プレートを備えた電離箱等がある。シリンダー状電離箱は、一般的に非常に細いシリンダー状の中心電極又は軸電極を備え、その電極は、中空シリンダー状の第二の電極、又はその中心電極又は軸電極を取り囲むフードから絶縁されている。平行プレートを備えた電離箱は、分極電極から離隔された収集電極を有し、その収集電極及び分極電極は、平面状で互いに平行である。
線量測定に用いられる電離箱の収集電極及び分極電極を離隔するギャップ又は空間に備わる流体は大抵の場合気体であり、中性であるか又は中性ではない。電離ビームが電離箱を通過すると、電極間に備わった気体の電離が生じて、イオン‐電子対が生成される。電離箱の二つの電極間に電位差を印加することによって、電場を発生させる。電場の存在は、イオン‐電子対の分離を可能にして、それらを電極上にドリフトさせて、電極において、検出される電流を生成する。
図1の曲線は、収集電極と分極電極との間の電位差の関数としての、収集電極によって受信される電気パルスの振幅の発展の一例である。この曲線は、異なる気体検出器状態をカバーする六つの領域に分割可能である:
‐ Z1:不飽和状態;
‐ Z2:飽和状態;
‐ Z3:比例状態;
‐ Z4:限定比例状態;
‐ Z5:ガイガー・ミュラー状態;
‐ Z6:連続放電状態。
不飽和状態領域と称される領域Z1では、二つのプレート間の電場が存在しないと、イオン‐電子対の再結合が生じる。二つの電極間に増大する電位差を印加することによって、結果としての電場が益々効率的にイオン‐電子対を分離して、再結合現象を減退させる。正及び不の電荷は、電場強度の関数として、より高速で各電極に向けられて、気体中のイオン濃度平衡を低下させ、結果として再結合の数を低下させる。電離箱内で測定される電流は、電離箱内で発生する電場と共に増大し、失われる電荷量を低下させる。二つの電極間に発生する電場が十分強力になると、再結合効果は無視できて、電離プロセスによって生成された全ての電荷が、電流を測定することに寄与する。このレベルにおいて、電荷収集効率は最大であり、二つの電極間の電位差の増大は、もはや測定される電流を増大させることを可能にはしない。何故ならば、生成される全ての電荷が既に収集されていて、その形成速度が一定だからである。そして、飽和状態領域と称される領域Z2において、電離箱内の線量測定が放射線治療においては一般的に行われる。こうした条件下において、測定された電流は、電離箱のボリューム内にビームによって付与された放射線量の優れた指標となる。
複数の要因が、電離箱の飽和を損ない得る。これらのうち最も重要なのは、再結合現象である。この現象は、電離箱の多様なパラメータ(例えば、二つの電極間のギャップの厚さ、ギャップ内に備わる気体の性質及び/又は圧力等)を調整することによって最小化可能である。また、再結合効果は、ビームのサイズ及び/又は形状にも依存し得る。また、再結合現象は、ビームの電流強度の関数として比例的に増大する。
再結合に起因する電流損失のパーセンテージ、従って、実際の飽和領域以下において測定される電流の誤差のパーセンテージは、電流強度と共に比例的に増大する。低い強度のビームに対しては、再結合効果はあまり決定的ではない。高強度ビームを測定するためには、電極間の十分に高い電位差が飽和条件下において動作するために必要となる。
先進的な放射線治療法におけるもののような非常に高い強度のビームの電流に対しては、従来の電離箱の技術的な使用限界に達する。再結合現象が非常に顕著になり、信頼できる測定補正方法が極めて重要になる。
顕著なものである再結合に起因する誤差を考慮することによって、飽和状態近くでの所謂不飽和状態領域Z1で動作することは可能である。この場合、ビーム電流の関数として電離箱の飽和レベルを知る必要がある。収集された電流の強度の関数としてビーム電流の強度を用いた較正曲線を、ビーム電流を知るために、ビーム電流の関数として電離電流を測定することによって、得ることができる。しかしながら、この較正を有効なままにするためには、他のパラメータ(二つの電極間に印加される電位差、ギャップ、電離箱内部の圧力、エネルギー、ビームのサイズ及び形状、)を一定のままにする必要がある。この方法における他の欠点は、ビーム電流に起因する信号の変化と、電離箱のパラメータの一つの自由化に起因する信号の変化とを区別することができないことである。これらの測定問題を相殺するため、広範な強度範囲においてビーム電流を測定することができる新規線量測定デバイスが必要である。
The dosimetry of ionizing radiation、第2巻、第3章、Academic Press,Inc.
