JP5744781B2 - 草刈機 - Google Patents

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Description

本発明は、農道や畦などで法面の雑草刈り、草地での牧草刈り等ができる草刈機に関するものである。
走行しながら回転する刈刃によって草を刈る草刈機として特許文献1に開示された歩行型草刈機がある。
この草刈機は、ハウジング内に縦軸心周りに回転駆動される刈刃を軸支収容した草刈部に、前後の走行車輪及び操縦ハンドルを装備していると共に、前記草刈部の上部にエンジンを搭載している。
前記草刈部には、縦向き姿勢に配備されていてエンジンの動力により回転駆動される駆動軸と、この駆動軸に固定された円板状の回転基板とが設けられ、刈刃は回転基板の外周部に枢支されていて、駆動軸によって回転基板が回転駆動されることにより縦軸心周りに回転する。
エンジンの出力軸は遠心クラッチを介して入力軸に断続自在に動力伝達され、この入力軸には機械ブレーキが装備され、この入力軸から刈刃の駆動軸に動力が伝達される。
この歩行型草刈機にあっては、操縦ハンドルに上方に付勢されたアクセルレバーが設けられ、このアクセルレバーの基部に2本の操作ワイヤが接続され、一方の操作ワイヤがエンジンに備えられた調速機構に連係され、他方の操作ワイヤが前記機械ブレーキに連係されている。
そして、アクセルレバーを上方付勢力に抗して引下げ揺動操作することで両操作ワイヤを共に引き操作して、エンジンの回転速度を高めるとともに機械ブレーキを解除することができ、エンジン回転速度が高まると、遠心クラッチが作動して入力軸に動力が伝達され、刈刃および走行車輪が駆動される。また、アクセルレバーの操作力を解除すると、アクセルレバーが上方に復帰揺動してエンジンはアイドリングまで回転低下し、遠心クラッチが切れて走行系および刈刃駆動系への動力伝達が遮断されるとともに、機械ブレーキの作動によって入力軸が制動されて刈刃の慣性回転が停止される。
なお、この特許文献1にはエンジンの代わりに電動モータを利用することが開示されている。
特開2007−053993号公報
前記従来の草刈機にあっては、動力回転する刈刃を停止させるためのクラッチが必要とされる。また、動力回転する刈刃を停止させる際に刈刃への動力伝達を遮断しても、刈刃の慣性モーメントが大きいことから、刈刃を速やかに停止させるのに機械ブレーキが必要である。また、慣性回転する刈刃を制動するために大きな制動力が必要とされ、そのために、ブレーキ解除力(アクセルレバーの操作力)を高くする必要がある。
また、刈刃を駆動させる際において、刈刃が目標回転数まで急激に上昇すると、加速トルクが大となって動力伝達系の耐久性に問題がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、動力回転する刈刃を停止させるためのクラッチが不要であり、慣性回転する刈刃を制動する機械ブレーキが不要又は機械ブレーキを採用する場合でも該機械ブレーキの操作力を低くすることができ、しかも、動力伝達系の耐久性に優れた草刈機を提供することを課題とする。
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、走行しながら回転する刈刃によって草を刈る草刈機であって、 刈刃を回転駆動する電動モータと、この電動モータを制御するモータコントローラと、手動操作によってON又はOFFに切り換えられることにより電動モータを回転又は停止させる始動スイッチとを備え、前記モータコントローラは、始動スイッチをONした際に電動モータの回転を目標回転数までスローアップさせるスローアップ指令を出力する回転数制御手段と、始動スイッチをOFFした際に電動モータを発電動作させて制動するブレーキ制御手段とを有するとともに、始動スイッチ(S)をONした後に、所定時間遅れて電動モータ(M)が始動するよう制御することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、走行しながら回転する刈刃によって草を刈る草刈機であって、刈刃を回転駆動する電動モータと、この電動モータを制御するモータコントローラと、手動操作によってON又はOFFに切り換えられることにより電動モータを回転又は停止させる始動スイッチとを備え、前記モータコントローラは、始動スイッチをONした際に電動モータの回転を目標回転数までスローアップさせるスローアップ指令を出力する回転数制御手段と、始動スイッチをOFFした際に電動モータを発電動作させて制動するブレーキ制御手段とを有し、前記スローアップ指令の始点の回転数指令値が、0〜目標回転数の間の低回転域で且つ0より大の所定回転数に設定されていることを特徴とする。
請求項に係る発明では、ブレーキ制御手段は、制動時に電動モータによって発電された電力をバッテリに充電させることを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1、2に係る発明によれば、刈刃を駆動するのに電動モータを採用すると共に、動力回転する刈刃を停止させるのに電動モータを発電動作させて制動するようにしたので、動力回転する刈刃を停止させるためのクラッチが不要であり、慣性回転する刈刃を制動するための機械ブレーキが不要又は該機械ブレーキを採用する場合でも該機械ブレーキの操作力を低くすることができる。
