JP5742033B2 - 鋼管端部の縮径方法並びにこれに用いる縮径用治具及び金型 - Google Patents
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Description
しかし、溶接の場合、まず溶接機が必要であるほか、溶接作業にも習熟している必要がある。
また、ブラケット等を用いる場合、溶接に比して作業性は良くなるものの、強固で頑丈なブラケットが必要であるため、材料費や運搬費の負担が増えるほか、重量も重くなるという問題があった。
しかし、予め断面が丸型に成形された鋼管の端部を縮径する加工は比較的容易にできるものの、予め断面が矩形に成形された鋼管の端部を縮径する加工は、断面が丸型の鋼管に対する方法と同様の方法を用いることができず極めて困難であった。
この方法によれば、連結部となる端部が縮径された異形管を製造することができ、異形管の端部を、別の異形管の端部の開口部分に差し込んで連結することができる。
つまり、上記特許文献1に係る方法は、予め断面が丸型に成形された鋼管(丸管)をもとにして、異形管を成形する場合に限定された方法である。
縮径後の鋼管は、別の縮径されていない鋼管の開口部に差し込んで連結して使用する。
しかし、縮径後の鋼管の断面形状が4つの角部を維持していない場合、別の縮径されていない鋼管の開口部に差し込んで連結した際に、縮径した鋼管が内部でガタついてしまい、安定して連結させることができない。
そのため、縮径前の鋼管の断面形状が4つの角部を有していたのと同様に、縮径後の鋼管の断面形状が4つの角部を有することが求められる。
鋼管が折れてしまうと、折れた箇所から亀裂が生じたり、錆が発生するなどして、強度が著しく低下してしまう。
また、縮径加工する際に、断面が矩形の隣接する辺同士の鋼管が接触したり、角部において潰れてしまうと、メッキや塗料、錆止めなどを塗布できない。
そのため、縮径された部分において、鋼管が折れたり、接触や潰れが生じないことが求められる。
縮径後の鋼管は、別の縮径されていない鋼管の開口部に差し込んで連結して使用する。
しかし、縮径された部分の鋼管に型ずれや歪みが生じている場合、大きな外力が加わったときに十分な強度を保てない。
そのため、鋼管の断面形状に型ずれや、歪みが生じないことが求められる。
縮径された部分の鋼管に局所的な増肉が発生するなどの偏肉が生じることがある。
また、増肉されないとしても、管の軸方向に延伸するなどして縮径した分の鋼管の肉が寄ってしまうことがある。
偏肉や延伸は、縮径加工した鋼管の強度に影響するため、できるだけ偏肉や延伸を生じさせずに縮径することが求められる。
予め断面が矩形に成形された鋼管を縮径する方法であって、
断面が十字の棒状に形成され、一端が固定されている芯金の他端側から、芯金が鋼管に内挿されるように鋼管を芯金に差し込み、
長手方向に2列の凸部が設けられた押しダイスの凸部が鋼管に当接するように、鋼管の上面側と下面側から鋼管を押しダイスで挟み、
芯金が差し込まれた鋼管ごと、押しダイスの上面側から下方に押圧して、
鋼管の上面及び下面をそれぞれ波状に加工しながら、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第1工程と、
最奥部から縮径させる長さ分まで若干内径が小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同一の径になるように隙間が形成されており、
隙間の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成された上型と下型とからなる金型の隙間に、
芯金から引き抜いた鋼管を第1工程によって波状に加工された面が両側面を向くようにして、
金型の最奥部に設けられた突起の周囲の溝に鋼管の先端が嵌るように収め、
鋼管が収められた金型ごと、金型の上面側から下方に押圧して、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第2工程と、
によって鋼管を縮径することを特徴とする縮径方法である。
本発明の第1工程は、押しダイスと芯金の2種類の治具を用いてプレス機等によって押圧し、鋼管を縮径加工する。
押しダイスは、凸部が鋼管に当接した状態で押圧されることで、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、鋼管の側面の長さを短くし(縮径し)、後記の芯金とともに使用することで、鋼管の上面及び下面を波状に曲げ加工することができる。
芯金は、鋼管を縮径する長さの分だけ形成されており、断面が十字の棒状に形成されている。
芯金は、一端が固定されており、他端側から芯金が鋼管に内挿されるように鋼管を差し込んで使用する。
芯金の十字に形成された上下の凸形状は、鋼管の上面及び下面が波状に曲げ加工される際に、上面及び下面が鋼管の軸芯方向に凹んで折れてしまわないように押さえになるものである。
したがって、芯金の上下の凸形状と押しダイスの凸部とによって、鋼管の上面及び下面を波状に曲げ加工することができる。
