JP5755525B2 - 直接接触式熱交換器およびこれを用いた固体高分子型燃料電池システム - Google Patents

直接接触式熱交換器およびこれを用いた固体高分子型燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、直接接触式熱交換器およびこれを用いた固体高分子型燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池システムにおいて、電解質膜の乾燥による燃料電池スタックの劣化を防ぐために、一般的に燃料電池スタックに燃料ガスや酸化剤ガスを供給する前に、その燃料ガスや酸化剤ガスの加湿が行われる。燃料ガスや酸化剤ガスを燃料電池スタック外部で予め加湿すると、燃料電池スタック内部で燃料ガスや酸化剤ガスへ移動する水蒸気が減少する。また、これに伴って燃料電池スタックから失われる蒸発潜熱が低減される。その結果、燃料電池スタックを高い温度に保つ事ができる。燃料電池スタックの高温運転は、定置用燃料電池システムなどの電気エネルギーと熱エネルギーのコージェネレーションシステムにおいて、高い温度の熱回収を実現し、回収した熱エネルギーを湯として溜める貯湯槽の容量削減につながる。
燃料電池スタックから排出される湿度の高いアノード排ガスやカソード排ガスを中空糸膜などの水分透過膜を介して燃料ガスや酸化剤ガスと間接的に接触させることによって、燃料ガスや酸化剤ガスを加湿できる。燃料電池システム内部を循環する純水を燃料ガスや酸化剤ガスの加湿に利用する事も可能である。この場合、たとえば燃料電池スタックの熱を回収して温度が上昇した電池冷却水などの純水を、水分透過膜を介して燃料ガスや酸化剤ガスと間接的に接触させる方法や、純水を燃料ガスや酸化剤ガスと直接接触させる方法がある。
純水を燃料ガスや酸化剤ガスと直接接触させる方法は直接接触式熱交換器という形で実現でき、流体を直接接触させる事で得られる高い熱伝達率が燃料ガスや酸化剤ガスの効果的な加湿につながる。また、燃料ガスや酸化剤ガスと電池冷却水を直接接触させると電池冷却水に含まれる二酸化炭素が燃料ガスや酸化剤ガスへ移動するため、純水ラインの二酸化炭素濃度を低く保つために必要であった脱炭酸塔を燃料電池システムから削除できる。
純水を用いて燃料ガスや酸化剤ガスを加湿する直接接触式熱交換器として、容器に溜めた純水の中にガスを通過させる方法がある。この方法は、必要な加湿能力に合わせた深さの水中に燃料ガスまたは酸化剤ガスを流すため、水頭圧分の高い圧力損失が燃料ガスまたは酸化剤ガスに伴う。また、純水をスプレーノズルなどからガスの流れの中に散水して直接接触を行う方法は、純水を噴霧する際に高い圧力損失(一流体ノズルの場合は純水の圧力損失、二流体ノズルの場合は燃料ガスまたは酸化剤ガスの圧力損失)が発生する。
圧力損失が低い直接接触式熱交換器として、充填材の表面で燃料ガスまたは酸化剤ガスと純水とを接触させる方式が挙げられる。この場合、燃料ガスまたは酸化剤ガスは筐体下部から上部へ充填材の隙間を通って流れ、純水は筐体上部から下部へ充填材に沿って流れる。しかし、ランダムに配置された充填材の表面では、純水が優先的に流れる流路が発生し、筐体全体に純水が分散しない。そのため、純水と接触せずに直接接触式熱交換器を通過する燃料ガスや酸化剤ガスの割合が大きくなる。その結果、十分な加湿能力を確保するためには機器の全長を高くする事が必要になる。
特開2004−273350号公報 特開2004−31073号公報 特開2004−363027号公報 特開2007−227252号公報 特開2005−294116号公報
定置用燃料電池システムでは、燃料ガスや酸化剤ガスは通常ブロワによって昇圧されて燃料電池スタックに送り込まれる。このため、加湿装置の設置による燃料ガスラインや酸化剤ガスラインの圧力損失上昇はブロワ動力の拡大につながる。同じように、加湿装置による純水ラインの圧力損失上昇はポンプ動力に影響する。
燃料電池システムにおいて、補機動力の増加はシステム全体の発電効率の低下につながるため、ブロワやポンプの動力低減に向けた、加湿装置の圧力損失低減は重要な設計要素である。さらに、燃料電池システム内での加湿装置の設置スペースを削減するために、加湿装置を小型化することが望まれる。しかし、燃料ガスや酸化剤ガス加湿用の直接接触式熱交換器において、機器の低圧力損失化と小型化の両立が困難である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、直接接触式熱交換器を小型化かつ低圧力損失化することである。
実施形態の直接接触式熱交換器は、頂部から加湿水が供給される水入口と底部から前記加湿水が排出される水出口と側面からガスが流入するガス入口と前記側面の前記ガス入口よりも高い位置から前記ガスが流出するガス出口とが形成された筒状の筐体と、前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記ガスが水平に流れるように前記筐体の底部から頂部に向かって1段目からm段目(mは2以上の整数)まで順に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持するm段の棚板と、前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記m段の棚板のうちの1段目の棚板と前記筐体の底部との間、前記m段の棚板のうちの2つの棚板の間、および、前記m段の棚板のうちのm段目の棚板と前記筐体の頂部との間にそれぞれ互いに離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持する複数の中板と、を具備し、前記m段の棚板の第1辺と前記筐体の内側面との間と、前記複数の中板の第1辺および第1辺に交わらない第2辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガスを上昇させるための空間であるガス上昇部が設けられ、前記ガスが前記ガス入口から蛇行しながら上昇して前記ガス出口から流出させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わらない第2辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられ、前記加湿水が前記水入口から蛇行しながら下降して前記水出口から排出させるために、前記m段の棚板と前記筐体の内側面との間、および、前記複数の中板と前記筐体の内側面との間には、前記m段の棚板および前記複数の中板の上に一旦保持された前記加湿水を落下させるための空間である水下降部が設けられている、ことを特徴とする。
