はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技場への設置に際して用いられる外枠(外枠11)と、
左右いずれか一方の側部が開閉基端となるようにして前記外枠に開閉可能に支持された遊技機本体(遊技機主部12)と、
当該遊技機本体と前記外枠の下枠部(下枠部11a)との間に設けられたスピーカユニット(スピーカユニット250)と、
を備えており、
前記スピーカユニットは、スピーカ(スピーカ252)と、当該スピーカの収容領域を形成するスピーカ筐体(スピーカ筐体251)と、を備えており、
当該スピーカ筐体は、取付対象(ベース体253)に対して上方から取り付けられて前記収容領域の少なくとも上壁部を構成する筐体部材(上蓋体254)を備えており、当該筐体部材を取付対象から離脱させることで前記スピーカが露出され、
前記遊技機本体を前記外枠に閉鎖した状態では前記筐体部材が直接的又は間接的に前記遊技機本体を下方から支持することを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、遊技機本体と外枠の下枠部との間の領域を有効活用してスピーカユニットが設けられている。
当該構成において、スピーカはスピーカ筐体により形成された収容領域内に収容されているため、スピーカの破損などを防止することができる。また、スピーカ筐体の筐体部材を取付対象から離脱させることでスピーカが露出することとなるため、スピーカのメンテナンスを比較的容易に行うことができる。
さらに、遊技機本体を外枠に閉鎖した状態では当該遊技機本体の重量により筐体部材が下方に押圧される。これにより、筐体部材が取付対象に対して密接され、収容領域の密閉性が高められる。よって、スピーカ筐体のエンクロージャとしての機能が高められ、スピーカユニットから出力される音の高音質化が図られる。
なお、「取付対象」には、スピーカ筐体が筐体部材を下方から支持する部材を備えた構成においてはその下方から支持する部材が含まれ、筐体部材と下枠部とにより収容領域が形成される構成においては下枠部が含まれる。
また、「前記筐体部材が直接的又は間接的に前記遊技機本体を下方から支持する」には、筐体部材上に遊技機本体が直接載る構成だけでなく、筐体部材の上面に設けられた部材に遊技機本体が載る構成も含まれる。この点、「前記筐体部材が直接的に又は間接的に前記遊技機本体を下方から支持する」という構成に代えて、「前記遊技機本体が直接的又は間接的に前記筐体部材上に載る」という構成としてもよい。
手段2.手段1において、前記スピーカ筐体は前記取付対象として、前記スピーカを下方から支持し且つ前記筐体部材が上方から組み付けられることで当該筐体部材とともに前記収容領域を形成する下側筐体部材(ベース体253)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、スピーカユニットを外枠に対して設置することでスピーカの設置が完了することとなる。
手段3.手段2において、前記下側筐体部材は少なくとも上方に開放されたベース体(ベース体253)であり、前記筐体部材は前記ベース体の上端面に上方から当接することで当該ベース体の上面開放部を塞ぐ上蓋体(上蓋体254)であることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、スピーカを露出させる際には、スピーカ筐体に関して上蓋体とベース体とのうち体格が小さい上蓋体をベース体から離間させればよい。これにより、スピーカの露出を比較的容易に行うことができ、スピーカのメンテナンスの作業性が高められる。
手段4.手段1乃至3のいずれかにおいて、前記スピーカは、前記収容領域内において前記遊技機本体の開閉先端側に偏倚させた位置に配置されていることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、スピーカのメンテナンスに際しては、外枠に対して遊技機本体を開放させ筐体部材を取付対象から離脱させることにより、遊技機本体の開閉先端側に偏倚した位置にてスピーカが露出することとなる。これにより、メンテナンスを行う作業者にとっては、遊技機本体の開閉基端側に偏倚した位置にスピーカを設置した構成に比して、近い位置にてスピーカのメンテナンスを行うことができる。よって、当該メンテナンスの作業性の向上が図られる。
手段5.手段1乃至4のいずれかにおいて、前記筐体部材は合成樹脂により形成されているとともに、当該筐体部材の上面には支持用金具(金属板275)が設けられており、
前記遊技機本体を前記外枠に閉鎖した状態では、前記筐体部材と前記遊技機本体の下端部との間に前記支持用金具が介在していることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、支持用金具が設けられていることにより、合成樹脂製の筐体部材が遊技機本体の重量を直接受けるのではなく間接的に受けることとなり、遊技機本体の重量を受ける上で筐体部材において破損が発生してしまうことが抑制される。
手段6.手段1乃至5のいずれかにおいて、前記外枠は、少なくともその下側隅部に、前記遊技機本体を開閉可能に支持する支持部(下側支持用金具18)を備えており、
前記スピーカユニットは、前記支持部の領域を除いた領域に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、外枠に対して遊技機本体を開閉する際にはその重量が支持部にかかることとなる。この場合に、スピーカユニットは支持部の領域を除いた領域に設けられているため、遊技機本体の開閉に際して支持部に掛かった重量がスピーカユニットに掛かることはない。よって、遊技機本体の開閉に際してスピーカユニットが破損してしまうことが防止される。
手段7.手段1乃至6のいずれかにおいて、前記スピーカ筐体は、前面部に音出口部(音出口266)を有しているとともに、内部に前記スピーカの背面側から出力された音を前記音出口部に導く音通路領域(スピーカ筐体251の内部領域)を有していることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、スピーカの前面側からだけでなく、スピーカの背面側から出力された音も遊技機前方に向けて伝搬することとなる。また、スピーカの背面側から出力された音は音通路領域を伝搬するため、音出口部から低音域の量感を増した音を出力することが可能となる。よって、スピーカから出力された音の高音質化が図られる。
手段8.手段7において、前記スピーカ筐体は、前記下枠部に沿って左右方向に延びており、
前記スピーカを前記スピーカ筐体における左右方向の一方の端部に設置するとともに、前記音出口部を前記スピーカ筐体における左右方向の他方の端部に形成したことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、音通路領域の長さ寸法を大きく確保することが可能となり、低音域の音の増強を図ることが可能となる。よって、スピーカから出力された音の高音質化が図られる。
