JP5753688B2 - 可変周波数超音波を用いた歯を洗浄するための装置 - Google Patents

可変周波数超音波を用いた歯を洗浄するための装置 Download PDF

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Description

本発明は一般的には、超音波を用いて歯を洗浄するための装置に関し、更に詳細には、気泡生成器と、気泡の共鳴周波数において又は共鳴周波数の付近で気泡を振動させる超音波源との組み合わせに関する。
水のような液体中の気泡は、該気泡の共鳴周波数において又は共鳴周波数の付近で該気泡が超音波により振動させられた場合に、活発な流体流動に帰着する。歯に直接向けられた斯かる流体流動は、歯から歯垢を分離させ除去する効果を持つ。斯かるシステムは、本発明の譲渡人により所有される係属中のPCT特許出願PCT/IB2006/054463の要旨であり、その内容はここで参照によって本明細書に組み込まれたものとする。しかしながら、斯かる装置は、単一の超音波周波数を利用する。斯かるシステムのための気泡生成は、それに従って非常に正確である必要があり、超音波信号の最大限の効果のためには、気泡が超音波信号の周波数に合致する半径を持つ必要がある。
実際には、斯かる正確な気泡生成は、特に大量生産される装置においては達成が困難である。なぜなら、必要とされる正確さが、付加的な費用を必要とするからである。気泡生成における正確さの欠如は、装置の効率の低下をもたらす範囲のサイズを持つ気泡に導く。なぜなら、全ての気泡が、単一の超音波周波数によって歯垢を洗浄するために効果的に利用されるわけではなくなるからである。加えて、単一の超音波周波数の使用は、超音波の高強度位置と低強度位置とが常に同一位置となる静的な定在波/干渉パターンを歯においてもたらす。このことは一般に、歯において特定の生物膜除去パターンに帰着し、特定の領域が他の領域ほどに洗浄されず、これら領域において歯垢を残してしまい、望ましくない。
それ故、気泡生成器/超音波システムが、より均一な歯の洗浄をもたらしつつ、気泡サイズの範囲を有効に活用することが可能であることが望ましい。
従ってここで、歯から生物膜を洗浄するための装置であって、前記生物膜における細菌の効果的な除去に関連する範囲のサイズを持ち且つそれぞれが共鳴周波数を持つ液体媒体中の気泡の発生源と、大部分の前記気泡の共鳴周波数に対応する周波数を含む超音波周波数範囲を持つ超音波信号の供給源であって、前記超音波信号は、気泡及び液体の流れに適用され、前記生物膜に到達する際に漂白作用が生じるように前記気泡を振動させる、超音波信号の供給源と、を有する装置が説明され示される。
また、歯ブラシ柄部と、前記柄部から延在し、延在するカップ状部を持つ、歯ブラシヘッド部と、前記カップ部に取り付けられ、前記カップ部からの超音波を送信するように動作可能に接続され、歯の表面にフォーカスさせられた、超音波変換器と、前記生物膜における細菌の効果的な除去に関連するサイズを持つ液体媒体中の気泡の発生源と、を有する歯ブラシが説明され示される。
以下に示され説明される気泡生成/超音波装置のブロック図である。 2つの歯の間の歯間領域に配置された装置の一部を示す図である。 超音波信号の生成を示す図である。 気泡液体混合物を生成するためのシステムを示す図である。 気泡液体混合物を生成するためのシステムを示す図である。 歯ブラシの実施例の部分的断面立面図である。 他の実施例の部分的断面立面図である。
図1の装置は、全体として10として示され、柄及び延長されたヘッドを含む歯洗浄装置本体/筐体に部分的に又は完全に収容されたときに歯を洗浄するように構成され、特定用途の状況で説明される。しかしながら、本装置の原理は、以下に議論される他の用途においても有効に利用され得る。本装置は全体として、気泡生成器14と圧電変換器16及び関連する圧電変換器駆動回路18(駆動回路と呼ぶ)とを組み合わせる。