また、実施形態の直接接触式熱交換器は、頂部から加湿水が供給される水入口と底部から前記加湿水が排出される水出口と側面からガスが流入するガス入口と前記側面の前記ガス入口よりも高い位置から前記ガスが流出するガス出口とが形成された筐体と、前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記ガスが水平に流れるように前記筐体の底部から頂部に向かって1段目からm段目(mは2以上の整数)まで順に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持する、メッシュ状または多孔質の材料で形成されたm段の棚板と、を具備し、前記m段の棚板の第1辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガスを上昇させるための空間であるガス上昇部が設けられ、前記ガスが前記ガス入口から蛇行しながら上昇して前記ガス出口から流出させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わらない第2辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられ、前記加湿水が前記水入口から蛇行しながら下降して前記水出口から排出させるために、前記m段の棚板と前記筐体の内側面との間には、前記m段の棚板の上に一旦保持された前記加湿水を落下させるための空間である水下降部が設けられており、前記m段の棚板の上に一旦保持された前記加湿水を前記水下降部により落下させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わる第3辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガス上昇部より小さい空間である前記水下降部が形成され、前記水下降部から落下する前記加湿水を前記m段の棚板が受け止められるように、前記m段の棚板の第3辺に交わらない第4辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられていることを特徴とする。
また、実施形態の固体高分子型燃料電池システムは、直接接触式熱交換器と、前記直接接触式熱交換器で加湿されたガスが燃料極および酸化剤極のいずれかに供給される燃料電池スタックと、を具備し、前記直接接触式熱交換器は、頂部から加湿水が供給される水入口と底部から前記加湿水が排出される水出口と側面からガスが流入するガス入口と前記側面の前記ガス入口よりも高い位置から前記ガスが流出するガス出口とが形成された筒状の筐体と、前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記ガスが水平に流れるように前記筐体の底部から頂部に向かって1段目からm段目(mは2以上の整数)まで順に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持するm段の棚板と、前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記m段の棚板のうちの1段目の棚板と前記筐体の底部との間、前記m段の棚板のうちの2つの棚板の間、および、前記m段の棚板のうちのm段目の棚板と前記筐体の頂部との間にそれぞれ互いに離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持する複数の中板と、を具備し、前記m段の棚板の第1辺と前記筐体の内側面との間と、前記複数の中板の第1辺および第1辺に交わらない第2辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガスを上昇させるための空間であるガス上昇部が設けられ、前記ガスが前記ガス入口から蛇行しながら上昇して前記ガス出口から流出させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わらない第2辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられ、前記加湿水が前記水入口から蛇行しながら下降して前記水出口から排出させるために、前記m段の棚板と前記筐体の内側面との間、および、前記複数の中板と前記筐体の内側面との間には、前記m段の棚板および前記複数の中板の上に一旦保持された前記加湿水を落下させるための空間である水下降部が設けられている、ことを特徴とする。
本発明によれば、直接接触式熱交換器を小型化かつ低圧力損失化することができる。
第1の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=3、n=3)の立断面であって図3のI−I矢視立断面図である。 図1のII−II矢視立断面図である。 図1のIII−III矢視平断面図である。 第2の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=3、n=3)の立断面であって図6のIV−IV矢視立断面図である。 図4のV−V矢視立断面図である。 図4のVI−VI矢視平断面図である。 第3の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=3、n=1)の立断面図である。 図7のVIII−VIII矢視立断面図である。 第4の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=3)の立断面図である。 図9のX−X矢視立断面図である。 第5の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=5、n=1)の立断面図である。 図11において水流路を示す図である。 図11においてガス流路を示す図である。 第5の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=5、n=2)の立断面図である。 第5の実施形態に係る直接接触式熱交換器の変形例であり、m段の棚板の第1辺およびn段の中板の第1辺に設けられる注ぎ口を示す図である。 第6の実施形態に係る直接接触式熱交換器(m=5、n=1)の立断面図である。 各実施形態に係る直接接触式熱交換器に適用される固体高分子型燃料電池システムを示すブロック図である。
