JP2002098484A - 棚板式直接接触熱交換器 - Google Patents

棚板式直接接触熱交換器

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JP2002098484A
JP2002098484A JP2000292706A JP2000292706A JP2002098484A JP 2002098484 A JP2002098484 A JP 2002098484A JP 2000292706 A JP2000292706 A JP 2000292706A JP 2000292706 A JP2000292706 A JP 2000292706A JP 2002098484 A JP2002098484 A JP 2002098484A
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Koichi Kawamoto
浩一 川本
Yukio Ohashi
幸夫 大橋
Norimitsu Abe
法光 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス中の水分成分を高効率で凝縮して凝縮水
として回収し、冷却液を高温度化して熱回収し、気体成
分は高効率で熱交換して低温化する棚板式直接接触式熱
交換器を提供すること。 【解決手段】 不凝縮性ガスおよび凝縮性ガスの混合し
た熱ガスは、ガス流通用ダクト5の下方に設けられたガ
ス入口ダクト6から流入させ、交互に配置された4枚の
棚板1〜4を蛇行して上昇する熱ガス流路が形成されて
いる。この流路に上記各棚板1〜4に設けた側縁が下方
に突起した凸縁を有する冷却液落下孔12から表面張力
を利用した冷却液滴列をカーテン状に4箇所形成し、こ
の冷却液滴列と上記熱ガス流を直接接触させて前記熱ガ
ス中の凝縮性ガス成分(蒸気成分)を凝縮水に変換して
高効率に温水化し、不凝縮性ガス(熱ガス)を低温化し
て回収する棚板式直接接触式熱交換器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接接触熱交換器
に係り、特に排ガスから熱と凝縮性ガス、例えば水を高
効率に回収する棚板式直接接触熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、地熱発電、蒸気タービン発電、
燃料電池発電などの発電設備には、それぞれ発電効率の
向上、発電コストの低下、排熱回収効率の向上などが常
に求められている。これらの発電設備において排熱を回
収する手段として、共通のダクト内に冷却液と排ガスを
供給し直接接触させて熱交換を行わせる直接接触熱交換
器が高い廃熱回収効率を有し、しかも安価で小形化可能
なものとして注目されている。
【0003】この直接接触熱交換器には、排ガスをダク
トの中に直線的に流通させつつ排ガス流路に冷却液を供
給して熱交換を行うものと、ダクトの中に多数の孔を開
けた棚板を交互に配置し排ガスをこの棚板によって蛇行
させながら棚板の孔から排ガス流路に冷却液を流下させ
て熱交換を行うものがある。前者の直接接触熱交換器に
関する技術は、特開平6−60899号公報および特開
平10−334934号公報に開示されており、後者の
直接接触熱交換器は、特開平10−199558号公報
に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】棚板式直接接触熱交換
器において、より一層熱と凝縮性ガスの回収効率を向上
させるためには、排ガスと冷却液との接触面積を大きく
する必要がある。このガスと冷却液との接触する面積を
増大させる方法には、棚板に設けられる冷却液落下孔の
数を増やして冷却液を広い面積に散水させ、この散水中
にガスを流す方法がある。この冷却液落下孔の数を増や
す方法には、ダクトの床面積を広くし、棚板の面積を大
きくして孔数を増加させることと、ダクトや棚板の面積
は変えず、冷却液落下孔を密に形成して棚板に設ける冷
却液落下孔の数を増やすことによって、冷却液を大量に
散水させ、空間密度を高めることが考えられる。
【0005】しかしながら、前者の方法は、必然的にダ
クトの床面積も広くなり、熱交換器が大きくなって、棚
板式直接接触熱交換器の利点である、安価、小形化可能
という特長が失われてしまうという問題がある。また、
後者の方法では、単位面積当たり、多数の冷却液落下孔
を棚板に密集して明けるため、単位時間あたり大量の冷
却液を棚板上に供給する必要がある。冷却液の供給量が
不充分になると冷却液の落下が不均一になるという問題
がある。また、冷却液が多量に落下するため、冷却液が
高温度とならず、回収熱の再利用が難しいという問題が
あった。
【0006】本発明は、上記点に対処してなされたもの
で、冷却液流量を増加することなく冷却液を効率よく高
温度化して熱回収するとともに、凝縮性ガスも高効率で
回収可能な棚板式直接接触熱交換器を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の棚板式直接接触熱交換器は、不凝縮性ガス
および凝縮性ガスの混合ガスを流通させるためのガス流
通用ダクトと、このガス流通用ダクト内に前記混合ガス
流路に沿って設けられた複数の下方に向いた凸縁を有す
る冷却液落下孔を設けた冷却液落下用棚板と、 前記ガ
ス流通用ダクト内に設けられ前記冷却液落下用棚板上に
冷却液を供給する冷却液供給パイプと、前記冷却液落下
用棚板の各冷却液落下孔から落下する冷却液を受ける前
記ガス流通用ダクト内に設けられた液溜槽とを有するこ
とを特徴とする。
【0008】前記ガス流通用ダクトは、断面円形でも多
角形でもよい。また、前記冷却液落下用棚板は前記ガス
流通用ダクト内に着脱自在に設けられることが望まし
く、1枚に限らず複数枚設けることができる。冷却液落
下用棚板を複数枚設ける場合には、各冷却液落下用棚板
を混合ガスの流路に沿って交互に設け、混合ガスがダク
ト内を蛇行して通過させることが望ましい。
【0009】冷却液落下用棚板に設けられた冷却液落下
孔は、通常円形であるが、長円形、や多角形であっても
よい。冷却液落下孔の口径(非円形の場合は最大口径)
は、この冷却液落下孔が通過する冷却液によって塞がれ
る程度が望ましい。具体的には、冷却液落下孔の口径
は、3〜10mmが望ましく、特に冷却液を連続的に滴
下させるためには3〜7mmの範囲であることが望まし
い。口径が3mm未満では、冷却液の落下量が表面張力
などで極端に少なくなって、熱交換効率が悪くなり、逆
に口径が10mmを超えると、この冷却液落下孔を冷却
液と同時に混合ガスも通過するようになり、均一で高効
率の熱交換が困難となる。
【0010】冷却液落下孔の下方に向いた凸縁は、逆錐
状又は筒状とすることができる。各冷却液落下孔の下方
に向いた凸縁の長さは、0.5mm以上あることが望ま
しい。この凸縁(突起部)は、表面張力の作用により、
先端に冷却液を液滴状に付着させながら液滴を大きく成
長させる。このように冷却液を液滴状にすることは、冷
却液落下孔の流動抵抗が増加することである。冷却液落
下孔の流動抵抗の増加は、冷却液供給量が少ない場合で
も、冷却液が棚板上に溜まり、常に総ての冷却液落下孔
から冷却液が落下(滴下)し、分散性を良くする。
【0011】冷却液落下用棚板には、その周縁部に液溜
の側壁を設けることが望ましく、その高さは、30mm
以上、好ましくは40mm〜70mmの範囲である。冷
却液落下用棚板には、冷却液が一時的に溜まるように側
壁を設けることが望ましいが、設けなくてもよい。冷却
液落下用棚板に側壁を設けて冷却液が一時的に溜まるよ
うにした場合には、総ての各冷却液落下孔から冷却液が
連続的で一様に落下し、冷却液落下用棚板の下方に厚い
