[第1の実施形態]
以下、図1−図10を参照しながら、第1の実施形態を説明する。
(スマートフォンSの概略)
図1は、第1の実施形態にかかるスマートフォンSの斜視図である。図2は、第1の実施形態にかかるスマートフォンSの分解斜視図である。図3は、第1の実施形態にかかるスマートフォンSの断面図であって、図1中のIII−III線に於ける断面を示している。図4は、第1の実施形態にかかるスマートフォンSの部分断面図であって、図3中の丸枠Aの内部を示している。
図1−図4に示すように、本実施形態にかかるスマートフォンSは、操作ユニット10と、筺体20と、緩衝部材(吸振部材)30と、モータ40と、支持部材50と、基板ユニット60と、変換機構70と、を備える。なお、本実施形態では、スマートフォンSを説明するが、後述するタッチセンサ112を搭載する携帯型端末装置であれば、スマートフォンSに限定されるものではない。
(操作ユニット10)
操作ユニット10は、筺体20の内部に配置されている。操作ユニット10は、利用者により操作される操作パネル11と、操作パネル11を保持するブラケット12と、を備える。
操作パネル11は、各種情報を表示する表示デバイス111と、表示デバイス111の表示画面111aに貼り付けられるタッチセンサ112と、を備える。表示デバイス111の種類は、特に限定されるものではないが、例えば液晶ディスプレイパネルなどのフラットディスプレイパネルを用いても良い。タッチセンサ112は、タッチスクリーンとも呼称され、例えば利用者の指先もしくはタッチペンの接触位置の座標情報を検出する。タッチセンサ112により検出された座標情報は、後述するプロセッサ62に出力される。タッチセンサ112は、後述するカバー22に形成された開口22aから露出している。このため、利用者は、カバー22の開口22aからタッチセンサ112を操作することができる。
ブラケット12は、操作パネル11を搭載する搭載板121と、搭載板121を支持する支持板122と、操作ユニット10を筺体20に取り付けるための取り付け片123と、を備える。
搭載板121は、操作パネル11と同型、即ち長方形型に形成され、搭載板121の周縁に対向する位置には、カバー22の開口22aの縁部22bが、僅かな隙間をあけて配置されている。搭載板121及びカバー22間の隙間は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、約0.25[mm]としている。
支持板122は、搭載板121の短辺それぞれに連結され、搭載板121を筺体本体21の底板212と平行に支持している。このため、搭載板121に搭載される操作パネル11も同様に、筺体本体21の底板212と平行に支持される。
取り付け片123は、支持板122の下端に、それぞれ所定間隔で配置され、取り付け片123の中心には、それぞれ挿入孔123aが形成されている。挿入孔123aの内径は、緩衝部材30の小径部32の外径と同等である。取り付け片123は、それぞれ緩衝部材30の大径部31に搭載され、取り付け片123の挿入孔123aには、筺体本体21のガイドピン24及び緩衝部材30の小径部32が挿入されている。
(筺体20)
筺体20は、操作ユニット10を収納する筺体本体21と、筺体本体21の正面開口21aを閉塞するカバー22と、操作ユニット10の沈み込みを規制するストッパ23と、操作ユニット10をガイドするガイドピン24と、を備える。
筺体本体21は、スマートフォンSの側壁となる枠板211と、スマートフォンSの底壁となる底板212と、を備え、カバー22とともに、操作ユニット10を収容する収容スペースを規定している。
カバー22は、筺体本体21に連結され、表示デバイス111の表示画面111aに対向する位置には、表示画面111aと同型、即ち長方形型の開口22aが形成されている。このため、操作パネル11のタッチセンサ112は、カバー22の開口22aから露出することとなる。
ストッパ23は、操作パネル11の四隅に対応する位置に配置され、それぞれ操作パネル11を搭載する搭載板121の、タッチセンサ112とは逆側の表面、即ち搭載板121の裏面に対向している。ストッパ23は、筺体本体21の底板212を基準として、操作ユニット10が基準位置(後述する)に配置されているときの、搭載板121の裏面よりも低背である。このため、操作ユニット10が基準位置(後述する)に配置されているときには、ストッパ23及び搭載板121間に隙間が存在することとなる。ストッパ23の位置及び個数は、特に限定されるものではないが、操作パネル11の四隅に対応する位置に、少なくとも1つずつ配置することが望ましい。
ガイドピン24は、操作ユニット10の取り付け片123に対応する位置に、それぞれ配置されている。ガイドピン24は、筺体本体21の底板212から上方に延在していて、緩衝部材30の小径部32とともに、取り付け片123に形成された挿入孔123aに挿入されている。ガイドピン24は、筺体本体21の底板212を基準として、操作ユニット10が基準位置(後述する)に配置されているときの、取り付け片123の表面と同等、もしくは取り付け片123の表面よりも高背である。このため、操作ユニット10が基準位置(後述する)に配置されているときには、ガイドピン24が取り付け片123の挿入孔123aに挿入されることとなる。ガイドピン24の断面形状は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、緩衝部材30の挿入孔30aの断面形状と同等、即ち円柱型としている。ガイドピン24の外径は、取り付け片123の挿入孔123aの内径よりも、緩衝部材30の小径部32の肉厚分だけ、即ち0.5mm〜1.0mmだけ小さい。
(緩衝部材30)
