JP5741464B2 - 入力装置の製造方法、及び当該入力装置の製造に用いられる製造装置 - Google Patents

入力装置の製造方法、及び当該入力装置の製造に用いられる製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、入力面における静電容量を検出することにより、当該入力面への入力の有無を判定する入力装置を製造する方法、及び当該入力装置の製造に用いられる製造装置に関する。
従来、操作者の指等が入力面に接することにより、当該入力面への入力の有り判定をする入力装置が知られている。このような装置として、例えば、特許文献1に開示の静電容量式スチッチ装置は、入力面の静電容量を検出する検出電極及び静電容量検出回路と、検出電極にて検出された静電容量の値に基づいて入力面への入力の有無を判定するCPUとを備えている。
さらに、特許文献1の静電容量式スイッチ装置では、入力面への操作の有り判定がなされる感度(以下、「検出感度」という)を安定化させるために、検出された静電容量の値を補正するオフセット値が、オフセット制御回路によって設定される。以上により、CPUは、オフセット値による補正後の静電容量の値に基づいて、入力面への入力の有無を判定できる。
特開2007−18810号公報
さて、特許文献1に開示のような静電容量式の入力装置を製造する場合、検出電極等の検出手段によって検出される静電容量の検出容量値は、当該検出手段の製造公差等に起因して、個々にばらつき得る。故に、検出容量値を補正するオフセット値等の補正値は、個々の入力装置にてばらついて検出される検出容量値を、基準として予め規定された標準容量値に補正可能なように、個々の入力装置に対応した値であることが望ましい。
そこで、本願発明者らは、入力装置の製造時において、以下の工程を実施することを新たに想到した。その工程は、操作者の指等に相当する導電部材を入力装置の入力面に接触させた状態で個々の入力装置における検出容量値を取得し、取得された検出容量値を標準容量値に補正する値を補正値として算出して、入力装置に格納する、というものである。
しかし、上述の工程を実施したところ、導電部材を入力面に接触させる位置が僅かにずれただけでも、検出電極と導電部材との間に蓄えられる電荷の量が大きく変化してしまい、ひいては検出される検出容量値も、大きく変化してしまった。以上のように、製造時において正確な検出容量値の取得が困難となることにより、補正値は、個々の入力装置に生じる検出容量値のばらつきを正確に補正できる値にはなり難い。故に、入力装置が補正値による補正後の検出容量値に基づいて入力面への入力の有無を判定しても、個々の入力装置に生じる検出感度のばらつきは、十分に低減されなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、個々の装置に生じる検出感度のばらつきを低減可能な入力装置の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入力面における静電容量を検出容量値として検出する検出手段と、検出手段によって検出された検出容量値を補正する補正値を格納する格納手段と、補正値による補正後の検出容量値に基づいて入力面への入力の有無を判定する判定手段と、を備える入力装置を製造する方法であって、導電性の導電部材によって入力面を覆う被覆工程と、導電部材によって入力面が覆われた状態で、検出手段によって検出される入力面の検出容量値を、被覆容量値として取得する被覆取得工程と、被覆取得工程によって取得した被覆容量値、基準として予め規定された標準容量値とから、補正値算出する算出工程と、算出工程によって算出した個々の入力装置に対応する補正値を、当該入力装置の格納手段に格納する格納工程と、を含む入力装置の製造方法とする。
この発明によれば、被覆取得工程にて、入力面における検出容量値を被覆容量値として取得する際に、入力面は、導電性の導電部材に覆われた状態とされている。故に、仮に導電部材の入力面に対する位置が僅かにずれたとしても、導電部材は、入力面を挟んで検出手段を覆った状態を維持し得る。以上により、検出手段と導電部材との間に蓄えられる電荷の量は、変化し難くなる。こうして導電部材の位置ずれが許容されることにより、被覆容量値と、基準として予め規定された標準容量値とから算出される補正値は、検出手段の製造公差等に起因して個々の入力装置に不可避的に生じる検出容量値のばらつきを、正確に補正可能な値となり得る。以上により、入力装置は、その使用時において、格納手段に格納された個々の入力装置に対応する正確な補正値にて検出容量値を補正し、当該補正後の検出容量値に基づいて入力面への入力の有無を判定できる。したがって、入力面への入力の検出感度について、個々の入力装置に生じるばらつきは、低減可能となる。
請求項2に記載の発明は、検出手段は、入力面よりも面積の大きい板状を呈し当該入力面と対向する検出電極、を有し、被覆工程にて、導電部材に形成され且つ検出電極よりも面積の大きい接触面を、当該入力面に接触させることを特徴とする。
この発明のように、入力面における検出容量値の検出には、入力面と対向して配置され、且つ入力面よりも面積の大きい板状の検出電極が好適である。このような形態では、被覆工程において検出電極よりも面積の大きい接触面を当該入力面に接触させることにより、導電部材は、入力面に対して僅かにずれたとしても、入力面を挟んで検出電極の全域を覆った状態を維持し得る。故に、被覆取得工程において、検出電極と導電部材との間に蓄えられる電荷量が入力装置毎に変わってしまう事態は、回避可能となる。以上により、検出容量値のばらつきを正確に補正可能な補正値が算出され得るので、個々の入力装置に生じる検出感度のばらつきは、さらに低減可能となる。
請求項3に記載の発明は、被覆工程にて、導電部材に形成され且つ入力面よりも変形容易な接触面を、当該入力面に接触させることを特徴とする
