JP5740798B2 - 二次電池最大容量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池最大容量測定装置に関し、詳しくは、二次電池の使用中でもその最大容量を測定できる装置に関する。
繰り返し充電が行える二次電池は、ハイブリッド自動車や電気自動車などの走行モータ駆動電源として用いられるとともに、化石燃料に頼らない太陽発電や風力発電などの環境負荷が比較的少ないエネルギーを蓄えることができるという視点からも、産業界や公共機関や一般家庭などでも広く用いられつつある。
一般に、これらの二次電池は、所定数の電池セルを直列に接続することで所望の出力電圧が得られる電池モジュールとして構成され、所望の出力電圧が得られる所定数の電池モジュールを並列に接続することで所望の電流容量(Ah)が得られる電池パックとして構成されている。
たとえば自動車に走行モータ駆動電源として搭載される二次電池は、充電時間、航続距離などの利便性から、当面はリチウムイオン電池が主流になると考えられている。
ところで、二次電池の性能を表す指標のひとつに、電池の最大容量がある。この最大容量は、電池の開回路電圧が最大電圧から使用可能な最小電圧に低下するまでの間に出力される電気量(Ah)と定義することができる。
図16は、使用中における二次電池の最大容量を測定する従来の二次電池最大容量測定装置の一例を示すブロック図である。図16において、電流センサ1は使用中の二次電池(以下DUTという)に流れる電流を測定し、電圧センサ2は使用中の二次電池DUTの端子間電圧を測定する。
ΔQ演算部3は、電流センサ1で測定した電流値を積算し、ある時間の間にDUTに流れた電気量ΔQを求める。
OCV演算部4は、電圧センサ2で測定した電圧値と、電流センサ1で測定した電流値から、ある時間の間のDUTの開回路電圧OCV(Open Cell Voltage)を求める。
ΔSOC演算部5は、OCV演算部4で求めた開回路電圧OCVから、ある時間の間の充電状態SOC(State Of Charge)の変動ΔSOCを求める。ここで、充電状態SOCは既知の充電状態SOCと開回路電圧OCVの関係を利用して求めることができる。
最大容量測定部6は、DUTの最大容量Q’maxを次の式より求める。
Q’max[Ah]=ΔQ[Ah]×100[%]/ΔSOC[%]
表示部7は、最大容量測定部6で測定された最大容量Q’maxをたとえば液晶ディスプレイなどで表示する。
特許文献1には、車載バッテリの劣化度を複雑な演算を行うことなく判定する技術が記載されている。
特開2009−71986号
しかし、DUTの開回路電圧を求めるためには、出力電流が0Aである時間が一定時間必要になる。車載電池の場合には、いつかは停車によってオフラインになるが、たとえば住宅の電源として用いられる定置用電池の場合は、空調などの負荷が常にかかる可能性があることから、出力電流が必ずしも0Aになるとは限らない。
本発明は、このような課題を解決するものであって、その目的は、出力電流が0Aにならないような二次電池の使用環境においてもその二次電池の最大容量を測定できる二次電池最大容量測定装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
使用中の二次電池の最大容量を測定する二次電池最大容量測定装置であって、
前記二次電池から時間変化しない一定の電流を取り出している期間内における電圧変化量に基づき前記二次電池の端子間電圧を負荷電流に依存しない値に変換し、負荷電流から演算された充電状態に基づく前記二次電池の開回路電圧を同一の手段を用いて変換された端子間電圧と比較できる値に変換する電流依存性処理手段と、
この電流依存性処理手段で変換された前記二次電池の端子間電圧と開回路電圧の誤差を演算する誤差演算手段、
を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の二次電池最大容量測定装置において、
前記電圧変化量として、前記二次電池から時間変化しない一定の電流を取り出している期間内における始点の電圧と終点の電圧の差分を測定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の二次電池最大容量測定装置において、
前記電圧変化量として、前記二次電池から時間変化しない一定の電流を取り出している期間内における電圧を微分することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の二次電池最大容量測定装置において、
前記電流依存性処理手段は、温度を含む環境要素の測定データを取り込んで処理することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の二次電池最大容量測定装置において、
充電状態の予測値波形における充電状態の分布と対充電状態−開回路電圧特性の特徴点の分布に基づき前記二次電池の最大容量測定の可否を判断する測定可否判定手段を設けたことを特徴とする。
