JP5755560B2 - 無線電力供給装置および無線電力供給システム - Google Patents
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Description
送電アンテナは、マイクロ波を受信する受電側の受電アンテナと対向するように配置される。無線電力供給時、マイクロ波の出力レベルを高めることにより、より多くの電力を供給することができる。
そのため、金属板等の遮蔽部材を設けただけでは、マイクロ波が反射を繰り返すうちにやがて隙間などから漏洩してしまう。
また、遮蔽部材に達したマイクロ波も、遮蔽部材によって反射させられる結果、再び吸収手段の方へと向かって吸収される。これにより、本発明の無線電力給電装置では、電磁波による受電側への無線電力供給に際して不要な電磁波の漏洩を効果的に防止することができる。
図1に示すように、本実施形態の無線電力供給装置Aは、一例として自動車用の無線電力供給システムに用いられるものであり、自動車Bに対して電磁波としてのマイクロ波により電力を供給するものである。なお、本実施形態の例に限らず、無線電力供給装置は、たとえば宇宙太陽発電システムといった他の大電力用途の無線電力供給システムにも適用可能である。
その他、自動車Bには、受電アンテナ1を介して得られた直流電力を蓄えるバッテリが搭載されている。バッテリには、受電アンテナ1からマイクロ波を受信して得られた電力が供給される。
無線電力供給装置Aは、送電アンテナ2、遮蔽部材3、液体循環ジャケット4、カバー5、マイクロ波発生装置6、制御装置7、循環ポンプ8、および熱交換器9を備えている。
送電アンテナ2は、所定周波数のマイクロ波を空中放出する送電面20を有する。送電面20は、たとえば平面視円形状に形成され、地中から地面Cの方に向けてマイクロ波を送出するように配置されている。なお、送電面20は、平面視矩形状であってもよい。
遮蔽部材3は、送電アンテナ2の周囲に配置され、送電面20の周縁部から地面Cの近傍まで延びている。これにより、遮蔽部材3は、送電面20から地面Cに至るまでの間にマイクロ波の導波路Wを形成している。
図2は、遮蔽部材3の斜視図である。同図に示すように、遮蔽部材3の理想的な形態は、マイクロ波を漏洩する隙間や継ぎ目のない、一体成形または連続溶接により、全体的に筒状に形成されている。
もし加工上、継ぎ目を設ける必要がある場合は、その部分を30mm以下の間隔でネジ止め等する必要がある。これは、たとえばマイクロ波の波長λが120mmの場合、λ/4以下の間隔にすればマイクロ波が漏洩しにくくなるためである。
液体循環ジャケット4は、導波路W内において送電面20から送出されたマイクロ波が遮蔽部材3へと進行する経路上、遮蔽部材3の内壁面全体を覆うように配置されている。
液体循環ジャケット4は、水の流路40を内部に形成している。水は、マイクロ波を吸収して減衰させやすい特性をもっている。液体循環ジャケット4には、流路40に通じる流入口41および流出口42が設けられている。
流入口41は、相対的に低位に設けられる一方、流出口42は、相対的に高位に設けられている。液体循環ジャケット4の外部において、流入口41と流出口42との間には、水の循環路43が形成されている。液体循環ジャケット4自体は、マイクロ波を透過しやすい樹脂あるいはガラスなどからなる。図3は、液体循環ジャケット4の一部断面図である。同図に示すように、液体循環ジャケット4内の流路40の断面深さ寸法dは、150mm程度である。
これにより、カバー5は、送電面20から導波路Wを経て進行してきたマイクロ波を外部に透過させる。カバー5は、自動車Bなどの重量物が載っても耐えることができるように頑強に形成されている。
マイクロ波発生装置6は、発生させたマイクロ波を送電アンテナ2に供給する。
循環ポンプ8は、循環路43を介して流路40の水を循環させる。熱交換器9は、流路40から流出口42を経て循環路43へと導かれた水から熱を奪い去り、その水を循環ポンプ8へと送り出す。これにより、流路40内においてマイクロ波の吸収・減衰により昇温した水は、熱交換器9により冷却された後、再び流路40へと導かれて循環される。
これにより、送電アンテナ2は、受電アンテナ1に向けてマイクロ波を送出する。マイクロ波は、たとえば周波数が2450MHz、波長λが略120mmの特性をもつ。なお、走行中の自動車Bが無線電力供給装置A上を通過する際に、送電アンテナ2から受電アンテナ1に向けてマイクロ波を送出させるようにしてもよい。
流路40の断面深さ寸法dは、150mm程度である。これにより、流路40を通って遮蔽部材3に達するまでのマイクロ波は、流路40内の水によってエネルギーが約1/4以下まで減少させられる。
反射したマイクロ波の一部は、再び液体循環ジャケット4を透過して導波路Wの方へと進行する。この際、先述したように、マイクロ波は、流路40内の水によって吸収・減衰されるため、エネルギーが約1/4以下まで減少する。すなわち、液体循環ジャケット4を透過して遮蔽部材3で反射し、再び液体循環ジャケット4を透過して導波路Wへと至るマイクロ波は、エネルギーが約1/16以下まで減少させられる。
すなわち、流路40内の水は、マイクロ波の減衰材として機能するとともに、装置全体の冷却材としての機能も果たす。これにより、無線電力供給装置Aは、マイクロ波の送出に伴う温度上昇が効果的に抑えられる。
これにより、流路40内の水は、循環路43を介してスムーズに流れやすくなっており、これからも効率よく冷却される。
1 受電アンテナ
2 送電アンテナ
3 遮蔽部材
4 液体循環ジャケット(吸収手段)
Claims (5)
- 無線電力供給用の電磁波を送出する送電アンテナと、
前記送電アンテナの周囲に配置され、当該送電アンテナからの電磁波を遮蔽する遮蔽部材と、を備えた無線電力供給装置であって、
前記送電アンテナからの電磁波が前記遮蔽部材へと進行する経路上に、前記遮蔽部材の内壁面を覆うように当該電磁波を吸収するための吸収手段が設けられ、
前記吸収手段は、電磁波吸収特性をもつ液体を内部に形成した流路に収容するとともに当該液体を前記流路を通じて循環させる液体循環ジャケットからなることを特徴とする、無線電力供給装置。 - 前記液体循環ジャケットには、前記流路に通じる前記液体の流入口と流出口とが設けられ、前記流出口は前記流入口に比べて高い位置に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の無線電力供給装置。
- 前記液体循環ジャケットの外部に、前記流入口と前記流出口との間に前記液体の循環路が形成されており、前記循環路上には熱交換器が設けられ、前記流路内において電磁波の吸収・減衰により昇温した前記液体が前記熱交換器により冷却されることを特徴とする、請求項2に記載の無線電力供給装置。
- 前記送電アンテナは地中に配置されており、地面に向かって電磁波を送出することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の無線電力供給装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の無線電力供給装置と、
前記送電アンテナから送出された電磁波を受電する受電アンテナと、
を備え、
前記吸収手段は、前記送電アンテナと前記受電アンテナとの間の空間を包囲するように設けられていることを特徴とする、無線電力供給システム。
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