JP5749228B2 - 小規模建物用の鋼管杭及びその施工方法 - Google Patents

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Description

この発明は、小規模建物の鋼管杭及びその施工方法に関するものである。
木造の戸建住宅などの軽量で小規模な建物は、杭や基礎の構造計算が求められていないため、地下深くの地耐力が高く強固な地盤にまで杭を到達させて支持することは行なわれず、地表地盤が液状化の起き易い埋立地などの比較的粒度の揃った砂質土であってもそのままその地盤上に布基礎やベタ基礎などの基礎が構築され、その上に建物が建設されるのが一般的である。
しかし、新潟地震や東日本大震災の影響により、液状化などによる地盤の不同沈下(不同隆起も含む。以下同じ)を防ぐため、小規模建物(木造戸建住宅などの杭の構造計算が不要な規模の建築物を指すものとする。以下同じ)であっても、摩擦支持の鋼管杭などを設置することが行われるようになってきた。
摩擦支持の鋼管杭は、比較的安価に設置できるため、小規模建物の基礎杭としては適しているといえる。
例えば、特許文献1には、戸建住宅などの小規模建築物の基礎杭として、外径が100mm〜200mmで、管厚3.2mm〜6.0mmの鋼管杭の外面に、1〜3mの間隔をおいて、鋼管の外径の1.5倍〜2.5倍の外径を有する1〜2巻のスパイラルウィングを複数、不連続的に溶着したことを特徴とし、スパイラルウィングにより軟弱な地盤でも所要の杭耐力が期待でき、施工機械も小型で施工できるため、狭隘な土地でも施工可能な小口径鋼管杭が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の鋼管杭は、鋼管杭の先端が、地盤の支持層まで達しないため、杭周囲の軟弱地盤が地震により液状化してしまったような場合には対処できず、住宅が傾くのを防ぐことができないという問題があった。
また、特許文献2には、鋼管の一方端部に雄継手を備え、他方端部に雌継手を備え、前記雌継手に別の鋼管の雄継手を螺合することで、鋼管を継ぎ足すことが可能なことを特徴とし、現場で鋼管同士を「溶接」によって接合する必要がなくなり、鋼管の確実且つ容易な接合が可能になる小口径鋼管杭、その接合構造、及びその施工方法が開示されている。
しかし、特許文献2記載の鋼管杭は、螺合するだけで鋼管同士が接続されているため、鋼管杭を地盤に回転しながら圧入する際、その回転トルクにより螺合による接続部分に負担が掛かり、礫などの地中障害物に鋼管杭又はそのウィングが当たった場合などに施工途中に鋼管杭の接合部分が破損するおそれがあった。
特開平1−142122号公報 特開2011−52396号公報
そこで、この発明は、前記従来技術の問題点を解決し、簡単に継ぎ足すことができ、そのため地盤の支持層まで達することが可能で、施工途中に鋼管杭が破損するおそれがなく、全体として安価な小規模建物用の鋼管杭及びその施工方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、管状の親杭と、この親杭の内周壁内で回転可能な管状の子杭と、からなる小規模建物用の鋼管杭であって、前記親杭の管外周には、回転により地下に圧入するための螺旋状の鍔が設けられており、子杭は、複数の鋼管からなり、その外周には、回転により地下に圧入するための螺旋状の鍔がそれぞれ設けられているとともに、子杭と子杭の接続は、水平断面において管円周を均等に分割する接続片が互いに係合するように差し込まれ、その接続片の内部に管内周と接する円筒体が嵌め込まれ、更に、係合した際に連続する前記接続片の外周に形成された螺旋状の突起に、螺旋状のバネ体が螺合されることで行われていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記親杭及び最下の子杭の下端には、地盤を砕くための複数の刃が管の円周に沿って突設されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記子杭のうち最下の子杭の下端には、地盤を砕くための螺旋状のビットが管内部に先端から飛び出るよう取り付けられている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記接続片は、水平断面において管円周を4等分して互い違いに係合するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記親杭及び最上の子杭の上端には、杭打ち機の回転する先端と嵌合する矩形枠が形成され、この矩形枠には、杭を吊り上げるためのピン穴が形成されている。