JP5733884B2 - インク、インクの調製方法、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク、インクの調製方法、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用にも好適なイエローの色相、色調を有する水性のインク、係るインクの調製方法、かかるインクを用いたインクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法によって得られる画像に求められる性質のひとつに、耐光性が挙げられる。複数のインクを用いて形成するカラー画像においては、一色でも耐光性に劣るインクが存在すると、該インクで記録した画像の部分では、保存後に色相や色調が変わるため、画像全体としての品質が劣化する。また、インクジェット記録方法によって得られる画像は、その色調や画像濃度によってインクの付与量が異なり、インクの付与量の少ない部分では色材量も少なくなるため、耐光性などの画像保存性を得ることは更に困難となる。
インクジェット記録方法によってカラー画像を形成する場合、少なくともシアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを用いるのが一般的である。これらのインクには、耐光性などの画像保存性を優れたものとするために、色材として顔料を含有するインク(顔料インク)が広く用いられている。一般的なシアン顔料及びマゼンタ顔料は、発色性や耐光性がともに優れていることが知られているが、発色性と耐光性の双方に優れたイエロー顔料は少ない。従来、イエローインクの色材としては、C.I.ピグメントイエロー74が広く用いられているが、発色性に優れるものの、耐光性は他の色相の顔料と比較して低く、改善の余地がある。
発色性と耐光性に優れた画像を記録可能なイエローインクに関しては、従来から数多くの提案がなされている。C.I.ピグメントイエロー74とC.I.ピグメントイエロー109、110、128、150及び154から選択される第2のイエロー顔料とを含有するインクにより、耐光性と発色性に優れた画像が得られることが開示されている(特許文献1)。また、色材としてC.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー110を含有するインクにより、色再現性と耐光性が改善された画像が実現できることが開示されている(特許文献2)。
また、C.I.ピグメントイエロー74及びスチレン−(メタ)アクリル酸系水溶性樹脂とを含んでなるインクを用いた画像が、耐光性を有することが開示されている(特許文献3)。更に、酸価が100〜250であり、かつ重量平均分子量が7,000〜15,000であるスチレン−アクリル系樹脂により顔料が分散された水性顔料分散液を含有するインクにより、画像保存性が向上することが開示されている(特許文献4)。
着色力の高いイエロー色材として、イソインドリン系顔料が知られている。しかし、イソインドリン系顔料は発色性及び耐光性に優れるものの、耐アルカリ性が不十分であるために、水性のインクに用いる色材としては推奨されていない(非特許文献1)。例えば、イソインドリン系顔料を用いて形成した画像は、人間の汗が画像に触れるなどのアルカリ性条件下では分解してしまう。
特開2000−281952号公報 特開2001−081369号公報 特開平11−199811号公報 特開2006−077201号公報
橋本勲著、「有機顔料ハンドブック」、カラーオフィス、2006年、p.105
これまでに、画像濃度の低い記録物においても耐光性を得ることについての検討はなされていない。上記に挙げた特許文献などに記載された技術によれば、このような記録物においても耐光性をある程度向上できることは推測される。しかし、シアンやマゼンタのインクにより形成された画像と同等の耐光性を有するイエロー画像が得られるイエローインクは依然として見出されていない。
したがって、本発明の目的は、耐光性、耐アルカリ性、色相及び色調(発色性)に優れた画像を与えるイエローインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクの調製方法、並びに、前記インクを用いたインクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかるインクは、第1の色材及び第2の色材を含有するインクであって、前記第1の色材が、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選ばれる少なくとも1種であり、前記第2の色材が、C.I.ピグメントイエロー213であり、樹脂で分散された前記第1の色材と、樹脂で分散された前記第2の色材とを混合することで得られることを特徴とする。
本発明によれば、耐光性、耐アルカリ性、色相及び色調(発色性)に優れたイエローのインクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクの調製方法、並びに、記インクを用いたインクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置を提供することができる。
画像の分光反射スペクトルである。 インクジェット記録装置の斜視図である。 インクジェット記録装置の機構部の斜視図である。 インクジェット記録装置の断面図である。 ヘッドカートリッジにインクカートリッジを装着する状態を示す斜視図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 記録素子基板を示す正面図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、本明細書の記載において、C.I.とは、カラーインデックスの略語である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、C.I.ピグメントイエロー74を含有するイエローインクにより形成された画像の、光による劣化現象について検討を行った。その結果、C.I.ピグメントイエロー74は他の色材と比較して優先的に光による劣化を起こし、退色することが分かった。例えば、C.I.ピグメントイエロー74とC.I.ピグメントイエロー110とを含有するイエローインクで形成された画像が光により退色する過程では、C.I.ピグメントイエロー74の劣化が優先的に起こっていた。そして、光暴露後の画像の色調は、色材としてC.I.ピグメントイエロー110のみを含有するインクで形成されたものと酷似していた。このことから、得られる画像の耐光性に関しては、イエロー顔料の中でもC.I.ピグメントイエロー74は不利であると言える。
