JP2580811B2 - 1▲cm▼深部線量当量測定用放射線測定器 - Google Patents

1▲cm▼深部線量当量測定用放射線測定器

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JP2580811B2
JP2580811B2 JP32315589A JP32315589A JP2580811B2 JP 2580811 B2 JP2580811 B2 JP 2580811B2 JP 32315589 A JP32315589 A JP 32315589A JP 32315589 A JP32315589 A JP 32315589A JP 2580811 B2 JP2580811 B2 JP 2580811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は1cm深部線量当量を直接測定する放射線測定
器、特に、測定精度のよい測定器に関する。
〔従来の技術〕
電離箱は放射線検出感度対放射線エネルギー特性(以
後、この特性を検出感度のエネルギー特性または単にエ
ネルギー特性ということがある。なお、この場合の放射
線検出感度とは単位照射線量率当りの電離箱出力電流の
値である。)がGM管やシンチレーション検出器等の他の
放射線検出器に比べて平坦で、たとえば、第9図の特性
線1のようになっていて上述の他の放射線検出器におけ
るよりも少ない個数の校正点で出力電流の校正を行うこ
とができて校正作業が容易であるので、従来、γ線の照
射線量率測定に多用されている。なお、第9図に示した
相対感度は、電離箱のような放射線検出器の放射線検出
感度の、CS 137が放射する0.64〔MeV〕のγ線に対する該
放射線検出器の放射線検出感度を1とした場合の相対値
であり、また、第9図の特性線1は、電離箱の壁体をベ
ークライト製壁体本体とこの壁体本体の内面に形成した
カーボン系導電膜とで構成し、かつ電離箱の棒状集電極
をベークライト製集電極本体とこの集電極本体の外面に
形成したカーボン系導電膜とで構成し、かつ前記壁体内
に空気を封入した構造の電離箱(以後、この構造の電離
箱を空気式電離箱ということがある。)のエネルギー特
性である。そうして、また、以下においては、第9図の
ような相対感度対放射線エネルギー特性も単にエネルギ
ー特性ということがある。
さて、従来は一般に上記のような電離箱が用いられて
いるが、最近放射線障害の防止に関わる法令の改制に伴
い放射線の1cm深部線量当量(以後、この線量当量をH
1cmということがある。)を直後測定できる放射線測定
器が必要とされるようになり、この測定器は第9図の特
性線2のエネルギー特性を必要としていて特性線2が特
性線1に全く一致しないことは図から明らかであるから
(以後、特性線2のエネルギー特性を基準エネルギー特
性ということがある。)既に、たとえば、電離箱を、該
電離箱の壁体及び集電極を共にAlやNi等の金属で構成
し、かつ前記壁体内にArやXe等の不活性ガスを封入し、
かつ前記壁体をPb等の遮へい体でとり囲んだ構造にする
(以後、この電離箱を遮へい式電離箱ということあが
る。)など、電離箱構成部材の材質、寸法を変えて基準
エネルギー特性を有する電離箱を形成する努力が払われ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
現在、上述したようにして基準エネルギー特性を有す
る電離箱を得る努力がなされているが、前記した遮へい
式電離箱のエネルギー特性はたとえば第9図の特性線3
のようになっていて、この特性線3も特性線2に対して
大幅に一致しないことが図から明らかである。なお、第
9図における特性線4は上記の遮へい式電離箱において
前述した遮へい体を取り去った場合のエネルギー特性で
ある。
すなわち、本発明者の経験によれば、構成部材の材
質、寸法を変えて基準エネルギー特性を有する電離箱を
形成することは非常に困難で、したがつて、現在の所、
構成部材の材質、寸法を変えてH1cmを測定するようにし
た電離箱には、そのエネルギー特性が基準エネルギー特
性と完全に一致しているものはないので、H1cmの測定精
度が非常に悪いという問題点がある。
本発明の目的はエネルギー特性が基準エネルギー特性
に一致していなくてもH1cmを精度よく測定することがで