本発明は、従来技術のデバイス及び方法の欠点を有さないデバイス及び方法を提供することを目的とする。
特に、本発明は、エネルギー粒子ビームに晒される電離箱の電荷収集効率係数を測定することを可能にすることを目的とする。
本発明の他の目的は、電離箱の電荷収集効率が最大ではない状況下において、つまり電離箱が顕著な再結合現象を有する状況下において、可変エネルギー及び/又は強度粒子ビームによって付与された放射線量又は線量率を測定することを可能にすることである。
本発明の追加的な目的の一つは、広範な粒子ビーム電流強度範囲をカバーする線量測定デバイスを提供することである。
本発明の第一の側面は、ソースからのエネルギー粒子ビーム用の線量測定デバイスに関し、本デバイスは少なくとも二つの電離箱を備え、各電離箱は収集電極及び分極電極を備え、各電離箱の電極は、所定の圧力及び温度の流体を備えたギャップ又は空間によって離隔されていて、電離箱は、同じソースからのエネルギー粒子ビームが通過するように構成されていて、本デバイスは、電離箱が異なる電荷収集効率係数を有することを特徴とする。
本発明によると、本デバイスは獲得デバイスを備え、その獲得デバイスは、
‐ 各検討されている電離箱の出力信号を測定すること;及び
‐ G=(1−(i/inorm)/(1−f)によって与えられる第一の電離箱に対する“利得”係数
に基づいて粒子ビームによって付与された線量率を計算するためのアルゴリズムを実行するコンピュータに接続される:
ここで、
‐ Gは、第一の電離箱(IC1)に対する“利得”係数であり、
‐ (i/inormは、増幅係数の比(R/R)によって正規化された二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)の出力信号(i及びi)の理論値の比であり、各増幅係数は、検討されている電離箱に対する流体、ギャップの幅、流体中の粒子ビームの侵入度に依存し、
‐ fは、第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
その理論的出力信号値(i、i)及びfは、検討されている電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数として、且つ、粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、利得係数は、その粒子ビームの値に依存しない。
本発明の特定の一実施形態によると、計算アルゴリズムは、以下のステップを行うことができる:
‐ 二つの検討されている電離箱の出力信号(i及びi)を測定して、出力信号値(i及びi)の正規化された比(i/inormを求めるステップ;
‐ アルゴリズムの第一のステップの結果に基づいて、且つ、検討されている電離箱の“利得”係数の情報に基づいて、検討されている電離箱の電荷再結合率(1−f)を計算して、電荷収集効率係数(f)を導出するステップ;
‐ 検討されている電離箱の電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
電荷収集効率係数は、電離箱の感度に関係していて、入力信号の変化の関数としての測定デバイスの出力信号の変化を表すパラメータとして定義可能である。特に、出力信号は、電離箱の出口において測定される電流である。
電離箱に対して、感度は以下のものに依存し得る:
‐ 収集電極及び分極電極を離隔するギャップの厚さ、
‐ 二つの電極間の電位差、
‐ 二つの電極間に備わった流体の性質、
‐ 二つの電極間に備わった流体において測定される圧力及び/又は温度、
‐ 電離箱の幾何学的形状、
‐ エネルギービームのソースの位置に対する相対的な電離箱の位置、
‐ 電離箱とソースとの間のエネルギー吸収体の存在、
最後の二つの因子は外部パラメータを定義して、最初の方の因子は電離箱の内部(固有)パラメータを定義する。
“違い(異なる,差)”は、憂くなくとも0.05%、好ましくは少なくとも0.1%、更に好ましくは少なくとも1%の非常に小さな変化を指称する。実際、1から100nAのビーム電流に対して0.05%以上の効率係数の違いは、顕著な電流変化(1%以上)をもたらすのに既に十分なものである。
本発明の第一の実施形態では、電離箱は、各電離箱に対する収集電極と分極電極との間に備わったギャップの厚さに関する違いを有する。
本発明の第一の実施形態と組み合わせ得る又は組み合わせないものであり得る第二の実施形態では、電離箱は、各電離箱に対する収集電極と分極電極との間に発生する電場の違いを有する。
上記実施形態の一以上と組み合わせられる本発明の第三の実施形態では、電離箱は、各電離箱に対する収集電極と分極電極との間に備わったギャップ内に存在する流体の性質に関する違いを有する。
上記実施形態の一以上と組み合わせられる本発明の第四の実施形態では、電離箱は、各電離箱に対する収集電極と分極電極との間に備わったギャップ内に存在する流体の圧力及び/又は温度に関する違いを有する。
上記実施形態の一以上と組み合わせられる本発明の第五の実施形態では、電離箱は、各電離箱に入射するビーム場が電離箱毎に異なるように、ソースの位置に対する相対的な電離箱の空間状態(幾何学的形状及び/又は位置)に関する違いを有する。