装置10は、超音波周波数の範囲を生成する圧電変換器16と歯との間の望ましい間隔を提供するように、具体的は変換器の焦点において又は焦点付近に歯を維持するように、歯に対して、特に歯間領域に配置されるように構成された、ノズル/スタンドオフ部材を含む。例えば、超音波信号の400kHzの中心周波数においては、平坦な直径10mmの円形変換器について、焦点距離は6.7mmである。このサイズは、歯の表面と歯間空間との優れたカバーを提供する。例えば300乃至500kHzの周波数範囲についての変換器焦点の範囲は、5.1乃至8.4mmである。変換器16とスタンドオフ部材との合わせた高さは、略通常の歯ブラシヘッドのサイズである、20mmを超えるべきではない。以上から、部材12のスタンドオフ距離は、1乃至15mmの範囲となる。
本体/筐体を含む変換器16が5mmの厚さを持つ場合、スタンドオフ距離は好適には、以上の例では5.1mmである最低効率周波数における変換器の焦点距離に等しい。他の例においては、超音波周波数が0.75乃至1.25MHzの範囲で変化し中心周波数が1MHzである場合、平坦な直径10mmの円形変換器の焦点距離は、12.6mm乃至21mmに亘る。好適なスタンドオフ距離は12.6mmである。変換器が非平坦な設計を持つ場合、該距離は減少し得る。
気泡生成器14は動作中、ノズル部材12への液体ジェットにおける気泡の流れを生成する。気泡生成器14は、歯垢の除去に有効な範囲のサイズの気泡を生成する。とりわけ、気泡のサイズは、歯における生物膜に存在する細菌又は細菌のコロニー/塊(ランプ(lump)と呼ばれる)のサイズと合致する。細菌及び/又はランプは或る範囲のサイズを持つため、気泡もまた、典型的にはミクロンの範囲である、対応するサイズ範囲の気泡を持つ。圧電変換器16は、上述したように、駆動回路18により駆動される広帯域超音波生成のために設計される。或る範囲の周波数を生成する圧電変換器は、或る範囲の気泡サイズの共鳴周波数に合致するという利点を持ち、それにより、1つだけの気泡サイズとは対照的に、或る範囲の気泡サイズの有効な共鳴周波数を生成する。このことは、或る範囲の細菌ランプサイズに対して効果的な洗浄に帰着し、更に歯間領域を含む歯の均一な洗浄効果をももたらす。
より具体的には、駆動回路18及び圧電変換器16は、選択された中心周波数を持つ超音波信号を生成し、当該周波数の前後に特定の帯域幅を持つ。該中心周波数は、かなりの範囲に亘って変化し得る。下限では、該中心周波数は200kHzであり得、上限では、該中心周波数は2又は4MHzになり得る。更に好適な範囲は、200kHzと2MHzとの間であり、好適な中心周波数は約1.0MHzであるが、400kHzの中心周波数も優れた結果をもたらしている。1MHzの中心周波数で50%の帯域幅を持つ場合、生成される超音波周波数の範囲は750乃至1250kHzとなり、400kHzの中心周波数で50%の帯域幅の場合は300乃至500kHzである。
選択された中心周波数の前後における圧電変換器と駆動回路との組み合わせにより生成される超音波周波数の範囲の他に、駆動信号は、連続的な超音波信号の代わりに、超音波のバーストを生成する。図3は、超音波信号バースト構成を示す。超音波信号は、選択された時間Tの間オフとされ、選択された時間Tの間オンとされる。超音波信号のデューティサイクルは、第1のトリガ制御信号(トリガ1)により制御される。一実施例においては、TとTとは等しく、それぞれが約1秒である。しかしながら、T/Tは、典型的には0.1乃至2秒の範囲内で変化しても良い。しかしながら、時間T(超音波のオフ時間)は、気泡の新しいセットが次の超音波に対しても存在するように十分長い必要がある。時間Tは従って、気泡の速度及び密度に依存するが、典型的には10msと1秒との間であり、最も好適には100msである。超音波における該Tの「一時停止」は、超音波信号が連続的である場合又は不十分な一時停止(オフ)時間Tがある場合に生じる傾向のある気泡の凝集を防止するために重要である。気泡の凝集の防止は、超音波信号バーストを利用する本システムの重要な利点である。