緩衝部材30は、操作ユニット10の取り付け片123に対応する位置に、それぞれ配置されている。緩衝部材30は、筺体本体21の底板212に載置される大径部31と、取り付け片123の挿入孔123aに挿入される小径部32と、を備え、緩衝部材30の中心には、それぞれ挿入孔30aが形成されている。挿入孔30aは、大径部31及び小径部32を貫通していて、それぞれの挿入孔30aには、筺体20のガイドピン24が移動可能に挿入されている。小径部32の外径は、取り付け片123の挿入孔123aの内径と同等である。緩衝部材30の材料は、特に限定されるものではないが、例えば低反発ウレタンフォームやゲルなどの、筺体20の材料よりも吸振性、変形性、復元性に優れた材料が用いられる。ゲルの種類としては、例えばtaica製のアルファゲルなどを用いても良い。このため、操作ユニット10に、筺体本体21の底板212と平行な方向に周期的に押圧すると、操作ユニット10は、同方向、即ち筺体本体21の底板212に平行な方向に振動することとなる。しかも、操作ユニット10の振動は、緩衝部材30に吸収されるので、筺体20に伝わることがない。
(モータ40)
モータ40は、筺体本体21の底板212に配置され、モータ本体41と、モータ軸42と、を備える。モータ40は、筺体本体21の底板212に固定された支持部材50に支持されている。モータ本体41の固定法としては、例えば接着剤による接着が用いられる。
モータ軸42は、操作ユニット10の搭載板121に平行に延在していて、モータ軸42の端部には、後述する押圧体71が固定されている。このため、モータ40を作動させて、モータ軸42を回転させると、押圧体71も同様に回転することとなる。
(支持部材50)
支持部材50は、筺体本体21の底板212に配置される緩衝部材51と、緩衝部材51に搭載される取り付け部材52と、を備える。緩衝部材51は、筺体本体21の底板212に固定され、取り付け部材52を支持するとともに、取り付け部材52から筺体本体21に伝わるモータ40の振動を吸収する。緩衝部材51の固定法としては、例えば接着剤による接着が用いられる。緩衝部材51の材料は、特に限定されるものではないが、緩衝部材30と同等、即ち低反発ウレタンフォームやゲルなどの、筺体20の材料よりも吸振性に優れた材料が用いられる。取り付け部材52は、緩衝部材51に搭載され、モータ40のモータ本体41を固定する。
(基板ユニット60)
基板ユニット60は、筺体20の内部に配置されている。基板ユニット60は、回路基板61と、プロセッサ62と、メモリ63と、フラッシュメモリ64と、を備える。
回路基板61は、筺体20の底板212に固定され、回路基板61の実装表面には、プロセッサ62、メモリ63、フラッシュメモリ64が搭載されている。
プロセッサ62は、フラッシュメモリ64に格納された各種プログラムを読み出して、メモリ63に展開するとともに、該メモリ63に展開された各種プログラムを実行することで、各種機能を実行する。各種機能の詳細は、後述することとする。
メモリ63は、プロセッサ62によりフラッシュメモリ64から読み出された各種プログラムを記憶する。フラッシュメモリ64は、スマートフォンSの動作を制御するための各種プログラムを記憶する。本実施形態にかかる振動提示プログラムもフラッシュメモリ64に記憶されている。なお、本実施形態では、フラッシュメモリ64を使用しているが、不揮発性メモリであれば、これに限定されるものではない。
プロセッサ62、メモリ63、フラッシュメモリ64、モータ40、タッチセンサ112は、例えばバス(図示しない)などにより相互に接続され、スマートフォンSのハードウェアを構成している。
(変換機構70)
図5は、第1の実施形態にかかる変換機構70の斜視図である。図6は、第1の実施形態にかかる変換機構70の正面図である。図7は、第1の実施形態にかかる操作パネル11の操作時に於ける変換機構70の概略図である。図8は、第1の実施形態にかかる着信時に於ける変換機構70の概略図である。
図5、図6に示すように、本実施形態にかかる変換機構70は、押圧体71と、第1のアーム72と、第2のアーム73と、支持機構74と、スプリング75と、を備える。
押圧体71は、モータ40のモータ軸42に連結される円板部711と、円板部711に連結される押圧部712と、を備える。
円板部711は、モータ軸42の軸方向に於いて、第2のアーム73に対応する位置に配置されている。円板部711の半径は、モータ軸42の軸心から第2のアーム73の第1の部分731及び第3の部分733の連結部までの距離よりも小さく、円板部711及び第2のアーム73間には僅かな隙間が存在している。
押圧部712は、円板部711の周面に連結され、円板部711の半径方向に突出している。モータ軸42の軸心から押圧部712の先端までの寸法は、モータ軸42の軸心から第1の部分731及び第3の部分733の連結部までの距離よりも大きい。このため、第2のアーム部73が基準位置(後述する)に配置されているときに、モータ軸42を第1の方向(矢印D1方向)もしくは第2の方向(矢印D2方向)に回転させると、押圧体71の押圧部712は、第2のアーム73の第1の部分731もしくは第3の部分733に衝突することとなる。但し、円板部711の半径は、モータ軸42の軸心から第1の部分731及び第3の部分733の連結部までの距離よりも小さいため、モータ軸42を第1の方向(矢印D1方向)もしくは第2の方向(矢印D2方向)に回転させても、押圧体71の円板部711が第2のアーム73に衝突することはない。
第1のアーム72は、モータ軸42の軸方向に於いて、第2のアーム73に対応する位置に配置されている。第1のアーム72は、概してL字型に形成されていて、操作ユニット10の、筺体本体21の底板212に対向する表面、即ち操作ユニット10の裏面に固定される固定部721と、操作ユニット10の搭載板121から筺体本体21の底板212に接近する様に垂下する垂体部722と、を備える。第1のアーム72の材料は、特に限定されるものではないが、例えばアルミなどの金属板を用いても良い。
固定部721は、操作ユニット10の搭載板121の裏面に固定されている。固定部721の固定法は、特に限定されるものではないが、例えば接着剤による接着もしくは螺子止めを用いても良い。
垂下部722は、第2のアーム73の第1の部分731の衝突部731aに対向する位置まで延在していて、第1の部分731の衝突部731a及び垂下部722間には僅かな隙間が存在している。