上記実施形態の一以上と組み合わせられる本発明の第六の実施形態では、電離箱は、各電離箱に入射するエネルギービームが電離箱毎に異なるように、一以上のエネルギー吸収体によって離隔される。
本発明の第二の側面は、上記線量測定デバイスの使用に基づいて、粒子ビームによって付与された線量率を測定する方法に関する。
本発明の方法によると、以下のステップが実行される:
(i) 上記デバイスを使用するステップ(各検討されている電離箱に対して内部パラメータ及び/又は外部パラメータを選択する);
(ii) G=(1−(i/inorm)/(1−f)によって与えられる“利得”係数を求めるステップ
ここで、
‐ Gは第一の電離箱(IC1)に対する“利得”係数であり、
‐ (i/inormは、増幅係数の比(R/R)によって正規化された二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)の理論的出力信号値(i及びi)の比であり、各増幅係数は、検討されている電離箱に対する流体、ギャップの幅、流体中の粒子ビームの侵入度に依存し、
‐ fは、第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
その理論的出力信号値(i、i)及びfは、第一のステップにおいて選択された検討されている電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数として、且つ、粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、利得係数は、その粒子ビームの電流の値に依存しない;
(iii) 二つの検討されている電離箱に対して出力信号を測定するステップ;
(iv) 利得係数に基づいて、第一の電離箱の電荷収集効率係数を求めるためのアルゴリズムを実行するコンピュータを用いてその信号を処理して、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
好ましくは、粒子ビームによって付与された線量率の計算は、以下のステップを用いて行われる:
(i) 二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)で測定された出力信号(i及びi)の正規化された比(i/inormを計算するステップ;
(ii) 第一の電離箱に対する利得係数に基づいて、且つ、二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)において測定された出力信号(i及びi)の正規化された比i/inormの値に基づいて、第一の電離箱の電荷収集効率係数fを計算するステップ;
(iii) 第一の電離箱の電流の測定、及び第一の電離箱(IC1)に対する電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
本発明の第三の側面は、電流密度が1nA以上であるエネルギー粒子ビームの線量率測定を実施するための本発明に係る測定方法の使用に関する。
気体検出器の収集電極と分極電極との間の電位差の関数として、収集電極によって受信された電気パルスの振幅の発展の曲線の一例を示す。 少なくとも二つの電離箱を備えたデバイスを備えた本発明の第一の実施形態を示す。 共有電極を有する少なくとも二つの電離箱を備えたデバイスを備えた本発明の第二の実施形態を示す。 5mmに等しいガウス半径σ及び200MeVのエネルギーを有する同じプロトンビームが通過する本発明に係るデバイスの二つの電離箱の電荷収集効率の発展、並びに、異なるギャップを備えた二つの電離箱において測定された電流比の発展を、ビーム電流の関数として示すグラフを示す。 本発明に係るデバイスの二つの電離箱の電荷収集効率の発展を、ビーム電流の関数として示すグラフを示し、その電離箱は、同一のギャップを備え、生成される電場が電離箱毎に異なり、電離箱を、5mmに等しいガウス半径σ及び200MeVのエネルギーを有する同じプロトンビームが通過する。図5のグラフは、二つの電離箱で測定された電流の比の発展を、ビーム電流の比としても示す。 ギャップの比dIC2/dIC1の関数として、また、各電離箱の電極間の電位差の比V/Vの比の関数として、電離箱IC1に対する利得係数の変化を示す複数の曲線を示すグラフを示す。
本発明は、電離箱の電荷収集効率を測定することを可能にする粒子ビーム用の線量測定方法及びデバイスを提案することを目的とする。本デバイスは、少なくとも二つの電離箱を備え、その各々は、ギャップによって離隔された収集電極及び分極電極を備える。
電離箱の電荷収集効率の定量化は、電離箱の電荷収集効率が最大でない場合であっても、ビームの放射線量を計算することを可能にする。ビームによって付与された放射線量は、Gy単位において、以下の式(1)によって与えられる:
D=K・Q/(R・f) (1)
Q=∫icoll(t)
そして、ビームによって付与された線量率は、Gy/s単位において、以下の等価な式(2)又は(3)によって与えられる:
