<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、遊技機ベースユニット13と、その遊技機ベースユニット13の前方に配置される遊技機前面ユニット14と、遊技機ベースユニット13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち遊技機ベースユニット13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として遊技機ベースユニット13が前方へ回動可能(開閉可能)とされている。
遊技機ベースユニット13には、図2に示すように、遊技機前面ユニット14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能(開閉可能)とされている。また、遊技機ベースユニット13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能(開閉可能)とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端側に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、遊技機前面ユニット14を遊技機ベースユニット13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
<パチンコ機10の前面側の構成について>
次に、パチンコ機10の前面側の構成について説明する。
遊技機ベースユニット13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔22が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤23が着脱可能に取り付けられている。遊技盤23は合板よりなり、遊技盤23の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔22を通じて遊技機ベースユニット13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤23の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤23には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口24,可変入賞装置25,上作動口26,下作動口27,スルーゲート28及び可変表示ユニット29等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口24、可変入賞装置25及び作動口26,27に遊技球が入ると、それが遊技盤23の背面側において各入賞部に1対1で対応させて配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤23の最下部にはアウト口30が設けられており、各種入賞部等に入らなかった遊技球はアウト口30を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤23には、遊技球の流下方向を適宜分散、調整等するための多数の釘31が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
可変表示ユニット29には、作動口26,27への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置32が設けられている。また、可変表示ユニット29には、図柄表示装置32を囲むようにしてセンターフレーム33が配設されている。センターフレーム33の上部には、第1特定ランプ部34及び第2特定ランプ部35が設けられている。また、センターフレーム33の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部36,37が設けられている。下側の保留ランプ部36は、図柄表示装置32及び第1特定ランプ部34に対応しており、遊技球が作動口26,27を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部37は、第2特定ランプ部35に対応しており、遊技球がスルーゲート28を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部37の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置32の表示画面には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たり状態という)が発生することとなる。
第1特定ランプ部34では、作動口26,27への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部35では、遊技球のスルーゲート28への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口27に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置(可変入球装置)25は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置25の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置25が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤23には、内レール部41と外レール部42とが取り付けられており、これら内レール部41と外レール部42とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構43から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構43は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔22の下方に取り付けられており、遊技機前面ユニット14に設けられた発射ハンドル44が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
遊技機前面ユニット14の構成について以下に説明する。かかる遊技機前面ユニット14の説明に際しては図1及び図2を参照するとともに、図5を適宜参照する。図5は、図1のA―A線部分の断面図である。なお、図5において、遊技機ベースユニット13及び遊技盤23の背面側の構成は、説明の便宜上、省略する。
遊技機前面ユニット14は、図5に示すように、その基礎となるベース部材として、ベース枠51を備えており、当該ベース枠51に対して各種部材が取り付けられて構成されている。ベース枠51は、ABS樹脂などの合成樹脂製であり、図2に示すように、外形が遊技機ベースユニット13の外形とほぼ同一形状をなしている。なお、遊技機前面ユニット14において当該ベース枠51が遊技機ベースユニット13に回動可能に支持されている。
ベース枠51には前後に貫通させて窓部52が形成されており、当該窓部52に対して窓パネルユニット53が設けられている。窓パネルユニット53は、ABS樹脂等により一体形成されたパネル枠体54を有しているとともに、透明ガラスにより形成された一対の透明板55,56を有している。なお、透明板55,56は透明ガラスに限定されることはなく、合成樹脂により形成されていてもよい。
これら一対の透明板55,56には、その外周部分がパネル枠体54の内周部分に沿うようにして形成されており、各透明板55,56の外周部分はその全周に亘ってパネル枠体54の内周部分に密着させた状態で固定されている。この場合、これら各透明板55,56は所定間隔を隔てた状態で平行に配置されている。このように一対の透明板55,56が所定間隔を隔てた状態で対向配置されていることにより、窓パネルユニット53は所定の厚み寸法を有するが、当該厚み寸法はパネル枠体54の厚み寸法と一致している。
ちなみに、窓パネルユニット53として、一対の透明板55,56を設けるとともに、それら透明板55,56を離間させて対向配置させていることにより、パチンコ機10前方からの遊技領域に対する磁石による不正などを行いづらくすることが可能となる。
図2に示すように、パネル枠体54の外周部分には、外側に突出するフランジ部57が周方向に所定間隔を隔てて複数形成されている。窓パネルユニット53は、窓部52を塞ぐようにしてベース枠51の背面側に配置されているとともに、上記各フランジ部57がベース枠51の背面側から固定されている。かかる固定は、所定の工具を用いた固定作業及び解除作業を通じて、窓パネルユニット53をベース枠51に対して固定状態としたり離脱状態としたりすることが可能なように、汎用のネジを用いて行われている。但し、これに限定されることはなく、窓パネルユニット53をベース枠51に対して着脱自在な状態で軸支させるとともに、ベース枠51に対して閉鎖した状態で係合片を通じて窓パネルユニット53の開閉先端側をベース枠51に保持させる構成としてもよい。
窓パネルユニット53は、遊技機前面ユニット14を閉鎖状態とした場合に遊技領域のほぼ全域とパチンコ機10の前後方向に対向することとなる。この場合に、各透明板55,56は、パチンコ機10前方からこれら各透明板55,56を通じて遊技領域を視認可能なように無色透明に形成されている。但し、無色透明に限定されることはなく、パチンコ機10前方から各透明板55,56を通じて遊技領域を視認可能であれば、有色透明であってもよい。
ベース枠51の前面において窓部52の左右両側には、図1に示すように、それぞれLED基板61,62が取り付けられている。また、ベース枠51の前面において窓部52の上方には、図2に示すように、左右一対のスピーカ装置63,64が取り付けられている。当該スピーカ装置63,64の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
LED基板61,62及びスピーカ装置63,64は、前面カバー65によりパチンコ機10前方から覆われている。当該前面カバー65は、ABS樹脂などの合成樹脂製であり、前後に起伏したデザイン等が施されている。前面カバー65は、ベース枠51の前面における窓部52の上方及び左右両側を覆うようにして配置され、ベース枠51の背面側からネジ固定されている。この場合、当該固定は、所定の工具を用いることで着脱自在となるように行われている。
前面カバー65において各LED基板61,62の前方箇所は光透過性を有しており、LED基板61,62に搭載されたLEDから照射された光は前面カバー65を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。これらLED基板61,62と前面カバー65とにより発光部が構成されている。また、スピーカ装置63,64の前方箇所にはスピーカ装置63,64用の複数のスリット109が形成されており、スピーカ装置63,64から出力された音がパチンコ機10前方へ伝搬可能となっている。
ベース枠51において窓部52の下方には、上皿ユニット71及び下皿ユニット72が上下に並設されている。これら上皿ユニット71及び下皿ユニット72はベース枠51の前面下部を覆うようにしてパチンコ機10前方から取り付けられており、ベース枠51の背面側からネジ固定されている。この場合、当該固定は、所定の工具を用いることなく着脱自在となるように行われている。
上皿ユニット71には、上方に開放された上皿73が形成されている。上皿73は、その奥壁に球入口及び球出口を有し、後述する払出装置より払い出され当該球入口を介して導入された遊技球を一旦貯留するとともに、それら遊技球を一列に整列させながら球出口へ導く機能を有する。球出口から上皿73外に導出された遊技球は遊技球発射機構43へ導かれる。
下皿ユニット72には、上方に開放された下皿74が形成されている。下皿74は、その奥壁に球入口74aを有し、上皿73が満杯となっている状態で払出装置から払い出された遊技球は、余剰球として球入口74aを介して下皿74に導入される。
ここで、本パチンコ機10では、上記のとおり、前面カバー65、窓パネルユニット53、上皿ユニット71及び下皿ユニット72をベース枠51に対して取り付け、遊技機前面ユニット14としてユニット化されている。従来のパチンコ機においては、少なくとも窓部と下皿とがそれぞれ別ユニットとして設けられており、窓部が下皿に対して独立して回動可能となっていたため、パチンコ機の前面部には上記各ユニット間に境界が生じていた。この場合、当該境界から不正用治具などを挿入して行う不正行為が想定される。また、かかる不正行為を抑制すべく各ユニット間の境界に対して不正抑制構造を設けることができるが、そうすると構成の複雑化を招いてしまう。さらに、パチンコ機の前面部において境界が生じるのはデザイン上好ましくない。これに対して、上記のとおり遊技機前面ユニット14に前面カバー65、窓パネルユニット53、上皿ユニット71及び下皿ユニット72が取り付けられているので、窓部52と下皿74との間に境界が生じることはなく、上記不都合が抑制される。
