JP5746122B2 - 窒化物半導体レーザ素子及びウェハ - Google Patents

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Description

本発明は、分割前の複数の窒化物半導体レーザ素子が配置されているウェハと、そのウェハから得られる窒化物半導体レーザ素子に関する。
窒化物半導体レーザ素子はブルーレイディスク等の記録・再生などに利用され、盛んに研究、開発が行われている。例えば、高密度に情報を記録する際には、高速でレーザ光をON/OFFする必要があるため、レーザ素子を20ns程度の短いパルスで駆動させている。パルス駆動させる際にはレーザ素子のインピーダンスが小さいほど応答性が良くなるので、駆動時の抵抗やレーザ素子の静電容量を減らすことが重要となる。一方、情報を再生する際には、レーザ素子の信頼性が必要とされ、それには静電耐圧を高くすることが重要となる。
ところで、窒化物半導体レーザ素子の作製においては、一般的に、レーザ積層構造の結晶性を向上させるために基板に溝を掘って結晶成長させる(特許文献1、2参照)。このとき、溝の近傍は層厚が厚くなるので、1つの基板から同一の光学特性を備えたレーザ素子を効率よく得るために、光導波路用のリッジを溝から離して形成する。そうすると、図6に示すウェハ100の上面図のように、溝101aと溝101bとの間に複数の素子102〜104をとった場合には、必ず1つの素子(図6では素子104)のリッジ104aは、他の素子(図6では102、103)のリッジ(図6では102a、103a)と左右反対側に形成しなければならない。
このように、ウェハ100からは、構造の異なる2種類の素子が作製されることになり、例えば素子の特性検査をする場合には2種類の素子を識別する必要がある。これは、2種類の素子で発光点が異なるため、特性検査時に発光波長などを検査するときに、光ファイバーや検査口に光を導入する際の位置が変わるからである。識別には、例えばパッド電極の形状の違いを利用することができるが、その場合、パッド電極の形状を検査機や実装機で画像認識できる程度に変える必要がある。
特開2005−322786号公報 特開2006−190980号公報
上記のように構造が異なる素子をパッド電極の形状で識別する場合、画像認識しやすくするためには、パッド電極の形状や面積を大きく変える必要がある。しかし、面積を変えると、1つのウェハから異なる静電容量の素子を作製することになり、次のような不具合が生じる。
通常、窒化物半導体レーザ素子を情報記録に使用する際には、戻り光雑音対策として高周波重畳回路を使用する。このとき、レーザ素子の静電容量が異なると、それぞれの素子ごとに高周波重畳回路の調整が必要となる。しかしながら、これはコストを高くする要因及び生産性を低下させる要因となるので、現実のマスプロダクションで採用することは難しい。
本発明は、静電容量を減らして応答性を良くした窒化物半導体レーザ素子を提供することを目的とする。また本発明は、静電耐圧を高くして信頼性を向上させた窒化物半導体レーザ素子を提供することを目的とする。また本発明は、1つのウェハから構造の異なる複数の窒化物半導体レーザ素子をとる場合、同じ静電容量でかつ画像により構造の識別が可能な窒化物半導体レーザ素子をとれるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、活性層と、該活性層の上方に積層された上部クラッド層と、該上部クラッド層の上方に積層された低誘電率絶縁膜と、該低誘電率絶縁膜の上方に積層されたパッド電極と、を備えた窒化物半導体レーザ素子とする。
この構成によれば、低誘電率絶縁膜を用いることにより、窒化物半導体レーザ素子の静電容量が低くなる。
上記の窒化物半導体レーザ素子において、前記活性層の下方の各層がn型であり、前記活性層の上方の各層がp型であることが好ましい。p型の方が抵抗が高いからである。
上記の窒化物半導体レーザ素子において、前記低誘電率絶縁膜には、SiOF、SiOC又は有機ポリマーを採用することができる。
また本発明は、活性層と、該活性層の上方に積層された上部クラッド層と、該上部クラッド層の上方に積層された高誘電率絶縁膜と、該高誘電率絶縁膜の上方に積層されたパッド電極と、を備えた窒化物半導体レーザ素子とする。
この構成によれば、高誘電率絶縁膜を用いることにより、窒化物半導体レーザ素子の静電容量が高くなる。
上記の窒化物半導体レーザ素子において、前記活性層の下方の各層がn型であり、前記活性層の上方の各層がp型であることが好ましい。p型の方が抵抗が高いからである。
上記の窒化物半導体レーザ素子において、前記高誘電率絶縁膜には、HfO2又はAl23N系を採用することができる。
