JP5753701B2 - フレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

フレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム箔、例えば、電池用アルミニウム箔の製造に使用されるフレーム処理装置及びそのフレーム処理装置を用いた電池用アルミニウム箔の製造方法に関する。
従来、アルミニウム箔を製造する場合、アルミニウム箔の表面をバーナーの炎を放射して加熱し、アルミニウム箔の表面に付着した油脂分を除去するフレーム処理装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
このフレーム処理装置は、巻戻しコイルから巻き戻されるアルミニウム箔を送るダンサロールと、このダンサロールを経て送られるアルミニウム箔を、加熱するように設置されたバーナー及び当該バーナーに対向して配置される第1ブライドルロールと、この第1ブライドルロールから送り出されるアルミニウム箔の皺を防止するためのゴムロールと、このゴムロールの直後に配置される第2ブライドルロール及びテンションリールと、を備え、前記第2ブライドルロール及びテンションリールを経たアルミニウム箔を巻取りコイルに巻き取るように構成されている。
したがって、フレーム処理装置は、ダンサロールでアルミニウム箔のテンションを調整しながら、送られてくるアルミニウム箔の表面にバーナーからの炎を放射することで、アルミニウム箔の表面に付着した油分を除去し、ゴムロールで加熱されたアルミニウム箔の皺を防止しながら巻取りコイルに油分が除去されたアルミニウム箔を巻き取っている。
特許第3274712号公報
しかし、前記した従来のフレーム処理装置では、以下に示すような問題点が存在していた。
従来のフレーム処理装置では、バーナーで炎を放射されて加熱した後のアルミニウム箔は、送路中に急激にバーナーで加熱されて温度が変化するため、素材の熱膨張あるいは熱収縮により状態が変化する。そのため、バーナーの加熱後にゴムロールを介しても、バーナーにより加熱されたアルミニウム箔の状態、さらに、加熱後のアルミニウム箔の温度上昇を抑制することができず、アルミニウム箔の皺を防止することができなかった。
本発明は、前記した問題点に鑑み創案されたものであり、バーナーにより炎を放射して油脂分を除去する場合でも、バーナーの加熱による熱の影響を小さくすることで、アルミニウム箔に皺を防止するフレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の発明者等は、実際の製造過程においてフレーム処理装置で加熱することによる極端なアルミニウム箔の温度変化を改善し、バーナーの前における位置でアルミニウム箔の温度を徐々に変化させること、及び、バーナー加熱後のアルミニウム箔の温度上昇を抑制することにより、アルミニウム箔の温度の変化による皺の発生を防止することを見出した。
したがって、前記課題を解決するため、本発明に係るフレーム処理装置は、アルミニウム箔の巻戻しコイルから巻取りコイルまでの間に配置されたバーナー用冷却ロールと、前記バーナー用冷却ロールに対向して配置されたバーナーとを備え、前記バーナーによりアルミニウム箔の表面に炎を放射して加熱することで油脂分除去を行うフレーム処理装置において、前記バーナー用冷却ロールに前記アルミニウム箔を送る送路における直前位置に配置され前記アルミニウム箔に当接して当該アルミニウム箔を予熱する予熱ロールと、前記バーナー用冷却ロールから前記アルミニウム箔が送り出される送路における直後位置に配置され前記アルミニウム箔に当接して前記アルミニウム箔を冷却する冷却ロールと、を備える構成とした。