また、始動スイッチをONした際に電動モータをスローアップさせることにより、加速トルクを制限でき、これにより動力伝達系の耐久性を向上させることができる。また、刈刃を不意(不慮)に起動させても急には起動しないので、直ぐに停止させることができ、また、スローアップさせることで消費電流を抑えることができる。
請求項に係る発明によれば、始動スイッチをONにしても刈刃が直ぐには起動しないので、不慮の操作によって、作業操作レバーを操作した場合に、すぐに解除すれば刈刃を起動させることがないという効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、性能が要求される超低速での制御をする必要がなく、モータコントローラを安価に構成することができる。
請求項に係る発明によれば、制動時に電動モータによって発電された電力をバッテリに充電させることにより、バッテリの使用時間を延ばすことができ、省エネになる。
本発明の実施形態を示す全体平面図である。 同全体側面図である。 同主要部の平面図のである。 駆動機構の断面正面図である。 駆動機構の断面側面図である。 駆動機構の断面平面図である。 操縦ハンドル手元部の拡大平面図である。 操縦ハンドル手元部の拡大側面図である。 牽制手段の拡大側面図である。 草刈機全体の概略構成図である。 草刈機の主要動作を示すフローチャートである。 ドループ特性を持った電動モータを採用した草刈機における電動モータの特性線と、本発明の草刈機における電動モータの特性線との比較を示す特性図である。 本発明における電動モータの指令回転数の制御マップである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜6において、法面の草を刈り取り可能な歩行型草刈機1は、大別して、前後車輪2を縣架した走行機体Fと、出力軸M1が縦向きの電動モータMと、この電動モータMの動力を刈刃体3を取り付けた刈刃軸4(刈刃の駆動軸)と前後軸5とに伝達する駆動機構Kと、走行機体Fに先端が取り付けられた操縦ハンドルHと、電動モータMを制御するモータコントローラDと、電動モータM及びモータコントローラDへ電力を供給するバッテリBとを備えている。
なお、前記操縦ハンドルHの旋回姿勢を図1に2点鎖線で示す向きにセットした状態が、作業者が伴走し易い標準作業状態であり、説明の便宜上、走行方向を前後方向(図1の左右方向)とし、操縦ハンドルHが偏在する側を走行機体Fの左側、その反対側を右側と呼称する。
前記走行機体Fは、左右側壁20を連結板21及び前後取っ手22で連結し、連結板21に駆動ケース23を挿入配置する開口24を形成し、駆動ケース23を側方から跨ぐように平面視略V字状のパイプ枠25を連結板21の上面に固定して形成されている。連結板21は前後方向複数枚で形成してもよい。
前記パイプ枠25は一方(左側)の側壁20から突出しており、この突出部に操縦ハンドルHを取り付ける支持台26が設けられている。
図3〜6において、駆動ケース23は上方から開口24に挿入して左右側壁20及び連結板21に取り付けており、該駆動ケース23の上部に電動モータMが取り付けられ、出力軸M1が内部に挿入されている。
この電動モータMは例えば、インバータ制御されるブラシレスモータ等の三相誘導電動機が採用されており、刈刃体3の回転数及び回転方向等の制御はインバータ等を内蔵したモータコントローラDを介して行われる。
前記駆動ケース23には、出力軸M1の直下に駆動伝達軸13と刈刃軸4とが回転自在に支持されている。駆動伝達軸13は出力軸M1と筒カップリング27を介して直結され、刈刃軸4とは刈刃クラッチCを介して動力断接可能に連結されている。
前記刈刃クラッチCは、駆動伝達軸13の下部に固定された上クラッチ体C1と、刈刃軸4の上部に軸方向摺動自在に嵌合された下クラッチ体C2とを有し、刈刃シフタ28で下クラッチ体C2を上動させて上クラッチ体C1と咬合させることにより、動力伝達可能になるように構成されている。前記刈刃シフタ28はシフタ軸28Aに取り付けられており、シフタ軸28Aは駆動ケース23の外部から刈刃レバー28Bで回動可能になっている。
刈刃軸4は駆動ケース23に軸受15及びオイルシール16を介して支持され、その下部は駆動ケース23の下端から下方に突出しており、その下部には刈刃体3が着脱自在に取り付けられている。
この刈刃体3は、刈刃軸4に嵌合する中央のボス部3Aに支持体3Bを固着し、この支持体3Bの上面に周方向等間隔に羽根3Cを立設し、前記支持体3Bの外周部に周方向等間隔に複数本の刈刃31を刈刃ピン30を介して揺動可能に設けている。
支持体3Bは円板で形成され、ボス部3Aに固着した中央部が中高になっていて、径外方向にいくに従って下向き傾斜したテーパ形状となっている。
支持体3Bの外周部には、180度偏位した2箇所に刈刃ピン30が貫通する(刈刃31の基部を枢支する)基台74が上向き突出状に固着されている。前記基台74は支持体3Bの外周部に90度又は120度偏位した4箇所又は3箇所に設けてもよい。