手段9.手段1乃至8のいずれかにおいて、前記スピーカは、その前面を前記下枠部側に向けて設置されているとともに、
当該下枠部には、前記スピーカの前面側から出力された音を遊技機前方へ導く音導出部(音導出部271)が形成されていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、スピーカは、その前面を下枠部側に向けて設置されている。遊技機本体と下枠部との間の領域において上下方向寸法は遊技機本体と下枠部とにより規定されているが、前後方向寸法はこれらにより規定されていない。したがって、上記のようにスピーカを遊技機下向きに設置することで、遊技機前向きに設置する構成に比して、スピーカの口径の大型化を図ることができ、スピーカから出力される音の高音質化を図ることができる。また、遊技機本体の大型化が図られた構成であっても、スピーカの口径の大型化を図ることができる。
また、下枠部には、音導出部が形成されている。したがって、上記のようにスピーカを遊技機下向けに設置した構成において、スピーカの前面側から出力された音は音導出部により導出されて遊技機前方に向けて伝搬することとなり、その音を遊技者に視聴させることができる。
手段10.手段9において、前記音導出部は、前記下枠部の上面における前記スピーカの下方位置から前記下枠部の前面に連通し且つ少なくとも左右及び後側が閉塞された形状をなしていることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、スピーカの前面側から出力された音を遊技機前方に向けて伝搬させることができるとともに、音導出部の少なくとも左右及び後側が閉塞されていることで当該音導出部における音の漏れが低減されスピーカの前面側から出力された音を効率良く遊技機前方に導くことができる。
手段11.手段10において、前記音導出部は、前記下枠部の底面において下方に向けて開放され且つ遊技場における遊技機の設置台(設置台S)により閉塞される下側開放部を備えていることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、音導出部は下枠部において上面、前面及び底面にて開放されるように形成されるものであり、上面及び前面のみ開放されるように形成する構成に比して、形成作業の容易化が図られる。また、当該構成において、下側開放部は遊技場における遊技機の設置台により閉塞されるため、スピーカの前面側から出力された音を効率良く遊技機前方に導くことができる。
手段12.手段9乃至11のいずれかにおいて、前記スピーカ筐体は、
前記スピーカを下方から支えるとともに、前記スピーカの前面側から出力された音を前記音導出部に導く貫通孔(貫通孔264)が形成された底板部(底板部262)と、
前記スピーカユニットの前記外枠への設置に際して、当該外枠との当接により前記音導出部と前記貫通孔とが連通する位置に前記スピーカユニットを位置決めする位置決め構造(延長領域270等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、スピーカユニットはスピーカを下方から支える底板部を備えているため、外枠に対してスピーカユニットを設置することでスピーカの設置が完了する。この場合に、スピーカ筐体には位置決め構造が設けられているため、位置決め構造により位置決めされる位置にスピーカユニットを設置することで底板部の貫通孔と下枠部の音導出部とが自ずと連通する。これにより、設置作業の作業性が向上する。
手段13.手段1乃至12のいずれかにおいて、前記スピーカとは別のスピーカ(スピーカ28)を前記遊技機本体に備えており、
前記スピーカユニット側のスピーカは、前記遊技機本体側のスピーカと共通のスピーカであることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、複数のスピーカを備えた構成においてそれらスピーカの共通化が図られる。よって、部材管理を好適に行うことができる。
手段14.手段1乃至13のいずれかにおいて、前記遊技機本体は、遊技を実行する遊技装置と、当該遊技装置における遊技結果に基づいて遊技媒体を払い出す払出装置と、当該払出装置から払い出された遊技媒体を貯留する貯留皿と、を備えていることを特徴とする遊技機。
本発明は、遊技機本体に、遊技装置、払出装置及び貯留皿を備えた遊技機に適用することができる。
なお、上記各手段は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種であるパチンコ機はスピーカを備えており、遊技状態に応じて多様な音をスピーカから出力することにより遊技への注目度が高められている。このようにスピーカを備えたパチンコ機において例えば特許文献1(特開2003−135690号公報)には、遊技機本体と外枠の下枠部との間にスピーカを設置した構成が開示されている。ここで、外枠の下部領域は幕板などが設置される幕板領域となっており、当該幕板領域は遊技ホールにおける多数のパチンコ機において共通して設けられている。したがって、上記のようにスピーカを設けることで、幕板領域を有効活用することができる。
ここで、遊技場などにおいて遊技者は飲食などをしながら遊技を行うことがあり、上記のようにスピーカを幕板領域に設けた構成においては、遊技者が誤って零した飲み物などがそのスピーカにかかってしまうおそれがある。したがって、スピーカのメンテナンス性が高められていることが好ましい。
その一方、スピーカから出力される音の高音質化を図ることで、遊技への注目度をより高められると考えられる。しかしながら、上記特許文献1に開示された構成では、幕板の後方にスピーカを設置したのみであり、スピーカから出力される音の高音質化が図られているとは言えない。
なお、以上の問題はパチンコ機に限らず、外枠と遊技機本体とスピーカとを備えた他の遊技機においても該当する問題である。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図、図5はパチンコ機10の外枠11の斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機主部(遊技機本体)12とを有している。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。この場合、外枠11の下枠部11aの板幅は、左右の枠部11b,11cの板幅に比べ大きくなっており、下枠部11aは左右の枠部11b,11cよりもパチンコ機10前方に延出している。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機主部12が開閉可能に支持されている。具体的には、図5に示すように、外枠11における上枠部11dと左枠部11bとの連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部11aと左枠部11bとの連結部分に下側支持用金具18が固定されている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機主部12が回動可能に支持されている。