かかる構成によりフレーム処理装置は、アルミニウム箔が巻戻りコイルから送られて予熱ロールにより送られると、アルミニウム箔が、常温からバーナーにより加熱される加熱温度との間の所定温度になるように、予熱ロールにより予熱される。そのため、フレーム処理装置では、アルミニウム箔が予熱ロールを経由することで常温から加熱温度になる前に予熱され急激な温度変化が抑制される。そして、フレーム処理装置は、予熱したアルミニウム箔をバーナーの炎を放射するときにバーナー用冷却ロールにより冷却することで、アルミニウム箔の軟化を抑制しながら表面を加熱してアルミニウム箔の表面に付着した油脂分を除去する。さらに、フレーム処理装置は、加熱して油脂分が除去されたアルミニウム箔を、加熱温度と常温との間の所定温度になるように設定されている冷却ロールを経由させることで冷却してアルミニウム箔の温度上昇を抑制している。
また、フレーム処理装置において、使用される予熱ロールは、前記アルミニウム箔の表面および裏面に当接する少なくとも2つがアルミニウム箔の送路に沿って異なる位置に配置されていると共に、前記冷却ロールは、前記アルミニウム箔の表面および裏面に当接する少なくとも2つがアルミニウム箔の送路に沿って異なる位置に配置されている構成とした。
かかる構成により、フレーム処理装置は、アルミニウム箔を常温から予熱する所定温度に複数の予熱ロールにより徐々に予熱し、かつ、加熱されたアルミニウム箔を加熱温度から所定温度に複数の冷却ロールにより徐々に冷却することができ、極端な温度差及び温度上昇をアルミニウム箔に与えることを防いでいる。
さらに、フレーム処理装置は、前記予熱ロールが、一方のロール端面側に前記アルミニウム箔を予熱するための液体を導入する導入口を設け、前記導入口から連続してロール内部に流路を設け、その流路からの液体を前記一方のロール端面側において排出する排出口を設けた構成とし、前記冷却ロールが、一方のロール端面側に前記アルミニウム箔を冷却するための液体を導入する導入口を設け、前記導入口から連続してロール内部に流路を設けた構成とし、その流路からの液体を前記一方のロール端面側において排出する排出口を設け、前記予熱ロールの前記液体を40〜60℃の範囲に設定し、かつ、前記冷却ロールの液体を20〜50℃の範囲に設定するように構成した。
かかる構成により、フレーム処理装置は、予熱ロール及び冷却ロールをロール内に導入した液体で予熱および冷却を行い、予熱ロール及び冷却ロールの温度範囲を所定の温度範囲としている。そのため、フレーム処理装置は、巻戻しコイルにおけるアルミニウム箔の常温の状態からバーナーで加熱されて高温になって再び常温に向かう状態で巻取りコイルで巻き取るまでの送路間において、急激な温度変化及び温度上昇をアルミニウム箔に与えることを抑制している。なお、フレーム処理装置は、設定温度範囲で予熱ロール及び冷却ロールを同じ温度にしてもよく、あるいは、異なる温度にしてもよく、異なる温度にした場合には例えば、予熱ロールを40〜60℃とし、冷却ロールを20〜50℃としても構わない。
また、前記課題を解決するため、本発明に係る電池用アルミニウム箔の製造方法は、炎を放射するバーナーと当該バーナーに対向する位置に配置したバーナー用冷却ロールを備えるフレーム処理装置を用いて、電池用アルミニウム箔を製造する電池用アルミニウム箔の製造方法において、巻戻しコイルから巻取りコイルまでの送路間にアルミニウム箔を送り、前記バーナー用冷却ロールの直前位置に配置した予熱ロールにより、前記アルミニウム箔を予熱する予熱工程と、前記バーナー用冷却ロールに送られて来る予熱された前記アルミニウム箔の表面に前記バーナーの炎を放射して加熱する加熱工程と、前記バーナー用冷却ロールの直後位置に配置した冷却ロールにより、前記バーナーの炎を放射されたアルミニウム箔を冷却する工程と、前記冷却ロールで冷却されて送られて来る前記アルミニウム箔を、前記送路に沿って設置したカッタにより電池用アルミニウム箔の幅に切断する切断工程と、切断して電池用アルミニウム箔の幅にしたものを前記巻取りコイルで巻き取る巻取り工程と、を含むこととした。