前記刈刃31は、刈刃ピン30に嵌合する孔を形成した基部から斜め上向きに延びる上向き用刈刃31Uと、基部から斜め下向きに延びる下向き用刈刃31Dを各箇所に1組づつ配置しており、これら刈刃31U、31Dの、刈刃体3回転方向前縁側に刃部が形成されている。
各刈刃ピン30は上下で1組となる頭付きピン30U、30Dで形成されている。
前記刈刃体3は、基台74の上側に上向き用刈刃31Uを配置し、上方から上頭付きピン30Uを上向き用刈刃31Uに貫通すると共に基台74内まで挿入し、支持体3Bの下
面側に下向き用刈刃31Dを配置し、下方から下頭付きピン30Dを下向き用刈刃31Dに貫通すると共に基台74内まで挿入し、ピン30U,30Dを抜止具によって抜止めすることで組立てられる。
刈刃体3の羽根3Cは、草を拡散しかつ刈刃軸4への草の巻き付きを防止するものであり、支持体3B上の刈刃31間に立設配置されており、刈刃31が180度間隔であるのでそれから90度偏位した2箇所に設けられている。
この羽根3Cは略三角形状であって、平板材を打ち抜き加工し、その径外端の側縁をL字状に屈曲しており、放射方向途中部に周方向の空気流通を可能にする風穴部Cbが形成されている。
駆動ケース23の下部には刈刃体3を覆う刈刃カバー29が設けられ、刈刃体3はこの刈刃カバー29の下方から侵入して近接配置されている。
刈刃カバー29は、板金で小皿形状に形成され、外周部に下方に突出した円筒状の外周包囲部29aが形成されている。
前記駆動伝達軸13、筒カップリング27、刈刃軸4及び刈刃クラッチCは、出力軸M1の駆動力を刈刃体3に直に伝達する駆動機構Kの刈刃動力伝達手段K2を構成しており、電動モータMの出力軸M1から刈刃軸4までは同心でかつ直線的に動力を伝達する短絡的かつ簡潔な構造になっている。
前記駆動伝達軸13の上下中途部にはウオームギヤ13Aが設けられており、このウオームギヤ13Aに変速軸33に遊嵌したウオームホイール33Aが噛合し、同じく変速軸33に遊嵌した第1ギヤ33Bがウオームホイール33Aの側面に咬合しながらベベルピニオン軸34に設けた第2ギヤ34Aと噛合し、この第2ギヤ34Aを外嵌固定したベベルピニオン軸34の先端のベベルピニオン34Bは前後進軸35に遊嵌した一対のベベルギヤ35A、35Bと常時噛合している。
前後進軸35には前後進咬合体36が一体回動自在にかつ軸方向摺動自在に嵌合しており、シフタ36Aを介して前後進咬合体36をベベルギヤ35A、35Bに対して択一的に咬合させることにより、ベベルピニオン軸34の回転を前後進軸35に前進方向又は後進方向に切り換えて伝達する。
シフタ36Aはシフタ軸36Bに取り付けられ、このシフタ軸36Bの端部にはワイヤ連結部材36Cが取り付けられ、ワイヤ連結部材36Cに連結される2本のワイヤの引っ張り操作によって、前後進咬合体36はベベルギヤ35A又はベベルギヤ35Bに咬合すべく往復移動される。
前記変速軸33、ベベルピニオン軸34及び前後進軸35は駆動ケース23に支持され、ウオームギヤ13A及びウオームホイール33A、第1ギヤ33B及び第2ギヤ34A、ベベルピニオン34B及びベベルギヤ35A、35B等は、駆動機構Kの走行動力伝達手段K1の減速手段K11を構成し、ベベルピニオン34B、一対のベベルギヤ35A、35B及び前後進咬合体36は走行動力伝達手段K1の前後進切換手段K12を構成している。
一方(右側)の側壁20は内部空洞のチェーン伝動ケースを形成しており、前後進軸35の一端は駆動ケース23から突出して該一方の側壁20内に挿入され、このチェーン伝動ケース(側壁20)内に挿入された前後進軸35の部分に駆動スプロケット35Cが設けられている。
前記前後軸5は左右側壁20の前後に貫通支持され、それぞれの端部に前後車輪2が装着されており、前後軸5のチェーン伝動ケース(側壁20)内を貫通した部分には従動スプロケット37が設けられている。前記駆動スプロケット35C、従動スプロケット37及びテンションスプロケット38A及びアイドルスプロケット38Bにはチェーンが巻き掛けられ、前後進軸35の動力を前後車輪2に伝達するチェーン伝動手段K13を構成している。
駆動伝達軸13から減速手段K11及び前後進切換手段K12を経てチェーン伝動手段K13までは駆動機構Kの走行動力伝達手段K1となっており、この走行動力伝達手段K1は駆動伝達軸13の右側方に配置され、走行機体Fにおける操縦ハンドルHの配置とは
反対側になっている。
前記前後輪2、前後軸5、チェーン伝動手段K13等によって草刈機1の走行装置が構成されている。
図1〜3において、電動モータMの前方の左右側壁20及び連結板21上には載置台41が取り付けられ、この載置台41上に電動モータMへ電力を供給するバッテリBが載置され、掛け止め具42によって止められている。
このバッテリBは、例えば、リチウムイオンバッテリが使用されている。
電動モータMの後方の左右側壁20間でかつ連結板21上には電動モータMを制御(作動)するモータコントローラDが取り付けられている。
前記バッテリB及びモータコントローラDの配置は前後逆にしてもよく、また、長時間の草刈作業を可能にするために、バッテリBを電動モータMの前後両方に搭載してもよい。