水幕を形成する。混合ガスのガス流入口は、ガス流通用
ダクトの冷却液落下用棚板の下方側に設け、ガス流出口
は、ガス流通用ダクトの前記冷却液落下用棚板の上方側
に設けて、冷却液落下用棚板の下方側から上方側にガス
流を形成することが望ましい。
【0012】本発明の直接接触熱交換では、冷却液落下
用棚板から滴下する冷却液と排ガスとが直接接触して排
ガスが冷却液の液滴を昇温させるとともに、排ガス自身
は、冷却液に熱を奪われ温度が下がって凝縮性ガス成分
は、液化され、液化に際して放出される凝縮熱によって
冷却液をさらに昇温させる。凝縮性ガスが水蒸気で、冷
却液が水の場合には、蒸気が水となって回収されるとと
もに、その際、放出される凝縮熱により冷却水と凝縮水
が一緒になった熱水又は温水が生成される。接触して熱
交換することにより凝縮水にされて水回収されると同時
に、より高温度に温水化される。上記不凝縮性ガス成分
は、気体(ガス)成分である。凝縮性ガス成分は、ガス
中に含まれる水分、水蒸気などである。
【0013】冷却液としては、通常水が用いられるが、
処理薬品が混合されていてもよく、必要に応じて水以外
の液体を用いることもできる。冷却液は、冷却液落下用
棚板の冷却液落下孔から液滴として滴下されるが、細い
糸状の連続した流れとして流下させてもよい。冷却液落
下用棚板及び冷却液落下孔は、所期の熱交換効率が得ら
れる水幕が、ガス流通用ダクト内に形成されるように適
宜設計される。
【0014】
【発明の実施の形態】実施形態1 次に、本発明の棚板式直接接触式熱交換器の実施形態を
図1を参照して説明する。この実施形態は、ガス流通用
ダクト内において熱ガスは下方から上方へ流れ、冷却液
は上方から下方へ流すことにより、高効率で熱回収する
ケースである。次に、図1を参照して棚板式直接接触式
熱交換器の実施形態を説明する。ガス流通用ダクト5内
には、上下方向に4段の冷却液落下用棚板1、2、3、
4が夫々離間して設けられている。この棚板1〜4は、
蛇行状にガス流路が形成されるように設けられている。
即ち、上記被熱交換ガスの流路が蛇行するように冷却液
落下用棚板1〜4は、上下方向に離間し、隣合う上下の
棚板の遊端が互いに相反する方向に位置するように設置
されている。上記ダクト5は、被熱交換ガスの流路を形
成するためのものであり断面角形状(角筒状)の気密容
器である。この角筒状ダクト5内下方側壁面には、ガス
流入口6が設けられ、上方側壁面には、ガス流出口7が
設けられている。この実施形態では、ガス流入口6、ガ
ス流出口7が夫々ダクト5の対向する側壁面に設けられ
ている。
【0015】これら各棚板1〜4は、角筒状ダクト5の
3つの内壁面を容器の側壁とするように取着され、遊端
面に側壁8、9、10、11が設けられている。すなわ
ち、容器は、ダクト5の3つの内壁面と側壁8〜11と
棚板1〜4とで構成されている。したがって、各棚板1
〜4は、ダクト5の内壁構造に合致した方形状である。
側壁8〜11は冷却液の堰として作用させている。
【0016】各棚板1〜4の側壁8〜11側には、冷却
液を落下たとえば液滴状に落下させるための孔12が多
数個穿設されている。この孔12の口径は、例えば1m
m〜2mmである。この各孔12の側縁(周縁、周囲)
には、凸縁例えば下方に突起した突起部(突出部、先端
部)が設けられている。この突起部の長さは、0.5m
m以上、たとえば1.5mmである(棚板底面から突起
部先端までの距離)。
【0017】この凸縁(突起部)の存在は、冷却液の表
面張力の作用により、冷却液を液滴状に突起部先端面に
付着させながら大きく成長させた後、落下させる。した
がって、凸縁(突起部)の存在は、孔12の冷却液に対
する流動抵抗を増加させる。この流動抵抗が増加するこ
とは、供給する冷却液量が少なくても、棚板1〜4上に
冷却液を溜めることが可能となる。棚板1〜4上に冷却
液が溜まることは、総ての冷却液落下用孔12から冷却
液が落下されることであり、冷却液が均一に分散され
る。
【0018】また、このように冷却液の均一分散は、冷
却液と流通するガスとの接触面積が大きくなる。この接
触面積の増大によって、高温度のガスは、冷却液を高温
度にする(熱回収)。さらに、上記流動抵抗が増加する
ことは、次のような効果がある。冷却液落下用孔12の
数を増加させることができる。さらに、冷却液落下用孔
12と冷却液落下用孔12の間隔は、狭く形成できる。
さらにまた、各棚板に多数の孔12を高い密度で形成し
ても、供給する冷却液量は、少量で棚板上に溜めること
ができる。
【0019】冷却液を液滴状に落下させることは、熱ガ
スと直接接触した時、熱ガスの熱が冷却水を効率よく高
温度にする効果と、上記流動抵抗を増加させることの効
果とを目的とするものである。このような冷却液落下用
孔12配列の形成範囲は、棚板2〜4について側壁8〜
11から下方の棚板と対向する範囲内である。すなわ
ち、冷却液落下用孔12配列の形成範囲は、上方の棚板
から落下する冷却液を下方の棚板が受水できる範囲内で
ある。従って、棚板4から落下する冷却液は棚板3が受
水し、棚板3から落下する冷却水は、棚板2が受水す
る。同様に棚板2からの落下水は、棚板1が受水する構
成である。さらに、棚板1については、下方底部に後述
する液溜槽15が存在するため、必要に応じて棚板1の
全面に冷却液落下用孔12を形成することが可能であ
る。
【0020】棚板4の上方には、上記冷却液を供給する
ための冷却液供給パイプ13が上記ダクト5内に側壁面
を貫通して設けられている。この冷却液供給パイプ13
の先端には、液路を下方にするためのノズル14が取着
されている。上記ダクト5の底部には、4回の熱交換が
終了し温水化した熱回収温水を貯水する液溜槽15が設
けられている。この液溜槽15の底部には、熱回収温水
を再利用するための給水口16が設けられている。この
ダクト5の上面には、ガス流がガス流出口7に流れるよ
うにテーパ板17が設けられて棚板式直接接触式熱交換
器18が構成されている。
【0021】上記再利用には、再び冷却液として循環使
用することも含んでいる。この熱交換器18の具体例は
次の通りである。上記ガス流通用ダクト5の大きさは、
幅0.1m、長さ0.684mの断面長方形状で、高さ
は0.684m、容積は、46.8l(リットル)であ
る(液溜槽15の部分を除く)。棚板1〜4は、直方体
状ダクト5内壁面に取着され、冷却液が一時溜まるよう
に組み立てられる。したがって、棚板1の大きさは、ダ
クト5の内壁面間の長さに相当する大きさで、この実施
形態では、約0.098m×0.68mである。ガス入
口ダクト6、およびガス出口ダクト7の口径は、80m
mである。
【0022】各棚板1〜4間の間隔すなわち熱交換領域
でのガス流路幅は、ガスの流量と冷却液の流量により選
択されるもので、たとえば200mmである。側壁8〜
11とダクト5の側壁面との間隔は、100mmであ
る。したがって、この狭い部分でガス流は、流速が遅く
なり曲線状に移動する。ダクト5、棚板1〜4、側壁8
〜11、テーパ板17、などの材質は、耐薬品性、耐高
温性のものが選択でき、たとえばステンレスが最適であ
る。
【0023】上記棚板1の材料は、耐腐食性材料のステ
ンレスである。棚板1の厚さは、0.5mm〜5mmで
ある。熱交換器として小形、軽量化の面から厚さは、1
mm〜2mmが最適である。側壁8は、各棚板1〜4に
形成された総ての孔12から均一に冷却液が落下する高
さ(深さ)に形成される。この高さ(冷却液が一時溜ま
る深さ)は、30mm以上であり、40mm以上70m
mの高さが高効率で熱交換でき最適である。側壁8の高
さが70mm以上では、熱交換開始期の冷却液の低温液
を温水化された液に置換するのに時間がかかり、冷却液
の高温度化の面からも望ましくない。
【0024】次に、この棚板式直接接触式熱交換器18