時間Tは、1つ以上の超音波バーストを含む。24−24において示されるバーストの周波数は、変化させられても良い。一例においては、バーストの周波数は、25Hzと600Hzとの間に亘る。該周波数はバースト反復周波数(BRF)と呼ばれ、第2のトリガ信号(トリガ2)により制御される。とり得る最低のBRFはT+Tの値に依存し、BRF=1/T+Tであり、Tの間に1つのバーストのみがある。好適には、バースト反復周波数は、100乃至500Hzの範囲内である。最も好適には、該周波数は約200Hzである。各バースト内で、超音波装置により生成される周波数の範囲内の1つの超音波周波数において、幾つかの個々の超音波サイクル25がある。一例においては、1つのバーストにおける超音波周波数は1MHzである。各バースト内のサイクルの数は、典型的には50乃至5000の範囲内で変化しても良く、好適な値は約1000である。このことは、図3において26で示された超音波信号パターンに帰着し、該パターンは、超音波装置がオンであるときに(T)選択された超音波周波数における超音波信号30の連続的なバーストを有し、超音波装置がオフであるときの一時停止時間(T)に後続される。
しかしながら、T、T及びBRFの上述した好適な値、及びバースト毎のサイクルの数は、単に例示的なものであり、最適な設定は、気泡密度、気泡サイズ分布、気泡流速、気泡液体流量、及び気泡液体速度を含む、実際の流量のパラメータにより決定される。
各期間T内の超音波信号の周波数は同一であって、各連続するTについて周波数が変化しても良く、又は、超音波信号の周波数は、超音波周波数が超音波装置の帯域幅に亘って変化するにつれて、各時間T内で、即ち予め選択されたパターンに従って、変化しても良い。
超音波信号の最適な周波数範囲は、幾つかの安全性パラメータを含む、幾つかのパラメータに依存する。周波数範囲の下限は、以下のように決定される、斯かる安全性に関するものにより制限される。生物膜の効果的な除去のために必要とされる超音波信号の振幅は、0.3乃至0.5MPaの範囲内であり、ピーク・レアフラクション(peak rarefraction)圧力と呼ばれる。ピーク・レアフラクション圧力は、超音波信号に関連するMI(mechanical index、メカニカルインデクス)に関連し、該MIは、歯、歯肉及び骨を含む組織に対する起こり得る損害の見込みの適切な予測因子である。MIは、以下のように定義される:
Figure 0005753688
診断用超音波の使用においては、FDAは最大1.9のMIを許容している。効果的な圧力の上限である0.5MPaの圧力Pを用いると、その結果の、FDAのMIの標準に合致するための超音波周波数の下限は69Hzとなる。
超音波信号の強度もまた、安全性の問題により制限される。例えば、1.9のMIは、300kHzの超音波信号において、最大のピーク・レアフラクション圧力を1.0MPaに制限する。この値は、実際の超音波周波数に依存して変化する。更に、デューティサイクルを考慮したFDAの最大の時間平均強度は、0.720W/cmに設定される。強度Iは、以下のようにPの値から計算されることができる:
I=P/2ρc
ここで、超音波は連続波であり、圧力は1MPaであり、強度が34W/cmである。従って、これら値を用いた最大のデューティサイクルは、2.1%となる。0.5MPaを用いると、強度は8.4W/cmに減少し、最大のデューティサイクル値を8.5%にまで上昇させる。このように、デューティサイクルは、効果的な超音波動作をもたらしつつ、圧力及び強度の安全性の問題に対応するために重要である。