本発明に係る直接接触式熱交換器の実施形態を、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複する説明は省略する。
図17は、各実施形態に係る直接接触式熱交換器に適用される固体高分子型燃料電池システムの一例を示すブロック図である。図17に示されるように、固体高分子型燃料電池システムは、燃料処理装置100と、燃料電池スタック200と、を具備している。燃料処理装置100は、改質器102と、一酸化炭素(以下、CO)変成器103と、CO除去器104と、直接接触式熱交換器1Aおよび1Bと、を具備している。
直接接触式熱交換器1Aは、可燃性の燃料ガスと水蒸気とを取り入れて、改質器102に供給する。改質器102は、直接接触式熱交換器1Aからの燃料ガスおよび水蒸気と空気とを取り入れて、水素を含む改質燃料ガスを生成する。CO変成器103は、改質器102で生成された改質燃料ガス中のCOを低減して、CO変成改質燃料ガスを生成する。CO除去器104は、CO変成器103により生成されたCO変成改質燃料ガスと、水蒸気と、空気とを取り入れて、COを選択的に酸化燃焼させて二酸化炭素にすることにより、COを除去したCO除去改質燃料ガスを生成する。このCO除去改質燃料ガスは燃料電池スタック200のアノード極に供給される。
直接接触式熱交換器1Bは、空気と水蒸気とを取り入れて、空気を含む酸化剤ガスを生成する。この酸化剤ガスは燃料電池スタック200のカソード極に供給される。
燃料電池スタック200は、カソード極に供給される酸化剤ガスとアノード極に供給される燃料ガス(CO除去改質燃料ガス)とが電気化学的に反応することにより、酸素と水素から水を生成する過程で電気エネルギーを発生させる。
直接接触式熱交換器1Aおよび1Bは同じ構造である。このため、直接接触式熱交換器1Bについてのみ説明し、この場合、直接接触式熱交換器1Bに用いられるガスとして酸化剤ガスを例にし、本発明に係る直接接触式熱交換器の実施形態を説明する。また、以下の説明では直接接触式熱交換器1Bを単に直接接触式熱交換器1と称する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面であって図3のI−I矢視立断面図である。図2は、図1のII−II矢視立断面図である。図3は、図1のIII−III矢視平断面図である。
図1に示されるように、本実施形態の直接接触式熱交換器1は、筐体2と、リキッドドレイナー7と、m段(mは2以上の整数)の棚板8と、n段(nは1以上の整数)の中板10とを具備している。
筐体2は、筒状、たとえば箱型に形成されている。この筐体2は、筐体2の頂部には水入口5が形成され、加湿に用いられる加湿水20が水入口5から供給される。加湿水20は、純水であることが好ましい。筐体2の底部には水出口6が形成され、加湿水20が水出口6から排出される。筐体2の側面にはガス入口3が形成され、酸化剤ガス(たとえば空気)がガス入口3から流入する。筐体2の側面の頂部近く(少なくともガス入口3よりも高い位置)にはガス出口4が形成され、加湿された酸化剤ガスがガス出口4から流出する。
水出口6には、リキッドドレイナー7が設けられている。リキッドドレイナー7は、ガスの漏出を防止し、かつ、水の排出を可能にする。ここで、リキッドドレイナー7の代わりに、Uシールを設けてもよい。
m段の棚板8は、筐体2内に形成された多角形状(たとえば長方形状)の板であり、筐体2内で水平かつ互いに平行に設けられている。そのm段の棚板8は、酸化剤ガスが水平に流れるように筐体2の底部から頂部に向かって1段目からm段目まで順に離れて設けられ、落下する加湿水20を一旦保持する。本実施形態において、mは3であるものとする。
n段の中板10は、筐体2内に形成された多角形状(たとえば長方形状)の板であり、筐体2内で3段の棚板8に対して平行に設けられている。そのn段の中板10は、3段の棚板8のうちの1段目の棚板8と筐体2の底部との間、3段の棚板8のうちの2つの棚板8の間、および、3段の棚板8のうちの3段目の棚板8と筐体2の頂部との間にそれぞれ互いに離れて設けられ、落下する加湿水20を一旦保持する。本実施形態において、nは3であるものとする。
図1に示されるように、3段の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間と、3段の中板10の第1辺10aおよび第1辺10aに交わらない第2辺10bと筐体2の内側面との間には、ガス上昇部21が設けられている。ガス上昇部21は、酸化剤ガスを上昇させるための空間である。その酸化剤ガスがガス入口3から蛇行しながら上昇してガス出口4から流出させるガス流路を形成するために、3段の棚板8の第1辺8aに交わらない第2辺8bは、上下で互い違いになるように筐体2の内側面に設けられている。
図2および図3に示されるように、加湿水20が水入口5から蛇行しながら下降して水出口6から排出させる水流路を形成するために、3段の棚板8の第1辺8aに交わる第3辺8cと筐体2の内側面との間、および、n段の中板10の第1辺10aに交わる第3辺10cと筐体2の内側面との間には水下降部22が設けられている。水下降部22は、3段の棚板8および3段の中板10の上に一旦保持された加湿水20を落下させるための空間である。また、水下降部22は、ガス上昇部21より小さい空間であり、実質的にガスが水下降部22を通過しないようになっている。
具体的には、水下降部22は、水入口5から供給された加湿水20が上から下に通過可能な程度の大きさとなっている。その水下降部22から落下する加湿水20を3段の棚板8および3段の中板10が受け止められるように、3段の中板10の第3辺10cに交わらない第4辺10dおよび3段の棚板8の第3辺8cに交わらない第4辺8dは、上下で互い違いになるように筐体2の内側面に設けられている。