かかる手順により、電池用アルミニウム箔の製造方法は、予熱工程において、バーナーにより炎を放射する前にアルミニウム箔を常温から予熱し、常温からバーナーで加熱することによる極端な温度差を緩和し、熱膨張によるシワ発生を抑制する。そして、加熱工程において、バーナーにより炎を放射し加熱されるときのアルミニウム箔の軟化をバーナー用冷却ロールで抑制し、アルミニウム箔の表面に付着している油脂分の除去を行う。さらに、冷却工程において、冷却ロールにより加熱されたアルミニウム箔のロール温度の上昇を防ぎアルミニウム箔のシワ発生を防止している。また、切断工程により、冷却ロールにより温度上昇が抑制されたアルミニウム箔をカッタにより所定幅に切断して電池用アルミニウム箔として巻取りコイルで巻き取っている。
本発明に係るフレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法は、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
フレーム処理装置は、バーナー及びバーナー用冷却ロールにおける直前に予熱ロールを設置し、直後に冷却ロールを設置しているので、予熱ロールにより加熱される前にアルミニウム箔を予熱してバーナーにより加熱したときの温度差が極端に大きくなることを抑制し、また、冷却ロールにより加熱後のアルミニウム箔の温度上昇を抑制することで、アルミニウム箔のシワの発生を防止することができる。
フレーム処理装置は、2つ以上の予熱ロール及び2つ以上の冷却ロールをそれぞれアルミニウム箔の表面及び裏面に異なる位置で当接するように配置しているので、アルミニウム箔に対する温度変化を徐々に与えて、アルミニウム箔にシワの発生を防止することができる。
フレーム処理装置は、予熱ロールおよび冷却ロールに液体を流通させることで、それぞれアルミニウム箔の予熱あるいは冷却を行い、予熱ロール及び冷却ロールにおいて、20〜60℃の所定温度範囲内で温度を設定することで、アルミニウム箔の常温から加熱温度までの温度差を急激に変えることなく、かつ、加熱後のアルミニウム箔の温度上昇を抑制することで、アルミニウム箔のシワの発生をより確実に防止する。
電池用アルミニウム箔の製造方法は、アルミニウム箔に予熱を行い、バーナーにより炎を放射してアルミニウム箔を加熱して油脂分除去を行い、加熱されたアルミニウム箔を冷却ロールで冷却することでアルミニウム箔の温度上昇を抑制して、その後カッタで所定幅に切断するようにしているので、シワが発生しない電池用アルミニウム箔を製造することができる。
本発明に係るフレーム処理装置の全体を模式的に示す模式図である。 (a)、(b)は、本発明に係るフレーム処理装置の予熱ロール及び冷却ロールを一部を切り欠いて模式的にそれぞれ示す正面図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明に係るフレーム処理装置のバーナー用冷却ロールの断面状態を示す縦断面図、横断面図及びロール表面の内部の流路を平面状態で模式的に示す断面模式図である。 本発明に係る電池用アルミニウム箔の製造工程を示すフロー図である。
以下、本発明に係るフレーム処理装置及び電池用アルミニウム箔の製造方法について図面を参照して説明する。なお、アルミニウム箔は、包装用、電気材料用、工業用、日用品、装飾品等、様々な用途があるが、ここでは、電池用アルミニウム箔を製造する場合のフレーム処理装置1について説明する。
図1に示すように、フレーム処理装置1は、巻戻しコイルRcが設置される巻戻しコイル設置部2と、巻取りコイルWcが設置される巻取りコイル設置部13と、巻戻しコイル設置部2及び巻取りコイル設置部13までのアルミニウム箔Awの送路中に、予熱ロール5と、バーナー用冷却ロール6と、バーナー7と、冷却ロール8と、を主に備えている。そして、フレーム処理装置1は、冷却ロール8で冷却されたアルミニウム箔Awを所定幅に切断するカッタ10を送路中に有するように構成されている。なお、フレーム処理装置1では、アルミニウム箔Awの送路中にダンサロール3、テンションリール4、11、調整ロール9、巻取りロール12等、アルミニウム箔Awの送りに必要となる構成を適宜備えている。