デューティサイクルは、図3に示された超音波駆動信号パラメータから算出されることができる。バースト長は、バースト毎のサイクルの長さを超音波周波数で除算することによって算出される。例えば、超音波周波数が400kHzであり、バースト毎に1000サイクルであるとすると、バースト長は2.5msである。Tの間のデューティサイクルは、バースト長(t)とバースト繰り返し周波数(とりわけBRF×(t)/100(%))とにより決定される。本システムの総デューティサイクルは、T/T+T×BRF×(t)/100(%)である。200HzのBRF、0.2sのT、0.03sのTについては、本システムのデューティサイクルは10%である。
以上に示されたように、本システムの重要な側面は、超音波が、超音波の信号バーストの形で或る範囲の超音波周波数を生成する点であり、ここで周波数の該範囲は、気泡生成器により生成される気泡サイズに関連/対応し、該気泡サイズが歯における歯垢における細菌及び/又は細菌ランプの範囲に関連する。
気泡生成器14は、図4A及び4Bに、より詳細に示される。全体として、気泡生成器14は、空気と水とを混合して気泡を生成する。以上に示されたように、装置の動作の間、気泡の凝集/集積を防止することが重要である。従って、歯に向かう気泡の新しいセットが常に存在するように、気泡は連続的に生成される。気泡凝集の速度は、気泡流速及び密度、並びに超音波信号の強度及びデューティサイクルに依存する。流速の一例においては、1mmの直径を持つノズルから気泡液体が放出される場合、13ml/分の流量から28cm/sの流速が得られる。
気泡混合物の速度は、ポンプにより生成される。図4A及び4Bに示されるように、連続的な流量の遠心ポンプが一般に好ましい。ポンプ40は、筐体42と羽根車44とを含み、羽根車44が、ポンプに導入された気泡及び液体に対する吸引効果を生成し、気泡と液体とを活発に混合し、次いで結果の液体気泡混合物をノズル/スタンドオフ部材12に接続された排出口46に導く。斯かる遠心ポンプは良く知られており、市販されている。
羽根車へと移動する気体(好適には空気)の泡と液体との混合物の形成は、図4Bに示される。本図は、貯水槽54(図1)からの流体のための開口部と、空気取り入れ管60の近接端59における空気取り入れ口56とを含む、本体部50を含む。空気取り入れ口56の気圧は、大気圧P0である。空気取り入れ管60の周囲の内部空間58における液体の圧力P1は、内部空間58における液体レベルの高さに依存するファクタだけ、圧力P0よりも高い。内部空間58の寸法は、空気取り入れ管60の遠心端61に近づくにつれて減少する。本体部50の内面63は、空気取り入れ管60の遠心端61から、短い距離だけ離隔されている。図示された実施例においては、空気取り入れ管60の排出口62においてP1と圧力P2との間の圧力降下があり、内部空間58における液体の高さにより生成される圧力よりも大きい。本体部50の内面63の寸法は重要である。例えば、排出開口部62が0.3mmであり、取り入れ管60の外径が0.6mmである場合、点66における内面63の径は0.67mmよりも小さいべきである。
排出口62を通って来る気泡液体混合物は羽根車へと吸い込まれ、該羽根車が液体と空気とを十分に混合する。その結果の気泡/液体の流れは次いで、ノズル/スタンドオフ要素12への接続線70へと導かれる。石鹸又は界面活性物質(界面活性剤)が、容器72から該液体に追加されても良い。このことは、流体の表面張力を低下させ、小さな気泡の数及び気泡の均一性を増大させる。適切な界面活性剤の一例は、ラウリル硫酸ナトリウムであり、0.25m%の量で追加されても良い。このことは、最適な表面張力及び粘度に帰着する。液体の粘度を増大させることは、せん断力を増大させ、歯における細菌に対する、より優れた効果を発揮し得る。