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1ないし5のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭の施工方法であって、前記親杭を回転しながら圧入する工程と、前記円筒体を子杭の接続部分に嵌め込むとともに、前記螺旋状の突起に前記螺旋状のバネ体を螺合することにより、前記子杭同士を接続する工程と、圧入した前記親杭内に、前記子杭を回転しながら圧入する工程と、を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の小規模建物用の鋼管杭の施工方法において、前記子杭の圧入後に前記親杭内であって前記子杭上方のスペースにある土を排出する工程と、前記スペース内にコンクリートを打設する工程と、を有する。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、管状の親杭と、この親杭の内周壁内で回転可能な管状の子杭と、からなる小規模建物用の鋼管杭であって、前記親杭の管外周には、回転により地下に圧入するための螺旋状の鍔が設けられており、子杭は、複数の鋼管からなり、その外周には、回転により地下に圧入するための螺旋状の鍔がそれぞれ設けられているとともに、子杭と子杭の接続は、水平断面において管円周を均等に分割する接続片が互いに係合するように差し込まれ、その接続片の内部に管内周と接する円筒体が嵌め込まれ、更に、係合した際に連続する前記接続片の外周に形成された螺旋状の突起に、螺旋状のバネ体が螺合されることで行われているので、全体として安価に施工できるとともに、地盤の支持層の高さに応じて子杭を簡単に継ぎ足すことができ、地盤の地下深くの強固な支持層まで杭を到達させることができる。よって、大地震により液状化するなど地盤の軟弱層に異変が起きた場合であっても建物が傾くのを防止することができる。
また、子杭と子杭の接続は、水平断面において管円周を均等に分割する接続片が互いに係合するように差し込まれているので、杭を回転して圧入する際にも杭の接続部分だけに応力が集中することがなく、施工途中に鋼管杭が破損するおそれが少ない。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記親杭及び最下の子杭の下端には、地盤を砕くための複数の刃が管の円周に沿って突設されているので、前記作用効果に加え、杭の回転により刃で地盤を砕いていくことができ、杭を地中に埋入しやすく、杭施工の時間を短縮することができる。このため、設置コストを下げることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記子杭のうち最下の子杭の下端には、地盤を砕くための螺旋状のビットが管内部に先端から飛び出るよう取り付けられているので、前記作用効果に加え、杭の回転により子杭の管内部に入ってくる地盤を砕くことができ、よりスムーズに杭の施工を行うことができる。