また本発明は、分割前の複数の窒化物半導体レーザ素子が配置されているウェハにおいて、各窒化物半導体レーザ素子は電気的に分離された1以上のパッド電極を有し、少なくとも構造の異なる窒化物半導体レーザ素子同士は、電圧がかかるパッド電極の面積が同じで、パッド電極全体で形成される形状が異なることを特徴とする。
この構成によれば、電圧がかかるパッド電極の面積を同じにすることにより、各素子の静電容量を揃えることができ、パッド電極全体で形成される形状が異なることにより、画像認識で各素子の構造の識別が可能となる。
上記のウェハにおいて、前記パッド電極は、溝によって電気的に分離されていることが望ましい。
また本発明は、分割前の複数の窒化物半導体レーザ素子が配置されているウェハにおいて、各窒化物半導体レーザ素子は、同じ面積のパッド電極と、該パッド電極表面の一部に反射率を低くする処理が施された低反射部を有し、少なくとも構造の異なる窒化物半導体レーザ素子同士は、前記低反射部の形状が異なることを特徴とする。
この構成によれば、同じ面積のパッド電極により、各素子の静電容量を揃えることができ、低反射部の形状が異なることにより、画像認識で各素子の構造の識別が可能となる。
上記のウェハにおいて、前記低反射部は、前記パッド電極の反射率よりも低い反射率を有する低反射膜であることが望ましい。
また上記のウェハにおいて、前記低反射部は、前記パッド電極表面を荒らす処理によって形成してもよい。
本発明によると、窒化物半導体レーザ素子の静電容量が低くなるので、窒化物半導体レーザ素子は、応答性が良いとともに、高周波重畳回路による雑音低減効果が大きくなる。
また本発明によると、窒化物半導体レーザ素子の静電容量が高くなるので、窒化物半導体レーザ素子は、静電破壊限界レベル(静電耐圧)が向上し信頼性が増す。
また本発明によると、1つのウェハから構造の異なる複数の窒化物半導体レーザ素子をとる場合、各素子を同じ静電容量に揃えることで、高周波重畳回路の調整が容易になり、製造コストが低減できるとともに、画像により構造の異なる素子を識別できる。
第1実施形態の窒化物半導体レーザ素子の断面図である。 第2実施形態の窒化物半導体レーザ素子の断面図である。 第3実施形態のウェハの上面図である。 第4実施形態のウェハの上面図である。 第4実施形態の他のウェハの上面図である。 従来のウェハの上面図である。
発明者らは、窒化物半導体レーザ素子の静電容量について研究を重ねた結果、次のような知見を得た。AlGaAs系やAlGaInP系レーザ素子では静電容量はレーザ素子のPN接合の面積で決まる。このため、静電容量を減らすためにはリッジ横に溝を掘る(トレンチ構造)などの対策が必要であった。窒化物半導体レーザ素子でリッジガイド型の素子構造をとる場合は静電容量に対して影響があるのはPN接合のうち、リッジの幅+数μmと共振器長との積で、あとはコンタクト電極上のワイヤーなどで外部から電圧を印加するためにワイヤーボンドを打つために必要なパッド電極の面積とパッド電極の下側の誘電体膜の誘電率と膜厚である。
これは窒化物半導体レーザ素子に使われるp型クラッド層のAlGaN、およびGaN層が非常に高い抵抗を示すことが原因である。通常リッジガイド型レーザ素子のリッジ幅は1〜2μm程度であり、リッジの外側はクラッド層をエッチングして薄くすることで作製されている。このときリッジの外側の活性層からクラッド層上までの厚さはおおよそ0.1〜0.3μmである。また、通常、リッジの外側にはコンタクト電極は作製せず、また横方向の光ガイドのために誘電体膜で覆うため、リッジ外側の横方向への抵抗が高くなり、リッジから印加された電圧はこの抵抗が高いため、リッジから離れるにしたがって電圧降下を起こし、リッジから離れた領域のPN接合間には電圧が掛からない状況になる。よって、電圧が掛からないのでリッジから離れた領域は素子の静電容量には影響しなくなる。
パッド電極についてはPN接合の上にp型AlGaN、GaNまたはInGaN層が存在し、その上に誘電体膜があり、その上にTiやPdやNiやAuからなるパッド電極がある。このパッド電極、誘電体膜、そしてn型電極でコンデンサを形成する。これは先に記載したようにリッジから離れるにしたがって電圧降下を起こし、リッジから離れた領域のPN接合間には電圧が掛からない状況になっている領域でこのような現象になる。
また、リッジ付近のPN接合による容量をA、パッド電極とn型(または、パッド電極と反対の導電型)電極間の容量をBとすると素子の静電容量はA+Bとなる。これはリッジ付近(リッジも含む)をコンデンサA、パッド電極とn型(または、パッド電極と反対の導電型)電極間をコンデンサBとするとコンデンサAとコンデンサBは並列の関係になっているため、このような関係になる。