図1〜3において、操縦ハンドルHは丸パイプ材からなり中途部で折畳み可能に形成されたハンドル本体H1の手元部(遊端側)にループハンドル部H2を、先端部にヨーク部H3をそれぞれ有しており、ヨーク部H3は支持台26に縦軸45回り及び横軸46回り揺動自在に支持されている。
前記支持台26に縦軸45が回動自在に支持され、この縦軸45の上部に横軸46を介してヨーク部H3が回動自在に支持され、縦軸45の外周面に略L字状の案内板47が固定されている。
操縦ハンドルHは、横軸46回りに上下に揺動させると共に揺動させた位置で案内板47にロックすることにより、走行機体Fから外上向き傾斜した揺動角を設定可能とされている。
また、操縦ハンドルHは、縦軸45回りに回動させると共に回動させた位置で支持台26に対してロックすることにより、走行機体Fに対する水平方向の旋回角を設定可能とされている。
図7、図8、図10に示すように、前記操縦ハンドルHのハンドル本体H1の手元側端部には取付板60が固定され、この取付板60の外面にループハンドル部H2を形成するC字形状のパイプ材の中央部が固着されていると共に、バッテリBの電池管理ユニット(BMU)61に接続された電源スイッチ62が設けられている。
前記電源スイッチ62はオンすることにより電池管理ユニット61でバッテリBからモータコントローラDへの電力供給を行い、モータコントローラDから電動モータMへの制御電流は始動スイッチSで供給するようになっている。
この始動スイッチSは、スイッチ本体10と接触片10aとを有し、ループハンドル部H2の近傍でハンドル本体H1上に設けられている。この始動スイッチSの接触片10aはハンドル本体H1上に設けた連動部材11によって押動可能になっている。
連動部材11は帯板を側面視S字状に屈曲して形成され、その基部はハンドル本体H1上に枢支された横バー64に枢支され、先端が接触片10aに下方から当接している。
ループハンドル部H2を形成するC字形状パイプ材の両端はハンドル本体H1を挟んで対向しており、この両端に作業操作レバー7が回動自在に支持されている。
作業操作レバー7は、ループハンドル部H2と略相似形のC字形状パイプ材7aと、このパイプ材7aの両端に固着されていてループハンドル部H2の両端に回動自在に嵌合したアーム材7bとを有し、両端のアーム材7b間に亘ってパイプ又は丸棒製の作用片8が架設されており、この作用片8は連動部材11の長手方向中途部の下方に位置している。
ループハンドル部H2及び作業操作レバー7はそれぞれ外端側が作業者把持用の把持部となっており、作業操作レバー7は作用片8とハンドル本体H1との間に張設された引っ張りスプリング63によって、把持部がループハンドル部H2の把持部から離れた姿勢となっている。
作業操作レバー7は把持部をループハンドル部H2の把持部に近づけるように揺動することにより、アーム材7bがループハンドル部H2の両端部回りに回動し、作用片8が上向きに円弧移動し、そして連動部材11と当接してこれを押し上げ(図9に2点鎖線で示
す)、連動部材11の先端で接触片10aを押動して始動スイッチSを作動させる。前記連動部材11は作用片8の小曲率円弧の移動を大曲率円弧の移動に変換し、その先端を垂直に近い上下移動として接触片10aを適正に押し上げるようになっている。
前記ハンドル本体H1の上部には作業操作レバー7の揺動を牽制及び解除する牽制手段Rが設けられている。この牽制手段Rは、横バー64に設けられた牽制部材9と、牽制部材9を牽制位置に付勢する戻し手段(戻しスプリング)67とを有する。
牽制部材9は、横バー64から前方突出していてその先端側が作用片8と係合する係合部9aと、この突出部分の上面側で作用片8の移動を許容する移動許容部9bと、横バー64から下方へ突出した解除レバー部9cとを有する。
解除レバー部9cには戻しスプリング67を連結する連結ピン66が設けられ、この連結ピン66はハンドル本体H1の下側に延設され、解除レバー部9cの揺動範囲、即ち、牽制部材9の揺動範囲を設定する規制部材を兼ねている。
戻しスプリング67の付勢力によって規制部材(連結ピン)66がハンドル本体H1の下面に当接しているとき、牽制部材9は牽制位置にあって、係合部9aは作業操作レバー7の揺動方向の作用片8の円弧移動軌跡上に位置し、作業操作レバー7を回動しようとすると、係合部9aが作用片8と当接して作業操作レバー7の回動を規制する。
戻しスプリング67に抗して解除レバー部9cで牽制部材9を牽制位置から下向きに回動すると、規制部材66はハンドル本体H1の下面から一旦は離れるが再び当接して牽制部材9を先端下向きで止め、牽制部材9を解除位置に配置する。
この解除位置で係合部9aは作用片8の円弧移動軌跡から外れて牽制を解除し、作業操作レバー7を回動すると、移動許容部9bが作用片8と対向し、作業操作レバー7の回動を許容して始動スイッチSの作動を可能にする。作業操作レバー7の回動操作の前に牽制部材9を解除するという邪魔くさい操作が入るために、作業者には「今から始動スイッチSを作動開始するのだ」という意識が喚起される。
作用片8が移動許容部9bに対向しているとき、解除レバー部9cから手を離すと、牽制部材9は戻し手段(戻しスプリング)67によって牽制位置に付勢され、移動許容部9bが作用片8に当接するが、作用片8が邪魔して牽制位置まで移動することはない。