‐ Kは、比例定数であり;
‐ Qは、単位時間当たりで積分された電荷であり;
‐ fは、%単位での、電離箱の電荷収集効率係数であり;
‐ icollは、nA単位での、電離箱内に収集された電流であり、以下の式(4)によって与えられる;
coll=f・Ifaisc・R (4)
‐ ifaiscは、ビーム電流の強度であり;
‐ Rは、電離箱の増幅係数であって、以下の式(5)によって与えられる:
R=10・S・ρ・d/W (5)
ここで、
‐ ρは、g/cm単位での、電離箱内に備わった流体(一般的には気体)の密度であり、
‐ Wは、eV単位での、形成されるイオン対によって消散されるエネルギーであり、
‐ dは、収集電極及び分極電極を離隔するギャップの厚さであり、
‐ Sは、MeV・cm/g単位での、電離箱内に備わった流体の阻止能であって、ビームのエネルギー及び流体の性質に依存する。
Boagの理論(非特許文献1)によると、粒子ビームが通過する電離箱の電荷収集効率係数fは、以下の式(6)によって与えられる:
f=1/(1+ξ) (6)
ここで、ξは以下の式(7)によって与えられる:
ξ=(α/(6ek))・(d/V)・Qmax (7)
ここで、
αは、電離箱内に備わった気体を特徴付ける再結合係数であり、
eは、電子の電荷であり(1.6×10−19C)、
及びkは、m−1−1単位での、電離箱内に生成される正及び負のイオンの移動度であり(以下の例では、k=k=kと近似する)、
Vは、V単位での、収集電極と分極電極との間に印加される電位差であり、
maxは、体積電離密度であり、以下の式(8)によって与えられる:
max=(Dmax・ρ)/(W・10) (8)
ここで、
maxは、電離箱内のビームによって受け取られる最大放射線量であり、以下の式(9)によって与えられる:
max=Jmax・S (9)
ここで、
maxは、nA/cm単位での、電離箱を通過するガウス半径σの粒子ビームの電流密度であり、以下の式(10)によって与えられる:
max=ifaisc/(2πσ) (10)
本発明は、同じソースからのビームが通過する少なくとも二つの電離箱の使用に基づいたものであり、その電離箱は異なる感度を有する。感度の違いは、電離箱間の内部パラメータ又は外部パラメータの一以上の違いによるものであり、その違いとして以下のもの等が挙げられる:
‐ 電離箱内に備わったギャップの厚さの違い;
‐ 電離箱内に印加される電場の違い;
‐ 電離箱のギャップ内に備わった流体の性質の違い;
‐ 電離箱毎のギャップ内に備わった流体の圧力差;
‐ 電離箱に入射するビームのエネルギーの違い;
‐ 電離箱毎の入射ビームのサイズ又は形状の違い。
各電離箱間のこれらの違いは、ビームが各電離箱を通過する際にイオン‐電子対の再結合の違いをもたらして、電荷の再結合が無視できない所謂不飽和状態領域Z1において電離箱の一つが動作する際に異なる挙動をもたらす。電荷の再結合が、本発明に従って、電離箱の一つにおいて発生し始めると、電離箱内で測定された電流値を、この段落において上述したパラメータに関して第一の電離箱に対して少なくとも一つの違いを有する他の電離箱内で測定された値と比較することによって、その電離箱内の電荷収集効率係数を知ることができる。
図2は、少なくとも二つの平坦で平行な電離箱IC1及びIC2を備えた本発明の考えられる一つの実施形態を示し、それらの電離箱のプレートは、絶縁又は非絶縁媒体101によって離隔されていて、好ましくはビーム軸に直交して順次配置されている。この同じ発明は、二つのシリンダー状電離箱を備えたデバイスにも適用可能である。媒体101がガルバニック絶縁体の場合、各電離箱の収集電極及び分極電極の位置は重要ではない。媒体101が導電性媒体の場合、第一の電離箱の分極電極は、第二の電離箱の分極電極と対向して配置されることが好ましい。
本発明の第二の実施形態が図3に示されている。これは、平行プレート(201、202、203)を備えた二つの電離箱IC1及びIC2を備えたデバイスを含み、電離箱IC2の電極間のギャップの厚さは、電離箱IC1の電極間のギャップの厚さの80%に等しい。例えば、電離箱IC1は、5mmに等しい厚さdIC1のギャップを備え得て、電離箱IC2は、4mmに等しい厚さdIC2のギャップを備え得る。二つの電離箱IC1及びIC2は、共有分極電極(203)を有し、200MeVのエネルギーで10mmのガウス直径(σ=5mm)のプロトンビームがそこを通過する。電離箱IC1及びIC2の多様なパラメータがそれぞれ表1及び表2に示されている。
表3は、電離箱IC1について、ifaisc及び式(4)から(10)に基づいて計算したJmax、Dmax、Qmax、ξ、f、及びicollの異なる値を示す。以下において、電離箱IC1について、パラメータf及びicollをそれぞれf、iと称す。
表4は、電離箱IC2について、ifaisc及び式(4)から(10)に基づいて計算したJmax、Dmax、Qmax、ξ、f、及びicollの異なる値を示す。以下において、電離箱IC2について、パラメータf及びicollをそれぞれf、iと称す。