使用されるアルミニウム箔Awは、ここでは、電池用アルミニウム箔が使用される。アルミニウム箔Awは、その成分等は、電池用に使用されるアルミニウム箔であれば、純アルミニウムあるいはアルミニウム合金等、特に限定されるものではない。また、アルミニウム箔Awの厚さは、例えば、5〜60(10〜30)μmの範囲等、特に限定されるものではない。
巻戻しコイル設置部2は、巻戻しコイルRcを回転自在に支持して設置するものである。この巻戻しコイル設置部2は、圧延されてボビンに巻かれたアルミニウム箔Awを巻戻しコイルRcが巻き戻されてアルミニウム箔Awを送路に送り出されることができる構成であれば、特に限定されるものではない。
ダンサロール3は、アルミニウム箔Awの送り速度を一定に保つためのものであり、特にその構成が限定されるものではない。
テンションリール4、11は、アルミニウム箔Awのテンションを一定に保つものであり、送路中に複数設けられており、ここでは、ダンサロール3の直後と、カッタ10の直後に配置されている。このテンションリール4、11は、アルミニウム箔Awに適切なテンションを与えることができれば、特にその構成が限定されるものではない。
予熱ロール5は、アルミニウム箔Awをバーナー7で加熱する直前にアルミニウム箔Awに予熱を与えるものである。この予熱ロール5は、バーナー用冷却ロール6(6A)の直前に配置され、ここでは、第1予熱ロール5A〜第3予熱ロール5Cが設置されている。第1予熱ロール5A及び第2予熱ロール5Bは、アルミニウム箔Awの裏面に当接して予熱を与えるものである。また、第3予熱ロール5Cは、アルミニウム箔Awの表面に当接して予熱を与えるものである。なお、第1予熱ロール5A〜第3予熱ロール5Cは、配置が異なるのみで、同じ構造であるので、第1予熱ロール5Aについて説明する。
第1予熱ロール5Aは、図2(a)に示すように、ロール内に液体として温水あるいは温油が導入されるように構成されている。この第1予熱ロール5Aは、例えば、温水あるいは温油の設定温度が20〜60℃より好ましくは40〜60℃の範囲において循環するように構成されている。第1予熱ロール5Aは、一端側のロール側面に連続する回転軸にロール内まで貫通するように2重管構造としている。すなわち、第1予熱ロール5Aは、ロール軸の一端側に形成した貫通穴5aと、この貫通穴5aに連通してロール面となる位置の流径を大きくしたロール面内流路5bと、このロール面内流路5bの外側となるロール対面流路5cと、このロール対面流路5cから連続して貫通穴5cの外側に形成される排出流路5dとを備えている。
そして、第1予熱ロール5Aは、外部に設置した温度調整機構15により、ここでは、40〜60℃の設定温度に設定してポンプ等の循環手段(図示せず)によりロール内に供給する液体を循環させている。つまり、第1予熱ロール5Aは、温度調整機構15から送られる液体を貫通穴5aからロール面内流路5b及びロール対面流路5cに送り、ロール面を設定温度にすることで、ロール面に当接するアルミニウム箔Awを予熱している。さらに、第1予熱ロール5Aでは、排出流路5dから温度調整機構15に予熱する液体を送り、設定温度の液体が循環するようにしている。第1予熱ロール5Aは、予熱用の液体により温められて設定温度に加熱されることになるため、第1予熱ロール5Aに当接するアルミニウム箔Awを、常温から予熱することになる。
予熱ロール5は、ここでは、第1予熱ロール5A〜第3予熱ロール5Cを設けることで、当接するアルミニウム箔Awの温度を常温から徐々に上昇させている。なお、予熱ロール5の表面状態は目的とするアルミニウム箔Awの表面状態を維持できるように構成されている。また、予熱ロール5の一例としてスチール製メッキロールが使用され、設定温度は、40〜60℃の範囲で設定されることが好ましい。さらに、予熱ロール5は、図示しない回転駆動機構により送り速度に同期して回転駆動するものである。