遊技機主部12は、本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図6を参照する。図6は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。
また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。スピーカ部26の裏面には、図2に示すように、スピーカ28が設けられている。スピーカ28は、その前面をスピーカ部26の裏面に向けて設置されており、スピーカ28からの音は、スピーカ部26を通じてパチンコ機10前方に向けて出力される。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図6に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図6の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図6の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図7は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図7の左側)には、その上端部及び下端部に軸用金具72,73が取り付けられている。上側軸用金具72が外枠11の上側支持用金具17に下方から支持され、下側軸用金具73が外枠11の下側支持用金具18に下方から支持されていることにより、外枠11に対して本体枠13が回動可能に支持されている。なお、本パチンコ機10では、上側軸用金具72に形成された突起が上側支持用金具17に形成された軸孔に挿入され、さらに下側軸用金具73に形成された軸孔に下側支持用金具18に形成された突起が挿入されているが、これらの突起と軸孔とを支持用金具17,18と軸用金具72,73とのいずれに設けるかは任意である。
また、本体枠13は、上側軸用金具72の下方に支持用金具77を備えている。そして、当該支持用金具77と上記下側軸用金具73とに対して、前扉枠14の突起軸61,62が挿入されていることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図7の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置131が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置131に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置131には、図3に示すように、後方へ延びる鉤金具137が設けられているとともに、当該鉤金具137の係止部138が図2に示すように外枠11の右枠部11cにおける内側に設けられている。したがって、鉤金具137が係止部138に係止されることによって、本体枠13(又は遊技機主部12)が外枠11に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。また、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図8に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図7に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図9は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図9の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図10は遊技盤81を後方より見た斜視図、図11は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置91を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図11に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口スイッチ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図12を用いて説明する。図12は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図13は裏パックユニット15の正面図、図14は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、外枠11に設けられたスピーカユニット250について、図1,図5,図15〜19を用いて詳細に説明する。図15は外枠11の分解斜視図、図16はスピーカユニット250の斜視図、図17はスピーカユニット250の分解斜視図、図18はスピーカユニット250周辺の縦断面図、図19はスピーカユニット250周辺の横断面図である。
図1に示すように、外枠11の下枠部11aと遊技機主部12の下端部との間には所定の領域が確保されており、当該領域には幕板19が設けられている。つまり、外枠11の下枠部11aと遊技機主部12の下端部との間には幕板領域が設けられている。幕板19は着色された不透明な樹脂により薄板状に形成されており、図示は省略するが、幕板19の前面にはパチンコ機10のメーカ名が記されている。なお、幕板19の前面に、パチンコ機10の機種名を記してもよく、これらメーカ名や機種名を記さなくてもよい。
幕板領域における幕板19の後方に、図5及び図15に示すように、全体として箱状をなすスピーカユニット250が設けられている。ここで、外枠11における下枠部11aと左枠部11bとの連結部分には、上記のとおり下側支持用金具18が固定されている。詳細には、下枠部11aと左枠部11bとの連結部分の内側には土台20が設けられており、この土台20上に下側支持用金具18が固定されている。当該構成において、スピーカユニット250は、土台20及び下側支持用金具18に対して前後方向及び上下方向に重ならないようにして、下枠部11a上に設けられている。なお、幕板19は土台20及びスピーカユニット250の両方の前方に位置しており、土台20及びスピーカユニット250の両方にネジ止めされている。
スピーカユニット250は、図16及び図17に示すように、スピーカ筐体251と、スピーカ252とを備えている。スピーカ筐体251は、横長の箱状をなしており、図15に示すように、その左右方向寸法L1は土台20の内側端面から下枠部11aにおける土台20側とは反対側の端部までの距離L2と同一又はそれよりも若干小さくなっている。
スピーカ筐体251は、図17に示すように、上方に向けて全体が開放されたベース体253と、当該ベース体253の上面開放部の全体を塞ぐ板状の上蓋体254とを備えている。これらベース体253及び上蓋体254は、合成樹脂により形成されている。なお、ベース体253及び上蓋体254を、ポリカーボネートやアクリル樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成してもよい。