きる放射線測定装置を得ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明によれば、同じ放射
線束内の放射線を検出するように配置される放射線検出
感度対放射線エネルギー特性の異なる二個の放射線検出
器と、前記両放射線検出器のそれぞれの出力信号の値の
比から前記放射線のエネルギーを特定してその結果に応
じたエネルギー信号を出力する放射線エネルギー特定部
と、前記エネルギー信号と前記両放射線検出器のうちの
いずれか一方の特定放射線検出器の出力信号を表す特定
放射線検出器信号とが入力され前記エネルギー信号が表
す前記放射線のエネルギーに応じた補正係数を求めてこ
の補正係数と前記特定放射線検出器信号の値との積に応
じた測定信号を出力する演算部とを備え、前記測定信号
にもとづき前記放射線の1cm深部線量当量を測定する1cm
深部線量当量測定用放射線測定器であって、前記補正係
数は前記放射線の同じエネルギーにおける仮想放射線測
定器の放射線検出感度と前記特定放射線検出器の放射線
検出感度との比であり、前記仮想放射線測定器は前記特
定放射線検出器の出力信号が前記放射線の1cm深部線量
当量を表すことになるような放射線検出感度を前記特定
放射線検出器に与えて得た仮想の放射線測定器であるよ
うに1cm深部線量当量測定用放射線測定器を構成する。
〔作用〕
上記のように構成すると、両放射線検出器のそれぞれ
の放射線検出感度D1,D2はいずれも放射線エネルギーE
の関数であるから両検出感度D1,D2の比Yもエネルギー
Eの関数であって、この比Yは予め両放射線検出器の各
エネルギー特性を測定しておくことによつて既知とする
ことができ、また、両放射線検出器を同じ放射線束内の
放射線を検出するように配置した場合の該両放射線検出
器のそれぞれの出力信号の値の比Bは該放射線束内の放
射線のエネルギーE0における上記の比Yに等しいことが
明らかであるから、放射線エネルギー特定部において信
号値の比Bから前記エネルギーE0を特定することができ
る。
そうして、また、上記のように構成すると、仮想放射
線測定器が前述した基準エネルギー特性を有する測定器
であってかつこの測定器の放射線検出感度DSもエネルギ
ーEの既知関数であることが上述した所から明らかであ
るから、この感度DSと予めエネルギー特性が測定される
ことによって既知となっているエネルギーEの関数であ
る特定放射線検出器の放射線検出感度D0との比、すなわ
ち補正係数ZもEの既知関数となり、さらに、H1cmは特
定放射線検出器の出力信号値A0とエネルギーE0における
補正係数Zの値Z0との積に等しくなっているので、Eの
既値関数としての補正係数Zを予め演算部に記憶させて
おき、演算部に特定放射線検出器の出力信号を表す特定
放射線検出器信号とエネルギー信号とが入力されること
によって、この演算部でZの記憶内容からエネルギー信
号が表すエネルギーE0におけるZの値Z0を求めてこのZ0
と入力された特定放射線検出器信号の値との積に応じた
測定信号を得ると、この測定信号は特定放射線検出器信
号が表す特定放射線検出器の出力信号値A0とZ0との積を
表しているので、該測定信号によってH1cmを測定するこ
とができることになる。
つまり、本発明においては、上記のように構成する
と、両放射線検出器の各エネルギー特性がそれぞれ前述
した基準エネルギー特性に一致していなくても、演算部
が出力する測定信号は常に基準エネルギー特性を有する
仮想放射線測定器が出力する信号値に対応した信号にな
るので、この測定信号によって両放射線検出器の各エネ
ルギー特性の如何によらず常に放射線の1cm深部線量当
量を精度よく測定することができることになる。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例の構成図である。図におい
て、5は、合成樹脂製の有底円筒状壁体本体6とこの壁
体本体6の内面に形成したカーボン系導電膜7と本体6
の開口端に設けた電気絶縁材料製の円環板状部材8と後
述する壁体本体14と構成された壁体9と、この壁体9内
において壁体本体6の側壁と同軸になるようにして一端
が部材8に固定的に貫設された円筒状の集電極10と壁体
9内に封入された空気13とからなる外側電離箱で、この
場合集電極10も合成樹脂製の円筒状電極本体11とこの電
極本体11の全面にわたって形成したカーボン系導電膜12