バーナー用冷却ロール6は、アルミニウム箔Awをバーナー7で加熱するときに、アルミニウム箔Awの熱による軟化を防止するものである。このバーナー用冷却ロール6は、図3(a)、(b)、(c)に示すように、予熱ロールの直後に配置されており、ここでは、アルミニウム箔Awの表面及び裏面にそれぞれ当接する第1バーナー用冷却ロール6Aと、第2バーナー用冷却ロール6Bとを備えている。第1バーナー用冷却ロール6Aは、図3(a)、(c)に示すように、回転軸6eの同心円上の位置に筒状に形成したロールのロール内表面に液体の流路6bを形成して、アルミニウム箔Awを冷却している。
なお、ロール内表面に形成された流路6bは、ロール面全体を連続して液体が流れるようにロールの一端側から他端側まで、また、ロールの他端側から一端側までを交互に繰り返す経路が複数(ここでは一往復半の経路を周方向に複数備える)周方向に形成されている。また、液体の導入口6cは、回転軸6eが2重管になっており、回転軸6eの一端となる内側に導入口6cが形成され、2重管の外側に導出口6dが形成されている。他端側のロール側面に形成された流路6aには、それぞれの流路6bに液体を送る供給口が形成され、また、一端側のロール側面に形成された流路6aには、それぞれの流路6bから液体を排出する排出口が流路6bの終端位置に形成されている。
したがって、ロール内表面に形成され流路6aには、回転軸6eの一端側の液体の導入口6cから、回転軸6eの中央を流れて、他端側のロール側面に形成されたそれぞれの流路6aを介して、冷却用の液体が供給される。そして流路6bに供給された液体は、一端側のロール側面に形成された流路6aから回転軸6eの導出口6dを介してロール外に送られる。そして、導出口6dからロール外に送られた液体は、図示しない循環機構のポンプ等により一定の速度で流されており、液体が常に一定速度で流路6a、6b内を循環してロール面が設定温度になるように構成されている。
バーナー7は、アルミニウム箔Awの表面に炎を放射して油脂分を除去するものである。このバーナー7は、ここでは、第1バーナー7aおよび第2バーナー7bが、それぞれ、第1バーナー用冷却ロール6A及び第2バーナー用冷却ロール6Bに対向する位置に設置されている。このバーナーは、炎を放射してアルミニウム箔Awの表面及び裏面に付着している油脂分を除去することができるものであれば、その炎の放射温度、範囲、バーナー用冷却ロール6までの距離等については、特に限定されるものではない。
冷却ロール8は、図1に示すように、バーナー7で加熱したアルミニウム箔Awの直後にアルミニウム箔Awが必要以上に温度上昇しないようにするものである。この冷却ロール8は、バーナー用冷却ロール6(6B)の直後に配置され、ここでは、第1冷却ロール8A〜第3冷却ロール8Cが設置されている。第1冷却ロール8Aは、アルミニウム箔Awの表面に当接して温度上昇を抑制するものである。また、第2冷却ロール8B及び第3冷却ロール8Cは、アルミニウム箔Awの裏面に当接して温度上昇を抑制するものである。
なお、第1冷却ロール8A〜第3冷却ロール8Cは、配置が異なるのみで、同じ構造であるので、第1冷却ロール8Aについて説明する。
第1冷却ロール8Aは、図2(b)に示すように、ロール内に液体として冷却水あるいは冷却油が導入されるように構成されている。この第1冷却ロール8Aは、例えば、冷却水あるいは冷却油の設定温度が40〜60℃、より好ましくは20〜50℃の範囲において循環するように構成されている。第1冷却ロール8Aは、一端側のロール側面に連続する回転軸にロール内まで貫通するように2重管構造としている。すなわち、第1冷却ロール8Aは、ロール軸の一端側に形成した貫通穴8aと、この貫通穴8aに連通してロール面となる位置の流径を大きくしたロール面内流路8bと、このロール面内流路8bの外側となるロール対面流路8cと、このロール対面流路8cから連続して貫通穴8cの外側に形成される排出流路8dとを備えている。