第2のアーム73は、第1のアーム72の垂体部722を打撃する第1の部分731と、筺体本体21の底板212を打撃する第2の部分732と、第1の部分731及び第2の部分732を連結する第3の部分733と、を備える。第2のアーム73の材料としては、例えば摺動性、可撓性、復元性に優れる材料、例えばポリアセタールなどの樹脂を用いることが好ましい。
第1の部分731は、支持機構74のベース部742に形成された溝部742a内に配置され、ベース部742及びカバー部743間に於いて、筺体本体21の底板212と平行な方向に移動可能に支持されている。第1の部分731は、モータ軸42の軸方向に於いて、第1のアーム72に対応する位置に配置され、第1のアーム72の垂下部722に対向する位置には、衝突部731aが形成されている。このため、モータ40のモータ軸42を第1の方向(矢印D1方向)に回転させ、押圧体71の押圧部712を第3の部分733(第1の部分731の端部に相当)に衝突させると、第2のアーム73が第1のアーム72の垂下部722に接近して、第1の部分731に形成された衝突部731aが垂下部722に衝突することとなる。衝突による振動を連続的に与えるため、モータ軸42の回転に付随する押圧部712の押圧力は、垂下部722の撓み変形に付随する抵抗力よりも大きい。
第2の部分732は、押圧体71の円板部711及び筺体本体21の底板212間に配置されている。第2の部分732は、筺体本体21の底板212と平行に、即ち第1の部分731と平行に延在していて、筺体本体21の底板212に対向する位置には、衝突部732aが配置されている。このため、モータ40のモータ軸42を第2の方向(矢印D2方向)に回転させ、押圧体71の押圧部712を第1の部分731に衝突させると、第2の部分732及び第3の部分733が筺体本体21の底板212に接近して、第2の部分732に連結された衝突部732aが筺体本体21の底板212に衝突することとなる。衝突による振動を連続的に与えるため、モータ軸42の回転に付随する押圧部712の押圧力は、第2の部分732の撓み変形に付随する抵抗力よりも大きい.
第3の部分733は、モータ軸42の軸方向に於いて、押圧体71に対応する位置に配置され、第1の部分731及び第2の部分732の双方に直交する様に延在している。
支持機構74は、筺体本体21の底板212に配置される緩衝部材741と、緩衝部材741に搭載されるベース部742と、ベース部742に搭載されるカバー部743と、カバー部743をベース部742に固定する螺子744と、を備える。
緩衝部材741は、筺体本体21の底板212に固定されている。緩衝部材741は、ベース部742を支持するとともに、ベース部742から筺体本体21への振動、例えば第2のアーム73の動作に由来する振動を吸収する。緩衝部材741の固定法としては、例えば接着剤による接着などを用いる。緩衝部材741の材料は、特に限定されるものではないが、緩衝部材30と同等、即ち低反発ウレタンフォームやゲルなどの、筺体20の材料よりも吸振性に優れた材料が用いられる。
ベース部742は、概して直方体型に形成され、カバー部743に対向する表面には、第2の部分722を配置するための溝部742aが形成され、さらに、溝部742aに干渉しない位置、即ち溝部742aの両側には、それぞれ螺子744を螺合するための螺子孔(図示しない)が形成されている。
溝部742aは、第1の部分731の板厚よりも僅かに大きい。このため、ベース部742の溝部742a内に配置された第1の部分731は、ベース部742の表面から突出することはない。ベース部742の材料は、特に限定されるものではないが、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)などの樹脂材料を用いても良い。
カバー部743は、ベース部742の、溝部742aが形成される表面に搭載され、ベース部742の溝部742aに干渉しない位置、即ち溝部742aの両側には、それぞれ螺子744を挿入するための挿入孔(図示しない)が形成されている。カバー部743の材料は、特に限定されるものではないが、例えばアルミなどの金属材料もしくはABSなどの樹脂材料を用いても良い。
スプリング75は、第2のアーム73の第3の部分733及び支持機構74のベース部742間に、スプリング75の伸縮軸が筺体本体21の底板212と平行となる様に配置されている。このため、第1のアーム72が基準位置よりも支持機構74に接近もしくは離反すると、スプリング75に復元力が作用して、第1のアーム72を基準位置に帰還させる。なお、基準位置とは、スプリング75が自然状態となるときの第2のアーム73の位置である。
(プロセッサ62の機能ブロック)
図9は、第1の実施形態にかかるプロセッサ62の機能ブロックの概略図である。
図9に示すように、本実施形態にかかるプロセッサ62は、画像表示部62a、座標取得部62b、接触判断部62c、アイコン接触判定部(第1の判定部)62d、作動指示部62e、機能実行部62f、着信確認部62g、モータ駆動部62h、を備える。
画像表示部62a、座標取得部62b、接触判断部62c、アイコン接触判断部62d、作動指示部62e、機能実行部62f、着信確認部62g、モータ駆動部62hは、何れもメモリ63に展開された振動提示プログラムに基づき、プロセッサ62により実現される。
画像表示部62aは、表示デバイス111に画像データを出力して、表示画面111aに、例えばアイコンIを包含する画像(待受画像)を表示させる。
座標取得部62bは、タッチセンサ112からの出力に基づき、タッチセンサ112への接触位置の座標情報を取得する。
接触判断部62cは、座標取得部62bにより取得された座標情報に基づき、タッチセンサ112への接触の有無を判断する。
アイコン接触判断部62dは、画像表示部62aから取得した画像データと、座標取得部62bにより取得された座標情報と、に基づき、接触位置がアイコンIの表示領域(入力領域)であるかを判断する。