上皿73及び下皿74には、払出装置より払い出された遊技球が導入されることとなる。かかる導入に際しては、当該遊技球は、上皿73及び下皿74のそれぞれに払出装置を連通させるように形成された払出通路を通過することとなる。この場合、図2に示すように、払出通路の下流側を形成する通路形成ユニット75が遊技機前面ユニット14に設けられている。
通路形成ユニット75はベース枠51の背面に取り付けられている。通路形成ユニット75の上部には受け口部76が形成されており、当該受け口部76において並設された一対の開口部のそれぞれから上皿73に向けた通路と下皿74に向けた通路とが形成されている。この場合、受け口部76は遊技機前面ユニット14の回動基端側に設けられているのに対して、下皿74の球入口74aはパチンコ機10の左右方向の中央側に設けられているため、下皿74に向けた通路は遊技機前面ユニット14の回動基端側から左右方向の中央側に亘って延びている。
また、通路形成ユニット75には、下皿74に向けた通路を形成する部位に沿うようにして、戻り球回収部77が一体形成されている。戻り球回収部77は、パチンコ機10の左右方向の中央側に設けられており、上方に開放されている。この上方に開放された上方開放部78は、遊技球発射機構43から発射されたが遊技領域まで至らず誘導レール内を逆流してくる戻り球が落下してくる位置にある。また、戻り球回収部77はその内部に回収通路が形成されており、当該回収通路は下流にて下皿74に向けた通路に連通されており、戻り球回収部77にて回収された戻り球は下皿74へ排出される。
なお、通路形成ユニット75は遊技機前面ユニット14に取り付けられているため、遊技機前面ユニット14が開放位置に向けて回動された場合には、払出通路において通路形成ユニット75に形成された通路と、それよりも上流側の通路とが分離されることとなる。この場合に、当該上流側の通路から遊技球が零れ落ちてしまうことを防止するために、遊技機ベースユニット13の樹脂ベース21にはシャッタ部材79が設けられている。
<パチンコ機10の背面側の構成について>
次に、パチンコ機10の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、遊技機ベースユニット13(具体的には、遊技盤23)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。なお、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル44の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<高音質化構造について>
次に、スピーカ装置63,64から出力される音の高音質化を図るための構造について以下に詳細に説明する。以下の説明では、図1,図2,図5を参照するとともに、図6及び図7も適宜参照する。図6は図1のB−B線部分の断面図であり、図7は図1のC−C線部分の断面図である。なお、図6及び図7において、遊技機ベースユニット13及び遊技盤23の背面側の構成は、説明の便宜上、省略する。
既に説明したとおり、遊技機前面ユニット14には一対のスピーカ装置63,64が設けられている。これらスピーカ装置63,64は、図6に示すように、駆動部101,102と、駆動部101,102により駆動されることで振動する振動板103,104と、を備えており、振動板103,104が振動することにより音を出力する周知のスピーカ装置である。駆動部101,102としては、ボイスコイル及び永久磁石を有してなるタイプのものが用いられているが、これに限定されることはなく、他のタイプのものを用いてもよい。また、振動板103,104としては、コーン型のものが用いられているが、これに限定されることはなく、ドーム型など他のタイプのものを用いてもよい。振動板103,104が振動した場合には、スピーカ装置63,64の前面側及び背面側の両方から音が出力される。なお、背面側から出力される音は、前面側から出力される音に対して逆位相となる。
遊技機前面ユニット14におけるベース枠51の壁部には、図6に示すように、各スピーカ装置63,64に1対1で対応させて、前後方向に貫通する開口部105,106が形成されている。また、各スピーカ装置63,64にはその前面側に、外側に張り出すようにしてフランジ部107,108が形成されている。各スピーカ装置63,64はそれぞれ対応する開口部105,106に対して、各スピーカ装置63,64の背面側が先頭となるようにして、ベース枠51の前面側から挿通されており、各フランジ部107,108は対応する開口部105,106の周縁部に対してベース枠51の前面側から当接している。そして、各フランジ部107,108がベース枠51の前面側からベース枠51に固定されていることにより、各スピーカ装置63,64がベース枠51に固定されている。かかる固定は、所定の工具を用いた固定作業及び解除作業を通じて、スピーカ装置63,64をベース枠51に対して固定状態としたり離脱状態としたりすることが可能なように、汎用のネジを用いて行われている。つまり、各スピーカ装置63,64は、ベース枠51に対して着脱自在な状態で固定されている。
上記のように各スピーカ装置63,64が固定されていることにより、各スピーカ装置63,64の前面はパチンコ機10の前方を向いている。また、各スピーカ装置63,64の前面側はベース枠51の前面側において露出しており、各スピーカ装置63,64の背面側はベース枠51の背面側において露出している。さらにまた、一対のスピーカ装置63,64は、遊技機前面ユニット14における窓パネルユニット53の上方において同じ高さ位置に配置されているとともに、左右方向に所定の間隔を隔てて配置されている。
既に説明したとおり、ベース枠51の前面側には、各スピーカ装置63,64を覆うようにして前面カバー65が取り付けられている。前面カバー65において各スピーカ装置63,64の前面と対向する各領域には、図1及び図5に示すように、前側放出孔として複数のスリット109が形成されており、スピーカ装置63,64の前面側から出力された音は、これらスリット109を通じて前面カバー65の前方、すなわちパチンコ機10前方に伝搬していく。
一方、スピーカ装置63,64の背面側からは、遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13との間に形成された空間内に音が出力される。ここで、当該空間について説明する。
図2及び図5〜図7に示すように、遊技機前面ユニット14のベース枠51は、パチンコ機10の前方及び後方のそれぞれに向く壁面を有する前壁部111を備えているとともに、ベース枠51の外周部分を規定するようにして前壁部111からベース枠51の後方に突出させて形成された一連の前側縁枠部112を備えている。また、当該前側縁枠部112に対応させて、遊技機ベースユニット13における樹脂ベース21の外周部分には、樹脂ベース21においてパチンコ機10の前方及び後方のそれぞれに向く壁面を有する後壁部113から樹脂ベース21の前方に突出するようにして一連の後側縁枠部114が一体形成されている。後側縁枠部114には、その突出方向の途中位置において内側から外側に向けた一連の段差部115が形成されており、段差部115よりも根元側の内周面に比べ、段差部115よりも先端側の内周面はパチンコ機10の外周側に位置している。
遊技機前面ユニット14の閉鎖状態では、後側縁枠部114がパチンコ機10の外周側となるようにして前側縁枠部112の先端側と、後側縁枠部114において上記段差部115よりも先端側とが内外に重なり、前側縁枠部112と後側縁枠部114との内外の重なり領域がパチンコ機10の外周全体に亘って形成されることとなる。この場合に、前側縁枠部112の突出側端面116に向けた一連の対向面を形成する段差部115には、密閉性向上手段として、一連のゴムパッキン117が設けられており、遊技機前面ユニット14の閉鎖状態では、ゴムパッキン117が上記突出側端面116と段差部115とにより挟まれ圧縮状態となる。これにより、遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13との間の空間の密閉性が高められている。
パチンコ機10の外周部分に重なり領域が形成されているとともに、ゴムパッキン117が設けられていることにより、パチンコ機10の外周側から遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13との間の空間内に不正用治具を挿入しようとする行為を行いづらくさせることができる。
また、ベース枠51には、既に説明したように、その背面側から窓パネルユニット53が取り付けられている。当該窓パネルユニット53は、前壁部111からベース枠51の後方に突出している。なお、この突出量は、前側縁枠部112の前壁部111からの突出量と略同一となっているが、これに限定されず、同一であってもよく、いずれか一方の突出量が明らかに大きい構成としてもよい。
樹脂ベース21において遊技領域を露出させるために形成された窓孔22の周縁部121には、上記のように前壁部111から後方に突出するようにして取り付けられた窓パネルユニット53を収容するための構成が設けられている。具体的には、図5及び図7に示すように、窓孔22の周縁部121には、窓孔22の貫通方向の途中位置において窓孔22の内側から外側に向けた一連の段差部122が形成されており、段差部122よりも遊技盤23側の内周面に比べ、段差部122よりもベース枠51側の内周面は窓孔22の外周側に位置している。なお、説明の便宜上、図2においては段差部122を省略する。
遊技機前面ユニット14の閉鎖状態では、周縁部121において段差部122よりもベース枠51側の領域における内周面に対してパネル枠体54の外周面が重なる。かかる重なり領域は、窓孔22の全周に亘って形成されている。但し、図2に示すように、窓孔22は、戻り球を戻り球回収部77にて回収可能とするために、下方にて一部が切除されているため、当該切除された領域では上記重なり領域は形成されない。この場合に、図5及び図7に示すように、パネル枠体54の背面に向けた一連の対向面を形成する段差部122には、密閉性向上手段として、一連のゴムパッキン123が設けられており、遊技機前面ユニット14の閉鎖状態では、ゴムパッキン123がパネル枠体54の背面と段差部122とにより挟まれ圧縮状態となる。これにより、遊技盤23と窓パネルユニット53との間の空間の密閉性が高められている。
窓孔22の周縁部121と窓パネルユニット53との間に重なり領域が形成されているとともに、ゴムパッキン123が設けられていることにより、パチンコ機10の外周側から遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13との間の空間に仮に不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が遊技領域内にまで侵入してしまうことを阻止することが可能となる。
図2に示すように、ベース枠51における前壁部111の背面において、一方のスピーカ装置63が設けられた箇所を含む所定範囲の領域及び他方のスピーカ装置64が設けられた箇所を含む所定範囲の領域には、窓パネルユニット53の背面及び前側縁枠部112の突出側端面116よりもパチンコ機10前方に凹んだ前側凹み領域131,132が形成されている。各前側凹み領域131,132のうち一方はベース枠51の回動先端側上部(右上)の隅角部分を含むように形成されているとともに、他方はベース枠51の回動基端側上部(左上)の隅角部分を含むように形成されている。両前側凹み領域131,132はそれぞれ、前側縁枠部112の内周面及びパネル枠体54の外周面により区画されているとともに、前壁部111の背面に形成された複数の仕切壁(前側仕切部)133,134,135により区画されている。
各仕切壁133〜135は、図2に示すように、前側凹み領域131,132を基準とした後方への突出量が、窓パネルユニット53の背面及び前側縁枠部112の突出側端面116よりも小さくなっており、さらに前側縁枠部112に対して内側から連続しているとともに、パネル枠体54の外周面に外側から接している。なお、パネル枠体54の外周面において各仕切壁133〜135が接している領域は、遊技機前面ユニット14が閉鎖状態である場合に樹脂ベース21の窓孔22内に入り込まない領域である。
上記仕切壁133〜135のうち、前壁部111の背面の上部に形成された上側仕切壁133により、両前側凹み領域131,132が、窓パネルユニット53の上方において左右に区画されている。また、上記仕切壁133〜135のうち、前壁部111の背面において回動先端側に形成された先端側仕切壁134により、両前側凹み領域131,132のうち、回動先端側の前側凹み領域131における下縁が規定されている。また、上記仕切壁133〜135のうち、前壁部111の背面において回動基端側に形成された基端側仕切壁135により、両前側凹み領域131,132のうち、回動基端側の前側凹み領域132における下縁が規定されている。なお、上記各仕切壁133〜135は、ベース枠51において補強リブとしても機能する。