この発明によれば、被覆工程において入力面よりも変形容易な接触面が当該入力面に接触することにより、接触面は、入力面を損傷させることなく、この入力面の形状を補完する形状に変形する。故に、接触面の入力面への密着によって、これらの間の隙間が消失し得るので、被覆取得工程において、検出手段と導電部材との間に蓄えられる電荷量が入力装置毎に変わってしまう事態は、回避可能となる。以上により、検出容量値のばらつきを正確に補正可能な補正値が算出され得るので、個々の入力装置に生じる検出感度のばらつきは、さらに低減可能となる。
請求項4に記載の発明による製造方法は、被覆工程よりも前に、入力面から導電部材を離間させた状態で、検出手段によって検出される入力面の検出容量値を、離間容量値として取得する離間取得工程、をさらに含み、被覆取得工程では、導電部材によって入力面が覆われた状態での検出容量値と離間容量値との差分を、被覆容量値として取得することを特徴とする。
この発明にて製造されるような入力装置では、入力面近傍の構成に浮遊容量が不可避的に生じ得る。この浮遊容量は、検出容量値を変化させ得る。そこで、上述の製造方法では、離間取得工程にて、入力面から導電部材を離間させた状態で、入力面の検出容量値が離間容量値として検出手段によって検出される。そして、被覆取得工程では、導電部材によって入力面が覆われた状態での検出容量値と離間容量値との差分が、被覆容量値として取得される。故に、入力面近傍の構成に生じる浮遊容量に起因した被覆容量値の変動は、回避可能となる。以上により、算出工程にて算出される補正値の正確性が向上するので、個々の入力装置に生じる検出感度のばらつきは、さらに低減可能となる。
請求項5に記載の発明は、複数の入力面の検出容量値を個別に検出する検出手段と、検出手段によって検出された検出容量値を補正する補正値を入力面毎に格納する格納手段と、各入力面に対応する各補正値による補正後の各検出容量値に基づいて、各入力面への入力の有無を個別に判定する判定手段と、を備える入力装置を製造する方法であって、当該製造方法は、被覆取得工程及び算出工程を入力面毎に順次繰り返す繰返工程、をさらに含み、格納工程では、繰返工程によって取得された入力面毎の補正値を、格納手段に格納することを特徴とする。
この発明にて製造されるような入力装置には、複数の入力面が設けられている。このような入力装置の製造方法では、繰返工程にて、被覆取得工程及び算出工程を入力面毎に順次繰り返すことにより、各入力面に対応する複数の補正値が算出される。そして、格納工程にて、入力面毎の補正値が格納手段に格納されることにより、入力装置は、複数の入力面にそれぞれ対応した正確な補正値にて補正された検出容量値に基づき、各入力面への入力の有無を判定できる。したがって、製造された複数の入力装置の間に生じる検出感度のばらつきだけでなく、一つの入力装置に設けられた複数の入力面の間に生じる検出感度のばらつきについても、低減が可能となる。
請求項6に記載の発明は、入力面における静電容量を検出容量値として検出する検出手段と、検出容量値が予め規定された判定閾値を超えたことに基づいて入力面への入力の有り判定をする判定手段と、判定閾値を格納する格納手段と備える入力装置を製造する方法であって、導電性の導電部材によって入力面を覆う被覆工程と、導電部材によって入力面が覆われた状態で、検出手段によって検出される入力面の検出容量値を、被覆容量値として取得する被覆取得工程と、被覆取得工程によって取得した被覆容量値と、基準として予め規定された標準容量値との比によって、基準として予め規定された標準閾値を補正した補正閾値を算出する算出工程と、算出工程によって算出した個々の入力装置に対応する補正閾値を、判定閾値として入力装置の格納手段に格納する格納工程と、を含む入力装置の製造方法とする。
この発明によれば、導電部材の位置ずれが許容されることにより、被覆容量値と標準容量値との比によって標準閾値を補正した補正閾値は、個々の入力装置に不可避的に生じる検出容量値のばらつきを、正確に鑑みた値となり得る。以上により、補正閾値を判定閾値とする入力装置は、その使用時において、ばらつきを鑑みて正確に設定された判定閾値に基づき、入力面への入力の有無を判定できる。したがって、個々の入力装置に生じる検出感度のばらつきは、低減可能となる。尚、請求項2〜5に記載の工程は、請求項6に記載の製造方法にも実質的に適用可能である。
請求項7に記載の発明は、入力面における静電容量を検出容量値として検出する検出手段と、検出手段によって検出された検出容量値を補正する補正値を格納する格納手段と、補正値による補正後の検出容量値に基づいて入力面への入力の有無を判定する判定手段と、を備える入力装置を製造する製造装置であって、導電性の導電部材を有し、導電部材によって入力面を覆う被覆手段と、被覆手段が導電部材によって入力面を覆う状態で、検出手段によって検出される入力面の検出容量値を、被覆容量値として取得する取得手段と、取得手段によって取得された被覆容量値、基準として予め規定された標準容量値とから、補正値算出する算出手段と、算出手段によって算出された個々の入力装置に対向する補正値を、当該入力装置の格納手段に出力する出力手段と、を備える入力装置の製造装置とする。
この発明によっても、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏するので、入力装置は、正確な補正値にて補正された検出容量値に基づいて入力面への入力の有無を判定できる。したがって、個々の入力装置に生じる検出感度のばらつきは、低減可能となる。尚、請求項2〜5に記載の工程を実施するための構成は、請求項7に記載の製造装置にも適用可能である。また、請求項7に記載の製造装置の構成は、請求項6に記載の工程を実施するための構成に適宜変更可能である。