始動スイッチSをオフにするように作業操作レバー7を戻り回動させると、または、作業操作レバー7から手を離すと、作業操作レバー7は引っ張りスプリング63によって戻され、作用片8の邪魔が解消されて、牽制部材9は自動的にかつ無意識に牽制位置へ戻される。
前記ハンドル本体H1の上部下面には、枢支軸70を介して前後進レバー71が設けられている。この前後進レバー71は、ハンドル本体H1の手元側端部の取付板60に形成されたガイド溝によって、前進位置と後進位置とその中間の中立位置とに位置するように案内されている。
前後進レバー71の基部材71Aの両端にはスプリングを介してワイヤが連結され、この各ワイヤは駆動機構Kの前後進切換手段K12のワイヤ連結部材36Cに連結されており、シフタ36Aを介して前後進軸35上の前後進咬合体36を摺動させることができる。
ハンドル本体H1の中途部上面には、電動モータMの回転数を高低2段(又は3段以上の有段、或いは無段階)に切り換える回転数切換スイッチ69が設けられており、この回転数切換スイッチ69は、モータコントローラDに接続されている。
モータコントローラDは、電動モータMへ電力を供給して起動させる基本機能の他に、図10に示すように、電動モータMの正逆回転を切り換える正逆回転制御手段D1と、電動モータMの回転数を切換スイッチ69で設定した回転数に切り換える高低切換制御手段D2と、電動モータMの始動時にスローアップ指令を出力して電動モータMの回転数を目標回転数までスローアップ(ゆっくり増速)させると共に目標回転数で一定回転させる回転数制御手段D3と、電動モータMを停止するときに電動モータMを発電動作させて速やかに回転数を落として制動するブレーキ制御手段D4と、電動モータMの過負荷を検出する過負荷検出手段D5と、電動モータMを強制的に停止させるモータ停止手段D6とを備
えている。
前記ブレーキ制御手段D4は、電動モータMの制動時に発電された電気を抵抗器等を通して熱として排出させる発電ブレーキ回路、又は、電動モータMの制動時に発電された電気をバッテリBに戻して充電させる回生ブレーキ回路を有する。
前記過負荷検出手段D5は、電動モータMの駆動電流値が異常な値を示したことを検出することにより電動モータMの過負荷状態を検出するものであってもよいし、回転センサSEによって、電動モータMの出力軸M1の回転数が0又は0に近い回転数となったことを検出することにより、電動モータMの過負荷状態を検出するものであってもよい。
また、モータコントローラDには、電動モータMの出力軸M1の回転数を検出する回転センサSEと、手動操作によって電動モータMを逆転させるための逆転スイッチRSとが接続されている。
ところで、刈刃を回転駆動させるのに電動モータを採用した草刈機において、負荷の増大に比例して回転数が低下するドループ特性を有する電動モータを採用したものにあっては、作業負荷(草刈り負荷)が大きくなるにつれてモータ回転数が下がる。また、バッテリの放電が進むにつれて端子電圧が低下してモータ回転数が下がる。
このため、このドループ特性を有する電動モータを採用した草刈機にあっては、刈刃の周速を維持するため、モータ回転数の低下を見越して、作業負荷のない空転時におけるモータ回転数を高くセットする。
一方、刈刃が取り付けられた回転基板には草の巻付き防止用の羽根が取り付けられているので、この草巻付き防止用の羽根が刈刃回転の抵抗となる。
したがって、電動モータの回転数(刈刃の回転)を高く設定すると、作業負荷のない空転時や軽負荷作業時において、草巻付き防止用の羽根による刈刃回転の抵抗のため、刈刃の回転を維持させるための所要動力が高くなって消費電力が大となる、また、草巻付き防止用の羽根による騒音(風切り音)が高いといった問題が生じる。
そこで、本実施形態の草刈機1にあっては、基本的に、草刈り作業に必要な最低回転数を維持するように電動モータMの回転数をモータコントローラDによって一定回転制御している。具体的には、電動モータMの回転数を、軽負荷作業と重負荷作業との間の通常負荷作業にてバッテリBの放電終止電圧で回転維持できる回転数(例えば、3200r/min〜3500r/min)にモータコントローラDによって一定回転制御している。
これによって、作業負荷のない空転時や軽負荷作業時でも、無駄に回転数が上昇せず、結果、所要動力を軽減することができ、電力消費と騒音とを抑えることができる草刈機1を提供することができる。
本実施形態におけるバッテリBとして、例えば、公称電圧が36V(満充電電圧:42V、放電終止電圧:30V)のバッテリBが採用される。
図12にドループ特性を持った電動モータを採用した草刈機における電動モータの特性線と、本発明の草刈機における電動モータの特性線との比較を示す。この図12では電動モータの駆動電流値を縦軸とし、電動モータの回転数を横軸としている。
図12において、特性線W1は作業負荷のない空転時における駆動電流値に対するモータ回転数の変化を示す特性線であり、特性線W2は軽負荷作業時における駆動電流値に対するモータ回転数の変化を示す特性線であり、特性線W3は重負荷作業時における駆動電流値に対するモータ回転数の変化を示す特性線である。