前壁部111に前側凹み領域131,132が形成されていることに対応させて、樹脂ベース21の後壁部113には後側凹み領域141,142が形成されている。各後側凹み領域141,142のうち一方は回動先端側の前側凹み領域131に対応しており、樹脂ベース21の回動先端側上部(右上)の隅角部分を含むように形成されているとともに、他方は回動基端側の前側凹み領域132に対応しており、樹脂ベース21の回動基端側上部(左上)の隅角部分を含むように形成されている。両後側凹み領域141,142はそれぞれ、後側縁枠部114の内周面及びパネル枠体54の外周面により区画されているとともに、後壁部113の前面に形成された複数の仕切壁(後側仕切部)143,144,145により区画されている。
各仕切壁143〜145は、図2に示すように、後側凹み領域141,142を基準とした前方への突出量が、窓孔22の周縁部121における先端部及び後側縁枠部114の突出側端面と同程度(同一又は略同一)となっており、さらに後側縁枠部114において段差部115よりも根元側に対して内側から連続しているとともに、パネル枠体54の外周面に外側から接している。なお、各仕切壁143〜145は、後側縁枠部114と前側縁枠部112との内外の重なりを阻害しないように、重なり許容空間を確保して形成されている。
上記仕切壁143〜145のうち、後壁部113の前面の上部に形成された上側仕切壁143により、両後側凹み領域141,142が窓孔22の上方において左右に区画されている。また、上記仕切壁143〜145のうち、後壁部113の背面において回動先端側に形成された先端側仕切壁144により、両後側凹み領域141,142のうち、回動先端側の後側凹み領域141における下縁が規定されている。また、上記仕切壁143〜145のうち、後壁部113の背面において回動基端側に形成された基端側仕切壁145により、両後側凹み領域141,142のうち、回動基端側の後側凹み領域142における下縁が規定されている。なお、上記各仕切壁143〜145は、樹脂ベース21において補強リブとしても機能する。
遊技機前面ユニット14の閉鎖状態では、図6に示すように、前壁部111に形成された上側仕切壁133の突出側端面と、後壁部113に形成された上側仕切壁143の突出側端面と、が前後に重なっている。また、これと同様に、前壁部111に形成された回動先端側の仕切壁134における突出側端面と、後壁部113に形成された回動先端側の仕切壁144における突出側端面と、が前後に重なっているとともに、前壁部111に形成された回動基端側の仕切壁135における突出側端面と、後壁部113に形成された回動基端側の仕切壁145における突出側端面と、が前後に重なっている。これにより、図1に示すように、回動先端側における前側凹み領域131及び後側凹み領域141により閉空間151が形成されているとともに、回動基端側における前側凹み領域132及び後側凹み領域142により閉空間152が形成されている。そして、回動先端側の閉空間151の前側を区画する前壁部111に対して一方のスピーカ装置63が配置されているとともに、回動基端側の閉空間152の前側を区画する前壁部111に対して他方のスピーカ装置64が配置されている。
以下、説明の便宜上、回動先端側のスピーカ装置63及び閉空間151を第1スピーカ装置63及び第1閉空間151と称するとともに、回動基端側のスピーカ装置64及び閉空間152を第2スピーカ装置64及び第2閉空間152と称する。また、第1閉空間151及び第2閉空間152はそれぞれ同一の構成を有しているため、第1閉空間151の構成について詳細に説明し、第2閉空間152は同様の構成を有しているものとして説明を省略する。
第1閉空間151において当該第1閉空間151の前側を区画する前壁部111の領域が、第1スピーカ装置63についてのバッフル板として機能するとともに、第1閉空間151が第1スピーカ装置63のエンクロージャとして機能し、第1スピーカ装置63の背面側からは第1閉空間151内に音が出力される。
図5及び図7に示すように、後壁部113において第1閉空間151を区画する領域には前後方向の貫通孔153が形成されているとともに、遊技盤23において当該貫通孔153と前後に重なる領域にも前後方向の貫通孔154が形成されており、これら両貫通孔153,154が連通していることにより開放用孔部155が形成されている。開放用孔部155は、その孔長方向の全体に亘って直線的に形成されており、さらに孔径が同一となっている。なお、開放用孔部155は、断面円形の孔部として形成されているが、これに限定されることはなく、断面角形の孔部として形成されていてもよい。
開放用孔部155は、第1スピーカ装置63の厚み方向に延びる中心軸線A1に対して開放用孔部155の孔長方向に延びる中心軸線A2が同一直線上とならない位置に配置されている。具体的には、開放用孔部155は、前壁部111に形成された開口部105のパチンコ機10後方の領域から外れた位置に、換言すれば、開口部105のパチンコ機10後方への投影範囲から外れた位置に形成されている。また、より詳細には、開放用孔部155は、第1スピーカ装置63のパチンコ機10後方の領域から外れた位置に、換言すれば、第1スピーカ装置63のパチンコ機10後方への投影範囲から外れた位置に形成されている。
また、開放用孔部155は、図5及び図7に示すように、前壁部111と後壁部113との間において第1閉空間151の周面を構成する領域に対して、第1閉空間151の内側に離間された位置に形成されている。つまり、前側縁枠部112及び後側縁枠部114の重なり領域に対して第1閉空間151の内側に離間されているとともに、窓孔22及び窓パネルユニット53の重なり領域に対して第1閉空間151の内側に離間され、さらに各仕切壁133,143,134,144の重なり領域に対して第1閉空間151の内側に離間された位置に、開放用孔部155が形成されている。
開放用孔部155により、第1閉空間151が遊技盤23の後方、すなわち遊技機ベースユニット13の後方の空間に開放されている。ここで、第1スピーカ装置63の背面からエンクロージャに音を出力する構成においては、当該エンクロージャにより囲まれる空気の粘性分によって第1スピーカ装置63の振動板の振動が抑制され易い。この場合に、第1スピーカ装置63から出力される音の低音再生能力を発揮させるためには、エンクロージャの容積が大きいこと、第1スピーカ装置63の口径が大きいこと、などの条件が知られている。しかしながら、遊技機前面ユニット14には窓パネルユニット53、上皿73及び下皿74などの各種部材が配置されるため、第1スピーカ装置63の大型化を図ろうとしても限界があり、さらに遊技ホールにおける既存の島設備にパチンコ機10を設置する必要があるため、パチンコ機10の厚み寸法、縦寸法及び横寸法を大きくしようとしても限界があり、それに伴ってエンクロージャの容積の大型化を図ろうとしても限界がある。これに対して、上記のように開放用孔部155が形成されていることにより、第1スピーカ装置63の振動板の振動が抑制され難くなる。
開放用孔部155は、図5に示すように、後壁部113の厚み寸法及び遊技盤23の厚み寸法の和となる所定の長さ寸法Lを有しているとともに、所定の孔径Raを有している。この場合、開放用孔部155が、低音域における所定の特定周波数の音を共鳴させるためのバスレフポートとして機能するように、孔径Raが設定されている。かかる孔径Raは、第1閉空間151内の容積V及び開放用孔部155の長さ寸法Lとの関係で、特定周波数において共鳴が発生するように、下記ヘルムホルツの数式を用いて算出し設定されている。
F:特定周波数、C:音速、S:開放用孔部155の開口面積(πRa2)、V:第1閉空間151の容積、L:開放用孔部155の長さ寸法
上記ヘルムホルツの数式を見ても分かるように、開放用孔部155の開口面積、すなわち開放用孔部155の孔径Raを小さくすることにより、特定周波数を低くすることができる。本パチンコ機10では、当該特定周波数を所定の低音域に設定するために、開放用孔部155の孔径Raは第1スピーカ装置63の前面側の口径Rbよりも小さくなるように設定されている。なお、本パチンコ機10では、開放用孔部155の長さ寸法Lが後壁部113の厚み寸法及び遊技盤23の厚み寸法により規定されているため、開放用孔部155の孔径Raを調整することで、特定周波数を調整しているが、例えば、後壁部113の前面や遊技盤23の背面などに開放用孔部155の長さ寸法を延長させるための延長部材を設け、かかる延長部材の長さ寸法を調整することで、特定周波数を調整してもよい。
開放用孔部155がバスレフポートとして機能することにより、第1スピーカ装置63の背面側から出力された音であって特定周波数の音は、開放用孔部155にて共鳴し、位相が反転した状態、すなわち第1スピーカ装置63の前面側から出力される音と同位相となった状態で、遊技機ベースユニット13の後方に放射される。そして、この放射された音は、遊技機ベースユニット13と外枠11との間の隙間などから、パチンコ機10の前方に伝わり、低音域として設定された特定周波数の音が増強される。これにより、低音域の音質の向上が図られる。
ちなみに、第1スピーカ装置63は、遊技盤23の背面に対して設けられた音声ランプ制御装置82と電気的に接続されており、当該音声ランプ制御装置82から出力される駆動信号に応じて音の出力を行う。この場合に、図5の二点鎖線で示すように、かかる駆動信号を伝送するための信号線156を遊技機ベースユニット13の前後に通すための通し孔として、開放用孔部155を兼用してもよい。また、LED基板などの遊技機前面ユニット14に設けられた他の電気部品と、音声ランプ制御装置82などの遊技機ベースユニット13の背面側や遊技機ベースユニット13の後方に設けられた制御装置とを電気的に接続するための信号線の通し孔として、開放用孔部155を兼用してもよい。
上記のように第1スピーカ装置63の背面側から第1閉空間151に出力された音は開放用孔部155を通じてパチンコ機10の前方に伝わることとなるが、第1閉空間151におけるその他の箇所では密閉性が高められている。つまり、既に説明したように、前側縁枠部112及び後側縁枠部114によりパチンコ機10の外周部分に重なり領域が形成されているとともに、当該重なり領域に対してゴムパッキン117が設けられており、さらに窓孔22の周縁部121と窓パネルユニット53との間に重なり領域が形成されているとともに、当該重なり領域に対してゴムパッキン123が設けられている。これにより、第1閉空間151の密閉性が高められている。かかる密閉性の向上は、前壁部111に形成された仕切壁133,134と後壁部113に形成された仕切壁143,144との前後方向の重なりが、所定範囲に亘っての面接触により行われていることによっても図られている。上記のように密閉性が高められていることにより、開放用孔部155を通じて伝わる特定周波数未満の音を除いて、第1スピーカ装置63の前面側から出力された音と、第1スピーカ装置63の背面側から出力された音とが打ち消しあうことが抑制され、高音質化が図られる。ちなみに、窓孔22の周縁部121と窓パネルユニット53との間の密閉性が高められていることにより、遊技領域を流下する遊技球に対する、第1スピーカ装置63の背面側から出力された音の影響が低減されるという効果も奏することができる。
後壁部113において第1閉空間151を区画する領域の前面には、図5及び図7に示すように、吸音手段として、吸音材157が設けられている。本パチンコ機10では吸音材157としてフェルトを用いているが、これに限定されることはなく、グラスウール、ポリウレタン又は汎用のゴム板などを用いてもよい。吸音材157は、第1閉空間151を区画する他の領域に比して硬度が低いものである。また、吸音材157は、開放用孔部155を塞がないようにして、後壁部113の前面に貼り付けられている。かかる吸音材157が設けられていることにより、第1スピーカ装置63の背面側から出力される音の出力レベルが適度に抑えられており、第1閉空間151内における共鳴などに基づく音のビビリを低減することができる。これにより、高音質化が図られる。なお、図2においては、説明の便宜上、吸音材157を省略している。
その一方、前壁部111において第1閉空間151を区画する領域の背面には、ベース枠51の面方向の強度を高めるために補強金属板158が固定されており、吸音材157は設けられていない。なお、図2においては、説明の便宜上、補強金属板158を省略している。
後壁部113において第1閉空間151を区画する領域の前面及び前壁部111において第1閉空間151を区画する領域の背面の両方に吸音材157を設ける構成も考えられるが、この場合、それだけ第1閉空間151の容積に制約が生じるため、好ましくない。また、第1閉空間151の側部を区画する領域は、遊技機前面ユニット14の開放に際して分離される境界が存在しているため、当該境界に吸音材157を設けると遊技機前面ユニット14の開閉操作に際して吸音材157の噛み込みが生じるおそれがあり好ましくない。さらには、補強金属板158を前壁部111の背面ではなく前面に設けるとともに、前壁部111の背面に吸音材157を設ける構成も考えられるが、前壁部111の前面側には既に説明したようにLED基板61,62、上皿ユニット71及び下皿ユニット72が設けられるため空間的な余裕がなく、当該前壁部111の前面側に補強金属板158を設けるのは好ましくない。したがって、ビビリ音の抑制化及びベース枠51における面方向の強度の向上の両方を好適に図る上では、後壁部113において第1閉空間151を区画する領域の前面に吸音材157を設けるとともに、前壁部111において第1閉空間151を区画する領域の背面に補強金属板158を設ける構成とすることが好ましい。
