JP5738513B2 - 印刷システム、インクジェットプリンタ、及び印刷方法 - Google Patents

印刷システム、インクジェットプリンタ、及び印刷方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷システム、インクジェットプリンタ、及び印刷方法に関する。
近年、インクジェットプリンタを用いて高精細画像を印刷する技術が広く用いられている。インクジェットプリンタは、インクの微小な液滴をインクジェットヘッドのノズルから媒体に向かって吐出することにより、印刷を行う。
また、近年、例えばデジタルカメラの性能向上や、インクジェットプリンタの用途の広がりに応じて、インクジェットプリンタに対しても、より高精細な画像の印刷を行うことが求められている。そして、インクジェットプリンタにおいて、より高精細な画像の印刷を行うためには、例えば、インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインクの液滴を小液滴化することが重要になる。
しかし、インクジェットヘッドのノズルから吐出されたインクの液滴は、媒体に達するまでの間、空気抵抗の影響を受ける。そして、空気抵抗の影響は、インクの液滴のサイズが小さくなる程、大きくなる。
例えば、必要なときに必要な量のインクの液滴(インク滴)を吐出する方式であるオンデマンド型のインクジェットプリンタの場合、高精細化の限界は、例えば、インクの液滴の容量(サイズ)で1pl(1ピコリットル)程度である。これは、液滴が小さいと、空気抵抗のために、液滴の飛翔速度が急速に遅くなり、プリント対象である媒体(メディア)にインクが正確に到達しないこととなるためである。また、飛翔速度が低下すると、例えば、インクのミスト化等の問題も生じる。そして、インクのミスト化等が生じると、媒体へインクの液滴が適切に到達しなくなるため、インクジェット方式での印刷を行うこと自体が困難になる。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷システム、インクジェットプリンタ、及び印刷方法を提供することを目的とする。
尚、上記の課題に関連して、本願の発明者は、以前に、特願2008−101058、特願2008−051146、特願2008−064958、特願2008−101059として、特許出願を行っている。本願の発明は、これらの出願に係る発明に関連し、これらを更に改良したものである。
また、空気抵抗に打ち勝ち、微小液滴での印刷を可能にする従来技術としては、例えば、静電吸引方式を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)しかし、この方法では、微小液滴での印刷が可能になるとしても、インクに導電性が必要なことや、媒体までの電界が均一でないと飛行曲がりが発生すること等の様々な制約が生じる。また、媒体の材質や形状の影響を受けやすい等の問題も生じるおそれがある。そのため、より適切な方法で空気抵抗の問題を解決することが求められる。
特開2004−114372号公報
上記の課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)インクジェット方式で印刷を行う印刷システムであって、外部から受ける紫外線に応じて硬化する紫外線硬化型のインクの液滴を媒体へ吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、媒体へ着弾した紫外線硬化型のインクを硬化させる紫外線を発生するUVLEDと、インクジェットヘッド、媒体、及びUVLEDを少なくとも収容する減圧室と、減圧室内の気圧を、印刷時におけるインクの液滴の飛翔距離に応じて決められる、大気圧よりも低い圧力に減圧する減圧手段と、減圧室の外部から供給されるとともに減圧された減圧室内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、又はUVLEDが取り付けられている筐体へ熱を伝える熱伝導部材を介して、UVLEDを冷却する冷却手段とを備え、少なくとも、インクの液滴の大きさについて、減圧しない環境において飛翔距離に基づいて決められる大きさよりも小さくするか、又は、インクジェットヘッドと媒体との間のギャップについて、減圧しない環境においてインクの液滴の大きさに基づいて決められる距離よりも大きくした状態で印刷を行う
このインクは、例えば、光(例えば可視光)、紫外線、電子線、X線、又は放射線等に応じて重合硬化するインクである。このインクは、熱により硬化するインクであってもよい。また、インクジェットヘッドは、ノズルから、例えば1pl以下、好ましくは0.5pl以下、より好ましくは0.1pl以下の容量のインクの液滴(インク滴)を吐出する。
硬化用エネルギー発生部は、インクを硬化させるエネルギーとして、インクの特性に応じて、例えば光(例えば可視光)、紫外線、電子線、X線、放射線、又は熱等を発生する。また、このエネルギーを発生する動作に伴い、例えば、発熱する。例えば、紫外線の照射に応じて硬化するUV硬化型(紫外線硬化型)のインクを用いる場合、硬化用エネルギー発生部は、紫外線を発生し、かつ、紫外線を発生する動作に伴い、発熱する。そのため、硬化用エネルギー発生部を適切に動作させるためには、適切な冷却により、放熱不良を防ぐ必要がある。また、特に、紫外線の光源として、メタルハライドランプや高圧水銀灯等の紫外線ランプを用いる場合、発熱量が大きいため、適切な冷却が特に必要になる。
