JP5756462B2 - エネルギー粒子ビームを測定するためのデバイス及び方法 - Google Patents
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Description
‐ Z1:不飽和状態;
‐ Z2:飽和状態;
‐ Z3:比例状態;
‐ Z4:限定比例状態;
‐ Z5:ガイガー・ミュラー状態;
‐ Z6:連続放電状態。
再結合に起因する電流損失のパーセンテージ、従って、実際の飽和領域以下において測定される電流の誤差のパーセンテージは、電流強度と共に比例的に増大する。低い強度のビームに対しては、再結合効果はあまり決定的ではない。高強度ビームを測定するためには、電極間の十分に高い電位差が飽和条件下において動作するために必要となる。
‐ 各検討されている電離箱の出力信号を測定すること;及び
‐ G=(1−(i1/i2)norm)/(1−f1)によって与えられる第一の電離箱に対する“利得”係数
に基づいて粒子ビームによって付与された線量率を計算するためのアルゴリズムを実行するコンピュータに接続される:
ここで、
‐ Gは、第一の電離箱(IC1)に対する“利得”係数であり、
‐ (i1/i2)normは、増幅係数の比(R1/R2)によって正規化された二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)の出力信号(i1及びi2)の理論値の比であり、各増幅係数は、検討されている電離箱に対する流体、ギャップの幅、流体中の粒子ビームの侵入度に依存し、
‐ f1は、第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
その理論的出力信号値(i1、i2)及びf1は、検討されている電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数として、且つ、粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、利得係数は、その粒子ビームの値に依存しない。
‐ 二つの検討されている電離箱の出力信号(i1及びi2)を測定して、出力信号値(i1及びi2)の正規化された比(i1/i2)normを求めるステップ;
‐ アルゴリズムの第一のステップの結果に基づいて、且つ、検討されている電離箱の“利得”係数の情報に基づいて、検討されている電離箱の電荷再結合率(1−f)を計算して、電荷収集効率係数(f)を導出するステップ;
‐ 検討されている電離箱の電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
‐ 収集電極及び分極電極を離隔するギャップの厚さ、
‐ 二つの電極間の電位差、
‐ 二つの電極間に備わった流体の性質、
‐ 二つの電極間に備わった流体において測定される圧力及び/又は温度、
‐ 電離箱の幾何学的形状、
‐ エネルギービームのソースの位置に対する相対的な電離箱の位置、
‐ 電離箱とソースとの間のエネルギー吸収体の存在、
最後の二つの因子は外部パラメータを定義して、最初の方の因子は電離箱の内部(固有)パラメータを定義する。
(i) 上記デバイスを使用するステップ(各検討されている電離箱に対して内部パラメータ及び/又は外部パラメータを選択する);
(ii) G=(1−(i1/i2)norm)/(1−f1)によって与えられる“利得”係数を求めるステップ
ここで、
‐ Gは第一の電離箱(IC1)に対する“利得”係数であり、
‐ (i1/i2)normは、増幅係数の比(R1/R2)によって正規化された二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)の理論的出力信号値(i1及びi2)の比であり、各増幅係数は、検討されている電離箱に対する流体、ギャップの幅、流体中の粒子ビームの侵入度に依存し、
‐ f1は、第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
その理論的出力信号値(i1、i2)及びf1は、第一のステップにおいて選択された検討されている電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数として、且つ、粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、利得係数は、その粒子ビームの電流の値に依存しない;
(iii) 二つの検討されている電離箱に対して出力信号を測定するステップ;
(iv) 利得係数に基づいて、第一の電離箱の電荷収集効率係数を求めるためのアルゴリズムを実行するコンピュータを用いてその信号を処理して、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
(i) 二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)で測定された出力信号(i1及びi2)の正規化された比(i1/i2)normを計算するステップ;
(ii) 第一の電離箱に対する利得係数に基づいて、且つ、二つの検討されている電離箱(IC1及びIC2)において測定された出力信号(i1及びi2)の正規化された比i1/i2)normの値に基づいて、第一の電離箱の電荷収集効率係数f1を計算するステップ;
(iii) 第一の電離箱の電流の測定、及び第一の電離箱(IC1)に対する電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
D=K・Q/(R・f) (1)
Q=∫icoll(t)
そして、ビームによって付与された線量率は、Gy/s単位において、以下の等価な式(2)又は(3)によって与えられる:
‐ Qは、単位時間当たりで積分された電荷であり;
‐ fは、%単位での、電離箱の電荷収集効率係数であり;
‐ icollは、nA単位での、電離箱内に収集された電流であり、以下の式(4)によって与えられる;