これらにより、二次電池の使用環境においてもその二次電池の最大容量を測定できる。
本発明の一実施例を示すブロック図である。 図1の動作の流れを説明するフローチャートである。 図1のRAM13に逐次記憶格納される記録データの説明図である。 図1の電流依存性処理部17の具体例を示すブロック図である。 図4のOCV波形演算部17bにおけるデータ列の具体例を示す説明図である。 図1の測定可否判定部18の具体例を示すブロック図である。 図1の電流依存性処理部17の他の具体例を示すブロック図 ある市販二次電池の開回路電圧OCVと充電状態SOCに対する開回路電圧OCVの勾配を充電状態SOC0%〜100%にわたって測定した特性例図である。 二次電池における端子間電圧Vと開回路電圧OCVの関係の一例を示す特性図である。 二次電池使用中における電圧変化特性例図である。 二次電池のパラメータと充電状態SOCの関係を示す特性例図である。 二次電池のパラメータと開回路電圧OCVの関係を示す特性例図である。 本発明の他の実施例を示すブロック図である。 図13の動作の流れを説明するフローチャートである。 図13の電流温度依存性処理部20の具体例を示すブロック図である。 従来の二次電池最大容量測定装置の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示すブロック図である。図1において、プロセッサ11は、最大容量測定装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11には、ROM12、RAM13、表示部14、電流センサ15、電圧センサ16、電流依存性処理部17、測定可否判定部18などが接続されている。
ROM12は、実行プログラムやDUTの特性データなどが不揮発的に格納されるものであり、プロセッサ11からのアクセスが可能である。なお、不揮発的な格納手段としては、磁気ディスク記憶装置やフラッシュメモリ装置などの書き換え可能な不揮発性メモリを含むことができる。
RAM13は、揮発性のデータ記憶手段であり、プロセッサ11からのアクセスが可能である。RAM13には、電流センサ15で取得された電流値の測定データや電圧センサ16で取得された電圧値の測定データなどが履歴測定データとして記憶格納されるとともに、電流依存性処理部17で測定された最大容量測定値やSOC測定値なども最大容量・SOC前回測定値として記憶格納される。RAM13としては、高速ランダムアクセスメモリを含むことができる。また、磁気ディスク記憶装置やフラッシュメモリ装置などの書き換え可能な不揮発性メモリを含むこともできる。
表示部14は、装置10とユーザ間における出力インタフェースとして機能するものであって、プロセッサ11との間で電気信号を授受することにより、DUTの最大容量測定値、SOC測定値、それらの測定可否判定結果などを表示する。表示部14としては、たとえば液晶ディスプレイや有機LEDなどを用いることができる。
電流センサ15は、DUTに流れる電流を検出してデジタルデータ化する機能を有するものである。プロセッサ11は、電流センサ15の電流値を読み取ることができる。
電圧センサ16は、DUTの端子間電圧を検出してデジタルデータ化する機能を有するものである。プロセッサ11は、電圧センサ16の電圧値を読み取ることができる。
電流依存性処理部17は、RAM13に記憶格納されている電流値と電圧値の履歴測定データに基づき、DUTの最大容量測定値やSOC測定値などを求める。具体的には、プロセッサ11から出力される処理開始指令に基づき最大容量測定値やSOC測定値などを求めるための所定の演算処理を実行し、それらの演算処理が終了すると測定終了信号を出力する。これらの演算結果はプロセッサ11を介してRAM13に逐次記憶格納され、必要に応じて読み出される。
測定可否判定部18は、RAM13に記憶格納されている電流値と電圧値の履歴測定データに基づき、最大容量測定の可否を判定する。具体的には、プロセッサ11から出力される処理開始指令に基づき最大容量測定の可否を判定するための所定の演算処理を実行し、その演算処理が終了すると判定終了信号を出力する。この判定結果はプロセッサ11を介してRAM13に逐次記憶格納され、必要に応じて読み出される。
図2は、図1の動作の流れを説明するフローチャートである。図1において、はじめにプロセッサ11は電流値と電圧値を取得する(ステップS1)。すなわち、プロセッサ11は、電流センサ15を介して電流値Imonを取得するとともに電圧センサ16を介して電圧値Vmonを取得し、さらに、それらの測定値と同時にプロセッサ11の内部または外部に設けられている時計機能部を介して時刻データtmonも取得する。
プロセッサ11は、取得した電流値Imonと電圧値Vmonを、時刻データtmonの履歴順序に従って、RAM13に逐次記憶格納する(ステップS3)。