本発明の第一の実施形態の場合、ifaiscの関数として、電離箱IC1は、電離箱IC2よりも高い電荷再結合率を有する。この効果は、Boagの理論を用いて理解可能であり、これによると、厚さdのギャップを有する電離箱内において、電離箱の二つの電極間に電位差Vが印加される場合の電荷再結合の確率は、比d/Vに主に比例する。
、f,i、iの理論値がわかり、ギャップの厚さdIC1及びdIC2を設定すると、“利得”係数Gと称される係数が導入されて、例えば、電離箱IC1に対して以下の二つの式(11)及び(12)によって与えられる:
G=(1−(i/inorm)/(1−f) (11)
ここで、
(i/inorm=(i/i)/(RIC1/RIC2) (12)
IC1及びRIC2はそれぞれ、電離箱IC1、IC2の増幅係数であり、式(5)によって与えられる;
(1−f)は、電離箱IC1の電荷再結合率である。
表5は、比i/iの異なる値について、ギャップの厚さの比dIC1/dIC2が1.25である二つの電離箱IC1及びIC2を備えたデバイスの“利得”係数Gの理論値を示す。測定された電流比i/iの値に関係なく、係数は一定である。
電離箱の電荷収集効率係数f、例えば電離箱IC1の係数fは、電離箱IC1に対する“利得”係数の値が分かると、電離箱IC1の収集電極(201)及び電離箱IC2の収集電極(202)から測定された電流強度i及びiの比の測定によって、式(11)及び(12)から得られる。例えば、分極電極(203)が1000Vの電圧に設定されたこの実施形態のデバイスに対して、比i/iの測定値が1.20であると、式(11)及び(12)を用いて電離箱IC1に対する電荷収集効率係数fを計算することができて:
1−f=(1−(1.20)/(75/60))/0.5904=0.073
従って、f=0.927となる。
測定された電流i、電離箱IC1の増幅係数R、及び電離箱IC1の電荷収集効率係数が分かると、式(4)に基づいて、ビーム電流の値ifaiscを計算することができ、従って、式(3)に基づいてビームによって付与された線量率を知ることができる:
faisc=1382nA/(75・0.927)≒20nA (4)
この場合、電離箱IC1に対する電荷収集効率係数を考慮すると、ビーム電流の真の値は20nAである。
この状況は、以下の異なる曲線を示す図4のグラフに示されている:
‐ 曲線fによって示される、電離箱IC1の電荷収集効率係数、
‐ 曲線fによって示される、電離箱IC2の電荷収集効率係数、
‐ 測定された電流の比i/i
‐ 電離箱IC1の電荷再結合率(1−f
‐ 曲線 1−(i/inorm
‐ 式(11)によって与えられる“利得”係数G。
各電離箱内に備わったギャップの厚さに関してのみ違いを有する二つの電離箱を備え、それら二つの電離箱によって分極電極が共有されているデバイスを用いることの利点は、“利得”係数が電離箱の幾何学的形状のみに依存することである。例えば、二つの電離箱によって共有されている分極電極の電位を変化させると、測定された電流及び測定された電流の比i/iの値は変化するが、利得係数は一定のままであり、比i/iの変化が、各電離箱の電荷収集効率係数の変化と相殺される。例えば、分極電極を、20nAのビーム電流に対して、2000Vの電位に設定すると、比i/iの測定比の値は1.236であり、電荷収集係数fは0.981に等しい。分極電極の電圧が1000Vである第一の例の場合のように、iの測定値は1462nAに等しく、ifaiscは1462(75・0.981)≒20nAであり、ビームによって付与された線量率は、略K・20である。同じ推論は、両方の電離箱の以下の同一の変数にも当てはまる:
‐ 各電離箱内に備わった流体の圧力;
‐ 各電離箱内に備わった流体の性質;
‐ ビームのサイズ;
‐ ビームのエネルギー。
言い換えると、ビームによって付与された線量率を計算する際、各電離箱において、電場、圧力、流体の性質、又はビームのサイズの変化が同様に存在すれば、電離箱の収集電極からの測定電流の比の変化は、電荷収集効率係数の変化によって相殺される。本発明に係るデバイスは、これらの変化が当業者によって電離箱の適正な動作に適用可能であると分かっているとして、ビームの放射線量の正確な測定を提供する。
異なる“利得”係数を、選択されたギャップの厚さに応じて得ることができる。上述の例では、200MeVで5mm(1σ)のガウス分布のビーム、及び80%に等しいギャップの厚さの比dIC2/dIC1で、59%の“利得”係数が得られる。二つの電離箱間に顕著な電流差を得て、電離箱の一方の電荷収集効率係数を正確に評価して、ビームによって付与された線量率を得ることができるように利得係数が高いことが好ましい。上述のように、本発明のこの実施形態において、“利得”係数は、ギャップの厚さの比のみに依存する。
図6は、二つの電離箱の電位差が等しい(V=V)二つの電離箱を備えたデバイスに対して、ギャップの厚さの比dIC2/dIC1の関数として、電離箱IC1に対する“利得”係数の発展を示す曲線を示す。この比が減少すればするほど、利得が高くなり、100%に向かう傾向にある。従って、異なるギャップ厚さを有する少なくとも二つの電離箱を備えたデバイスでの動作が有利である。当業者は、電気アークが発生する危険性が、小さ過ぎるギャップを有する電離箱には存在し、本発明に係るデバイスに備わったこのような電離箱は不適当であることを認識されたい。同様に、高過ぎるギャップは、電荷再結合の危険性を増大させる。