しかし、減圧された状態にある減圧室内は、熱を伝える空気が少ない。そのため、例えば減圧室内で硬化用エネルギー発生部を動作させると、周囲の空気による冷却が進まないため、発熱により、温度が大きく上昇してしまうおそれがある。これに対し、構成1のように構成すれば、例えば、減圧室内の空気による空冷によらず、冷却手段により、硬化用エネルギー発生部を適切に冷却できる。また、これにより、硬化用エネルギー発生部を安定的に駆動させ、インクを適切に硬化させることができる。また、例えば、成分を蒸発させることなく定着可能な硬化型のインクを用いることにより、インクの成分の蒸気圧の影響を適切の抑えることができる。
ここで、例えば、水性インクやソルベントインクのように、揮発成分の蒸発により媒体に定着するインクを用いる場合、インクの成分の蒸気圧が高いため、インクジェットヘッド等を収容する減圧室を減圧しようとしても、インクの成分の蒸気圧の影響で、十分な減圧を行えないおそれがある。これに対し、このように構成した場合、例えば、硬化型のインクを用いることにより、インクの成分の蒸気圧の影響を適切の抑え、減圧室を適切に減圧することが可能になる。
そのため、このように構成すれば、例えば、インクの液滴が受ける空気抵抗の影響を適切に抑えることができる。これにより、例えば、液滴の容量が小さい場合にも、インクのミスト化等を防ぎ、適切にインクを吐出できる。また、インクジェット方式により高精細な画像を適切に印刷できる。
尚、インクの揮発成分の蒸発の影響を抑えるためには、例えば、水性インクやソルベントインクを用いる場合であっても、インクの成分(揮発成分)として、飽和蒸気圧が低い物質を用いればよいようにも思われる。しかし、このように構成してしまうと、インクを乾燥させるために、非常に多くの時間がかかることとなる。また、例えば、蒸発を早めるために媒体を加熱するとすれば、高い温度まで加熱することが必要になり、熱による媒体の変形等が生じるおそれもある。更には、例えば、十分にインクを乾燥させることができないと、滲み等の発生により、印刷の品質が低下することとなる。そのため、この印刷システムで用いるインクが、媒体への定着をインクの乾燥により行うインクであるとすると、適切に印刷を行うことが困難になるおそれがある。
これに対し、構成1のように構成すれば、インクの成分の蒸発によらず、媒体にインクを適切に定着させることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクの成分の飽和蒸気圧が低い場合であっても、適切に印刷を行うことができる。
構成1において、インクは、例えば、モノマー及びオリゴマーの少なくとも一方を主成分として含み、当該主成分の重合により硬化するインクである。インクは、モノマー及びオリゴマーの両方を主成分として含んでもよい。モノマー及びオリゴマーの両方を主成分として含むとは、例えば、モノマーとオリゴマーの合計の含有量が、他のいずれの成分よりも多いことである。この場合、主成分の含有量とは、モノマーとオリゴマーの合計の含有量であってよい。
また、インクは、例えば、重合の開始剤を更に含む。この開始剤の飽和蒸気圧は、例えば10mmHg以下、好ましくは、5mmHg以下である。このように構成すれば、例えば、インクの蒸気圧の影響を、より適切に抑えることができる。また、これにより、例えば、インクの液滴が受ける空気抵抗の影響を、より適切に低減できる。
また、インクは、例えば、顔料、分散剤、ゲル化防止剤、及び表面調整剤等を更に含む。インクは、各種の添加剤を更に含んでもよい。このインクにおいては、例えば、実質的な成分の飽和蒸気圧が、いずれも10mmHg以下であることが好ましい。インクの実質的な成分の飽和蒸気圧は、より好ましくは、例えば、いずれも5mmHg以下である。
インクの実質的な成分とは、例えば、インクジェットヘッド内においてインクの組成物としてインク中に残る成分である。インクの実質的な成分は、このような組成物の全てであることが好ましい。また、実用上、インクの実質的な成分は、このような組成物のうち、例えば、含有量が少ない一部の成分を除いた95%以上の部分とすることも考えられる。
また、減圧手段は、減圧室内を、例えば0.5気圧以下、好ましくは0.25気圧以下、更に好ましくは0.2気圧以下に減圧する。このように構成すれば、空気抵抗の影響を適切に軽減できる。減圧手段は、減圧室内を、例えば0.1気圧以下、更には、0.01気圧以下に減圧してもよい。このように構成すれば、空気抵抗の影響を、より大きく軽減できる。また、これにより、液滴の容量がより小さい場合にも、適切に印刷を行うことができる。
また、この印刷システムは、例えば、インクジェットヘッドへ供給するインクを貯留するインク貯留部を更に備える。インク貯留部は、例えば、インクカートリッジ、インクボトル、又はインクパック等である。インク貯留部は、例えば、インクチューブを介して、インクジェットヘッドへインクを供給する。
この場合、インクジェットヘッドとインク貯留部との間に気圧差があると、インクを適切に供給することが困難になるおそれがある。例えば、インク貯留部が通常の1気圧に近い大気圧の雰囲気に設置されている場合、インク貯留部とインクジェットヘッドとの間の気圧差によりインクが押され、インクジェットヘッドへインクが過剰に供給されるおそれがある。また、その結果、インクジェットヘッドのノズル面からインクが吹き出すおそれがある。
これに対しては、例えば、インク貯留部を設置する雰囲気の気圧を、減圧室内と実質的に同程度にすることで解決できる。そのためには、例えば、インク貯留部を、インクジェットヘッドと共に、減圧室内に設置することが好ましい。また、例えばインクチューブ等の、インク貯留部からインクジェットヘッドまでのインクの経路も、全て減圧室内に設定することが更に好ましい。このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドへ適切にインクを供給できる。また、これにより、オンデマンド方式で適切に印刷を行うことができる。