icoll=f・Ifaisc・R (4)
‐ ifaiscは、ビーム電流の強度であり;
‐ Rは、電離箱の増幅係数であって、以下の式(5)によって与えられる:
R=106・S・ρ・d/W (5)
ここで、
‐ ρは、g/cm3単位での、電離箱内に備わった流体(一般的には気体)の密度であり、
‐ Wは、eV単位での、形成されるイオン対によって消散されるエネルギーであり、
‐ dは、収集電極及び分極電極を離隔するギャップの厚さであり、
‐ Sは、MeV・cm2/g単位での、電離箱内に備わった流体の阻止能であって、ビームのエネルギー及び流体の性質に依存する。
f=1/(1+ξ2) (6)
ここで、ξ2は以下の式(7)によって与えられる:
ξ2=(α/(6ek1k2))・(d4/V2)・Qmax (7)
ここで、
αは、電離箱内に備わった気体を特徴付ける再結合係数であり、
eは、電子の電荷であり(1.6×10−19C)、
k1及びk2は、m2s−1V−1単位での、電離箱内に生成される正及び負のイオンの移動度であり(以下の例では、k1=k2=kと近似する)、
Vは、V単位での、収集電極と分極電極との間に印加される電位差であり、
Qmaxは、体積電離密度であり、以下の式(8)によって与えられる:
Qmax=(Dmax・ρ)/(W・106) (8)
ここで、
Dmaxは、電離箱内のビームによって受け取られる最大放射線量であり、以下の式(9)によって与えられる:
Dmax=Jmax・S (9)
ここで、
Jmaxは、nA/cm2単位での、電離箱を通過するガウス半径σの粒子ビームの電流密度であり、以下の式(10)によって与えられる:
Jmax=ifaisc/(2πσ2) (10)
‐ 電離箱内に備わったギャップの厚さの違い;
‐ 電離箱内に印加される電場の違い;
‐ 電離箱のギャップ内に備わった流体の性質の違い;
‐ 電離箱毎のギャップ内に備わった流体の圧力差;
‐ 電離箱に入射するビームのエネルギーの違い;
‐ 電離箱毎の入射ビームのサイズ又は形状の違い。
各電離箱間のこれらの違いは、ビームが各電離箱を通過する際にイオン‐電子対の再結合の違いをもたらして、電荷の再結合が無視できない所謂不飽和状態領域Z1において電離箱の一つが動作する際に異なる挙動をもたらす。電荷の再結合が、本発明に従って、電離箱の一つにおいて発生し始めると、電離箱内で測定された電流値を、この段落において上述したパラメータに関して第一の電離箱に対して少なくとも一つの違いを有する他の電離箱内で測定された値と比較することによって、その電離箱内の電荷収集効率係数を知ることができる。
G=(1−(i1/i2)norm)/(1−f1) (11)
ここで、
(i1/i2)norm=(i1/i2)/(RIC1/RIC2) (12)
RIC1及びRIC2はそれぞれ、電離箱IC1、IC2の増幅係数であり、式(5)によって与えられる;
(1−f1)は、電離箱IC1の電荷再結合率である。
1−f1=(1−(1.20)/(75/60))/0.5904=0.073
従って、f1=0.927となる。
ifaisc=1382nA/(75・0.927)≒20nA (4)
この状況は、以下の異なる曲線を示す図4のグラフに示されている:
‐ 曲線f1によって示される、電離箱IC1の電荷収集効率係数、
‐ 曲線f2によって示される、電離箱IC2の電荷収集効率係数、
‐ 測定された電流の比i1/i2、
‐ 電離箱IC1の電荷再結合率(1−f1)
‐ 曲線 1−(i1/i2)norm
‐ 式(11)によって与えられる“利得”係数G。
‐ 各電離箱内に備わった流体の圧力;
‐ 各電離箱内に備わった流体の性質;
‐ ビームのサイズ;
‐ ビームのエネルギー。
言い換えると、ビームによって付与された線量率を計算する際、各電離箱において、電場、圧力、流体の性質、又はビームのサイズの変化が同様に存在すれば、電離箱の収集電極からの測定電流の比の変化は、電荷収集効率係数の変化によって相殺される。本発明に係るデバイスは、これらの変化が当業者によって電離箱の適正な動作に適用可能であると分かっているとして、ビームの放射線量の正確な測定を提供する。
‐ 一方の電離箱内に気体、他方の電離箱内に液体;
‐ 一方の電離箱内に第一の気体、他方の電離箱内に異なる性質の第二の気体;
‐ 異なる圧力に晒される流体。
‐ デバイスの二つの電離箱ないの電流又は積分電流の違い、特に測定電流の比i1/i2を比較するステップ;
‐ そのアルゴリズムの第一のステップの結果に基づき、また検討されている電離箱の“利得”係数に基づき、その検討されている電離箱の電荷再結合率(1−f)を計算し、そこから、電荷収集効率係数fを計算するステップ(“利得係数”は、デバイスの電離箱の内部パラメータ(ギャップの厚さ、各電離箱の電極間の電位差、電離箱内に備わった流体の性質及び圧力)及び外部パラメータ(電離箱に入射するビームのサイズ)に基づいて設定される);
‐ 検討されている電離箱の電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップ。
201 収集電極
202 収集電極
203 共有分極電極
IC 電離箱
Claims (11)
- ソースからのエネルギー粒子ビームの線量測定用のデバイスであって、該デバイスが少なくとも第一及び第二の電離箱(IC1及びIC2)を備え、各電離箱が収集電極及び分極電極を備え、各電離箱の電極が、流体を備えたギャップ又は空間によって離隔されていて、前記電離箱が、同じソースからのエネルギー粒子ビームが通過するように構成されていて、前記電離箱が異なる電荷収集効率係数を有し、該デバイスが、コンピュータに接続された獲得デバイスを備え、該コンピュータが、
各電離箱の出力信号を測定すること、及び、
G=(1−(i1/i2)norm)/(1−f1)によって与えられる第一の電離箱に対する利得係数
に基づいて前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するためのアルゴリズムを実行し、