そして、第1冷却ロール8Aは、外部に設置した温度調整機構15により、ここでは、20〜50℃の設定温度に設定してポンプ等の循環手段(図示せず)によりロール内に供給する液体を循環させている。つまり、第1冷却ロール8Aは、温度調整機構15から送られる液体を貫通穴8aからロール面内流路8b及びロール対面流路8cに送り、ロール面を設定温度にすることで、ロール面に当接するアルミニウム箔Awの温度が上昇しないようにしている。さらに、第1冷却ロール8Aでは、排出流路8dから温度調整機構15に冷却する液体を送り、設定温度の液体が循環するようにしている。第1冷却ロール8Aは、循環する冷却用の液体により冷却されて設定温度に近づくように温度上昇が抑制されることになる。したがって、アルミニウム箔Awは、第1冷却ロール8Aに当接することで、バーナー7により加熱された状態から冷却されて温度上昇が抑制される。
冷却ロール8は、ここでは、第1冷却ロール8A〜第3冷却ロール8Cを設けることで、当接するアルミニウム箔Awの温度上昇を抑制するようにしている。なお、冷却ロール8の表面状態は目的とするアルミニウム箔Awの表面状態を維持できるように構成されている。また、冷却ロール8の一例としてスチール製メッキロールが使用され、設定温度は、40〜60℃の範囲で設定されることが好ましい。さらに、冷却ロール8は、図示しない回転駆動機構により送り速度に同期して回転駆動するものである。
また、予熱ロール5及び冷却ロール8は、液体の温度を同じ温度範囲に設定して動作させる場合は、温度調整機構15は、同じものを使用でき、一つの機構で対応することが可能となる。
調整ロール9は、冷却ロール8の直後に設置され、冷却ロール8で冷却されたアルミニウム箔Awを送路中において整えてカッタ10により所定幅にカットさせるためのものである。調整ロール9は、複数の送りロールにより構成されている。調整ロール9は、ここでは複数の送りロールがアルミニウム箔Awの表面と裏面に交互に当接するように配置され、最後に配置された送りロールに対向する位置にカッタ10が設けられている。
カッタ10は、送路中のアルミニウム箔Awを所定幅に切断するものである。このカッタ10は、送りロールの幅方向に亘って設置され、ここでは、電池用アルミニウム箔の幅になるように複数の刃を備えている。なお、カッタ10の素材、構成、刃の設置間隔等は、成形する目的物により適宜設定され、特に限定されるものではない。
巻取りロール12は、テンションリール11と巻取りコイルWcとの間に設置され、巻取りコイルWcにカッタ10で切断したアルミニウム箔Awを巻き取らせるためのものである。この巻取りロール12は、構成、設置位置等は、巻取りコイルWcにアルミニウム箔を巻き取らせることができるものであれば、限定されるものではない。
巻取りコイル設置部13は、巻取りコイルWcを取り付けて図示しないモータ等の駆動機構を介して巻取りコイルWcを一定速度で回転させ、アルミニウム箔Awを巻取りコイルWcに巻き取らせるものである。この巻取りコイル設置部13は、巻取りコイルWcにアルミニウム箔Awを巻き取ることができるように動作するものであれば、その構成を特に限定されるものではない。
フレーム処理装置1は、以上説明したように、予熱ロール5をバーナー7の直前に設置すると共に、冷却ロール8をバーナー7の直後に設置しているので、アルミニウム箔Awを急激に温度変化させることがなく、かつ、加熱したアルミニウム箔Awの温度上昇を抑制して、アルミニウム箔Awにシワが発生する原因を抑制することができる。
つぎに、フレーム処理装置1により電池用アルミニウム箔の製造を行うときの動作について説明する。
図1及び図4に示すように、フレーム処理装置1は、はじめに巻戻しコイルRcを巻戻しコイル設置部2に設置して、巻取りコイル設置部13に設置されている巻取りコイルWcにまで送路に沿って渡してセットする(セット工程S01:図示せず)。