また、この圧力差の問題を解決するためには、例えば、インク貯留部とインクジェットヘッドとの間に、圧力調整機構を設けることも考えられる。このようの構成した場合も、例えば、圧力差によりインクが過剰に供給されることを防ぎ、インクジェットヘッドへ適切にインクを供給できる。
(構成2)減圧室は、エネルギー発生部を更に収容し、冷却手段は、液体を介して冷却を行う液体冷却方式により、硬化用エネルギー発生部を冷却する。この液体冷却方式は、例えば、水冷方式である。このように構成すれば、例えば、エネルギー発生部を適切に冷却できる。
尚、冷却手段は、循環させる液体により、硬化用エネルギー発生部が発生する熱を受け取り、減圧室の外部の大気中へ放熱する。このように構成すれば、例えば、減圧室内に熱が蓄積されることを適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、硬化用エネルギー発生部をより適切に冷却できる。
(構成3)インクは、紫外線の照射により硬化するUV硬化型のインクであり、硬化用エネルギー発生部は、紫外線を発生する紫外線光源であり、減圧室の外部に設けられ、印刷システムは、紫外線光源が発生する紫外線を減圧室内へ導く紫外線導光部を更に備え、冷却手段は、減圧室の外部で硬化用エネルギー発生部を冷却する。このように構成すれば、例えば、減圧室内の空気よりも比熱の大きな、減圧室の外部の空気を冷媒として用い、硬化用エネルギー発生部を適切に冷却できる。冷却手段は、例えば水冷方式等の液体冷却方式等により、硬化用エネルギー発生部を冷却してもよい。
(構成4)インクは、紫外線の照射により硬化するUV硬化型のインクであり、硬化用エネルギー発生部は、紫外線を発生するUVLEDを有し、減圧室は、UVLEDを更に収容し、冷却手段は、UVLEDが取り付けられている筐体による熱伝導を介して、LEDを冷却する。
このように構成した場合、UVLEDを用いることにより、硬化用エネルギー発生部の発熱量を抑えることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、筐体の熱伝導により、硬化用エネルギー発生部を適切に冷却できる。
尚、冷却手段は、筐体の熱伝導を介してLEDから受け取る熱を、更に、減圧室の外部の大気中へ放熱することが好ましい。このように構成すれば、例えば、減圧室内に熱が蓄積されることを適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、硬化用エネルギー発生部をより適切に冷却できる。
(構成5)インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであって、外部から受けるエネルギーに応じて硬化する硬化型のインクの液滴を媒体へ吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、媒体へ着弾したインクを硬化させるエネルギーを発生する硬化用エネルギー発生部と、硬化用エネルギー発生部を冷却する冷却手段とを備え、少なくともインクジェットヘッド及び媒体は、減圧手段により大気圧よりも低い圧力に減圧される減圧室内に設けられ、冷却手段は、減圧された減圧室内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、又は硬化用エネルギー発生部が取り付けられている筐体へ熱を伝える熱伝導部材を介して、硬化用エネルギー発生部を冷却する。このように構成すれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成6)インクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、外部から受けるエネルギーに応じて硬化する硬化型のインクの液滴を媒体へ吐出するノズルを有するインクジェットヘッド、及び媒体を少なくとも減圧室に収容し、減圧手段により、減圧室内の気圧を大気圧よりも低い圧力に減圧し、硬化用エネルギー発生部により、媒体へ着弾したインクを硬化させるエネルギーを発生し、冷却手段により、減圧された減圧室内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、又は硬化用エネルギー発生部が取り付けられている筐体へ熱を伝える熱伝導部材を介して、エネルギー発生部を冷却する。このようにすれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、インクジェットプリンタにおいてインクが受ける空気抵抗の影響を適切に軽減できる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム10の構成の第1の例を示す。印刷システム10は、媒体50に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷システムであり、減圧室12、ポンプ16、及びインクジェットプリンタ14を備える。また、媒体50は、例えば紙、フィルム、布等である。媒体50は、例えば被印刷面に凹凸を有する立体物等であってもよい。
尚、印刷システム10は、例えば屋外広告やポスター、又は出版物等を印刷する産業用途の印刷システムであってよい。また、印刷システム10は、例えば、インクジェットプリンタ14及びポンプ16等の動作を制御するコンピュータであるホストPC等を更に備えてよい。