本発明の第一実施形態による入力装置及び静電容量補正装置の電気的な構成を示すブロック図である。 入力装置の正面図である。 入力装置の構成を説明するための図であって、図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 入力面から操作者の指までの距離と、検出電極及び指間における静電容量との相関を示す図である。 第一実施形態の計測用冶具の構成及び作動を説明するための図である。 押圧ユニットの正面図である。 押圧ユニットの側面図であって、図8の矢印IXから見た矢視図である。 検出電極と導電シートとを対比して示す図であって、図7のX−X線断面図である。 図10のXI−XI線断面図である。 図11の変形例を示す図である。 静電容量補正装置による入力装置の製造工程において、補正制御部によって実施される補正値書込処理が示されるフローチャートである。 補正値書込処理が示されるフローチャートである。 判定閾値を説明するための図である。 第二実施形態の計測用冶具の構成を説明するための図である。 検出電極と導電シートとを対比して示す図であって、図16のXVII−XVII線断面図である。 図17のXVIII−XVIII線断面図である。 補正閾値書込処理が示されるフローチャートである。 補正閾値書込処理が示されるフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態による入力装置20の製造方法を図面に基づいて説明する。図1に示されるのは、入力装置20及び当該装置20の製造に用いられる静電容量補正装置70である。入力装置20は、例えば車両に搭載された空調機器の作動状態を設定するための操作が操作者によって入力される装置である。入力装置20は、操作者の手の届き易い範囲に入力面22を露出させて、例えば車両のセンタークラスタに設置されている。入力装置20は、複数のスイッチ部21、メモリ26、インターフェース部27、入力制御部25、電源部28、及び表示部29を備えている。
スイッチ部21は、図1〜3に示すように、上述の入力面22及び検出電極23を有している。入力面22は、絶縁性の樹脂材料よりなる筐体31によって形成されている。複数の入力面22のうちの一部は、他の入力面22との識別性を高めるために、基準となる面から突出する突起部22aを形成している(図5参照)。検出電極23は、入力面22における静電容量を検出する構成である。検出電極23は、板状を呈し、筐体31において入力面22の内側に配置されている。検出電極23の面積は、入力面22の面積よりも大きくされている。検出電極23は、フレキシブル基板34に形成されている。フレキシブル基板34は、コネクタ33を介して回路基板32と接続されており、筐体31の内側に貼り付けられている。
メモリ26は、図1に示すように、例えばEEPROM及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。メモリ26は、入力制御部25によって用いられるパラメータ及び特性データ等の情報を格納している。メモリ26は、特性データとして例えば検出電極23によって検出された静電容量の値(以下、「検出容量値」という)を補正する補正値、及び入力面22への入力の有無を判定するために予め規定された閾値(以下、「判定閾値」という)等を格納している。
インターフェース部27は、入力装置20の外部と情報をやり取りするための構成である。入力装置20の車両への搭載により、インターフェース部27は、車両に搭載された通信ネットワークと接続される。一方で、入力装置20の製造時には、インターフェース部27は、静電容量補正装置70と接続される。
入力制御部25は、各種の演算処理を行うプロセッサ、及び演算処理の作業領域として機能するRAM、各種制御を実行するためのプログラムを備えたROM等によって構成されている。入力制御部25は、各検出電極23と接続されており、各入力面22における検出容量値を個別に検出することができる。また、入力制御部25は、後述する補正値による補正後の検出容量値に基づいて、各入力面22への入力の有無を個別に判定する。入力制御部25は、インターフェース部27を通じて、入力装置20の外部から情報を取得すると共に、当該外部に情報を出力する。入力制御部25は、表示部29の表示を制御する。
電源部28は、入力装置20の外部から供給される電力を、入力制御部25及び表示部29等に供給する。表示部29は、図1,2に示すように、例えば液晶ディスプレイ等の表示機器であって、操作者から目視されるように表示画面を筐体31から露出させている。表示部29は、入力制御部25の制御に基づいて、例えば空調機器の作動状態を示す画像を表示画面に表示する。
以上の構成による入力装置20が入力面22への入力の有無を判定する作動を詳しく説明する。図4,5に示すように、接地状態とみなし得る操作者の指等が入力面22に接近することにより、絶縁体である筐体31を挟んで対向している指及び検出電極23との間には、電荷が蓄えられる。これら指及び検出電極23間に蓄えられる電荷の量、即ち静電容量は、図6に標準容量値Csとして示すように、入力面22から指までの距離が短くなるに従って増加する。故に、図1,4,5に示すように、検出電極23にて検出される検出容量値が予め設定されたが判定閾値を超えたことに基づいて、入力制御部25は、指による入力面22への入力が有ることを判定できる。
具体的に、例えば低感度モードとして判定閾値Ct_lを0.4ピコファラド(pF)に設定した場合、操作者の指が入力面22から1ミリメートル(mm)程度まで接近することにより、入力制御部25は、入力の有り判定をする(図6の破線を参照)。又は、例えば高感度モードとして判定閾値Ct_hを0.2pFに設定した場合、操作者の指が入力面22から3mm程度まで接近することにより、入力制御部25は、入力の有り判定をする(図6の一点鎖線を参照)。尚、標準容量値Cs(図6参照)は、計測によって実験的に求められていてもよく、又は各スイッチ部21の諸元から設計的に求められていてもよい。
こうした入力装置20では、筐体31において入力面22を形成する部分の厚み及び材質に、装置毎のばらつきが生じる。加えて、筐体31への検出電極23の取り付け位置も、装置毎にばらつき得る。こうしたばらつきに起因して、操作者の指と検出電極23との間に蓄えられる静電容量が変化することにより、入力の有り判定がなされる検出感度は、入力装置20毎にばらつくこととなる(図6の検出容量値Cmを参照)。さらに、こうした検出感度のばらつきは、製造される多数の入力装置20の間だけではなく、一つの入力装置20に設けられた複数のスイッチ部21の間においても、生じ得る。そこで、検出感度のばらつきを補正するために、各スイッチ部21に応じた補正値が、メモリ26に格納されている。入力制御部25は、検出容量値と補正値との積が判定閾値を超えたことに基づいて、入力面22への入力の有り判定を行う。