ベース体253にはその内側周縁部に複数のボス255が一体形成されているとともに、上蓋体254には上記各ボス255に対応させて上下方向に貫通した貫通孔256が設けられている。そして、各ボス255と各貫通孔256とが連通するようにベース体253上に上蓋体254が載せられ、それら連通されたボス255及び貫通孔256に対して上蓋体254の上方からネジ257が螺着されていることにより、ベース体253に対して上蓋体254が固定されている。つまり、上蓋体254はベース体253に対して上方から固定されているとともに、その固定は着脱自在な固定具を用いて行われている。この場合、ベース体253の上端面の略全体に対して上蓋体254の下面が当接している。また、図18に示すように、貫通孔256の上端の周縁部が上蓋体254の上面よりも下方に位置するように形成されており、ネジ257の頭部257aの上端は上蓋体254の上面と同じ位置又はそれよりも下方に位置している。
スピーカ筐体251には、図17に示すように、遊技機主部12の回動先端側に相当する端部に、スピーカ収容領域261が形成されている。このスピーカ収容領域261は、スピーカ筐体251における他の領域に比して後方に膨出しており、前後方向寸法が大きくなっている。スピーカ収容領域261を形成する壁部の前後方向寸法L3は、図15に示すように、外枠11の下枠部11aの前後方向寸法L4と略同一となっている。
スピーカ収容領域261には、図17に示すように、スピーカ252が収容されている。スピーカ252は、コーン形状をなし且つ振動板を振動させることにより音を出力する周知のスピーカ装置であり、その前面の直径が高さ寸法よりも大きいものである。この場合、当該スピーカ252は、遊技機主部12における前扉枠14のスピーカ部26に設けられたスピーカ252と同一のものとなっている。また、スピーカ252の背面側には複数の通過孔252aが形成されており、振動板が振動した場合にはスピーカ252の前面側及び背面側の両方から音が出力される。
スピーカ252は、スピーカ収容領域261に対して下向きに配置され、図18に示すように、スピーカ収容領域261の底板部262にネジ263により固定されている。この場合、底板部262には、上下方向に貫通し且つスピーカ252の前面よりも若干小さい直径を有する貫通孔264が形成されている。スピーカ252はその前面が貫通孔264の真上に位置し、さらにスピーカ252の前面周縁部の全体が底板部262の上面における貫通孔264の周縁部に密接状となっている。上記のようにスピーカ252が設置されていることにより、スピーカ252の前面側から出力された音は、図18に示すように、貫通孔264を通じてスピーカユニット250の下方に向けて伝搬する。
スピーカ252の背面側から出力された音は、スピーカ筐体251内を伝搬する。この場合、スピーカ筐体251はエンクロージャとしての機能を有しているとともに、図19に示すように、ベース体253の前板部265におけるスピーカ収容領域261側とは反対側の端部にはバスレフポートとしての音出口266が形成されている。これにより、スピーカ252の背面側から出力された音は、スピーカ筐体251の内部領域及び音出口266を通じてスピーカユニット250の前方に向けて伝搬する。ちなみに、音出口266は、前板部265に固定された筒体267により形成されている。
スピーカ252に動作電力を供給するための電気配線252bは、スピーカ収容領域261における内側の側板部268からスピーカ筐体251の外方に延びている。詳細には、ベース体253の側板部268には図17に示すようにその上端から下方に凹ませて凹部269が形成されており、凹部269は電気配線252bの厚み分の大きさを有している。そして、この凹部269に電気配線252bを通した状態でベース体253に対して上蓋体254が固定されている。
以上説明したスピーカユニット250は、外枠11の下枠部11aに固定されている。詳細には、スピーカ筐体251の底板部262がその内側から下枠部11aに対してネジ止めされている(図18参照)。なお、スピーカ筐体251の底板部262の外側周縁部にネジ止め用のフランジ部を形成し、当該フランジ部と下枠部11aとをネジ止めする構成としてもよい。この場合、ベース体253からの上蓋体254の離脱を要することなく、外枠11に対してスピーカユニット250を着脱することができる。
スピーカユニット250を下枠部11aに固定した状態では、スピーカユニット250の前縁と下枠部11aの前縁とが同じ位置にあり、スピーカユニット250におけるスピーカ収容領域261の後縁と下枠部11aの後縁とが同じ位置にある。なお、スピーカユニット250の前後方向寸法を幕板19の厚み寸法分小さくし、幕板19が下枠部11aよりもパチンコ機10前方に突出しないようにしてもよい。
また、スピーカユニット250の音出口266が形成された側の側方端面は土台20の内側端面に当接しており、スピーカユニット250におけるスピーカ収容領域261の外側の側方端面が外枠11の右枠部11cの内側板面に当接している。このように土台20の内側端面及び右枠部11cの内側板面に当接させることで、左右方向の位置決めが行われる。ちなみに、上記のようにスピーカユニット250が設置されていることにより、スピーカ252は下枠部11a上において遊技機主部12の回動先端部にあり、音出口266は下枠部11aにおいて遊技機主部12の回動基端部にある。
スピーカ筐体251には、外枠11の右枠部11cに対して前側から当接する延長領域270が形成されている。延長領域270は、スピーカ収容領域261よりも外枠11の右枠部11c側に当該右枠部11cの厚み分延長させて形成されており、さらに前後方向寸法は下枠部11aの右枠部11cよりも前方に延出した分となっている。このように延長領域270を右枠部11cの前面に当接させることで、前後方向の位置決めが行われる。
スピーカユニット250が下枠部11aに固定されていることにより、幕板領域から音の出力が行われる。ここで、上記のとおりスピーカ252の前面側から出力された音はスピーカユニット250の下方に向けて伝搬することとなるが、下枠部11aにはこの音をパチンコ機10前方に導くための音導出部271が形成されている。
詳細には、音導出部271は、図18に示すように、下枠部11aの上面、底面及び前面にて開放され且つ左右側方及び後方が下枠部11a自身によって閉塞された形状をなしている。この場合、音導出部271における下方に開放された部位(下面開放部)は、遊技ホール(遊技場)のパチンコ機10の設置台Sによって塞がれている。つまり、音導出部271は、パチンコ機10の遊技ホールへの設置状態において下枠部11aの上面及び前面にて開放されている。また、音導出部271の上面開放部272は円形をなしており、その直径はスピーカ筐体251の貫通孔264の直径と同一となっている。そして、音導出部271の上面開放部272は貫通孔264と上下に重なっている。上記構成であることにより、スピーカ252の前面から出力された音は、貫通孔264及び音導出部271を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬する。