また、特性線X1,X2,X3は、ドループ特性を持った電動モータのドループ特性線であって、作業負荷が上げるとモータ回転数が徐々に下がると共に駆動電流値が上がるドループ特性線を示している。ドループ特性線X1は電動モータの回転数を空転時において3600r/minにセットした場合のドループ特性線であり、ドループ特性線X2は電動モータの回転数を空転時において4200r/minにセットした場合のドループ特性線であり、ドループ特性線X3は電動モータの回転数を空転時において4800r/minにセットした場合のドループ特性線である。
また、特性線Y1,Y2は本発明における電動モータMの特性線であって、作業負荷の大きさに関わらずモータ回転数を一定に保つアイソクロナス特性線を示している。
特性線Y1は、電動モータMの回転数を軽負荷作業と重負荷作業との間の通常負荷作業にてバッテリBの放電終止電圧で回転維持できる回転数(基本の目標回転数)に一定回転制御する場合のアイソクロナス特性線であり、特性線Y2は、前記基本の目標回転数よりも高い目標回転数に一定回転制御する場合のアイソクロナス特性線である。
図例の本実施形態では、基本の目標回転数(特性線Y1のモータ回転数)は、3300r/minとされ、基本の目標回転数よりも高い目標回転数(特性線Y2のモータ回転数)は3700r/minとされている。
なお、基本の目標回転数は3300r/minの前後の値に適宜設定変更でき、基本の目標回転数よりも高い目標回転数は、基本の目標回転数と4600r/minとの間での値に適宜設定変更可能である。
また、基本の目標回転数よりも高い目標回転数は有段的に複数設定してもよいし、無段階で設定してもよい。
図12からわかるように、ドループ特性線X1では、重負荷作業になるとモータ回転数が大きく低下すると共に駆動電流値が上がり、この場合、バッテリの電圧が放電終止電圧に近づくと電動モータの回転を維持できなくなる。また、ドループ特性線X2,X3では、空転時も軽負荷作業時も駆動電流値が高く、したがって刈刃の駆動動力が高い。
これに対し、特性線Y1では、空転時も負荷作業時も、駆動電流値が低く、したがって刈刃31の駆動動力が低い。また、バッテリBの放電終止電圧まで電動モータMの回転を維持することができる。
また、基本の目標回転数よりも高い回転数に切換自在とすることにより、草が密集した草地において草刈りをする場合などに、作業者の意志によって刈刃の駆動動力を高めることを選択でき、重負荷作業時での草刈り作業能力を十分に発揮させることができる。
また、本実施形態の草刈機1にあっては、図13に示す電動モータの回転数の制御マップで示すように、電動モータMを始動した後、電動モータMの回転数を目標回転数までスローアップ(徐々に加速)させ、電動モータMを停止する場合は、該電動モータMを発電動作させることにより電動モータMの回転を速やかに止めるように制御している。
図13では、電動モータMの回転数指令値を縦軸とし、時間を横軸としている。
また、図13において、マップ線Z1は、前述した基本の目標回転数(通常負荷作業にてバッテリBの放電終止電圧で回転維持できる回転数)に一定回転制御する場合のマップ線であり、マップ線Z2は、前述した基本の目標回転数よりも高い目標回転数に一定回転制御する場合のマップ線である。
電動モータMを目標回転数までスローアップさせることにより、加速トルクを制限でき、これにより動力伝達系の耐久性を向上させることができる。また、刈刃を不意(不慮)に起動させても急には起動しないので、直ぐに停止させることができ、また、スローアップさせることで消費電流を抑えることができる。
また、動力回転する刈刃を停止させるのに電動モータMを発電動作させて制動することにより、従来のような、動力回転する刈刃を停止させるためのクラッチが不要であると共に、慣性回転する刈刃を制動するための機械ブレーキが不要である。
また、電動モータMを発電動作させて制動することと、電動モータMの出力軸M1等をバンドブレーキ等の機械ブレーキで制動することとを併用してもよいが、この場合でも該機械ブレーキの操作力を低くすることができる。
なお、バンドブレーキを併用する場合、作業操作レバー7を上方揺動した状態でバンドブレーキが効き、作業操作レバー7を下方揺動して始動スイッチSを作動させたときに、バンドブレーキが解除されるように、作業操作レバー7とバンドブレーキとをケーブル等の連動手段を介して連動連結する。
また、始動スイッチSをONした後に、直ぐに電動モータMが始動するのではなく、所定時間経過後に(所定時間遅れて)電動モータMにスローアップ指令が出力されて、電動モータMが始動するようにしてもよい。
これにより、始動スイッチSをONにしても刈刃31が直ぐには起動しないので、不慮の操作によって、作業操作レバー7を操作した場合に、すぐに解除すれば刈刃31を起動
させることがないという効果を奏する。
また、本実施形態にあっては、始動スイッチSをONした際に、電動モータMの回転数を目標回転数までスローアップさせるべく、回転数制御手段D3からスローアップ指令が出力されるが、図13に示すように、このスローアップ指令の始点aの回転数指令値が、0〜目標回転数の間の低回転域で且つ0より大の所定回転数に設定されている。したがって、始動時において、電動モータMの回転数は、このスローアップ指令の始点aの回転数指令値まで速やかに上昇する。