芯金の十字に形成された左右の凸形状は、上下の凸形状が押さえになって鋼管の上面及び下面が波状に曲げ加工される際に、鋼管の変形力によって芯金が回転したり移動するなどして鋼管内で位置が変動しないようにするためで、鋼管の両側面に当接するようにしてつっかえになるものである。
芯金は、一端が固定されていても、芯金の左右の凸形状が無い場合、鋼管の上面及び下面が波状に曲げ加工される際に、鋼管の変形力によって芯金が回転したり移動するなどして鋼管内で位置が変動してしまう。
したがって、芯金の左右の凸形状によって、芯金が鋼管内の最適な位置に保持されることになり、鋼管の上面及び下面に的確に波状の曲げ加工を施すことができる。
ほかには、芯金の上面及び下面が、鋼管の波状に加工される形状に沿う形に波状に形成されており、それに合わせて鋼管が波状に加工されるようにしても良い。
それぞれの押しダイスは、2列の凸部が設けられた面を鋼管側に向け、凸部が鋼管に当接するようにして鋼管の上面側と下面側から挟むようにして固定し、プレス機などによって鋼管ごと押しダイスの上から押圧する。
プレス機で押圧する際は、鋼管や押しダイスの位置が水平方向にずれたり、変形してしまわないように側壁等によって固定することが望ましい。
仮に、角部を上面または下面の中心側に巻き込むように誘導せずに、単純に上方からの押圧力によって鋼管の側面の長さを短く(縮径)しようとすると、角部が潰れてしまう。
そこで、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部が鋼管の上面または下面の中心側に巻き込まれるように効果的に誘導する必要がある。
縮径する際に、押しダイスに設けられた2列の凸部が、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部が維持されたまま角部を各面の中心側に巻き込むように誘導することで、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部が潰れることなく、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部が維持されたまま、鋼管の上面及び下面に波状の曲げ加工を施し、鋼管の側面の長さを短くする(縮径する)ことができる。
また、押しダイスに設けられた2列の凸部を、押しダイスの側面側に鋼管の肉厚の2倍の隙間が生じる位置に設けることができる。
これらによって、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部が上面または下面の中心側に巻き込まれるように効果的に誘導し、鋼管の角部を潰すことなく、角部が維持されたまま、鋼管の上面及び下面に波状の曲げ加工を施し、鋼管の側面の長さを短くする(縮径する)ことができる。
金型は、鋼管が縮径される形と同一の隙間が形成された1つの型を、水平方向に切断してできた同一形状の上型と下型とからなる。
下型の上に上型を重ね合わせ、その間の隙間内に鋼管を収容し、金型ごとプレス機等によって押圧し、鋼管を縮径加工する。
下型(上型)は、最奥部から縮径させる長さ分までは内径が若干小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同じ径に、隙間が形成されている。
下型(上型)に形成されている隙間の最奥部には、矩形の突起が設けられている。
下型(上型)を上型(下型)との接面側を上方に向けたときの、下型(上型)に設けられた矩形の突起は、各型との接面寄りに位置し、突起の下方と左右の側方に溝が形成されている。
したがって、上型と下型とを重ね合わせたときの、それぞれの矩形の突起は、各隙間の最奥部の中心に位置し、突起の周囲(突起の上方、下方、左右の側方)には溝が形成された状態になる。
仮に、金型の最奥部に矩形の突起が設けられておらず、金型の最奥部に鋼管の先端を差し込んだときに鋼管の先端が突起の周囲の溝に嵌っていない状態で縮径しようとすると、波状に加工された鋼管の両側面が歪んだり、型ずれしてしまう。
そこで、波状に加工された鋼管の両側面が内側へ寄って歪まないように内側へ寄るのを押さえる必要がある。
金型の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成されていることで、鋼管を金型の隙間内に収めたときに、鋼管の先端が金型の最奥部に設けられた突起の溝に嵌まるため、波状に加工された鋼管の両側面が内側へ寄るのを押さえ、鋼管の4箇所の角部が維持されたまま、波状に加工された鋼管の両側面が歪んだり、型ずれすることなく、鋼管の側面の長さを短くする(縮径する)ことができる。
したがって、縮径された部分の鋼管が延伸することはなく、上記のとおり、角部を内側に巻き込むように鋼管の上面及び下面を波状に加工することで、鋼管の肉厚を均一に保ちながら縮径できる。
そのため、縮径された部分の鋼管に局所的な増肉が発生するなどの偏肉が生じることはない。