以下、本発明の4つの実施形態について順に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の窒化物半導体レーザ素子の断面図である。窒化物半導体レーザ素子10は、n型電極11、n型GaN基板12、n型GaNバッファ層13、n型AlGaNクラッド層14、n型GaN/InGaN光ガイド層15、ノンドープGaN/InGaN活性層16、p型AlGaN蒸発防止層17、p型GaNまたはAlGaN中間層18、p型AlGaNクラッド層19、p型GaNコンタクト層20、Pdコンタクト電極21、低誘電率絶縁膜22、Ti/Auパッド電極23が積層されて構成される。
製造方法としては、まず、n型GaN基板12上に有機金属気相成長法(以下MOCVD法)でn型GaNバッファ層13、n型AlGaNクラッド層14、n型GaN/InGaN光ガイド層15、ノンドープGaN/InGaN活性層16、p型AlGaN蒸発防止層17、p型GaNまたはAlGaN中間層18、p型AlGaNクラッド層19、p型GaNコンタクト層20を順に成長させる。
次に、p型GaNコンタクト層20上にPdコンタクト電極21を作製した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングによってp型AlGaNクラッド層19の一部までエッチングして、ストライプ状のリッジ24を形成する。さらに、リッジサイドを覆うように低誘電率絶縁膜22となるSiOFをスパッタ法にて約100nm形成し、リッジ24上のSiOFをエッチングによって除去する。
次に、Ti/Auパッド電極23を形成する。さらにn型GaN基板12の裏面を研磨によって100μm程度まで薄くし、裏面処理を施した後、n型電極11としてNi/Auなどを形成する。
この後、リッジ24に垂直な面で劈開することによって共振器ミラーを作製する。そして、劈開面に誘電体膜(Al23、SiO2、TiO2など)を形成し、さらにストライプ間をスクライブし、分割することによって所望の窒化物半導体レーザ素子10を得る。
このようにして作製された窒化物半導体レーザ素子10の静電容量は約6pFであり、低誘電率絶縁膜22以外の絶縁膜を用いた窒化物半導体レーザ素子の静電容量である約10pFと比較して低くなっている。その結果、窒化物半導体レーザ素子10は、応答性が良いとともに、高周波重畳回路による雑音低減効果が大きく、3〜5mW時の相対雑音強度(RIN)が−125dB以下(従来は−120dB以下)と改善が図れた。
なお、低誘電率絶縁膜22には、例えば誘電率のk値が5以下の低誘電率材料が用いられる。上記では低誘電率絶縁膜22としてSiOFを用いたが、SiOC、有機ポリマーでも同様の効果が得られる。有機ポリマーとしては、例えば、ボラジン-ケイ素ポリマーが挙げられる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態の窒化物半導体レーザ素子の断面図である。窒化物半導体レーザ素子30は、n型電極31、n型GaN基板32、n型GaNバッファ層33、n型AlGaNクラッド層34、n型GaN/InGaN光ガイド層35、ノンドープGaN/InGaN活性層36、p型GaNまたはAlGaN中間層37、p型AlGaN蒸発防止層38、p型AlGaNクラッド層39、p型GaNコンタクト層40、Pdコンタクト電極41、高誘電率絶縁膜42、Ti/Auパッド電極43が積層されて構成される。
製造方法としては、まず、n型GaN基板32上に有機金属気相成長法(以下MOCVD法)でn型GaNバッファ層33、n型AlGaNクラッド層34、n型GaN/InGaN光ガイド層35、ノンドープGaN/InGaN活性層36、p型GaNまたはAlGaN中間層37、p型AlGaN蒸発防止層38、p型AlGaNクラッド層39、p型GaNコンタクト層40を順に成長させる。
次に、p型GaNコンタクト層40上にPdコンタクト電極41を作製した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングによってp型AlGaNクラッド層39の一部までエッチングして、ストライプ状のリッジ44を形成する。さらに、リッジサイドを覆うように高誘電率絶縁膜42となるHfO2をスパッタ法にて約100nm形成し、リッジ44上のHfO2をエッチングによって除去する。
次に、Ti/Auパッド電極43を形成する。さらにn型GaN基板32の裏面を研磨によって100μm程度まで薄くし、裏面処理を施した後、n型電極31としてNi/Auなどを形成する。