よって、更に、杭施工の時間を短縮して、杭設置のコストを下げることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記接続片は、水平断面において管円周を4等分して互い違いに係合するものであるので、前記作用効果に加え、回転駆動時に子杭の接続部分に応力が集中することなく、子杭の作製が容易となる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭において、前記親杭及び最上の子杭の上端には、杭打ち機の回転する先端と嵌合する矩形枠が形成され、この矩形枠には、杭を吊り上げるためのピン穴が形成されているので、前記作用効果に加え、杭を杭打ち機で吊り上げるのが容易となり、更に、杭施工の時間を短縮して、杭設置のコストを下げることができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1ないし5のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭の施工方法であって、前記親杭を回転しながら圧入する工程と、前記円筒体を子杭の接続部分に嵌め込むとともに、前記螺旋状の突起に前記螺旋状のバネ体を螺合することにより、前記子杭同士を接続する工程と、圧入した前記親杭内に、前記子杭を回転しながら圧入する工程と、を備えるので、全体として安価に施工できるとともに、地盤の支持層の高さに応じて子杭を簡単に継ぎ足すことができ、地盤の地下深くの強固な支持層まで杭を到達させることができる。よって、大地震により液状化するなど地盤の軟弱層に異変が起きた場合であっても建物が傾くのを防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の小規模建物用の鋼管杭の施工方法において、前記子杭の圧入後に前記親杭内であって前記子杭上方のスペースにある土を排出する工程と、前記スペース内にコンクリートを打設する工程と、を有するので、前記作用効果に加え、前記スペースにより杭頭の高さの微調整ができ、建物の基礎と杭の接続が容易となる。
また、杭頭の高さが設計と違うことによる建物基礎の杭頭補強等の作業が不要となり、全体の施工時間を短縮して、設置コストを低減することができる。
この発明の一実施の形態の実施例に係る鋼管杭の全体構成を建物妻側立面で示す構成説明図である。 実施例に係る親杭の杭頭部分を示す平面図である。 実施例に係る親杭の一側面を示す立面図である。 実施例に係る親杭の先端部分を示す底面図である。 実施例に係る子杭の杭頭部分を示す平面図である。 実施例に係る子杭の一側面を示す立面図である。 実施例に係る子杭の先端部分を示す底面図である。 実施例に係る最上の子杭の一側面を示す立面図である。 実施例に係る最下の子杭の一側面を示す立面図である。 実施例に係る螺旋状のバネ体を示す斜視図である。 実施例に係る円筒体を示す斜視図である。 実施例に係る子杭と子杭の接続部分を示す水平断面図である。 子杭の接続工程のバネ体の螺合前を示す子杭の接続部分の部分拡大図である。 子杭の接続工程のバネ体の螺合後を示す同上の部分拡大図である。 子杭圧入工程において親杭内に子杭を圧入する際を示す平面図である。 子杭圧入工程完了後の親杭の先端深さと子杭の杭頭深さとの位置関係を示す部分拡大立面図である。 親杭内コンクリート打設工程においてコンクリートを打設する範囲を主に示す部分拡大鉛直断面図である。
図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る杭について、以下に説明する。
実施例に係る杭は、図1に示すように、管状の親杭Aと、子杭Bとからなり、更に、この子杭Bは、二本の子杭B1と、B2とからなる小規模建物用の鋼管杭である。勿論、支持地盤の深さに応じて、後述の接続手段により子杭を何本継ぎ足しても構わないが、実施例に係る子杭Bは、一本継ぎ足して2本の子杭B1と子杭B2とからなる場合で説明する。
(親杭の構成)
実施例に係る親杭Aは、図2〜図4に示すように、上下が開放された円筒状の親杭本体A10と、親杭本体A10の上部に矩形枠である上面が開放された縦長の直方体の箱状の杭頭A20と、からなる鋼管杭であり、この親杭本体A10の管外周面には、螺旋状の鍔A11が形成され、親杭本体A10の下端にあたる杭先端には、地盤を砕くための鋭利な鋭角状の複数(実施例では4本)の刃A12が管の円周に沿って鮫の歯状に連設されている。
この杭頭A20は、杭打ち機のアースドリル回転軸の治具(アダプター)を内包する受け皿であり、アースドリルの回転トルクを親杭本体A10に伝達する機能を有している。また、杭頭A20の一側面の中央には、丸棒などのピンを貫入することで前記アースドリル回転軸に杭頭A20を止め付けて親杭Aを吊り上げるためのピン穴A21が穿設されている。