アイコン接触判断部62dは、アイコンIを表示している画像データの表示領域を示す座標を画像表示部62aから取得する。画像表示部62aから取得する座標は、矩形を示す2点の座標に限らず、矩形の頂点を示す1の座標か中心を示す座標と縦横のサイズや、円の中心を示す座標と半径であっても良いし、3以上の座標で表される矩形以外の領域を示すものでもよい。アイコン接触判断部62dは、取得した座標と、座標取得部62bにより取得された座標情報と、に基づき、接触位置がアイコンIの表示領域(入力領域)であるかを判断する。アイコン接触判断部62dは、画像表示部62aからアイコンIの表示領域を示す座標に以外に、操作感を提示する必要のある他の座標を取得してもよい。またアイコン接触判断部62dは、座標と共に提示する操作感の種別を取得してもよい。なお、提示する操作感の種別の代わりに、モータに供給する電力の大きさと、電力を供給するデューティ比(オンとオフの比率)を用いても構わない。このように、種別を含めることにより、例えば、手書き入力領域では、鉛筆で筆記している感覚に類似する感触を提示したり、メニューをスクロールする感触と、メニューを選択する感触とで、異なる感触を提示してもよい。異なる感触を提示する場合に、画像表示部62aから取得する情報は、表示領域を示す座標と、その座標内のアクションと、提示する操作感の種別であってもよい。また、座標内のアクションには、接触位置が座標内であった場合に限るものではなく、座標内で接触したまま移動する場合、座標外から接触したまま移動してきた場合、座標外へ接触したまま移動した場合を含んでもよい。さらには、座標情報から得られる判断のみならず、ドロップダウンリストの様なアニメーションを含むGUI部品をクリックした事に伴うアニメーションが動作といった、アプリケーションやオペレーティングシステムから出力される情報を利用してもよい。
作動指示部62eは、アイコン接触判断部62dにより接触位置がアイコンIの表示領域であると判断された場合、モータ駆動部62hにモータ40のモータ軸42を第1の方向に回転させることを指示する。さらに、作動指示部62eは、着信確認部62gにより着信があると判断された場合、モータ駆動部62hにモータ40のモータ軸42を第2の方向に回転させることを指示する。
機能実行部62fは、アイコン接触判断部62dにより接触位置がアイコンIの表示領域であると判断された場合、それぞれのアイコンIに割り当てられた機能を実行する。
着信確認部(第2の検知手段)62gは、アイコン接触判断部62dにより接触位置がアイコンIの表示領域であると判断されない場合、機能入力としての着信があるか確認する。
モータ駆動部62hは、作動指示部62eからの指示に基づき、モータ40のモータ軸42を第1の方向もしくは第2の方向に回転させる。
(プロセッサ62による処理フロー)
図10は、第1の実施形態にかかるプロセッサ62による処理のフローチャートである。
本実施形態にかかる処理フローは、プロセッサ62により振動提示プログラムが起動することで開始する。但し、本実施形態にかかる処理フローの前提として、画像表示部62aが表示デバイス111の表示画面111aに、アイコンIを包含する画像(待受画像)を表示させているものとする。
図10に示すように、処理フローが開始したら、接触判断部62cは、座標取得部62bによりタッチセンサ112から取得された座標情報に基づき、操作パネル11への接触があるかを判断する(ステップS101)。
タッチセンサ112への接触があると判断されたら(ステップS101のYes)、アイコン接触判断部62dは、画像表示部62aから取得された画像データと、座標取得部62bから取得された座標情報と、に基づき、タッチセンサ112への接触位置がアイコンIの表示領域であるかを判断する(ステップS102)。例えば、画像表示部62aから取得された画像データに基づき、アイコンIの表示領域の座標範囲を抽出して、タッチセンサ112への接触位置が、アイコンIの表示領域の座標範囲に含まれるかを判断すれば良い。
タッチセンサ112の接触位置がアイコンIの表示領域であると判断されたら(ステップS102のYes)、作動指示部62eは、モータ駆動部62hに、モータ40のモータ軸42を第1の方向に回転させることを指示する。モータ駆動部62hは、作動指示部62eからの指示に基づき、モータ40を作動して、モータ40のモータ軸42を第1の方向に回転させる(ステップS103)。
モータ40のモータ軸42が第1の方向(矢印D1方向)に回転すると、図7に示すように、モータ軸42に固定された押圧板71の押圧部712が第2のアーム73の第3の部分733(第1の部分731の端部に相当)に何度も衝突して、衝突のたびに、第2のアーム73全体を第1のアーム72の垂下部722側に移動させる。これにより、第2のアーム73の第1の部分731の衝突部731aが第1のアーム72の垂下部722に連打して、第1のアーム72を、即ち第1のアーム72に連結された操作パネル11を振動させることとなる。
このとき、操作パネル11及びカバー22間には、僅かな隙間が存在している。このため、操作パネル11の振動は、筺体20に伝わることがない。これにより、モータ40を第1の方向に回転させると、筺体20を振動させることなく、操作パネル11だけを振動させることができる。
次に、機能実行部62fは、アイコンIそれぞれに割り当てられた機能を実行する(ステップS104)。従って、操作パネル11の、アイコンIの表示領域に指先を接触させると、操作パネル11が振動するとともに、アイコンIに割り当てられた機能が実行されることとなる。これにより、利用者は、操作パネル11を操作した実感、即ち操作感(入力感)を得ることができる。
なお、本実施形態では、作動指示部62eがモータ駆動部62hにモータ40の作動を指示した後に、機能実行部62fがアイコンIの機能を実行している。しかし、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、機能実行部62fがアイコンIの機能の実行を開始すると同時、もしくは、機能実行部62fがアイコンIの機能の実行を開始した後に、作動指示部62eがモータ駆動部62hにモータ40の作動を指示しても良い。