以上の補正値をスイッチ部21毎に算出してメモリ26に格納するために用いられる静電容量補正装置70について、以下詳しく説明する。図1に示すように、静電容量補正装置70は、計測用冶具50、アクチュエータ55、装置制御系統40、及び補正値算出系統60を備えている。
計測用冶具50は、導電シート51によって入力面22を覆うための構成であって、入力装置20への接近及び当該装置20からの離間を、アクチュエータ55によって制御される。計測用冶具50は、図1,7〜9に示すように、冶具筐体53、複数の抑えスプリング53b、及び複数の押圧ユニット54等によって構成されている。
冶具筐体53は、収容部53c及びガイド部53aを形成している。収容部53cは、押圧ユニット54を収容する筒穴である。収容部53cの軸方向は、計測用冶具50の移動方向に軸方向を向けられている。ガイド部53aは、収容部53cの側壁に形成されており、当該収容部53cの軸方向に沿って延伸している。
抑えスプリング53bは、板状の金属の湾曲させることによって形成されている。抑えスプリング53bは、収容部53cの底壁と、押圧ユニット54における一方の軸方向の端面との間に、押し縮められた状態で設置されている。以上により、各抑えスプリング53bは、軸方向に沿ってスイッチ部21に向かう復元力を、各押圧ユニット54に作用させる。
押圧ユニット54は、入力装置20に設けられるスイッチ部21に対応した数及び配置にて、冶具筐体53に支持されている。各押圧ユニット54は、四角柱状を呈しており、それぞれ収容部53cに収容されて、冶具筐体53に対し軸方向に移動可能である。各押圧ユニット54には、導電シート51が取り付けられると共に、ガイド溝54aが形成されている。
図8〜12に示すように、導電シート51は、矩形板状の導電性を有するゴム材料によって形成されている。導電シート51は、押圧ユニット54を通じて冶具筐体53(図7参照)と電気的に接続されることにより、接地された状態とみなされ得る状態である。導電シート51は、押圧ユニット54の軸方向にて対向する入力面22を覆うことができるよう、当該入力面22よりも面積の大きい接触面52を形成している。さらに、接触面52は、入力面22を挟んで検出電極23の全域を覆うことができるよう、当該検出電極23よりも面積を大きくされている。
具体的には図10〜12に示すように、一つのスイッチ部21において検出電極23の水平方向の幅をW0とすると、この水平方向における接触面52の幅Wsは、検出電極23の幅W0に、予め規定された余裕分e1,e2を加えた長さよりも、大きくされている。加えて、導電シート51がゴム材料によって形成されることにより、接触面52は、入力面22よりも変形容易となっている。故に、接触面52は、押圧ユニット54に作用する抑えスプリング53bの復元力によって、入力面22に密着し得る。こうした接触面52と入力面22との密着は、入力面22に突起部22aが形成されている場合にも、維持され得る(図12参照)。
ガイド溝54aは、図7〜9に示すように、押圧ユニット54において、対向する一対の側面に設けられている。ガイド溝54aは、押圧ユニット54の軸方向に沿って延伸している。ガイド溝54aは、冶具筐体53のガイド部53aと嵌合している。ガイド溝54aのガイド部53aに対する摺動により、押圧ユニット54は、軸方向へ移動可能となる。
図7に示すように、アクチュエータ55は、計測用冶具50と接続されており、押圧ユニット54の軸方向に沿って、当該計測用冶具50を移動させる。また、図1に示すように、装置制御系統40は、各種の演算処理を行うプロセッサ、及び演算処理の作業領域として機能するRAM、演算処理に用いられるプログラムを格納する記憶媒体等によって構成されている。装置制御系統40は、補正値算出系統60から受信する信号に基づいてアクチュエータ55を制御することにより、スイッチ部21に導電シート51を接触させると共に、スイッチ部21から導電シート51を離間させる。
補正値算出系統60は、個々の入力装置20に対応した補正値を算出するための構成であって、インターフェース部67、電力供給部68、メモリ66、及び補正制御部65を有している。
インターフェース部67は、インターフェース部27と接続されており、補正値算出系統60及び入力装置20間の情報のやり取りを可能としている。電力供給部68は、入力装置20の電源部28に電力を供給することにより、製造時における入力制御部25及び表示部29等の作動を可能としている。メモリ66は、例えばEEPROM及びフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体であって、補正制御部65によって用いられる情報を格納している。具体的に、メモリ66は、補正値を算出する際に基準として用いられる値であって、予め規定された標準容量値等の情報を格納している。
補正制御部65は、各種の演算処理を行うプロセッサ、及び演算処理の作業領域として機能するRAM等によって構成されている。補正制御部65は、検出電極23によって検出された入力面22の検出容量値を、入力装置20からインターフェース部67を通じて取得する。加えて補正制御部65は、入力装置20から取得した検出容量値を、上述の標準容量値に補正する値を、補正値として算出する。さらに補正制御部65は、算出された個々の入力装置20に対応する補正値を、インターフェース部27を通じて当該装置20に出力する。
以上の静電容量補正装置70によって実施される入力装置20の製造工程を、図13,14に基づいて詳細に説明する。静電容量補正装置70は、作業者による所定位置への入力装置20の設置後に、当該装置70を起動させるためのスイッチが操作されたことに基づいて、補正値を算出してメモリ26に格納する工程を開始する。図13,14に示す補正値書込処理は、当該処理を開始する旨の指令信号を装置制御系統40から取得した補正制御部65によって開始される。尚、図13において、各容量値及び補正値に付属する符号「i」は、各スイッチ部21を区別するために、これらスイッチ部21に便宜的に割り当てられた固有の数字を示すものである。これらスイッチ部21における処理は実質的に共通しているため、以下の説明では、「i」の記載が省略されている。加えて、各容量値に括弧書きにて示される値は、入力面22から接触面52までの距離を示すものである。