また、本発明者らは、2種以上のイエロー色材を併用したインクにより得られる画像の色調についても検討した。シアン、マゼンタ及びイエローの減法混色の基本三原色によって形成される画像において理想とされるイエロー画像は、CIE(国際照明委員会)表色系における色相角が88度〜92度の範囲にあるものである。C.I.ピグメントイエロー74を含有するイエローインクによって形成されるイエロー画像は多くの場合上記の色相角に含まれ、更に画像の彩度も高いことから、これまでインクジェット用のインクとして広く用いられている。しかし、C.I.ピグメントイエロー74を含有するインクにより形成された画像の耐光性を向上させるために他のイエロー色材を併用すると、併用する色材によっては、その色材の色相角に応じてイエロー画像の色相角が変化する。そのため、理想の色相角からずれるという問題が生じる。また、C.I.ピグメントイエロー74と併用することによるイエロー画像の色相角の変化が少ない色材を用いた場合であっても、C.I.ピグメントイエロー74の耐光性が乏しいため、光劣化による画像の色濃度の低下は依然として課題が残る。
そこで、本発明者らは、C.I.ピグメントイエロー74に依存しないイエローインクが必要と考え、理想の色相を維持しつつ耐光性と発色性を両立したイエロー画像を形成できるインクの構成を見出すために、各種のイエロー顔料についての検討を行った。その結果、イソインドリン系顔料とC.I.ピグメントイエロー128及び/又は213を含有するインクによれば、上記課題を解決できるという知見を得て、本発明に至った。
上述の非特許文献1にも記載されているように、イソインドリン系顔料は元来、記録物の耐アルカリ性に課題がある。ところが、イソインドリン系顔料と、C.I.ピグメントイエロー128及び213から選ばれる1種以上の顔料とを併用することで、以下のような相乗的な効果が得られることが分かった。すなわち、イソインドリン系顔料を使用することにより予想される耐アルカリ性の低下が抑制され、しかもC.I.ピグメントイエロー128や213を併用してもイソインドリン系顔料の色調が維持され、理想のイエローの色相が保たれた。このような効果が得られるメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
先ず、イソインドリン系顔料を用いているのにも関わらず、耐アルカリ性の低下が抑制される理由は以下のように考えられる。C.I.ピグメントイエロー128及び213はアゾ系顔料であるため、イソインドリン系顔料と比較して加水分解されにくく、また、耐アルカリ性も高い。そのため、人間の汗が画像に触れるなどのアルカリ性条件下となって、イソインドリン系顔料が分解されたとしても、耐アルカリ性の高いC.I.ピグメントイエロー128及び213が残存することで、イエローの色相が維持できる。また、これらの顔料を併用するとイソインドリン系顔料の表面にC.I.ピグメントイエロー128や213の少なくとも一部が配向する。その結果、耐アルカリ性の低いイソインドリン系顔料を、耐アルカリ性の高いC.I.ピグメントイエロー128や213が保護する状態となり、記録物の耐アルカリ性が向上するものと考えている。
一方、C.I.ピグメントイエロー128や213を併用してもイソインドリン系顔料の色調が維持される理由は以下のように考えられる。この現象に関して、画像の分光反射スペクトルを示す図1を参照して説明する。1は、色材としてイソインドリン系顔料(C.I.ピグメントイエロー185)のみを1.5質量%含有するインクで形成した画像の分光反射スペクトルである。また、2は、色材としてアゾ系顔料(C.I.ピグメントイエロー128)のみを1.5質量%含有するインクで形成した画像の分光反射スペクトルである。また、3は、色材としてイソインドリン系顔料(C.I.ピグメントイエロー185)とアゾ系顔料(C.I.ピグメントイエロー128)とを1:1で(つまり、各顔料を0.75%ずつ)含有するインクで形成した画像の分光反射スペクトルである。4は、イエロー画像の理想の分光反射スペクトルである。尚、分光反射スペクトルは記録物(150%デューティのベタ画像)を24時間自然乾燥させた後、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いてスペクトル測定を行った。
理想的な「純色」(オプティマルカラー)とは、必要な波長域の光を完全に反射し、不必要な波長域の光は全て吸収して光を全く反射しないものである。イエローインクの場合、分光反射スペクトル4に示すように、500nm未満の可視光波長域の光を完全に吸収し、500nm以上可視光波長域の光を完全に反射するものが理想的である。分光反射スペクトル2に示すように、イエロー顔料の中でも、C.I.ピグメントイエロー128や213などのアゾ系顔料を含有するインクで形成される画像は、380nm以上440nm以下の波長域における光の吸収性には長けている。しかし、分光反射スペクトルの立ち上がりが緩やかであるため、彩度が低い。一方、分光反射スペクトル1に示すように、イソインドリン系顔料を含有するインクで形成される画像は、分光反射スペクトルの立ち上がりがシャープで、理想的なイエローに近いスペクトルとなるため、彩度が高い。このようにイソインドリン系顔料とC.I.ピグメントイエロー128や213などのアゾ系顔料は分光反射スペクトルの特性が異なるため、互いに異なる色調を持つ。
しかし、本発明者らの検討の結果、イソインドリン系顔料に、C.I.ピグメントイエロー128や213を併用したインクで形成される画像においては、イソインドリン系顔料の優れた彩度が損なわれずに保持されるという現象が起こることが分かった。このような現象が生じるメカニズムを、本発明者らは以下のように考えている。
色材としてC.I.ピグメントイエロー185を含有するインクによって形成される画像の反射スペクトル1は、以下のような特徴を有する。380〜480nmの波長域では反射率が低く、480〜530nmの波長域で反射率が急激に上昇し、530〜730nmの波長域では高い反射率を示す。また、色材としてC.I.ピグメントイエロー128を含有するインクによって形成される画像の反射スペクトル2は、以下のような特徴を有する。380〜440nmの波長域では反射率が低く、440〜530nmの波長域で反射率が徐々に上昇し、530〜730nmの波長域では高い反射率を示す。これらのスペクトルを比較すると、380〜440nmの波長域では、反射率のより小さいC.I.ピグメントイエロー128のスペクトルが理想のイエローに近い。また、440nmを越える波長域では、500nmにより近い波長域から反射率が立ち上がるC.I.ピグメントイエロー185のスペクトルが理想のイエローに近い。