減圧室12は、ポンプ16により減圧される気密室であり、インクジェットプリンタ14におけるインクジェットヘッド及び媒体50を少なくとも収容する。本例において、減圧室12は、インクジェットプリンタ14の全体を収容する。
ポンプ16は、減圧手段の一例として用いられる真空ポンプであり、例えばオペレータの操作に応じて、減圧室12内の圧力を、大気圧よりも低い圧力に減圧する。この大気圧とは、例えば、減圧室12外の雰囲気の圧力である。この大気圧は、1気圧であってよい。これにより、ポンプ16は、インクジェットプリンタ14におけるインクジェットヘッドのノズルと媒体50との間の領域の気圧を、大気圧よりも低い圧力に減圧する。例えば、ポンプ16は、減圧室12内を、0.5気圧以下、好ましくは0.25気圧以下、更に好ましくは0.2気圧以下に減圧する。
本例において、ポンプ16は、減圧室12内を、例えば0.1気圧以下(例えば0.01〜0.1気圧)に減圧する。ポンプ16は、減圧室12内を0.01気圧以下に減圧してもよい。減圧のレベルは、例えば、インクジェットプリンタ14による印刷時におけるインクの液滴の飛翔距離に応じて決められる。
インクジェットプリンタ14は、オンデマンド方式のインクジェット方式で印刷を行う印刷装置である。本例において、インクジェットプリンタ14は、ポンプ16により減圧された減圧室12内で、媒体50に対して印刷を行う。また、インクジェットプリンタ14は、ヘッドユニット102、スライダー軸106、インクカートリッジ108a〜108d、インクチューブ114、紫外線照射部104、冷却水循環経路112、及び水冷装置110を有する。
ヘッドユニット102は、それぞれ異なる色のインクの液滴を吐出する複数のインクジェットヘッド202a〜202dを有する部分である。インクジェットヘッド202a〜202dのそれぞれは、YMCKインクの基本4色のそれぞれに対応して設けられており、対応する色のインクの液滴を媒体50へ吐出するノズルをそれぞれ有する。
本例において、インクジェットヘッド202a〜202dは、ノズルから、例えば1.5pl以下、好ましくは1pl以下、より好ましくは0.5pl以下の容量のインクの液滴を吐出する。インクジェットヘッド202a〜202dは、ノズルから、0.1pl以下の容量の液滴を吐出してもよい。また、例えば立体的な媒体等の、被印刷面に凹凸を有する媒体50を用いる場合等において、インクの液滴の容量は、例えば1.5pl以上(例えば1.5〜25pl)であってもよい。
ここで、本例において、これらのインクは、紫外線の照射により硬化するUV硬化型のインクである。また、このUV硬化型のインクは、外部から受けるエネルギーに応じて硬化する硬化型のインクの一例である。このような硬化型のインクを用いる場合、インクの成分の蒸発によらずに、媒体50にインクを定着させることができる。そのため、本例によれば、成分の飽和蒸気圧が低いインクを用いて、適切に印刷を行うことができる。
また、このUV硬化型のインクは、例えば、ラジカル重合インクであってよい。この場合、減圧下でインクの液滴の吐出及び硬化をさせることにより、例えば、酸素による重合の阻害をなくし、高感度化できる。また、このUV硬化型のインクは、カチオン重合インクであってもよい。この場合、重合阻害の原因となる水分がなくなるので、同じく硬化感度が上昇し、低いエネルギーでの硬化が可能となる。
尚、ヘッドユニット102は、スライダー軸106に沿って所定のヘッド走査方向(スキャン方向)であるY方向へ往復運動することにより、Y方向における媒体50の各位置にインクを吐出する。スライダー軸106は、Y方向へのヘッドユニット102の移動をガイドする部材であり、ヘッドユニット102にスキャン動作を行わせる。
本例において、ヘッドユニット102は、Y方向と直交するX方向へ媒体50に対して相対的に移動することにより、X方向における媒体50の各位置に、インクを吐出する。インクジェットプリンタ14は、例えば、媒体50を搬送することにより、媒体50に対して相対的に、X方向へヘッドユニット102を移動させる。この場合、インクジェットプリンタ14は、例えば、媒体50を搬送するローラ等を更に備える。インクジェットプリンタ14は、例えば媒体50の搬送を行わずに、ヘッドユニット102の側を移動させてもよい。また、インクジェットプリンタ14として、ヘッドユニット102を移動させる方式のプリンタに代えて、1ライン分のヘッドを有するヘッドが固定のプリンタを用いることもできる。
インクカートリッジ108a〜108dは、インクの供給元となるインク貯留部の一例であり、YMCKインクの基本4色のインクのそれぞれを貯留することにより、ヘッドユニット102におけるインクジェットヘッド202a〜202dへ供給するインクを貯留する。本例において、それぞれのインクカートリッジ108a〜108dは、複数のインクジェットヘッド202a〜202dのそれぞれに対応して、減圧室12内に設けられている。そして、対応するインクジェットヘッド202a〜202dへ、インクチューブ114を介して、インクを供給する。インクチューブ114は、インクを輸送するチューブであり、インクカートリッジ108a〜108dのそれぞれと、インクジェットヘッド202a〜202dのそれぞれとを接続する。尚、インク貯留部としては、例えば、インクボトル、又はインクパック等を用いることもできる。
ここで、本例と異なり、例えば、インクカートリッジ108a〜108dが、通常の1気圧に近い大気圧の雰囲気に設置されているとすれば、インクカートリッジ108a〜108dとインクジェットヘッド202a〜202dとの間の気圧差の問題が生じることとなる。例えば、この気圧差により、インクが押され、インクジェットヘッド202a〜202dへインクが過剰に供給されるおそれがある。また、その結果、インクジェットヘッド202a〜202dのノズル面からインクが吹き出すぽた落ち異常等が発生するおそれがある。