による熱交換方法を説明する。先ず、準備工程として、
冷却液は、冷却液供給パイプ13から最上段の棚板4上
に供給する。供給された冷却液は、僅か遅れて棚板4の
孔12から冷却液滴列となって落下される。この落下す
る液滴は、下方に設けられている棚板3上に落下する。
僅か遅れて冷却液は、棚板4から溢れて堰として作用し
ている側壁11を超え(オーバーフロー)、下方の棚板
3上に流れ込む。
【0025】やがて、冷却液は、棚板3でも溢れ、その
下方に設けられている棚板2上に流れ込む。同様にし
て、冷却液は、棚板2上から最終段の棚板1上にも冷却
液が流れ込む。冷却液の棚板4上への供給は、棚板1上
に充分満たされた状態で準備工程を終了する。この時、
冷却液は、総ての孔12から冷却液滴となって落下され
ており、冷却液の水幕(カーテン雰囲気)が形成され
る。この状態では、総ての棚板1〜4から落下している
冷却液は低温状態である。この準備工程を高速化するた
めに、この期間に冷却液供給パイプ13から供給する冷
却液量は、増量させてもよい。この準備期間は、たとえ
ば5秒〜10秒間程度に選択するのが、望ましい。
【0026】準備工程終了後、冷却液供給パイプ13か
らの冷却液の供給量は、減少される。この冷却液の供給
量は、棚板2〜4から溢れない予め定められた供給量例
えば入口流量1971.5kg/hである。この冷却液
の温度は、42.1℃である。その後、被熱交換用熱ガ
スは、ダクト5の下方に設けられているガス流入口6か
ら入口流量227kg/h、入口圧力1.04ataで
供給する。熱ガスは、不凝縮性ガスおよび凝縮性ガスの
混合ガスである。このガス中の凝縮性ガス成分は、水蒸
気モル分率0.265mol/mol、露点67.4℃
である。流入された熱ガスは、棚板1の多数の冷却液落
下孔12から落下して形成されているカーテン状雰囲気
の多数の冷却液滴列郡と直接接触する。この直接接触
は、第1の熱交換工程である。
【0027】すなわち、熱ガスは、230kg/hの流
量で多数の冷却液滴列内を流通して、各冷却液滴と直接
接触する。この時、熱ガスは、ガス中の凝縮成分(水蒸
気成分)を凝縮して凝縮水にすると、同時に高温度に温
水化する。同時に、熱ガスは、冷却液滴との熱交換によ
り低温化される。上記温水は、冷却液溜槽15内に落下
する。第1の熱交換工程の終了した熱ガス流は、棚板1
の側壁8に沿って曲線を描き、棚板2に設けられた冷却
液落下孔12列から落下している冷却液滴列郡に流入す
る。この冷却液滴列部に流入した第1の熱交換により低
温化された熱ガスは、棚板2からの冷却液滴と直接接触
する。この時、上記第1の熱交換工程と同様に第2の熱
交換工程を実行して、熱ガスは、冷却液を高温度に温水
化すると、同時にさらに低温化される。
【0028】この時、熱回収された総ての温水は、棚板
1上に落下する。同様にして第2の熱交換工程を終了し
た熱ガス流は、棚板2の側壁9に沿って曲線を描き、棚
板3に設けられた冷却液落下孔12列から落下している
冷却液滴列郡に流入する。この冷却液滴列部に流入した
第1、2の熱交換により低温化された熱ガスは、冷却液
滴と直接接触する。この時、上記第1の熱交換工程と同
様に第3の熱交換工程を実行して、熱ガスは、冷却液を
温水化すると、同時に低温化される。
【0029】この時、熱回収された温水は、総て棚板2
上に落下される。同様にして第3の熱交換工程の終了し
た熱ガス流は、棚板3の側壁10に沿って曲線を描き、
棚板4に設けられた冷却液落下孔12列から落下してい
る冷却液滴列郡に流入する。この冷却液滴列部に流入し
た第1〜3の熱交換により低温化された熱ガスは、冷却
液滴と直接接触する。この時、上記第1の熱交換工程と
同様に第4の熱交換工程を実行して、熱ガスは、冷却液
を温水化すると、同時にさらに低温化される。この熱ガ
スは、ガス出口ダクト7から流出される。
【0030】この時、熱回収された温水は、総て棚板3
上に落下する。この状態では、第1〜4の熱交換用冷却
液の温度は、冷却液供給パイプ13から供給された温度
である。次の周期から順次、棚板1〜3の貯水量の深さ
に応じて、棚板1〜3上の冷却液は、滴下した温水と置
換される。このようにして、各棚板上の冷却液が温水化
された冷却液と置換された時、棚板1上の冷却液は、最
高温度である。したがって、棚板1の冷却液落下孔12
から落下する最高温度の冷却液と、次に流入する最高温
度の熱ガスは、直接接触する。この時、冷却液は、より
高温度の冷却液となって液溜槽15内に落下する。この
液溜槽15内の冷却液は、熱回収温度52.4℃であ
る。
【0031】また、熱ガスは、4段の棚板1〜4からの
冷却液滴と熱交換する。棚板4上には、常に最底温度の
冷却液が供給される。したがって、最後の棚板4からの
冷却液滴列は、最も低温の冷却液である。この冷却液と
直接接触した後に熱ガスは、ガス流出口7から送出され
る。この出口ガスは、流量210、85kg/h、温度
48.9℃、圧力1.04ata、水蒸気モル分率0.
102mol/mol、露点47.3℃、水平方向平均
流速5.77m/s、垂直方向平均流速5.36m/s
であった。即ち、ガスの冷却効率は、約50%、冷却液
の熱回収効率は約120%であった。
【0032】熱交換結果は、伝熱量23,829w、顕
熱量5,380w、潜熱量18,448w、凝縮量2
8.49kg/h、圧力損失10.10mmagであっ
た。同様な条件で従来の冷却液供給用孔を有する棚板を
用いた、棚板式直接接触熱交換器の特性と、上記実施形
態の特性とを比較して表1、2、3に示す。
【0033】表1は、ガス系の熱交換特性を従来と本実
施形態と比較して示す。
【表1】 表2は、冷却液系の熱交換特性を従来と本実施形態と比
較して示す。
【表2】 表3は、棚板式直接接触熱交換器の熱特性を従来と本実
施形態と比較して示す。
【表3】 これらの特性は、多段に凸縁を設けた棚板1〜4を設置
した効果(特徴)と、熱ガスの流動方向と冷却水の流動
方向を互いに逆方向にした効果(特徴)である。このよ
うに、冷却液の温水化工程と、熱ガスの低温化工程とを
繰り返し、低温化された熱ガスは、ダクト5の天井部に
設けられているガス出口ダクト7から送出される。他
方、温水化された冷却液は、液溜槽15内に落下する。
【0034】ダクト5の底部液溜槽15に溜まった冷却
液の一部は、冷却液供給パイプ13に戻すことにより、
さらに熱交換効率を改善することができる。特に、熱交
換を開始し、液溜槽15内冷却液の温度が予め設定され
た高温度になるまで、液溜槽15内の冷却液は、冷却液
供給パイプ13に戻すことにより、熱回収効率を改善で
きる。このような熱回収プロセスでは、ダクト5内に流
入した熱ガスが最初に接触する冷却液滴は、3回熱交換
して高温度に温水化された冷却液である。したがって、
この冷却液滴は、最高温度の熱ガスと熱交換したさらに
高温度の温水となって、液溜槽15に落下する。これ
は、下方から熱ガスを供給する特徴である。
【0035】次に、冷却液を液滴状に落下させるため
の、上記棚板1〜4の構造を図2〜図4を参照して説明
する。図2は、棚板1〜4の棚板に円形状冷却液落下孔
12を多数配列させた実施形態を説明するための斜視図
である。同様に、図3は、棚板に長(楕)円形状冷却液
落下孔12を多数配列した実施形態を説明するための斜
視図である。図4は、棚板に四角形状孔12を多数配列
した実施形態を説明するための斜視図である。図1と同
一部分は同一符号を付与し、その詳細な説明を省略す
る。
【0036】上記図2〜4の棚板1に、冷却液を溜める
容器を構成するための3辺について側壁面が記載されて
いないのは、棚板1〜4をダクト5内に装着した時、ダ
クト5の側壁面を兼用するためである。したがって、こ
の実施形態では棚板1の遊端に設けた側壁8のみを有す