図3はRAM13に逐次記憶格納されるこれら記録データの説明図であり、測定時刻データtiと電流値Iiと電圧値Viからなるデータ列(i=1〜N)であって、(A)は電流値と電圧値の履歴を示し、(B)は電流値の履歴を示し、(C)は電圧値の履歴を示している。ここで、電流値Iiと電圧値Viの履歴はリングバッファとして記録されていて、データ長がバッファの長さを超えるときにはもっとも古いデータが削除される。
再び図2において、プロセッサ11は、RAM13に逐次記憶格納される電流値Iiと電圧値Viの履歴データ、最後に測定された最大容量や充電状態を表すSOC測定値などの各種データに基づき、測定可否判定部18を介してDUTの最大容量が測定可能かどうかを判定し(ステップS4)、この測定可否判定もRAM13に逐次記憶格納する。
最大容量測定可能と判断した場合、プロセッサ11は電流依存性処理部17を介してDUTの最大容量と充電状態SOCを測定する(ステップS5)。プロセッサ11はRAM13に格納記憶されている電流値と電圧値の履歴データを電流依存性処理部17に転送するとともに、電流依存性処理部17に測定開始指令を出力する。
電流依存性処理部17は、測定開始指令に基づくDUTの最大容量と充電状態SOCの測定処理が終了すると、プロセッサ11に対して測定終了信号を出力する。プロセッサ11は測定終了信号を確認すると、電流依存性処理部17から最大容量測定値とSOC測定値を取得してRAM13に逐次記憶格納する。
測定可否判定部18が最大容量測定不可能と判断した場合には、ステップS1に戻って電流値と電圧値の取得を継続する。
プロセッサ11は表示部14を制御し、RAM13に記憶格納されているDUTの最大容量値とSOC値および測定の可否判定結果を表示する(ステップS5)。
これら一連の動作を、処理終了と判断するまで繰り返し実行する(ステップS6)。
図4は、電流依存性処理部17の具体例を示すブロック図である。図4において、電流依存性処理部17は、最大容量・SOC最適値演算部17aと、OCV波形演算部17bと、OCV波形抽出部17cと、電圧波形抽出部17dと、誤差演算部17eとで構成されている。
最大容量・SOC最適値演算部17aは、プロセッサ11から出力される測定開始指令信号S1に基づき測定動作を開始し、装置に接続されたDUTの現在の最大容量の測定値を表す最大容量測定値M1と、現在記憶されている電流値と電圧値の履歴Xの最新時刻tNにおけるSOCの測定値を表すSOC測定値M2を決定する。
最大容量測定値M1とSOC測定値M2の決定にあたっては、誤差演算部17dから出力される評価値が最小になる仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせが求められるまで、以下の手順を繰り返す。
1)仮最大容量M3と仮電気量M4を決定する。
2)仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせをOCV波形演算部17bに出力する。
3)OCV波形演算部17bはこれら仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせとプロセッサ11から入力される電流波形W1に基づいてOCV波形W2を演算し、OCV波形抽出部17cに出力する。
4)OCV波形抽出部17cはOCV波形演算部17bから入力されるOCV波形W2とプロセッサ11から入力される電流波形W1に基づいてOCV由来カーブCV1を抽出し、誤差演算部17eに出力する。
5)電圧波形抽出部17dはプロセッサ11から入力される電流波形W1と電圧波形W3に基づいて電圧由来カーブCV2を抽出し、誤差演算部17eに出力する。
6)誤差演算部17eはOCV波形抽出部17cから入力されるOCV由来カーブCV1と電圧波形抽出部17dから入力される電圧由来カーブCV2に基づき誤差の評価値M5を演算し、その演算結果を最大容量・SOC最適値演算部17aに入力する。
7)最大容量・SOC最適値演算部17aは評価値M5が最小になる仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせを最大容量測定値M1とSOC測定値M2としてプロセッサ11に出力する。ここで、SOC測定値M2は、仮電気量M4を仮最大容量M3で除算した値である。この機能は最大容量と電気量を係数とした典型的なカーブフィッティングであり、さまざまなアルゴリズムが適用できる。
たとえばDUTとして、運用開始時の最大容量が2500mAhで、劣化により2000mAhまで低下するような二次電池が接続されている場合は、以下のような手順で最大容量測定値M1とSOC測定値M2を求めることができる。
a)仮最大容量M3を5mAh間隔で2000mAhから2500mAhまで変化させ、仮電気量M4を25mAh刻みで0mAhから2500mAhまで変化させる。
b)それぞれの組み合わせについて評価値M5を演算し、演算結果を組み合わせとともに記憶する。
c)すべての組み合わせについて計算し終えたら、もっとも評価値M5の小さい組み合わせを探し、その仮最大容量M3と仮電気量M4をそれぞれ最大容量測定値M1とSOC測定値M2とする。