また、フレーム処理装置1は、予熱ロール5、冷却ロール8、バーナー用冷却ロール6のそれぞれのロール内に液体が循環するようにして各ロールの温度調整が先に行われる(準備工程S02:図示せず)。
巻取りコイル設置部13側のモータ等や、他のロールの回転軸を駆動してアルミニウム箔Awが巻き戻されて(巻戻し工程:S1)フレーム処理が始まると、フレーム処理装置1は、はじめに、アルミニウム箔Awの送り状態を調整するようにダンサロール3により速度等が調整され、さらに、テンションリール4によりアルミニウム箔Awのテンションが調整されるようにして、巻戻しコイルRcからアルミニウム箔Awが巻戻されて送り出される(送出し調整工程S1a:図示せず)。
フレーム処理装置1は、テンションリール4のつぎに予熱ロール5に当接することで、常温から所定温度範囲に設定された予熱ロール5の温度に近づくように予熱され(予熱工程:S2)、バーナー用冷却ロール6に送られる。この予熱ロール5をアルミニウム箔Awが当接して通ることで、常温から急激に加熱温度になることを防ぎ、常温から予熱温度になった後にバーナー7による加熱温度になるように構成されている。
フレーム処理装置1は、バーナー用冷却ロール6の位置でバーナー7によりアルミニウム箔Awの表面に炎が放射され、さらに、アルミニウム箔Awの裏面に炎が放射され、アルミニウム箔Awの表面に付着している油脂分が除去されることになる(加熱工程:S3)。このバーナー7により炎が放射されるときに、第1バーナー用冷却ロール6A,第2バーナー用冷却ロール6Bがアルミニウム箔Awの裏面又は表面に交互に当接することで、第1バーナー7a,第2バーナー7bから炎が放射されたときに、アルミニウム箔Awを冷却して軟化を抑制し、表面あるいは裏面に付着した油脂分のみを除去することが可能となる。
なお、フレーム処理装置1では、バーナー7で炎が放射される前に予熱ロール5によりアルミニウム箔Awが予熱されるので、アルミニウム箔Awがバーナー7により常温から急激に加熱温度になることを防ぎ、常温から予熱温度になった後にバーナー7による加熱温度になり、アルミニウム箔Awの急激な温度変化によるシワの原因を抑制している。
また、フレーム処理装置1では、バーナー7により炎が放射されたアルミニウム箔Awに冷却ロール8を当接させて送ることで(冷却工程:S4)、アルミニウム箔Awの温度上昇を抑制することができ、ロール温度によるアルミニウム箔Awのシワの発生を防止することができる。
フレーム処理装置1は、冷却ロール8により冷却されたアルミニウム箔Awを調整ロール9により整え、カッタ10により電池用アルミニウム箔の幅に切断し(切断工程:S5)、テンションリール11によりテンションが調整され、巻取りロール12により巻取りコイルWcに巻き取られる(巻取り工程:S6)。
以上のように、フレーム処理装置では、予熱ロール5により予熱され、バーナー7によりアルミニウム箔Awの表面及び裏面に付着した油脂分を除去し、冷却ロール8によりアルミニウム箔Awの温度上昇を抑制することで、アルミニウム箔Awのシワの防止を行うことが可能となる。
なお、アルミニウム箔は、包装用、電気材料用、工業用、日用品、装飾品等、様々な用途があるが、その違いは箔厚、切断幅、表面状態であり、それらは適宜、公知の手法で調整することで実現することが可能である。また、フレーム処理装置1は、アルミニウム箔Awが、切断を必要としないものであれば、カッタ10を設置しない構成とする。
温度調整機構15は、同じものを使用できるように説明したが、それぞれ別の機構で対応するようにしてもよい。温度調整機構15を予熱ロール5と、冷却ロール8とで別々にすることで、温度調整を温度範囲内でそれぞれ異なる温度に設定して、目的とするアルミニウム箔の構成により対応することが可能となる。
1 フレーム処理装置