る断面L字状棚板1である。棚板1に設ける冷却液落下
孔12の形状は、図2〜4に示すように円形状、長
(楕)円形状、四角形状、多角形状、星形状などその他
の形状でもよいし、これらの冷却液落下孔12の形状
は、混在させてもよい。
【0037】要するに、この冷却液落下孔12は、通水
機能を有すればよい。さらに、図1の棚板式直接接触熱
交換器18において、4枚の棚板の冷却液落下孔の形状
は、変えてもよい。図2に示すように、円形状に冷却液
落下孔12を形成する場合には、打ちぬき法により形成
すると、次のような効果がある。即ち、各冷却液落下孔
12の大きさは、一定に製造することができる。さら
に、各冷却液落下孔12の占有面積は、同じにできる。
さらにまた、冷却液落下孔12と冷却液落下孔12との
間隔は、一定に保つ加工が可能である。さらにまた、各
冷却液落下孔12の流動抵抗は、均一化できる。さらに
また、冷却液量の消費は、少なくても分散性がよい。
【0038】図3に示すように、棚板1〜4の冷却液落
下孔12の形状を長円形状にした場合には、次のような
効果がある。冷却液落下孔12の径と幅は、一定に製造
することができる。さらに、各冷却液落下孔12の占有
面積は、同一にできる。さらにまた、冷却液落下孔12
と冷却液落下孔12の間隔は、一定に保つような加工が
可能となる。さらにまた、各冷却液落下孔12の流動抵
抗は、均一化できる。さらにまた、冷却液量の消費は、
少なくても分散性がよい。
【0039】図4に示すように、棚板1〜4の冷却液落
下孔12の形状を四角形状にした場合には、次のような
効果がある。各冷却液落下用孔12の形状は、同一に形
成できる。さらに、各冷却液落下孔12の占有面積は、
同一にできる。さらにまた、冷却液落下孔12と冷却液
落下孔12の間隔は、一定に保つような加工が可能とな
る。さらにまた、各冷却液落下孔の流動抵抗は、均一化
できる。さらにまた、冷却液量の消費は、少なくても分
散性がよい。
【0040】上記棚板1〜4の冷却液落下孔12は、冷
却液の流出側(下方)に向いて突出(突起)した凸縁を
有する構造である。この凸縁の構造は、図5〜10に断
面図で示すようなものである。この凸縁は、冷却液の表
面張力の作用により、冷却液を冷却液落下孔12の凸縁
(先端部、突起部、突出部)21先端面21aに液滴状
に付着させながら成長させる。したがって、凸縁は、冷
却液に対する流動抵抗を増加させる。
【0041】この流動抵抗の増加は、次のような作用効
果がある。即ち、冷却液の供給量が少なくても、棚板1
〜4上に冷却液は、一時溜まる。さらに、冷却液量は、
少なくても、高い熱変換効率が得られる。さらにまた、
冷却液は、総ての冷却液落下孔12から均一に落下(分
散)される。さらにまた、冷却液の均一分散は、ガスと
冷却液滴との接触面積が増加し、熱回収効率(伝熱性
能)がよい。
【0042】このような作用を呈する冷却液落下孔の口
径は、3mm〜8mmが望ましく、3mm〜7mmが最
適である。このような口径を有する冷却液落下孔12
は、棚板1〜4に設けられた冷却液落下孔12と孔12
との間隔が狭くても、冷却液流量の増大を招くことなく
冷却液は、熱ガス流路の幅全般に渡って、広く均一に分
散(散水)される。
【0043】この突起(突出)した凸縁を有する冷却液
落下孔12の断面形状の実施形態を図5〜9に示す。図
5は、図2の円形状冷却液落下孔12の断面図で冷却液
の流出方向に先細りした先端部21を有する逆円錐状孔
部22を示す一部切り欠き断面図である。図6は、図2
の円形状冷却液落下孔12部分を拡大して示す断面図で
冷却液の流出方向に同一径の先端部21を有する円筒状
孔部23を示す断面図である。図7は、図3の長円形状
冷却液落下孔12の断面図で冷却液の流出方向に同一径
の先端部21を有する筒状孔部24を示す断面図であ
る。
【0044】図8は、図3の長円形状冷却液落下孔12
の断面図で冷却液の流出方向に先細りした先端部21を
有する逆円錐状孔部25を示す断面図である。図9は、
図4の正方形状冷却液落下孔12の断面図で冷却液の流
出方向に先細りした先端部21を有する逆角錐状孔部2
6を示す断面図である。図10は、図4の正方形状冷却
液落下孔12の断面図で冷却液の流出方向に同一径の先
端部21を有する角筒状孔部27を示す断面図である。
【0045】各冷却液落下孔12の凸縁(突起部、先端
部)の形状は、逆円錐状孔部22、円筒状孔部23、筒
状孔部24、逆円錐状孔部25、逆円錐状孔部26、角
筒状孔部27などその他の変形が可能である。たとえ
ば、上記孔部22〜27の冷却液と接触する内表面は、
粗面(凹凸面)にすると、さらに流動抵抗を増加させる
ことができる。
【0046】逆円錐状孔部22は、次のように形成す
る。棚板1〜4は、金属の薄板で厚さ例えば1mmのス
テンレス製である。円形の小孔12は、棚板1〜4を打
ち抜くことにより多数形成される。この打ち抜き用型枠
は、棚板1の一部が棚板1の下方に突起して残るように
構成する。形成された先端部21の孔の大きさは、冷却
液を液滴状に落下させるための大きさである。
【0047】この実施の形態によれば、表面張力の作用
により冷却液は、凸縁(突起部、先端部)21の先端面
に液滴状に大きく成長した後、落下される。この液滴
は、連続的に、列状に多数の各孔部22から落下され
る。このように冷却液が液滴状に落下することは、孔部
22の流動抵抗が大きいことである。さらに、流動抵抗
が大きいことは、供給する冷却液量が少なくても、棚板
1〜4上に冷却液が溜まる。棚板1〜4上に冷却液が溜
まることは、総ての孔部22から冷却液が落下され、分
散性を改善する。冷却液の分散性がよいことは、ガスと
冷却液との接触面積が増加し、伝熱性能が向上する。棚
板1〜4の孔12の下方に突起した凸縁の形状は、逆円
錐状の場合次のような効果がある。 各冷却液落下孔1
2に設けた逆円錐状孔部22は、冷却液落下孔12の間
隔を狭く形成しても互いに接触することなく形成でき
る。
【0048】円筒状孔部23は、次のように形成する。
棚板1〜4は、金属の薄板で厚さ例えば1.5mmのス
テンレス製である。冷却液を液滴状に落下させるための
長円形状の冷却液落下孔12は、棚板1〜4に、垂直に
多数個明けられる。この孔明け手段は、ホトマスクを介
して選択エッチングにより形成できる。この長円形状の
冷却液落下孔12の下面は、同軸的に長円形状断面の筒
体が取着される。この筒体はステンレス製である。
【0049】即ち、円筒状孔部23は、冷却液落下孔1
2周囲の寸法と同じと大きさの内径寸法をもつ長円形状
断面の筒体を、冷却液落下孔12下面に同軸的に先端部
21の凸縁部品として溶着した構成である。形成された
先端部21の孔の大きさは、冷却液を液滴状に落下させ
る大きさである。各冷却液落下孔12について下方に突
起した凸縁の形状が円筒状21aの場合、隣合う円筒状
孔部23は、互いに接触せず、各冷却液落下孔12の突
起形状を均一に加工することができる。
【0050】この実施の形態によれば、表面張力の作用
により冷却液は、凸縁部品(先端部21)の先端面に液
滴状に大きく成長した後、落下される。この液滴は、連
続的に、列状に多数の各孔部23から落下される。従っ
て、次のような作用効果がある。冷却液が液滴状に落下
することは、孔部24の流動抵抗を大きくする。さら
に、流動抵抗が大きいことは、供給する冷却液量が少な
くても、棚板1〜4上に冷却液が溜まる。棚板1〜4上
に冷却液が溜まることは、総ての孔部22から冷却液が
落下され、分散性を改善する。冷却液の均一分散は、ガ
スと冷却液の接触面積を増やすことができ、伝熱性能を
良くする。
【0051】筒状孔部24は、次のように形成する。棚
板1〜4は、金属の薄板で厚さ例えば1mmのステンレ
ス製である。冷却液を液滴状に落下させるための円形の