水流路における加湿水20の流れについて説明する。
加湿水20は、水入口5から供給されると、まず、最も高い位置の中板10(下から3段目の棚板8と筐体2の頂部との間に設けられた3段の中板10のうちの、下から3段目の中板10)に落下し、その中板10の上面に広がる。その中板10の上面に加湿水20が十分に供給されていれば、その中板10の上面では加湿水20を一旦保持できなくなり、その中板10の第3辺10cと筐体2の内側面との間に形成された水下降部22などから落下する。水下降部22から落下した加湿水20は、その水下降部22の下方に位置する中板10(下から2段目の中板10)で受け止められて、その中板10の上面に広がる。
その中板10の上に一旦保持された加湿水20は、その中板10の第3辺10cと筐体2の内側面との間に形成された水下降部22などから落下し、その水下降部22の下方に位置する中板10(下から1段目の中板10)で受け止められて、その中板10の上面に広がる。その中板10の上に一旦保持された加湿水20は、その中板10の第3辺10cと筐体2の内側面との間に形成された水下降部22などから落下し、その水下降部22の下方に位置する棚板8(下から3段目の棚板8)で受け止められて、その棚板8の上面に広がる。
ここで、加湿水20が上述の棚板8および中板10以外に位置する棚板8および中板10に落下する場合でも、加湿水20の流れは上述と同様である。
このようにして、加湿水20は、水入口5から蛇行しながら下降して水出口6から排出される。
次に、ガス流路における酸化剤ガスの流れについて説明する。
酸化剤ガスは、ガス入口3から供給されて、まず、下から1段目の棚板8と筐体2の底部との間に流れる。下から1段目の棚板8と筐体2の底部との間の酸化剤ガスは、下から1段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から1段目の棚板8と下から2段目の棚板8との間に流れる。下から1段目の棚板8と下から2段目の棚板8との間の酸化剤ガスは、下から2段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から2段目の棚板8と下から3段目の棚板8との間に流れる。下から2段目の棚板8と下から3段目の棚板8との間の酸化剤ガスは、下から3段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から3段目の棚板8と筐体2の頂部との間に流れる。
このようにして、酸化剤ガスは、ガス入口3から蛇行しながら上昇してガス出口4から排出される。この際、酸化剤ガスは、3段の棚板8および3段の中板10の上に保持された加湿水20と接触する。これにより、酸化剤ガスは加湿される。加湿された酸化剤ガスは、燃料電池の酸化剤極に供給される。
本実施形態において、3段の中板10は、3段の棚板8に対して平行に設けられているため、ガス流路の圧力損失の増加にはほとんど寄与しない上に、加湿水20と酸化剤ガスの接触面積を、その中板10の上面分増加させることができる。その結果、加湿能力が増大し、それに伴って小型化が可能になる。したがって、本実施形態によれば、低圧力損失かつ小型の直接接触式熱交換器1を提供できる。特に、固体高分子型燃料電池システムにおける直接接触式熱交換器では、加湿水20の流量が非常に小さく、かつ、流れるガスの流量が非常に大きいため、低圧力損失への要求は高い。このため、本実施形態の直接接触式熱交換器1が有効である。
また、本実施形態において、中板10が設置された場合では、中板10が設置されない場合に比べて、加湿水20と酸化剤ガスの接触面積が数倍も上がる。基本的に、中板10の枚数が増加すると、加湿能力がさらに増大するが、2つの中板10の間隔や中板10と棚板8との間隔が狭すぎると、板と板との間を加湿水20が完全に塞いでしまい、酸化剤ガスが板と板との間を通過できなくなる可能性がある。そこで、板と板との間隔は、5mm〜20mm程度が適切である。
また、本実施形態においては、酸化剤ガスを加湿する直接接触式熱交換器1について説明したが、燃料ガスを加湿する場合にも適用可能である。
また、本実施形態において、ガス流路のターン部にカーブ構造を設けてもよい。すなわち、ガス流路のうちの、ガスがガス上昇部21を通る部分の流路を滑らかに曲げる構造体を設けてもよい。これにより、ガス上昇部21の部分、すなわちガスの流れの方向が変わる部分で、圧力損失が低減される。
このカーブ構造の半径は小さすぎると圧力損失の低減にあまり貢献しないが、大きすぎるとガス流路を狭めて圧力損失拡大の要因になりうる。そこで、適切な値を選択する事が重要になる。この場合、カーブ構造の半径を筐体2の内部をガスが垂直に流れる流路の幅あるいはガスが水平に流れる流路の高さのどちらか小さい寸法に合わせることが好ましい。このような半径を選択すると、カーブ構造におけるガスの流路が、カーブ構造を設けない場合のターン部の最も狭い箇所よりも狭くはならない。このようにカーブ構造を設けることで、ターン部圧力損失係数を30%程度に低減できる。
また、本実施形態において、棚板8および中板10の少なくとも一方の板には、高い親水性を有するメッシュ状あるいは多孔状の材料が用いられてもよい。このような材料を用いると、毛細管現象により純水が板全体に拡がると同時に、板の両面が濡れる。その結果、酸化剤ガスと加湿水20との接触面積が増大し、加湿能力が増大し、それに伴って小型化が可能になる。
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面であって図6のIV−IV矢視立断面図である。図5は、図4のV−V矢視立断面図である。図6は、図4のVI−VI矢視平断面図である。
図4に示されるように、本実施形態の直接接触式熱交換器1は、第1の実施形態の構成に対して、さらに、堰11を具備している。ここで、棚板8の段数mおよび中板10の段数nは3であるものとする。
図4〜図6に示されるように、堰11は、棚板8および中板10の上面に、筐体2の内側面に接しない辺8a、8c、10a、10b、10cに沿って設けられている。