ちなみに、樹脂ベース21の面方向の強度を高めるために、図5において二点鎖線で示すように、後壁部113の背面側に補強金属板159を設けてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成について>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。図8では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置81に設けられた主制御基板161には、主制御回路162と停電監視回路163とが内蔵されている。主制御回路162には、MPU164が搭載されている。MPU164には、当該MPU164により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM165及び、そのROM165内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM166などが内蔵されている。
主制御回路162の入力側には、停電監視回路163、払出制御装置97に設けられた払出制御基板171及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路163には電源及び発射制御装置98の電源及び発射制御基板172が接続されており、主制御回路162には停電監視回路163を介して電力が供給される。また、主制御回路162の出力側には、停電監視回路163及び払出制御基板171が接続されているとともに、中継端子板173を介して音声ランプ制御装置82の音声ランプ制御基板174が接続されている。
主制御回路162のMPU164では、可変入賞装置25や作動口26,27等といった入賞部に遊技球が入球したか否かを判定する入球判定処理を実行する。そして、入球判定処理において所定の入賞部に対する入球の発生を特定した場合には、払出制御基板171に賞球コマンドを送信し、遊技球の払出を実行させる。また、MPU164では、上記入球判定処理の他に、作動口26,27への入球の発生に基づく大当たり発生抽選処理や、大当たり状態の発生に際して可変入賞装置25を開閉動作させる開閉処理などを実行する。そして、MPU164では、これら処理結果に応じて遊技の進行を制御することとなるが、かかる遊技の進行に伴う演出をスピーカ装置63,64から出力される音などにより行わせるために、音声ランプ制御基板174に演出用コマンドを送信する。
停電監視回路163は、主制御回路162と電源及び発射制御基板172とを中継し、また電源及び発射制御基板172から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板171は、主制御回路162のMPU164から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置96を通じて賞球の払出制御などを行うものである。演算装置であるMPU175は、そのMPU175により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM176と、ワークメモリ等として使用されるRAM177とを備えている。
電源及び発射制御基板172は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路162や払出制御基板171等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による発射ハンドル44の操作にしたがって遊技球発射機構43の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構43は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板174は、主制御回路162のMPU164から送信される演出用コマンドに基づいて、LED基板61,62、スピーカ装置63,64及び表示制御装置178を制御するものである。演算装置であるMPU181は、そのMPU181により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM182と、ワークメモリ等として使用されるRAM183とを備えている。なお、スピーカ装置63,64から出力される音を通じて演出が行われる構成に限定されることはなく、所定の異常状態が主制御回路162のMPU164にて特定された場合には、その報知を行うためにスピーカ装置63,64から音が出力される構成としてもよい。また、表示制御装置178を通じて図柄表示装置32が表示制御される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技機前面ユニット14が閉鎖位置に配置されている状態では遊技機前面ユニット14のベース枠51と遊技機ベースユニット13の樹脂ベース21とにより閉空間151,152が区画形成され、スピーカ装置63,64の背面側からは当該閉空間151,152に対して音が出力される。これにより、スピーカ装置63,64の前面側から出力された音と背面側から出力された音との打ち消し合いが起こりにくくなり、高音質化が図られる。特に、本構成では、遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13とを用いて閉空間151,152が形成される構成であるため、閉空間151,152を形成するために遊技機前面ユニット14及び遊技機ベースユニット13とは別の部材を設ける必要はない。したがって、遊技機前面ユニット14の背面側や遊技機ベースユニット13の前面側の空間を有効活用しながら、上記効果を奏することができる。さらには、遊技機前面ユニット14を開放位置に配置することで、閉空間151,152をパチンコ機10前方に開放させることができるため、閉空間151,152のメンテナンスやスピーカ装置63,64のメンテナンスを良好に行うことができる。
また、スピーカ装置63,64の背面側から閉空間151,152に音を出力する構成においては、当該閉空間151,152により囲まれる空気の粘性分によってスピーカ装置63,64の振動板103,104の振動が抑制され易くなる。この場合に、樹脂ベース21の後壁部113において閉空間151,152を区画する領域には開放用孔部155が形成されており、閉空間151,152が外部に開放されているため、スピーカ装置63,64の振動板103,104の振動が抑制され難くなる。また、仮に、ベース枠51の前壁部111において閉空間151,152を区画する領域に開放用孔部を形成する構成においては、当該開放用孔部を通じてパチンコ機10前方から遊技機ベースユニット13の前面側に不正用治具を挿入し易くなるが、上記のように後壁部113に開放用孔部155が形成されていることにより、かかる不都合の発生を抑えながら、開放用孔部155を設けることができる。
さらには、開放用孔部155は低音域において設定された特定周波数の音を増強するためのバスレフポートとして機能し、さらに開放用孔部155から放射される音は遊技機ベースユニット13と外枠11との間の隙間などからパチンコ機10前方に伝わり、上記特定周波数の音が増強される。これにより、低音域の音質の向上が図られる。
スピーカ装置63,64が遊技機前面ユニット14に設けられた構成の場合、当該スピーカ装置63,64に孔を開ける又はスピーカ装置63,64を取り外すといった行為により、パチンコ機10前方から遊技機前面ユニット14の後方へ通じる通路を不正に形成し、当該通路を通じて遊技機前面ユニット14の後方へ不正用治具を挿入する行為が想定される。そして、上記のように後壁部113に開放用孔部155が形成された構成においては、当該開放用孔部155を通じて上記不正用治具をさらに遊技機ベースユニット13の背面側に侵入させる行為が想定される。これに対して、開放用孔部155の孔長方向に延びる中心軸線がスピーカ装置63,64の厚み方向に延びる中心軸線と同一直線上とならない位置に開放用孔部155が形成されているため、スピーカ装置63,64の位置から直線的に不正用治具を挿入したとしてもそれが開放用孔部155に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースユニット13の背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特に、開放用孔部155は、後壁部113において遊技機前面ユニット14が閉鎖位置に配置されている場合にスピーカ装置63,64のパチンコ機10後方の領域から外れた位置に形成されているため、スピーカ装置63,64の位置から不正用治具を挿入したとしても、当該不正用治具の曲げ操作などを行って当該不正用治具の先端側をさらに開放用孔部155の位置まで持っていく必要があり、当該不正用治具が開放用孔部155に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースユニット13の背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
また、開放用孔部155は、孔長方向に対して直交する方向の断面の面積がスピーカ装置63,64の前面側の面積よりも小さくなるように形成されている。この点からも、スピーカ装置63,64の位置から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が開放用孔部155に入り込みづらくなり、当該不正用治具が遊技機ベースユニット13の背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
また、開放用孔部155は、前壁部111と後壁部113との間において閉空間151,152の周面を構成する領域に対して、閉空間151,152の内側に離間された位置に形成されている。これにより、スピーカ装置63,64の位置から挿入した不正用治具の先端側を閉空間151,152の周面に沿わせることで当該先端側を開放用孔部155の位置まで持っていこうとしても、それが行いづらくなる。
遊技機ベースユニット13の前面側の空間を有効活用すべく、遊技領域と閉空間151,152とが隣接された構成において、樹脂ベース21に形成された窓孔22とベース枠51に取り付けられた窓パネルユニット53の重なり領域により、遊技領域と閉空間151,152とが区画されている。これにより、スピーカ装置63,64の背面側から出力された音による振動が遊技領域における空気にまで伝わりにくくなり、遊技領域を流下する遊技球に対するスピーカ装置63,64の背面側から出力された音の影響を低減することができる。
また、上記区画構造は、窓孔22の周縁部121の内側に窓パネルユニット53のパネル枠体54が入り込み、これら周縁部121とパネル枠体54とが内外に重なり合うことにより形成されている。これにより、遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13との境界から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が遊技領域にまで侵入してしまうことを抑制することができるとともに、閉空間151,152から遊技領域側への密閉性が高められることに起因して、スピーカ装置63,64の背面側から閉空間151,152に出力された音による振動が遊技領域の空気にまで伝わりにくくなる。
さらに、上記区画構造は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とする窓孔22及び窓パネルユニット53を用いて形成されている。つまり、パチンコ機10において遊技領域を視認可能とするために必要な構成を利用して上記区画構造が形成されることで、構成の簡素化を図りつつ、区画構造に起因した上記優れた効果を奏することができる。
閉空間151,152を区画する周面に硬度低下領域として吸音材157が設けられていることにより、スピーカ装置63,64の背面側から出力される音の出力レベルが適度に抑えられており、閉空間151,152内における共鳴などに基づく音のビビリを低減することができる。これにより、高音質化が図られる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、開放用孔部155が、遊技機ベースユニット13の樹脂ベース21を構成する後壁部113に対して形成されていたが、本実施の形態ではそれが、遊技機前面ユニット14のベース枠51を構成する前壁部111に対して形成されている。当該構成について、図9を用いて説明する。図9は、第1閉空間151及びその周辺部分の構成を示すパチンコ機10の縦断面図である。なお、図9において、遊技機ベースユニット13及び遊技盤23の背面側の構成は、説明の便宜上、省略する。また、上記第1の実施の形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施の形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図9に示すように、前壁部111において第1閉空間151を区画する領域には前後方向の断面円形の貫通孔191が形成されているとともに、当該貫通孔191が形成された領域に対してポート形成部材192が取り付けられている。ポート形成部材192は、貫通孔191の孔径と同一の孔径を有する筒孔193が形成された筒状部194と、当該筒状部194において筒孔193の一方の開口側端部から外側に張り出すようにして形成されたフランジ部195と、が一体形成されてなる。