図4A及び4Bは、気泡−液体流を生成するための一実施例を示したものである点は、理解されるべきである。液体と気体とを混合するため、他の多くのポンプ又は同様の装置が利用され得る。微細な気泡混合物を生成するための1つの代替方法は、空気と液体とをポンプで吸い込み、次いでこの混合物をポンプで加圧することである。空気は、液体に溶けることとなる。加圧された空気及び液体がノズルを通して放出されると、低下された圧力によって気泡が形成される。例えば炭酸の流体を含む加圧されたCOのような、予め加圧された気体−液体混合物を利用することも可能である。ノズルにおいて、歯垢生物膜除去に利用され得る気泡が生成されることとなる。
歯垢生物膜における典型的な細菌は、幾分か球状の形状を持ち、約4μmの半径を持つ。細菌は典型的に非常に硬いため、とりわけ気泡が細菌よりも小さい場合には、加えられるせん断力では破壊されない。それ故、気泡は典型的には細菌のサイズよりも大きいべきである。細菌は通常コロニーに組織化されることが分かっている。これらコロニー又はランプは典型的に、ランプ内の細菌よりも、除去が容易である。コロニーの半径は、5μmと25μmとの間で変化し得る。従って、このサイズ範囲の気泡が、歯から効果的に且つ迅速に細菌を除去するために最も効率的である。
動作時には、望ましいサイズの気泡が、連続的な流れの形で、気泡生成器により生成される。気泡のサイズは、±30%の範囲に亘って変化しても良く、比較的安価な気泡生成器の使用を許容するものである。気泡サイズの範囲は重要であり、種々の気泡サイズが、該気泡の共鳴周波数における超音波により活力を与えられた場合に、歯垢において通常見られる種々の細菌コロニーサイズに対して効果を発揮する。気泡は、超音波信号の周期的なバーストにより共鳴させられ、超音波は選択されたオン/オフのパターンを持ち、このことが気泡の凝集を防止する傾向があり、斯くして歯垢除去の効果を増大させる。超音波周波数の或る範囲を利用することは、或る範囲の気泡サイズに有効であるという利点に加えて、歯垢に対して変動する干渉パターンを生成し、より均一な洗浄効果をもたらす。
以上に議論されたように、図1乃至4の装置は、歯垢の細菌の効果的な除去において有用である。しかしながら、本システムは、薄膜及びマイクロチップを含む他の表面の洗浄、並びに種々の用途における生物膜感染の洗浄に利用されることもできる。気泡サイズ及び超音波周波数範囲は、除去されるべき細菌又は他のアイテムのサイズに、単に合致されれば良い。
超音波信号を用いた気泡及び/又は歯ブラシの振動を利用した歯ブラシの形をとる口内洗浄装置の他の実施例が、図5に示される。本実施例においては、歯ブラシ/塗布器80は、柄部81及びヘッド部82を含む。柄部81は圧電回路84、気泡生成器86、及び選択された動きで歯ブラシのヘッドを動かすための歯ブラシ駆動回路88を含む。該歯ブラシ駆動回路は、気泡及び超音波と共に利用されても良いし、超音波のみと共に利用されても良いし、又は気泡及び超音波を利用しなくても良い。歯ブラシ駆動は、ヘッド部82を振動させるための幾つかの異なる駆動構成のうちのいずれであっても良く、図5においては毛83と共に示されている。気泡生成器84及び圧電回路86は、図1乃至4の実施例について上述されたものと同様である。これらは、望ましい場合には、歯ブラシ80に取り付けられた別個のユニットに備えられても良い。水容器85が、気泡生成器に接続されている。
柄部81は、ヘッド部82へと延在する細長い部分90を含む。圧電回路84からの圧電駆動信号を担持するための導線91又は同様な要素が、細長い部分90を通って延在し、気泡生成器86からの気泡液体混合物のための線92も同様である。ヘッド部82は曲線状の表面98を含み、ここにカップ部材100が配置される。カップ部材100は曲線状であり、例えばトロフィー状のカップであり、カップ部材100上に又はカップ部材100中に配置された圧電変換器102により生成された超音波を、歯に向けてフォーカスさせ即ち導くような形状とされる。カップ部材100は好適には、ゴム又はその他の高分子エラストマーのような、柔軟で曲げ易い物質で製造される。カップ部材の周囲に超音波変換器の環を備えるように、更なる超音波変換器が備えられても良い。これら超音波変換器は典型的には、図示されるように、カップ部材100の中央の近くに配置される。