とで構成されている。前述した壁体本体14はその開口端
が円環板状部材8の内縁に固定されて壁体本体6と共に
二重壁の円筒状容器を形成するようにしかつ外面の全面
にカーボン系導電膜14aが設けられた合成樹脂製の有底
円筒、15は壁体本体14の内面の全面にわたって設けたニ
ッケルの薄膜層、16は壁体本体14の開口端を塞ぐように
した電気絶縁材料製の円板状部材で、17は導電膜14aと
ニッケル薄膜層15とが設けられた壁体本体14と部材16と
からなる、前述の壁体9に対応した壁体である。この場
合壁体17は壁体本体14の側壁が壁体本体6の側壁と同軸
になるように配置されている。18は壁体17内において壁
体本体14の側壁と同軸になるようにして一端が部材16に
固定的に貫設された片持梁状の丸棒状集電極で、この集
電極18も合成樹脂製の丸棒状電極本体19とこの本体19の
全面にわたって形成したカーボン系導電膜20とで構成さ
れている。21は壁体17と集電極18と壁体17内に封入した
空気22とからなる内側電離箱である。
24は外側電離箱5と内側電離箱21とからなる放射線検
出部、25は導電膜7,14aとニッケル層15とに負の高電圧
を加えるようにした直流電源、26,27はそれぞれ電離箱
5の出力電流5a、電離箱21の出力電流21aを電圧に変換
して増幅するいずれも増幅器で、放射線検出部24は上述
のように構成されているので、この場合電離箱5と21と
は同じ放射線束内の放射線29を検出することになる。
さて、電離箱5,21はそれぞれ上述のように構成されて
いるので、本発明者の測定結果によれば、電離箱5のエ
ネルギー特性は相対感度をW1として第2図の特性線30の
ようになり、また、電離箱21のエネルギー特性は相対感
度をW2として第3図の特性線31のようになる。そうし
て、第1図の場合、放射線29の照射線量率をX、電離箱
5,21の各出力電流5a,21aの各値をA1,A2、電離箱5,21の
各放射線検出感度をD1,D2とすると(1)式が成立し、
一方、CS 137が放射する0.64〔MeV〕のγ線の単位照射線
量率に対して電離箱5,21のそれぞれが出力する電流値を
I1,I2とすると(2)式が成立するので、電流値A2とA1
との比をB1とすると、W2/W1=G1として、(1)及び
(2)式から(3)式が得られる。以後、G1を相対感度
比ということがあり、この感度比G1は、第1図の場合、
上述した特性線30と31から第4図に示した特性線32のよ
うになる。
A1=D1・X,A2=D2・X ……(1) D1=I1・W1,D2=I2・W2 ……(2) ここに、(3)式におけるI2/I1は電離箱5,21の各エ
ネルギー特性に対する前述の測定結果から既知の定数で
あるので、(3)式と第4図とは、電流値比B1を求める
と、この比B1から相対感度比G1を介して放射線29のエネ
ルギーE0を、第4図において特性線32が極大となる放射
線エネルギーEm近傍より右側の放射線エネルギー領域33
またはEm近傍より左側の放射線エネルギー領域34におい
て、特定できることを示している。
第1図において、35は出力電流5aの値A1を表す増幅器
26の出力電圧26aと出力電流21aの値A2を表す増幅器27の
出力電圧27aとが入力され、これらの両電圧26aと27aと
を用いて電流値比A2/A1=B1を求める除算を行って、こ
の結果としてのB1に対して(3)式から得られるB1
(I1/I2)=G1の関係にあるG1に応じた信号35aを出力す
るようにした除算部、36は第4図のエネルギー領域33に
おける特性線32を記憶していて、信号35aが入力される
とこの信号35aが表すG1に対応した放射線エネルギーE1
を第4図に示したように特性線32から求めてこのE1に応
じたエネルギー信号36aを出力するようにしたエネルギ
ー値判定部、37は増幅器26及び27と除算部35と判定部36
とからなる放射線エネルギー特定部で、この特定部37
は、上述のように構成されているので、両電離箱5,21の
それぞれの出力電流の値A1,A2の比から放射線29のエネ
ルギーE0を特定してその結果に応じたエネルギー信号36
aを出力するものであるということができる。この場
合、第4図のエネルギーE1がエネルギーE0に必ずしも一
致しない問題については後述する。
ところで、今、第9図に示した基準エネルギー特性2
を電離箱21に与えて得られる仮想の放射線測定器を想定