ポート形成部材192は、貫通孔191と同一軸線上に筒孔193が位置し、且つ前壁部111の背面において貫通孔191の周縁部にフランジ部195が重なるように、前壁部111の背面側に配置され、その状態で前壁部111の背面側からネジ止めされている。これにより、第1閉空間151には、第1スピーカ装置63の背面側から第1閉空間151に出力された音を、パチンコ機10前方に向けて放射するためのバスレフポートとして開放用孔部196が設けられている。
当該開放用孔部196の長さ寸法及び孔径は、低音域における特定周波数の音を共鳴させることができるように設定されている。また、開放用孔部196のパチンコ機10前方には前面カバー65が設けられているが、当該前面カバー65において開放用孔部196と対向する領域には、バスレフポート側放出孔として複数のスリット197が形成されている。
以上詳述した本実施の形態によれば、第1スピーカ装置63の背面側から出力された音であって特定周波数の音は、開放用孔部196にて共鳴し、位相が反転した状態、すなわち第1スピーカ装置63の前面側から出力される音と同位相となった状態で、遊技機前面ユニット14の前方に放射される。これにより、低音域の音質の向上が図られる。特に、本構成によれば、開放用孔部196にて共鳴された特定周波数の音は、開放用孔部196からパチンコ機10前方に向けて放射されるため、当該音が遊技者に伝わり易くなる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、開放用孔部155が、遊技機ベースユニット13の樹脂ベース21を構成する後壁部113に対して形成されていたが、本実施の形態では、かかる開放用孔部155が形成されておらず、代わりに、当該開放用孔部155の機能が遊技球を所定の領域に導くための通路にて兼用されている。当該構成について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、本実施の形態における第1閉空間201の領域を説明するためのパチンコ機10の正面図であり、図11は、第1閉空間201及びその周辺部分の構成を示すパチンコ機10の縦断面図である。なお、図11において、遊技機ベースユニット13及び遊技盤23の背面側の構成は、説明の便宜上、省略する。また、上記第1の実施の形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施の形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図10に示すように、第1閉空間201は、遊技機本体12の回動先端側において、窓パネルユニット53の上方から当該窓パネルユニット53の下方に至る領域に亘って、当該窓パネルユニット53を迂回するようにして形成されている。この場合、第1閉空間201の下側は、遊技機前面ユニット14に設けられた仕切壁202と、遊技機ベースユニット13に設けられた仕切壁203とが上下に重ね合わせられた領域により区画されている。
つまり、第1閉空間201は、図10及び図11に示すように、前側縁枠部112及び後側縁枠部114の重なり領域と、窓孔22の周縁部121及び窓パネルユニット53の重なり領域と、窓パネルユニット53よりも上方の各仕切壁133,143の重なり領域と、窓パネルユニット53よりも下方の各仕切壁202,203の重なり領域とにより、区画形成されている。
上記下側を区画する仕切壁202,203の高さ位置は、戻り球回収部77の上方開放部78の高さ位置とほぼ同一となっており、各仕切壁202,203は戻り球回収部77の上方開放部との干渉を回避するように一部が除去されている。上記のように各仕切壁202,203が形成されていることにより、第1閉空間201は戻り球回収部77に形成された回収通路204と連通されている。また、回収通路204は、下皿74に対して直接連通されている。これにより、第1閉空間201は、回収通路204を通じて下皿74と連通されている。
上記構成では、第1閉空間201を外部に開放させるための開放用孔部が回収通路204を用いて形成されている。これにより、パチンコ機10において遊技球を所定の領域に導くための構成を利用して、第1閉空間201を外部に開放させることができる。特に、戻り球回収部77は、遊技球発射機構43から発射されたが遊技領域まで至らず誘導レール内を逆流してくる戻り球を回収するためのものである。したがって、戻り球回収部77において上方開放部78は、その機能を発揮させる上で確実に遊技機前面ユニット14と遊技機ベースユニット13との間の空間に臨むこととなる。そして、当該戻り球回収部77を開放用孔部として用いることにより、戻り球回収部77の構成をそのまま利用して、第1閉空間151を外部に開放させることができる。
また、戻り球回収部77の上方開放部78から下皿74の球入口74aに至る回収通路204は、その長さ寸法及び断面積(又は回収通路204の容積)が、低音域における特定周波数の音を共鳴させることができるように設定されている。下皿74はパチンコ機10前面において開放されている。これにより、第1スピーカ装置63の背面側から出力された音であって特定周波数の音は、回収通路204にて共鳴し、位相が反転した状態、すなわち第1スピーカ装置63の前面側から出力される音と同位相となった状態で、遊技機前面ユニット14の前方に放射される。これにより、低音域の音質の向上が図られる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、第1スピーカ装置63の前面の向き、及び第1閉空間151に形成された開放用孔部の位置が上記第1の実施の形態と異なっている。当該構成について、図12を用いて説明する。図12は、第1閉空間151及びその周辺部分の構成を示すパチンコ機10の縦断面図である。なお、図12において、遊技機ベースユニット13及び遊技盤23の背面側の構成は、説明の便宜上、省略する。また、上記第1の実施の形態と相違する構成について説明し、上記第1の実施の形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図12に示すように、前壁部111において第1閉空間151を区画する領域は、その上半分が斜め下方を向くように形成されている。そして、当該斜め下方を向くように形成された領域に対して第1スピーカ装置63が取り付けられており、第1スピーカ装置63の前面も斜め下方を向いている。これにより、第1スピーカ装置63の前面側から出力された音は、パチンコ機10の前方であって斜め下方、すなわち遊技者の頭部に向けて伝搬していく。
上記構成において、開放用孔部211は、後壁部113において第1閉空間を区画する領域に形成されているが、その形成された位置は、遊技盤23の配置領域から外れた位置となっている。つまり、本実施の形態では、開放用孔部211は、後壁部113に形成された貫通孔のみによって構成されており、上記第1の実施の形態と異なり、開放用孔部211には遊技盤23に形成された貫通孔は含まれていない。
また、開放用孔部211が形成された位置は、第1スピーカ装置63のパチンコ機10後方への投影範囲には含まれるものの、第1スピーカ装置63を挿通させるための開口部105のパチンコ機10後方への投影範囲には含まれていない。さらには、開放用孔部211は、その中心軸線が第1スピーカ装置63の中心軸線と同一直線上とならない位置に形成されている。これにより第1スピーカ装置63を取り外して、開口部105を通じて直線的に不正用治具を挿入したとしてもそれが開放用孔部211に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースユニット13の背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記第1の実施の形態では、開放用孔部155がバスレフポートとして機能する構成としたが、当該開放用孔部155が閉空間151,152を外部に開放させる機能を有するものの、バスレフポートとしての機能を有さない構成としてもよい。この場合であっても、閉空間151,152により囲まれる空気の粘性分が低下するため、開放用孔部155が設けられていない構成に比べれば、高音質化が図られる。
また、本構成においては、開放用孔部155が放射されてしまう音がパチンコ機10前方に伝搬していかないようにするための密閉性向上構造を、遊技機ベースユニット13と外枠11との境界や、遊技機本体12と外枠11との境界に設けてもよい。
(2)上記第1の実施の形態では、1個の閉空間151,152に対して1個の開放用孔部155を設けたが、1個の閉空間151,152に対して複数の開放用孔部155を設けてもよい。
また、1個の閉空間151,152に対して1個のスピーカ装置63,64を設けたが、1個の閉空間151,152に対して複数のスピーカ装置63,64を設けてもよい。この場合、各スピーカ装置63,64のそれぞれに対応させて開放用孔部155を設けてもよく、複数のスピーカ装置63,64に対して共通する1個の開放用孔部155を設けてもよい。
また、スピーカ装置63,64の数は、2個に限定されることはなく、1個又は3個以上としてもよく、3個以上とした場合、それらスピーカ装置に対して個別に閉空間を設けてもよく、それらスピーカ装置に対して共通する1個の閉空間を設けてもよい。
(3)上記第1の実施の形態において、開放用孔部155から放射された音を、所定の位置に導くための通路を設けてもよい。この場合、当該通路として、例えば、払出装置96から払い出された遊技球を上皿73又は下皿74に導くための通路を用いてもよい。また、上記通路として、裏パックユニット15の後方に音を導く通路を設けてもよい。
(4)上記第1の実施の形態において、スピーカ装置63,64及び閉空間151,152を設ける位置は窓パネルユニット53の上方に限定されることはなく、窓パネルユニット53の側方であってもよく、窓パネルユニット53の下方であってもよい。
(5)上記第1の実施の形態において、閉空間151,152の周面が、前側縁枠部112及び後側縁枠部114の重なり領域と、窓孔22及び窓パネルユニット53の重なり領域と、前壁部111に形成された仕切壁133〜135及び後壁部113に形成された仕切壁143〜145の重なり領域と、により区画されている構成に限定されない。例えば、上記のうち、前側縁枠部112及び後側縁枠部114の重なり領域と、前壁部111に形成された仕切壁133〜135及び後壁部113に形成された仕切壁143〜145の重なり領域とにより、閉空間151,152の周面が区画されている構成としてもよく、窓孔22及び窓パネルユニット53の重なり領域と、前壁部111に形成された仕切壁133〜135及び後壁部113に形成された仕切壁143〜145の重なり領域とにより、閉空間151,152の周面が区画されている構成としてもよく、前壁部111に形成された仕切壁133〜135及び後壁部113に形成された仕切壁143〜145の重なり領域のみにより、閉空間151,152の周面が区画されている構成としてもよい。
(6)上記第1の実施の形態において、開放用孔部155の孔長方向に延びる中心軸線がスピーカ装置63,64の厚み方向に延びる中心軸線と同一直線上とならない位置に開放用孔部155が形成されているものの、スピーカ装置63,64を取り付けるための開口部105,106のパチンコ機10後方の領域に開放用孔部155が含まれている構成としてもよい。この場合であっても、スピーカ装置63,64の位置から直線的に不正用治具を挿入したとしてもそれが開放用孔部155に入り込みづらくなる。
(7)上記第1の実施の形態では、閉空間151,152に遊技領域が含まれていない構成としたが、閉空間151,152に遊技領域が含まれている構成としてもよい。この場合、スピーカ装置63,64の背面側から出力された音圧により、遊技領域を流下する遊技球の動きに変化を与えることが可能となる。
なお、閉空間151,152に遊技領域が含まれない構成であっても、スピーカ装置63,64の背面側から出力された音圧により、窓パネルユニット53を振動させることができるようにすることで、遊技領域を流下する遊技球の動きに変化を与えることが可能な構成としてもよい。
(8)上記第1の実施の形態において、窓孔22と窓パネルユニット53との重なり領域が閉空間151,152と遊技領域とを区画する区画構造として機能するのではなく、樹脂ベース21において窓孔22とは別に設けられた仕切壁と、ベース枠51において窓パネルユニット53とは別に設けられた仕切壁との重なり領域が、閉空間151,152と遊技領域とを区画する区画構造として機能する構成としてもよい。