S101では、電力供給部68から入力装置20への電力の供給を開始し、S102に進む。S101による電源部28への電力供給の開始により、入力装置20は起動する。S102では、補正値をメモリ26に書き込むための補正モードを開始する旨の信号を、入力装置20に送信して、S103に進む。入力装置20の入力制御部25は、S102にて補正値算出系統60から送信された信号を受信することにより、補正モードを開始する。そして、入力装置20は、補正モードの開始をした旨を入力装置20に送信する。
S103では、補正モードを開始した旨の応答の有無を判定する。S103にて、予め設定された時間、入力装置20からの応答がないとき、及び補正モードとは異なる動作モードを示す応答が有ったとき等、補正モードを開始した旨の応答が無いと判定した場合には、補正値書込処理を終了する。一方で、S103にて、補正モード開始した旨の応答が有ったと判定した場合には、S104に進む。
S104では、スイッチ部21をオフ状態にする旨の信号を、装置制御系統40に送信し、S105に進む。S104により、補正値算出系統60から送信された信号を受信した装置制御系統40は、アクチュエータ55を制御することにより、各入力面22から各導電シート51を離間させる。
S105では、各入力面22から導電シート51を離間させた状態で、各入力面22における検出容量値を、検出電極23及び入力制御部25に検出させる。そして、インターフェース部67を通じて、検出された各検出容量値を各離間容量値Coff_mとして取得し、S106に進む。以上のS105にて静電容量補正装置70の実施する工程が、特許請求の範囲に記載の「離間取得工程」に相当する。
S106では、全てのスイッチ部21について離間容量値の取得が終了したか否かを判定する。S106にて、全てのスイッチ部21について離間容量値の取得が終了していないと判定した場合、S105の処理を繰り返す。一方で、全てのスイッチ部21について離間容量値の取得が終了していると判定した場合、S107に進む。
S107では、スイッチ部21をオン状態にする旨の信号を、装置制御系統40に送信し、S108に進む。S107にて、補正値算出系統60から送信された信号を受信した装置制御系統40は、アクチュエータ55を制御することにより、各導電シート51によって各入力面22を覆う。以上のS107にて静電容量補正装置70の実施する工程が、特許請求の範囲に記載の「被覆工程」に相当する。
S108では、各導電シート51によって各入力面22が覆われた状態で、各入力面22における検出容量値を、検出電極23及び入力制御部25に検出させる。そして、インターフェース部67を通じて、検出された各検出容量値Con_m(0)を取得し、S109に進む。S109では、S108にて取得した検出容量値Con_m(0)と、S105にて取得した離間容量値Coff_mとの差分から、被覆容量値Cm(0)を算出し、S110に進む。以上のS108及びS109にて静電容量補正装置70の実施する工程が、特許請求の範囲に記載の「被覆取得工程」に相当する。
S110では、メモリ66に格納されているスイッチ部21毎の標準容量値Cs(図6参照)を、S109にて算出した被覆容量値Cm(0)によって割ることにより、各スイッチ部21における補正値αを算出し、S111に進む。以上のS110にて静電容量補正装置70の実施する工程が、特許請求の範囲に記載の「算出工程」に相当する。
ここで、上述の処理にて算出される補正値の算出例を示す。
Figure 0005741464
S111では、全てのスイッチ部21について補正値の算出が終了したか否かを判定する。S111にて、全てのスイッチ部21について補正値の算出が終了していないと判定した場合、S108〜S110の処理を入力面22毎に順次繰り返す。以上のS108〜S110の繰り返しによって静電容量補正装置70の実施する工程が、特許請求の範囲に記載の「繰返工程」に相当する。
S112では、S111までの処理により算出した各補正値を、入力装置20に送信し、S113に進む。S113では、S112にて送信した補正値のメモリ26への書き込みを指令するコマンドを入力制御部25に送信する。入力制御部25は、受信したコマンドに基づいて、メモリ26における所定領域への補正値の書き込みを開始する。以上のS112及びS113にて静電容量補正装置70の実施する工程が、特許請求の範囲に記載の「格納工程」に相当する。そして、入力制御部25は、書き込みが終了したことに基づいて、当該終了を通知する信号を補正値算出系統60に出力する。
S114では、書き込みが終了した旨の入力装置20の応答について有無を判定する。S114にて書き込みを終了した旨の応答が無いと判定した場合、S114を繰り返すことによって当該応答を待つ。一方で、S114にて書き込みを終了した旨の応答が有ると判定した場合、S115に進む。
S115では、メモリ26に書き込まれた補正値の送信を入力装置20に要求し、S116に進む。入力装置20は、受信した要求に基づいて、メモリ26に格納されている補正値を読み出し、補正値算出系統60に順次送信する。S116では、S115の要求に応じて入力装置20から出力される補正値を受信し、S117に進む。
S117では、S116にて受信した補正値と、S110にて算出した補正値と照合し、S118に進む。S118では、S117での補正値の照合に基づいて、メモリ26に補正値が正しく書き込まれたか否かを判定する。S118にて、受信した補正値と算出した補正値とが実質的に一致した場合、補正値が正しく書き込まれたと判定し、S119に進む。
S119では、書き込みが正常に完了した旨の通知を入力装置20に送信して、補正値書込処理を終了する。S119による通知を受信した入力装置20は、書き込み処理の完了を作業者に通知する画像を表示部29に表示する。以上により、静電容量補正装置70は、停止する。