このような親杭Aによれば、ピン穴A21を利用して簡単に杭打ち機で吊り上げることができ、杭の設置位置への位置決めを容易に行うことができる。また、アースドリルの回転により、螺旋状の鍔A11で親杭Aが下方向に案内されて、圧入されて行くとともに、鋭角状の刃A12が地盤を砕いて行くため、短時間のうちに正確に親杭Aを地中に圧入することができる。
(子杭の構成)
次に、図5〜図12を用いて実施例に係る子杭について説明する。
図5〜図7に示すように、子杭Bは、子杭B1と、子杭B2とから主に構成され、これらの接続手段である後述の円筒体Cと、螺旋状のバネ体Dなどで子杭B1,B2が互いに接続されている。
図8に示すように、この子杭B1は、上下が開放された円筒状の子杭本体B10と、子杭本体B10の上部に位置する矩形枠である上面が開放された縦長の直方体箱状の杭頭B11と、からなる鋼管杭であり、この子杭本体B10の管外周面には、螺旋状の鍔B12が形成され、子杭本体B10の下端には、水平断面において管円周を4等分する2つの接続片B13が設けられている(図12も参照)。
また、図5に示すように、杭頭B11は、杭打ち機のアースドリル回転軸の治具(アダプター)を内包する受け皿であり、アースドリルの回転トルクを子杭本体B10に伝達する機能を有している。そして、図6、図8に示すように、杭頭B11の一側面の中央には、丸棒などのピンを貫入することで前記アースドリル回転軸に杭頭B11を止め付けて親杭Bを吊り上げるためのピン穴B14が穿設されている。
なお、子杭B1の平面視で矩形の杭頭B11の対角線は、親杭本体A10の内周壁に丁度内接する大きさとなっており、親杭Aを定規として子杭Bを回転摺動しながら圧入できるように設定されている(図15参照)。
図9に示すように、子杭B2は、上下が開放された円筒状の子杭本体B20からなり、子杭本体B20の管外周面には、螺旋状の鍔B21が形成され、子杭本体B20の上端には、前述の子杭B1の接続片B13と係合する水平断面において管円周を4等分する2つの接続片B22が設けられている。そして、子杭本体B20の下端にあたる杭先端には、地盤を砕くための鋭利な鋭角状の複数(実施例では4本)の刃B23が、管の円周に沿って鮫の歯状に連設されているとともに、子杭本体B20の内周壁内に入ってくる支持地盤などの硬い地盤を砕くための螺旋状のビットB24が、子杭本体B20の管内部に先端から飛び出るよう取り付けられている。
(子杭と子杭の接続手段)
次に、図8〜図12を用いて子杭B1と子杭B2の接続手段について詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、子杭B1の接続片B13の外周面には、螺旋状の突起B15が形成され、子杭B2の接続片B22の外周面には螺旋状の突起B25が形成されており、これらの螺旋状の突起B15と螺旋状の突起B25は、接続片B13と接続片B22とが、互いに差し込まれて係合しているときに、連続する一続きの螺旋状の突起となる(図14参照)。そして、この連続する一続きの螺旋状の突起B15,B25に、図10に示す螺旋状のバネ体Dが螺合されることで、子杭B1と子杭B2とが接続される(図13、図14も参照)。
また、子杭B1と子杭B2との接続部分である接続片B13及び接続片B22の内周面には、子杭Bに伝達される曲げや剪断応力に対抗するため、図11に示す円筒体Cが嵌着されて補強されている。図12に示すように、この円筒体Cの外周面の径は、接続片B13及び接続片B22の内周面、即ち、子杭本体B10,B20の内周面に、円筒体Cの外周面が丁度内接する大きさに設定されている。
なお、分り難くなるため図12中、バネ体Dだけ断面を示す斜線を入れていない。また、接続片B13,B22を水平断面において管円周を4等分するものとして例示したが、6等分や8等分などの水平断面において管円周を均等に分割して互い違いに係合するものであっても構わない。
(鋼管杭の施工方法)
次に、図13〜図17を用いて、実施例に係る鋼管杭の施工方法について説明する。