ちなみに、上記のとおりスピーカユニット250は下枠部11aに対して設置する際には、左右方向及び前後方向の両方が位置決めされる。そして、このように位置決め構造が設けられていることにより、スピーカユニット250を下枠部11aに設置した際には自ずと、スピーカ筐体251の貫通孔264と音導出部271の上面開放部272とが上下に重なる。よって、スピーカユニット250を設置する上での作業性の向上が図られている。
スピーカ筐体251の外方に引き出されたスピーカ252の電気配線252bは、音声ランプ制御装置143に接続されている。そして、当該電気配線252bを通じて音声ランプ制御装置143から動作電力を受けることによりスピーカ252が動作し音が出力される。スピーカ252の前面側から出力された音は、上記のとおり音導出部271を介してパチンコ機10前方に向けて伝搬する。一方、スピーカ252の背面側から出力された音は、上記のとおりスピーカ筐体251の内部領域及び音出口266を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬する。なお、スピーカユニット250の前方には、幕板19が設けられているが、当該幕板19における音出口266の前方に位置する部位にはスピーカ孔19aが形成されているため、音出口266を通じて出力された音が幕板19に遮断されてしまうことはない。
ここで、スピーカ252から音が出力されるときには、振動板を境界としてスピーカ252の前面側及び背面側において逆の作用が行われる。具体的には、例えば振動板がスピーカ252の前面側に動くときには、スピーカ252の前面側で空気が押されて「密」となる一方で、背面側は空気の薄い「疎」となり、振動板がスピーカ252の背面側に動くときには、スピーカ252の背面側では空気が押されて「密」となる一方で、前面側は空気の薄い「疎」となる。すなわち、スピーカ252の前面側及び背面側には、逆位相の関係となる音波が出力されることとなる。この場合に、スピーカ252の前面側から出力された音波と、背面側から出力された逆位相の音波とが干渉すると、互いに打ち消しあって遊技者に伝わる音が不鮮明になることが知られている。特に、波長の長い低音域の音に対する影響が顕著で、迫力や臨場感の低下を招く要因となる。
これに対して、上記のとおりスピーカ252の前面周縁部は底板部262に対して密接状となっているため、当該底板部262がバッフル板として機能し、スピーカ252の前面側と背面側とは分離されている。よって、スピーカ252の前面側から出力された音波と背面側から出力された音波との干渉が抑制され、スピーカ252からの音の出力が良好に行われるようになっている。
また、低音域の音を増強する上では、スピーカ252から音出口266までの距離を長く確保することが好ましい。これに対して、上記のようにスピーカ252は下枠部11a上において遊技機主部12の回動先端部にあり、音出口266は下枠部11a上において遊技機主部12の回動基端部にある。よって、スピーカ252から音出口266までの距離が長く確保され、低音域の音を増強することができる。
また、音導出部271は下枠部11aにおいて遊技機主部12の回動先端側の端部に位置しているとともに、音出口266は幕板領域において遊技機主部12の回動基端側の端部に位置している。つまり、スピーカ252の前面側及び背面側から出力された音は、パチンコ機10左右方向の端部からパチンコ機10前方に向けて伝搬される。パチンコ機10の下皿34の下方には遊技球を収容するための収容箱が配置されるが、上記のようにパチンコ機10左右方向の端部からパチンコ機10前方に向けて音を伝搬させるようにすることで、スピーカ252から出力された音が収容箱にて遮断されてしまうことを抑制することができる。
スピーカユニット250は幕板領域に設けられているため、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態では、スピーカユニット250の上方に遊技機主部12が位置することとなる。この場合、スピーカユニット250は遊技機主部12の重量を受ける。かかる構成について以下に説明する。
図17等に示すように、スピーカ筐体251の上蓋体254にはその上面に、複数の金属板(支持板)275が設けられている。具体的には、2枚の金属板275が設けられている。これら金属板275は同一の材料により形成されているとともに同一のサイズ及び形状をしており、上蓋体254の前寄りの位置に設けられている。また、一方の金属板275は延長領域270の上部からスピーカ収容領域261の上部に掛けて設けられており、他方の金属板275は音出口266寄りの上部に設けられている。
金属板275は、上蓋体254に対して上方からネジ(支持板用固定具)276が螺着されて固定されている。この場合、図18に示すように、ネジ276の頭部はその上端が金属板275の上面と同じ高さ又はそれよりも下方にあり、ネジ276は金属板275よりも上方に突出していない。金属板275の上面は当該金属板275の厚み分、上蓋体254の上面よりも上方にある。
遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態では、図18に示すように、遊技機主部12の下端部が各金属板275上に載る。これにより、遊技機主部12の重量負荷の一部が各金属板275に掛かり、この金属板275に掛かった重量負荷はスピーカユニット250にて受けられる。このように、遊技機主部12の重量負荷の一部をスピーカユニット250にて受けるようにすることで、遊技機主部12が閉鎖状態である場合には、スピーカユニット250のスピーカ筐体251における上蓋体254がベース体253に向けて押圧され、これら上蓋体254とベース体253とが密接する。
上記のとおりスピーカ筐体251の内部領域はエンクロージャとしての機能を有する。そして、このエンクロージャとしての機能を効果的に発揮させるためには、スピーカ筐体251の密閉性が高いほど好ましい。かかる事情において、上記のように上蓋体254とベース体253とが密接することでスピーカ筐体251の密閉性が高められ、当該スピーカ筐体251においてエンクロージャとしての機能が効果的に発揮される。これにより、スピーカ252の背面側から出力された音の音質が高められる。
ちなみに、上記のとおり外枠11には下側支持用金具18及び土台20が設けられており、これら下側支持用金具18及び土台20においても遊技機主部12の重量負荷が受けられるが、スピーカユニット250は、図15等に示すように、下側支持用金具18及び土台20に対して前後方向及び上下方向に重なっていない。したがって、下側支持用金具18及び土台20にて受けられた重量負荷はスピーカユニット250に掛からないようになっている。下側支持用金具18は遊技機主部12を回動可能に支持する機能を有しており、遊技機主部12を外枠11に対して開放する際にはその重量負荷の大部分が下側支持用金具18に掛かることとなる。この場合に、上記のように下側支持用金具18及び土台20にて受けられた重量負荷がスピーカユニット250に掛からないようにすることで、遊技機主部12を外枠11に対して開放した際にスピーカユニット250に大きな重量負荷が掛かってしまい当該スピーカユニット250が破損してしまうことが防止される。