アイコンIの機能の実行が開始されたら、接触判断部62cは、再度、座標取得部62bによりタッチセンサ112から取得された座標情報に基づき、操作パネル11への接触があるかを判断する(ステップS101)。
一方、操作パネル11への接触が検知されたと判断されない場合(ステップS101のNo)もしくはタッチセンサ112への接触位置がアイコンIの表示領域に包含されると判断されない場合(ステップS102のNo)、着信確認部62gは、スマートフォンSへの着信があるかを判断する(ステップS105)。
スマートフォンSへの着信があると判断されたら(ステップS105のYes)、作動指示部62eは、モータ駆動部62hに、モータ40のモータ軸42を第2の方向に回転させることを指示する。モータ駆動部62hは、作動指示部62eからの指示に基づき、モータ40を作動して、モータ40のモータ軸42を第2の方向に回転させる(ステップS106)。
モータ40のモータ軸42が第2の方向(矢印D2方向)に回転すると、図8に示すように、モータ軸42に固定された押圧板71の押圧部712が第2のアーム73の第1の部分731に何度も衝突して、衝突のたびに、第1の部分731を筺体本体21の底板212側に変形させる。これにより、第1の部分731に連結された第2の部分732の衝突部732aが筺体本体21の底板212を連打して、筺体本体21を振動させることとなる。
このとき、操作パネル11及びカバー22間には、僅かな隙間が存在している。このため、筺体本体21の振動は、操作パネル11に伝わることがない。これにより、モータ40を第2の方向に回転させると、操作パネル11を振動させることなく、筺体20だけを振動させることができる。
一方、スマートフォンSへの着信があると判断されなければ(ステップS105のNo)、接触判断部62cは、再度、座標取得部62bによりタッチセンサ112から取得された座標情報に基づき、操作パネル11への接触があるかを判断する(ステップS101)。
[第2の実施形態]
以下、図11−図14を参照しながら、第2の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
図11は、第2の実施形態にかかる変換機構80の斜視図である。図12は、第2の実施形態にかかる変換機構80の正面図である。図13は、第2の実施形態にかかる着信時に於ける変換機構80の概略図である。図14は、第2の実施形態にかかる操作パネル11の操作時に於ける変換機構80の概略図である。
本実施形態にかかる変換機構80は、駆動ギア81と、従動ギア82と、第1の偏心ギア83と、第2の偏心ギア84と、を備える。
駆動ギア81は、モータ40のモータ軸42に連結され、駆動ギア81の両面には、それぞれ連結体85が、駆動ギア81の軸心、即ちモータ軸42の軸心を中心として回転可能に連結されている。駆動ギア81の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、歯底径を約6.0[mm]、歯先径を約7.0[mm]、歯数を12[個]としている。
従動ギア82は、駆動ギア81と噛合していて、従動ギア82の両面には、それぞれ連結体85が、従動ギア82の軸心を中心として回転可能に連結されている。従って、従動ギア82は、駆動ギア81とともに、駆動ギア81を中心に遊星運動する遊星歯車を構成している。このため、例えばモータ40を作動させて、駆動ギア81を第1の方向(矢印D1方向)に回転させると、従動ギア82は、駆動ギア81を中心に遊星運動して、第1の偏心ギア83に噛合することとなる。これにより、従動ギア82は、駆動ギア81の回転力を第1の偏心ギア83に伝達することとなる。又、例えばモータ40を作動させて、駆動ギア81を第2の方向(矢印D2方向)に回転させると、従動ギア82は、駆動ギア81を中心に遊星運動して、第2の偏心ギア84に噛合することとなる。これにより、従動ギア82は、駆動ギア81の回転力を第2の偏心ギア84に伝達することとなる。従動ギア82の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、駆動ギア81と同等、即ち歯底径を約6.0[mm]、歯先径を約7.0[mm]、歯数を12[個]としている。
第1の偏心ギア83は、モータ軸42の軸方向に於いて、従動ギア82に対応する位置に配置され、第1の偏心ギア83の両面には、それぞれ支持体86が、第1の偏心ギア83の軸心を中心として回転可能に連結されている。支持体86は、概して帯板型に形成されていて、それぞれ筺体本体21の底板212に固定されている。支持体86の固定法は、特に限定されるものではないが、例えば螺子止めなどを用いれば良い。第1の偏心ギア83は、第1の偏心ギア83の軸心からずれた位置に、自身の重心を有する。このため、図13に示すように、モータ軸42を第1の方向(矢印D1方向)に回転させて、第1の偏心ギア83を回転させると、第1の偏心ギア83、支持体86、筺体本体21が振動することとなる。第1の偏心ギア83の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、従動ギア82と同等、即ち歯底径を約6.0[mm]、歯先径を約7.0[mm]、歯数を12[個]としている。
第2の偏心ギア84は、モータ軸42の軸方向に於いて、従動ギア82に対応する位置で、かつ、第1の偏心ギア83とは逆側の位置に配置され、第2の偏心ギア84の両面には、それぞれ支持体87が、第2の偏心ギア84の軸心を中心として回転可能に連結されている。支持体87は、概して帯板型に形成されていて、それぞれ操作ユニット10の搭載板121に固定されている。支持体87の固定法は、特に限定されるものではないが、例えば螺子止めなどを用いれば良い。第2の偏心ギア84は、第2の偏心ギア84の軸心からずれた位置に、自身の重心を有する。このため、図14に示すように、モータ軸42を第2の方向(矢印D2方向)に回転させて、第2の偏心ギア84を回転させると、第2の偏心ギア84、支持体87、筺体本体21が振動することとなる。第2の偏心ギア84の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、従動ギア82と同等、即ち歯底径を約6.0[mm]、歯先径を約7.0[mm]、歯数を12[個]としている。