OCV波形演算部17bは、時間変化する開回路電圧であるOCV波形W2を求める。OCV波形W2は、図5(B)に示すように、時刻tiと、その時刻tiにおけるDUTの開回路電圧OCVであるOCVi(i=1〜N)からなる。
DUTの0〜100%にわたる充電状態SOCに対する開回路電圧OCVを事前に求めておき、時刻tiにおける充電状態SOCであるSOCiからOCV特性を参照して求める。SOC波形W4は、図5(A)に示すように、時刻tiと、その時刻におけるDUTの充電状態SOCであるSOCi(i=1〜N)からなる。
SOC波形W4は、次式に示すように、電流波形W1、仮最大容量M3、仮電気量M4を使い、電流値の積算により求めることができる。
SOCi=(仮電気量M4+Σ((Ij−1)×(tj−(tj−11))))/仮最大容量M3
OCV波形抽出部17cは、電流波形W1に応じてOCV波形W2からOCVデータを抽出し、OCV由来カーブCV1として誤差演算部17eに出力する。
OCV由来カーブCV1は、値Yk(k=1〜M)の列からなる。本ブロックは、電圧Viの時間に対する勾配が、同時刻tiの開回路電圧OCVの時間に対する勾配と一致すると判断されるとき、OCViを抽出し、OCV由来カーブCV1に加える。これらの判断は、電流波形W1に応じて行われる。
i=1〜Nの時間変化にしたがって、OCV波形W2から時刻tiとその時刻tiにおけるDUTの開回路電圧OCVであるOCViを抽出する。電流が一定以上変化したと判断されると、その後過渡応答時間の間だけ抽出をやめる。過渡応答時間は、変化した電流ΔIに比例して決定する。過渡応答時間は、電流が変化したと判断された回数だけ存在する。
また、開回路電圧OCVを連続して抽出する各区間において、その区間の先頭の開回路電圧OCVを区間全体の開回路電圧OCVから引いて相対電圧Ykを決定する。
Yk=OCVi−OCV0 (※tk=tiのとき)
OCV0:開回路電圧OCVを連続して抽出する各区間の先頭の開回路電圧OCV
電圧波形抽出部17dは、電流波形W1に応じて電圧波形W3から電圧データを抽出して、電圧由来カーブCV2として誤差演算部17eに出力する。
電圧由来カーブCV2は、値Zk(k=1〜M)からなる。本ブロックは、電圧Viの時間に対する勾配が、同時刻tiの開回路電圧OCVの時間に対する勾配と一致すると判断されるとき、電圧Viを抽出し、電圧由来カーブに加える。これらの判断は、電流波形W1に応じて行われる。
i=1〜Nの時間変化にしたがって、電圧波形W3から時刻tiとその時刻における電圧Viを抽出する。電流が一定以上変化したと判断されると、その後過渡応答時間の間だけ抽出をやめる。過渡応答時間は変化した電流ΔIに比例して決定する。過渡応答時間は電流が変化したと判断された回数だけ存在する。
また、電圧を連続して抽出する各区間において、その区間の先頭の電圧を区間全体の電圧から引いて相対電圧Zkを決定する。
Zk=Vi−V0 (※tk=tiのとき)
V0:電圧を連続して抽出する各区間の先頭の電圧
誤差演算部17eは、OCV由来カーブCV1と電圧由来カーブCV2の一致度を評価値M5として求める。評価値M5が小さいほどOCV由来カーブCV1と電圧由来カーブCV2が一致していることになる。このような評価値M5を求める単純な例は、相対電圧YkとΔZkの差の二乗をk=1〜Mにわたり求め、すべての和を取ることである。
8)最大容量・SOC最適値演算部17aは、一連の測定処理が完了すると、測定終了信号S2をプロセッサ11に出力する。
図6は、測定可否判定部18の具体例を示すブロック図である。図6において、測定可否判定部18は、SOC波形演算部18aと、SOC判定部18bとで構成されている。
SOC波形演算部18aは、プロセッサ11から出力される判定開始指令信号S3にしたがって動作を開始する。最大容量も充電状態SOCも前回の測定からの変化は微小であるとする前提でti(i=1〜N)における充電状態SOCを予測し、SOC予測値波形W5として出力する。
SOC予測値波形W5は、時刻tiとその時刻におけるDUTの充電状態SOCの予測値SOC'i(i=1〜N)からなる。SOC波形演算部18aには、RAM13に記録格納されている最後に測定された最大容量が電池容量前回値M6として入力され、RAM13に記録格納されている最後に測定された充電状態SOCがSOC前回値M7として入力され、さらにRAM13に記録格納されている電流波形W1も入力される。
予測値SOC'iは、次式のように計算する。
SOC'i=SOC前回値M7
−(Σ((Ij-1)×(tj−(tj-1))) (j=1〜N))/電池容量前回値M6
+(Σ((Ij-1)×(tj−(tj-1))) (j=1〜i))/電池容量前回値M6
SOC判定部18bは、SOC予測値波形W5における充電状態SOCの分布と対SOC-OCV特性の特徴点の分布を比べ、最大容量測定の可否を反転する。たとえば、特徴点がSOC20%から60%の間に含まれているとき、予測値SOC'iに20〜60%の値が含まれていなければ測定不可能であると判断する。