冷却液落下孔12は、棚板1〜4に上記垂直に多数明け
られる。この孔明け手段は、ホトマスクを介した選択エ
ッチングである。その後、円管は、各冷却液落下孔12
に同軸的に取着される。即ち、この円管は、上記各冷却
液落下孔12の径と同じ大きさを有するステンレス製で
ある。この円管は、先端部21として、冷却液落下孔1
2と同軸的に下面に溶着することにより形成される。形
成された先端部21の孔の大きさは、冷却液を液滴状に
落下させるための大きさである。
【0052】本実施の形態によれば、表面張力の作用に
より冷却液は、突起した先端部21の先端面に液滴状に
大きく成長した後、落下される。この液滴は、連続的
に、列状に多数の各孔部24から落下される。従って、
次のような作用効果がある。冷却液が液滴状に落下する
ことは、孔部24の流動抵抗を大きくする。さらに、流
動抵抗が大きいことは、供給する冷却液量が少なくて
も、棚板1〜4上に冷却液が溜まる。棚板1〜4上に冷
却液が溜まることは、総ての孔部22から冷却液が落下
され、分散性を改善する。冷却液の均一分散は、ガスと
冷却液の接触面積を増やすことができ、伝熱性能を良く
する。各冷却液落下孔12について下方に突起した凸縁
の形状は、円筒状21aの場合、筒状孔部24が互いに
接触せず、各冷却液落下孔12の突起形状を均一に加工
することが可能となるため、分散性が良くなる。
【0053】逆角錐状孔部25は、次のように形成す
る。棚板1〜4は、金属の薄板で厚さ例えば1mmのス
テンレス製である。正方形状の孔12は、棚板1〜4に
明ける際、棚板1の一部が棚板1の下方に突出(突起)
して残るように打ち抜いて(パンチング)形成される。
形成された先端部21の孔の大きさは、冷却液を液滴状
に落下させるための大きさである。凸縁の形状が逆角錐
状の場合、逆角錐状孔部25は、互いに接触せず、各冷
却液落下孔12の突起の形状を均一に加工することが可
能となるため、分散性がよい。
【0054】本実施の形態によれば、表面張力の作用に
より冷却液は,突起した先端部21の先端面に液滴状に
付着しながら大きく成長した後、落下される。この液滴
は、連続的に、列状に多数の各孔部25から落下され
る。従って、次のような作用効果がある。冷却液が液滴
状に落下することは、孔部24の流動抵抗を大きくす
る。さらに、流動抵抗が大きいことは、供給する冷却液
量が少なくても、棚板1〜4上に冷却液が溜まる。棚板
1〜4上に冷却液が溜まることは、総ての冷却液落下孔
部22から冷却液が落下され、分散性を改善する。この
分散性の改善は、ガスと冷却液の接触面積を増やすこと
ができる。この接触面積の増加は、伝熱性能を良くす
る。また、この図では、孔形状を正方形状としたが、他
の多角形でも同様の効果が得られる。
【0055】逆円錐状孔部26は、次のように形成す
る。棚板1〜4は、金属の薄板で厚さ例えば1.5mm
のステンレス製である。長円形の冷却液落下孔は、棚板
1〜4に明ける際、棚板1〜4の一部が棚板1〜4の下
方に突出(突起)して残るように打ち抜き先端部21が
形成される。形成された先端部21の孔の大きさは冷却
液を液滴状に落下させるための大きさである。棚板1〜
4の各冷却液落下孔12の下方に突起した逆円錐状孔部
26は、互いに接触せず、各孔の突起形状を均一に加工
することが可能となる。
【0056】本実施の形態によれば、表面張力の作用に
より冷却液は、先端部21の先端面に液滴状に付着しな
がら大きく成長した後、落下される。従って、この液滴
は、連続的に、列状に多数の各孔部26から落下され
る。従って、次のような作用効果がある。冷却液の液滴
状の落下は、孔部26の流動抵抗を増加させる。流動抵
抗の増加は、冷却液量が少なくても、棚板1上に冷却液
が溜まる。棚板上に冷却液が溜まることは、冷却液の分
散性を改善できるので、ガスと冷却液の接触面積を増や
すことができ伝熱性能を良くする。
【0057】角筒状孔部27は、次のように形成する。
棚板1〜4は、金属の薄板で厚さ例えば2mmのステン
レス製である。冷却液を液滴状に落下させるための大き
さで、正方形状の冷却液落下孔12は、棚板1〜4に、
垂直に明けられる。この冷却液落下孔12の穿設手段
は、ホトマスクを介した選択エッチングである。筒体
は、各冷却液落下孔12に同軸的に取着される。即ち、
この筒体は、上記各冷却液落下孔12の径と同じ大きさ
の内径寸法を有するステンレス製である。この筒体は、
先端部21として、冷却液落下孔12と同軸的に下面に
溶着される。形成された先端部21の孔の大きさは、冷
却液を液滴状に落下させるための大きさである。角筒状
孔部27は、互いに接触せず、各孔の突起形状を均一に
加工することができる。
【0058】本実施の形態によれば、表面張力の作用に
より冷却液は、突起部の先端に液滴状に大きく成長した
後、落下される。この液滴は、連続的に、列状に多数の
各孔部26から同時に落下される。従って、次のような
作用効果がある。冷却液の液滴状の落下は、孔部26と
しての流動抵抗が増加する。流動抵抗の増加は、冷却液
量が少なくても、棚板1上に冷却液が溜まる。棚板上に
冷却液が溜まることは、冷却液の分散性を改善できるの
で、ガスと冷却液の接触面積を増やすことができ伝熱性
能を良くする。また、この図では、孔形状を正方形状と
したが、他の多角形たとえば5角形以上でも同様の効果
が得られる。
【0059】上記した棚板1〜4の構造は、断面L字状
の例について説明した。さらに、図12に示すように各
棚板1〜4は、4辺に側壁面31を設けた容器32にし
て、冷却液が棚板1〜4側方から流出するのを防止する
ようにしてもよい。これらの棚板1〜4は、ダクト5内
に着脱可能に取着することにより、長期間使用して、冷
却液落下孔12の目詰まりが部分的に発生した際、棚板
1〜4のクリーニングが容易となる。部分的目詰まりの
発生は、均一な冷却液の落下が出来なくなるため、定期
的にクリーニングすることが望ましい。上記目詰まりの
発生は、冷却液溜槽15への流量(液溜槽15内冷却液
の重量)の変化を監視することにより、自動的に検出す
ることができる。また、各棚板1〜4を着脱可能に取着
する手段は、螺着、嵌合などの構造により構成できる。
【0060】さらに、上記実施形態では、各棚板1〜4
に設ける孔12について、総て同一口径にしたが、次の
ようにしてもよい。図13に示すように冷却液の供給用
パイプ33を板(面)状に配列して一体にし、冷却液落
下孔34は、各冷却液供給パイプ33の下側壁面に口径
の異なる(流量が異なる)孔を多数穿設してもよい。こ
の例では、各冷却液供給パイプ33の冷却液流入口側に
形成される孔34の口径は、順次小さくすることによ
り、全面均一な冷却液の液滴流となる。
【0061】実施形態2 この実施形態は、ダクト内において熱ガス流も、冷却液
流も上方から下方へ流れる過程において、高効率で熱交
換するケースである。図14は、図1の他の実施形態を
説明するための断面図で、図1と同一部分は、同一符号
を付与し、その詳細な説明を省略する。図1と異なる部
分は、熱ガスの流入をダクトの棚板4より上方から行
い、棚板1より下方へ流すようにした点にある。即ち、
熱ガス流入パイプ36は、ダクト5の最上方に設けられ
ている。熱ガス流出パイプ37は、ダクト5の下方で液
溜槽15の水面より上方に設置されている。上記熱ガス
流入パイプ36および熱ガス流出パイプ37の取り付け
位置は、角筒状ダクト5の側壁面で、互いに対向する側
壁面である。
【0062】次に、このように構成された棚板式直接接
触熱交換器の熱交換方法を図14を参照して説明する。
準備工程として棚板1〜4上を冷却液で満たす工程は、
上記実施形態と同一である。即ち、冷却液は、冷却液供
給パイプ13から最上段の棚板4上に供給する。この棚
板4に供給される冷却液が棚板4の側壁11の高さ以上