以上のように、本実施形態にかかる変換機構80は、第1の実施形態にかかる変換機構70と同様に、モータ40の回転方向を切り替えることで、筺体20及び操作パネル11の何れかを選択的に振動させることができる。
本実施形態によれば、筺体20及び操作パネル11の何れかを選択的に振動させるための変換機構80を、例えば複数のギアを組み合わせるだけで簡単に実現することができる。
なお、本実施形態にかかる変換機構80は、モータ40の動力を伝達するために、複数のギア、即ち駆動ギア81、従動ギア82、第1の偏心ギア83、第2の偏心ギア84を用いているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、駆動ギア81、従動ギア82、第1の偏心ギア83、第2の偏心ギア84、をそれぞれ摩擦車とし、摩擦伝動によりモータ40の動力を伝達しても良い。
[第3の実施形態]
以下、図15−図20を参照しながら、第3の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
図15は、第3の実施形態にかかる変換機構90の斜視図である。図16は、第3の実施形態にかかる変換機構90の正面図(その1)である。図17は、第3の実施形態にかかる変換機構90の正面図(その2)である。図18は、第3の実施形態にかかる変換機構90の側面図である。
図15−図18に示すように、本実施形態にかかる変換機構90は、回転体91と、第1の打撃板92と、第2の打撃板93と、第1の振動板94と、第2の振動板95と、ピン96と、を備える。
回転体91は、概して円柱型に形成され、回転体91の中心には、挿入孔91aが形成され、回転体91の周面には、第1の環状溝911、第2の環状溝912、らせん溝913、が形成されている。回転体91の材料は、特に限定されるものではないが、例えばアルミなどの金属やABS(acrylonitrile butadiene styrene)などの樹脂を用いても良い。回転体91の外径は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、約8.0[mm]としている。
挿入孔91aは、回転体91の軸方向に延在していて、挿入孔91aには、モータ40のモータ軸42が挿入されている。なお、回転体91がモータ軸42と共に回転できるように、挿入孔91aとモータ軸42の断面は円形でない形状、例えばDカット型としても良い。本実施形態では、図15にのみ、Dカット型の挿入孔91a及びモータ軸42が示されている。
回転体91は、挿入孔91aに挿入されるモータ軸42の軸方向に移動可能に支持され、モータ本体41に接近する第1の位置P1と、モータ本体41から離間する第2の位置P2と、の範囲で往復運動することができる。なお、第1の位置P1及び第2の位置P2は、図19、図20に示されている。
第1の環状溝911及び第2の環状溝912は、回転体91の軸方向に離間する位置に配置され、それぞれ回転体91の軸心を中心として、略ループ状に延在している。第1の環状溝911及び第2の環状溝912の幅及び深さは、特に限定されるものではないが、本実施形態では、それぞれ約3.0[mm]、約2.0[mm]としている。
らせん溝913は、回転体91の軸方向に於いて、第1の環状溝911及び第2の環状溝912間に配置され、回転体91の軸心を中心として、略らせん状に延在している。らせん溝913は、回転体91の軸心を中心として、いわゆる右ねじの方向に約360度だけ旋回して、第1の環状溝911及び第2の環状溝912に連結されている。従って、第1の環状溝911からのらせん溝913への入口E1及び第2の環状溝912からのらせん溝913への入口E2は、回転体91の同一母線上に配置されている。らせん溝913の溝及び深さは、特に限定されるものではないが、第1の環状溝911及び第2の環状溝912と同等の幅及び深さ、即ちそれぞれ約3.0[mm]、約2.0[mm]としても良い。
第1の打撃板92は、回転体91の周面に連結され、回転体91の半径方向に延在している。第1の打撃板92は、回転体91の軸方向に於いて、第1の環状溝911よりも後方の、らせん溝913及び第1の環状溝911の連結部(らせん溝913の入口E1に相当)に対応する位置に配置されている。第1の打撃板92の材料は、特に限定されるものではないが、例えば鉄やアルミなどの金属板もしくはポリカーボネートやABS(acrylonitrile butadiene styrene)などの樹脂板を用いても良い。第1の打撃板92は、短冊型に形成され、回転体91の母線を基準として、約45度だけ傾斜している。なお、本実施形態にかかる第1の打撃板92は、図15もしくは図18に示すように、回転体91を第1の方向に回転させたときに、第1の打撃板92の後部92aが先方に位置する様に傾斜している。従って、回転体91が第1の方向に回転しているときに、第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突すると、第1の打撃板92には、回転体91を後方へ推進させる推進力が作用する。逆に、回転体91が第2の方向に回転しているときに、第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突すると、第1の打撃板92には、回転体91を前方へ推進させる推進力が作用する。
なお、本実施形態では、第1の打撃板92の傾斜角を約45度としているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、回転体91を第1の方向もしくは第2の方向に回転させるときに、回転体91を後方もしくは前方へ推進させる推進力が作用すれば、第1の打撃板92の傾斜角を、どのように設定しもて良い。但し、回転体91に推進力を効率的に作用させるために、第2の打撃板92の傾斜角θを、例えば0°<θ<90°、即ち鋭角とすることが好ましい。