また、金属板275はその前側端部に、パチンコ機10前方に向けて下り傾斜した傾斜部277が形成されている。これにより、遊技機主部12を開放状態から閉鎖状態に移動させる場合に、遊技機主部12の下端部は傾斜部277により金属板275上にガイドされ、当該金属板275上に遊技機主部12が載り上げ易くなっている。
次に、スピーカ252のメンテナンス作業について説明する。
スピーカ252のメンテナンス作業を行う場合には、先ず遊技機主部12を外枠11に対して開放する。この場合、施錠装置131による外枠11に対する遊技機主部12の施錠状態を解除する必要がある。遊技機主部12を開放状態とすることで、スピーカユニット250の上面全体が露出する。
その後、スピーカ筐体251のベース体253と上蓋体254との固定を解除する。具体的には、上蓋体254の上方からネジ257の離脱操作を行う。かかる離脱操作を全てのネジ257に対して行うことで、ベース体253から上蓋体254を取り外すことができる。そして、上蓋体254を取り外すことで、スピーカ筐体251の内部が露出し、当該スピーカ筐体251の内部に収容されたスピーカ252が露出する。これにより、スピーカ252の背面側の掃除などを行うことができる。また、スピーカ252を取り外す必要がある場合には、ベース体253の底板部262の上方からネジ263の離脱操作を行う。かかる離脱操作を全てのネジ263に対して行うことで、ベース体253からスピーカ252を取り外すことができる。これにより、スピーカ252の前面側の掃除やスピーカ252の交換などを行うことができる。
ここで、上記のとおりスピーカ252はスピーカ筐体251内において遊技機主部12の回動先端側の端部に設置されている。したがって、メンテナンスの作業者にとってスピーカ252は近い位置にあり、スピーカ252の掃除や交換を行う上でその作業を比較的容易に行うことができる。
スピーカ252の掃除や交換などが終了した後は、上記の作業とは逆の作業を行う。つまり、ベース体253上に上蓋体254を載せ、ネジ257によりそれらベース体253と上蓋体254とを固定する。その後、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖する。これにより、スピーカ252のメンテナンス作業が終了する。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図20のブロック図に基づいて説明する。図20では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト以上の場合には、主制御回路302に対し停電信号を出力する。主制御回路302では、この停電信号の入力を確認することにより、その確認結果に基づいて停電時処理(電断時処理)を実行する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302と、電源及び発射制御基板321と、裏パック基板229とが接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302と裏パック基板229とが接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、データ記憶保持用コンデンサ321cが搭載されている。データ記憶保持用コンデンサ321cは、電源部321aが接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合には蓄電される。また、データ記憶保持用コンデンサ321cは主制御回路302におけるCPU311のVBB端子に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時等といった電源遮断状態では、データ記憶保持用コンデンサ321cから放電されRAM313に対してデータ記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、データ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶されたデータが消去されることなく保持される。ちなみに、データ記憶保持用コンデンサ321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
なお、電源及び発射制御基板321には、上記データ記憶保持用コンデンサ321cとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用コンデンサから放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、スピーカ28,252、各種ランプ部23〜25及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、スピーカ28,252、各種ランプ部23〜25及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
外枠11の下枠部11aと遊技機主部12との間の幕板領域を有効活用してスピーカユニット250が設けられている。また、スピーカ252はスピーカ筐体251により形成された収容領域内に収容されているため、スピーカ252の破損などを防止することができる。当該構成において、スピーカ筐体251の上蓋体254をベース体253から離脱させることでスピーカ252が露出することとなるため、スピーカ252のメンテナンスを比較的容易に行うことができる。
また、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態では、上蓋体254が遊技機主部12の重量の一部を下方から受けるようにした。これにより、遊技機主部12を閉鎖した状態では当該遊技機主部12の重量により上蓋体254が下方に押圧されるため、上蓋体254とベース体253とが密接することとなりスピーカ筐体251の密閉性が高められる。よって、スピーカ筐体251のエンクロージャとしての機能が高められ、スピーカユニット250による音の出力を良好に行うことができる。
また、上蓋体254の上面に金属板275を設け、遊技機主部12を閉鎖した状態では上蓋体254と遊技機主部12の下端部との間に金属板275が介在するようにした。これにより、合成樹脂製の上蓋体254が遊技機主部12の重量を直接受けるのではなく間接的に受けることとなり、遊技機主部12の重量を受ける上で上蓋体254において破損が発生してしまうことが抑制される。