供給されると、側壁11から冷却液は、側壁11を超え
溢れて、下方の棚板3上に流入する。同様にして、棚板
3上から棚板2上へ、棚板2上から棚板1上へと順次冷
却液は、流入される。各棚板1〜4が、冷却液で満たさ
れた状態で準備工程を終了する。この時、総ての冷却液
落下孔12から冷却液は、液滴状に落下され、冷却液の
水幕(カーテン雰囲気)が形成される。この状態では、
総ての棚板1〜4から落下している冷却液滴は最低温度
状態である。この準備工程を高速化するために、この期
間は、冷却液供給パイプ13から供給する冷却液量を増
量させてもよい。準備期間は、たとえば5秒〜10秒間
程度に選択するのが、望ましい。
【0063】準備工程終了後、冷却液は、供給量を減少
させ、棚板2〜4から溢れない予め定められた供給量に
する。その後、被熱交換用製熱ガスは、ダクト5の上方
に設けられているガス流入口6からの供給を開始する。
この時、冷却液の供給量は、たとえば25リットル/分
である。熱ガスは、不凝縮性ガスおよび凝縮性ガスの混
合ガスである。流入された熱ガス流は、棚板4の側壁1
1に沿って曲線を描いて流れ、多数の冷却液落下孔12
から落下して形成されている水幕(カーテン雰囲気)の
多数の冷却液滴列郡と直接接触する。この直接接触は、
第1の熱交換工程の開始である。
【0064】すなわち、熱ガスは、多数の冷却液滴列内
を流通して、各冷却液滴と直接接触して次のような熱交
換を行う。熱ガスは、ガス中の凝縮成分(水蒸気成分)
を凝縮水にして水回収すると、同時に冷却液を温水化し
て熱回収し、熱ガス自身は低温化される。温水化された
冷却液は、下方の棚板3上に落下する。第1の熱交換工
程を終了して低温度化された熱ガス流は、棚板3の側壁
10に沿って曲線を描き、棚板3に設けられた孔12列
から落下している冷却液滴列郡に流入される。この冷却
液滴列部に流入した熱ガスは、第1の熱交換工程で温水
化された冷却液滴と直接接触する。上記第1の熱交換工
程と同様に第2の熱交換工程を実行して、熱ガスは、冷
却液をさらに高温度に温水化すると、同時にさらに低温
化される。
【0065】さらに、温水化された冷却液は、棚板2上
に落下される。同様にして第2の熱交換工程の終了した
熱ガス流は、棚板2の側壁9に沿って曲線を描き、棚板
2に設けられた冷却液落下孔12列から落下している冷
却液滴列郡に流入する。この冷却液滴列部に流入した第
1、2の熱交換により低温化された熱ガスは、第1、の
熱交換により温水化された冷却液滴と直接接触する。こ
の時、上記第1の熱交換工程と同様に第3の熱交換工程
を実行して、熱ガスは、冷却液を温水化すると、同時に
熱ガスはさらに低温化される。
【0066】さらに、温水化された冷却液は、棚板1上
に落下する。同様にして第3の熱交換工程を終了した熱
ガス流は、棚板1の側壁8に沿って曲線を描き、棚板1
に設けられた冷却液落下孔12列から落下している冷却
液滴列郡に流入する。この冷却液滴列部に流入した第1
〜3の熱交換で低温化された熱ガスは、第1、2、3の
熱交換で温水化された冷却液滴と直接接触する。
【0067】この時、上記第1の熱交換工程と同様に第
4の熱交換工程を実行して、熱ガスは、冷却液を温水化
すると、同時に熱ガスは第1〜4の熱交換で低温化され
る。低温化された熱ガスは、ガス流出口37から流出さ
れる。さらに、熱回収された温水は、液溜槽15に落下
する。この液溜槽15に落下した冷却液は、ガス流出口
37から送出するガスの温度に限りなく近い温度の冷却
液となる。このようにこの実施形態は、低温化された熱
ガスも、温水化された冷却液もダクト5内の下方から流
出することが特徴である。
【0068】実施形態3 上記実施形態(図1)では、ガス流路を蛇行させた実施
形態について説明したが、図15に示すようにガス流路
を直線状に形成してもよい。図15は、図1の他の実施
形態を説明するための断面図である。上記図と同一部分
は、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。ダクト
41は、被熱交換用ガスを流通させるための水平方向に
長い断面4角形状気密容器である。このダクト41の例
えば長軸方向一端面には、上記ガスの送入口42が設け
られている。この送入口42に対向する面には、送出口
43が設けられている。
【0069】これらダクト4への送入口42、送出口4
3間で上記ダクト41内の上壁面44近傍には、この上
壁面44と略同一大きさの棚板45が設けられている。
この棚板45は、容器を構成するように4辺に側壁面4
6が設けられている。上記棚板45全面には、冷却液を
液滴状に落下させるための大きさの孔47が多数穿設さ
れている。これら多数の冷却液落下孔47は、総て同一
口径で、その構造は、5〜10に示したようなものであ
る。
【0070】上記ダクト41の上壁面44の中央部に
は、棚板45に冷却液を流入させるための冷却液供給パ
イプ48が設けられている。この冷却液供給パイプ48
は、上壁面44の周辺部にも設けることにより、冷却液
の供給を高速化できる。他方、ダクト41の底部には、
熱回収された温水を溜めるための冷却液溜め49が設け
られている。送出用パイプ50は、冷却液溜49に溜ま
った温水を再利用するために冷却液溜槽49に設けられ
ている。このように棚板式直接接触式熱交換器51は、
構成されている。
【0071】この熱交換器51の具体例は次のとおりで
ある。上記ダクト41の大きさは、100mm×70m
mの断面長方形状で、高さは400mmである。この直
方体状ダクト41内壁面に棚板45を取着する。したが
って、棚板1の大きさは、ダクト41の内壁面間の長さ
に相当する大きさで、この実施形態では、約98mm×
60mmである。送入口42、および送出口43の口径
は、80mmの太さである。
【0072】棚板45とダクト41の底部との間隔すな
わち熱交換領域でのガス流路幅は、却液の流量により選
択するもので、たとえば300mmである。ダクト4
1、棚板45、側壁46などの材質は、耐薬品性、耐高
温性のものが選択でき、たとえばステンレスが最適であ
る。このような棚板45は、着脱自在にダクト41に取
着することがメンテナンス、クリーニングに際し、効率
的に作業を実行できる。
【0073】上記棚板45は、厚さ0.5mm〜5mm
のステンレス製で、小形、軽量化の面から1mm〜2m
mが最適である。側壁46は、各棚板45に形成された
総ての孔47から均一に冷却液が落下する高さ(冷却液
の深さ)である。この高さ(冷却液が一時溜まる深さ)
は、30mm以上であり、40mm以上の高さが高効率
で熱交換でき最適である。
【0074】次に、この棚板式直接接触熱交換器51に
よる熱交換方法を説明する。冷却液は、冷却液供給パイ
プ48から最上段の棚板45上に供給する。供給された
冷却液は、僅か遅れて、棚板45に形成されている一部
の孔47から冷却液滴列52が落下される。その後、総
ての冷却液落下孔47から冷却液滴列は、落下され水幕
(カーテン雰囲気)が形成される。被熱交換用ガスの流
入は、棚板45上に充分冷却液が溜まった後、送入口4
2からの開始する。この熱ガスは、多数の冷却液滴列5
2内を流通して、各冷却液滴52と直接接触する。この
時、熱ガスは、ガス中の凝縮成分(水蒸気成分)を凝縮
水にして水回収すると、同時に冷却液を温水化し、熱ガ
ス自身は、低温化される。この熱交換効率は、冷却液の
液滴列の形成領域が長い程、繰り返し行われより高くな
る。
【0075】この実施形態では、ダクト41の大きさ
は、主として図1の冷却液の液滴列形成領域の長さ分形
成すればよい。したがって、熱ガスがダクト5内に流入
後、流出するまでの時間は、図1のダクト5に比較し
て、ガス流の曲線部分を通過する時間だけ、この実施形