予め断面が矩形に成形された鋼管を縮径するために用いる縮径用治具であって、
長手方向に2列の凸部が設けられた押しダイスと、
一端が固定され、断面が十字の棒状に形成された芯金と、
からなり、
芯金は、固定されていない他端側から、鋼管に内挿されるように鋼管に差し込まれ、
押しダイスは、凸部が鋼管に当接するように、鋼管の上面側と下面側から挟み、
芯金が差し込まれた鋼管ごと、押しダイスの上面側から加えられる押圧力によって、
鋼管の上面及び下面をそれぞれ波状に加工しながら、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する
ことを特徴とする縮径用治具である。
押しダイスに設けられた2列の凸部は、楔状に形成することができる。
これにより、鋼管の上面を波状に加工しやすくなる。
また、押しダイスに設けられた2列の凸部は、押しダイスの側面側に鋼管の肉厚の2倍の隙間が生じる位置に設けることができる。
これにより、鋼管の上面側2箇所の角部を残したまま、当該角部と上面の水平位置が下げるように、鋼管の鉛直方向の長さ(右側面及び左側面の長さ)を縮径することができる。
予め断面が矩形に成形された鋼管を縮径するために用いる縮径用金型であって、
最奥部から縮径させる長さ分まで若干内径が小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同一の径になるようにして鋼管が縮径される形と同一の隙間が形成され、
隙間の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成された1つの型を水平方向に切断してできた同一形状の上型と下型とからなり、
隙間の最奥部の突起の周囲の溝に鋼管の先端が嵌るように、鋼管の波状に加工されて縮径された相対する面を両側面に向けて隙間内に鋼管を収め、
鋼管が収められた金型ごと、金型の上面側から加えられる押圧力によって、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する
ことを特徴とする縮径用金型である。
金型は、鋼管が縮径される形と同一の隙間が形成された1つの型を、水平方向に切断してできた同一形状の上型と下型とからなる。
下型の上に上型を重ね合わせ、その間の隙間内に鋼管を収容し、金型ごとプレス機等によって押圧し、鋼管を縮径加工する。
下型(上型)は、最奥部から縮径させる長さ分までは内径が若干小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同じ径に、隙間が形成されている。
下型(上型)に形成されている隙間の最奥部には、矩形の突起が設けられている。
下型(上型)を上型(下型)との接面側を上方に向けたときの、下型(上型)に設けられた矩形の突起は、各型との接面寄りに位置し、突起の下方と左右の側方に溝が形成されている。
したがって、上型と下型とを重ね合わせたときの、それぞれの矩形の突起は、各隙間の最奥部の中心に位置し、突起の周囲(突起の上方、下方、左右の側方)には溝が形成された状態になる。
鋼管を縮径するときには、波状に加工された鋼管の左右の側面部分が同じ形状のまま縮むようにすることが必要であるが、金型の最奥部の中心に設けられた突起が無い場合は、波状に加工された側面部分が型ずれを起こしたり、歪んだりすることがある。
そこで、鋼管の先端を前記突起の周囲の溝に嵌めることで、鋼管を縮径させた際に突起が鋼管の波状に加工された側面を押さえて、型ずれや歪みを防ぐことができる。
予め断面が矩形に成形された鋼管について縮径加工された鋼管を製造する方法であって、
断面が十字の棒状に形成され、一端が固定されている芯金の他端側から、芯金が鋼管に内挿されるように鋼管を芯金に差し込み、
長手方向に2列の凸部が設けられた押しダイスの凸部が鋼管に当接するように、鋼管の上面側と下面側から鋼管を押しダイスで挟み、
芯金が差し込まれた鋼管ごと、押しダイスの上面側から下方に押圧して、
鋼管の上面及び下面をそれぞれ波状に加工しながら、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第1工程と、
最奥部から縮径させる長さ分まで若干内径が小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同一の径になるように隙間が形成されており、
隙間の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成された上型と下型とからなる金型の隙間に、
芯金から引き抜いた鋼管を第1工程によって波状に加工された面が両側面を向くようにして、
金型の最奥部に設けられた突起の周囲の溝に鋼管の先端が嵌るように収め、
鋼管が収められた金型ごと、金型の上面側から下方に押圧して、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第2工程と、
によって縮径加工することを特徴とする鋼管の製造方法である。