直接接触式熱交換器1を固体高分子型燃料電池システムに設置する際、棚板8および中板10が完全に水平になるように設置することは困難である。棚板8および中板10の水平に対する傾きが大きくなると、その傾きに沿って棚板8および中板10の加湿水20が流れてしまい、酸化剤ガスと加湿水20との接触面積を十分に確保できない可能性がある。
そこで、本実施形態では、棚板8および中板10の外縁に堰11を設けることにより、棚板8および中板10が傾いていたとしても加湿水20を棚板8および中板10の上面全体に確実に拡げることができる。つまり、堰11の設置によって、機器の傾きによる酸化剤ガスと加湿水20との接触面積の低減を抑制し、加湿能力が安定する。
加湿水20を棚板8および中板10の上面全面に確実に拡げるには、堰11を高くすることが好ましい。しかし、堰11を高くすると、棚板8および中板10の上面の水位が高くなり、ガス流路断面積が減少する。ガス流路断面積の減少は、ガス圧力損失の増大につながる。そこで、堰11の高さは1〜2mm程度が適切である。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面図である。図8は、図7のVIII−VIII矢視立断面図である。
図7に示されるように、本実施形態の直接接触式熱交換器1では、第1および2の実施形態に対して、中板10の構成が異なる。ここで、棚板8の段数mは3であるものとし、中板10の段数nは1であるものとする。
本実施形態において、中板10は、折れ曲がりながら下降するプリーツ状に形成されている。また、棚板8の上下の中板10は、その棚板8と筐体2との間に形成された水下降部22で連結されている。水下降部22は、棚板8のたとえば中央付近にガスの流れの方向に沿って延びるスリットとして形成してもよい。その結果、一台の直接接触式熱交換器1中に設けられた中板10は、一体として形成されている。
具体的には、図8に示されるように、中板10は、順番に連結された複数の傾斜部10−1〜10−4を備えている。複数の傾斜部10−1〜10−4のうちの奇数番目の傾斜部は、その上端部が複数の傾斜部10−1〜10−4のうちの偶数番目の傾斜部の下端部と連結し、かつ、水平に対して傾いている。偶数番目の傾斜部は、その上端部が奇数番目の傾斜部の下端部と連結し、かつ、奇数番目の傾斜部とは反対側に傾いている。
たとえば傾斜部10−1〜10−4がこの順で1番目から4番目まで連結している場合、最も高い傾斜部10−4の上面を流れた加湿水20は、その下の傾斜部10−3と連結した端部で傾斜部10−3の下面に付着し、傾斜部10−3の下面に沿って流れる。傾斜部10−3の下面を流れた加湿水20は、その下の傾斜部10−2と連結した端部で傾斜部10−2の上面に付着し、傾斜部10−2の上面に沿って流れる。傾斜部10−2の上面を流れた加湿水20は、その下の傾斜部10−1と連結した端部で傾斜部10−1の下面に付着し、傾斜部10−1の下面に沿って流れる。
したがって、中板10の少なくとも一方の表面に沿って、加湿水20が流れる。その結果、加湿水20と酸化剤ガスとの接触面積を大きくすることができる。また、中板10の全ての傾斜部は、ガス流路のうちの、水平な流路に平行に広がっているため、圧力損失の増大にはほとんど寄与しない。
また、棚板8の上下の中板10をその棚板8と筐体2との間に形成された水下降部22で連結することにより、中板10を一体として形成することができる。その結果、複数(nが2以上)の中板10を筐体2内に設置する場合に比べて、構造が簡素化され、製造が容易になる。
[第4の実施形態]
図9は、第4の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面図である。図10は、図9のX−X矢視立断面図である。
図9および図10に示されるように、本実施形態の直接接触式熱交換器1では、第1〜第3の実施形態に対して、中板10が構成要素に含まれないが、m段の棚板8の材質が異なる。本実施形態において、棚板8の段数mは3であるものとする。
3段の棚板8は、高い親水性を有するメッシュ状あるいは多孔状の材料で形成されている。この場合、毛細管現象により純水が棚板8の全体に拡がると同時に、棚板8の両面が濡れる。その結果、酸化剤ガスと加湿水20との接触面積が増大し、加湿能力が増大し、それに伴って小型化が可能になる。
[第5の実施形態]
図11は、第5の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面図である。図12は、図11において加湿水が水入口から蛇行しながら下降して水出口から排出される様子を示す図である。図13は、図11においてガスがガス入口から蛇行しながら上昇してガス出口から流出される様子を示す図である。
図11に示されるように、本実施形態の直接接触式熱交換器1は、第1〜第3の実施形態に対して、m段の棚板8およびn段の中板10の配置と水入口5の数とが異なる。本実施形態において、棚板8の段数mは5であり、中板10の段数nは1であるものとする。
図12に示されるように、5段の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間と、1段の中板10の第1辺10aおよび第1辺10aに交わらない第2辺10bと筐体2の内側面との間には、ガス上昇部21が設けられている。ガス上昇部21は、酸化剤ガスを上昇させるための空間である。その酸化剤ガスがガス入口3から蛇行しながら上昇してガス出口4から流出させるガス流路を形成するために、5段の棚板8の第1辺8aに交わらない第2辺8bは、上下で互い違いになるように筐体2の内側面に設けられている。
図11〜図13に示されるように、水入口5は、(n+1)個設けられている。ここで、nは1であるため、水入口5は、2個設けられている。2個の水入口5を第1水入口5aおよび第2水入口5bと称する。
図13に示されるように、5段の棚板8のうちの1つの棚板8と1段の中板10は、2個の水入口5に一対一に対応して2通りの水下降部22、すなわち、第1水下降部22aおよび第2水下降部22bを形成する。第1水下降部22aおよび第2水下降部22bは、5段の棚板8および1段の中板10の上に一旦保持された加湿水20を落下させるための空間である。その加湿水20を第1水下降部22aおよび第2水下降部22bにより落下させるために、5段の棚板8の第1辺8aと1段の中板10の第1辺10aは、筐体2内で互いにずれている。第1水下降部22aおよび第2水下降部22bから落下する加湿水20を5段の棚板8および1段の中板10が受け止められるように、5段の棚板8の第2辺8bと1段の中板10の第2辺10bは、筐体2内で互いにずれている。このように、第1水下降部22aおよび第2水下降部22bにより、加湿水20が水入口5から蛇行しながら下降して水出口6から排出させる水流路を2通り形成する。