判定処理が終了したら、判定結果を判定可否信号S4としてプロセッサ11に出力するとともに、さらに判定終了信号S5をプロセッサ11に出力する。
図7は電流依存性処理部17の他の具体例を示すブロック図であり、図4と共通する部分には同一の符号を付けている。図7において、電流依存性処理部17は、最大容量・SOC最適値演算部17aと、OCV波形演算部17bと、OCV勾配波形抽出部17fと、電圧勾配波形抽出部17gと、誤差演算部17eとで構成されている。
OCV勾配波形抽出部17fは、電流波形W1に応じてOCV波形W2からOCVデータを抽出し、OCV由来カーブCV1として出力する。OCV由来カーブCV1は、電圧値Yk(k=1〜M)の列からなる。本ブロックは、電圧Viの時間に対する勾配が同時刻tiの開回路電圧OCVの時間に対する勾配と一致すると判断されるとき時刻tiにおける開回路電圧OCVであるOCViを抽出し、OCV由来カーブCV1に加える。
上記判断は、電流波形W1に応じて行われる。i=1〜Nの時間変化にしたがって、OCV波形W2から時刻tiと時刻tiにおける開回路電圧OCVであるOCViを抽出する。電流が一定以上変化したと判断されると、その後、過渡応答時間の間だけ抽出をやめる。
過渡応答時間は、変化した電流ΔIに比例して決定する。過渡応答時間は電流が変化したと判断された回数だけ存在する。
OCViを時間で微分した値をYkとすると、Ykは次式で表すことができる。このYkは、相対電圧に相当する。
Yk=(OCVi−(OCVi−1))/(ti−(ti-1)) (※tk=tiのとき)
電圧勾配波形抽出部17gは、電流波形W1に応じて、電圧波形W3から電圧データを抽出し、電圧由来カーブCV2として出力する。電圧由来カーブCV2は、値Zk(k=1〜M)の列からなる。本ブロックは、電圧Viの時間に対する勾配が同時刻tiの開回路電圧OCVの時間に対する勾配と一致すると判断されるとき、時刻tiにおける電圧VであるViを抽出し、電圧由来カーブCV2に加える。
上記判断は、電流波形W1に応じて行われる。i=1〜Nの時間変化にしたがって、電圧波形W2から時刻tiと時刻tiにおける電圧Viを抽出する。電流が一定以上変化したと判断されると、その後、過渡応答時間の間だけ抽出をやめる。
過渡応答時間は、変化した電流ΔIに比例して決定する。過渡応答時間は電流が変化したと判断された回数だけ存在する。
ここで、電圧Viを時間で微分した値をZkとすると、Zkは次式で表すことができる。このZkも相対電圧に相当する。
Zk=(Vi−(Vi-1))/(ti−(ti−1)) (※tk=tiのとき)
これらの構成により、以下のような効果が得られる。
<A.内部抵抗の負荷依存性>
一般に、二次電池に時間変化しない一定の電流Iを流した場合の端子間電圧Vは、時間経過に伴う過渡現象を経たあと、V=OCV−I×Rに近づく。ここでOCVは開回路電圧であり、Rは二次電池の内部抵抗を表す。
内部抵抗Rが電流によらず一定の時、電流Iと端子間電圧Vの関係から内部抵抗Rを求め、端子間電圧VにI×Rを足すことで開回路電圧OCVを求めることができる。
さらに、電池の充電状態SOCと開回路電圧OCVの関係が既知であれば、開回路電圧OCVから充電状態SOCを求めることができる。充電状態SOCを求めることで、最大容量の測定が可能であることは、前述のとおりである。
しかし、実際には、内部抵抗Rは一定ではなく電流Iに依存することが知られている。つまり、端子間電圧Vは、V=OCV−I×R(I)と置き換えられるべきである。すると、上記の本発明に基づく手段は使えなくなる。内部抵抗Rの電流依存性により、端子間電圧Vから開回路電圧OCVを求めることができなくなるからである。
上記の本発明に基づく手段は、充電状態SOCによって変化する開回路電圧OCVの特性を利用して、内部抵抗Rの負荷依存性の影響を全く受けることなく、開回路電圧OCVや最大容量の値を特定できるものである。
なお、充電状態SOCによって変化するのは必ずしも開回路電圧OCVの絶対値だけではない。ある充電状態SOCから別の充電状態SOCに至るまでに変化する開回路電圧OCVの変化量や、充電状態SOCに対する開回路電圧OCVの勾配もまた充電状態SOCによって変化する開回路電圧OCVの特性である。さらに、充電状態SOCに対する開回路電圧OCVの勾配も、一般的に充電状態SOCとともに変化する。
本発明は、二次電池のこのような特性を利用したものである。開回路電圧OCVの絶対値ではなく、ある充電状態SOCから別の充電状態SOCに至るまでに変化する開回路電圧OCVの変化量や、充電状態SOCに対する開回路電圧OCVの勾配を利用することで、内部抵抗Rの電流依存性の影響を受けることなく、的確に特定できる。