これに対し、本例において、インクジェットヘッド202a〜202dからインクカートリッジ108a〜108dへ至るインクの経路は、全て、減圧室12内に収容されている。そのため、インクジェットヘッド202a〜202dとインクカートリッジ108a〜108dとの間に気圧差が生じることはない。そのため、本例によれば、例えば、ノズル面からのぽた落ち等の吐出異常を防ぎ、インクジェットヘッド202a〜202dへ適切にインクを供給できる。また、これにより、オンデマンド方式で適切に印刷を行うことができる。
尚、この圧力差の問題を解決するためには、例えば、インクカートリッジ108a〜108dとインクジェットヘッド202a〜202dとの間に、圧力調整機構を設けることも考えられる。このように構成した場合も、例えば、圧力差によりインクが過剰に供給されることを防ぎ、インクジェットヘッド202a〜202dへ適切にインクを供給できる。
紫外線照射部104は、硬化用エネルギー発生部の一例であり、媒体50上のインクへ紫外線を照射することにより、媒体50へ着弾したインクを硬化させる。本例において、紫外線照射部104は、減圧室12内において、ヘッドユニット102のY方向の両側にそれぞれ設けられており、ヘッドユニット102と共にスキャン動作を行う。また、それぞれの紫外線照射部104は、例えば、紫外線の光源と、光源が発生する紫外線を集光する光学系とを有する。この光源は、例えばメタルハライドランプや高圧水銀灯等の紫外線ランプである。また、この光源は、UVLEDであってもよい。
冷却水循環経路112は、例えば液体を輸送するチューブであり、紫外線照射部104と水冷装置110との間で、水冷装置110が使用する液体を循環させる。水冷装置110は、液体冷却方式の冷却手段の一例であり、液体を介して冷却を行う水冷方式等の液体冷却方式により、硬化用エネルギー発生部である紫外線照射部104を冷却する。これにより、水冷装置110は、減圧された減圧室12内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、紫外線照射部104を冷却する。
尚、水冷装置110は、例えば、一部が減圧室12の外側に露出した構成を有することが好ましい。この場合、水冷装置110は、例えば、循環させる液体により、紫外線照射部104が発生する熱を受け取り、その熱を、減圧室12の外側に露出した部分から、減圧室12の外部の大気中へ放熱する。このように構成すれば、例えば、減圧室12内に熱が蓄積されることを適切に防ぐことができる。
本例によれば、例えば、減圧により熱を伝える空気が少ない状態となっている減圧室12内においても、紫外線照射部104の放熱不良をなくし、紫外線照射部104を適切に冷却できる。そのため、紫外線照射部104の機能に影響を与えることなく、減圧室12内を適切に減圧できる。また、紫外線照射部104を安定的に駆動させ、インクを適切に硬化させることができる。更には、減圧室12内を適切に減圧できることにより、インクが受ける空気抵抗の影響を適切に低減できる。
ここで、本例で用いられるインクについて、詳しく説明する。本例において、インクは、UV硬化型のインクであり、主成分としてモノマーを含み、当該モノマーの重合により硬化する。また、このUV硬化型のインクは、例えば、顔料、分散剤、開始剤(増感剤)、ゲル化防止剤、表面調整剤、モノマー、及びオリゴマーを含む。このうち、モノマーの含有量は、例えば65〜85%、オリゴマーの含有量は、例えば10〜20%である。顔料の含有量は、例えば4%程度、開始剤の含有量は、例えば7%程度である。分散剤、ゲル化防止剤、及び表面調整剤の含有量は、それぞれ数%である。
また、主成分であるモノマーの25℃での飽和蒸気圧は、例えば、減圧された減圧室12内の気圧の1/10以下、好ましくは1/20以下である。この飽和蒸気圧は、好ましくは10mmHg以下、更に好ましくは5mmHg以下(例えば2〜3mmHg)である。
また、含有量の多い成分であるオリゴマー、及び開始剤の飽和蒸気圧も、減圧された減圧室12内の気圧の1/10以下、好ましくは1/20以下である。この飽和蒸気圧は、好ましくは10mmHg以下、更に好ましくは5mmHg以下(例えば2〜3mmHg)である。
また、インク中に5%以上含まれるその他の成分、好ましくは、1%以上含まれるその他の成分の25℃における飽和蒸気圧も、例えば、減圧された減圧室12内の気圧の1/10以下、好ましくは1/20以下である。この飽和蒸気圧は、好ましくは10mmHg以下、更に好ましくは5mmHg以下(例えば2〜3mmHg)である。
インクの成分の飽和蒸気圧が高い場合、減圧室12内を減圧すると、インクの蒸気圧の影響によりインクの成分が蒸発して、インクの特性が変化することとなる。そのため、この場合、液体のインクを吐出する構造であるインクジェットプリンタ14において、インクが安定に使用できる減圧の範囲が狭くなり、十分な減圧を行うことが困難になる。
これに対し、上記のような飽和蒸気圧のインクを用いた場合、例えば、減圧雰囲気でのインクの成分の蒸発を適切に防ぐことができる。また、これにより、減圧室12内を十分に減圧し、インクの液滴が受ける空気抵抗の影響を、十分かつ適切に軽減することが可能になる。
以上のように、本例によれば、例えば、インクジェットヘッドのノズルと媒体50との間の領域を、適切に減圧できる。そのため、インクの液滴が受ける空気抵抗の影響を抑え、例えばインクの液滴の容量が小さい場合にも、インクのミスト化等を適切に防ぐことができる。また、これにより、インクジェット方式により高精細な画像を適切に印刷することが可能になる。