態は高速に熱交換できる。さらに、図1では、ガス流を
4枚の棚板1〜4を間隔を設けて構成するが、この実施
形態(図15)のダクト41は1枚の棚板45のみであ
るため、高さを短く構成でき小形化できるなどの特徴が
ある。
【0076】実施例1 次に、上記棚板式直接接触熱交換器を地熱発電システム
に利用した実施形態を図16を参照して説明する。図1
6は、地熱発電システム60を示す構成図である。図1
と同一部分は同一符号を付与し、その詳細な説明を省略
する。
【0077】地熱発電として有効な場所の地下高温部6
1から熱ガスは、ポンプ62で汲み上げ地下に設置され
た図1に示す第1の棚板式直接接触熱交換器18aのガ
ス流入口6に送流される。他方、冷却液は、地上から冷
却液供給パイプ64により給水し、上記第1の棚板式直
接接触熱交換器18aの給水口13から流入される。こ
の結果、上記第1の棚板式直接接触熱交換器18aは、
冷却液と地熱部の熱ガスとを直接接触させて、熱交換さ
せ、熱水化された冷却液を回収する。熱水化された冷却
液は、給水口16から冷却液供給パイプ65を介して地
上に設けたセパレータ66に送流される。このセパレー
タ66は、気水分離することにより得られた高圧蒸気を
高圧蒸気ヘッダ67に供給する。この高圧蒸気ヘッダ6
7から高圧蒸気は、タービン68の高圧段に導入し発電
用タービン68を回転させる。このタービン68の回転
は、回転軸69に連結された発電機70の回転軸を回転
させて、地熱発電させる。さらに、上記発電用タービン
68を回転させた後の高温度の排ガスは、冷却液供給パ
イプ71により第2の棚板式直接接触熱交換器18bの
ガス入口ダクト6に送流される。この交換機18aは、
冷却液入口ダクト13から流入された冷却液と直接接触
させることにより熱交換させて熱水化された冷却液を回
収する。
【0078】この熱水化された冷却液は、上記セパレー
タ66に供給して気水分離する。気水分離された高圧蒸
気は、高圧蒸気ヘッダ67に供給し、発電用タービン6
8を回転させる。このタービン68の回転は、回転軸が
結合された発電機70を回転させ発電する。このように
2系統の上記棚板式直接接触熱交換器18は、高効率で
地熱発電および排ガスの再利用を可能にする。
【0079】実施例2 次に、上記棚板式直接接触熱交換器を燃料電池発電シス
テムに利用した実施形態を図17を参照して説明する。
図17は、燃料電池発電システムを示す構成図である。
図1と同一部分は同一符号を付与し、その詳細な説明を
省略する。燃料電池発電装置80の構成は、改質器と、
燃料極と、空気極と、排ガス再利用系とからなる。燃料
は、都市ガス等の炭化水素系燃料と水蒸気である。この
燃料が供給された改質器81は、水素を主成分とするガ
スに改質する。改質されたガスは、燃料電池本体82の
燃料極83へ供給する。一方、空気は、燃料電池本体8
2の空気極84へ供給する。燃料極83の水素と空気極
84の酸素は、燃料電池本体82で電解質85を介して
化学反応を起こすことにより出力に直流電流を得る。
【0080】この燃料電池発電装置80は、上記発電に
伴って生じる熱や改質器81で生じた熱、化学反応の結
果生じる水を回収し有効に利用している。このような燃
料電池発電装置80は、資源利用効率を高めた発電プラ
ントである。すなわち、改質器81、燃料極83、空気
極84の排気系は、供給配管86〜88を介して混合し
て、図1で説明した棚板式直接接触熱交換器18のガス
流入口6に配管接続する。
【0081】上記棚板式直接接触熱交換器18のガス流
出口7および冷却液出口ダクト16などからのガスおよ
び冷却液は、再利用される。前者のガス流出口7から送
出されるガスは、低温化されたガスが出力されるため冷
却用として再利用される。後者の冷却液出口ダクト16
から送出された冷却液は、高温度化された冷却液である
ため、加熱用として再利用される。
【0082】すなわち、上記燃料電池発電装置80の反
応に要求される設定温度は、燃料極83の反応温度が例
えば190℃であり、空気極の反応温度は、例えば18
0℃であり、改質器81の反応温度は、例えば500℃
である。これらの温調用として利用する実施形態を図1
7は、示している。冷却液出口ダクト16および燃料極
83の第1の温調器89のコイル状配管90の一端側と
は、配管91により接続されている。
【0083】上記第1の温調器89の気密容器92と、
燃料極83を反応温度の190℃に温調するためのコイ
ル状配管93とは、配管94、95により循環するよう
に接続されている。このようにして棚板式直接接触熱交
換器18で高温度化された冷却液により温調する燃料極
83の温調系は、構成されている。コイル状配管90の
他端側および第2の温調器96の液密容器97の入口端
とは、配管98により接続されている。液密容器97の
出口端は、配管99により空気極84を温調するための
コイル状配管100に接続されている。
【0084】この配管100の他端は、第3の温調器1
01の液密容器102の入口に配管103により接続さ
れている。液密容器102の出口は、棚板式直接接触熱
交換器18の冷却液として再利用するために、冷却液入
口ダクト13に配管104により接続されている。第3
の温調器101で空気極84の反応温度の液体は、棚板
式直接接触熱交換器18で低温化されたガスにより冷却
するために、次のように配管されている。この熱交換器
18のガス流出口7と、液密容器102内に設けられて
いるコイル状配管105の一端とは、配管106により
接続されている。コイル状配管105の他端は、大気に
開放されている。
【0085】さらに、棚板式直接接触熱交換器18のガ
ス流出口7と第2の温調器96のコイル状配管107の
一端とは、配管108により接続されている。コイル状
配管107の他端は、大気に開放されている。空気極8
4の温調系は、棚板式直接接触熱交換器18からの低温
化されたガスにより空気極84の反応温度180℃に温
調するように構成されている。
【0086】次に、改質器81の温調系を説明する。改
質反応温度は、棚板式直接接触熱交換器18の温水化さ
れた冷却液を使用する。冷却液出口ダクト16と、第4
の温調器109の液密容器110とは、配管111によ
り接続されている。上記容器110と改質器81の温調
用コイル状配管112とは、配管113により接続され
ている。第4の温調器109の液密容器110内には、
コイル状配管114が設けられている。このコイル状配
管114内には、改質器81の改質反応用温度500℃
に加熱温調するための熱水が循環するように加熱源(ヒ
ータ)115を介して配管されて、改質器81用温調系
が構成されている。
【0087】このように、燃料電池発電装置80に棚板
式直接接触熱交換器18を採用することにより熱回収さ
れた温水および低温化されたガスは、加熱・冷却のため
の温調に利用される。次に、発電動作について説明す
る。都市ガス等の炭化水素系燃料と水蒸気は、改質器8
1に供給する。この改質器81は、反応温度500℃で
燃料である水素を主成分とするガスに改質する。この水
素を主成分とするガスは、負極の燃料極83に供給す
る。この燃料極83は、反応温度190℃に温調されて
いる。他方、温度25℃の空気は、正極の空気極84に
供給する。空気極84は、反応温度180℃に温調され
ている。このように、正極へ空気の供給、負極へ水素の
供給は、電解質85を介して水素と酸素ガスとを電気化
学的に反応させて直流電流を発生させる。
【0088】次に、上記発電時に発生する排ガスの再利
用系を説明する。
【0089】上記改質反応により改質器81からの排ガ
スは、配管86へ排出される。空気極84からの排ガス
は、配管87へ排出される。同様に、燃料極83からの
温調排ガスは、配管88に排出される。これらの排ガス
は、混合して棚板式直接接触熱交換器18のガス入口ダ