図8は、市販されているある二次電池の開回路電圧OCVと充電状態SOCに対する開回路電圧OCVの勾配を、充電状態SOC0%〜100%にわたって測定した結果の一例を示している。このDUTの場合、開回路電圧OCVの勾配は全充電状態SOCにわたって変化しており、特に充電状態SOC10%〜20%付近、充電状態SOC50%〜60%付近において、勾配の変化に特徴がみられる。
<B.内部抵抗の電流負荷依存性のキャンセル>
図9は、二次電池における端子間電圧Vと開回路電圧OCVの関係の一例を示す特性図である。二次電池から時間変化しない一定の電流Iを流す時間が十分に長いと、電池の充電状態SOC(t)は変化し、この充電状態SOC(t)の変化に伴って開回路電圧OCV(t)も変化する。
このとき、端子間電圧Vが近づいていく電圧V(t)は、次式で表すことができる。
V(t)=OCV(t)−I×R(I)
ここで、右辺の電流Iも内部抵抗R(I)もI×R(I)も一定であり、定数とみなすことができるので、電圧V(t)は開回路電圧OCV(t)をI×R(I)だけオフセットした値であるといえる。
それは電圧V(t)を微分した次式の結果からもうかがえる。
dV(t)/dt=dOCV'(t)/dt−d(I×R(I))/dt=dOCV'(t)/dt
つまり電圧V(t)から開回路電圧OCV(t)の絶対値を求めることはできないが、開回路電圧OCV(t)をオフセットした値や、開回路電圧OCV(t)を時間で微分した値は求めることができる。
そしてそれらの値は、充電状態SOCによって変化する開回路電圧OCVの特性を含んでいる。なぜなら充電状態SOC(t)もまた時間によって変化しているからである。
もしここで、電流Iが一定ではなく微小な時間変化を伴っていたり、または内部抵抗Rが時間依存性を持っていたとしても、次式が成り立つ程度であれば、許容できる。
dOCV(t)/dt≪d(I×R(I))/dt
すなわち、本発明によれば、電圧V(t)から、開回路電圧OCV(t)をオフセットした値や、開回路電圧OCV(t)を時間で微分した値を求めることで、負荷に依存することなく開回路電圧OCVの特性を求めることができる。
<C.実運用波形>
図10は、二次電池使用中における電圧変化特性例図である。二次電池の使用にあたっては、二次電池に流れる電流が一定の期間が繰り返して発生したり、もしくは時間変化せず一定とみなせるほどに電流変化の少ない期間が発生する。これら電流一定の区間それぞれにおいて、上記の電圧V(t)と開回路電圧OCV(t)の関係が成り立っている。
そこで、上記で説明したように、本発明に基づき運用中の電池の端子間電圧V(t)を監視しながら時間変化する波形として逐次記録格納することで、充電状態SOC(t)の測定に使うことができる。
<D.カーブフィッティング>
図11は二次電池のパラメータと充電状態SOCの関係を示す特性例図であり、図12は二次電池のパラメータと開回路電圧OCVの関係を示す特性例図である。二次電池における電圧V(t)も開回路電圧OCV(t)もベクトルであり、充電状態SOCを直接求めることは困難である。
そこで、カーブフィッティングの手法を使い、充電状態SOCを探索する手法を取る。
充電状態SOC(t)を決定づけるのは、次の2つのパラメータである。
a)最大容量
b)t=0の電気量(放電可能な最大の電気量)
本発明では、上記のようにこれら2つのパラメータを仮に決めることで、充電状態SOC(t)を計算できる。そしてパラメータの真値からのずれは充電状態SOC(t)のずれとして反映され、さらに充電状態SOC(t)のずれは開回路電圧OCV(t)のずれとして反映される。
このとき、電圧V(t)と開回路電圧OCV(t)について、抵抗の負荷依存性を取り除いたうえで誤差の二乗和を取ることにより、開回路電圧OCV(t)の真値と計算値のずれをスカラ値にすることができる。これは、前記パラメータが真値に近いほど小さくなるフィードバックであって、カーブフィッティングのアルゴリズムを駆動する評価値である。
一般に、二次電池の内部抵抗Rは電流だけではなく、電池の温度にも依存する。たとえ電流が時間変化せず一定であっても、温度が変化してしまうと内部抵抗Rが変化し、
dV(t)/dt=dOCV(t)/dt
の関係が成り立たなくなってしまう。
この場合、図1の最大容量測定装置10を、電流が一定の時間内だけで電圧の相対値Zkを求めるのではなく、電流も温度も同時に一定の時間内だけでZkを求めるように改良することで問題を解決できる。
ここで、この手法は温度以外の環境要素についても同様に適用できる。二次電池の内部抵抗Rが温度以外の環境要素に影響を受けるのであれば、温度センサをその環境要素を測定するセンサに置き換えればよい。
図13は本発明の他の実施例を示すブロック図であり、図1と共通する部分には同一の符号を付けている。図1と図13の違いは、温度センサ19と、電流依存性処理部17に代えて電流温度依存性処理部20が設けられていることである。図13において、温度センサ19はDUTの温度を検出してデジタルデータ化するものであり、温度センサ19が測定した温度データはプロセッサ11から読み取ることができる。