第2の打撃板93は、回転体91の周面に連結され、回転体91の半径方向に延在している。第2の打撃板93は、回転体91の軸方向に於いて、第2の環状溝912よりも前方の、らせん溝913及び第2の環状溝912の連結部(らせん溝913の入口E2に相当)に対応する位置に配置されている。第2の打撃板93の材料は、特に限定されるものではないが、例えば鉄やアルミなどの金属板もしくはポリカーボネートやABS(acrylonitrile butadiene styrene)などの樹脂板を用いても良い。第2の打撃板93は、短冊状に形成され、回転体91の母線を基準として、約45度だけ傾斜している。なお、本実施形態にかかる第2の打撃板93は、図15もしくは図18に示すように、第1の打撃板92と同方向、即ち回転体91を第1の方向に回転させたときに、第2の打撃板93の後部93aが先方に位置する様に傾斜している。従って、回転体91が第1の方向に回転しているときに、第2の打撃板93が第2の振動板95に衝突すると、第2の打撃板93には、回転体91を後方へ推進させる推進力が作用する。逆に、回転体91が第2の方向に回転しているときに、第2の打撃板93が第2の振動板95に衝突すると、第2の打撃板93には、回転体91を前方へ推進させる推進力が作用する。なお、図18では、紙面を基準として、第2の打撃板93が回転体91の裏側に位置しているので、傾斜角が反転して描写されている。
なお、本実施形態では、第2の打撃板93の傾斜角を約45度としているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、回転体91を第1の方向もしくは第2の方向に回転させるときに、回転体91を前方もしくは後方へ推進させる推進力が作用すれば、第2の打撃板93の傾斜角を、どのように設定しもて良い。但し、回転体91に推進力を効率的に作用させるために、第2の打撃板93の傾斜角θを、例えば0°<θ<90°、即ち鋭角とすることが好ましい。
第1の振動板94は、筺体本体21の底板212に連結され、回転体91に接近する様に延在している。第1の振動板94は、回転体91が第2の位置P2に存在するときに、回転体91の軸方向に於いて、第1の打撃板92に対応する位置に配置されている。しかも、モータ軸42の軸心から第1の振動板94の先端までの距離は、モータ軸42の軸心から第1の打撃板92の先端までの距離よりも小さい。従って、回転体91が第2の位置P2に存在するときにモータ40を作動させると、回転体91に連結された第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突することとなる。第1の振動板94の材料としては、例えば弾性、即ち可撓性及び復元性を有する板材、さらに具体的には、合成ゴムやPVC(polyvinyl chloride)などの薄板などを用いても良い。このため、第1の振動板94に第1の打撃板92が衝突すると、第1の振動板94が湾曲して、第1の打撃板92を回転体91の回転方向に逃がすことになる。これにより、回転体91を複数回にわたり回転させると、第1の打撃板92が第1の振動板94を所定時間ごとに打撃して、第1の振動板94に連結された筺体本体21を振動させることとなる。又、第1の振動板94は、短冊状に形成されていて、第1の振動板94に衝突するときの第1の打撃板92と同等の角度で傾斜している。即ち、第1の振動板94は、回転体91の母線を基準として、約45度だけ傾斜している。
第2の振動板95は、操作ユニット10の搭載板121に連結され、回転体91に接近する様に延在している。第2の振動板95は、回転体91が第1の位置P1に存在するときに、回転体91の軸方向に於いて、第2の打撃板93に対応する位置に配置されている。しかも、モータ軸42の軸心から第2の振動板95の先端までの距離は、モータ軸42の軸心から第2の打撃板93の先端までの距離よりも小さい。従って、回転体91が第1の位置P1に存在するときにモータ40を作動させると、回転体91に連結された第2の打撃板93が第2の振動板95に衝突することになる。第2の振動板95の材料は、例えば弾性、即ち可撓性及び復元性を有する板材、さらに具体的には、合成ゴムやPVC(polyvinyl chloride)などの薄板を用いても良い。このため、第2の振動板95に第2の打撃板93が衝突すると、第2の振動板95が湾曲して、第2の打撃板93を回転体91の回転方向に逃がすことになる。これにより、回転体91を複数回にわたり回転させると、第2の打撃板93が第2の振動板95を所定時間ごとに打撃して、第2の振動板95に連結されたた操作パネル11を振動させることとなる。又、第2の振動板95は、短冊状に形成されていて、第2の振動板95に衝突するときの第2の打撃板93と同等の角度で傾斜している。即ち、第2の振動板95は、回転体91の母線を基準として、約45度だけ傾斜している。
ピン96は、筺体本体21の底板212に連結され、回転体91に接近する様に延在している。モータ軸42の軸心からピン96の、回転体91に対向する端部までの距離は、モータ軸42の軸心から第1の環状溝911、第2の環状溝912、らせん溝913の底面までの距離よりも大きく、モータ軸42の軸心から回転体91の周面までの距離よりも小さい。従って、ピン96は、回転体91に形成された、第1の環状溝911、第2の環状溝912、らせん溝913、の何れかに挿入されている。例えば、回転体91が第1の位置P1に存在するときには、第2の環状溝912にピン96が挿入され、回転体91が第2の位置P2に存在するときには、第1の環状溝911にピン96が挿入され、回転体91が第1の位置P1及び第2の位置P2間の第3の位置に存在するときには、らせん溝913にピン96が挿入されている。ピン96は、概して円柱型に形成されているが、ピン96の、回転体91に対向する端部には、概して球面状の部位が形成されている。ピン96の材料は、特に限定されるものではないが、例えばアルミなどの金属を用いても良い。ピン96の直径は、特に限定されるものではないが、例えば2.5[mm]としても良い。