また、窓孔22の内周側に窓パネルユニット53が入り込むことで、上記区画構造が形成される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、窓パネルユニット53の背面における外周縁に一連の枠溝を形成し、当該枠溝内に窓孔22の周縁部121の先端側が入り込むことで、上記区画構造が形成される構成としてもよい。但し、構成を単純なものとする上では、前者の構成が好ましい。
(9)上記第1の実施の形態において、ゴムパッキン117,123が設けられていない構成としてもよい。
(10)上記第1の実施の形態において、樹脂ベース21に設けられた窓孔22が遊技領域を区画する機能を有しておらず、当該遊技領域を区画する部材は遊技盤23に設けられている構成としてもよい。この場合、窓孔22は遊技領域を遊技機ベースユニット13の前面側に露出させる機能のみを有することとなる。本構成であっても、閉空間151,152と遊技領域とを区画する区画構造が、窓孔22と窓パネルユニット53との重なり領域により形成される構成としてもよい。
(11)上記第1の実施の形態において、吸音材157が設けられておらず、代わりに、後壁部113において閉空間151,152のパチンコ機10後側を区画する領域が低硬度の材料により形成されている構成としてもよい。例えば、遊技領域の一部が閉空間151,152に含まれる構成においては、遊技盤23の前面に貼り付けられているセルシートが硬度低下領域として、すなわち吸音手段として機能する構成としてもよい。
(12)上記第1の実施の形態において、吸音材157が、前壁部111において閉空間151,152のパチンコ機10前側を区画する領域に設けられている構成としてもよく、閉空間151,152における前壁部111と後壁部113との間の周面に設けられている構成としてもよい。
(13)閉空間151,152がエンクロージャとしての機能を有する点に着目すれば、開放用孔部155が形成されていなくてもよく、また吸音材157が設けられていない構成としてもよい。
(14)開放用孔部155が音圧の開放用又はバスレフポートとしての機能を有する点に着目すれば、吸音材157が設けられていない構成としてもよい。
(15)閉空間151,152がエンクロージャとしての機能を有する点及び吸音材157により出力レベルを好適に低減させることができる点に着目すれば、開放用孔部155が設けられていない構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、球受け皿として上皿73と下皿74とを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の球受け皿を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。また、停電監視装置を主制御装置81とは別に設けることで、主制御基板161は主制御回路162のみの機能を有する構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。本スロットマシンは、前方に開放された箱状をなす筐体と、当該筐体の開口を塞ぐ前面扉とを備えている。この場合に、前面扉にスピーカ装置を設けるとともに、前面扉と筐体とにより閉空間を形成する構成としてもよく、かかる構成に対して開放用孔部の構成や吸音材の構成などを適用してもよい。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技機ベース(遊技機ベースユニット13)と、
当該遊技機ベースの前方に設けられているとともに、当該遊技機ベースの前面における少なくとも一部の領域を前方から覆う閉鎖位置と当該領域を遊技機前方に開放させる開放位置とのそれぞれに配置できるように設けられた遊技機前面体(遊技機前面ユニット14)と、
当該遊技機前面体に設けられたスピーカ装置(スピーカ装置63,64)と、
を備え、
前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている状態では、当該遊技機前面体を構成する部位と前記遊技機ベースを構成する部位とにより特定空間(閉空間151,152)が区画形成される構成であり、
前記スピーカ装置は、前面側から出力された音が前記遊技機前面体の前面から遊技機前方に向けて伝わり、且つ背面側からは前記特定空間に対して音が出力されるように、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられており、
さらに、前記遊技機ベースにおいて、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部に対して所定の間隔を隔てて対向され前記特定空間の遊技機後側の範囲を区画する後壁部(後壁部113)に、前記特定空間をその外部に開放させる開放用孔部(開放用孔部155等)を備えており、
当該開放用孔部は、当該開放用孔部の孔長方向に延びる中心軸線が前記スピーカ装置の厚み方向に延びる中心軸線と同一直線上とならない位置に形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている状態では遊技機前面体を構成する部位と遊技機ベースを構成する部位とにより特定空間が区画形成され、スピーカ装置の背面側からは当該特定空間に対して音が出力される。これにより、スピーカ装置の前面側から出力された音と背面側から出力された音との打ち消し合いが起こりにくくなり、高音質化が図られる。
特に、本構成では、遊技機前面体と遊技機ベースとを用いて特定空間が形成される構成であるため、特定空間を形成するために遊技機前面体及び遊技機ベースとは別の部材を設ける必要はない。したがって、遊技機前面体の背面側や遊技機ベースの前面側の空間を有効活用しながら、上記効果を奏することができる。
また、遊技機前面体を開放状態とすることで、特定空間を遊技機前方に開放させることができるため、特定空間のメンテナンスやスピーカ装置のメンテナンスを良好に行うことができる。
また、スピーカ装置の背面側から特定空間に音を出力する構成においては、当該特定空間により囲まれる空気の粘性分によってスピーカ装置の振動板の振動が抑制され易くなる。この場合に、開放用孔部を通じて特定空間が外部に開放されているため、スピーカ装置の振動板の振動が抑制され難くなる。
また、仮に、遊技機前面から遊技機ベースに通じる孔部が形成されると、当該孔部を通じて遊技機前方から遊技機ベースに向けて不正用治具を挿入し易くなるが、後壁部に開放用孔部が形成されていることにより、上記不都合の発生を抑えながら、開放用孔部を設けることができる。
さらにまた、スピーカ装置が遊技機前面体に設けられた構成の場合、当該スピーカ装置に孔を開ける又はスピーカ装置を取り外すといった行為により、遊技機前方から遊技機前面体の後方へ通じる通路を不正に形成し、当該通路を通じて遊技機前面体の後方へ不正用治具を挿入する行為が想定される。そして、後壁部に開放用孔部が形成された構成においては、当該開放用孔部を通じて上記不正用治具をさらに遊技機ベースの背面側に侵入させる行為が想定される。これに対して、開放用孔部の孔長方向に延びる中心軸線がスピーカ装置の厚み方向に延びる中心軸線と同一直線上とならない位置に開放用孔部が形成されているため、スピーカ装置の位置から直線的に不正用治具を挿入したとしてもそれが開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
以上より、スピーカ装置から出力される音の高音質化を良好に図ることができる。
特徴A2.前記開放用孔部は、前記後壁部において、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記スピーカ装置の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、開放用孔部は、後壁部において、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている場合にスピーカ装置の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されているため、スピーカ装置の位置から不正用治具を挿入したとしても、当該不正用治具の曲げ操作などを行って当該不正用治具の先端側をさらに開放用孔部の位置まで持っていく必要があり、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴A3.前記スピーカ装置は、前記前壁部に形成された前後方向に貫通する貫通孔(開口部105,106)に対して取り付けられており、
当該貫通孔に対して前記スピーカ装置が取り付けられていることにより、当該スピーカ装置の前面側は前記前壁部の前面側に露出するとともに、当該スピーカ装置の背面側が前記特定空間側に露出し、
前記開放用孔部は、前記後壁部において、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記貫通孔の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
スピーカ装置が貫通孔を通じて遊技機前面体に設けられた構成の場合、スピーカ装置を取り外し、貫通孔を通じて遊技機前面体の後方へ不正用治具を挿入する行為が想定される。そして、上記特徴A1の構成を備え、後壁部に開放用孔部が形成された構成においては、当該開放用孔部を通じて上記不正用治具をさらに遊技機ベースの背面側に侵入させる行為が想定される。これに対して、特徴A3によれば、開放用孔部は、後壁部において、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている場合に貫通孔の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されているため、スピーカ装置の位置から不正用治具を挿入したとしても、当該不正用治具の曲げ操作などを行って当該不正用治具の先端側をさらに開放用孔部の位置まで持っていく必要があり当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴A4.前記開放用孔部は、孔長方向に対して直交する方向の断面の面積が前記スピーカ装置の前面側の面積よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、開放用孔部は、孔長方向に対して直交する方向の断面の面積がスピーカ装置の前面側の面積よりも小さくなるように形成されているため、スピーカ装置の位置から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴A5.前記スピーカ装置は、前記前壁部に形成された前後方向に貫通する貫通孔(開口部105,106)に対して取り付けられており、
当該貫通孔に対して前記スピーカ装置が取り付けられていることにより、当該スピーカ装置の前面側は前記前壁部の前面側に露出するとともに、当該スピーカ装置の背面側が前記特定空間側に露出し、
さらに、前記開放用孔部は、その孔長方向に対して直交する方向の断面の面積が、前記貫通孔の孔長方向に対して直交する方向の断面の面積よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、開放用孔部は、その孔長方向に対して直交する方向の断面の面積が、上記貫通孔の孔長方向に対して直交する方向の断面の面積よりも小さくなるように形成されているため、貫通孔から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴A6.前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部と前記後壁部との間に位置することで前記特定空間の周面を区画する領域に対して、前記特定空間の内側に離間されることとなる位置に前記開放用孔部が形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
スピーカ装置の位置から不正用治具が挿入された場合、当該不正用治具の先端側を特定空間の周面に沿わせることで当該先端側を開放用孔部の位置まで持っていく行為が想定される。これに対して、特徴A6によれば、開放用孔部は、特定空間の周面を区画する領域に対して、特定空間の内側に離間されることとなる位置に形成されているため、不正用治具の先端側を特定空間の周面に沿わせたとしても、当該先端側が開放用孔部に入り込みづらくなる。
特徴A7.前記スピーカ装置は、前記遊技機ベースの背面側又は当該遊技機ベースの後方に設けられた装置(音声ランプ制御装置82)と配線(信号線156)を介して電気的に接続されており、当該配線を通じて当該装置から供給される電力又は信号に基づいて動作するものであり、
前記配線は、前記開放用孔部を通じて、前記遊技機ベースの前後に通されていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、開放用孔部を配線の通し孔として兼用することができる。
特徴B1.遊技機ベース(遊技機ベースユニット13)と、