一方で、S118にて、受信した補正値と算出した補正値とが異なっていた場合、補正値が正しく書き込まれなかったと判定し、S120に進む。S120では、書き込みが正常に完了しなかった旨の通知を入力装置20に送信して、補正値書込処理を終了する。S119による通知を受信した入力装置20は、書き込み処理を完了できなかった旨を作業者に通知する画像を表示部29に表示する。以上によっても、静電容量補正装置70は、停止する。
以上の製造工程では、図10〜12に示すように、接触面52が検出電極23よりも大きいことで、導電シート51の入力面22に対する位置が僅かにずれたとしても、この導電シート51は、入力面22を挟んで位置する検出電極23を覆った状態を維持し得る。故に、図11,12に示すように、導電シート51を挟んで位置する検出電極23の仮想の写像に、当該電極23から電気力線LEFが向かう電界が、検出時に再現性良く形成される。以上により、検出電極23と導電シート51との間に蓄えられる電荷の量が変化し難くなるので、製造工程における検出時の検出誤差は、低減可能となるのである。
以上の導電シート51の厚みは、検出容量値に影響し得る。詳しく説明すると、導電シート51の厚みをdmmとすると、導電シート51を入力面22に接触させた状態で検出される検出容量値は、操作者の指を入力面22から約d/2だけ離間させた状態で検出される検出容量値に相当する場合がある。そこでこのような場合には、S109にて算出される被覆容量値Cm(0)が、入力面22からd/2だけ指を離間させた状態での値Cm(d/2)とみなされる。故に、S110では、入力面22からd/2だけ指を離間させた状態での基準容量値Cs(d/2)を用いて補正値が算出される。以上の処理への変更により、導電シート51の厚みが検出容量値に影響したとしても、補正値の正確性は、確保され得る。
ここまで説明した第一実施形態によれば、導電シート51の位置ずれが許容されることにより、補正値は、個々の入力装置20に不可避的に生じる検出容量値のばらつきを、正確に補正可能な値となり得る。故に、入力装置20は、その使用時において、メモリ26に格納された個々の入力装置20に対応する正確な補正値にて検出容量値を補正し、当該補正後の検出容量値に基づいて入力面への入力の有無を判定できる。したがって、入力面22への入力の検出感度について、個々の入力装置20に生じるばらつきは、低減可能となる。
加えて第一実施形態によれば、検出電極23の面積よりも接触面52の面積が大きいことにより、導電シート51は、入力面22を挟んで検出電極23の全域を覆った状態を維持し得る。故に、検出電極23と導電シート51との間に蓄えられる電荷量が入力装置20毎に変わってしまう事態は、回避可能となる。さらに、入力面22よりも変形容易な接触面52が当該入力面22に接触するので、接触面52は、入力面22を損傷させることなく、この入力面22の形状を補完する形状に変形する。こうした接触面52の入力面22への密着により、これらの間の隙間が消失し得るので、検出電極23と導電シート51との間に蓄えられる電荷量が入力装置20毎に変わってしまう事態は、さらに回避可能となる。これらにより、補正値の正確性が向上するので、個々の入力装置20に生じる検出感度のばらつきは、さらに低減可能となる。
また第一実施形態によれば、個々のスイッチ部21について、予め規定する標準容量値を調整することにより、入力面22の形状及び面積、入力面22の材質、並びに突起部22aの有無等に係わらず、各スイッチ部21の検出感度は、揃えられ得る。故に、検出感度のばらつきに起因する違和感を操作者に惹起することなく、入力装置20におけるスイッチ部21の意匠の自由度を高めることが可能となる。
さらに第一実施形態によれば、S108にて取得する検出容量値から離間容量値を引くことにより、入力面22近傍の構成に不可避的に生じる浮遊容量に起因する値が、当該検出容量値から除かれ得る。故に、入力面22近傍の浮遊容量に起因した被覆容量値の変動は、回避可能となる。以上により、補正値の正確性が向上するので、個々の入力装置20に生じる検出感度のばらつきは、さらに低減可能となる。
また加えて第一実施形態では、スイッチ部21毎の補正値が算出及び格納されることにより、入力装置20は、複数のスイッチ部21にそれぞれ対応した正確な補正値にて補正された検出容量値に基づき、各入力面22への入力の有無を判定できる。したがって、製造された複数の入力装置20の間に生じる検出感度のばらつきだけでなく、一つの入力装置20に設けられた複数のスイッチ部21の間に生じる検出感度のばらつきについても、低減が可能となる。
尚、第一実施形態において、検出電極23及び入力制御部25が協働で特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当し、入力制御部25が特許請求の範囲に記載の「判定手段」に相当し、メモリ26が特許請求の範囲に記載の「格納手段」に相当し、計測用冶具50及びアクチュエータ55が協働で特許請求の範囲に記載の「被覆手段」に相当し、導電シート51が特許請求の範囲に記載の「導電部材」に相当し、補正制御部65及びインターフェース部67が協働で特許請求の範囲に記載の「取得手段」及び「出力手段」に相当し、補正制御部65が特許請求の範囲に記載の「算出手段」に相当し、静電容量補正装置70が特許請求の範囲に記載の「製造装置」に相当する。
(第二実施形態)
図1,15〜20に示す本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態による入力装置220では、スイッチ部21の配置が、第一実施形態と異なっている(図16参照)。加えて、入力装置220では、スイッチ部21毎の検出感度のばらつきを補正するために、各スイッチ部21に応じた判定閾値Ct_l,Ct_hが、メモリ26に格納されている(図15参照)。入力制御部25は、各スイッチ部21に対応する判定閾値を検出容量値が超えたことに基づいて、入力面22への入力の有り判定を行う。尚、第一実施形態にて判定閾値Ct_l,Ct_hとして用いられていた値は、第二実施形態では標準閾値Ct_sl,Ct_shとして用いられ(図6及び図15参照)、メモリ66に格納されている。