一方、C.I.ピグメントイエロー185とC.I.ピグメントイエロー128を併用したインクによって形成される画像の反射スペクトルは、反射スペクトル1及び2の単純な足し合わせにはなっておらず、各々の理想に近い波長域のスペクトルをつなぎ合わせたようなスペクトル3になった。つまり、380〜440nmの波長域ではC.I.ピグメントイエロー128のスペクトル2に近く、440〜480nmの波長域ではC.I.ピグメントイエロー185のスペクトル1に近くなった。この結果、イソインドリン系顔料(C.I.ピグメントイエロー185)とC.I.ピグメントイエロー128を併用した系においても、イソインドリン系顔料の色調が保持される。
このような現象は、色材に光があたって吸収と散乱を繰り返して発色する際に、一部の光は両方の色材にあたって発色する場合があるためと考えている。そして、本発明者らが鋭意検討を行った結果、このような現象は全ての色材に起こる訳ではなく、C.I.ピグメントイエロー128やC.I.ピグメントイエロー213のような透明性の高い色材の場合に特有に起こることを見出した。
<インク>
次に、本発明にかかる顔料インクを構成する成分について説明する。本発明のインクは、少なくとも、第1の色材及び第2の色材の2つの色材を含有するインクである。
(第1の色材)
本発明のインクに使用する第1の色材は、下記一般式(I)で表されるイソインドリン系顔料である。
(一般式(I)中、X及びXはそれぞれ独立に、シアノアセトアミド残基或いはバルビツール酸残基であり、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基で置換されていてもよく、前記アリール基及び前記ヘテロアリール基は、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、若しくはニトロ基で更に置換されていてもよい。)
一般式(I)中、X及びXはそれぞれ独立にシアノアセトアミド残基又はバルビツール酸残基である。詳細には、式(II)で表されるシアノアセトアミド又は式(III)で表されるバルビツール酸において、各式中の*を付した炭素原子が、一般式(I)の二重結合の5員環と反対側に位置する炭素原子となる。すなわち、各式中の*を付した炭素原子に結合する水素原子を除いた構造が、シアノアセトアミド残基及びバルビツール酸残基である。
一般式(II)や一般式(III)における水素原子は、炭素原子数1乃至4のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭素原子数3乃至10のヘテロアリール基であってもよい。更に、これらの基は、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はニトロ基で置換されていてもよい。
一般式(I)で表される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー139及び185が挙げられ、本発明においては、C.I.ピグメントイエロー185を用いることが特に好ましい。C.I.ピグメントイエロー185を含有するインクで形成された画像は、その分光反射スペクトルが理想のイエローに特に近く、優れた彩度を持つので、第2の色材と併用した場合により理想の色調を得ることができる。
(第2の色材)
第2の色材は、C.I.ピグメントイエロー128及び213から選ばれる少なくともひとつである。これらは、1種で用いてもよく、また両方を併用してもよい。
(その他の色材)
また、色材を併用することにより発色効率が向上し、画像の色調と耐光性が良好となるのであれば、前記第1の色材と前記第2の色材に、更に公知のイエロー顔料やイエロー染料を加えてもよい。例えば、C.I.ピグメントイエロー74及び155などの顔料や、C.I.ダイレクトイエロー86、132、及び173などの染料を併用することができる。
(色材の含有量)
本発明のインク中に含有される色材の含有量の合計は、インク全質量を基準として、0.1%以上15.0%以下の範囲が好ましく、更には0.1%以上10.0%以下の範囲が特に好ましい。また、インク中に含有される第1の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05%以上10.0%以下の範囲が好適である。また、第2の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05%以上10.0%以下の範囲が好適である。
また、本発明で使用する前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、全色材のインク中における含有量(質量%)に対して占める割合が、10.0%以上90.0%以下であることが好ましい。前記割合が10.0%未満であると、第1の色材の絶対量が少なく所望の色相を得られない場合がある。また、前記割合が90.0%を越えると、記録画像上で前記第2の色材がイソインドリン系顔料を保護する量が少なくなり耐アルカリ性の向上効果が十分に得られない場合がある。本発明においては特に、前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、全色材のインク中における含有量(質量%)に対して占める割合が、20.0%以上50.0%以下であることが好ましい。前記割合を20.0%以上50.0%以下の範囲内とすることで、色材を併用することによる発色効率がより向上し、高い発色性と耐光性が得られる。更には、前記割合を20.0%以上40.0%以下の範囲内とすることで、上記効果に加えて、画像濃度が低い、すなわち記録デューティが低い画像においても、特に優れた耐光性が得られる。
(色材の分散方式)
本発明のインクに使用する上記の色材の分散方式としては、分散剤として樹脂を用いる樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散型顔料)、マイクロカプセル型顔料、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)とすることができる。更には、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基が化学的に結合している改質された顔料(ポリマー結合型自己分散顔料)として用いてもよい。無論、分散方法の異なる顔料を混合することも可能である。