先ず、事前準備として、標準貫入試験等を行って、N値などの地盤各層の特性を調査し、支持地盤となり得る地層(例えば、暦層や砂礫層など)の深さを特定しておく。そして、杭の施工範囲をバックホー等で整地したうえ、測量して杭の正確な施工位置(中心位置)を出し、マーキングなどを施す。
(1)親杭圧入工程
先ず、本工程により、図2〜4で示した親杭Aを、ピン穴A21を利用して杭打ち機(図示せず)で吊り上げて、前記マーキングを施した杭の施工位置の上空まで運搬する。そして、杭打ち機のアースドリルの回転軸に杭頭A20を装着し、杭打ち機のアースドリルで地下方向へ圧力を加えながら、親杭Aの杭頭A20を回転させる。すると、親杭Aは、先端の鋭角状の刃A12で軟弱地盤を砕きながら、管外周の螺旋状の鍔A11で地下深くに案内されて行き、地中に圧入されることとなる(図2〜4参照)。
このとき、親杭Aの長さは、その先端が支持地盤には達することなく軟弱地盤内に止まるように設定されているため、親杭Aが高止まりするおそれも少なく、所定の深さまで圧入することが比較的容易であり、高止まりによる基礎の杭頭補強などの作業が不要で、作業効率が良好である。
(2)子杭接続工程
本工程では、図8に示した最上の子杭B1を、ピン穴B14を利用して杭打ち機で吊り上げ、図10に示したバネ体Dを回転させながら、子杭B1の螺旋状の突起B15に螺合させる。
このとき、図13に示すように、一旦、接続片B13を超える辺りまで、バネ体Dを回し上げておき、その状態で、円筒体Cを接続片B13の内周壁に嵌合させる。ただし、この円筒体Cは、杭の施工現場で接続片B13の内周壁に嵌め入れるのではなく、工場等で予め嵌め入れ溶接等して固着しておいても構わない。
次に、次の子杭B2の接続片B22を円筒体Cの外周面に沿って子杭B1の接続片B13に差し入れ、接続片B13と接続片B22とを互いに係合させて、前述の一続きの螺旋状の突起B15,B25を形成する。そして、一旦、回し上げておいたバネ体Dを回し下げ、図14に示すように、螺旋状の突起B15,B25にバネ体Dを螺合させて、最上の子杭B1と次の(実施例では、最下の)子杭B2とを接続して一本の子杭Bを形成する(図5〜図7参照)。
このとき、溶接作業が不要なため、有資格者の作業を減らし、施工コストを下げることができるとともに、円筒体Cを嵌め入れたり、バネ体Dを螺合させたりするだけで接続できるため、簡単に短時間で作業を行うことができ、更に、鋼管杭の設置コストを低減することができる。
(3)子杭圧入工程
本工程では、子杭Bの先端を親杭Aの内周壁の中心位置にセットし、図15に示すように、親杭Aを定規として子杭Bをアースドリルで回転しながら、親杭Aの親杭本体A10の内周面に子杭Bの杭頭B11を摺接しながら、子杭Bの先端が支持地盤となる地層に所定深さまで埋入するまで回転・圧入する(図1も参照)。
このとき、親杭Aを定規として子杭Bを圧入できるため、子杭Bの先端が支持地盤となる地層に到達して礫などの地中障害物に当たった場合であっても中心位置が設計位置とズレてしまうおそれが少なくなる。
(4)親杭内の排土工程
図16に示すように、親杭A及び子杭Bの長さは、その先端が所定深さまで到達した際にも、杭頭B11が親杭Aの先端から露出しないよう、親杭Aと子杭Bが多少オーバーラップするように設定されている(図1も参照)。
本工程では、子杭Bの杭頭B11部分より上方、かつ親杭Aの親杭本体A10内の土、すなわち、親杭A及び子杭Bを地中に圧入した際に、親杭Aの内周壁内に入り込んだ軟弱地盤の土を、地下水とともにバキューム装置(図示せず)等を使って排土する。次工程で、コンクリートを打設するスペースを空けるためである。
(5)親杭内コンクリート打設工程
本工程では、図17に示すように、前工程で排土した親杭Aの内周壁内のスペースにコンクリートを打設して、親杭Aと子杭Bを一体化し、建物の荷重を支持地盤に伝達できるようにする。
このように、親杭Aと子杭Bとをオーバーラップさせて子杭Bの上方のスペースにコンクリートを打設して親杭Aと子杭Bとを一体化することにより、子杭Bが万が一高止まりした場合であっても、このオーバーラップ部分でその高さのズレを吸収することができ、建物の基礎の補強等の作業をする必要がなくなる。