図16に示すように、計測用冶具250は、複数の入力面22を一つの導電シート251によって覆うための押圧ユニット254を、押圧ユニット54と共に有している。この押圧ユニット254に取り付けられた導電シート251は、水平方向に並ぶ三つの入力面22を覆うことができる面積で形成されている。具体的には図17,18に示すように、三つの検出電極23の水平方向における幅W1〜W3と、これらの間の隙間g1,g2との合計幅をW0とすると、接触面252の幅Wsは、合計幅W0に、予め規定された余裕分e1,e2を加えた長さよりも、大きくされている。
以上の入力装置220の製造工程を、図19,20に基づいて詳細に説明する。図19,20に示す補正閾値書込処理も、当該処理を開始する旨の指令信号を装置制御系統40から取得した補正制御部65によって開始される。尚、S201〜S209は、第一実施形態のS101〜S109(図13参照)と実質的に同一である。
S210では、S209にて算出した被覆容量値Cm(0)を、メモリ66に格納されているスイッチ部21毎の標準容量値Cs(図15参照)によって割ることにより、これらの値の比を算出する。そして、メモリ66に格納されているスイッチ部21毎の標準閾値Ct_sl,Ct_shに、被覆容量値と標準容量値との比を掛けることにより、当該標準閾値を補正した補正閾値Ct_l,Ct_hを算出し、S211に進む。以上のS210にて実施される工程が、特許請求の範囲に記載の「算出工程」に相当する。
S211の判定にて全ての補正閾値の算出を確認すると、S212にて各補正閾値を入力装置220に送信し、S213にてメモリ26への書き込みを指示する。以上により、入力装置220は、補正閾値を判定閾値としてメモリ26に書き込む。これらS212及びS213にて実施される工程が、特許請求の範囲に記載の「格納工程」に相当する。
そして、S214の判定により、入力装置220における各補正閾値の書き込み処理の終了を確認すると、S215〜S220により、メモリ26に補正閾値が正しく書き込まれたか否かを判定して、補正閾値書込処理を終了する。以上により、静電容量補正装置70は、停止する。
ここまで説明した第二実施形態によれば、導電シート251等の位置ずれが許容されることにより、被覆容量値と標準容量値との比によって標準閾値を補正した補正閾値は、個々の入力装置220に生じる検出容量値のばらつきを、正確に鑑みた値となり得る。故に、補正閾値を判定閾値として用いる入力装置220は、その使用時において、ばらつきを鑑みて正確に設定された判定閾値に基づき、入力面22への入力の有無を判定できる。したがって、第二実施形態でも、個々の入力装置220に生じる検出感度のばらつきは、低減可能となる。
尚、第二実施形態において、導電シート251が特許請求の範囲に記載の「導電部材」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
上記実施形態では、「導電部材」としての導電シート51をゴム材料によって形成することにより、接触面52は、入力面22よりも変形容易に形成されていた。しかし、導電性を有する種々の材料が、入力面を覆う「導電部材」として使用可能である。例えば「導電部材」は、金属材料によって形成されていてもよく、又は導電性を有する樹脂によって形成されていてもよい。或いは、「導電部材」は、例えばウレタン等の柔軟性に富む材料の表面に、金属シートが貼り付けられることによって形成されていてもよい。
上記実施形態では、検出電極23の面積は、入力面22の面積よりも大きくされていが、検出電極の面積は、入力面の意匠によって適宜変更されてよい。例えば、検出電極の面積は、入力面と同等又は入力面よりも小さくてもよい。加えて、各入力面に押し当てられる導電シートの面積も、検出電極よりも大きく当該検出電極を覆うことができれば、入力面より小さくてもよい。
上記実施形態では、導電シート51の取り付けられた押圧ユニット54に、抑えスプリング53bの復元力を作用させる構成の計測用冶具50により、接触面52と入力面22との密着性が高められていた。しかし、接触面と入力面との接触状態が確保可能であれば、計測用冶具は、例えば一体的な本体部材に導電シートを取り付けてなる簡素な構成であってもよい。
上記実施形態では、押圧ユニット54を介して導電シート51と冶具筐体53とが電気的に繋がることにより、当該シート51は、接地された状態であるとみなされていた。しかし、導電シートの接地をさらに確実なものとするために、当該シートを接地させる配線が、押圧ユニット及び冶具筐体等に別途設けられていてもよい。
上記実施形態では、入力面22に導電シート51を接触させた状態の検出容量値から離間容量値を引くことにより、入力面22近傍の浮遊容量に起因する補正の変動の低減が図られていた。しかし、入力面近傍の浮遊容量が僅かであれば、S104〜S106,S109等の離間容量値に係わる処理は、省略されてもよい。以上の形態では、S108にて取得される検出容量値が、そのまま被覆容量値とされる。
上記実施形態では、所定のプログラムを実施する入力制御部25によって、特許請求の範囲に記載の「検出手段」及び「判定手段」に相当する機能が果たされていた。また、所定のプログラムを実施する補正制御部65によって、特許請求の範囲に記載の「取得手段」、「算出手段」、及び「出力手段」に相当する機能が果たされていた。しかし、これらの手段に相当する各構成は、上記の各制御部25,65に限定されず、適宜変更されてよい。具体的には、各制御部は、一つの回路として構成されていてもよく、又は複数の回路及び装置を適宜組み合わせることによって構成されていてもよい。加えて、これらの回路等は、上記実施形態のようなプログラムを実行することにより所定の機能を果たす構成であってもよく、又はプログラムによらないで所定の機能を果たす構成であってもよい。
上記実施形態では、表示部29から離間してスイッチ部21が設けられる形態の入力装置20,220を製造する方法に本発明を適用した例を説明した。しかし、本発明の適用対象は、上述の製造方法に限られない。他の入力装置、例えば、表示部の表示画面と静電容量方式の入力面とが一体的に形成される所謂タッチパネルを製造する方法に、本発明は適用可能である。