本発明においては、上記の分散方式の中でも樹脂分散型顔料を使用することが好ましく、この場合の分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体中に安定に分散させることのできるものが好適に用いられる。分散剤の具体例としては、例えばスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体及びスチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体又はこれらの塩等が挙げられる。またこれらの分散剤として使用する樹脂は、その重量平均分子量が1,000以上30,000以下の範囲のものが好ましく、4,000以上12,000以下の範囲のものが更に好ましい。また、分散剤として使用する樹脂は、その酸価が50.0mgKOH/g以上300.0mgKOH/g以下の範囲のものが好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水性媒体を含有させることができる。本発明のインクは、水性のインクとした場合に生じる、一般式(I)で表される顔料の耐アルカリ性の低下を抑制し、かつ耐光性、色相及び色調に優れた画像を与えるものである。
前記水性媒体としては、例えば、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒が挙げられる。水としては、イオン交換水を使用するのが好ましい。また、水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール等の炭素原子数1乃至4のアルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、;グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:200〜2,000程度)、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、チオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン等の複素環類;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物等が好適な例として挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、1種、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のインク中に含有される水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下の範囲が好適である。また、インク中に含有される水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下の範囲が好適である。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記で説明した成分以外にも、インクジェット用に好適に使用できる従来のインクを構成する成分をいずれも使用することができる。このような成分としては、例えば、界面活性剤、保湿剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤が挙げられる。具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、尿素、尿素誘導体などの常温で固体の化合物や、アセチレングリコール誘導体やポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤等が好適な例として挙げられる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、複数のインクで構成され、イエローインクとして上記で説明した本発明のインクを含むものである。本発明におけるインクセットとは、複数のインクをそれぞれ独立に収容する複数のインクカートリッジの状態、複数のインクをそれぞれ収容する複数のインク収容部が一体的に構成されたインクカートリッジの状態、などを包含する。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、記録信号に応じて、インクジェット方式により記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であり、上記で説明した本発明のインクを使用するものである。本発明においては特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録ヘッドの吐出口からインクを吐出させる方式のインクジェット記録方法が好ましい。
<記録ユニット>
本発明の記録ユニットは、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドを備えた記録ユニットであり、上記で説明した本発明のインクを使用するものである。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジであり、上記で説明した本発明のインクを使用するものである。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であり、上記で説明した本発明のインクを使用するものである。
以下に、インクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。インクジェット記録装置は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部、及び、これらを保護し意匠性を持たせる外装部から構成されている。以下、これらの概略を説明する。
図2は、インクジェット記録装置の斜視図である。また、図3及び図4は、インクジェット記録装置の内部機構を説明するための図であり、図3は右上部からの斜視図、図4はインクジェット記録装置の側断面図をそれぞれ示したものである。
給紙を行う際には、まず給紙トレイM2060を含む給紙部において所定枚数の記録媒体が、給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