表6に示されるように、0に向かう傾向にあるビーム電流値に対応する値に対して比(i/inormを変化させることは、1nA以上のビーム電流が通過する二つの電離箱について、0.05%以上の電荷収集効率係数の違いに対して1から100nAの間で備わったビーム電流地ブラケットにおいて、顕著なもの(1%以上)となる。
本発明の他の実施形態は、二つの収集電極と分極電極との間のギャップの厚さ以外のパラメータが互いに異なる二つの電離箱を備えたデバイスである。例えば、各電離箱の電極間に異なる電位差を印加して、その電離箱の電流を測定及び比較して、一つの電離箱に対する電荷収集効率及びビームによって付与された線量率にアクセスすることができる。
この実施形態に係るデバイスの一例は、同一のギャップを有する二つの電離箱を備え、第一の電離箱IC1の電極は、1600ボルトの電位差Vに晒される一方、第二の電離箱IC2の電極は、2000ボルトの電位差Vに晒される。二つの電離箱は、例えば厚さ5mmのギャップを有し、共有電極を有し得て又は有していないものであり得て、200MeVで10mmのガウス直径(σ=5mm)のプロトンビームが通過する。電流強度iは電離箱IC1内で測定されて、電流強度iは電離箱IC2内で測定される。この例では、ビーム電流の強度の増加の関数として、電荷再結合現象を有し始める第一の電離箱が電離箱IC1である。実際、Boagの理論によると、厚さdのギャップを有し電位Vに晒される電離箱の電荷再結合の確率は、比d/Vに比例する。この例の場合、電離箱IC1に対する“利得”係数は36%と計算されて、ギャップ、圧力、及びギャップ内の流体の性質等の他のパラメータが電離箱同士で一定なので、“利得”係数は各電離箱の電極間の電位差のみに依存する。この状況は図5のグラフに示されている。
本発明の前述の実施形態と同様に、電離箱に対する利得係数が設定されると、測定された電流の比i/iによって、その電離箱の電荷収集効率係数を導出することができて、そこから、その電離箱に付与された放射線量を導出することができる。
本発明のこの実施形態では、“利得”係数は前述の実施形態の場合に得られるものよりも低く、測定された電流の比i/iの変化はより小さく、結果として、ビームによって付与された線量率の測定の感度が低下する。更に、この場合、“利得”係数は、各電離箱に印加される電位差のみに依存するので、各電離箱に印加される電場をモニタリングする手段が必要である。
本発明の他の実施形態は、二つの電離箱を備えたデバイスであって、各電離箱が、電極間の電位差が異なる固有のギャップの厚さを有して、最適な“利得”係数が得られるようにする。図6のグラフは、電離箱IC1に対する利得係数の変化を、ギャップの比dIC2/dIC1の関数として、また、各電離箱IC1及びIC2の電極間の電位差の比V/Vの関数として示す複数の曲線を示す。比dIC1/dIC2が1以上であると共に各電離箱の電極間の電位差の比V/Vが1未満の場合に、利得係数が有利に高いことが見て取れる。しかしながら、当業者は、その値を超えるとアーク現象や、ビーム電流の測定における正確性の問題が生じてしまうような各電離箱IC1及びIC2の電極間の極端なギャップ値dIC1及びdIC2並びに極端な電位差値V及びVを認識されたい。また、比dIC1/dIC2が1以下であり、値V/Vが1以上である逆の条件下でも動作可能であり、この場合、比i/iは比R/Rよりも大きく、“利得”係数は、0から−∞に向かう値であるとされ、極限では、電荷収集効率及びビームによって付与された線量率の決定精度を何ら変化させない。
本発明の他の実施形態は、二つの電離箱を備えたデバイスであって、各電離箱が、同一または同一ではないギャップを備え、電極間の電位差が同一又は同一でなく、各電離箱が以下のような互いに異なる性質の流体を備える:
‐ 一方の電離箱内に気体、他方の電離箱内に液体;
‐ 一方の電離箱内に第一の気体、他方の電離箱内に異なる性質の第二の気体;
‐ 異なる圧力に晒される流体。
式(9)のパラメータS(流体の阻止能)、ρ(流体の密度)、及びW(形成されるイオン対によって消散されるエネルギー)は、流体の性質及び流体において測定される圧力の両方に依存する。前述の状況と同様に、各電離箱に対してパラメータS、ρ及びWに基づいて利得係数を計算することができる。従って、パラメータS、ρ及びWを有する圧力Pの流体Mと、パラメータS、ρ及びWを有する圧力Pの流体Mを選択することができて、MはMと異なるか同じであり得て、PはPと異なるか同じであり得て、式(3)から(11)を用いて利得係数を計算する。流体M及びMは、高い“利得”係数が得られるように、電離箱の一方に備わる。前述の実施形態と同様に、“利得”係数、比R/Rが分かり、各電離箱の電流比を測定すると、一つの電離箱に対する電荷収集効率係数が求められて、そこから、式(2)を用いて、ビームによって付与された線量率が導出される。ギャップ内に存在する流体が電離箱毎に異なる圧力にある場合、圧力をモニタリングする手段が必要である。