また、縮径された部分の鋼管の断面形状が4つの角部を維持しているため、高い強度を維持したまま、安定した状態で別の鋼管に連結させることができる。
特に、縮径された部分において、鋼管が折れたり、接触や潰れが生じるようなことがなく、鋼管の断面形状に型ずれや、歪みが生じることはない。
さらに、鋼管の1の相対する面は、平板状のまま縮径されるため、別の鋼管と連結させた際に、どの場所でも自由にボルト締めが可能である。
また、鋼管の別の相対する面は、波状に加工されることで偏肉や延伸が生じないほか、別の鋼管と連結させた際に、波状に加工された面の中央付近が別の鋼管に当接するため、この場所においてボルト締めが可能になる。
押しダイス1は、2列の凸部2が設けられた縮径用治具であり、後記の縮径方法における第1工程に用いる。
押しダイス1は、任意の長さに製造することができ、凸部2は、押しダイス1と同じ長さに形成される。
したがって、凸部2の長手方向の長さが鋼管を縮径する長さに相当し、凸部2が長く形成されている押しダイス1は、鋼管を縮径できる長さが長いことになる。
凸部2は、楔状に形成されている。
芯金3は、断面が十字の棒状に形成された縮径用治具であり、後記の縮径方法における第1工程に用いる。
芯金3は、一端を固定して使用する。
金型4は、鋼管が縮径される形と同一の隙間が形成された1つの型を、水平方向に切断してできた同一形状の上型4aと下型4bとからなる。
下型4b(上型4a)は、最奥部から縮径させる長さ分までは内径が若干小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同じ径に、隙間が形成されている。
下型4b(上型4a)に形成されている隙間の最奥部には、矩形の突起5が設けられている。
下型4b(上型4a)を上型4a(下型4b)との接面側を上方に向けたときの、下型4b(上型4a)に設けられた矩形の突起5は、各型との接面寄りに位置し、突起5の下方と左右の側方に溝6が形成されている。
したがって、上型4aと下型4bとを重ね合わせたときの、それぞれの矩形の突起5は、各隙間の最奥部の中心に位置し、突起5の周囲(突起5の上方、下方、左右の側方)には溝6が形成された状態になる。
上下の型を重ね合わせたときにずれることがないように、下型4bの上型4aとの接面部分に凹部と凸部を設けることもできる。
例えば、下型4bの上型4aとの接面部分に凹部を、上型4aの下型4bとの接面部分に凸部を設けることで、下型4bに上型4aを重ね合わせたときに凸部が凹部に嵌合し、型がずれるのを防ぐことができる。
本発明における縮径の工程は、第1工程と第2工程とからなる。
第1工程は、縮径用治具による縮径工程である。
一端が固定されている芯金3を内挿するように、予め断面が矩形に成形された鋼管7の一端を芯金3に差し込む。
2つの押しダイス1を、鋼管7の上面側、下面側から、芯金3を内挿した鋼管7を挟むように固定する。
それぞれの押しダイス1は、凸部2が鋼管7側を向くようにする。
芯金3を内挿した鋼管7ごと押しダイス1の上からプレス機で押圧する。
押圧された鋼管7は、図5に示す状態になり、鋼管7の角部が潰れることなく、角部を残したまま、角部を上面及び下面の各面の中心側に巻き込むようにして、鋼管7の側面の長さ(図5の上下方向の長さ)を短くする(縮径する)ことができる。
第2工程は、縮径用金型による縮径工程である。
芯金3から引き抜いた鋼管7を、波状に加工された面が両側面を向くように、金型(上型4a、下型4b)の隙間に鋼管7を収める。
このとき、鋼管7の先端が、金型(上型4a、下型4b)の隙間の最奥部に設けられた突起5の周囲の溝6に嵌るように鋼管7を収める。
この状態では、金型の上型4aと下型4bの間には、若干の隙間が生じている。
この隙間が生じている金型を、金型の上型4aの上面側からプレス機で下方に押圧する。
上型4aと下型4bとの間に生じていた隙間が無くなるまで押圧することで、鋼管7の側面の長さ(図6の上下方向の長さ)を短くする(縮径する)ことができる。
鋼管7の先端が金型(上型4a、下型4b)の最奥部に設けられた突起5の周囲の溝6に嵌まることで、波状に加工された鋼管7の両側面が内側へ寄るのを押さえ、鋼管7の両側面が歪んだり、型ずれすることなく、鋼管7の4箇所の角部を維持したまま、鋼管7の側面の長さを短くする(縮径する)ことができる。
図7及び8は、本発明に係る縮径方法によって縮径された鋼管の上方斜視図と断面図であるが、本発明によって縮径された鋼管は、断面が矩形のまま縮径されているため、別の鋼管の開口部に差し込んで連結することができる。
特に、相対する2つの面は、平板状のまま縮径されるため、別の鋼管と連結させた際に、どの場所でも自由にボルト締めが可能である。
他方の相対する2つの面は、波状に加工されるが、その中央付近が別の鋼管に当接するように加工できるため、この当接する場所においてボルト締めが可能になる。
また、縮径された部分の鋼管の断面形状が4つの角部を維持しているため、高い強度を維持したまま、安定した状態で別の鋼管に連結させることができる。