当該遊技機ベースの前方に設けられているとともに、当該遊技機ベースの前面における少なくとも一部の領域を前方から覆う閉鎖位置と当該領域を遊技機前方に開放させる開放位置とのそれぞれに配置できるように設けられた遊技機前面体(遊技機前面ユニット14)と、
当該遊技機前面体に設けられたスピーカ装置(スピーカ装置63,64)と、
を備え、
前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている状態では、当該遊技機前面体を構成する部位と前記遊技機ベースを構成する部位とにより特定空間(閉空間151,152)が区画形成される構成であり、
前記スピーカ装置は、前面側から出力された音が前記遊技機前面体の前面から遊技機前方に向けて伝わり、且つ背面側からは前記特定空間に対して音が出力されるように、前記遊技機前面体において前記特定空間を区画形成する領域に対して取り付けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている状態では遊技機前面体を構成する部位と遊技機ベースを構成する部位とにより特定空間が区画形成され、スピーカ装置の背面側からは当該特定空間に対して音が出力される。これにより、スピーカ装置の前面側から出力された音と背面側から出力された音との打ち消し合いが起こりにくくなり、高音質化が図られる。
特に、本構成では、遊技機前面体と遊技機ベースとを用いて特定空間が形成される構成であるため、特定空間を形成するために遊技機前面体及び遊技機ベースとは別の部材を設ける必要はない。したがって、遊技機前面体の背面側や遊技機ベースの前面側の空間を有効活用しながら、上記効果を奏することができる。
さらには、遊技機前面体を開放状態とすることで、特定空間を遊技機前方に開放させることができるため、特定空間のメンテナンスやスピーカ装置のメンテナンスを良好に行うことができる。
以上より、スピーカ装置から出力される音の高音質化を良好に図ることができる。
特徴B2.前記遊技機ベースは、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技板(遊技盤23)を有してなるものであるとともに、前記遊技機前面体は、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓パネル部(窓パネルユニット53)を有してなるものであり、
前記特定空間は、前記遊技領域を区画する区画構造を挟んで、当該遊技領域に対して隣接させて設けられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技領域と特定空間とが区画構造を挟んで隣接しているため、遊技の注目度を図るべく遊技領域の大型化が図られた場合であっても、特定空間を好適に確保することができる。また、遊技領域を区画する区画構造を利用して特定空間を区画形成することができる。
特徴B3.前記遊技機ベースは、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技板(遊技盤23)を有してなるものであるとともに、前記遊技機前面体は、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓パネル部(窓パネルユニット53)を有してなるものであり、
前記特定空間は、前記遊技領域を含まないように区画形成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B3によれば、スピーカ装置の背面側から特定空間に出力された音による振動が遊技領域における空気にまで伝わりにくくなり、遊技領域を流下する遊技球に対するスピーカ装置の背面側から出力された音の影響を低減することができる。
特徴B4.前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に、前記遊技機前面体と前記遊技機ベースとの間の空間において、前記遊技板の前記遊技領域を形成する領域と前記窓パネル部との間の空間を周囲の空間から区画する区画構造を備え、
前記特定空間は、前記区画構造により区画される領域の外部に設けられていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、区画構造が設けられていることにより、遊技機前面体と遊技機ベースとの境界から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が遊技領域にまで侵入してしまうことが抑制される。この場合に、特定空間は、区画構造により区画される領域の外部に設けられているため、遊技領域への不正用治具の侵入を抑制する構造を利用して、スピーカ装置の背面側から特定空間に出力された音による振動が遊技領域の空気にまで伝わりにくくすることができる。
特徴B5.前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合、前記遊技領域と前記特定空間とは、前記区画構造を挟んで隣接していることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技領域と特定空間とが区画構造を挟んで隣接しているため、遊技の注目度を図るべく遊技領域の大型化が図られた場合であっても、特定空間を好適に確保することができる。
特徴B6.前記窓パネル部は、前記遊技機前面体の背面側に取り付けられているとともに、前記遊技機ベースは、前記遊技領域を区画する又は前記遊技領域を前記遊技機ベースの前方に向けて露出させる区画孔部(窓孔22)を備えており、
前記区画構造は、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に、前記窓パネル部の周縁部と前記区画孔部の周縁部(周縁部121)とが重なり合うことで形成されるものであることを特徴とする特徴B2,特徴B4乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、区画孔部及び窓パネル部は遊技領域を遊技機前方から視認可能とするために必要な構成であり、当該視認可能とするために必要な構成を利用して区画構造が形成されることで、構成の簡素化を図りつつ、区画構造に起因した上記優れた効果を奏することができる。
特徴B7.前記スピーカ装置は、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられているとともに、
前記窓パネル部は少なくともその背面が、前記前壁部よりも遊技機後方に突出するように設けられており、
さらに、前記遊技機ベースは、前記遊技領域を区画する又は前記遊技領域を前記遊技機ベースの前方に向けて露出させる区画孔部(窓孔22)を備えており、
前記区画構造は、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に、前記窓パネル部の周縁部及び前記区画孔部の周縁部(周縁部121)のうち一方が他方の内側に入り込み両周縁部が内外に重なり合うことで形成されるものであることを特徴とする特徴B2,特徴B4乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、窓パネル部の周縁部と区画孔部の周縁部とが内外に重なり合うことで区画構造が形成されているため、区画構造により区画された領域の内側の密閉性が高められ、不正用治具の遊技領域への侵入を抑制する効果及びスピーカ装置の背面側から特定空間に出力された音による振動が遊技領域の空気にまで伝わりにくくする効果の両方をより高めることができる。
特徴B8.前記スピーカ装置は、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられており、
前記遊技機ベースは、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部に対して所定の間隔を隔てて対向配置され前記特定空間の遊技機後側の範囲を区画する後壁部(後壁部113)を備えており、
さらに、前記遊技機前面体は、前記前壁部の周縁部に、当該前壁部よりも遊技機後方に突出させて設けられた前側仕切部(仕切壁133〜135)を備えているとともに、前記遊技機ベースは、前記後壁部の周縁部に、当該後壁部よりも遊技機前方に突出させて設けられた後側仕切部(仕切壁143〜145)を備えており、
前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に、前記前側仕切部及び前記後側仕切部の少なくとも一方により、前記特定空間の周面の少なくとも一部が形成される構成であり、
前記前側仕切部及び前記後側仕切部は、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記特定空間の周面において当該特定空間の内外に重なり合うように形成されていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、遊技機前面体に形成された前側仕切部及び遊技機ベースに形成された後側仕切部の少なくとも一方により、特定空間の周面の少なくとも一部が形成される構成において、これら前側仕切部及び後側仕切部は、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている場合に、特定空間の周面において当該特定空間の内外に重なり合う構成であるため、特定空間の密閉性が高められる。これにより、スピーカ装置の背面側から特定空間に出力された音が、遊技機の設計段階において想定していない領域から遊技機前方に向けて漏れ出てしまうことが抑制される。
特徴B9.前記遊技機前面体はその周縁部に遊技機ベースに向けて突出する前側周縁部(前側縁枠部112)を備えているとともに、前記遊技機ベースはその周縁部に前記遊技機前面体に向けて突出する後側周縁部(後側縁枠部114)を備えており、
前記前側周縁部及び前記後側周縁部は、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に遊技機の周面において遊技機の内外に重なり合うように形成されており、
さらに、前記スピーカ装置は、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられており、
前記遊技機ベースは、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部に対して所定の間隔を隔てて対向配置され前記特定空間の遊技機後側の範囲を区画する後壁部(後壁部113)を備えており、
前記特定空間における前記前壁部と前記後壁部との間の周面の少なくとも一部は、前記前側周縁部及び前記後側周縁部の重なり領域により形成されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技機前面体の前側周縁部と遊技機ベースの後側周縁部とが、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている場合に遊技機の周面において遊技機の内外に重なり合う構成であるため、遊技機前面体と遊技機ベースとの境界から両者の間の空間に不正用治具を挿入しようとする行為が行いづらくなる。この場合に、特定空間における前壁部と後壁部との間の周面の少なくとも一部が、前側周縁部及び後側周縁部の重なり領域により形成されているため、上記不正用治具の挿入を抑制する構成を利用して、特定空間の密閉性が高められる。
特徴B10.前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置され前記特定空間が形成されている状態において、当該特定空間をその外部に開放させる開放用孔部(開放用孔部155等)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
スピーカ装置の背面側から特定空間に音を出力する構成においては、当該特定空間により囲まれる空気の粘性分によってスピーカ装置の振動板の振動が抑制され易くなる。この場合に、特徴B10によれば、開放用孔部を通じて特定空間が外部に開放されているため、スピーカ装置の振動板の振動が抑制され難くなる。
特徴B11.前記スピーカ装置は、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられており、
前記開放用孔部は、前記遊技機ベースにおいて、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部に対して所定の間隔を隔てて対向配置され前記特定空間の遊技機後側の範囲を区画する後壁部(後壁部113)に形成されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
仮に、遊技機前面から遊技機ベースに通じる孔部が形成されると、当該孔部を通じて遊技機前方から遊技機ベースに向けて不正用治具を挿入し易くなるが、特徴B11によれば、後壁部に開放用孔部が形成されていることにより、上記不都合の発生を抑えながら、開放用孔部を設けることができる。
特徴B12.前記開放用孔部は、当該開放用孔部の孔長方向に延びる中心軸線が前記スピーカ装置の厚み方向に延びる中心軸線と同一直線上とならない位置に形成されていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