画像形成する際には、キャリッジ部は記録ヘッドH1001(図5参照)を目的の画像形成位置に配置させ、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対してインクを吐出する。なお、記録ヘッドH1001についての詳細な構成は後述する。インクジェット記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM5000が列方向に走査する主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。
最後に、画像が形成された記録媒体は、排紙部で第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。
クリーニング部は、画像記録前後に記録ヘッドH1001をクリーニングする。クリーニング部は、キャップM5010を記録ヘッドH1001の吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作動させることで、記録ヘッドH1001から不要なインク等を吸引する。また、キャップM5010を開いた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着及びその後の弊害が起こらないように配慮されている。
(記録ヘッドの構成)
ヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクカートリッジH1900を搭載する手段、及びインクカートリッジH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有する。そして、ヘッドカートリッジH1000は、キャリッジM5000に対して着脱可能に搭載される。
図5は、ヘッドカートリッジH1000に、インクカートリッジH1900を装着する様子を示す斜視図である。本実施形態のインクジェット記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、淡マゼンタ、淡シアン、及びグリーンの各インクによって画像を形成する。従って、インクカートリッジH1900も7色分が独立に用意されている。上記において、少なくとも1種のインク、好ましくはイエローインクとして、本発明のインクを用いる。そして、図5に示すように、それぞれのインクカートリッジH1900は、ヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。尚、インクカートリッジH1900の着脱は、キャリッジM5000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行うことができる。
図6は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図である。ヘッドカートリッジH1000は、記録素子基板、プレート、電気配線基板H1300、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800などで構成される。記録素子基板は第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101で構成され、プレートは第1のプレートH1200及び第2のプレートH1400で構成される。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソグラフィ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路もまた、フォトリソグラフィ技術により形成されている。更に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図7は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101を示す正面図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインクを供給する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)である。第1の記録素子基板H1100には、イエローインクのノズル列H2000、マゼンタインクのノズル列H2100及びシアンインクのノズル列H2200の3色分のノズル列が形成されている。第2の記録素子基板H1101には、淡シアンインクのノズル列H2300、ブラックインクのノズル列H2400、グリーンインクのノズル列H2500及び淡マゼンタインクのノズル列H2600の4色分のノズル列が形成されている。各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズルの開口部(吐出口)における開口面積は、およそ100μmに設定されている。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されている。第1のプレートH1200には、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。更に、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されている。この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持している。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものである。この電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、インクジェット記録装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。外部信号入力端子H1301は、カートリッジホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
インクカートリッジH1900を保持するカートリッジホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固定され、インクカートリッジH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成している。インクカートリッジH1900と係合するインク流路H1501のインクカートリッジ側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクカートリッジH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