して、この仮想放射線測定器で第1図における放射線29
を検出させるようにした場合、この仮想放射線測定器の
出力電流値、放射線検出感度、相対感度をそれぞれAS,D
S,WSとすると、(1)式及び(2)式にならって(4)
式が成立し、この場合、電流値ASが放射線29のH1cmを表
しており、また、WSが第9図の特性線2にもとづいた相
対感度であることは明らかである。そうして、(4)式
と(1)式とからDS/D2=Z1として(5)式が得られる
ので、このZ1は電離箱21の出力電流値A2をH1cmを表す電
流値ASに補正する補正係数であるということができる。
AS=DS・X,DS=I2・WS ……(4) AS=DS(A2/D2)=A2・(DS/D2)=A2・Z1 ……(5) すなわち、電流値ASは(5)式で表されるが、また、
この場合、Z1は(2)式と(4)式とから(6)式のよ
うになって相対感度WSとW2との比K1に等しいので、結
局、ASは(7)式で表されることになる。そうして、
(6)、(7)式における相対感度比K1は前述の特性線
2と特性線31とから求めることができて、このK1が放射
線エネルギーEの関数であることは明らかである。
Z1=DS/D2=(I2・WS)/(I2・W2)=WS/W2=K1 ……
(6) AS=A2・K1 ……(7) 上述したように、この場合K1はZ1に等しいので、以
後、K1をも補正係数ということがある。
第1図において、38はエネルギーEの関数としての補
正係数K1を記憶していて、エネルギー信号36aが入力さ
れると補正係数記憶内容から信号36aが表す放射線エネ
ルギーE1に対応した補正係数K1を抽出してこのK1に応じ
た補正係数信号38aを出力するようにした補正係数信号
発生部、39は補正係数信号38aと増幅器出力電圧27aとが
入力され、信号38aが表すK1と電圧27aが表す電離箱出力
電流値A2とを用いて(7)式右辺の乗算を行ってその結
果のASに応じた測定信号39aを出力するようにした乗算
部、40は信号発生部38と乗算部39とからなる演算部で、
41は第1図図示の各部からなる1cm深部線量当量測定用
放射線測定器である。放射線測定器41は上述のように構
成されているので、放射線29のエネルギーE0が第4図の
エネルギー領域33内にあると、測定信号39aにもとづい
て放射線29のH1cmを正確に測定し得ることが明らかで、
この場合両電離箱5,21の各エネルギー特性が基準エネル
ギー特性に一致していなくてもよいこともまた明らかで
ある。
すなわち、放射線測定器41によれば、両電離箱5,21の
各エネルギー特性が基準エネルギー特性に一致していな
くても、測定信号39aは、常に、基準エネルギー特性を
有する前述の仮想放射線測定器がエネルギー信号36aが
表すエネルギーE1の放射線29を検出した時に出力する電
流値Asに対応した信号になるので、測定器41は放射線29
のエネルギーE0が第4図のエネルギー領域33内にあると
信号39aによって放射線29のH1cmを極めて精度よく測定
できる放射線測定器であるが、測定器41では、エネルギ
ー値判定部36で説明したように、放射線29のエネルギー
E0が実際には第4図のエネルギー領域34内にあっても、
エネルギーE0があたかもエネルギー領域33内にあるもの
として判定部36がエネルギー信号36aを出力するので、
この場合補正係数信号発生部38で抽出される補正係数K1
は真の係数とは異なっていて、このため測定信号39aが
表す放射線29のH1cmには、当然、誤差Δが含まれること
になる。ところが、本発明者の実測結果にもとづく第4
図の特性線32及び第3図の特性線31から前記のΔを算出
してみると、誤差Δは最大で11%程度となってこの数値
はJISの規定による許容誤差±20%内の数値である。そ
うして、本発明者の研究によれば、放射線測定器41にお
いて電離箱5,21における各部の材質等を工夫することに
よって前記Δをさらに小さくすることが容易である。し
たがって、放射線測定器41は放射線29のエネルギーE0
広い範囲にわたってH1cmを精度よく測定できる測定器で
あるということになる。
放射線測定器41の精度にかかわる上述の説明は放射線
29のエネルギースペクトルが一本の線スペクトルである
とした場合であるが、放射線29のエネルギースペクトル
が80keVと660keVとの二本の線スペクトルからなり、か