2 巻戻しコイル設置部
3 ダンサロール
4 テンションリール
5 予熱ロール
5A 第1予熱ロール
5B 第2予熱ロール
5C 第3予熱ロール
5a 貫通穴
6 バーナー用冷却ロール
6A 第1バーナー用冷却ロール
6B 第2バーナー用冷却ロール
6a 流路
6b 流路
6c 導入口
6d 導出口
6e 回転軸
7 バーナー
7a 第1バーナー
7b 第2バーナー
8 冷却ロール
8A 第1冷却ロール
8B 第2冷却ロール
8C 第3冷却ロール
8a 貫通穴
9 調整ロール
10 カッタ
11 テンションリール
12 巻取りロール
13 巻取りコイル設置部
15 温度調整機構
Aw アルミニウム箔
Rc 巻戻しコイル
Wc 巻取りコイル

Claims (4)

  1. アルミニウム箔の巻戻しコイルから巻取りコイルまでの間に配置されたバーナー用冷却ロールと、前記バーナー用冷却ロールに対向して配置されたバーナーとを備え、前記バーナーによりアルミニウム箔の表面に炎を放射して加熱することで油脂分除去を行うフレーム処理装置において、
    前記バーナー用冷却ロールに前記アルミニウム箔を送る送路における直前位置に配置され前記アルミニウム箔に当接して当該アルミニウム箔を予熱する予熱ロールと、
    前記バーナー用冷却ロールから前記アルミニウム箔が送り出される送路における直後位置に配置され前記アルミニウム箔に当接して前記アルミニウム箔を冷却する冷却ロールと、を備えることを特徴とするフレーム処理装置。
  2. 前記予熱ロールは、前記アルミニウム箔の表面および裏面に当接する少なくとも2つがアルミニウム箔の送路に沿って異なる位置に配置されていると共に、前記冷却ロールは、前記アルミニウム箔の表面および裏面に当接する少なくとも2つがアルミニウム箔の送路に沿って異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフレーム処理装置。
  3. 前記予熱ロールは、一方のロール端面側に前記アルミニウム箔を予熱するための液体を導入する導入口を設け、前記導入口から連続してロール内部に流路を設け、その流路からの液体を前記一方のロール端面側において排出する排出口を設けた構成とし、
    前記冷却ロールは、一方のロール端面側に前記アルミニウム箔を冷却するための液体を導入する導入口を設け、前記導入口から連続してロール内部に流路を設け、その流路からの液体を前記一方のロール端面側において排出する排出口を設けた構成とし、
    前記予熱ロールの前記液体を40〜60℃の範囲に設定し、かつ、前記冷却ロールの液体を20〜50℃に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレーム処理装置。
  4. 炎を放射するバーナーと当該バーナーに対向する位置に配置したバーナー用冷却ロールを備えるフレーム処理装置を用いて、電池用アルミニウム箔を製造する電池用アルミニウム箔の製造方法において、
    巻戻しコイルから巻取りコイルまでの送路間にアルミニウム箔を送り、前記バーナー用冷却ロールの直前位置に配置した予熱ロールにより、前記アルミニウム箔を予熱する予熱工程と、
    前記バーナー用冷却ロールに送られて来る予熱された前記アルミニウム箔の表面に前記バーナーの炎を放射して加熱する加熱工程と、
    前記バーナー用冷却ロールの直後位置に配置した冷却ロールにより、前記バーナーの炎を放射されたアルミニウム箔を冷却する工程と、
    前記冷却ロールで冷却されて送られて来る前記アルミニウム箔を、前記送路に沿って設置したカッタにより電池用アルミニウム箔の幅に切断する切断工程と、
    切断して電池用アルミニウム箔の幅にしたものを前記巻取りコイルで巻き取る巻取り工程と、を含むことを特徴とする電池用アルミニウム箔の製造方法。
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