更に、前述のようにカートリッジホルダー部と記録ヘッド部H1001とを接着等で結合することで、ヘッドカートリッジH1000が構成される。尚、カートリッジホルダー部は、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成される。また、記録ヘッド部H1101は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される。
尚、ここでは記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行うサーマルインクジェット方式の記録ヘッドについて一例を挙げて述べた。この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型の何れにも適用可能である。特に、オンデマンド型の場合には、インクが保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応し、核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくともひとつの駆動信号を印加する。このことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面においてインクに膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応したインクの気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介してインクを吐出させて、少なくともひとつのインク滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・収縮が行われるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。
また、前記のサーマルインクジェット方式に限らず、下記に述べるような、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置としてもよい。かかる形態のインクジェット記録装置は、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備えてなる。そして、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インク滴を記録ヘッドの吐出口から吐出させる。
また、インクジェット記録装置としては、上述のように記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。また、インクカートリッジは記録ヘッドに対し分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、インクジェット記録装置の固定部位に設けられて、チューブ等のインク供給部材を介して記録ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。更に、記録ヘッドに対し好ましい負圧を作用させるための構成をインクカートリッジに設ける場合には、以下の構成とすることができる。即ち、インクカートリッジのインク収納部に吸収体を配置した形態、又は可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などを採用することができる。また、インクジェット記録装置としては、上述のようにシリアル記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
以下、実施例、比較例及び参考例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。尚、本発明の各評価基準では、B以上を許容できるレベル、Aが優れているレベル、また、Cを許容できないレベルとした。また、以下の[顔料分散液の調製]及び[インクの調製]の記載で「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
[顔料分散液の調製]
以下に示す手順により、顔料分散液1〜6を調製した。尚、以下の記載において、分散剤とは、酸価210mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10.0%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた樹脂であり、水溶液の状態で使用した。
(顔料分散液1の調製)
顔料(C.I.ピグメントイエロー139)10.0%、分散剤50.0%、イオン交換水40.0%を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液1を得た。
(顔料分散液2〜6の調製)
顔料分散液1の調製において、顔料をC.I.ピグメントイエロー185、128、213、74及び155に変更する以外は顔料分散液1の調製と同様にして、顔料含有量が10.0%である顔料分散液2〜6をそれぞれ得た。
[インクの調製]
下記表1〜表3に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。
[記録物の作製]
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、インクジェット記録装置PIXUS990i(キヤノン製)のイエローインクのポジションに装着した。そして、キヤノン写真用紙 光沢ゴールド(キヤノン製)に対して記録デューティを50%、100%及び150%としたベタ画像を記録した。尚、上記インクジェット記録装置では、600dpi×600dpiに4.5pLの体積のインクを4滴付与する条件を、記録デューティが100%であると定義される。
[発色性の評価]
得られた記録物(150%デューティのベタ画像)を24時間自然乾燥させた。その後、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて、CIE(国際照明委員会)により規定された色差表示法のL、a、b表色系におけるa及びbを測定する。そして、得られたa及びbの値から、下記の式で定義される彩度Cを算出した。発色性の評価基準は以下のとおりである。評価結果は表5〜8に示す。尚、イエローインクによって形成され画像としての発色性は、彩度Cの値が高いほど好ましい。