スピーカ装置が遊技機前面体に設けられた構成の場合、当該スピーカ装置に孔を開ける又はスピーカ装置を取り外すといった行為により、遊技機前方から遊技機前面体の後方へ通じる通路を不正に形成し、当該通路を通じて遊技機前面体の後方へ不正用治具を挿入する行為が想定される。そして、上記特徴B11の構成を備え、後壁部に開放用孔部が形成された構成においては、当該開放用孔部を通じて上記不正用治具をさらに遊技機ベースの背面側に侵入させる行為が想定される。これに対して、特徴B12によれば、開放用孔部の孔長方向に延びる中心軸線がスピーカ装置の厚み方向に延びる中心軸線と同一直線上とならない位置に開放用孔部が形成されているため、スピーカ装置の位置から直線的に不正用治具を挿入したとしてもそれが開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴B13.前記開放用孔部は、前記後壁部において、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記スピーカ装置の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されていることを特徴とする特徴B11又はB12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、開放用孔部は、後壁部において、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている場合にスピーカ装置の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されているため、スピーカ装置の位置から不正用治具を挿入したとしても、当該不正用治具の曲げ操作などを行って当該不正用治具の先端側をさらに開放用孔部の位置まで持っていく必要があり、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴B14.前記スピーカ装置は、前記前壁部に形成された前後方向に貫通する貫通孔(開口部105,106)に対して取り付けられており、
当該貫通孔に対して前記スピーカ装置が取り付けられていることにより、当該スピーカ装置の前面側は前記前壁部の前面側に露出するとともに、当該スピーカ装置の背面側が前記特定空間側に露出し、
前記開放用孔部は、前記後壁部において、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記貫通孔の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されていることを特徴とする特徴B11又はB12に記載の遊技機。
スピーカ装置が貫通孔を通じて遊技機前面体に設けられた構成の場合、スピーカ装置を取り外し、貫通孔を通じて遊技機前面体の後方へ不正用治具を挿入する行為が想定される。そして、上記特徴B11の構成を備え、後壁部に開放用孔部が形成された構成においては、当該開放用孔部を通じて上記不正用治具をさらに遊技機ベースの背面側に侵入させる行為が想定される。これに対して、特徴B14によれば、開放用孔部は、後壁部において、遊技機前面体が閉鎖位置に配置されている場合に貫通孔の遊技機後方の領域から外れた位置に形成されているため、スピーカ装置の位置から不正用治具を挿入したとしても、当該不正用治具の曲げ操作などを行って当該不正用治具の先端側をさらに開放用孔部の位置まで持っていく必要があり、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴B15.前記開放用孔部は、孔長方向に対して直交する方向の断面の面積が前記スピーカ装置の前面側の面積よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴B11乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、開放用孔部は、孔長方向に対して直交する方向の断面の面積がスピーカ装置の前面側の面積よりも小さくなるように形成されているため、スピーカ装置の位置から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴B16.前記スピーカ装置は、前記前壁部に形成された前後方向に貫通する貫通孔(開口部105,106)に対して取り付けられており、
当該貫通孔に対して前記スピーカ装置が取り付けられていることにより、当該スピーカ装置の前面側は前記前壁部の前面側に露出するとともに、当該スピーカ装置の背面側が前記特定空間側に露出し、
さらに、前記開放用孔部は、その孔長方向に対して直交する方向の断面の面積が、前記貫通孔の孔長方向に対して直交する方向の断面の面積よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴B11乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B16によれば、開放用孔部は、その孔長方向に対して直交する方向の断面の面積が、上記貫通孔の孔長方向に対して直交する方向の断面の面積よりも小さくなるように形成されているため、貫通孔から不正用治具が挿入されたとしても、当該不正用治具が開放用孔部に入り込みづらくなる。よって、上記不正用治具が遊技機ベースの背面側にまで侵入してしまうことを抑制することができる。
特徴B17.前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部と前記後壁部との間に位置することで前記特定空間の周面を区画する領域に対して、前記特定空間の内側に離間されることとなる位置に前記開放用孔部が形成されていることを特徴とする特徴B11乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
スピーカ装置の位置から不正用治具が挿入された場合、当該不正用治具の先端側を特定空間の周面に沿わせることで当該先端側を開放用孔部の位置まで持っていく行為が想定される。これに対して、特徴B17によれば、開放用孔部は、特定空間の周面を区画する領域に対して、特定空間の内側に離間されることとなる位置に形成されているため、不正用治具の先端側を特定空間の周面に沿わせたとしても、当該先端側が開放用孔部に入り込みづらくなる。
特徴B18.前記スピーカ装置は、前記遊技機ベースの背面側又は当該遊技機ベースの後方に設けられた装置(音声ランプ制御装置82)と配線(信号線156)を介して電気的に接続されており、当該配線を通じて当該装置から供給される電力又は信号に基づいて動作するものであり、
前記配線は、前記開放用孔部を通じて、前記遊技機ベースの前後に通されていることを特徴とする特徴B11乃至B17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、開放用孔部を配線の通し孔として兼用することができる。
特徴B19.前記遊技機ベースは、遊技球が流下する遊技領域が前面に形成された遊技板(遊技盤23)を有してなるものであるとともに、前記遊技機前面体は、前記遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓パネル部(窓パネルユニット53)を有してなるものであり、
前記開放用孔部は、遊技球を所定の位置に導く媒体通路(回収通路204)を用いて形成されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B19によれば、媒体通路を用いて開放用孔部が形成されているため、遊技機において必要な構成を利用しながら、開放用孔部を設けたことによる効果を奏することができる。
特徴B20.前記媒体通路は、複数の開口部を備えており、
それら複数の開口部のうち第1開口部(上方開放部78)を通じて前記媒体通路が前記特定空間に連通されるとともに、第2開口部(球入口74a)は遊技機前面に配置されていることを特徴とする特徴B19に記載の遊技機。
特徴B20によれば、開放用孔部をバスレフポートとして利用することが可能となり、さらなる高音質化を図ることが可能となる。また、媒体通路という遊技機において必要な構成を利用しながら、かかる効果を奏することができる。
特徴B21.予め定められた発射操作に基づいて前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構43)と、
当該発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域に向けて誘導する誘導部(内レール部41、外レール部42)と、
前記発射手段よりも遊技球の発射方向側に設けられ、前記誘導部を逆流してくる遊技球を回収する回収部(戻り球回収部77)と、
前記遊技領域における遊技結果に基づいて遊技球を払い出す払出手段(払出装置96)と、
遊技機前面に設けられ、当該払出手段から払い出された遊技球を貯留する球受け皿(下皿74)と、
を備え、
前記回収部は、前記誘導部を逆流してくる遊技球の回収口(上方開放部78)が、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている状態において前記特定空間に臨むように形成されており、
前記媒体通路は、前記回収部にて回収した遊技球を前記球受け皿に排出する通路であることを特徴とする特徴B20に記載の遊技機。
特徴B21によれば、回収部は誘導部を逆流してくる遊技球を回収するものであるため、その機能を発揮させる上では、その回収口が確実に遊技機前面体と遊技機ベースとの間の空間に臨むこととなる。この場合に、当該回収部にて回収した遊技球を球受け皿に排出する通路を用いて開放用孔部が形成されていることにより、遊技機において必要な構成を好適に利用しながら、上記効果を奏することができる。
特徴B22.前記スピーカ装置は、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられており、
前記開放用孔部は、前記前壁部において前記スピーカ装置と重ならない位置に形成されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B22によれば、開放用孔部をバスレフポートとして利用することが可能となり、さらなる高音質化を図ることが可能となる。
特徴B23.前記遊技機前面体において前記特定空間を形成する領域又は前記遊技機ベースにおいて前記特定空間を形成する領域の少なくとも一方は、前記特定空間を区画する壁面の一部を他の壁面に比べ硬度を低くする硬度低下領域(吸音材157)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B23によれば、硬度低下領域が設けられていることにより、スピーカ装置の背面側から特定空間に出力された音の出力レベルを好適に抑えることができる。
特徴B24.前記スピーカ装置は、前記遊技機前面体において前記特定空間の遊技機前側の範囲を区画する前壁部(前壁部111)に取り付けられており、
前記遊技機ベースは、前記遊技機前面体が前記閉鎖位置に配置されている場合に前記前壁部に対して所定の間隔を隔てて対向配置され前記特定空間の遊技機後側の範囲を区画する後壁部(後壁部113)を備えており、
前記硬度低下領域は、前記後壁部の前面に設けられていることを特徴とする特徴B23に記載の遊技機。
特徴B24によれば、硬度低下領域がスピーカ装置の後方に配置されるため、スピーカ装置の背面側から出力された音圧を好適に硬度低下領域にて受けることが可能となる。
特徴B25.前記前壁部は、前記硬度低下領域よりも硬度が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴B24に記載の遊技機。
遊技ホールへの遊技機の設置状態において遊技機前面体は遊技者側に露出することとなるため、遊技者により遊技機前面体に対して負荷が加えられることが想定される。この場合に、特徴B25によれば、前壁部を硬度低下領域よりも硬度が高くなるように構成されていることで、上記負荷が加えられた場合に前壁部が破損してしまう可能性が低減される。
特徴B26.前記前壁部の背面には、当該前壁部の面方向の強度を高める補強部(補強金属板158)が設けられていることを特徴とする特徴B25に記載の遊技機。
特徴B26によれば、前壁部の背面に補強部が設けられていることにより、遊技機前面体に対して負荷が加えられた場合に前壁部が破損してしまう可能性が低減される。また、前壁部の背面に補強部を設けるとともに、後壁部の前面に硬度低下領域を設けることにより、前壁部の破損の防止と、スピーカ装置の背面側から出力された音の出力レベルの低下との両立を、好適に図ることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射機構と、その発射された遊技球を遊技装置に設けられた遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球したことに基づいて払出装置から遊技球が払い出される遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。