この後、リッジ44に垂直な面で劈開することによって共振器ミラーを作製する。そして、劈開面に誘電体膜(Al23、SiO2、TiO2など)を形成し、さらにストライプ間をスクライブし、分割することによって所望の窒化物半導体レーザ素子30を得る。
このようにして作製された窒化物半導体レーザ素子30の静電容量は約20pFであり、高誘電率絶縁膜42以外の絶縁膜を用いた窒化物半導体レーザ素子の静電容量である約10pFと比較して高くなっている。その結果、窒化物半導体レーザ素子30は、静電破壊限界レベル(静電耐圧)が向上し、上記の共振器長400μmの窒化物半導体レーザ素子30で150V以上(従来は70V以上)と良好な特性が得られた。
なお、高誘電率絶縁膜42には、例えば誘電率のk値が90以上の高誘電率材料が用いられる。上記では高誘電率絶縁膜42としてHfO2を用いたが、Al23N系でも同様の効果が得られる。ここでいう「系」とは、AlONやAlO2NやAl2ONなどを指す。
(第3実施形態)
本実施形態では、n型GaN基板の上面(成長面)にストライプ状の溝が形成された加工基板を用いる。加工基板の作製方法としては、まず、n型GaN基板の上面に膜厚1μmのSiO2などをスパッタ蒸着し、一般的なフォトリソグラフィーにおいて、ストライプ状のフォトレジストパターンを、レジスト開口部の幅5μm、ストライプ中心部と隣接するストライプ中心部との間隔(周期)が400μmとなるように形成する。
次に、RIE(Reactive Ion Etching)技術などのドライエッチングで、SiO2及びn型GaN基板をエッチングすることで掘り込み深さ5μm、開口幅5μmの溝を形成する。その後、エッチャントとしてHFなどを用いてSiO2を除去し、加工基板を得る。
なお、上述したSiO2の蒸着方法はスパッタ蒸着に限定されるものではなく、電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法などの方法を用いても構わない。また、レジストパターンについても、その周期は上述の400μmに限定されるものでなく、作製する窒化物半導体レーザ素子の幅によって、変化させても構わない。また、上記のドライエッチングに代えてウェットエッチングを用いても構わない。
図3は、第3実施形態のウェハの上面図である。ウェハ50を分割して得られる窒化物半導体レーザ素子は、n型電極、加工基板、n型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型GaN/InGaN光ガイド層、ノンドープGaN/InGaN活性層、p型GaNまたはAlGaN中間層、p型AlGaN蒸発防止層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層、Pdコンタクト電極、誘電体膜、Ti/MO/Auパッド電極が積層されて構成される。
製造方法としては、まず、加工基板上に有機金属気相成長法(以下MOCVD法)でn型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型GaN/InGaN光ガイド層、ノンドープGaN/InGaN活性層、p型GaNまたはAlGaN中間層、p型AlGaN蒸発防止層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順に成長させる。
次に、p型GaNコンタクト層上にPdコンタクト電極を作製した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングによってp型AlGaNクラッド層の一部までエッチングして、ストライプ状のリッジ51を形成する。さらに、リッジサイドを覆うように誘電体膜となるSiO2をスパッタ法にて約100nm形成し、リッジ51上のSiO2をエッチングによって除去する。
次に、レジストを塗布し、フォトエッチングによって不要なところにレジストが残るようにパッド電極のパターンを作製する。そして、電子ビーム蒸着によってTi/MO/Auパッド電極を形成する。さらに、リフトオフによって不要なパッド電極部分を除去し、最終的に図3に示すようなパッド電極52a〜52gを得る。図3では、加工基板の溝上に各層が積層された結果生じる溝56・56間に3つの素子が形成されている。
なお、パッド電極52a〜52gは、ウェハ50の上面全面にTi/MO/Auをスパッタ又は電子ビーム蒸着し、レジストを塗布し、フォトエッチングによって必要なところにレジストが残るようにパッド電極のパターンを作製し、ヨウ素系のエッチング液で不要なパッド電極部分を除去しても得ることができる。