={(L+(a+(b1/2
AA:Cが100以上であった
A:Cが95以上100未満であった
B:Cが90以上95未満であった
C:Cが90未満であった。
[色相の評価]
得られた記録物(150%デューティのベタ画像)を24時間自然乾燥させた。その後、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて、CIE(国際照明委員会)により規定された色差表示法のL、a、b表色系におけるa及びbを測定する。そして、得られたa及びbの値から、下記の式で定義される色相角H゜を算出した。色相の評価基準は以下のとおりである。評価結果は表5〜8に示す。尚、イエローインクによって形成され画像としては、色相角H゜の値が90度に近いほど好ましい。
≦0、b≧0のとき H゜=180°+πtan−1(b/a
≧0、b≧0のとき H゜=πtan−1(b/a
A:H゜が88°以上92°以下であった
B:H゜が85°以上95°以下(但しAの範囲を除く)であった
C:H゜が80°以上100°以下(但しA及びBの範囲を除く)であった。
[耐光性の評価]
得られた記録物(50%及び100%デューティのベタ画像)を24時間自然乾燥させた。その後、キセノンウエザオーメーターCi4000(アトラス製)の内部に置き、照射強度0.39W/m、槽内温度50℃、湿度70%の条件で100時間放置した。記録物を放置する前後におけるベタ画像の画像濃度(光学濃度)を、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて測定し、得られた光学濃度から、下記式で定義される光学濃度の残存率を算出した。耐光性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表5〜8に示す。
AA:光学濃度の残存率が90%以上であった
A:光学濃度の残存率が80%以上90%未満であった
B:光学濃度の残存率が70%以上80%未満であった
C:光学濃度の残存率が70%未満であった。
[耐アルカリ性の評価]
得られた記録物(100%デューティのベタ画像)を24時間自然乾燥させた後、アルカリ性人工汗液(pH=8.0)を1滴スポットさせて、1分後にアルカリ汗液をガーゼ等をあてて拭き取り、乾燥させた記録物の光学濃度を目視で評価した。尚、アルカリ性人工汗液は、汗に対する染色堅牢度試験方法(JIS L 0848)に記載の方法で調製した。耐アルカリ性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表5〜8に示す
A:光学濃度の低下が全くなかった
B:光学濃度がわずかに低下した
C:光学濃度がかなり低下した。
1 色材としてイソインドリン系顔料(C.I.ピグメントイエロー185)のみを含有するインクで形成した画像の分光反射スペクトル
2 色材としてアゾ系顔料(C.I.ピグメントイエロー128)のみを含有するインクで形成した画像の分光反射スペクトル
3 色材としてイソインドリン系顔料(C.I.ピグメントイエロー185)とアゾ系顔料(C.I.ピグメントイエロー128)とを1:1で含有するインクで形成した画像の分光反射スペクトル
4 イエロー画像の理想の分光反射スペクトル

Claims (11)

  1. 第1の色材及び第2の色材を含有するインクであって、
    前記第1の色材が、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記第2の色材が、C.I.ピグメントイエロー213であり、
    樹脂で分散された前記第1の色材と、樹脂で分散された前記第2の色材とを混合することで得られることを特徴とするインク。
  2. 前記インクが、水性のインクである請求項1に記載のインク。
  3. 前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、全色材のインク中における含有量(質量%)に対して占める割合が、10.0%以上90.0%以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、全色材のインク中における含有量(質量%)に対して占める割合が、20.0%以上50.0%以下である請求項1又は2に記載のインク。
  5. 前記第1の色材が、C.I.ピグメントイエロー185である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. 複数のインクで構成されるインクセットであって、イエローインクとして請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクを含むことを特徴とするインクセット。
  7. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インクが請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. インクをインクジェット方式で吐出する工程を有するインクジェット記録方法であって、前記インクが請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットであって、前記インクが請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とする記録ユニット。
  10. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクが請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 第1の色材及び第2の色材を含有するインクの調製方法であって、
    前記第1の色材が、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記第2の色材が、C.I.ピグメントイエロー213であり、
    前記第1の色材を樹脂で分散する工程、前記第2の色材を樹脂で分散する工程、及び、前記樹脂で分散された前記第1の色材と、前記樹脂で分散された前記第2の色材とを混合する工程を有することを特徴とするインクの調製方法。
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