本発明の他の実施形態は、二つの電離箱及び素子能Sが分かっているエネルギー吸収体を備えたデバイスであり、そのエネルギー吸収体は、二つの電離箱の間に配置されて、電離箱毎に異なるビームエネルギー、従って異なる測定電流が得られるようにする。
本発明の他の考えられる実施形態は、各電離箱に入射する異なるビームサイズ又は形状を有するように、従って、電離箱毎に測定電流密度及び電荷収集効率レベルの違いを有するように互いに間隔の空けられた少なくとも二つの電離箱を備えたデバイスである。これは、ビームの広がりを知ることができるのと同時に利得係数を計算することができるようにすることを含み、例えば、画素で構成された電離箱を用いることによって行うことができる。しかしながら、この実施形態では、二つの電離箱間で測定される電流差は、前述の実施形態のものよりも顕著ではない。
前述の実施形態において説明したような各電離箱間の一以上の違い、又は当業者によって既知の他の違いを組み合わせたデバイスを、最適な利得係数(好ましくは可能な限り高い)、及び、各電離箱間の測定電流の顕著な差が得られるように設けることができて、一つの電離箱の電荷収集効率係数を知ることができて、ビームによって付与された線量率を決定することができる(好ましくは可能な限り正確に)。
プロトンビーム放射線量をモニタリングする用の本発明の実施形態について、説明してきた。しかしながら、本発明は、他のタイプの電離ビームにも適用可能である。
最後に、本発明に係るデバイスは、アルゴリズムを実行するシステムに情報を送信する獲得デバイスに接続され、そのアルゴリズムのステップは以下の通りである:
‐ デバイスの二つの電離箱ないの電流又は積分電流の違い、特に測定電流の比i/iを比較するステップ;
‐ そのアルゴリズムの第一のステップの結果に基づき、また検討されている電離箱の“利得”係数に基づき、その検討されている電離箱の電荷再結合率(1−f)を計算し、そこから、電荷収集効率係数fを計算するステップ(“利得係数”は、デバイスの電離箱の内部パラメータ(ギャップの厚さ、各電離箱の電極間の電位差、電離箱内に備わった流体の性質及び圧力)及び外部パラメータ(電離箱に入射するビームのサイズ)に基づいて設定される);
‐ 検討されている電離箱の電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
本発明に係るデバイスは、一つの電離箱の電荷再結合率及び電荷収集効率係数を評価することを可能にすることによって、そのビーム強度が従来の電離箱では再結合現象を有するような状況下においてビームによって付与された線量率を知ることを可能にするという利点を有する。電荷収集効率係数に直接アクセスできることは、強力なエネルギービームによって付与された線量率を正確にモニタリングすることを可能にし、つまり、従来の電離箱では測定不能な条件下におけるモニタリングを可能にする。従って、本発明に係るデバイスは、従来技術の既知の方法に対して非常に広範なビーム電流範囲にわたって電離箱を使用することができる。
101 媒体
201 収集電極
202 収集電極
203 共有分極電極
IC 電離箱

Claims (11)

  1. ソースからのエネルギー粒子ビームの線量測定用のデバイスであって、該デバイスが少なくとも第一及び第二の電離箱(IC1及びIC2)を備え、各電離箱が収集電極及び分極電極を備え、各電離箱の電極が、流体を備えたギャップ又は空間によって離隔されていて、前記電離箱が、同じソースからのエネルギー粒子ビームが通過するように構成されていて、前記電離箱が異なる電荷収集効率係数を有し、該デバイスが、コンピュータに接続された獲得デバイスを備え、該コンピュータが、
    各電離箱の出力信号を測定すること、及び、
    G=(1−(i/inorm)/(1−f)によって与えられる第一の電離箱に対する利得係数
    に基づいて前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するためのアルゴリズムを実行し、
    Gが、前記第一の電離箱(IC1)に対する利得係数であり、
    (i/inormが、増幅係数の比(R/R)によって正規化された二つの電離箱(IC1及びIC2)の出力信号(i及びi)の理論値の比であり、各増幅係数が、電離箱に対する前記流体、前記ギャップの幅、及び前記流体中の粒子ビームの侵入度に依存していて、
    が、前記第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
    前記出力信号の理論値(i、i)及びfが、前記電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数、及び、前記粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、前記利得係数が前記粒子ビームの値に依存しないことを特徴とするデバイス。
  2. 前記アルゴリズムが、