(操作パネル11の操作時に於ける変換機構90の動作)
図19は、第3の実施形態にかかる操作パネル11の操作時に於ける変換機構90の概略図である。なお、以下の説明では、初期状態として、回転体91が第2の位置P2に存在していること前提とする。
回転体91が第2の位置P2に存在している初期状態に於いて、回転体91を第1の方向(矢印D1方向)に回転させると、図19(a)に示すように、第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突して、第1の打撃板92に、回転体91を後方に推進させる推進力を作用させる。このとき、即ち第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突する瞬間、ピン96に対応する位置には、らせん溝913及び第1の環状溝911の連結部、即ちらせん溝913の入口E1が存在している。このため、第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突して、第1の打撃板92に、回転体91を後方に推進させる推進力が作用すると、ピン96をらせん溝913に逃がす様に、即ちピン913をらせん溝913に受け入れる様に、回転体91が後進することとなる(矢印A参照)。
さらに回転体91を第1の方向(矢印D1方向)に回転させると、図19(b)に示すように、筺体本体21の底板212に連結されているピン96がらせん溝913の側壁を押圧して、回転体91を、さらに後進させることとなる(矢印A参照)。なお、らせん溝913は、回転体91の周面に1周分、即ち約360度にわたり延在している。このため、回転体91を約360度だけ第1の方向に回転させると、筺体本体21の底板212に連結されたピン96は、らせん溝913から第2の環状溝912に移動することとなる。こうして、モータ軸42に連結された回転体91は、図19(c)に示すように、第1の位置P1に移動することとなる。
さらに回転体91を第1の方向(矢印D1方向)に回転させると、図19(c)に示すように、第2の打撃板93が操作パネル11に連結された第2の振動板95に衝突して、第2の打撃板93に、回転体91を後方に推進させる推進力を作用させる。しかし、筺体本体21の底板212に連結されたピン96は、第2の環状溝912の側壁に移動を制限されているため、さらに回転体91が後進することはない。即ち、回転体91が第1の方向(矢印D1方向)に回転している最中は、回転体91が第1の位置P1に存在することとなる。従って、回転体91を複数回にわたり第1の方向に回転させると、第2の打撃板93が第2の振動板95を連打して、第2の振動板95に連結された表示パネル11が振動することとなる。
このとき、回転体91は、第1の位置P1に存在するので、第1の打撃板92が第1の振動板94に衝突することはない。このため、操作パネル11が振動しているときは、筺体20が振動することがない。これにより、モータ40を作動させて、回転体91を第1の方向に回転させると、操作パネル11だけを選択的に振動させることができる。
(着信時に於ける変換機構90の動作)
図20は、第3の実施形態にかかる着信時に於ける変換機構90の概略図である。なお、以下の説明では、初期状態として、回転体91が第1の位置P1に存在していることを前提とする。
回転体91が第1の位置P1に存在している初期状態に於いて、回転体91を第2の方向(矢印D2方向)に回転させると、図20(a)に示すように、第2の打撃板93が第2の振動板95に衝突して、第2の打撃板93に、回転体91を前方に推進させる推進力を作用させる。このとき、即ち第2の打撃板93が第2の振動板95に衝突する瞬間、ピン96に対応する位置には、らせん溝913及び第2の環状溝912の連結部、即ちらせん溝913の入口E2が存在している。このため、第2の打撃板93が第2の振動板94に衝突して、第2の打撃板93に、回転体91を前方に推進させる推進力が作用すると、ピン96をらせん溝913に逃がす様に、即ちピン913をらせん溝913に受け入れる様に、回転体91が前進することとなる(矢印B参照)。
さらに回転体91を第2の方向(矢印D2方向)に回転させると、図20(b)に示すように、筺体本体21の底板212に連結されているピン96がらせん溝913の側壁を押圧して、回転体91を、さらに前進させることとなる(矢印B参照)。なお、らせん溝913は、回転体91の周面に1周分、即ち約360度にわたり延在している。このため、回転体91を約360度だけ第2の方向に回転させると、筺体本体21の底板212に連結されたピン96は、らせん溝913から第1の環状溝911に移動することとなる。こうして、モータ軸42に連結された回転体91は、第2の位置P2に移動することとなる。
さらに回転体91を第2の方向(矢印D2方向)に回転させると、図20(c)に示すように、第1の打撃板92が筺体本体21の底板212に連結された第1の振動板94に衝突して、第1の打撃板92に、回転体91を前方に推進させる推進力を作用させる。しかし、筺体本体21の底板212に連結されたピン96は、第1の環状溝911の側壁に移動を制限されているため、さらに回転体91が前進することはない。即ち、回転体91が第2の方向(矢印D2方向)に回転している最中は、回転体91が第2の位置P2に存在することとなる。従って、回転体91を複数回にわたり逆回転させると、第1の打撃板92が第1の振動板94を連打して、第1の振動板94に連結された筺体本体21、即ち筺体20が振動することとなる。
このとき、回転体91は、第2の位置P2に存在するので、第2の打撃板93が第2の振動板95に衝突することはない。このため、筺体本体21が振動しているときは、操作パネル11が振動することがない。これにより、モータ40を作動させて、回転体91を逆回転させると、筺体20だけを選択的に振動させることができる。