本発明によれば、縮径された部分において、鋼管が折れたり、接触や潰れが生じるようなことがなく、鋼管の断面形状に型ずれや、歪みが生じることはない。
また、鋼管の先端を、上型及び下型の突起の周囲の溝に嵌めることで、鋼管を縮径させた際に突起が鋼管の波状に加工された側面が歪んで縮径されるのを防ぐことができる。
2 押しダイスの凸部
3 芯金
4 金型
4a 上型
4b 下型
5 金型の突起
6 金型の突起周囲の溝
7 鋼管
Claims (4)
- 予め断面が矩形に成形された鋼管を縮径する方法であって、
断面が十字の棒状に形成され、一端が固定されている芯金の他端側から、芯金が鋼管に内挿されるように鋼管を芯金に差し込み、
長手方向に2列の凸部が設けられた押しダイスの凸部が鋼管に当接するように、鋼管の上面側と下面側から鋼管を押しダイスで挟み、
芯金が差し込まれた鋼管ごと、押しダイスの上面側から下方に押圧して、
鋼管の上面及び下面をそれぞれ波状に加工しながら、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第1工程と、
最奥部から縮径させる長さ分まで若干内径が小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同一の径になるように隙間が形成されており、
隙間の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成された上型と下型とからなる金型の隙間に、
芯金から引き抜いた鋼管を第1工程によって波状に加工された面が両側面を向くようにして、
金型の最奥部に設けられた突起の周囲の溝に鋼管の先端が嵌るように収め、
鋼管が収められた金型ごと、金型の上面側から下方に押圧して、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第2工程と、
によって鋼管を縮径することを特徴とする縮径方法。 - 予め断面が矩形に成形された鋼管を縮径するために用いる縮径用治具であって、
長手方向に2列の凸部が設けられた押しダイスと、
一端が固定され、断面が十字の棒状に形成された芯金と、
からなり、
芯金は、固定されていない他端側から、鋼管に内挿されるように鋼管に差し込まれ、
押しダイスは、凸部が鋼管に当接するように、鋼管の上面側と下面側から挟み、
芯金が差し込まれた鋼管ごと、押しダイスの上面側から加えられる押圧力によって、
鋼管の上面及び下面をそれぞれ波状に加工しながら、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する
ことを特徴とする縮径用治具。 - 予め断面が矩形に成形された鋼管を縮径するために用いる縮径用金型であって、
最奥部から縮径させる長さ分まで若干内径が小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同一の径になるようにして鋼管が縮径される形と同一の隙間が形成され、
隙間の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成された1つの型を水平方向に切断してできた同一形状の上型と下型とからなり、
隙間の最奥部の突起の周囲の溝に鋼管の先端が嵌るように、鋼管の波状に加工されて縮径された相対する面を両側面に向けて隙間内に鋼管を収め、
鋼管が収められた金型ごと、金型の上面側から加えられる押圧力によって、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する
ことを特徴とする縮径用金型。 - 予め断面が矩形に成形された鋼管について縮径加工された鋼管を製造する方法であって、
断面が十字の棒状に形成され、一端が固定されている芯金の他端側から、芯金が鋼管に内挿されるように鋼管を芯金に差し込み、
長手方向に2列の凸部が設けられた押しダイスの凸部が鋼管に当接するように、鋼管の上面側と下面側から鋼管を押しダイスで挟み、
芯金が差し込まれた鋼管ごと、押しダイスの上面側から下方に押圧して、
鋼管の上面及び下面をそれぞれ波状に加工しながら、鋼管の上面と下面の各2箇所の角部を各面の中心側に巻き込むようにして角部を維持したまま、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第1工程と、
最奥部から縮径させる長さ分まで若干内径が小さく、入口付近は縮径前の鋼管と同一の径になるように隙間が形成されており、
隙間の最奥部の中心に矩形の突起が設けられ、その周囲に溝が形成された上型と下型とからなる金型の隙間に、
芯金から引き抜いた鋼管を第1工程によって波状に加工された面が両側面を向くようにして、
金型の最奥部に設けられた突起の周囲の溝に鋼管の先端が嵌るように収め、
鋼管が収められた金型ごと、金型の上面側から下方に押圧して、
鋼管の鉛直方向の長さ(側面の長さ)を縮径する第2工程と、
によって縮径加工することを特徴とする鋼管の製造方法。
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