また、インクが受ける空気抵抗の影響を抑えることにより、インクジェットヘッド202a〜202dのノズルと媒体50との距離を広げるワイドギャップ化が可能になる。これにより、例えば、立体的な媒体等の、被印刷面に凹凸を有する媒体50を用いる場合にも、適切に印刷を行うことが可能になる。
更には、本例においては、例えば静電吸引方式で印刷を行う場合等と異なり、導電性のインクを使用する必要もないため、インクの制限が極めて少なくなる。そのため、本例によれば、絶縁性から導電性までの幅広い性質のインクにより、種々の形の媒体に対して、微小液滴でかつ広いギャップでの印刷が可能になる。また、インクジェットヘッド202a〜202dとして、例えば、従来のオンデマンド方式で用いられる構成のインクジェットヘッドをそのまま用いることも可能になる。
尚、インクとしては、例えばモノマー以外の成分を主成分とするインクを用いることも考えられる。例えば、オリゴマーを主成分として含むインクを用いることも考えられる。また、モノマー及びオリゴマーの両方を主成分として含むインクを用いることも考えられる。これらの場合、当該主成分の飽和蒸気圧は、例えばモノマーを主成分とする場合におけるモノマーの飽和蒸気圧と同一又は同様とすることが望ましい。
また、外部から受けるエネルギーに応じて硬化する硬化型のインクとして、UV硬化型のインクに代えて、例えば、光(例えば可視光)、紫外線、電子線、X線、又は放射線等に応じて重合硬化するインク等を用いてもよい。また、熱により硬化するインクを用いることも考えられる。これらの場合、硬化用エネルギー発生部として、紫外線照射部104に代えて、インクの特性に応じた構成が用いられる。それ以外の点については、例えば、UV硬化型のインクを用いる場合と同一又は同様であってよい。
例えば、インクの各成分の飽和蒸気圧は、UV硬化型のインクの場合と同一又は同様であってよい。このようにすれば、例えば、UV硬化型インクを用いる場合と同様に、減圧室12内を適切に減圧できる。また、これにより、空気抵抗の影響を抑え、適切に印刷を行うことができる。
また、電子線硬化型のインク、又はX線硬化型のインクを用いる場合には、例えば、より蒸気圧の低いモノマーやオリゴマーを使用することも可能である。この場合、インクの飽和蒸気圧に応じて決まる減圧室12内の減圧のレベルを、より低い圧力にできる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクが受ける空気抵抗の影響を、より軽減できる。
また、本発明の変形例において、ポンプ16は、インクジェットプリンタ14が備える構成として設けられてもよい。また、インクジェットプリンタ14の全体を収容する減圧室12に代えて、例えばインクジェットプリンタ14が備える構成として、減圧室が設けられてもよい。また、減圧室は、インクジェットプリンタ14に取り外し可能に取り付けられる印刷ユニット内に設けられてもよい。
続いて、インクが受ける空気抵抗の影響について更に詳しく説明する。図2及び図3は、空気抵抗の影響を調べるために行った実験について説明する図である。図2は、空気抵抗の影響を調べる実験を行った構成を示す。
この実験では、インクジェットヘッド202及び媒体50を減圧室内に設置し、気圧とインクの飛翔距離Lとの関係を調べた。また、測定の便宜上、インクの液滴の容量は、16pl、及び32plとした。そして、ノズルの先端と媒体50との距離が10cmとなり、ノズルからの吐出方向が水平方向になるようにインクジェットヘッド202を設置した。
このようにインクジェットヘッド202を設置することにより、例えば破線302、及び破線304で示すように、気圧による飛翔距離Lの変化を適切に測定することが可能になる。尚、破線302は、減圧室内を減圧しない1気圧の状態での液滴の飛翔の様子の概略を示す。また、破線304は、0.1気圧に減圧した状態での液滴の飛翔の様子の概略を示す。
図3は、実験の結果を示すグラフである。液滴の容量が16pl、32plのいずれの場合にも、気圧を小さくすることにより、飛翔距離Lを大きくできることがわかる。また、同じ飛翔距離Lを得るためには、液滴の容量が小さくなる程、気圧を低くする必要があることがわかる。これは、例えば、減圧するほど空気抵抗が小さくなり、小さな液滴をより遠くまで吐出可能となるためである。
また、例えば、グラフからわかるように、気圧が概ね1/3気圧以下になると、1気圧の場合と比べ、飛翔距離が2倍程度に大きく伸びることがわかる。また、1気圧の場合と比べて飛翔距離を5倍程度に伸ばしたい場合には、0.1気圧以下にする必要があることがわかる。例えば、液滴の容量が16plの場合、1気圧での飛翔距離Lは、約10mm、0.1気圧での飛翔距離Lは、約50mmである。
また、これらの結果から、例えば、0.01気圧まで減圧すれば、2pl程度の容量の液滴により、100mm程度のギャップを空けての印刷が可能であることがわかる。また、例えば液滴の容量が1.5pl以下の場合にも、広いギャップ(mm〜cm)で安定して印刷を行うことが可能になる。例えば、液滴の容量が1.5pl以下の場合でも、ノズルと媒体50との距離を、2mm以上、例えば、2mm〜10cm程度とすることが可能になる。また、例えば容量が0.1pl程度(例えば0.08〜0.12pl)の微小液滴により、10mm程度のギャップを空けての印刷も可能になる。
また、例えば液滴の容量をより大きく、例えば20pl程度以上とする場合、例えば10cm以上の広いギャップがある場合にも、適切に印刷を行うことが可能になる。そのため、この場合、例えば被印刷面に凹凸を有する媒体50を用いる場合等において、数cm〜十数cmの凹凸がある場合にも、適切に印刷を行うことができる。