2通りの水流路における加湿水20の流れについて説明する。
加湿水20は、2個の水入口5から供給される。
このとき、第1水入口5aから供給された加湿水20は、まず、最も高い位置の中板10(下から5段目の棚板8と筐体2の頂部との間に設けられた中板10)に落下し、その中板10の上面に広がる。その中板10の上面に加湿水20が十分に供給されていれば、その中板10の上面では加湿水20をすべては保持できなくなり、その中板10の第1辺10aと筐体2の内側面との間に形成された第1水下降部22aなどから落下する。第1水下降部22aから落下した加湿水20は、その第1水下降部22aの下方に位置する棚板8(下から4段目の棚板8)で受け止められて、その棚板8の上面に広がる。
同時に、第2水入口5bから供給された加湿水20は、まず、最も高い位置の棚板8(下から5段目の棚板8)に落下し、その棚板8の上面に広がる。その棚板8の上面に加湿水20が十分に供給されていれば、その棚板8の上面では加湿水20をすべては保持できなくなり、その棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成された第2水下降部22bなどから落下する。第2水下降部22bから落下した加湿水20は、その第2水下降部22bの下方に位置する中板10(下から4段目の棚板8と下から5段目の棚板8との間に設けられた中板10)で受け止められて、その中板10の上面に広がる。
ここで、加湿水20が上述の棚板8および中板10以外に位置する棚板8および中板10に落下する場合でも、加湿水20の流れは上述と同様である。
このようにして、加湿水20は、第1水入口5aおよび第2水入口5bから蛇行しながら下降して水出口6から排出される。
次に、ガス流路における酸化剤ガスの流れについて説明する。
酸化剤ガスは、ガス入口3から供給されて、まず、下から1段目の棚板8と筐体2の底部との間に流れる。下から1段目の棚板8と筐体2の底部との間の酸化剤ガスは、下から1段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から1段目の棚板8と下から2段目の棚板8との間に流れる。下から1段目の棚板8と下から2段目の棚板8との間の酸化剤ガスは、下から2段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から2段目の棚板8と下から3段目の棚板8との間に流れる。下から2段目の棚板8と下から3段目の棚板8との間の酸化剤ガスは、下から3段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から3段目の棚板8と下から4段目の棚板8との間に流れる。下から3段目の棚板8と下から4段目の棚板8との間の酸化剤ガスは、下から4段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から4段目の棚板8と下から5段目の棚板8との間に流れる。下から4段目の棚板8と下から5段目の棚板8との間の酸化剤ガスは、下から5段目の棚板8の第1辺8aと筐体2の内側面との間に形成されたガス上昇部21から上昇し、下から5段目の棚板8と筐体2の頂部との間に流れる。
このようにして、酸化剤ガスは、ガス入口3から蛇行しながら上昇してガス出口4から排出される。この際、酸化剤ガスは、5段の棚板8および1段の中板10の上に保持された加湿水20と接触する。これにより、酸化剤ガスは加湿される。加湿された酸化剤ガスは、燃料電池の酸化剤極に供給される。
本実施形態において、1段の中板10は、5段の棚板8に対して平行に設けられているため、ガス流路の圧力損失の増加にはほとんど寄与しない上に、加湿水20と酸化剤ガスの接触面積を、その中板10の上面分増加させることができる。その結果、加湿能力が増大し、それに伴って小型化が可能になる。したがって、本実施形態によれば、低圧力損失かつ小型の直接接触式熱交換器1を提供できる。特に、固体高分子型燃料電池システムにおける直接接触式熱交換器では、加湿水20の流量が非常に小さく、かつ、流れるガスの流量が非常に大きいため、低圧力損失への要求は高い。このため、本実施形態の直接接触式熱交換器1が有効である。
また、本実施形態において、nは2以上でもよい。たとえば、nは2でもよい。図14は、第5の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面図である。この場合、2段の中板10は、下から1段目の棚板8と筐体2の底部との間、2つの棚板8の間、および、下から5段目の棚板8と筐体2の頂部との間にそれぞれ互いに離れて設けられる。この2段の中板10により、水入口5は、3個設けられている。3個の水入口5を第1〜第3水入口5a〜5cと称する。5段の棚板8のうちの1つの棚板8と2段の中板10は、第1〜第3水入口5a〜5cに一対一に対応して3通りの水下降部22を形成する。この3通りの水下降部22により、水流路を3通り形成する。
また、本実施形態において、m段の棚板8およびn段の中板10の上に一旦保持された加湿水20をm段の棚板8の第1辺8aおよびn段の中板10の第1辺10aから落下させているが、さらに、加湿水20が落下する位置を特定してもよい。図15は、第5の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の変形例であり、m段の中板の第1辺およびn段の棚板の第1辺に設けられる注ぎ口を示す図である。たとえば、m段の棚板8の第1辺8aおよびn段の中板10の第1辺10aの中央部分には、加湿水20を落下しやすくさせるための注ぎ口12が設けられている。この注ぎ口12により、m段の棚板8の第1辺8aおよびn段の中板10の第1辺10aの中央部分から加湿水20が落下する。
[第6の実施形態]