以上のようなこの発明の実施例に係る鋼管杭の施工方法によれば、全体として安価に施工できるとともに、支持地盤の地層の深さに応じて子杭を簡単に継ぎ足すことができ、地下深くの強固な支持地盤まで杭を到達させることができる。よって、大地震により液状化するなど地盤の軟弱層に異変が起きた場合であっても建物が傾くのを防止することができる。また、親杭Aと子杭Bのオーバーラップ部分で杭の長さの微調整ができ、建物の基礎と杭の接続が容易であり、基礎の杭頭補強等の作業が不要となり、建築物全体の施工期間を短縮して、コストを低減することができる。
以上のように、この発明の実施例に係る小規模建物用の鋼管杭及びその施工方法を説明したが、この発明は、図示実施の形態に限られず、特許請求の範囲で適宜変更可能なことはいうまでもない。特に、図1で小規模建物として1階建てのものを例示したが、2階建てなどの杭の構造計算が法規上義務付けられていない規模の建物には、この発明を適用し得る。
また、子杭Bを最上の子杭B1と、最下の子杭B2とから構成する場合を説明したが、3本、4本と継ぎ足す場合は、最上の子杭B1と最下の子杭B2との間に、上下に接続片を有した中間の子杭を継ぎ足せばよい。
A 親杭
A10 親杭本体
A11 螺旋状の鍔
A12 鋭角状の刃
A20 杭頭(矩形枠)
A21 ピン穴
B 子杭
B1 (最上の)子杭
B10 子杭本体
B11 杭頭(矩形枠)
B12 螺旋状の鍔
B13 接続片
B14 ピン穴
B15 螺旋状の突起
B2 (最下の)子杭
B20 子杭本体
B21 螺旋状の鍔
B22 接続片
B23 鋭角状の刃
B24 螺旋状のビット
B25 螺旋状の突起
C 円筒体
D バネ体

Claims (7)

  1. 管状の親杭と、この親杭の内周壁内で回転可能な管状の子杭と、からなる小規模建物用の鋼管杭であって、
    前記親杭の管外周には、回転により地下に圧入するための螺旋状の鍔が設けられており、
    子杭は、複数の鋼管からなり、その外周には、回転により地下に圧入するための螺旋状の鍔がそれぞれ設けられているとともに、
    子杭と子杭の接続は、水平断面において管円周を均等に分割する接続片が互いに係合するように差し込まれ、その接続片の内部に管内周と接する円筒体が嵌め込まれ、更に、係合した際に連続する前記接続片の外周に形成された螺旋状の突起に、螺旋状のバネ体が螺合されることで行われていることを特徴とする小規模建物用の鋼管杭。
  2. 前記親杭及び最下の子杭の下端には、地盤を砕くための複数の刃が管の円周に沿って突設されている請求項1に記載の小規模建物用の鋼管杭。
  3. 前記子杭のうち最下の子杭の下端には、地盤を砕くための螺旋状のビットが管内部に先端から飛び出るよう取り付けられている請求項1又は2に記載の小規模建物用の鋼管杭。
  4. 前記接続片は、水平断面において管円周を4等分して互い違いに係合するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭。
  5. 前記親杭及び最上の子杭の上端には、杭打ち機の回転する先端と嵌合する矩形枠が形成され、この矩形枠には、杭を吊り上げるためのピン穴が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の小規模建物用の鋼管杭の施工方法であって、
    前記親杭を回転しながら圧入する工程と、
    前記円筒体を子杭の接続部分に嵌め込むとともに、前記螺旋状の突起に前記螺旋状のバネ体を螺合することにより、前記子杭同士を接続する工程と、
    圧入した前記親杭内に、前記子杭を回転しながら圧入する工程と、を備えることを特徴とする小規模建物用の鋼管杭の施工方法。
  7. 前記子杭の圧入後に前記親杭内であって前記子杭上方のスペースにある土を排出する工程と、前記スペース内にコンクリートを打設する工程と、を有する請求項6に記載の小規模建物用の鋼管杭の施工方法。
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