カップ部材の中央部における開口部106は、線92を通って移動する気泡/液体の出口を提供する。動作の間、開口部106は、例えば歯のような目標面に向けて導かれる、液体媒体中の気泡のための出口として働く。変換器102及び104により生成された超音波は、カップ部材100の形状により、目標面に向けてフォーカスされる。以上に詳細に議論されたように、超音波は液体媒体中の気泡を振動させ、上述した望ましい洗浄気泡動作をもたらす。種々のとり得る周波数の範囲及び中心周波数、オン/オフ時間並びにバースト率を含む、図1乃至4の実施例に関連して以上に議論された超音波信号の特性は、本実施例においても利用されることができるが、単一の超音波周波数もまた利用され得ることは理解されるべきである。このことは、以上に詳細に説明した、気泡サイズの範囲を用いた優れた洗浄動作をもたらす。
望ましい場合にはブラシング動作を提供するため毛83がヘッド部82に供えられ、駆動回路88により生成されるブラシヘッド運動を伴う。振動運動は、超音波のみと共に利用されても良いし、又は超音波及び気泡と共に利用されても良い。
以上に議論したような、気泡に対して働き次いで歯から歯垢を洗浄するために歯垢に対して働く超音波の効果に加えて、気泡/液体は、歯垢に対する直接動作のため、変換器から歯へと超音波を搬送するために利用されることもできる。気泡/液体は斯くして、超音波のためのガイドとして働く。本構成における超音波エネルギーの連続的なバーストが十分に長い場合には、各超音波バーストの部分が、大きなエネルギー損失を伴うことなく歯の表面に到達し、望ましい洗浄効果をもたらす。
本構成においては、例えば水が超音波を導くための流体として利用される場合には、該流体が動作の間にカップ又は中空部材におけるその他の開口部から脱出すると、該流体は新しくされる(補給される)必要がある。他の実施例においては、図6に示されるような2つのポンプ107及び108が利用され、一方が線110を通して気泡/液体をポンピングするためのものであり、他方が線112を通して気泡のない液体をポンピングするためのものである。気泡/液体は例えば、歯の表面の近くのカップ部材114を通して放出されても良く、一方で他方の液体がカップを満たして超音波のための搬送手段として働く。代替として、超音波の搬送のためにゲルが利用されても良い。ゲルもまた、歯垢洗浄を援助し得る。なぜなら、ゲルは気泡/液体と混ざって粘度を増大させ、それにより洗浄に関連するせん断力に対して利益をもたらすからである。
図6の2液体による実施例を用いると、カップ部材により定義される空間における歯に塗布される直前に混合される、異なる、或いは不相溶の流体の化学的性質が利用されることできる。一例は、歯の漂白のためのものである。図6の実施例においては、気泡/液体は、前の気泡の群を流し去るために十分な速度で生物膜の表面に対して気泡を供給し、その場所を超音波動作のためにクリアに保つ。
本発明の好適な実施例がここで説明の目的のために開示されたが、請求項により定義された本発明の精神から逸脱することなく、種々の変更、変形及び代用が実施例に組み込まれ得ることは、理解されるべきである。

Claims (23)

  1. 歯から生物膜を洗浄するための装置であって、
    柄部及びノズル部材を含む本体と、
    前記生物膜における細菌の効果的な除去に関連する範囲のサイズを持ち且つそれぞれが共鳴周波数を持つ液体媒体中の気泡の発生源と、
    大部分の前記気泡の共鳴周波数に対応する周波数を含む超音波周波数範囲を持つ超音波信号の供給源であって、前記超音波信号は、前記ノズル部材における気泡及び液体の流れに適用される、超音波信号の供給源と、
    を有し、前記気泡の発生源は、前記柄部のなかに配置され、前記気泡は、前記装置の動作中に前記ノズル部材に向けられ、前記サイズの前記範囲は、前記生物膜における細菌のサイズの範囲と略合致する装置。