図16は、第6の実施形態に係る直接接触式熱交換器1の立断面図である。
図16に示されるように、本実施形態の直接接触式熱交換器1は、第5の実施形態の構成に対して、さらに、堰11を具備している。ここで、棚板8の段数mは5であり、中板10の段数nは1であるものとする。
堰11は、第2の実施形態(図4〜図6)の堰11と同様のものであって、棚板8および中板10の上面に、筐体2の内側面に接しない辺8a、10a、10bに沿って設けられている。
直接接触式熱交換器1を固体高分子型燃料電池システムに設置する際、棚板8および中板10が完全に水平になるように設置することは困難である。棚板8および中板10の水平に対する傾きが大きくなると、その傾きに沿って棚板8および中板10の加湿水20が流れてしまい、酸化剤ガスと加湿水20との接触面積を十分に確保できない可能性がある。
そこで、本実施形態では、棚板8および中板10の外縁に堰11を設けることにより、棚板8および中板10が傾いていたとしても加湿水20を棚板8および中板10の上面全体に確実に拡げることができる。つまり、堰11の設置によって、機器の傾きによる酸化剤ガスと加湿水20との接触面積の低減を抑制し、加湿能力が安定する。
加湿水20を棚板8および中板10の上面全面に確実に拡げるには、堰11を高くすることが好ましい。しかし、堰11を高くすると、棚板8および中板10の上面の水位が高くなり、ガス流路断面積が減少する。ガス流路断面積の減少は、ガス圧力損失の増大につながる。そこで、堰11の高さは1〜2mm程度が適切である。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、また各実施形態の特徴を組み合わせることができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 … 直接接触式熱交換器
1A … 直接接触式熱交換器
1B … 直接接触式熱交換器
2 … 筐体
3 … ガス入口
4 … ガス出口
5 … 水入口
5a … 第1水入口
5b … 第2水入口
5c … 第3水入口
6 … 水出口
7 … リキッドドレイナー
8 … 棚板
8a … 棚板の第1辺
8b … 棚板の第2辺
8c … 棚板の第3辺
8d … 棚板の第4辺
10 … 中板
10a … 中板の第1辺
10b … 中板の第2辺
10c … 中板の第3辺
10d … 中板の第4辺
10−1〜10−4 … 傾斜部
11 … 堰
12 … 注ぎ口
20 … 加湿水
21 … ガス上昇部
22 … 水下降部
22a … 第1水下降部
22b … 第2水下降部
100 … 燃料処理装置
102 … 改質器
103 … 一酸化炭素(CO)変成器
104 … CO除去器
200 … 燃料電池スタック

Claims (9)

  1. 頂部から加湿水が供給される水入口と、底部から前記加湿水が排出される水出口と、側面からガスが流入するガス入口と、前記側面の前記ガス入口よりも高い位置から前記ガスが流出するガス出口とが形成された筒状の筐体と、
    前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記ガスが水平に流れるように前記筐体の底部から頂部に向かって1段目からm段目(mは2以上の整数)まで順に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持するm段の棚板と、
    前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記m段の棚板のうちの1段目の棚板と前記筐体の底部との間、前記m段の棚板のうちの2つの棚板の間、および、前記m段の棚板のうちのm段目の棚板と前記筐体の頂部との間に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持する中板と、
    を具備し、
    前記m段の棚板の第1辺と前記筐体の内側面との間と、前記中板の第1辺および第1辺に交わらない第2辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガスを上昇させるための空間であるガス上昇部が設けられ、
    前記ガスが前記ガス入口から蛇行しながら上昇して前記ガス出口から流出させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わらない第2辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられ、
    前記加湿水が前記水入口から蛇行しながら下降して前記水出口から排出させるために、前記m段の棚板と前記筐体の内側面との間、および、前記中板と前記筐体の内側面との間には、前記m段の棚板および前記中板の上に一旦保持された前記加湿水を落下させるための空間である水下降部が設けられている、
    ことを特徴とする直接接触式熱交換器。
  2. 前記m段の棚板および前記中板の上に一旦保持された前記加湿水を前記水下降部により落下させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わる第3辺と前記筐体の内側面との間、および、前記中板の第1辺に交わる第3辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガス上昇部より小さい空間である前記水下降部が設けられ、
    前記水下降部から落下する前記加湿水を前記m段の棚板および前記中板が受け止められるように、前記中板の第3辺に交わらない第4辺および前記m段の棚板の第3辺に交わらない第4辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の直接接触式熱交換器。
  3. 前記中板は、順番に連結された複数の傾斜部を備え、
    前記複数の傾斜部のうちの奇数番目の傾斜部は、その上端部が前記複数の傾斜部のうちの偶数番目の傾斜部の下端部と連結し、かつ、水平に対して傾き、
    前記偶数番目の傾斜部は、その上端部が前記奇数番目の傾斜部の下端部と連結し、かつ、前記奇数番目の傾斜部とは反対側に傾いている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の直接接触式熱交換器。