図14は、図13の動作の流れを説明するフローチャートである。図14において、はじめにプロセッサ11は電流値と電圧値を取得する(ステップS1)。すなわち、プロセッサ11は、電流センサ15を介して電流値Imonを取得するとともに電圧センサ16を介して電圧値Vmonを取得し、それらの測定値と同時にプロセッサ11の内部または外部に設けられている時計機能部を介して時刻データtmonも取得する。
プロセッサ11は、取得した電流値Imonと電圧値Vmonを、時刻データtmonの履歴順序に従って、RAM13に逐次記憶格納する(ステップS3)。
プロセッサ11は、さらに温度センサ19を介して温度値Tmonも取得し(ステップS4)、取得した温度値Tmonを、時刻データtmonの履歴順序に従って、RAM13に逐次記憶格納する(ステップS4)。RAM13に逐次記憶格納される温度の記録データは測定時刻データtiと温度値Tiからなるデータ列(i=1〜N)であり、温度値Tiの履歴もリングバッファとして記録されていて、データ長がバッファの長さを超えるときにはもっとも古いデータが削除される。
プロセッサ11は、RAM13に逐次記憶格納される電流値Iiと電圧値Viと温度値Tiの履歴データ、最後に測定された最大容量や充電状態を表すSOC測定値などの各種データに基づき、測定可否判定部18を介してDUTの最大容量が測定可能かどうかを判定し(ステップS5)、この測定可否判定もRAM13に逐次記憶格納する。
最大容量測定可能と判断した場合、プロセッサ11は電流依存性処理部17を介してDUTの最大容量とSOCを測定する(ステップS6)。プロセッサ11はRAM13に格納記憶されている電流値と電圧値と温度値の履歴データを電流温度依存性処理部20に転送し、電流温度依存性処理部20に測定開始指令を出力する。電流温度依存性処理部20は測定開始指令に基づくDUTの最大容量とSOCの測定処理が終了すると、プロセッサ11に対して測定終了信号を出力する。プロセッサ11は測定終了信号を確認すると電流温度依存性処理部20から最大容量測定値とSOC測定値を取得してRAM13に逐次記憶格納する。
測定可否判定部18が最大容量測定不可能と判断した場合には、ステップS1に戻って電流値と電圧値の取得を継続する。
プロセッサ11は表示部14を制御し、RAM13に記憶格納されているDUTの最大容量値とSOC値および測定の可否判定結果を表示する(ステップS7)。
これら一連の動作を、処理終了と判断するまで繰り返し実行する(ステップS8)。
図15は、電流温度依存性処理部20の具体例を示すブロック図である。図15において、電流温度依存性処理部20は、最大容量・SOC最適値演算部20aと、OCV波形演算部20bと、OCV波形抽出部20cと、電圧波形抽出部20dと、誤差演算部20eとで構成されている。
最大容量・SOC最適値演算部20aは、プロセッサ11から出力される測定開始指令信号S1に基づき測定動作を開始し、装置に接続されたDUTの現在の最大容量の測定値を表す最大容量測定値M1と、現在記憶されている電流値と電圧値の履歴Xの最新時刻tNにおけるSOCの測定値を表すSOC測定値M2を決定する。
最大容量測定値M1とSOC測定値M2の決定にあたっては、誤差演算部20dから出力される評価値が最小になる仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせが求められるまで、以下の手順を繰り返す。
1)仮最大容量M3と仮電気量M4を決定する。
2)仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせをOCV波形演算部20bに出力する。
3)OCV波形演算部20bはこれら仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせとプロセッサ11から入力される電流波形W1に基づいてOCV波形W2を演算し、OCV波形抽出部20cに出力する。
OCV波形演算部20bは、時間変化する開回路電圧であるOCV波形W2を求める。OCV波形W2は、前記図5(B)に示すように、時刻tiと、その時刻tiにおけるDUTの開回路電圧OCVであるOCVi(i=1〜N)からなる。
4)OCV波形抽出部20cはOCV波形演算部20bから入力されるOCV波形W2とプロセッサ11から入力される電流波形W1および温度波形W6に基づいてOCV由来カーブCV1を抽出し、誤差演算部20eに出力する。
OCV由来カーブCV1は、値Yk(k=1〜M)の列からなる。本ブロックは、電圧Viの時間に対する勾配が、同時刻tiの開回路電圧OCVの時間に対する勾配と一致すると判断されるとき、OCViを抽出し、OCV由来カーブCV1に加える。
上記判断は、電流波形W1と温度波形W6に応じて行われる。i=1〜Nの時間変化にしたがって、OCV波形W2から温度tiと開回路電圧OCViを抽出する。電流が一定以上変化したり、または温度が一定以上変化したと判断されると、その後過渡応答時間の間だけ抽出をやめる。