ここで、ワイヤーボンドを打つパッド電極、つまり電圧がかかるパッド電極は、リッジ51上に形成されたパッド電極52a、52d、52gである。これら電圧がかかるパッド電極52a、52d、52gは、素子の静電容量を同じにするため面積が同じになるように設計される。
一方、ワイヤーボンドされないパッド電極、つまり電圧がかからないパッド電極は、リッジ51にかからないパッド電極52b、52c、52e、52fである。これらのパッド電極52b、52c、52e、52fは、電圧がかかるパッド電極52a、52d、52gとの間に溝(パッド電極が形成されていない部分)を形成することで電気的に分離されている。
また、分割後の窒化物半導体レーザ素子単位で見ると、1つの素子のパッド電極全体で形成される形状は他の素子のその形状と異なるように設計される。例えば、パッド電極52a〜52c全体の形状と、パッド電極52d〜52f全体の形状と、パッド電極52gの形状とが異なる。
これは、素子53、54は同じ構造であるが、素子55はリッジの位置が左右反対側に形成された構造となり、構造の異なる2種類の素子が作製されることになり、例えば素子の特性検査をする場合には2種類の素子を識別する必要があるからである。つまり、2種類の素子で発光点が異なるため、特性検査時に発光波長などを検査するときに、光ファイバーや検査口に光を導入する際の位置が変わるからである。識別には、パッド電極の形状を検査機や実装機で画像認識して識別する。
したがって、少なくとも素子53、54と、素子55とが識別できるように、パッド電極全体の形状を異ならせる必要がある。一方、素子53と素子54は同じ構造であるので、必ずしも識別する必要はないが、図3ではパッド電極52bとパッド電極52eの形状が異なるので、識別できるようになっている。
製造方法の説明に戻り、加工基板の裏面を研磨によって100μm程度まで薄くし、裏面処理を施した後、n型電極としてNi/Auなどを形成する。
この後、リッジ51に垂直な面で劈開することによって共振器ミラーを作製する。そして、劈開面に誘電体膜(Al23、SiO2、TiO2など)を形成し、さらにストライプ間をスクライブし、分割することによって所望の窒化物半導体レーザ素子53〜55を得る。
このようにして作製された窒化物半導体レーザ素子53〜55の静電容量は約10pFであった。このように、各素子53〜55の静電容量を揃えたことで高周波重畳回路の調整が容易になり、製造コストが約10%低減できた。
また、上記のような構成により、1つのウェハから構造の異なる複数の窒化物半導体レーザ素子をとる場合でも、各素子を同じ静電容量とし、かつ画像認識により各素子の構造の識別が可能となる。
(第4実施形態)
図4は、第4実施形態のウェハの上面図である。ウェハ60を分割して得られる窒化物半導体レーザ素子は、n型電極、加工基板、n型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型GaN/InGaN光ガイド層、ノンドープGaN/InGaN活性層、p型GaNまたはAlGaN中間層、p型AlGaN蒸発防止層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層、Pdコンタクト電極、誘電体膜、Ti/MO/Auパッド電極が積層されて構成される。
製造方法としては、まず、加工基板上に有機金属気相成長法(以下MOCVD法)でn型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型GaN/InGaN光ガイド層、ノンドープGaN/InGaN活性層、p型GaNまたはAlGaN中間層、p型AlGaN蒸発防止層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順に成長させる。
次に、p型GaNコンタクト層上にPdコンタクト電極を作製した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングによってp型AlGaNクラッド層の一部までエッチングして、ストライプ状のリッジ61を形成する。さらに、リッジサイドを覆うように誘電体膜となるSiO2をスパッタ法にて約100nm形成し、リッジ61上のSiO2をエッチングによって除去する。
次に、ウェハ60の上面全面にパッド電極となるTi/MO/Auをスパッタ又は電子ビーム蒸着し、続いて、画像認識しない厚さの金属光沢をもたないSiO2からなる低反射膜を蒸着し、その上にレジストを塗布し、フォトエッチングによって必要なところにレジストが残るようにパッド電極のパターンを作製する。そして、バッファードフッ酸などのエッチング液で不要なSiO2部分を除去する。