つこれらの各線スペクトルの放射線の量の割合が第5図
のようであったとした場合、本発明者の計算によれば、
放射線測定器41におけるH1cmの測定誤差は第5図の最右
列に示したようになる。したがって、このことから、測
定器41によれば、放射線29のエネルギースペクトルが多
数の線スペクトルからなる場合においても放射線29のH
1cmを精度よく測定しうることが推測できる。
第6図は本発明者の第2実施例の構成図で、本図の第
1図と異なる所は、第1図の放射線検出部24に対応した
放射線検出部42において、第1図の壁体本体6,14のそれ
ぞれに対応した、外側電離箱43を構成する有底円筒状の
壁体本体44及び内側電離箱45を構成する有底円筒状の壁
体本体46がいずれもアルミニウム製となっており、ま
た、第1図の電極本体11,19のそれぞれに対応した。電
離箱43を構成する円筒状の集電極47及び電離箱45を構成
する棒状の集電極48もいずれもアルミニムで形成されて
いて、この場合、第1図に示したカーボン系導電膜7,1
2,14a,20及びニッケル薄膜層15のいずれもが設けられて
いないことと、壁体本体46と円板状部材16とからなる壁
体49内にアルゴンガス50が封入されていることで、第6
図においては、外側電離箱43が壁体本体44及び46と円環
板状部材8と集電極47と封入空気13とで構成されてお
り、また、内側電離箱45が集電極48と壁体49とアルゴン
ガス50とで構成されている。そうして、この場合、外側
電離箱43の出力電流43を増幅器26で電圧26aに変換し、
内側電離箱45の出力電流45aを増幅器27で電圧27aに変換
するようになっていて、また、放射線検出部42は電離箱
43と45とで構成されている。51は放射線検出部42を含む
図示の各部からなるH1cm測定用放射線測定器である。
放射線測定器51においては、放射線検出部42が上述の
ように構成されていて、この場合、外側電離箱の相対感
度W3及び内側電離箱の相対感度W4はそれぞれおおよそ第
7図のようになっている。したがって、測定器51におい
ても、相対感度比W4/W3は第4図の特性線32と同様に一
個の極大値を持つ山形になるので、第1図に示した測定
器41におけると同様にH1cmを精度よく測定することがで
きる。
第8図は本発明の第3実施例の構成図で、この場合、
第6図の放射線検出部42に対応した放射線検出部52が、
アルミニウム製の有底円筒状壁体本体46とこの本体46の
開口端を密閉的に塞ぐようにした電気絶縁材料製の円板
状部材16とで形成された壁体49と、一端が部材16に固定
されて他端が壁体49内に突出させられたアルミニウム製
の丸棒状集電極48と、壁体49内に封入した空気13とから
なる電離箱53と、壁体49内に配置した半導体検出器54と
で構成されていて、電離箱53の出力電流53aは第6図の
内側電離箱の場合と同様に増幅器27で電圧信号27aに変
換されるようになっているが、半導体検出器54の出力信
号54aはパルスであるので、この信号54aが信号変換器55
に入力されて増幅された後信号54aが表す放射線照射線
量率に応じた電圧信号55aに変換されて、この信号55aが
変換器55から出力されるようになっている。この場合、
半導体検出器54と信号変換器55とが述のように構成され
ているので、電圧信号55aは、検出器54と変換器55とか
らなる放射線検出機構と放射線検出機能上等価な、仮想
の電離箱とこの電離箱の出力電流を増幅して電圧信号55
aと同じ値の電圧信号を出力する仮想の増幅器とからな
る、仮想の放射線検出機構における前記仮想電離箱の出
力電流を表しているということもできる。56は図示の各
部からなるH1cm測定用放射線測定器で、この場合、除算
部35は電圧信号27aと前述の電圧信号26aにかわる電圧信
号55aとが入力されて、第1図及び第6図におけると同
様な動作をするようになっている。57は変換器55と増幅
器27と除算部35とエネルギー値判定部36とからなる、第
1図及び第6図に示した放射線エネルギー判定部37に対
応した放射線エネルギー特定部である。
放射線測定器56においては電離箱53、半導体検出器54
の各エネルギー特性が異なるようにこれらの放射線検出
器が構成されている。したがって、測定器56においても
放射線測定器41,51におけると同様に測定信号39aによっ