尚、この実験では、飛翔距離Lを測定しやすくするため、ノズルからの吐出方向を水平方向にした。しかし、図1を用いて説明したインクジェットプリンタ14等において、吐出方向は、重力の方向と一致させることが好ましい。吐出方向と重力の方向との一致は、必要な精度に応じて、例えば、略一致であってもよい。
空気抵抗が小さくなると、飛翔中の微小液滴にかかる力としては、液滴の慣性力と重力の影響が大きくなる。そして、これらの方向が一致する場合、重力の加速度が加わることにより、空気抵抗によるエネルギーのロスを補填する働きが生じる。そのため、このように構成すれば、より遠くへ液滴を適切に飛翔させることが可能となる。また、この場合、空気抵抗による液滴速度の減衰が少なくなるため、同じ距離を飛ばした場合の着弾位置を、一層正確にできる効果もある。
図4は、印刷システム10の構成の第2の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図4において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一又は同様である。
本例において、インクジェットプリンタ14は、図1に示した紫外線照射部104に代えて、構成の異なる紫外線照射部126を有する。また、減圧室12の外部に、紫外線光源部116を更に有する。そして、紫外線光源部116と紫外線照射部126との間に、紫外線導光部118を更に有する。また、図1に示した構成における水冷装置110及び冷却水循環経路112に代えて、減圧室12の外部に、冷却部120を有する。
紫外線光源部116は、本例において硬化用エネルギー発生部として動作する構成であり、減圧室12の外部の大気中に設けられることにより、減圧室12の外部において、インクを硬化させるエネルギーとなる紫外線を発生する。紫外線光源部116は、例えば、メタルハライドランプや高圧水銀灯等の紫外線ランプであってよい。このように構成すれば、強い紫外線を適切に発生させることができる。
紫外線導光部118は、例えば紫外線ファイバであり、紫外線光源部116が発生する紫外線を減圧室内へ導く。紫外線導光部118としては、例えば石英ガラスファイバ等の、紫外線を透過可能なガラスファイバを好適に用いることができる。
冷却部120は、本例において冷却手段として動作する構成であり、紫外線光源部116と共に減圧室12の外部に設けられることにより、減圧室12の外部で紫外線光源部116を冷却する。これにより、冷却部120は、減圧室12内の空気よりも比熱の大きな、減圧室12室の外部の空気を冷媒として用い、紫外線光源部116を冷却する。冷却部120は、例えば水冷方式等の液体冷却方式等により、紫外線光源部116を冷却してもよい。
また、本例において、紫外線照射部126は、紫外線の光源を有しておらず、紫外線導光部118を介して紫外線光源部116から受け取る紫外線を、媒体50上のインクへ照射する。紫外線照射部126は、例えば紫外線を集光する光学系を有してよい。
本例においても、硬化用エネルギー発生部である紫外線光源部116を適切に冷却しつつ、減圧室12内を適切に減圧できる。また、これにより、インクの液滴が受ける空気抵抗の影響を適切に軽減できる。
図5は、印刷システム10の構成の第3の例を示す。尚、以下に説明する点を除き、図5において、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一又は同様である。
本例において、インクジェットプリンタ14は、図1に示した紫外線照射部104に代えて、紫外線照射部128を有する。紫外線照射部128は、図1の紫外線照射部104と同様に、エネルギー発生部として動作する構成であり、紫外線を発生するUVLED204を有する。紫外線照射部128の構成は、例えば、図1の紫外線照射部104において光源としてUVLEDを用いた場合と同一又は同様であってよい。また、本例の印刷システム10において、水冷装置110及び冷却水循環経路112(図1参照)は、設けられていない。
本例においては、インクジェットプリンタ14の筐体が、冷却手段として機能する。これにより、冷却手段は、UVLED204が取り付けられている筐体による熱伝導を介して、UVLED204を冷却する。
また、本例において、印刷システム10は、熱伝導部材122、124を更に有する。熱伝導部材122、124は、UVLED204から外部への熱伝導を促進するための部材である。熱伝導部材122、124は、例えば、筐体の一部を構成する金属部分等であってよい。熱伝導部材122は、例えば、紫外線照射部128とスライダー軸106との間に設けられており、紫外線照射部128からインクジェットプリンタ14の筐体への熱伝導を促進する。また、熱伝導部材124は、例えば、スライダー軸106よ減圧室12の外部との間に設けられており、インクジェットプリンタ14の筐体から減圧室12の外部への熱伝導を促進する。このように構成すれば、UVLED204をより適切に冷却できる。
本例によれば、紫外線の光源としてUVLED204を用いることにより、紫外線照射部128の発熱量を適切に抑えることができる。また、これにより、例えば、筐体の熱伝導により、紫外線照射部128を適切に冷却できる。
そのため、本例においても、硬化用エネルギー発生部である紫外線照射部128を適切に冷却しつつ、減圧室12内を適切に減圧できる。また、これにより、インクの液滴が受ける空気抵抗の影響を適切に軽減できる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えば印刷システムに好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係る印刷システム10の構成の第1の例を示す図である。 空気抵抗の影響を調べる実験を行った構成を示す図である。 実験の結果を示すグラフである。 印刷システム10の構成の第2の例を示す図である。 印刷システム10の構成の第3の例を示す図である。