LEF 電気力線、20,220 入力装置、21 スイッチ部、22 入力面、22a 突起部、23 検出電極(検出手段)、25 入力制御部(検出手段,判定手段)、26 メモリ(格納手段)、27 インターフェース部、28 電源部、29 表示部、31 筐体、32 回路基板、33 コネクタ、34 フレキシブル基板、40 装置制御系統、50 計測用冶具(被覆手段)、51,251 導電シート(導電部材)、52 接触面、53 冶具筐体、53a ガイド部、53b 抑えスプリング、53c 収容部、54 押圧ユニット、54a ガイド溝、55 アクチュエータ(被覆手段)、60 補正値算出系統、65 補正制御部(取得手段,算出手段,出力手段)、66 メモリ、67 インターフェース部(取得手段,出力手段)、68 電力供給部、70 静電容量補正装置(製造装置)

Claims (7)

  1. 入力面における静電容量を検出容量値として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記検出容量値を補正する補正値を格納する格納手段と、前記補正値による補正後の前記検出容量値に基づいて前記入力面への入力の有無を判定する判定手段と、を備える入力装置を製造する方法であって、
    導電性の導電部材によって前記入力面を覆う被覆工程と、
    前記導電部材によって前記入力面が覆われた状態で、前記検出手段によって検出される前記入力面の前記検出容量値を、被覆容量値として取得する被覆取得工程と、
    前記被覆取得工程によって取得した前記被覆容量値、基準として予め規定された標準容量値とから、前記補正値算出する算出工程と、
    前記算出工程によって算出した個々の前記入力装置に対応する前記補正値を、当該入力装置の前記格納手段に格納する格納工程と、
    を含むことを特徴とする入力装置の製造方法。
  2. 前記検出手段は、前記入力面よりも面積の大きい板状を呈し当該入力面と対向する検出電極、を有し、
    前記被覆工程では、前記導電部材に形成され且つ前記検出電極よりも面積の大きい接触面を、前記入力面に接触させることを特徴とする請求項1に記載の入力装置の製造方法。
  3. 前記被覆工程では、前記導電部材に形成され且つ前記入力面よりも変形容易な接触面を、当該入力面に接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置の製造方法。
  4. 前記被覆工程よりも前に、前記入力面から前記導電部材を離間させた状態で、前記検出手段によって検出される前記入力面の前記検出容量値を、離間容量値として取得する離間取得工程、をさらに含み、
    前記被覆取得工程では、前記導電部材によって前記入力面が覆われた状態での前記検出容量値と前記離間容量値との差分を、前記被覆容量値として取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置の製造方法。
  5. 複数の前記入力面の前記検出容量値を個別に検出する前記検出手段と、前記検出手段によって検出された前記検出容量値を補正する前記補正値を前記入力面毎に格納する前記格納手段と、各前記入力面に対応する各前記補正値による補正後の各前記検出容量値に基づいて、前記各入力面への入力の有無を個別に判定する前記判定手段と、を備える入力装置を製造する方法であって、
    前記被覆取得工程及び前記算出工程を前記入力面毎に順次繰り返す繰返工程、をさらに含み、
    前記格納工程では、前記繰返工程によって取得された前記入力面毎の前記補正値を、前記格納手段に格納することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力装置の製造方法。
  6. 入力面における静電容量を検出容量値として検出する検出手段と、前記検出容量値が予め規定された判定閾値を超えたことに基づいて前記入力面への入力の有り判定をする判定手段と、前記判定閾値を格納する格納手段と備える入力装置を製造する方法であって、
    導電性の導電部材によって前記入力面を覆う被覆工程と、
    前記導電部材によって前記入力面が覆われた状態で、前記検出手段によって検出される前記入力面の前記検出容量値を、被覆容量値として取得する被覆取得工程と、
    前記被覆取得工程によって取得した前記被覆容量値と、基準として予め規定された標準容量値との比によって、基準として予め規定された標準閾値を補正した補正閾値を算出する算出工程と、
    前記算出工程によって算出した個々の前記入力装置に対応する前記補正閾値を、前記判定閾値として前記入力装置の前記格納手段に格納する格納工程と、
    を含むことを特徴とする入力装置の製造方法。
  7. 入力面における静電容量を検出容量値として検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された前記検出容量値を補正する補正値を格納する格納手段と、前記補正値による補正後の前記検出容量値に基づいて前記入力面への入力の有無を判定する判定手段と、を備える入力装置を製造する製造装置であって、
    導電性の導電部材を有し、前記導電部材によって前記入力面を覆う被覆手段と、
    前記被覆手段が前記導電部材によって前記入力面を覆う状態で、前記検出手段によって検出される前記入力面の前記検出容量値を、被覆容量値として取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記被覆容量値、基準として予め規定された標準容量値とから、前記補正値算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された個々の入力装置に対応する前記補正値を、当該入力装置の前記格納手段に出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする入力装置の製造装置。
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