てH1cmを精度よく測定することができる。
上述の各実施例では、エネルギー値判定部36に予め相
対感度比W2/W1=G1=B1・(I1/I2)と放射線エネルギー
Eとの関係を記憶させておき、一方、除算部35でA2/A1
の除算を行ってその結果としてのA2/A1=B1から前記G1
を求めて、このG1を用いて判定部36における記憶内容か
ら放射線29のエネルギーE0を特定するようにしたが、本
発明においては、判定部36に予め相対感度比W1/W2=G2
=B2・(I2/I1)と放射線エネルギーEとの関係を記憶
させておき、一方、除算部35でA1/A2の除算を行ってそ
の結果としてのA1/A2=B2から前記G2を求めて、このG2
を用いて判定部36における記憶内容からエネルギーE0
特定するようにしてもよい。
また、上述の各実施例では、補正係数信号発生部38に
予め補正係数K1=WS/W2と放射線エネルギーEとの関係
を記憶させておいて、エネルギー信号36aが発生部38に
入力されるとこの発生部38の記憶内容から信号36aが表
す放射線エネルギーE1に応じた補正係数K1を抽出してこ
の抽出したK1を表す信号38aを出力するように信号発生
部38を構成し、かつ、信号38aと信号27aとが入力されて
信号38aが表すK1と信号27aが表すA2との積に応じた測定
信号39aを出力するように乗算部39を構成したが、本発
明においては、発生部38に予め補正係数K2=WS/W1とエ
ネルギーEとの関係を記憶させておいて、信号36aが発
生部38に入力されるとこの発生部38の記憶内容から信号
36aが表すエネルギーE1に対応補正係数K2を抽出してこ
の抽出したK2を表す信号38aを出力するように信号発生
部38を構成し、かつ、信号38aと信号26aとが入力されて
信号38aが表すK2と信号26aが表すA1との積に応じた測定
信号39aを出力するように乗算部39を構成するようにし
てもよい。
なお、上述の各実施例では一個の放射線検出器として
の電離箱の中に他の一個の放射線検出器としての電離箱
またはシンチレーション検出器を設けたが、本発明にお
いてはエネルギー特性の異なる二個の放射線検出器を同
じ放射線束内の放射線を検出するように並置しても差し
支えない。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明においては、同じ放射線束内
の放射線を検出するように配置される放射線検出感度対
放射線エネルギー特性の異なる二個の放射線検出器と、
両放射線検出器のそれぞれの出力信号の値の比から前記
放射線のエネルギーを特定してその結果に応じたエネル
ギー信号を出力する放射線エネルギー特定部と、エネル
ギー信号と両放射線検出器のうちのいずれか一方の特定
放射線検出器の出力信号を表す特定放射線検出器信号と
が入力されエネルギー信号が表す前記放射線のエネルギ
ーに応じた補正係数を求めてこの補正係数と特定放射線
検出器信号の値との積に応じた測定信号を出力する演算
部とを備え、この測定信号にもとづき前記放射線の1cm
深部線量当量を測定する1cm深部線量当量測定用放射線
測定器であって、補正係数は前記放射線の同じエネルギ
ーにおける仮想放射線測定器の放射線検出感度と特定放
射線検出器の放射線検出感度との比であり、仮想放射線
測定器は特定放射線検出器の出力信号が前記放射線の1c
m深部線量当量を表すことになるような放射線検出感度
を特定放射線検出器に与えて得た仮想の放射線測定器で
あるように1cm深部線量当量測定用放射線測定器を構成
した。
このため、上記のように構成すると、両放射線検出器
のそれぞれの放射線検出感度D1,D2はいずれも放射線エ
ネルギーEの関数であるから両検出感度D1,D2の比Yも
エネルギーEの関数であって、この比Yは予め両放射線
検出器の各エネルギー特性を測定しておくことによって
既知とすることができ、また、両放射線検出器を同じ放
射線束内の放射線を検出するように配置した場合の該両
放射線検出器のそれぞれの出力信号の値の比Bは該放射
線束内の放射線のエネルギーE0における上記の比Yに等
しいことが明らかであるから、放射線エネルギー特定部
において信号値の比Bから前記エネルギーE1を特定する
ことができる。
そうして、また、上記のように構成すると、仮想放射
線測定器が前述した基準エネルギー特性を有する測定器
であってかつこの測定器の放射線検出感度DSもエネルギ