また、スピーカ252を下向きに設置した。ここで、幕板領域において上下方向寸法は下枠部11aと遊技機主部12とにより規定されているが、前後方向寸法はこれらにより規定されていない。また、一般的に、幕板領域の上下方向寸法に比べ下枠部11aの前後方向寸法が大きい。このような事情において上記のようにスピーカ252を下向きに設置することで、スピーカ252をパチンコ機10前方に向けて設置する構成に比して、スピーカ252の口径の大型化を図ることができ、スピーカ252から出力される音の高音質化が図られる。また、上記のようにスピーカ252を下向きに設置した構成において、下枠部11aには音導出部271が形成されているため、スピーカ252の前面側から出力された音は音導出部271に導出されてパチンコ機10前方に向けて伝搬することとなり、その音を遊技者に視聴させることができる。なお、スピーカ252を下向きに設置することでスピーカ252の前面側に埃などが溜まってしまうことが抑制される。
音導出部271を、下枠部11aの上面におけるスピーカ252の下方位置から下枠部11aの前面に連通し且つ少なくとも左右及び後側が閉塞された形状とした。これにより、スピーカ252の前面側から出力された音をパチンコ機10前方に向けて伝搬させることができるとともに、音導出部271の少なくとも左右及び後側が閉塞されていることで当該音導出部271における音の漏れが低減されスピーカ252の前面側から出力された音を効率良くパチンコ機10前方に導くことができる。
また、音導出部271を下枠部11aの底面において下方に向けて開放されるように形成した。つまり、音導出部271は下枠部11aにおいて上面、前面及び底面にて開放されるように形成されており、上面及び前面のみ開放されるように形成する構成に比して、形成作業の容易化が図られる。また、当該構成において、下側開放部は遊技ホールにおけるパチンコ機10の設置台Sにより閉塞されるため、スピーカ252の前面側から出力された音を効率良くパチンコ機10前方に導くことができる。
スピーカ筐体251の前板部265に音出口266を形成し、スピーカ252の背面側から出力された音もスピーカ筐体251の内部領域及び音出口266を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬させるようにした。そして、このスピーカ252の背面側から出力された音はスピーカ筐体251の内部領域を伝搬するため、音出口266から低音域の量感を増した音を出力することが可能となる。特に、スピーカ252は下枠部11a上において遊技機主部12の回動先端側にあり、音出口266は下枠部11a上において遊技機主部12の回動基端側にある。よって、スピーカ252から音出口266までの距離が長く確保され、低音域の音を増強することができる。
スピーカユニット250のスピーカ252を遊技機主部12の前枠部14に搭載したスピーカ252と共通のスピーカとした。これにより、複数のスピーカ28,252を備えた構成においてスピーカの共通化が図られ、部材管理を好適に行うことができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態におけるスピーカユニットに関する変形例を、図21,22に示す。
(1−1)図21に示す変形例では、スピーカユニット370は、上記実施の形態におけるスピーカユニット250と異なり、スピーカ筐体371の内部領域が仕切壁372により左右に区画されている。そして、右側領域373及び左側領域374のそれぞれに1つずつスピーカ375,376が収容されている。この場合、仕切壁372は左側(すなわち、遊技機主部12の回動基端側)に偏倚させた位置に設けられており、右側領域373は左側領域374よりも左右方向寸法が大きくなっている。
右側領域373に収容されたスピーカ375(以下、第1スピーカ375ともいう)は、上記実施の形態におけるスピーカ252と同様に下向きに設置されている。この場合、第1スピーカ375は右側端部(すなわち、遊技機主部12の回動先端側の端部)に設置されており、スピーカ筐体371の底板部377における第1スピーカ375の下方には上記実施の形態と同様に貫通孔264が形成されているとともに、外枠11の下枠部11aにおける貫通孔264の下方には上記実施の形態と同様の音導出部271が形成されている。また、スピーカ筐体371の前板部378における左側端部(すなわち、遊技機主部12の回動基端側の端部)には上記実施の形態と同様の音出口379が形成されている。これにより、第1スピーカ375の前面側から出力された音は、音導出部271を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬することとなり、第1スピーカ375の背面側から出力された音は、音出口379を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬することとなる。
また、左側領域374に収容されたスピーカ376(以下、第2スピーカ376ともいう)は、前向きに設置されている。この場合、スピーカ筐体371の前板部378における第2スピーカ376の前方箇所には音出口380が形成されており、第2スピーカ376の前面側から出力された音は音出口380を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬することとなる。但し、左側領域374は密閉型となっており、第2スピーカ376の背面側から出力された音は左側領域374の外部に漏れないようになっている。つまり、右側領域373は位相反転型のエンクロージャとしての機能を有しているのに対して、左側領域374は密閉型のエンクロージャとしての機能を有している。
以上のように、スピーカ筐体371に右側領域373及び左側領域374を設けるとともに、各領域373,374にスピーカ375,376を設置したことにより、右側領域373及び第1スピーカ375により低音域の音の出力を実現し、左側領域374及び第2スピーカ376により中高音域の音の出力を実現することが可能となる。特に、上記実施の形態と同様に、第1スピーカ375を下向きに設置するようにしたため、当該第1スピーカ375の口径の大型化を図ることができ、低音域の音を大音量で出力することができる。
また、本構成においても上記実施の形態と同様に、スピーカ筐体371はベース体253と上蓋体254とを備え、遊技機主部12を外枠11に閉鎖した状態では遊技機主部12によって上蓋体254が上方から押圧され、ベース体253と上蓋体254とが密接することとなる。よって、ベース体253と上蓋体254との密閉性、すなわち、右側領域373及び左側領域374の密閉性が高められている。
(1−2)図22に示す変形例では、スピーカユニット250においてスピーカ252は前向きに設置されている。詳細には、スピーカ252はスピーカ筐体251の前板部265側を向くようにして設置されているとともに、ネジ263によって前板部265に対して固定されている。そして、前板部265におけるスピーカ252の前方箇所には前後方向に貫通する音出口401が形成されており、スピーカ252の前面側から出力された音はこの音出口401を通じてパチンコ機10前方に向けて伝搬することとなる。なお、幕板19における音出口401の前方箇所にはスピーカ孔が形成されており、スピーカ252の前面側から出力された音が幕板19によって遮断されてしまわないようになっている。