Gが、前記第一の電離箱(IC1)に対する利得係数であり、
(i1/i2)normが、増幅係数の比(R1/R2)によって正規化された二つの電離箱(IC1及びIC2)の出力信号(i1及びi2)の理論値の比であり、各増幅係数が、電離箱に対する前記流体、前記ギャップの幅、及び前記流体中の粒子ビームの侵入度に依存していて、
f1が、前記第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
前記出力信号の理論値(i1、i2)及びf1が、前記電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数、及び、前記粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、前記利得係数が前記粒子ビームの値に依存しないことを特徴とするデバイス。 - 前記アルゴリズムが、
前記二つの電離箱の出力信号(i1及びi2)を測定し、前記出力信号の値(i1及びi2)の正規化された比(i1/i2)normを求めるステップと、
前記アルゴリズムの第一のステップの結果、及び、電離箱の利得係数に基づいて、電離箱の電荷再結合率(1−f)を計算し、電荷収集効率係数(f)を導出するステップと、
前記電離箱の電荷収集効率係数に基づいて、ビームによって付与された線量率を計算するステップとを実行することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。 - 前記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、前記収集電極と前記分極電極との間に備わったギャップの厚さの違いを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデバイス。
- 前記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、前記収集電極と前記分極電極との間に生じる電場の違いを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に対して前記収集電極と前記分極電極との間に備わったギャップ内に存在する前記流体の性質の違いを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に対して前記収集電極と前記分極電極との間に備わったギャップ内に存在する前記流体の圧力及び/又は温度の違いを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に入射するビーム場が互いに異なるように前記ソースの位置に対する相対的な電離箱の幾何学的形状及び/又は配置の違いを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記電離箱が、電荷収集効率係数の違いを与えるように、各電離箱に入射するエネルギービームが互いに異なるように一つ以上のエネルギー吸収体によって離隔されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
- ソースからの粒子ビームによって付与された線量率を測定するための方法であって、
(i) 各電離箱の内部パラメータ及び/又は外部パラメータが選択された請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイスを使用するステップと、
(ii) G=(1−(i1/i2)norm)/(1−f1)によって与えられる利得係数を求めるステップであって、
Gが、前記第一の電離箱(IC1)に対する利得係数であり、
(i1/i2)normが、増幅係数の比(R1/R2)によって正規化された二つの電離箱(IC1及びIC2)の出力信号(i1及びi2)の理論値の比であり、各増幅係数が、電離箱に対する前記流体、前記ギャップの幅、及び前記流体中の粒子ビームの侵入度に依存していて、
f1が、前記第一の電離箱(IC1)の電荷収集効率係数の理論値であり、
前記出力信号の理論値(i1、i2)及びf1が、第一のステップにおいて選択された前記電離箱(IC1及びIC2)の内部パラメータ及び/又は外部パラメータの関数、及び、前記粒子ビームの電流強度の値の関数として計算され、前記利得係数が前記粒子ビームの電流の値に依存しない、ステップと、
(iii) 前記二つの電離箱に対して出力信号を測定するステップと、
(iv) 前記利得係数に基づいて、前記第一の電離箱の電荷収集効率係数を求めるためのアルゴリズムを実行するコンピュータを用いて前記出力信号を処理して、前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するステップとを実行することを特徴とする方法。 - 前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するステップが、
(i) 前記二つの電離箱(IC1及びIC2)で測定された出力信号(i1及びi2)の正規化された比(i1/i2)normを計算するステップと、
(ii) 第一の電離箱に対する利得係数、及び、前記二つの電離箱(IC1及びIC2)で測定された出力信号(i1及びi2)の正規化された比(i1/i2)normに基づいて、第一の電離箱の電荷収集効率係数f1を計算するステップと、
(iii) 前記第一の電離箱の電流の測定、及び、前記第一の電離箱(IC1)に対する電荷収集効率係数に基づいて、前記粒子ビームによって付与された線量率を計算するステップとを用いて行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。 - 電流密度が1nA以上であるエネルギー粒子ビームの線量率測定を実施するための請求項9又は10に記載の方法の使用。
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