これにより、図4に示すように、パッド電極62a〜62cと、低反射膜63a〜63dが得られる。図4では、加工基板の溝上に各層が積層された結果生じる溝64・64間に3つの素子が形成されている。
低反射膜63a〜63dは、パッド電極62a〜62cの反射率よりも低い反射率を有する材料であれば、SiO2以外の材料を用いても構わない。また、低反射膜に代えて、パッド電極表面を荒らす処理を行うなど、未処理のパッド電極よりも反射率を低くする処理であれば、採用することができる。このようなパッド電極上の反射率の低い部分を低反射部と称する。
具体的に上記のパッド電極表面を荒らす処理は、ウェハ50の上面全面にパッド電極となるTi/MO/Auをスパッタ又は電子ビーム蒸着し、その上にレジストを塗布し、フォトエッチングによって必要なところにレジストが残るようにパッド電極のパターンを作製した後、塩酸などのエッチング液でパッド電極表面を荒らせばよい。図5にパッド電極表面を荒らしたウェハ60’の上面図を示す。パッド電極表面の荒らした部分は表面処理部65a〜65dで示している。
また、分割後の窒化物半導体レーザ素子単位で見ると、各素子のパッド電極を上部から見た形状、つまり、低反射部が重なっていない部分の形状は、それぞれの素子で異なるように設計される。逆に、各素子で低反射部の形状が異なるとも言える。
これは、素子66、67(66’、67’)は同じ構造であるが、素子68(68’)はリッジの位置が左右反対側に形成された構造となり、構造の異なる2種類の素子が作製されることになり、例えば素子の特性検査をする場合には2種類の素子を識別する必要があるからである。つまり、2種類の素子で発光点が異なるため、特性検査時に発光波長などを検査するときに、光ファイバーや検査口に光を導入する際の位置が変わるからである。識別には、パッド電極の形状を検査機や実装機で画像認識して識別する。
したがって、少なくとも素子66、67(66’、67’)と、素子68(68’)とが識別できるように、低反射部の形状を異ならせて、パッド電極の見た目の形状を異ならせる必要がある。一方、素子66(66’)と素子67(67’)は同じ構造であるので、必ずしも識別する必要はないが、図4又は5ではパッド電極62aとパッド電極62bの見た目の形状が異なるので、識別できるようになっている。
製造方法の説明に戻り、加工基板の裏面を研磨によって100μm程度まで薄くし、裏面処理を施した後、n型電極としてNi/Auなどを形成する。
この後、リッジ61に垂直な面で劈開することによって共振器ミラーを作製する。そして、劈開面に誘電体膜(Al23、SiO2、TiO2など)を形成し、さらにストライプ間をスクライブし、分割することによって所望の窒化物半導体レーザ素子66〜68(66’〜68’)を得る。
このようにして作製された窒化物半導体レーザ素子66〜68(66’〜68’)の静電容量は約15pFであった。このように、各素子53〜55の静電容量を揃えたことで高周波重畳回路の調整が容易になり、製造コストが約10%低減できた。
また、上記のような構成により、1つのウェハから構造の異なる複数の窒化物半導体レーザ素子をとる場合でも、各素子を同じ静電容量とし、かつ画像認識により各素子の構造の識別が可能となる。
なお、上記の各実施形態は適宜組み合わせてもよい。それにより、低又は高誘電率絶縁膜を備え、かつパッド電極を電気的に分離したり、パッド電極上に低反射部を設けたりした構成とすることができ、それぞれの構成による効果も得られる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、ブルーレイディスク等の光ディスクの再生・記録を行う光ディスク装置に搭載される光ピックアップに利用することができる。
10、30 窒化物半導体レーザ素子
16、36 活性層
19、39 p型AlGaNクラッド層(上部クラッド層)
22 低誘電率絶縁膜
23、43、52a〜52g、62a〜62c パッド電極
42 高誘電率絶縁膜
50、60、60’ ウェハ
63a〜63d 低反射膜

Claims (2)

  1. 分割前の複数の窒化物半導体レーザ素子が配置されているウェハにおいて、
    各窒化物半導体レーザ素子は電気的に分離された1以上のパッド電極を有し、
    リッジの位置が左右反対側に形成された構造の窒化物半導体レーザ素子同士は、電圧がかかるパッド電極の面積が同じで、前記電圧がかかるパッド電極及び電圧がかからないパッド電極を含むパッド電極全体形状が異なることを特徴とするウェハ。
  2. 前記電圧がかからないパッド電極、前記電圧がかかるパッド電極とは電気的に分離されていることを特徴とする請求項1記載のウェハ。
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