本実施形態では、このスローアップ指令の始点aの回転数指令値は、500r/minに設定されている。
電動モータMを超低速域で回転制御するのは性能が要求され、モータコントローラDのコストアップを招くが、スローアップ指令の始点aの回転数指令値を、この性能が要求される超低速域よりも高い回転数とすることにより、性能が要求される超低速での制御をする必要がなく、モータコントローラDを安価に構成することができる。
なお、スローアップ指令の始点aの回転数指令値は500r/minに限定されることはなく、また、0であってもよい。
また、ブレーキ制御手段D4は、発電ブレーキ回路によって電動モータMの制動時に発電された電気を抵抗器等を通して熱として排出させるようにしてもよいが、回生ブレーキ回路によって電動モータMの制動時に発電された電気をバッテリBに戻して充電させるようにすることにより、バッテリの使用時間を延ばすことができ、省エネになる。
次に、図10の構成図及び図11に示すフローチャートを参照しながら歩行型草刈機1の草刈り作業を説明する。
草刈機1で草刈りをするには、先ず、電源スイッチ62を入れて電池管理ユニット61を介してバッテリBからモータコントローラDへの電力供給を可能な状態にする。
電源スイッチ62がONされると、ステップS1に移行し、始動スイッチSがOFFか否かが判定され、OFFでないとステップS2には移行しない。すなわち、電動モータMが起動しない。これは、作業操作レバー7を下方回動させて始動スイッチSをONさせた状態で電源スイッチ62をONした場合に、電動モータMを起動させないようにするためである。
ステップS1で始動スイッチSがOFFであると判定されると、ステップS2に移行し、始動スイッチSがONか否かが判定され、始動スイッチSがONであると判定されると(作業操作レバー7の回動により始動スイッチSが作動されると)、ステップS3に移行し、回転数制御手段D3によって電動モータMが正転駆動される。これにより、刈刃31が回転駆動されると共に前後輪2が回転駆動されて、草刈機1が一方向に進行しながら駆動回転する刈刃31によって草を刈る。
電動モータMが駆動されると、ステップS4に移行し、回転数切換スイッチ69によって回転数の切換えが行われた否かが判定され、回転数切換スイッチ69によって回転数の切換えが行われない場合は、ステップS5に移行し、回転数切換スイッチ69によって回転数の切換えが行われた場合は、ステップS6に移行する。
ステップS5では、回転数制御手段D3によって基本の目標回転数(前述した通常負荷作業にてバッテリBの放電終止電圧で回転維持できる回転数)に一定回転制御され、ステップS6では、基本の目標回転数より高い目標回転数に回転数制御手段D3によって一定回転制御される。
このとき、前述したように、電動モータMの回転は目標回転数まで徐々に上昇する(スローアップする)ように回転数制御手段D3によって制御される。
また、この電動モータMの回転制御は、コントローラDから出力される回転数指令値と、回転センサSEによってコントローラDにフィードバックされる電動モータMの実際の回転数とを比較し、実際の回転数が回転数指令値に一致するように制御される。
ステップS7では電動モータMが過負荷であるか否かが判定され、電動モータMが過負荷でない(電動モータMが正常に回転している)と判定されると、ステップS2に戻って電動モータM(草刈機1)の運転が維持される。
また、電動モータMの駆動中に作業操作レバー7の操作力を解除して作業操作レバー7が戻り操作すると始動スイッチSがOFFとなり、ステップS2にて始動スイッチSがOFFであると判定され、ステップS8に移行する。
ステップS8にて電動モータMの回転数が0か否かが判定され、電動モータMが回転していると、ステップS9に移行してブレーキ制御手段D4からブレーキ指令が発せられ、電動モータMが発電動作され該発電動作によって電動モータMを制動する。
そして、ステップS10で電動モータMの回転が止まったか否かが判定され、電動モータMの回転が止まるとステップS2に戻り、再び始動スイッチSをONするまで、電動モータMの駆動が停止された状態となる。
一方、草刈り作業中(電動モータMの駆動中)に刈刃体3の回転基部(ボス部3A)に切断されていない蔓草や切断されていない丈の長い草などが巻き付いて、電動モータMの回転が異常低下した場合(又は、刈刃31がロックして電動モータMの回転が止まった場合等)には、過負荷検出手段D5によって過負荷状態が検出され、ステップS7にて電動モータMの過負荷状態が判定され、ステップS11に移行する。
ステップS11では、回転数制御手段D3から逆転指令が発せられ、電動モータMが逆転し、刈刃31を逆転させながら草刈機1が進行方向とは逆方向に移動する。巻き付いた草を解く方向に刈刃31が回転しながら草刈機1が逆走することにより、巻き付いた草が緩んで取り除き易くなる。また、場合によって取り除くことができる。