  2. 前記超音波信号は、前記気泡が前記歯に向かって移動するときに前記気泡の凝集を略防止するオン/オフのパターンで生成される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記オン/オフのパターンは、5%乃至70%の時間の間オンである、請求項2に記載の装置。
  4. 前記オンの時間は約50%の時間である、請求項3に記載の装置。
  5. 前記オフの時間は約0.1乃至1秒である、請求項4に記載の装置。
  6. 前記気泡のサイズの範囲及び前記超音波の周波数範囲は、細菌又は細菌のコロニーの前記歯からの除去のための前記細菌又は細菌のコロニーのサイズに関連する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記超音波信号は、100kHz乃至4MHzの範囲に中心周波数を持つ、請求項1に記載の装置。
  8. 前記中心周波数は、200kHz乃至2MHzの範囲を持つ、請求項7に記載の装置。
  9. 前記中心周波数は約400kHzである、請求項7に記載の装置。
  10. 前記中心周波数は約1MHzである、請求項7に記載の装置。
  11. 前記超音波信号は、20乃至200Hzの範囲内のバースト反復率を持つ超音波のバーストで生成される、請求項3に記載の装置。
  12. 各前記超音波バースト中の超音波のサイクルの数は、50乃至5000の範囲内である、請求項11に記載の装置。
  13. 前記超音波信号は、約50%の帯域幅を持つ、請求項1に記載の装置。
  14. 前記超音波の場のフォーカスの値の略周囲に、前記歯と超音波信号変換器との間に選択された距離を提供するスタンドオフ要素を含む、請求項1に記載の装置。
  15. 超音波の影響下の共鳴における最大半径に対する、静止状態の前記気泡の半径は、約1:2.5である、請求項1に記載の装置。
  16. 気泡サイズを比較的小さく保つための選択された量だけ前記液体に追加される界面活性剤の供給を含む、請求項1に記載の装置。
  17. 気泡液体の速度は、0.1乃至10m/sの範囲内である、請求項2に記載の装置。
  18. 歯ブラシ柄部と、
    ノズル部材と、
    前記柄部から延在し、延在するカップ状部を持つ、歯ブラシヘッド部と、
    前記カップ部に取り付けられ、前記カップ部からの超音波を送信するように動作可能に接続され、歯の表面にフォーカスさせられた、超音波変換器と、
    生物膜における細菌の効果的な除去に関連するサイズを持つ液体媒体中の気泡の発生源と、
    を有し、前記気泡の発生源は或る範囲の気泡サイズを提供し、超音波信号の供給源は或る範囲の周波数を提供し、前記超音波の周波数の範囲は、大部分の前記気泡の共鳴周波数に対応する周波数を含み、前記気泡の発生源は、前記歯ブラシ柄部のなかに配置され、前記気泡は、前記ノズル部材に向けられ、前記気泡サイズの前記範囲は、前記生物膜における細菌のサイズの範囲と略合致する、歯ブラシ。
  19. 前記気泡の発生源、及び前記変換器の動作のための駆動回路が、前記柄部に含められた、請求項18に記載の歯ブラシ。
  20. 前記気泡の発生源、及び前記変換器の動作のための駆動回路が、前記歯ブラシの外部の部材であって前記歯ブラシに動作可能に接続された部材に含められた、請求項18に記載の歯ブラシ。
  21. 前記歯ブラシヘッド部は、前記ヘッド部を略囲む複数の毛を含む、請求項18に記載の歯ブラシ。
  22. 超音波信号が、前記気泡が前記歯に向かって移動するときに前記気泡の凝集を略防止するオン/オフのパターンで生成される、請求項18に記載の歯ブラシ。
  23. 前記柄部は、器具の動作の間に前記歯ブラシヘッド部を振動させる構成要素を含む、請求項18に記載の歯ブラシ。
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