    前記二つの電離箱の出力信号(i及びi)を測定し、前記出力信号の値(i及びi)の正規化された比(i/inormを求めるステップと、
    前記アルゴリズムの第一のステップの結果、及び、電離箱の利得係数に基づいて、電離箱の電荷再結合率(1−f)を計算し、電荷収集効率係数(f)を導出するステップと、
    記電離箱の電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップとを実行することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
  3. 記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、前記収集電極と前記分極電極との間に備わったギャップの厚さの違いを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、前記収集電極と前記分極電極との間に生じる電場の違いを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に対して前記収集電極と前記分極電極との間に備わったギャップ内に存在する前記流体の性質の違いを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に対して前記収集電極と前記分極電極との間に備わったギャップ内に存在する前記流体の圧力及び/又は温度の違いを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に入射するビーム場が互いに異なるように前記ソースの位置に対する相対的な電離箱の幾何学的形状及び/又は配置の違いを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に入射するエネルギービームが互いに異なるように一つ以上のエネルギー吸収体によって離隔されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. ソースからの粒子ビームによって付与された線量率を測定するための方法であって、
    (i) 各電離箱の内部パラメータ及び/又は外部パラメータが選択された請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイスを使用するステップと、
    (ii) G=(1−(i/inorm)/(1−f)によって与えられる利得係数を求めるステップであって、
    Gが、前記第一の電離箱(IC1)に対する利得係数であり、
    (i/inormが、増幅係数の比(R/R)によって正規化された二つの電離箱(IC1及びIC2)の出力信号(i及びi)の理論値の比であり、各増幅係数が、電離箱に対する前記流体、前記ギャップの幅、及び前記流体中の粒子ビームの侵入度に依存していて、
    が、前記第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
    前記出力信号の理論値(i、i)及びfが、第一のステップにおいて選択された前記電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数、及び、前記粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、前記利得係数が前記粒子ビームの電流の値に依存しない、ステップと、
    (iii) 前記二つの電離箱に対して出力信号を測定するステップと、
    (iv) 前記利得係数に基づいて、前記第一の電離箱の電荷収集効率係数を求めるためのアルゴリズムを実行するコンピュータを用いて前記出力信号を処理して、前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するステップとを実行することを特徴とする方法。
  10. 前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するステップが、
    (i) 前記二つの電離箱(IC1及びIC2)で測定された出力信号(i及びi)の正規化された比(i/inormを計算するステップと、
    (ii) 第一の電離箱に対する利得係数、及び、前記二つの電離箱(IC1及びIC2)で測定された出力信号(i及びi)の正規化された比(i/inormに基づいて、第一の電離箱の電荷収集効率係数fを計算するステップと、
    (iii) 前記第一の電離箱の電流の測定、及び、前記第一の電離箱(IC1)に対する電荷収集効率係数に基づいて、前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するステップとを用いて行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 電流密度が1nA以上であるエネルギー粒子ビームの線量率測定を実施するための請求項9又は10に記載の方法の使用。
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