ーEの既知関数であることが上述した所から明らかであ
るから、この感度DSと予めエネルギー特性が測定される
ことによって既知となっているエネルギーEの関数であ
る特定放射線検出器の放射線検出感度D0との比、すなわ
ち補正係数ZもEの既知関数となり、さらに、H1cmは特
定放射線検出器の出力信号値A0とエネルギーE0における
補正係数Zの値Z0との積に等しくなっているので、Eの
既知関数としての補正係数Zを予め演算部に記憶させて
おき、演算部に特定放射線検出器の出力信号を表す特定
放射線検出器信号とエネルギー信号とが入力されること
によって、この演算部でZの記憶内容からエネルギー信
号が表すエネルギーE0におけるZの値Z0を求めてこのZ0
と入力された特定放射線検出器信号の値との積に応じた
測定信号を得ると、この測定信号は特定放射線検出器信
号が表す特定放射線検出器の出力信号値A0とZ0との積を
表しているので、該測定信号によってH1cmを測定するこ
とができることになる。
つまり、本発明においては、上記のように構成する
と、両放射線検出器の各エネルギー特性がそれぞれ前述
した基準エネルギー特性に一致していなくても、演算部
が出力する測定信号は常に基準エネルギー特性を有する
仮想放射線測定器が出力する信号値に対応した信号にな
るので、本発明には、この測定信号によって両放射線検
出器の各エネルギー特性の如何によらず常に放射線の1c
m深部線量当量を精度よく測定することができる効果が
あるうえ、〔従来の技術〕で述べた電離箱を用いたH1cm
測定用放射線測定器の場合のように電離箱等の放射線検
出器自体に基準エネルギー特性をもたせる必要がないの
で、放射線検出器の製作が容易であるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の構成図、 第2図は第1図における要部のエネルギー特性図、 第3図は第1図における第2図の場合とは異なる要部の
エネルギー特性図、 第4図は第2図と第3図とから求めた相対感度比を示す
図、 第5図は第1図に示した実施例の機能説明図、 第6図は本発明の第2実施例の構成図、 第7図は第6図における要部のエネルギー特性説明図、 第8図は本発明の第3実施例の構成図、 第9図は放射線検出器のエネルギー特性説明図である。 5,43……外側電離箱(放射線検出器)、21,45……内側
電離箱(放射線検出器)、27a……出力電圧(特定放射
線検出器信号)、29……放射線、36a……エネルギー信
号、37,57……放射線エネルギー特定部、39a……測定信
号、40……演算部、41,51,56……1cm深部線量当量測定
用放射線測定器、53……電離箱(放射線検出器)、54…
…半導体検出器(放射線検出器)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同じ放射線束内の放射線を検出するように
    配置される放射線検出感度対放射線エネルギー特性の異
    なる二個の放射線検出器と、前記両放射線検出器のそれ
    ぞれの出力信号の値の比から前記放射線のエネルギーを
    特定してその結果に応じたエネルギー信号を出力する放
    射線エネルギー特定部と、前記エネルギー信号と前記両
    放射線検出器のうちのいずれか一方の特定放射線検出器
    の出力信号を表す特定放射線検出器信号とが入力され前
    記エネルギー信号が表す前記放射線のエネルギーに応じ
    た補正係数を求めてこの補正係数と前記特定放射線検出
    器信号の値との積に応じた測定信号を出力する演算部と
    を備え、前記測定信号にもとづき前記放射線の1cm深部
    線量当量を測定する1cm深部線量当量測定用放射線測定
    器であって、前記補正係数は前記放射線の同じエネルギ
    ーにおける仮想放射線測定器の放射線検出感度と前記特
    定放射線検出器の放射線検出感度との比であり、前記仮
    想放射線測定器は前記特定放射線検出器の出力信号が前
    記放射線の1cm深部線量当量を表すことになるような放
    射線検出感度を前記特定放射線検出器に与えて得た仮想
    の放射線測定器であることを特徴とする1cm深部線量当
    量測定用放射線測定器。
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