  4. 前記水入口は、(n+1)個(nは1以上の整数)設けられ、
    前記m段の棚板のうちの1つの棚板と前記中板であるn段の中板は、前記(n+1)個の水入口に一対一に対応して(n+1)通りの前記水下降部を形成し、
    前記m段の棚板および前記n段の中板の上に一旦保持された前記加湿水を前記(n+1)通りの水下降部により落下させるために、前記m段の棚板の第1辺と前記n段の中板の第1辺は、前記筐体内で互いにずれていて、
    前記(n+1)通りの水下降部から落下する前記加湿水を前記m段の棚板および前記n段の中板が受け止められるように、前記m段の棚板の第2辺と前記n段の中板の第2辺は、前記筐体内で互いにずれている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の直接接触式熱交換器。
  5. 前記m段の棚板の第1辺および前記n段の中板の第1辺には、前記加湿水を落下しやすくさせるための注ぎ口が設けられている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の直接接触式熱交換器。
  6. 前記棚板および前記中板の上面に、前記筐体の内側面に接しない辺に沿って設けられた堰、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の直接接触式熱交換器。
  7. 前記棚板および前記中板の少なくとも一方の板は、メッシュ状または多孔質の材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の直接接触式熱交換器。
  8. 頂部から加湿水が供給される水入口と、底部から前記加湿水が排出される水出口と、側面からガスが流入するガス入口と、前記側面の前記ガス入口よりも高い位置から前記ガスが流出するガス出口とが形成された筐体と、
    前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記ガスが水平に流れるように前記筐体の底部から頂部に向かって1段目からm段目(mは2以上の整数)まで順に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持する、メッシュ状または多孔質の材料で形成されたm段の棚板と、
    を具備し、
    前記m段の棚板の第1辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガスを上昇させるための空間であるガス上昇部が設けられ、
    前記ガスが前記ガス入口から蛇行しながら上昇して前記ガス出口から流出させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わらない第2辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられ、
    前記加湿水が前記水入口から蛇行しながら下降して前記水出口から排出させるために、前記m段の棚板と前記筐体の内側面との間には、前記m段の棚板の上に一旦保持された前記加湿水を落下させるための空間である水下降部が設けられており、
    前記m段の棚板の上に一旦保持された前記加湿水を前記水下降部により落下させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わる第3辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガス上昇部より小さい空間である前記水下降部が形成され、
    前記水下降部から落下する前記加湿水を前記m段の棚板が受け止められるように、前記m段の棚板の第3辺に交わらない第4辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられている、
    ことを特徴とする直接接触式熱交換器。
  9. 燃料極および酸化剤極を有する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックの燃料極および酸化剤極のいずれかに供給するためのガスを加湿する直接接触式熱交換器と、
    を具備し、
    前記直接接触式熱交換器は、
    頂部から加湿水が供給される水入口と、底部から前記加湿水が排出される水出口と、側面からガスが流入するガス入口と、前記側面の前記ガス入口よりも高い位置から前記ガスが流出するガス出口とが形成された筒状の筐体と、
    前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記ガスが水平に流れるように前記筐体の底部から頂部に向かって1段目からm段目(mは2以上の整数)まで順に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持するm段の棚板と、
    前記筐体内に形成された多角形状の板であり、前記m段の棚板のうちの1段目の棚板と前記筐体の底部との間、前記m段の棚板のうちの2つの棚板の間、および、前記m段の棚板のうちのm段目の棚板と前記筐体の頂部との間に離れて設けられ、落下する前記加湿水を一旦保持する中板と、
    を具備し、
    前記m段の棚板の第1辺と前記筐体の内側面との間と、前記中板の第1辺および第1辺に交わらない第2辺と前記筐体の内側面との間には、前記ガスを上昇させるための空間であるガス上昇部が設けられ、
    前記ガスが前記ガス入口から蛇行しながら上昇して前記ガス出口から流出させるために、前記m段の棚板の第1辺に交わらない第2辺は、上下で互い違いになるように前記筐体の内側面に設けられ、
    前記加湿水が前記水入口から蛇行しながら下降して前記水出口から排出させるために、前記m段の棚板と前記筐体の内側面との間、および、前記中板と前記筐体の内側面との間には、前記m段の棚板および前記中板の上に一旦保持された前記加湿水を落下させるための空間である水下降部が設けられている、
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
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