このとき、草刈り作業中の回転数より遅い速度で電動モータMを逆転させるようにしてもよい。このように、草刈り作業中の回転数より遅い速度で電動モータMを逆転させることにより、草刈機1が遅い速度で逆走しながら刈刃31が遅い速度で巻き付いた草を解く方向に回転し、これによって、巻き付いた草の巻付力を良好に弛緩させることができる。
電動モータMの逆転動作中に、作業操作レバー7の操作力を解除して始動スイッチSがOFFになると、ステップS12にて始動スイッチSがOFFになったことが判定されてステップS1に戻り、電動モータMが制動されて停止する(ステップS9,ステップS10)。その後、再び、作業操作レバー7を操作して始動スイッチSをONすると、電動モータMは正転回転で駆動される。
また、電動モータMが逆転動作してから始動スイッチSがONのまま所定時間が経過すると、ステップS13にて該所定時間の経過が判定され、ステップS14に移行し、モータ停止手段D6からモータ停止信号が発せられ、電動モータMへの通電が遮断されて電動モータMが強制的に停止する。なお、このとき、電動モータMを発電動作して電動モータMを制動するようにしてもよい。
前述のように電動モータMが逆転してから所定時間の経過後に電動モータMが停止するので、作業者が電動モータMの逆転動作を意識的に停止させる必要がない。また、電動モータMが逆転してから所定時間の経過前に作業操作レバー7の操作力を解除して始動スイッチSをOFFにすると電動モータMが停止するので、作業者の意志によって電動モータMの逆転動作を停止させたいときに該逆転動作を停止でき、所定時間の経過を待つ必要がなく、至便である。
電動モータMが逆転動作してから始動スイッチSがONのまま所定時間が経過して電動モータMが停止した後、ステップS15にて始動スイッチSがONか否かが判定され、始動スイッチSがOFFになるとリセットされてステップS2に戻る。
前記構成の草刈機1にあっては、草刈り中に歩行型草刈機1が障害物に衝突して前進できなくなったときにも、正逆回転制御手段D1で電動モータMを逆転させて歩行型草刈機1を後進させる。
前記草刈機1にあっては、前記逆転スイッチRSによって手動操作によって電動モータMを逆転させることができる。この逆転スイッチRSは、例えば、ハンドル本体H1の手元側(ループハンドル部H2)に設けられる。
この逆転スイッチRSは、例えば、始動スイッチSがOFFのときにON操作することにより電動モータMを逆転駆動させ、草刈り作業中より遅い速度で刈刃31をゆっくり逆転させながら、草刈り作業中のより遅い速度で草刈機1をゆっくりと逆走させる。
逆転スイッチRSを設けることにより、電動モータMの逆転動作を作業者の意志によって行え、至便である。
また、始動スイッチSがOFFのときに逆転スイッチをONにし、その後、始動スイッチSをONにすることにより、電動モータMが逆転駆動するようにしてもよい。
これによれば、電動モータMの逆転動作を作業者の意志によって行えると共に、操作を2段階にすることにより、不慮に逆転動作するのを防止することができる。
31 刈刃
a スローアップ指令の始点
B バッテリ
D モータコントローラ
D3 回転数制御手段
D4 ブレーキ制御手段
M 電動モータ
S 始動スイッチ

Claims (3)

  1. 走行しながら回転する刈刃(31)によって草を刈る草刈機であって、
    刈刃(31)を回転駆動する電動モータ(M)と、この電動モータ(M)を制御するモータコントローラ(D)と、手動操作によってON又はOFFに切り換えられることにより電動モータ(M)を回転又は停止させる始動スイッチ(S)とを備え、
    前記モータコントローラ(D)は、始動スイッチ(S)をONした際に電動モータ(M)の回転を目標回転数までスローアップさせるスローアップ指令を出力する回転数制御手段(D3)と、始動スイッチ(S)をOFFした際に電動モータ(M)を発電動作させて制動するブレーキ制御手段(D4)とを有するとともに、始動スイッチ(S)をONした後に、所定時間遅れて電動モータ(M)が始動するよう制御することを特徴とする草刈機。
  2. 走行しながら回転する刈刃(31)によって草を刈る草刈機であって、
    刈刃(31)を回転駆動する電動モータ(M)と、この電動モータ(M)を制御するモータコントローラ(D)と、手動操作によってON又はOFFに切り換えられることにより電動モータ(M)を回転又は停止させる始動スイッチ(S)とを備え、
    前記モータコントローラ(D)は、始動スイッチ(S)をONした際に電動モータ(M)の回転を目標回転数までスローアップさせるスローアップ指令を出力する回転数制御手段(D3)と、始動スイッチ(S)をOFFした際に電動モータ(M)を発電動作させて制動するブレーキ制御手段(D4)とを有し、
    前記スローアップ指令の始点(a)の回転数指令値が、0〜目標回転数の間の低回転域で且つ0より大の所定回転数に設定されていることを特徴とする草刈機。
  3. ブレーキ制御手段(D4)は、制動時に電動モータ(M)によって発電された電力をバッテリ(B)に充電させることを特徴とする請求項1又は2に記載の草刈機。
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