過渡応答時間は、変化した電流ΔIまたは温度ΔTに比例して決定する。過渡応答時間は、電流や温度が変化したと判断された回数だけ存在する。また、開回路電圧OCVを連続して抽出する各区間において、その区間の先頭の開回路電圧OCVを区間全体の開回路電圧OCVから引いてYkを決定する。
Yk=OCVi−OCV0 (※tk=tiのとき)
OCV0:開回路電圧OCVを連続して抽出する各区間の先頭の開回路電圧OCV
5)電圧波形抽出部20dはプロセッサ11から入力される電流波形W1と電圧波形W3と温度波形W6に基づいて電圧波形W3から電圧由来カーブCV2を抽出し、誤差演算部20eに出力する。電圧由来カーブCV2は、値Zk(k = 1〜M)からなる。
本ブロックは、電圧Viの時間に対する勾配が同時刻tiの開回路電圧OCVの時間に対する勾配と一致すると判断されるときに電圧Viを抽出し、電圧由来カーブCV2に加える。
上記判断は、電圧波形W3と温度波形W6に応じて行われる。i=1〜Nの時間変化にしたがって電圧波形W3から温度tiと電圧Viを抽出する。電流が一定以上変化したまたは温度が一定以上変化したと判断されると、その後過渡応答時間の間だけ抽出をやめる。
過渡応答時間は、変化した電流ΔIまたは温度ΔTに比例して決定する。過渡応答時間は電流が変化したと判断された回数だけ存在する。また、電圧を連続して抽出する各区間において、その区間の先頭の電圧を区間全体の電圧から引いてZkを決定する。
Zk=Vi−V0 (※tk=tiのとき)
V0 : 電圧を連続して抽出する各区間の先頭の電圧
6)誤差演算部20eはOCV波形抽出部20cから入力されるOCV由来カーブCV1と電圧波形抽出部20dから入力される電圧由来カーブCV2に基づき誤差の評価値M5を演算し、その演算結果を最大容量・SOC最適値演算部20aに入力する。
7)最大容量・SOC最適値演算部20aは評価値M5が最小になる仮最大容量M3と仮電気量M4のペアの組み合わせを最大容量測定値M1とSOC測定値M2としてプロセッサ11に出力する。ここで、SOC測定値M2は、仮電気量M4を仮最大容量M3で除算した値である。この機能は最大容量と電気量を係数とした典型的なカーブフィッティングであり、さまざまなアルゴリズムが適用できる。
8)最大容量・SOC最適値演算部17aは、一連の測定処理が完了すると、測定終了信号S2をプロセッサ11に出力する。
以上説明したように、本発明によれば、出力電流が0Aにならないような二次電池の使用環境においても、その二次電池の最大容量を測定できる二次電池最大容量測定装置を実現することができる。
10 電池最大容量測定装置
11 プロセッサ
12 ROM
13 RAM
14 表示部
15 電流センサ
16 電圧センサ
17 電流依存性処理部
17a 最大容量・SOC最適値演算部
17b OCV波形演算部
17c OCV波形抽出部
17d 電圧波形抽出部
17e 誤差演算部
17f OCV勾配波形抽出部
17g 電圧勾配波形抽出部
18 測定可否判定部
18a SOC波形演算部
18b SOC判定部
19 温度センサ
20 電流温度依存性処理部
20a 最大容量・SOC最適値演算部
20b OCV波形演算部
20c OCV波形抽出部
20d 電圧波形抽出部
20e 誤差演算部

Claims (5)

  1. 使用中の二次電池の最大容量を測定する二次電池最大容量測定装置であって、
    前記二次電池から時間変化しない一定の電流を取り出している期間内における電圧変化量に基づき前記二次電池の端子間電圧を負荷電流に依存しない値に変換し、負荷電流から演算された充電状態に基づく前記二次電池の開回路電圧を同一の手段を用いて変換された端子間電圧と比較できる値に変換する電流依存性処理手段と、
    この電流依存性処理手段で変換された前記二次電池の端子間電圧と開回路電圧の誤差を演算する誤差演算手段、
    を設けたことを特徴とする二次電池最大容量測定装置。
  2. 前記電圧変化量として、前記二次電池から時間変化しない一定の電流を取り出している期間内における始点の電圧と終点の電圧の差分を測定することを特徴とする請求項1記載の二次電池最大容量測定装置。
  3. 前記電圧変化量として、前記二次電池から時間変化しない一定の電流を取り出している期間内における電圧を微分することを特徴とする請求項1記載の二次電池最大容量測定装置。
  4. 前記電流依存性処理手段は、温度を含む環境要素の測定データを取り込んで処理することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の二次電池最大容量測定装置。
  5. 充電状態の予測値波形における充電状態の分布と対充電状態−開回路電圧特性の特徴点の分布に基づき前記二次電池の最大容量測定の可否を判断する測定可否判定手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の二次電池最大容量測定装置。
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