クト6に流入される。棚板式直接接触熱交換器18は、
ダクト5内をガス流が流通する過程で、冷却液滴列と直
接接触して熱交換を繰り返すことにより、排ガスを低温
化する。
【0090】さらに、上記熱交換器18により温水化さ
れた冷却液は、ダクト5の底部に収集され、空気極8
4、燃料極83、改質器81での反応温度に温調するの
に利用される。まず、第1の温調器89で棚板式直接接
触熱交換器18からの温水化された冷却液は、燃料極8
3の温調用コイル状配管93を、反応温度190℃に温
調する。
【0091】他方、第2の温調器96で棚板式直接接触
熱交換器18のガス流出口7からの低温化された排ガス
は、空気極84の温調用コイル状配管100を、反応温
度180℃に温調する。また、棚板式直接接触熱交換器
18の温水化された冷却液は、第4の温調器106にて
ヒータ115により改質器81の反応温度に加熱され
る。加熱された冷却液は、改質器81の温調用コイル状
配管112を、加熱して、反応温度500℃に温調す
る。このように、燃料電池からの排ガスを有効に利用す
ることが可能となる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば流
動抵抗の高い冷却液落下孔から冷却液を流下させるの
で、ガス中の水分成分を高効率で凝縮して凝縮水として
回収でき、冷却液を高温化して熱回収でき、気体成分は
高効率で熱交換して低温化できる棚板式直接接触熱交換
器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棚板式直接接触熱交換器の実施形態を
説明するための断面図である。
【図2】図1の棚板の実施形態説明するための斜視図で
ある。
【図3】図2の他の実施形態を説明するための斜視図で
ある。
【図4】図2の他の実施形態を説明するための斜視図で
ある。
【図5】図2の孔の部分を拡大して説明するための断面
図である。
【図6】図2の孔の部分を拡大して説明するための断面
図である。
【図7】図2の孔の部分を拡大して説明するための断面
図である。
【図8】図2の孔の部分を拡大して説明するための断面
図である。
【図9】図2の孔の部分を拡大して説明するための断面
図である。
【図10】図2の孔の部分を拡大して説明するための断
面図である。
【図11】図5の孔から冷却液の液滴が列状に落下して
いる状態を説明するための断面図である。
【図12】図2の他の実施形態を説明するための斜視図
である。
【図13】図2の他の実施形態を説明するための斜視図
である。
【図14】図1の他の実施形態を説明するための棚板式
直接接触熱交換器の断面図である。
【図15】図1の他の実施形態を説明するための斜視図
である。
【図16】図1の実施例を説明するための構成図であ
る。
【図17】図1の実施例を説明するための構成図であ
る。
【符号の説明】
1、2、3、4、45…冷却液落下用棚板 5、41…ガス流通用ダクト 6、36…ガス流入口 7、37…ガス流出口 8、9、10、11…側壁 12、34、47…冷却液落下孔 13、33、48、50、64、65、71…冷却液供
給パイプ 14…ノズル 15…液溜槽 16…冷却液出口ダクト(給水口) 17…テーパ板 18、51…棚板式直接接触熱交換器 21…先端部 22…逆円錐状孔部 23…円筒状孔部 24…筒状孔部 25…逆角錐状孔部 26…逆角錐状孔部 27…角筒状孔部 31…側壁面 32…容器 42…ガスの送入口 43…送出口 44…上壁面 46…側壁面 49…冷却液溜槽 52…液滴列 61…地下高温部 62…ポンプ 66…セパレータ 67…高圧蒸気ヘッダ 68…発電用タービン 69…回転軸 70…発電機 80…燃料電池発電装置 81…改質器 82…燃料電池本体 83…燃料極 84…空気極 85…電解質 86、87、88、91、94、95、98、99、1
04、106、108、111、113…配管 89…第1の温調器 90、93、100、105、107、112、114
…コイル状配管 92、93…気密容器 96…第2の温調器 97、102、110…液密容器 101…第3の温調器 109…第4の温調器 112…加熱源(ヒータ)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不凝縮性ガスおよび凝縮性ガスの混合ガ
    スを流通させるためのガス流通用ダクトと、 このガス流通用ダクト内に前記混合ガス流路に沿って設
    けられた複数の下方に向いた凸縁を有する冷却液落下孔
    を設けた冷却液落下用棚板と、 前記ガス流通用ダクト内に設けられ前記冷却液落下用棚
    板上に冷却液を供給する冷却液供給パイプと、 前記冷却液落下用棚板の各冷却液落下孔から落下する冷
    却液を受ける前記ガス流通用ダクト内に設けられた液溜
    槽とを有することを特徴とする棚板式直接接触熱交換
    器。
  2. 【請求項2】 前記冷却液落下用棚板に設けられた冷却
    液落下孔は円形、長円形、又は多角形をなしていること
    を特徴とする請求項1記載の棚板式直接接触熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記冷却液落下用棚板に設けられた冷却
    液落下孔の口径(非円形の場合は最大口径)が、3〜1
    0mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の棚
    板式直接接触熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記冷却液落下用棚板に設けられた冷却
    液落下孔の下方に向いた凸縁は逆錐状又は筒状をなして
    いることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載
    の棚板式直接接触熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記冷却液落下用棚板の周縁部には液溜
    の側壁が設けられたことを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1項記載の棚板式直接接触熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記ガス流通用ダクトの前記冷却液落下
    用棚板の下方側には混合ガスのガス流入口が設けられ、
    前記ガス流通用ダクトの前記冷却液落下用棚板の上方側
    にはガス流出口が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の棚板式直接接触熱交換器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223424A (ja) * 2009-02-27 2010-10-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蒸発ガス供給装置
JP2012052787A (ja) * 2010-08-04 2012-03-15 Toshiba Corp 直接接触式熱交換器およびこれを用いた固体高分子型燃料電池システム
JP2018173234A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 東洋熱工業株式会社 直接接触型熱交換器
KR102626718B1 (ko) * 2022-08-17 2024-01-18 주식회사 케이엘피이엔지 직접팽창식 공기조화기용 응축냉매 과냉각장치

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