符号の説明
10・・・印刷システム、12・・・減圧室、14・・・インクジェットプリンタ、16・・・ポンプ、50・・・媒体、102・・・ヘッドユニット、104・・・紫外線照射部、106・・・スライダー軸、108a、108b、108c、108d・・・インクカートリッジ、110・・・水冷装置、112・・・冷却水循環経路、114・・・インクチューブ、116・・・紫外線光源部、118・・・紫外線導光部、120・・・冷却部、122・・・熱伝導部材、124・・・熱伝導部材、126・・・紫外線照射部、128・・・紫外線照射部、202、202a、202b、202c、202d・・・インクジェットヘッド、204・・・UVLED

Claims (4)

  1. インクジェット方式で印刷を行う印刷システムであって、
    外部から受ける紫外線に応じて硬化する紫外線硬化型のインクの液滴を媒体へ吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記媒体へ着弾した前記紫外線硬化型のインクを硬化させる紫外線を発生するUVLEDと、
    前記インクジェットヘッド、前記媒体、及び前記UVLEDを少なくとも収容する減圧室と、
    前記減圧室内の気圧を、印刷時における前記インクの液滴の飛翔距離に応じて決められる、大気圧よりも低い圧力に減圧する減圧手段と、
    前記減圧室の外部から供給されるとともに減圧された減圧室内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、又は前記UVLEDが取り付けられている筐体へ熱を伝える熱伝導部材を介して、前記UVLEDを冷却する冷却手段と
    を備え
    少なくとも、前記インクの液滴の大きさについて、減圧しない環境において前記飛翔距離に基づいて決められる大きさよりも小さくするか、又は、前記インクジェットヘッドと前記媒体との間のギャップについて、減圧しない環境において前記インクの液滴の大きさに基づいて決められる距離よりも大きくした状態で印刷を行うことを特徴とする印刷システム。
  2. 前記減圧室は、前記エネルギー発生部を更に収容し、
    前記冷却手段は、液体を介して冷却を行う液体冷却方式により、前記UVLEDを冷却することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
  3. インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであって、
    外部から受ける紫外線に応じて硬化する紫外線硬化型のインクの液滴を媒体へ吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記媒体へ着弾した前記紫外線硬化型のインクを硬化させる紫外線を発生するUVLEDと、
    前記UVLEDを冷却する冷却手段と
    を備え、
    少なくとも前記インクジェットヘッド、前記媒体、及び前記UVLEDは、減圧手段により、印刷時における前記インクの液滴の飛翔距離に応じて決められる、大気圧よりも低い圧力に減圧される減圧室内に設けられ、
    前記冷却手段は、前記減圧室の外部から供給されるとともに減圧された減圧室内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、又は前記UVLEDが取り付けられている筐体へ熱を伝える熱伝導部材を介して、前記UVLEDを冷却し、
    少なくとも、前記インクの液滴の大きさについて、減圧しない環境において前記飛翔距離に基づいて決められる大きさよりも小さくするか、又は、前記インクジェットヘッドと前記媒体との間のギャップについて、減圧しない環境において前記インクの液滴の大きさに基づいて決められる距離よりも大きくした状態で印刷を行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. インクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
    外部から受ける紫外線に応じて硬化する紫外線硬化型のインクの液滴を媒体へ吐出するノズルを有するインクジェットヘッド、前記媒体、及びUVLEDを少なくとも減圧室に収容し、
    減圧手段により、前記減圧室内の気圧を、印刷時における前記インクの液滴の飛翔距離に応じて決められる、大気圧よりも低い圧力に減圧し、
    前記UVLEDにより、前記媒体へ着弾した前記紫外線硬化型のインクを硬化させる紫外線を発生し、
    冷却手段により、前記減圧室の外部から供給されるとともに減圧された減圧室内の空気よりも比熱が高い冷媒を介して、又は前記UVLEDが取り付けられている筐体へ熱を伝える熱伝導部材を介して、前記UVLEDを冷却すると共に、
    少なくとも、前記インクの液滴の大きさについて、減圧しない環境において前記飛翔距離に基づいて決められる大きさよりも小さくするか、又は、前記インクジェットヘッドと前記媒体との間のギャップについて、減圧しない環境において前記インクの液滴の大きさに基づいて決められる距離よりも大きくした状態で印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
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