本構成であっても、上記実施の形態と同様に、スピーカ筐体251の上蓋体254には金属板275が設けられており、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態では遊技機主部12の重量が金属板275を介して上蓋体254に掛かることとなる。これにより、上蓋体254に対して遊技機主部12によって下方に押圧する力が加わり、上蓋体254とベース体253とが密接する。これにより、スピーカ筐体251の密閉性が高められ、スピーカ252から出力された音の漏れが防止される。
(2)スピーカ筐体251の構成を上記実施の形態とは異なるものとしてもよい。例えば、スピーカ筐体251のベース体253を下方に開放された箱状とし、上蓋体254に代えて下蓋体によりベース体253の下側開放部を塞ぐ構成としてもよい。より詳細には、ベース体253における下側開放部の下端面略全体に対して板状の下蓋体の上面を当接させることで、下蓋体によりベース体253の下側開放部を塞ぐようにする。この場合、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態ではベース体253上に遊技機主部12が直接的又は間接的に載り上げるようにすることで、ベース体253と下蓋体とが密接され、スピーカ筐体251の密閉性が高められる。
また、スピーカ筐体251が、下方に開放された箱状のベース体を備えるものの、その下側開放部を塞ぐ蓋体を備えない構成としてもよい。当該構成においては、例えば外枠11の下枠部11a上にスピーカ252を設置するとともに、当該スピーカ252を上方から覆うようにして下枠部11a上にベース体を設置する。そして、ベース体を下枠部11aに固定する。この場合、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態では遊技機主部12が直接的又は間接的にベース体上に載り上げるようにすることで、ベース体と下枠部11aとが密接され、スピーカ筐体251の密閉性が高められる。
(3)スピーカユニット250において、スピーカ252から音出口266までの音の伝搬距離を上記実施の形態よりも長くすべく、スピーカ筐体251内においてスピーカ252と音出口266との間に、パチンコ機10の前後方向や左右方向に迂回させて音通路を形成してもよい。この場合、スピーカ252の背面側から出力された音のスピーカ筐体251内における伝搬距離が長くなり、低音の増強効果が上記実施の形態よりも高められる。また、この音通路を下流に向けて断面積が連続的又は断続的に増加する形状としてもよく、この場合、低音の増強効果がより高められる。
(4)音導出部271を、下枠部11aにおいて下方に開放させるのではなく、下枠部11a自身によって下方も閉塞してもよい。この場合、音導出部271は、下枠部11aにおいて上面及び前面のみで開放され、その他の部分は閉塞されることとなる。本構成によれば、音導出部271の形成が上記実施の形態よりも困難なものとなるが、音導出部271の下方の閉塞が下枠部11a自身によって行われるため、音導出部271の下方が確実に閉塞される。
(5)音導出部271において、スピーカ252から音導出部271の出口までの音の伝搬距離を上記実施の形態よりも長くすべく、音導出部271内においてパチンコ機10の前後方向や左右方向に迂回させて音通路を形成してもよい。この場合、スピーカ252の前面側から出力された音についても、音導出部271内における伝搬距離が長くなり、低音の増強効果が高められる。また、この音導出部271を下流に向けて断面積が連続的又は断続的に増加する形状としてもよく、この場合、低音の増強効果がより高められる。
(6)スピーカユニット250において、スピーカ収容領域261の前後方向寸法を上記実施の形態よりも大きくしてもよい。例えば、スピーカ収容領域261を、下枠部11aの後側端部よりも後方に延出させてもよい。これにより、上記実施の形態よりも口径の大きなスピーカ252を設置することができる。
(7)上記実施の形態では、スピーカ筐体251においてスピーカ収容領域261のみが他の領域に比して後方に膨出する構成としたが、これに代えて、スピーカ収容領域261よりも左側の領域を上記実施の形態よりも後方に膨出させて、当該領域の後側端面がスピーカ収容領域261の後側端面と同一面上に位置するようにしてもよい。
(8)外枠11の土台20を不具備とし、スピーカユニット250に下側支持用金具18を設置してもよい。この場合、遊技機主部12の開閉に際してスピーカユニット250に大きな重量が掛かることとなるが、上記実施の形態よりもスピーカユニット250の左右方向寸法を大きくすることができる。
(9)上記実施の形態では、スピーカユニット250の前方に幕板19を設けたが、当該幕板19を不具備としてもよい。当該構成においては、前板部265の前面にパチンコ機10のメーカ名や機種名を記してもよい。
(10)上記実施の形態において、ベース体253の前板部265に左右方向に沿って複数の音出口を並設するとともに、1つの音出口を除いて各音出口を閉塞する蓋体を備えた構成としてもよい。この場合、遊技ホールなどにて各音出口のうちいずれの音出口を開放させるかを選択することで、低音域の増強効果を遊技ホールにおいて所望のものとすることができる。
(11)スピーカユニット250において、スピーカ252と音出口266との位置関係を左右逆としてもよい。また、スピーカ筐体251を形成する材料は合成樹脂に限定されることはなく、木製などであってもよい。また、上蓋体254に金属板275を設けずに、遊技機主部12を外枠11に対して閉鎖した状態では、遊技機主部12が上蓋体254上に直接載る構成としてもよい。
(12)上記実施の形態では、スピーカ252の前面側から出力された音をパチンコ機10前方に導くように、下枠部11aに音導出部271を形成したが、これに代えて、スピーカ252の前面側から出力された音をパチンコ機10後方又は側方に導くように音導出部271を形成してもよい。この場合、スピーカ252の前面側から出力された音は遊技者に聞き取らせることができないが、スピーカ252の背面側から出力された音は依然として遊技者に聞き取らせることができる。
(13)上記実施の形態では、一般入賞口82、可変入賞装置83、及び作動口84などの入球部に遊技球が入った場合には、遊技球を払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、入球部に遊技球が入った場合に遊技球以外の賞品を払い出す構成であってもよい。
(14)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、弾球式でない遊技機、例えば、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。